オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 死を招く煌露

死を招く煌露 ことね桃

形態
ショート
難易度
難しい
価格
1500(EX)
ジャンル
バトル 防衛 救出 続編予定 
参加人数
103~10人
予約人数
10010100
基本報酬
230000G
230SP
2300EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
5
締切
2020/03/18 20:00
完成予定
2020/04/02 20:00
機体使用
-
関連シナリオ
Eclosion

●想いとは何か

「ヒトの想いとは一体何なのだろうな……我々の知性と何が異なる? 何故あれほどの力と闘志を引き出すことができるのだ」
 エルゴマンサーの劉 俊傑(lz0113)は目の前で横たわり、ただ喘ぐだけの少女型ナイトメアの頬を撫でた。
 このナイトメアの姿は人間とそう変わりはしない。
 ただ知性に欠け、その虚ろな脳に滾る殺意を注ぎ込んだだけの殺人人形だ。
 金属製の筒を噛ませられた口からは熱い息が漏れ、血走った眼が劉を睨みつける。
 それを劉はよく躾けた大型犬でも愛玩するように何度も髪を撫でた。
「そう焦るな……お前もいずれ外に出してやる。お前……いや、お前達ならば俺の見たいものを現実に見せてくれるかもしれないからな」
 その声には甘やかな期待が込められていた。ナイトメアは満足そうに目を細め、劉の脚に頬を擦り寄せる。
 ――ナイトメアの知性は本体の力量に正比例するものの、あくまでも戦況を優位にするために使われるものだ。
 言葉や挙動で敵を翻弄し、隙を与え、葬り、ヒトを食し。
 稀に不利な状況に追い込まれた時には不意をつき、距離を得るために駆ける――。
 それを活かすことに劉は迷いはなく、それこそがナイトメアの生きる道だと思っていた。
 他者を殺め己が生きるために知性と力を揮い、後には何も残さぬ死の道を往くのだと。
 きっとこのナイトメア達も同様に命を貪り、果てるまで力を荒ませるはずだ。
 だがヒトは違う。
 自らがいくら傷つこうとも何かのために立ち塞がり、どれほどの苦渋を呑み込んでもヒトとしての矜持を守る。
 劉は軋むソファにどっかと腰を下ろすと、顎髭を撫でた。
 ――彼なりに考え込む時の癖のようなものだ。
(ヒトの選ぶそれが弱さなのか、強さなのか、今の俺にはわからん……そもそも自ら死を選ぶとは何だ? 自ずから生命活動を終えることに意味はあるのか? 死すれば無だ、喰らうことも進むこともできん。それならこいつらのようにただただ喰らい、未来を生きた方が生命として正しいのではないか?)
 甘えるように劉の靴先を指で撫でるナイトメアを見下ろし――彼は考える。
(そうだな……そろそろこいつらを外に離しても良いか。確か今日は休日、街にニンゲンも溢れているはずだ。もしかしたら俺の望む光景を見られるかもしれん)
 劉は腰にさげた鍵を外すと、ナイトメアの後頭部に備えた鍵穴へそれを挿し込んだ。
 ――がちゃり。
 冷たい金属音とともに拘束具が外れ、少女ナイトメアの素肌に煌めく水滴が纏わりついていく。
 劉の持つ水妖の力によるものだ。
「街までは俺がエスコートしてやる。それまでいい子で待っているんだぞ?」
 大きな手で少女ナイトメアの頭を幾度か撫でると――少女は無垢に青い目を細めた。


●死の軍勢

 その日はごく普通の――平和な休日だった。
 若者は街でショッピングに興じ、老人達は公園で談笑を楽しみ、子供達は街角でゲームやスポーツを満喫している。
 だがそんな目抜き通りの中で――悲鳴が上がった。
 身体が硝子でできたかのように透き通った美しい少女が、腕か巨大な鎌を突出させて人を斬り裂いたのだ。
「くそっ、早く助けねーと間に合わんぞ!」
「きゃあああああっ、ナイトメアよ! 皆、逃げてええ!!」
「早くSALFを……くそっ、警察でも救急隊でもいい。早く来てくれよ!!」
 被害者を救おうと必死で状況を伺う男、逃げ惑う女性や子供達、物陰に隠れながらスマホで通信を試みる青年。
 彼らの反応は全く異なるものではあったが、上空から見下ろす劉の顔はあくまでも退屈そうなものだった。
「急がねばより大きな惨事が起ころうというのに……全く、悠長なものだな」
 そう、ここにいる少女ナイトメアはたったひとりではない。
 奴と同型の――蟷螂の性質と劉の力の加護を得た者が10体この地に降ろされているのだ。
 各地から聞こえてくる悲鳴――それがどんな理屈で発されたものなのか、劉はそれが気になって仕方がない。
 絶望か、痛みか、希望か、安堵か――願わくばそれを全て見てみたい。
 どうすればニンゲンは笑いながら死ぬのかと。
 その時、彼はふと口にした。
「……そうだな、できればあのライセンサーとかいう連中にも来てほしいものだ。奴らが姿の見えぬ敵相手に翻弄されながらも。それでも心折れずに戦うというのなら……俺はそれを見てみたいと思っている……」

 それから間もなく現場に駆け付けるSALFの戦闘用車両。
 多くのライセンサーが武装し、駆けだしてくるのを見て劉は笑った。
 やはり奴らは己を犠牲にしようとも戦いを望む戦闘狂か、
 それとも別の何かか――その見極めができそうじゃないかと。

目的
少女型ナイトメアの殲滅

場所
ある地方都市の目抜き通り。
騒動の影響か人気は減りつつあるが逃げ遅れた人間が10名ほど散り散りにいる。
(各自物陰に隠れたり、這う這うの体で退がる程度のことは可能)
露店や看板などが点在し見通しはそれほど良いとは言えないが、
それらを破壊しても市民は構わないとSALFに通達している。
幸いにも負傷者は救急隊に確保され、一命は取り留めたようだ。


少女型ナイトメア(蟷螂)11体。
身体の強度はそれほど強くはないが、劉の力により朝露のような水滴を纏い姿を隠している。
ただしこの力は7m上空にいる劉により発動されているものであり、
劉が何らかの事情(ダメージの蓄積や対話など)によりいなくなるか、
劉より10スクエア離れれば解除されて姿が見えるようになる。
または慎重に目を凝らす事でも彼女らの存在するの空間の歪みに気づくことができる可能性がある。
攻撃手段は両腕の鎌による連続攻撃(威力中)、顎を外しての噛みつき(威力中~大)。
食人直後の個体の場合は生命を全回復した上に、身体を膨張させての体当たり(威力大、行動阻害付)を仕掛けてくる。


今回は傍観者に徹しています。
対話可能ですが攻撃してくることなく回避に専念するので無視してもOK。ナイトメア全滅で撤退します。

成功度について
できるだけ市民に犠牲者を出させないこと、早期に殲滅させること、その2つがポイントとなります。

同行NPC
菫青(lz0106)
前回自分の過去を振り返った結果、少しだけ生きたいと思えるようになった模様。
武器はナイフから長大な日本刀(射程2)に持ち替え、ライフル(射程5)も装備。
スキルは狂奔なる行軍、メテオダイブ、探索・追跡。

いつも大変お世話になっております、ことね桃です!
ようやく姿を現わしたエルゴマンサー・劉。
彼は自分が属するナイトメアの大勢に関わらず、
あくまでも人間の本質を見るために「観察」を開始しました。
そこで彼が目にするものとは一体何なのか……?
罪なき市民たちを助けるためにもお力添えのほど、よろしくお願いします!

3班に手分けして対応。
【編成】
A:ティアナ、ツギハギ、柳生、S=F
B:ケイ、アンリエッタ、アクイレギア、菫青
C:レイヴ、小虎、紅迅

「…見えr…いや、見えないわね。」
揺らぎはわかる気はするけど、戦闘中に視認は無理と判断。
「んじゃま…見えるようにしますかね、っと!」
そこら辺の露店か何かで拾ったワインを”何もないのに物音がした辺り”にぶん投げ、ハンドガン(携帯品内)を抜き撃ちして破壊、中身をぶちまける。

とりあえず劉はスルー。ナイトメアについて回るようなら対処いるかなぁ、とは思いつつ。
相手が見えないうちはステルスを引っぺがすことを優先。
音や(ワインがかかっているなら)匂いを頼りにその足元にジョーカーを撃ち込み、爆風で瓦礫などの煙を巻き上げて付着させる。
ほか、民間人を標的にしている個体を優先的に潰す。
複数見えてるなら「凍り閉ざす銀」を使ってまとめて抑える。他のスキルに出し惜しみ無し。
レクセルとジョーカーを使い分け、前者はダメージソースを味方の援護。後者は爆風による行動妨害や前述のステルス解除主体。

接近戦を挑まれたらジェネレイトブレイド抜いて応戦。
防御専念で時間稼ぎ。

  • 雛鳥の紅緒
    ツギハギla0529
    ヴァルキュリア18才|セイント×ゼルクナイト

劉に
「今度はどうどうと覗き見?趣味が悪いわね。配下に任せて観戦してるだけじゃ望むものは手に入らないわよ?

蟷螂が近くにいる市民には自分達の方に来るよう警告
劉から10sq以上離れていて蟷螂がいない市民には逃げろと警告
その他は自分達が保護するまで留まるよう告げる

菫青に市民の救出に協力するよう頼む
「戦友の気持ちは解るけど今は市民の救出に協力して欲しいの。戦友と同じような想いをする人をこれ以上増やしたくないの、助けたら化け物を倒すのに協力するから、お願い!

劉は無視して3手に別れて市民救助
自分はA班

まずは見えている蟷螂の近くにいる市民から救助し次に劉の10sq以内にいる市民を救助
味方が見つけた敵にワインを投げて視覚的に位置が解るようにする

市民が狙われた際はアリーガードで庇う

生命力半分以下の味方が複数いる際は天佑の雨雫
「纏めて癒すわ、近寄って!
生命力3割以下の味方がいる時は神恵の雨雫
「死なせないわよ、戦友!

  • 我が脚は昏き氷を砕く光刃
    柳生 響la0630
    人間16才|グラップラー×セイント

※アドリブ大歓迎!

【目的】
敵の殲滅

【行動】
A班(ティアナ、ツギハギ、響、S=F)で行動

劉を警戒しつつ、スキル「探気」を使用し蟷螂少女を索敵
「前回は、アサルトコアで倒せなかったんだ
 頼むから暴れてくれるなよ・・・」

その際、より確実性を期す為に周囲の店等から小麦粉や消火器を拝借し、散布
粉末の上に足跡等の痕跡が見られたら、そこへ「探気」を使用

敵を発見すれば、スキル「正中線三連撃」で仕留めていく
発見した敵の現在位置は仲間に共有
「○〇時の方向、距離○○!!」

スキル「聴覚」も使用し、生存者の確認も併せて行う

余裕があれば劉を観察
目線の動きや表情、仕草等
集めれそうな情報は何でも集める

戦闘後は菫青ちゃんに絡みにいく



同行:アンリエッタ、アクイレギア、菫青

索敵
菫青の探索・追跡と自身の探気にて索敵
敵発見次第、同行の仲間と情報共有しつつ敵に印付け
印付けの方法としては以下の方法を使用
・ワインを敵頭上に放り投げ撃抜く
・近場の店より小麦粉を拝借、投げ付けて粉塗れにする
・手近な場所に消火器が有れば敵に向け噴霧

戦闘
逃走と民間人への被害縮小を狙い、大腿部をメインに攻撃
→移動を困難にする
それでも移動するようなことがあれば心射撃使用
数体同時に出てきた際はエリアスナイプ発動
移動困難よりも早期討伐を優先させる
尚、常に周囲に目を光らせて置き、空間の歪みなどに注意
→極力奇襲を受けないように立ち回る
→敵に印付けした際の小麦粉などに付く足跡などもチェック

【心情】
光学迷彩使えるなんて羨ま…厄介な。check sixですね。
【目的】
敵の殲滅
【準備】
さらしをバラクラバ代わりに顔に巻き、ゴーグルで目元を隠す
ペンライトを銃にダクトテープで巻き付ける
【行動】
迅速な敵の排除を目指す
作戦中は3班として、班員と行動を共にする
他の班含め友軍と常に通信で情報共有を行い、敵の位置及び市民の位置を把握

班員の後方から追従し、友軍に対して死角からの攻撃や後方の警戒を密にする
索敵は銃に付けたライトを使用し、普通の場所を照らした時の差異や影などに注意して行う

敵発見・戦闘時は友軍誤射に注意しつつ射撃支援
前衛が攻撃しやすいように胴体や脚部を狙って心射撃や足止めを使用
射撃する際は膝射の姿勢や街路樹等に依託射撃の姿勢をとって精度をなるべく高める
前衛に対しての不意討ち等にも警戒

敵の射程内に絶対入らないよう留意するが、こちらに攻撃が来た場合には即座に離脱を図る

自身含め友軍にシールド値が50%以下の者に対してヒール使用

  • 首があるなら刈ってみせる
    紅迅 斬華la2548
    人間25才|セイント×ネメシスフォース

さて…この間は重体で役に立ちませんでしたからね…♪今回はそうはいきませんよぅ!

目的
一般人の救助
敵の首

準備
懐中電灯
用意できなければペンライト3本をヘアゴムで束ね簡易懐中電灯にする

行動
C班で行動
救助優先
移動する前に探索・追跡スキルを用いて一般人を探し痕跡を見つけたら仲間に情報共有
移動する際は移動付近を懐中電灯で照らしながら移動し、何もない所を照らせばそこに少女型がいるはず、先手を取って攻撃する
危険な状況なら全力移動で敵と一般人の間に割って入る
攻撃は当然首を狙う
相手が対策しようと防御しようとそのまま一刀両断する気で叩き斬る
「複数は同時に攻撃できませんが、極めた武にスキルは不要♪」

脆い味方や一般人への攻撃は射線を遮り守る
一般人保護したら安全な場所へ誘導

戦闘共通
歩幅と足運びの速度は一歩一歩ランダムに変え、相手の攻撃時と防御時共に間合いを狂わせる
攻撃は、緩急と虚実を織り交ぜ防御と予測を困難にする

防御
連続攻撃は攻撃挙動に合わせて刃を差し込み軌道をずらし軽減
噛み付きは相打ち覚悟で口を開けたところにに捻りを加えた突きを叩き込む
体当たりはぶつかってくる勢いを利用しカウンターで首を断つ
「肉を斬らせて首を断つのがお姉さんのスタイルですよ♪あ!首が取れたら分かりませんね♪」

生命5割以下でハイヒール
200以下でFキュア

SF映画で狩人宇宙人がが使ってるステルス迷彩?みたいなのです、屈折率でも変えて見えにくくしてるのです?

ちゃんと兵器や武器のお勉強はしてるのです。

B班で戦闘なのです

返り血でも浴びてくれれば見えやすいのかもですが、そうも行かないのです。
そのへんのお店から、泡消火器や粉末消火器とか、小麦粉とかをぶんどってくるのです。

小麦粉を見つけたら袋を上に思いっきりぶん投げてショットガンでバン!なのです。
浴びてくれたり足跡が付けば、位置がわかるかもしれないのです!

できるだけ正面からは入りにくいように、武器は正面に向けておくのです。

位置がわかれば下がりながらショットガンを足元や胴体に向けてガンガン撃って引き付けてやるのです!

引き寄せて、大鉈の峰で鎌ごと叩き折るつもりで胴体をフルスイングなのです!
折れたなら、もう一度刃を叩きつけてやるのです!

攻撃はできる限り前に出て、飛雀幻舞でステップを取りつつ横に回りながら避けるようにするのでのです、非常時は大鉈で防いで受け止めて、柄で殴るのです。

大顎を外す動作ををしたら、バックステップして顎を狙って大鉈の峰でフルスイングして顎を吹き飛ばすのです!

劉は別に興味はないのです、こっちを見ているのなら話はするのです。

「なんかを確かめているみたいなのですが、そちらの考える内容的には合格なのです?」

  • 弔歌を貴方に
    S=Fla3106
    放浪者56才|スピリットウォーリア×ゼルクナイト

姿が見えないってのは厄介だな…
どこから来るのかわかりゃあしねえ…

準備として小麦粉を持参する

A班にて行動
逃げ遅れた市民を見つけ救助する
市民の安全を最優先に
見えないなら見えないで、攻撃されても身を盾にしてでも庇える様にするだけだ
大剣を盾がわりに

見えなくても位置がわかるなら神経を研ぎ澄まして『キーンエッジ』で攻撃
剣はそれまでの攻防で傷をおっていたら血で濡らしておこう

  • 比翼となりし黒鴉
    アクイレギアla3245
    放浪者17才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

事前に小麦粉を複数購入、用意しておく

菫青と同行しB班
「あやっべ、これ思ったより見えねーわ。んっとー…菫青のねーちゃん!俺引き付けるから、攻撃お願いしてイイ?」
開幕ロードリーオーラで敵を引き付ける
誘引されて向かってきた敵に味方巻き込まずパワーツイスト、小麦粉の袋も投げて空中で広範囲にばらまく
「ぶっ散らばっとけぇ!!…ってコレ俺まで真っ白になるじゃねぇかどうしようねーちゃん!白いと鴉じゃねぇ!」アイデンティティの危機!とぎゃあぎゃあ(

小麦粉を敵に被せ姿を晒させ、且つ地面に落ちた粉で足あとができると思われるのでそれも見て敵の位置を把握
把握した敵から倒していく。菫青を狙う攻撃にはアリーガードで庇う

「あーーー!!てめぇコラこないだのカレシ泥棒のヘタレクソ野郎!何してくれてやがる!!」劉の事は全力で罵倒!(
但し外見は罵倒しません。劉とも呼ばないけれど。
今回はあくまで目の前の少女型11体の討伐。勝てないし。悔しいけど戦闘では関わらない!
「うるせー!知らねーーーー!!」

「オイコラ霧野郎。アンタこれ(ナイトメア)自分で育ててたの」
「こーやって死んでくのになんも思わない?じゃ、今のアンタにゃぜってー理解できねぇよ」
「御託ばっか並べてんじゃねぇ!最期の思いも心も、満足してたって何だってそりゃそいつだけのモンだ!理解しようってのが間違ってんだよ気づけバーーーカ!!」

  • 竜殺し
    杉 小虎la3711
    人間18才|グラップラー×ゼルクナイト

「姿の見えないマンティスってハナカマキリの上位バージョンですわね」
あっちは擬態上手でこっちはもっとダイレクトに透明と来ましたか。原理はザラガスみたいですけれど。ほんとのところはエルゴマンサーも攻撃しないとダメなんじゃないかと思うもの、
一見して何もする様子がなく、かといってこちらから何か仕掛けるにしても前回のAC戦でも
歯が立たなかったのを見て皆さん放置の方向のようだから、小虎としても協調性を発揮して
手を出さないことにする。ほんとは出したいんだけれどね。

透明少女退治。
探気能力を皆に付与して、全員での住宅爆撃探査で透明どもをあぶりだす。
ハナカマキリ対応時はもっと迂遠な探索方法がとられていたが、今ではスキルで代用できる
のだからいい時代が来たものですわ。さりとて頼り切るわけでもなく、現在でも弱点や
問題点の抽出中である。
見つけたらいきなり殴りかかるではなく、可能なら、仲間もしくは自分が反対側に回り込んで
退路を塞いだうえで一気呵成のぶっ倒す。逃げられると回復される可能性もあり、ややこしい
事はごめんだと確実な方法を取っていく。

「斬って赤い血が流れれば殺せますわ」そして見ることもできる。
とにもかくにも厄介な敵こそ確実な殲滅で上位進化版を作らないのが肝要である。
すこしでも成功例を重ねて進化した兵隊が相手の手に渡らないように奮闘する小虎である。

●止まらぬ悲鳴

 乱れた靴音、幾重にも響き渡る悲鳴、重みのある何かが崩れる音。
 そして、積み重なる瓦礫とアスファルトに広がる血。
 ライセンサーが現場に到着した時点で既に地獄のような光景が目の前に広がっていた。
 車から降りたS=F(la3106)はすぐさま「どうやら今はあちららしいな。全員助けられりゃいいが」と渋い顔で告げ、走り出す。
(支部からの情報によると敵さんは姿が見えないって話だ。厄介だな……。方角は大まかに判れど、どこから来るのかわかりゃしねえ。ともかく、何はともあれだ。俺の仕事は誰も殺させねえこと……それだけだ)
 彼の腰には小麦粉の詰められた小袋がぶら下げられている。
 これを敵の気配のする場所に放れば奴らを示す印になろうか。
 同様にアンリエッタ・賽松(la3087)も小麦粉の入った小袋をスーツの左右に下げた。
「姿が見えないなんて……SF映画で狩人宇宙人がが使ってるステルス迷彩みたいなのです。屈折率でも変えて見えにくくしてるのです? んー……返り血でも浴びてくれれば見えやすいのかもですが、そうもいかないのですよね?」
 アンリエッタは一見愛らしい、お嬢様然とした少女だ。
 しかしその内には激しい破壊欲求を秘めている。ゆえにあらゆる兵器に強い関心を抱いているのだ。
 ――とはいえ銃は専ら零距離射撃、近接武器は身体能力を活かし全力で叩きつけることを主とするごくシンプルな戦術なのだが。
 そんなアンリエッタに「そうかもしれないわね……。だからこそ私達が先制して彼らの姿をあぶり出さなければ。もし形が難しいのなら香りだけでも、ね」と囁いたのはケイ・リヒャルト(la0743)。
 彼女は2本の赤ワインをコートの内側に引っ掛けていた。
 フルボディの赤なら強烈な彩と濃厚な香りで敵の存在を確かに示してくれるはずだ。
 一方、物々しい街をどこか眩しそうな目で見つめる青年もいた。元軍人のレイヴ リンクス(la2313)である。
(光学迷彩を使えるなんて羨ま……厄介な。check sixですね)
 光学迷彩は現在も国連軍やSALFで研究中の科学技術である。
 姿を風景に空気のように消してしまう能力。
 映画や漫画では頻繁に登場するものの、まだ実用に至るほどの革新的な進化には至っていない。
 それゆえに軍を知る彼は憧れるのだ。戦場を我がものの如く駆ける力を。
 レイヴはその感情を抑えるようにさらしをバラクラバ代わりに顔に巻き、ゴーグルで目元を覆った。
「へぇ……市街戦仕様の本格的な装備ね?」
 ティアナ・L・ベイリー(la0015)が彼の佇まいを見るや、火のついていない咥え煙草をため息混じりに指へ挟んだ。
 彼女は先ほどレストランの倉庫からワインを数本頂戴したらしい。
 ベルトにボトルを吊り下げると硝子の心地よい音が重なる。
 レイヴがそれを聞くと、ダクトテープで銃にペンライトを固定しながら目を細めた。
「市街地でのサーチアンドデストロイなのでどちらが先に音を察するか……それが生死の分かれ目となります。古巣で培った技術を使って兵士らしく臨みたいと思いまして。ところでそれはワインですか。それでマーキングをするおつもりで?」
「ええ、そうよ。どこまでやれるかはわからないけどね」
 くぐもった声で愛想よく笑むレイヴと、飄々と返すティアナ。
 両者が共通しているのは互いの声は軽やかであれど、その脚は戦場に向かい迷うことなく突き進んでいることだ。
 その頃、紅迅 斬華(la2548)は懐中電灯を点灯して脇道を照らし出した。
「さて……この間は重体で役に立ちませんでしたからね……♪ 今回はそうはいきませんよぅ!」
 斬華は武家の娘であり、敵の首を刈ることを戦場の誉れと捉えている。
 ゆえに前回の重体による支援中心の戦は苦渋だった。
 しかし今日は汚名返上とばかりに自由な四肢で七星剣を手に戦場を駆ける。
 誰も殺させない、そして敵の首を多く落とすために。
 その後ろに続くのは杉 小虎(la3711)だ。彼女は周囲に聞き耳を立てながら時折宙を睨む。
 本来倒すべき敵がそこにいるのだから。
 劉 俊傑――人間の中にあるモノに惹かれ続けるエルゴマンサー。
 奴はいつもの煙草を咥え、悠然と腕を組んでいる。
(先日は無人の廃区画、今回はヒトで溢れかえる休日の街……全く異なるシチュエーション。奴の行動原理がわからない……けれど、わたくしは奴も攻撃せねばと思うのです)
 今でもこのままビルを駆けあがり階段から飛び跳ね、重力に身を任せて握りしめた斧を叩きつけたい。
 如何ほど相手が強けれどもナイトメアの討伐をせねばならない、それがライセンサーとしての使命なのだから。
 しかし。
(今の彼奴には一見して何もする様子がなく、かといってこちらから何か仕掛けるにしても……前回の戦でもアサルトコアを用いても歯が立たなかった。ゆえに皆様は直接の戦闘を回避する方向なのでしょう。わたくしも……本来なら命を懸けてでも一戦交えたいのですけれどね)
 猛る心のまま命を捨てては戦の華も咲きはしない。
 いつかこの手で倒してみせると誓いながら小虎は斧の切っ先を静かに下げた。
 それとは逆に劉に対し、明らかに警戒と蔑視の目を向ける者もいた。
 ツギハギ(la0529)  と柳生 響(la0630)である。
「前回は、アサルトコアで倒せなかったんだ。頼むから暴れてくれるなよ……」
 響が苦い表情で願う。
 現人類と異世界の技術を併せ持って造り上げられた戦闘兵器アサルトコア。
 それが8体あっても倒しきることのできなかったエルゴマンサーは圧倒的な威圧感を放っている。
 響は小型消火器を肩に掛けると、これ以上被害の出ないよう悲鳴の聞こえる方向へまっすぐ向かった。
 かたやツギハギは。
「今度は堂々と覗き見? 趣味が悪いわね。配下に任せて観戦してるだけじゃ望むものは手に入らないわよ?」
 機械仕掛けの目で劉のサングラスで覆われた目元を睨みつける。すると劉は彼女を見下ろしにやりと笑った。
「覗き見? いやいや、これは高みの見物というものだ。機械の娘、俺が知りたいものはお前らヒトがどうすれば満足して死ぬのか……その条件だ。それに俺が介入すればお前らは満足する以前に消える。それでは面白くないだろう?」
 肩を竦めて氷の弾丸を一瞬だけ周囲に展開する劉。
 その威力を知るツギハギは「……だから化物はいつまで経っても化物のままなのよ」と吐き出し、駆けだした。
 その様子を後方から黙って睨む菫青に彼女は叫ぶ。
「戦友の気持ちは解るけど、今は市民の救出に協力して欲しいの。戦友と同じような想いをする人をこれ以上増やしたくないの、助けたら化け物を倒すのに協力するから、お願い!」
「……了解。少なくともあれを満足させてはいけない。それだけは私も認識している」
 以前のナイフとは異なる、斬馬刀にも似た刃を背に駆ける菫青。ツギハギはその変化に生へのたしかな執着を感じ――安堵した。
 一方、菫青の隣で小麦粉の入った袋を両腕に吊るしたアクイレギア(la3245)が気に入りの黒衣に付着した粉を払ったその時――空間に僅かな歪みが見えた。
 花屋の花が風もないのに滲んだように揺れる。
「もしかして……あれがそうなんかな。これ思ったより見えねーわ。んっとー……菫青のねーちゃん! 俺があいつに目印つけて引き付けるから、攻撃お願いしてイイ?」
「ああ。EXISも僅かだけれど反応している。逃がす手はないな、レギア」
 彩の抜けた冷たい声。しかし菫青は以前と異なり冷静に仲間へ通信するや、アクイレギアと共に追跡を始めた。
 そこで小麦袋を掴んだアクイレギアは唐突に叫ぶ。
「ぶっ散らばっとけぇ!! ……ってコレ俺まで真っ白になるじゃねぇかどうしようねーちゃん! 白いと鴉じゃねぇ!」
「何を言ってる。今日は春らしい洒落た白いパナマ帽が似合っているじゃないか。子鴉殿」
「だーっ! これは頭を守るため仕方なくだ。ねーちゃん、こんなことで俺のアイデンティティ崩壊させんなよなッ!」
 子供らしい小さな足音、一瞬足跡の形に濡れる地面。
 それに向かってアクイレギアは小麦袋を掴むと腕を大きく振り上げた。
 次からは黒いイケてるハットでも探しておこうと思いながら。


●最前線

 ティアナ、ツギハギ、S=F、響の4名は先ほどまでサイレンが鳴り響いていた区域に直行すると得物を構えた。
 救護車両が来るとなれば例え怪我がなくとも救いを求めるもの。
 ヒトがそこに集まる可能性は低くないと判断したのだ。
 響は横目で劉の位置を確認した後、探気で周囲の気配を探る。意識を高めるため、目を軽く閉じて静かな心で――。
(頼むよ……血まみれの休日なんて誰も望んじゃいないんだ。あいつの闇でこの街を血で穢すなんてあっちゃいけない……!)
 願わくば早急に――すると文具店の角に強烈な殺意の流れが垣間見えた。サイズは人間の少女程度だろうか。
「6時の方向、距離45!!」
 軍隊仕込みの判断力で叫ぶ。
 S=Fは咄嗟に目を凝らすも、薄暗い空間が時折揺れるだけ……ならばと彼は小麦袋を横手で投げつけた。
「眩夢に隠れし悪意め、正体見たりっ!!」
 紐で軽く結わえ付けられただけの布が空中で広がり、白煙がまき上がる。
 たちまち現れたのは白く濁った水で濡れた奇妙な少女。
 両肘から下に鋭利な鎌を備え、ライセンサーにその切っ先を向けた。
(奴の意識はこちらに集中している……それなら今のうちに市民を!)
 そこでツギハギは咄嗟に周囲を見回した。するとパン屋の脇道に隠れがくがく震える老人と孫と思われる幼児がいる。
 ツギハギは敢えて明るく微笑むと彼らに小さく手を振った。
「私達はライセンサー。あなた達を救助しに来たの。今、私達の仲間がナイトメアと戦ってる。安全を確保し次第、避難誘導するからそれまで待ってて頂戴ね?」
 そう言って彼女は彼らを背で守るように立ち塞がる。
 おそらく他にもこの周辺にヒトもナイトメアもいるはず。
 鋭い視線で周囲を警戒しながらツギハギは強く意識を巡らせる。
 その頃、ティアナは劉を一瞬だけ見上げると小さく鼻を鳴らした。
(動く様子はなし、か。あいつがいくら優れたエルゴマンサーだとしてもその能力には限界があるはず。ナイトメアの幻惑能力がもし奴のものだったとしても、ある程度の距離まで離すことが出来たなら……!)
 その時、ガラス瓶が割れる音がした。ツギハギが迫りくるナイトメアに向かい、ワインを投げつけたのだ。
「戦友、援護を頼むわ! こちらには身動きの取れない市民がいるのよ!」
「了解。早速撃たせてもらうわ。……凍り閉ざす銀、迫る者全てを貫け!!」
 雲なき空から円錐状の氷が無数に落下する。
 白濁の少女も紅蓮に塗れた少女も全身を氷で無残に引き裂かれ、悲鳴を上げた。
 それはまるで――空にいる主に助けを求めるように。
 当然ティアナらは警戒し咄嗟に空を見たが、劉は面白そうに眺めていた。
 少女達ではなく、その敵であるはずのティアナらを。
(奴の興味の対象は配下ではなく我々だというのか? 奇怪な)
 S=Fは大剣を引き抜きながら怪訝そうに眉をしかめた。
 もっとも奴が動かないのは好都合だ。
 現状の報告書を読むかぎり、生身で勝つ手段など思いつくはずもなかったのだから。


●宙に舞うもの、地に落ちるもの

「姿の見えないマンティスってハナカマキリの上位バージョンですわね。……っと、レイヴ様、紅迅様、彼奴等は2体揃って地下街のシャッター前でこちらを睨んでおりますの。努々油断召されぬよう」
 地下街周辺に到着した小虎は探気を活用し、2体の少女の姿を確認した。
 その腕の鎌にかつて戦ったハナカマキリ型ナイトメアが髣髴とさせられる。
(あっちは擬態上手でこっちはもっとダイレクトに透明と来ましたか。原理はザラガスみたいですけれど。もっとも悠長にはしていられませんね)
 幸い、地下街のシャッターは下ろされているが、その表面は幾重にも斬撃が加えられていた。
 奴らはこれを破壊し、避難している人間達を襲うつもりでいるはず。
 だが敢えて小虎と斬華は奴らを逃がさぬよう、シャッター側に押し込むように突進した。
「退路は塞ぐ、一気呵成にブッ倒す……それが正道ですわ!」
「はい♪ 首を刈ってしまえば全て解決です♪ お姉さんも頑張っちゃいますよ~!」
 蟷螂の雌は産後に雄を食すことで失った体力を取り戻すという。
 それなら奴らも生物を食すことで力を取り戻す可能性がある。
 そんな面倒ごとは御免だと小虎は超弩級戦斧を狙いすまして蟷螂の頭に叩き落とした。
 激しい音が響き渡り、蟷螂の頭は目までがべこりと圧壊する。
 続いて斬華は懐中電灯で周辺を照らし出し、影を見つけるや迷うことなく大剣をしゅらと真横に薙ぐ。
 宣言通り蟷螂少女の首はもろりと地に落ち、残された体が階段を転げ落ちていった。
 特別な力は何ひとつ注がれていない刃――しかし斬華の武力はそれを何ひとつ問題としなかったのだ。
「複数は同時に攻撃できませんが、極めた武にスキルは不要♪」
 これで名誉挽回できるかしら~? 歌うように呟きながら斬華が街に向かって振り返る。
 どうやら先ほどの小虎の打撃による音はあまりに大きく、戦と血に飢えた蟷螂達の気を強く惹いたらしい。
 足音が複数、3人の背後に迫ってくる。
「どうやら僕らは彼女達を引きつける……良く言えばデコイになったようですね。悪く言えば……まぁ、全員倒せばいいだけの話ですけれど」
 そう言うレイヴが銃につけたペンライトは光源としては、今ひとつ力不足だったようだ。
 小虎が叩き潰した蟷螂少女は光の当たらない高さまで姿勢を低くすると、突進。
 彼の脚のイマジナリーシールドに鋭く牙を立てた。
「……っ! 悪いですけれど、これ以上好きにさせるわけにはいきませんのでねっ!」
 危機は好機にも変わり得る。目で見えずとも身体で捉えているのなら確実に急所のある部位を狙えばいい。
 ――タァンッ!!
 ライフル弾がシールドの破壊された周辺を抉る。
 すると蟷螂少女の胸元から腹が大きく裂け、無残な姿で地面に転がった。
「ここに何体来るものか……そしてどれほどのヒトがここに残っているのか……ここが正念場ですね」
 レイヴが下唇を噛み、銃を持ち替える。だが斬華も小虎もあっけらかんとした顔で前を見た。
「お姉さんは来る者拒まずなんですよねぇ♪ 困ってる人は全員助けちゃいますしぃ、殺る気満々さんは苦しまないように綺麗に首を刈って差し上げるだけですぅ」
「敵の姿は気を探らねば見えねど、斬って赤い血が流れれば殺せますわ。そして目にすることもできましょう?」
 ああ、ふたりの女性のなんと勇ましいことか。レイヴはさらしの奥の唇を三日月の形に吊り上げた。
「それでは僕は全力でおふたりを支援しましょう。他班への連絡もお任せください」
 早速インカムで仲間に通信を開始するレイヴ。
 小虎と斬華はシャッターを背にすると、迫る3つの影に揃って刃を向けた。


●惹かれゆくもの

「位置さえわかればショットガンをガンガン撃って引き付けてやるのです! 血さえ流れれば、小麦粉が乾いて吹き飛んでも無問題なのですよっ!」
 アンリエッタは先ほどアクイレギアが小麦粉で穢した蟷螂少女にフルオートショットガンをほぼ零距離で放った。
 ――ズダァンッ!!
 通常のショットガンではありえないほどの数の弾丸が少女の体を抉る。
「ピィイイイイッ!!?」
 悲鳴を上げながら顔を腕で庇おうとする少女。だが攻撃の要となる鎌が折れるなり、顔を歪めて背を向けた。
(ダメージは確実に蓄積している……それなら足止めより撃破を狙うべきね)
 ケイはライフルの弾丸に鋭き旋風のイメージを込め、少女の頭を狙った。
「蝶だって蟷螂の刃を手折ることができるのよ……こうして、地に貴女の運命を委ねることで」
 弾丸が宙を斬り裂き、少女の頭を貫く。
 すると少女の体はつんのめるように足をふらつかせ、
 アンリエッタによる銃創まみれの前身を血に叩きつけ――そのまま動かなくなった。
 だがケイはその結果に安堵することはなかった。次の銃に手をかけながらも周囲に気を巡らせ始める。
(あとはどれだけの人間とナイトメアがいるかを把握しないとね……。敵を斃すのは容易、しかしヒトを守りながらというのは……いいえ、蝶は宙を舞うもの。ヒトなら手の届かないところであっても守ってみせる)
 その頃、アクイレギアと菫青は背中合わせとなり交番の前で背中合わせに立った。
「どーやらレイヴ達んところに結構敵が集まってるみたいだぜ。でもねーちゃん、ここにも結構いるよな。俺が連中を集めっからさ……ぶん殴られる前に頼むよ」
「わかっている。私は守るためにいる……お前を傷つけさせはしない」
 目の前の空間が、揺れる。それは小麦粉という小道具を使わずとも理解できるほどの奇妙な光景だった。
 だからこそアクイレギアは自身に絶対的な覇者というイメージを己に刻み込んだ。
「手前らいくぜオラァ、俺にかかってこいってんだ。ロードリーオーラッ!!」
 赫奕とした光が黒衣の少年を覆う。途端に蟷螂達の見えない青の瞳が彼を睨みつけ、一斉に飛び掛かった。
(……好機!)
 菫青は咄嗟にアクイレギアを巻き込まない位置に駆け、刀を全方向に向けて振り下ろした。
 悲鳴を上げる間もなく蟷螂の腕が、脚が地面に転がっていく。
「よっしゃ、後はこいつらを始末して逃げ遅れた奴らを助けるだけだな。あいつがヨケーなことをしなきゃ、だけど」
 アクイレギアはそう言って劉を睨み上げた。しかし奴は眉間に皺を寄せただけで、これといって動く様子はない。
(全く、何なんだよ……アイツ。前回もそうだったけど、今回も手前んとこの連中が死にかけてるってのに手前のためにしか戦わねえ。その行動に意味はあんのかよ……)
 ふつふつと胸に湧き上がってくる疑問。しかし彼は沈着に周囲を見回す菫青の姿を見て迷いを断ち切った。
(ねーちゃんだって本当はあいつをぶった斬りてえのに我慢して、ヒトのために戦おうとしてる。俺だって、考えるのは後でもできるよな、だったら……)
 アクイレギアは斧を握り直すと、蹲る蟷螂少女のもとへ大きく足を踏み出した。


●死線を越えて

「姿を隠しただけじゃあ、ボクからは逃げらんないぜ? こいつは痛いよ、正中線三連撃!!」
 響は探気で見出した蟷螂少女に重厚な斧を軽々と振るうと、その体を見事に粉砕した。
 だがそれでも彼女は油断せず、振り返るや劉の所作を観察する。
 奴の目はサイドシールドで覆われたサングラスを掛けており、その表情を読むことはできない。
 だがそのサングラスの先に――菫青がいることを彼女はインカムからの情報により確認していた。
(あいつはやっぱり菫青ちゃんを狙っているの? 人間の心、満足する死を知るために……あいつは菫青ちゃんの恋人なんかじゃない、ただのナイトメアなのに!)
 響は無意識に左手の薬指に嵌めた指輪を撫でた。
 彼女にも昔――かけがえのない人がいたのだ。だからわかる。劉の存在は決して赦されないのなのだと。
(もしあいつが菫青ちゃんに手を出そうとしたら、この身体をブッ込んでも止めてやる。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ、なんてよく言うけどね……ライセンサーは馬よりも根性あるんだぜ。こんな戦い早く終わらせて、話をつけてあげるよ!)
 胸のうちでそう宣言すると彼女は再び意識を周囲に巡らせ始めた。次は逃げ遅れた人を見つけ出すために。
 一方でS=Fはツギハギのワインで深紅に染まった蟷螂少女にキーンエッジを叩き込んだ。
 自身の守りが力に転化されていく感覚――それに僅かに顔を顰める。
 しかしその力は相手の守りを易々と貫く業となるのだ。
「幻に過ぎぬ俺だが……それでも!」
 穴だらけになった蟷螂少女の顔を腕ごと両断し、真っ二つにその身を斬り捨てる。
 質実剛健な剣は血の色に染まったが、S=Fはあえてそれを振り落とすことなく構え直した。
 その頃、ツギハギは周囲の敵が一掃されたのを確認すると老人と子供に手を差し出した。
 丁度パトカーがこちらに向けて走ってくる。彼女はそれに手をひらりを振り、ふたりを乗車させた。
「怖かったわよね、でも大丈夫。後は私達がこの街を助けるから……怖かったことなんて忘れるぐらい、平和にしてみせるから」
 そう言って彼らを見送ると、ツギハギは傷ついた仲間のもとへ向かい「纏めて癒すわ、近寄って!」と天佑の雨雫を発動させた。
 ティアナはシールドの大半が修復されるのを確認すると、もう一度周囲を確認してからインカムのマイクにスイッチを入れた。
「こちらA班。市民の救出も含め、こちらはどうにかできたよう。後は他の班の支援をしながら市民の安全確認、救助と行くわ」
 了解、と返ってくるのは明るい声。
 それぞれの撃破数を確認するかぎり、どうやら劉が放した数は地下街周辺に残されている3体だけらしい。
「首があと3つだけなんて物足りないですけれど、でもお姉さん……前回皆に迷惑かけちゃったからその分頑張っちゃいますね♪」
 実力者たる斬華の弾む声にどこか安堵する一行。
 その様子をどこか不満げに眺める者がいた。劉である。
「このままでは死を目にすることが叶わん。つまらん……実につまらん。せめて何者かには命を落としてもらわねばな」
彼は地下街周辺で斬華らと交戦中の蟷螂少女達に再び力を与えた。
 個体の持つ限界まで戦闘能力引き上げる奇妙な水――いや、毒。
 それは力を高める代わりに生命をじわじわと削りゆく業なのだから。
「ギシャアアアアアッ!!」
 小虎の俊敏な動きを軽やかに抜け、彼女の肩に噛みつく蟷螂少女。
 小虎は歯を食いしばると対手の背にライトバッシュで戦斧を叩きつけた。
「はぁっ……はぁ……どういうことですの? いきなり彼奴等の動きが……」
 首元を大判のハンカチで肩を縛ると痛む手で斧を構える。
 傷そのものはシールドで受けきれたものの、痛みまでは防ぐことができなかったのだ。
 そこで斬華は首刈術特式「禍津風」を発動。
 特殊な呼吸法で肺を満たすと小虎の周囲で独楽のように回転し蟷螂一体の首を撥ね飛ばす。
 その凄まじい闘気が小虎のシールドを回復させ気迫を取り戻させていくなか、レイヴは首を落とし損ねた一体に心射撃を放ち――そのまま命を落とさせた。
「おそらくは劉の仕業……でしょうね。僕らはここにヒトが潜んでいる以上は自由に動けない。だから集中的に……」
 その時、最後の一体が回り込むようにして小虎達に襲い掛かる。そこを見逃さぬ者がいた。――ティアナだ。
「相変わらず見えないことねぇ……。んじゃま、また見えるようにしますかね、っと!」
 ワインを宙に放り、それを拳銃でまっすぐに撃ち抜く。
 キラキラと輝きながら落ちていく硝子と鮮やかな赤――それが少女を赤い影に変えた。
「今よ、みんな!」
 ティアナの掛け声と同時に駆けだしたのはそれまでショットガンで粉砕を続けていたアンリエッタ。
 だが今の彼女は大鉈を手にしている。
 肉体そのものを弾丸にしたような一撃でナイトメアを沈めようというのだ。
「鎌だろうとなんだろうとッ、フルスイングで真っ二つにしてやるのですーッ!!」
 彼女は急所を狙ってやるという慈悲はない。ただ壊す、それだけのために大鉈を振った。
 ――轟ッ!!!
 三度の連撃が無残にも胴を抉る。
 一度目は腹を庇う腕を落とし、二度目は胴を支える骨を砕き、三度目は背の皮一枚を残し。
 ――どしゃっ。
 こうして全ての蟷螂少女はこの世から消え去った。いずれも悲しげに、恨めしげに、空を睨んだまま――。


●心と思考

 ライセンサー達は全ての市民を救助すると、急ぎSALF専用車両に彼らを乗せて支部へ避難させた。
 これからは――ある意味、今までの戦いより危険な試みを行うことになる。
 ティアナは乾いた唇に火のついていない煙草を咥えると銃を握った。
 いつでも「奴」を撃てるように意志の力を高めながら。
 レイヴとケイもティアナとは別の方向からライフルを構える。
 心射撃が奴にどれほど効くのかはわからない。
 しかし誰の命も落とすわけにはいかないのだと――決めていた。
 一方小虎は戦意高く、近場のビルの非常階段に足を掛けている。いつでも奴を叩き切れるように。
(エルゴマンサーには知恵がある……それならばSALFへ報告できる情報がまだ彼奴には多く存在するはずですわ。願わくば……犠牲の出ないかたちで収拾をつけたいところですけれどね)
 そして斬華はというと――彼女はエルゴマンサーの首を意識するや胸が高鳴った。
 決して楽に獲れるものではあるまい。
 それでも仲間と街を守り戦いの末にそれを得られたのならば――己を先に進ませる大きな糧となる。
(強力なエルゴマンサーとの対峙は危険……避けるべき……それでも守るためなら……!)
 斬華は剣を握る手がいつの間にか軽く汗ばんでいることに気がついた。それでもここで去るほど彼女は臆病ではない。
 もちろんS=F、響らも警戒しながら武器を構えた。
 そんな剣呑な空気を楽しむように、亀裂のような唇を笑みの形にして見下ろす劉。
 その表情が余程不愉快だったのだろう。
 アクイレギアはつかつかと劉に接近すると嫌悪感丸出しで人差し指を天に向けた。
「あーーー!! てめぇコラこないだのカレシ泥棒のヘタレクソ野郎! 何してくれてやがる!!」
「……あぁ、この前の少年か。相変わらず口汚いな。ああ、それとそのマスクは外した方がいい。外した方が本来の感情が読める……きっと面白いものが見られるだろうな?」
「うるせー! てめーが気に入らねーからこーなってんだよっ。何もかも知らねーーーー!!」
 アクイレギアは前回同様罵詈雑言を一息つぎで吐き出す。
 そして息が荒くなったところで襟を正すと、彼は足元に転がるナイトメアを指で示しながら劉を睨んだ。
「オイコラ霧野郎。アンタこれ、自分で育ててたの」
「製造過程は秘密だが、養成は俺自身だと言っておこう。この前の蚕や蜘蛛達もな」
 それはひどく無味乾燥だった。まるで拾った玩具をたまたま壊されただけのような、何の思い入れもない声。
 乾いた声にアクイレギアが苛立ったように声を僅かに荒げる。
「こいつら、死ぬ時どうしてたか知ってんだろ? アンタに向けて悲しげな目を向けて、助けを求めるように声をしぼり出してた。こーやって死んでくのになんも思わない? じゃ、今のアンタにゃぜってー理解できねぇよ」
「こいつらには思考能力などない。ただ痛みに対して体がそう反応しただけだろうよ」
 煙草を指に挟みながら鼻で嗤う劉。するとケイが銃を構えたまま「……そんなことない!」と叫んだ。
「駅前の事件の時、蜘蛛は死ぬ瞬間に空へ向かって手を伸ばしていた。あの時私は気づけなかったけれど……貴方は蜘蛛達を空から見下ろしていたのね。彼女達は貴方が救ってくれると信じて戦っていた、だから……!」
「我々ナイトメアにそんな感傷などあるものか。偶然見合わせたものに夢を見るのは勝手だがな、それは意味のない行為なのだよ……可憐で優しいレディ」
 ケイにひとつひとつの想いを断ち切る言葉を紡ぐ劉。
その残酷さにアクイレギアはそれまで溜め込んでいた感情を一気に吐き出した!
「御託ばっか並べてんじゃねぇ! アンタの身体のベースになった人間ってのはなァ、恋人や仲間を守るために命を張ったんだ! その反面手前は何もせず、へらへらと高みの見物をしてるだけじゃねーか、この糞野郎が!! 最期の思いも心も、満足してたって何だってそりゃそいつだけのモンだ! 手前で何もしねーで理解しようってのが間違ってんだよ気づけバーーーカ!!」
 ――その言葉に劉の口元がぐいっと引き攣った。まるで笑うように、あるいは怒気を吐き出すように。
「俺には理解できない、だと……?」
「まぁ、そうでしょうね。武芸も感情も同じ、痛みを感じなければ極めることはかないませんもの。痛みを知れば守りたいものもできる……貴方にはそれがないのですわ」
 小虎は憐れむように劉を見上げた。
 いくら天稟を与えられようとも心が伴わねば武は極まらぬ――武家に生まれた彼女に幼少から叩き込まれた言葉だ。
「使い捨ての玩具を送り込むだけじゃ、なんにも成長しないってのよ……」
 ティアナは煙草を吐き出した。ここからはこの空間が戦場になる――そう直感して。
「……『俺は俺になりたかった』。ただの何もない大気同然だった俺は心が欲しかった。だから心を持つ人間を喰ったというのに……!」
 爆発的に高まる劉の力。大気中の水分が槍のように凍てついていく。
 だが――それは一本だけ。その穂先は菫青に向いていた。
「心とは何だ。誰かを想い続けることか? それならこいつが想い続けていたお前を殺せば……永遠に!」
「……好きにはさせん!」
 菫青が後退するべくステップを踏むと同時に、F=Sが剣を盾替わりに構えて菫青の前に立ち塞がる。
 しかし報告書では耐久力に定評のあるアサルトコアでさえ崩壊一歩手前まで追い込まれた業だ。
 自分も腕の一本、もしくは体そのものを犠牲にする覚悟が必要かもしれない。
「S=F!?」
「……俺には恐らく別の『自分』がいる。だからこの身が朽ちようとも未来はある。だが菫青、お前はそうではないのだろう?」
 それと同時にツギハギもあり―ガードを発動させた。
「私はヴァルキュリア……AIさえ残れば多少障害が残っても蘇ることができる。私の中の何かを失っても後悔なんてしない……だから守りは私の専売特許よ!」
 その宣言と同時にティアナがポイントシュートで劉の狙いを逸らそうと奴の腕を撃った。
 ケイとレイヴの心射撃も一斉に放たれる。
 しかし弾丸は鏡状の氷を叩き割り――潰えた。先頃の戦いと同じ、氷の盾だ。
 やがて大きくなっていく劉の槍。アクイレギアは仮面の奥の瞳を悲しげに歪ませると菫青を突き飛ばした。
「くそっ、ねーちゃんごめんッ!!」
「レギア!!?」
 槍が、劉の腕から放出される。
 鋭くひどく重いもの――それがアクイレギアのイマジナリーシールドのほとんどを一瞬にして崩壊させた。
「うああああっ!!!」
 全身からイマジナリードライブを奪う魔氷。
 それがアクイレギアを一時的にただの人間と変わらぬ素の肉体に変えたのだが――不思議とそれが彼に傷を与えることはなかった。
「レギア……レギア!?」
「だいじょーぶだよ、ねーちゃん……俺、ちょっとだりーだけだから……それよりも自分のこと……」
 そう言い残して倒れ込むアクイレギア。菫青がきっと劉を睨むと、彼もまた愕然としていた。
 殺そうとしていたのだ。たしかに。目の前の女を。
 それでも何故か――殺すほどの力が現れなかった。
 撃とうとした瞬間、見知らぬ旧い光景がフラッシュバックして――。
「くそっ。俺は一体何なんだ。『自分』が俺なのか過去のものなのか……わからなくなるッ! お前が、お前がいるからだ、淑華!」
 するとその答えとして――菫青がナイフを抜いた。彼女は迷うことなく腰まで伸ばした黒髪を切り落としていく。
「妖……彼を貴様などには渡さない。私がその鍵となるのなら私は過去を全て捨てる。この髪はあの人が長い髪が好きと言ってくれたから伸ばしたもの……だけど、貴様がそれを過去の呼び水とするのなら全て捨てる」
 あの人は誰にも渡さない――そう言ってナイフを投げ捨てる頃には菫青は少年のような短髪になっていた。
 その姿に劉が得心したように、笑う。
「なるほど……生者と死者に対する執念もほぼ変わらぬ感情……心があるから持ち得るものか。そしてお前は自らの役割を放棄した。なるほどなるほど、我々にはなかったものだ。……そのためなら我が身を傷つけること、身を捨てることさえ容易くする……面白い」
 そう言って劉の身体が大柄な肉体が空間に滲んでいく。
 また霧となって逃げる気か――消える前にとアンリエッタが叫んだ。
「なんかを確かめているみたいなのですが、そちらの考える内容的には合格なのです?」
 すると白昼の空から声だけが返ってきた。
「ああ、合格だとも。お前らも俺もな。次に会う時はもっと面白い遊びをしようじゃないか……ははは!」
 余裕たっぷりの声にアンリエッタは無意識に強く拳を握った。
 次こそはあの傲慢な頬に力いっぱいの一発をくれてやると決めながら。


●新しい一歩

 ――それから数分後。
 ツギハギに髪を整えてもらった菫青は後ろ髪に触れると「こんなに短くしたのは初めてだわ」と呟いた。
「随分と思い切りよく切ったものね。元に戻るまで4年はかかるわよ」
「いいわ。奴に昔の私を思い出させるきっかけを与えないようにするためなのだもの。奴を倒すまでは……動きやすいしね」
 ふふっと小さく笑って手鏡をポーチに戻す菫青。
 そこに響が歩み寄り、菫青の肩をぽんと叩いた。
「あの、さ。昔の男のことなんて忘れて飲みに行こうぜ! ボク、旨いウォッカ出してくれる店を知ってるんだけど……無理かな」
 その問いかけに菫青のまなざしが僅かに落ちた。響は無粋だったか、と内心苦く思う。
(……無理だよなぁ。忘れらんないよなぁ。でも菫青ちゃん、放っておけないしなぁ……上官が婚約者だったとか、他人事じゃないもんな)
 ――響の指輪の贈り主はここにはいない。
 だからこそ似たような境遇の元軍人やアウトローには無意識に親切にしてしまうのだ。
(言わなきゃよかったかな……けどさ……)
 こうして響がいじいじと指を弄り始めたその時。
「それじゃ、行きましょうか。女子会とかいうのかしら……こういう場合? ねえ、ツギハギも一緒に来てくれるわよね?」
 菫青が僅かに頬を緩めて響とツギハギの背を押す。
「ああ、そうそう……。響、貴女の左の薬指の指輪……大切な人がいるんでしょう? 聞かせてほしいわ、景気づけに甘い話のひとつぐらいね」
「あ、い、いや! ボクのはそういうのじゃなくって事情があって、えっと!」
 ――菫青の笑顔が空元気なのは明らかだった。でも、それでもいい。前に進めるようになったのだから。
 響とツギハギは好みの酒と肴の名前を上げながら、菫青を繁華街に案内するのだった。

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