オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【堕天】WILD HEAVEN

連動 【堕天】WILD HEAVEN 佐嶋 ちよみ

形態
ショート
難易度
難しい
価格
1500(EX)
ジャンル
堕天 バトル 救出 
参加人数
106~10人
予約人数
10010100
基本報酬
210000G
210SP
2100EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2019/05/27 23:00
完成予定
2019/06/09 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-


 ロシアのエルゴマンサー・エヌイーが生み出した『寄生型ナイトメア』が、日本で事件を起こした。
 ロシアへ旅行した若者が『とある露天商から入手した』と発言していたことを手掛かりに、ムーン・フィッシャー(lz0066)はそれらをばら撒いた存在を掴みにロシアの地へ飛んだ。
 寄生型ナイトメアが日本へもたらされたのは偶然か必然か。
 空港をパスし、直前まで会話していたライセンサーのムーンが気付けなかったのはなぜか。
 それもまた、エヌイーの技術によるものだろうという仮説が立てられたものの『技術』を前にされてはムーン一人にはどうにもできない。技術研究のプロへ託すしかない。
 ゆえに、彼女は具体的な出どころの調査を選んだのだ。
 そうして若者の足跡を辿るうち、ロシア東部のとあるSALF支部へ到着した。


 シベリア方面某所。
 交戦地域のバックアップを担うため、人材や備蓄も豊富で規模も大きいSALF支部である。
 今時期の最高気温は、だいたい春先の北海道くらい。寒さに不慣れのムーンも支障なく行動できる。少し寒いけれど。
「忙しいところを、時間を空けて頂き申し訳ありません」
 場は、流石にわきまえる。普段の漆黒の天使口調を封印し、ムーンは職員の男性へ頭を下げた。
「いやいや、例のモノが国外までもたらされたとなると事態は深刻ですから」
「……『露天商の女による寄生型ナイトメアのばら撒き』は、この支部で担当したことがあると伺いました」
「ええ、使徒で手数を増やし人間たちを浚うのです。駆けつけた時には女の姿は無く、生存者の証言のみですが」
 最近は聞かなくなっていたと思ったら場所を変えたのか――。職員は深く嘆息した。
「ああ、使徒の画像も確認しましたよ。『露天商の女』の手勢で間違いありません。その巨体で人間の逃走を塞ぐ役割をしていたはず。使役者の手を離れると制御不能の動きをするのですね」
 その言葉に、ムーンはハッとなる。
 日本へもたらされたのは、偶然である可能性が高い。
 そうだ、なんのための『使徒』か?
 人間を燃料にするのなら、人間を殺す行動はしないのではないか。
 ムーンが対峙した使徒は、明確な殺意あるいは破壊衝動を持っていた。ということは、使役者は恐らくあの場に居なかった。
 ムーンは懸命に考える。
 とるべき行動を考える。

 その時、館内に非常用アラームが響いた。

 交戦地域内にてナイトメアを取り逃したと、アナウンスが流れる。
 急ぎ第一陣が編成され出発するように、と。
「私も同行できますか。半人前ではありますが、見過ごすなどできません」
「いや、フィッシャー社の令嬢に何かあれば――」
「父は父、私は私です。公私を混同する者にメガコーポの社長が務まるとでも?」
「……」
「戦わせてください。ロシアまで来たのです、あらゆる経験を積んでゆきたい」
 テスト期間を放り出してまで来たのだから。は、言葉にしない現役中学生である。




 大河を渡る船があった。
 船に乗っているのは大人の女が1人、他は彼女の膝丈程度の子供たちが大勢。いずれも黒いローブを纏い、フードを頭からかぶっていた。
 広大な河に対し、古びた船は何とも心もとない。しかし懸命に横断しようとしていた。
 船が進む後方には――翼を打ち付けるドラゴンの影がある。あれから逃げて来たらしい。
 もう少し、あと少しで渡り切る――
「だれか――」
 女が叫ぶ。手を伸ばす。遠くに銃器の光が見える。あれは、きっとライセンサー。彼らなら、きっと―
 女とライセンサーが、互いに姿をはっきりと確認できる距離に至り。

「ああ……良かった」

 女性は感無量の声を上げた。
 フードが外れ、美しい金色の髪が零れる。三つ編みにされたそれは胸元へ垂らされ、白い鎖骨へ視線を運ぶ。
 年の頃は20代半ばを越えた辺りか、ローブ姿ながら艶のある女だった。

「なんて――おいしそう」

 そして急加速。
 船の縁から一足飛びに距離を縮め、ローブの下から取り出した斧槍を振り上げる!
 完全に不意を突かれたライセンサーのイマジナリーシールドは粉砕され、彼は血しぶきを上げて倒れた。
「!! エルゴマンサーか!」
 その攻撃力・言葉から、ただの擬態ではないと察したライセンサーたちが次々と武器を女へ向ける。が。
「わたくしの可愛いエンジェルたち。お仕事よ」
 ――動けない。
 足が動かない、その異常の原因は――女が引き連れていた子供たち。
 そっと着岸した船から次々と降りてきている。
 ローブの下は小さな恐竜――ティラノサウルスのような姿をした、ナイトメア。それらが放った暗緑色の粘液だ。
 ティラノサウルスをエンジェルと呼ぶとはなんと悪趣味な。どこが天使なのだろうか。
「くそっ、状態異常か!!」
 物理的な足止めではないと理解したところで遅い。
 その一瞬一瞬で、女は武器を振るいライセンサーたちを沈めてゆく。白い肌が返り血で濡れてゆく。
 弾丸を躱し、大剣を受け流し、槍をカウンターで反撃し、女は踊るように蹂躙してゆく。
 女への攻撃からエンジェルへと標的を変えたライセンサーもいる。状態異常付与の悪辣さに反し、攻撃にはもろい。しかし数が多い。攻撃に集中する後ろを斧槍で刺突された。
「なんだ、どういうことだ……」
「待て、どうするつもりだ!?」
 昏倒した者。脚を切られ動けなくなった者。身動きが取れないと判断されたライセンサーは、エンジェルたちに持ち上げられる。
 運ばれる先には――
 ズシン、と音を立ててドラゴンが川辺に着地した。
 咆哮し、炎のブレスをまき散らす。
 ドラゴンの背には巨大な貨物コンテナが結び付けられていた。
「安心して、殺しはしないわ。移動中に死ぬかどうかは、あなたたち次第だけれど……うふふ」
 女が悠然と笑む。その間、エンジェルたちがライセンサーを次々とコンテナへ運び込む。
「意識の残っている方、お仲間へ伝えて頂戴。『ヘヴン』が来た、とね」

 女は――ヘヴンはそう告げて、斧槍に付着した血を振り払った。



●目的
コンテナを破壊しライセンサーを救出

●フィールド
約40スクエア四方
・南東方面より突入
・西端は大河
・ドラゴンは川辺に待機、やや上流にヘヴンたちが乗りつけた船
・大河から東方向南北2スクエア範囲は平地、以東は約2スクエア間隔で樹木地帯が点在
・樹木地帯内は敵味方双方、回避判定+20%補正

●敵情報
ドラゴン 1体
防御型 成態 体長5mほど、有翼・飛行能力所有 1スクエア占領
ライセンサーを積んだコンテナを背負っている、ヘヴンの指示を受けるまでは離脱しないと見られる

スキル
・ブレス
炎の吐息 射程3、対象1 知覚


エンジェル 21体(7組)
万能型 成態 体長60cmほど ティラノサウルス型 3体1セット同一スクエア内で動き回る
攻撃したり、ライセンサーをコンテナへ運んだり フィールド内をちょこまかしている

スキル いずれも対象1
・粘液
口から吐き出す 射程4 命中時、状態異常【移動不能】(2)付与
・毒牙
噛みつく 命中時、状態異常【継続ダメージ】(3)付与
・アタック
体当たり、射程3 命中時、BS【防御低下】(3)付与


ヘヴン
エルゴマンサー 殺意はないらしいが最前線で大暴れ中
武器は斧槍(射程2) 豪快なスイングと脅威のスピード 物理・近接戦を得手とする
移動力がズバ抜けて高く、それを利用したヒット&アウェイを基本能力として所有

スキル 攻撃はいずれも物理
・三連撃
3回攻撃 対象1
・貫通
体当たりと刺突 直線範囲3。命中時、BS【回避低下】(3)を付与
・旋風
武器を旋回させる 自身を中心に範囲(2)
・昇天
超回避上昇
・カウンター
回避時、攻撃してきた相手が武器射程内であれば通常攻撃で反撃

●同行NPC
ムーン・フィッシャー
セイント×ゼルク Lv.11 魔法書、攻撃力超特化指輪
防御特化、命中は尋常じゃなく低い ※心理的なもので、即座には修正不可
指示があれば従う、セットスキルは以下
・アリーガード
・福音の雨雫
・ホーリーライト

※当シナリオは、場合によっては重体となる危険性があります
参加の際はご注意ください
不足と感じる点がありましたら、OP・解説から推察ください


こんにちは、佐嶋です
どうすんだコレっていうエルゴマンサーをどうにかしながら、積み荷を燃やして ちがう 積み荷にされているライセンサーを救い出してください!

わざわざ呼びつけるとは随分余裕じゃねーか
その余裕をぶち壊してやるのは、さぞかし楽しかろうなぁ
そして俺達はソイツを尻目に、皆で笑って帰るとしようぜ!

>基本方針
対ヘヴン班・壁役
常に最前線に出る

>対ヘヴン
ヘヴンに張り付き、首刈り大鉈で正面からの殴り合いに持ち込む
「ヘイ姉ちゃん、愉快なコトやってんじゃねぇか!ジョイネス・イズ・オールだ、酔狂を楽しみな!」
距離を取られ射程が足りない場合、EXバッシュか拳銃で攻撃
対エンジェル班の方に向かわれた・大きく距離を離された場合は全力移動で追いすがる
とにかく自分から目を離す隙を与えない、それほどの猛攻を加える。攻撃は最大の防御

逆に自分へ攻撃が集中した場合、盾に持ち替えて防御を固める
「手足ぐらいは持って行く程度のガッツを見せてみろ!ガチのぶつけ合いの方が楽しいだろ!」
林の外に逃げられたらDNソードに持ち替え、宵闇斬で足回りを封じる
「お前から足回りを取ったら何が残る?さぁて死ぬ気で躱せよ、ヘヴン!」

対ヘヴン班がドラゴン攻撃の方針に切り替えた場合、それに従う

>対ドラゴン
全力移動から勢いよく跳躍、頭に乗っかるなり大鉈を打ち込むなりして、重さで首を下げさせることを狙う
無理そうなら足元を斬り付け、足回りを封じて味方の狙撃を助ける
回数が余っていればEXバッシュでコンテナを狙ってみる

「やろうか。あまり好きにやらせたくない」

■準備
作戦の確認と意思統一


■行動
対エンジェル班、近接担当
最前線で回避・攪乱と範囲攻撃による火力を担う

受け流しを発動→突撃し敵の攻撃を引きつけ肉薄
粘液は被弾が致命的なので全力警戒・回避
対象が無傷ならバーストクラッシュ、手負いならパワークラッシュで攻撃
味方の射線に注意しつつ速やかに数を減らすよう立ち回る
巻き込み防止にライセンサー運搬中のグループは味方に任せる
「エンジェルね…なら私はジヤヴォール、かな?」

エンジェル壊滅後は対ヘヴン班を支援
ヘヴン襲撃時はこれに優先対応

回避低下の貫通と三連撃を特に警戒
射程は敵が上だが長物の不利を見込み密着攻撃を仕掛け時間稼ぎ
自身への攻撃時に味方に側背面を晒すような位置取りから仕掛ける
対ドラゴン担当や後衛への突破阻止を最優先
行動を常に観察し、僅かでも隙や癖など次につながる要素を得ようと努める
味方救出成功後は全力で離脱

  • スポークスマン
    鈴鴨la0379
    ヴァルキュリア15才|ネメシスフォース×スナイパー

【目的】
第一陣ライセンサーの救出
【準備】
班編成を行なう。自身はエンジェル班所属
ムーンにもエンジェル班と同行して援護をするよう指示
通信状況と使用スキルを参加者間で確認しておく
【行動】
まず樹木地帯を遮蔽物にしつつ発見したエンジェルを倒ししながら西へ
エンジェルへはフィッシャーM800LTRで遠くから狙撃、都度リロード
リロードの間が無い場合は接近してエネルギーガンで対処

ヘヴン接触後は全力移動で北へ進みコンテナを目指す、ドラゴンへの到達優先
ヘヴンの追撃を喰らわないようアリーガード可能な味方の範囲内にいることを意識
分散後は状況報告を逐一行なう、特にヘヴンの動向は優先共有

ドラゴン到達後はスキル使用解禁、近くのエンジェルを凍り閉ざす銀で掃討
コンテナを結んでいるロープか鎖かが壊せそうならそこを狙う
余った凍り閉ざす銀とピンクスパイダー積極使用
コンテナがドラゴンの背から落ちたり要救助者がドラゴンの近くにいる状況になった場合救助に動く
心射撃や足止め使用しドラゴンにバステを付与してコンテナに近付き
扉が開くなら開け、無理なら友切丸でコンテナ上部を切り裂く
特にコンテナが河に沈みそうならドラゴン対処は味方に任せ救助最優先

要救助者は担いでドラゴンから遠ざける
自力移動可能な人間には自力移動を要請
「敵エルゴマンサーの対応もあり手が足りていません。ご容赦を」

  • 夜明け告げる者
    高柳京四郎la0389
    人間28才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

ドラゴンの足止め・撃破及びコンテナ破壊を主目的に行動
「肝心は救助、ならば狙うべきは…

最初はヘヴンへ対応し攻撃仕掛ける味方と逆方向から波状攻撃
味方と直線状に並ぶ事と同時攻撃する事は避け敵が貫通と旋風使用時に味方と共に巻き込まれない様に留意
それ以外の敵攻撃も木々を盾にしたり目晦ましに使う等しつつ自身が攻撃を仕掛ける瞬間だけ肉薄し攻撃後は即座に距離取る
攻撃は宵闇斬を2回まで使用
「突き刺しとスウィング、シンプルだが膂力があると恐ろしい技になるな

ヘヴンへ2回宵闇斬を使うか移動・行動阻害系状態異常が付与された時点で戦線離脱
木々に紛れてなるべく離脱を覚られない様に姿消し全力移動でドラゴンの居る方向へ急行
「頃合だな

対ドラゴン時はまず物理鉈・知覚戦斧で一度ずつ通常攻撃仕掛け物理・知覚どちらの攻撃が通じ易いか確認し味方へ伝達
確認後は通じ易い方の武器を持ちドラゴンとコンテナへ向け幻想之刃使用
出来るだけ中の負傷者まで攻撃が通らない様に注意しつつコンテナ破壊試みる
その際エンジェルがドラゴン付近に居ればエンジェルも多く巻き込める位置取りで使用
ドラゴンが羽広げ飛行の素振り見せたら背に喰らいつき飛行直後に宵闇斬で移動不能付与し墜落させる
「飛ばせるかよ…墜ちろ!

敵の攻撃には回避行う

  • 胸に抱いた覚悟
    白神 凪la0559
    放浪者18才|スナイパー×ネメシスフォース

ポジション:ヘヴン対応班として、ヘヴンの抑え込みを中心に行動する

基本方針:基本はヘヴン班の班員たちと足並みをそろえて行動しつつ、密集しすぎないように位置取りを行う。ヘヴンの行動次第でコンテナ破壊優先にスイッチ

行動:ヘブン班として突出しつつ林方面に誘導
その後、林の回避工場を利用しつつ、足止めで移動妨害を狙い、距離をとりながら攻撃。
ワンポイントの使用も混ぜて、注意をこちらに引き付けようとする。
特に範囲攻撃に巻き込まれないように位置取りを注意
物理射撃があまり効果がない場合、フィッシャーM800LTRに持ち替えて
知覚射撃に切り替える

ヘブンが途中で別動班への対応を優先した場合、前進してドラゴンが飛び去らないようにけん制射撃しつつ、コンテナを切り離せないかワンポイントを使用した遠距離射撃を試みる。
その場合はスナイパーライフルZW-1を使用。物理攻撃が効果薄ければフィッシャーM800LTR
に切り替える

自分ができることを
〇目的
ライセンサーの救出
コンテナ破壊

〇準備
ヘヴン班所属
フィッシャーさんはエンジェル班編制
全員分の通信機の貸し出し申請

〇作戦
ヘヴン接敵まで二班同一進行
突入時見える範囲で敵を確認
ヘヴンは見える位置にいるか移動音は感じないか要確認
敵が見えない場合は西への進行を進言

対エンジェル
自身が前に出て銃で攻撃し注意を引き
敵に攻撃行動させてから味方に攻撃してもらう
アグラーヤさんが行く場合は譲る
接敵後は杖使用
粘液は口に溜める動作から予測し
射線を妨害し自身の抵抗値で防ぐ
自身生命4割以下でヒール使用
運送していないものから撃破
ヘヴンの襲来に警戒

ヘヴン接敵時
杖に換装
前衛に回復でき敵攻撃圏外に位置取り
君野さんへプロテクトフィールド使用
味方生命5割以下でヒール使用
範囲攻撃されたら審判の雨雫で味方回復

ヘヴン相対時エンジェル増援が来た場合
エンジェル対応に当たる
「こちらは私が対応します。君野さんはエルゴマンサーを」
エンジェルを射程に収めることができれば審判の雨雫使用

ヘヴン離脱時
通信機で仲間に連絡
別班に向かった可能性を示唆する
ヘヴン班と共にドラゴンを目指す
西へ進行し後に北へ進行する旨を進言
エンジェルは倒す方針で

ドラゴン
複数面から攻撃し気を分散
コンテナを破壊する
救援者へのブレスは射線妨害
引きずってでも戦域離脱

エンジェル対応班

「高機動型とかひゅうがには相性悪いのですよ。エヌイーの部下ならおとなしく穴倉に引っ込んでやがれなのです。ファッキンエヌイーなのですよ!」

基本他の人達と行動。

移動攻撃で射程圏のエンジェルを狙撃しつつドラゴンに接近。
「姿と名前がこれでもかというくらいあって無いのです、やっぱりエヌイー系の一味はセンスも趣味も悪いのです、悪趣味集団なのですよ」
ドラゴンを射程圏に捉えたら近づきながら見えている側の翼を狙って狙撃、ポイントショットやアシッドショットで翼を潰して離脱されないようにする。
ドラゴンの翼を潰す前にエンジェルが寄ってきたら凍り閉ざす銀で迎撃。
ドラゴンの翼を潰したらコンテナを破壊しライセンサーを救出。
他の人にライセンサーの運搬を任せてエンジェルを相手に狙撃を行い接近を阻止する。

もしヘヴンがこっちに来たらアシッドショットやポイントショットで足を狙って牽制を行う。
近接者がヘヴンとぶつかったら急いでその場を離脱してドラゴンの方に向かいドラゴンの羽を潰しライセンサーを救助、撤退する。

  • 小さきアトラス
    佐和 千昂la3236
    放浪者12才|ゼルクナイト×ネメシスフォース

ヘヴンが自分達を避難民に偽装したのは多分効率的に狩り出来るようにライセンサーを集める為
つまり今度はコンテナが自分達を集める餌
目的はコンテナの破壊と中の人の救出だけど焦って狙うと拙そうだ
こちらに重傷者が出れば手が減って救出対象が増えるし
取り敢えず運び手で有り邪魔者であるエンジェルを減らして簡単に持って行かれないようにする事
ヘヴンを有利な位置=コンテナ傍の平地から引き離す事

エンジェル班で他の人といざとなればフォローが効く程度の距離を保ちつつ前進
なるべく近接攻撃する人の向こう側を狙う
敵が直線上に並ぶ形になればレールガン、それ以外なら氷閉ざす銀を使用
移動不能になっても射程が届く範囲にその場から攻撃
ヘヴンがこちらに来た場合はウォールスキン使用の上で防御
エンジェルが邪魔にならない程度に減った段階でコンテナが手付かずなら
ドラゴンとコンテナの間を狙って切り離せないかダメ元で射撃を試みる
コンテナに当たる危険はあるが中に影響があったとしても「あのおばさん()のせいだし…」
は、冗談だけどそんなに弱い強度ではないだろうし運が良ければ壊せるかも
コンテナ・ドラゴンに人手が足りていれば樹木に隠れヘヴン班と別方向からヘヴンを攻撃
なるべく引っ張り回す

撤退時の事を何も言われてないが
必要ならヘヴン達が乗ってた船に細工がなければ
救助した人を自分達が乗ってその場を離れる手もあるかも

エルゴマンサァァァ…!糞悪夢ァァァ!!!

【行動】
・現着後、進路上のエンジェルを掃討しつつ西進
・川辺のエルゴマンサーを視認後、戦闘開始
・やや東南へ転進し樹木地帯へ
・ドラゴンへ向かう班の援護の為、遅滞戦を敢行

【戦闘】
・エンジェルの攻撃にはショットガンを使用
・3体がある程度固まっている所に散弾をぶち込み複数個体への攻撃を試行

・マトモにぶつからず、コンテナ破壊までの時間を稼ぐ
・対ヘブン戦にはライフルを使用
・きみのん(la0035)の斜め後方より援護射撃
・可能な限り敵射程に入らず、かつ味方を回復出来る位置を維持
・「心射撃」「足止め」や樹木帯の遮蔽地形を生かし敵の機動力を削ぐ
・吶喊するきみのんと攻撃タイミングを同じくして射撃、命中の向上を図る
・自身や味方生命半分以下にてハイヒール使用
・ヘブンとの戦闘中は妨害を警戒し、エンジェルの邪魔だての際はショットガンに持ち替え射撃

※他、諸々アドリブ等OKですの

  • 羽ばたく導きの鳥
    白野 飛鳥la3468
    放浪者21才|グラップラー×セイント

「スピード勝負でしょうか。行きましょう

○行動
基本行動
通信必要な場合はインカムにて
近距離は雷刀「千鳥」
遠距離はA&H FD5AとオートマチックXR7を使用
リロードは敵襲受けてない時や樹木地帯にて(無理なら味方に告げてオートマチック優先
敵味方動向把握、味方無差別範囲攻撃や敵攻撃は可能な限り回避(特に粘液
エンジェルがコンテナにどのように運んでいるのか確認(登る可能性を考慮

最初はエンジェル優先しつつコンテナへ向けて進行
ヘヴンが接敵後にコンテナの方へ全力移動(距離に応じて通常の移動)、樹木地帯へ潜伏
コンテナを和弓「鳴弦」で攻撃、破壊へ
破壊が叶えば救出へ(登る等して運び出し
運び出し人数多い時周辺エンジェルやヘヴン強襲対処(通常攻撃

エンジェル
基本的に銃で攻撃
1体1体集中攻撃して撃破
継続ダメージ最優先でホーリーライト(対象者多ければ残り生命低い者優先、ムーンに協力要請
ヘヴンや他個体強襲の可能性考慮し、周囲警戒、味方伝達
何も持たない>ライセンサー運び中

ドラゴン
救助の支障が出る、コンテナに攻撃が向かう等の場合、対応者無しの場合ドラゴンの前に出て陽動
エンジェルが寄ってきたら審判の雨雫を使用しつつ、ドラゴンに刀で斬りつけたり銃を撃ったりして気を惹く
この時なるべく暴れないように行動、攻撃箇所には注意
敵動向に注意を払いつつ回避


 北から吹き込む風が、樹木地帯を抜けて血の匂いを運んでくる。
 冷涼な空気に、それはいやに似合った。
 遠く遠く、人々のうめき声が聞こえる。
 惨状の運び手たるエルゴマンサー・ヘヴンとやらは最前線で暴れているというが、さて最前線とは、広大なフィールドのどこを指しているのだろう。
「これは酷い情報欠陥だ」
 連絡を繋ぎ、救出対象である『ライセンサーが積み込まれた貨物コンテナ』を背負うドラゴンの位置も不明瞭だった旨を伝えたムーン・フィッシャーは、呆然とした。
 EXISのインカムで通信しようにも、第一陣のメンバーたちは全て通話不能となっている。
 応答できる状態にない、うめき声しか聞こえない、etc...
「インカムが破壊されたものもあるようだな……。意図的か、それほどまでの惨状なのか」
 高柳京四郎(la0389)は北へと視線を向けた。
「肝心は救助、ならば狙うべきは……」
 エルゴマンサーとまともにやり合う、それよりも優先すべきことは。


「わざわざ呼びつけるとは随分余裕じゃねーか。その余裕をぶち壊してやるのは、さぞかし楽しかろうなぁ」
 好戦的な笑みを浮かべる君野 エミル(la0035)に対し、佐和 千昂(la3236)は冷静な視点を崩さない。
「ヘヴンが自分達を避難民に偽装したのは、多分、効率的に狩り出来るようにライセンサーを集める為だったのではありませんか?」
 『ナイトメアを取り逃した』という他支部からの連絡に間違いはない。彼らもきっと、ローブを纏ったヘヴンたちについては保護対象と思っていたに違いない。
 ゆえにこちらの第一陣は完全に虚を突かれ、蹂躙されたのでは。
「つまり今度は、コンテナが自分達を集める餌なんです。……予想ですけど」
 エミルのテンションへ水を差すつもりはないが、エルゴマンサーの『余裕』ではなく『予定』である認識は必要ではないか。
「……いま一度、作戦確認と意思統一をしておこうか」
 長い銀髪を背へ払い、アグラーヤ(la0287)はメンバーを見渡した。
 ロシア。アグラーヤの故郷。両親を失った地。何もかもを奪ったナイトメア。彼女の胸中には、恐らく他者よりも深く複雑なものが渦巻いている。
 それでもあくまで冷静に、作戦成功に向けて声を発する。
(っち、この間の奴といいエルゴマンサーが立て続けにお出ましか)
 黒髪を掻きむしる白神 凪(la0559)は、先日もロシア内で別個体のエルゴマンサーと遭遇したばかりであった。
「どこで遭遇するかわからないが『ヘヴンを抑え込む・コンテナを破壊する』、この役割は別々が良いってんだろ」
 端的に凪がまとめる。
 飛行能力のあるナイトメアがライセンサーを詰め込んだコンテナを背負っている。ということは、ヘヴン抜きでもライセンサーを連れ去ることが可能。
 戦闘不能のライセンサーを救助するには、慎重かつ繊細な手段が必要とされるはず。
 攻撃力の高いヘヴンとは距離を置きたい。
 事前に打ち合わせをしてあるものの、各人に認識の齟齬はないか。
「ヘヴンと接触するまでは、全員で行動。これも相違ありませんね。ムーン・フィッシャーは、私たちと共にエンジェル対応・以降はコンテナ破壊へ同行してください」
「承知した、鈴鴨殿」
 鈴鴨(la0379)が全体行動をまとめ、ムーンの所属にも言及する。
「盾にもバックアップにも立ち回ろう。足手まといにはならぬ」
 こ、攻撃はひかえるが。
 声を震わせるムーンに対し、誰というでなくと生ぬるい微笑みを浮かべた。
「スピード勝負でしょうか。行きましょう」
 最終確認は充分だろう。白野 飛鳥(la3468)は歩を早めるよう促した。
「それでは……やろうか。あまり好きにやらせたくない」
 拳を打ち鳴らし、アグラーヤは遠方を睨む。
 自分たちライセンサー第二陣の到着に気づいたヘヴンが、こちらへ向かってくれればいいのだが。
 第一陣がこれ以上、傷つかないように。




 車両用の道はついているが、それ以外はほぼ樹木地帯ともいえる。
 視界は悪いが、人間サイズであれば身を隠すことは確かに容易い。
 気温の低さも、緊張感で気にならない。
 一行は、慎重に北西へ向けて本格的に移動を開始した。
(小さく荒々しい音は、きっとエンジェルですね……)
 視界だけに頼らず、立華 あやめ(la3152)は物音にも細心の注意を払っていた。
 小型のナイトメアが3体1組で行動。となれば、自然と掻きまわすような音になる。意識しない限り気配を消しきることは出来ないだろう。
 片や、人型のエルゴマンサーは1体。スピード型というのなら、雑音ではなく一筋の気配を見せるはず。
「ここです、止まってください!」
 あやめは、小さく声を発した。
 北東方向へ指先を伸ばす。こちらに気づかず動き回っているエンジェル部隊が2組ほど。
 軽やかな二足歩行で、小型のティラノサウルス――エンジェルたちは徘徊している。
 ライセンサーを担いでいる様子はない、周辺警戒をしているのだろうか。

 機先を制するか。藪蛇となるか?

「エンジェルを撃破するだけ、ライセンサーの運び込みを防げます。この位置にヘヴンを引き付けられるのなら願ったり叶ったりでしょう」
 自分たちの到着位置から、まだ北へ50m程、西には100mほど進んだだろうか。北西端にいるドラゴンへは、まだまだ遠い。
 迷わず先手を取ったのは千昂だ。
 攻撃範囲ギリギリに含めた1組へ、氷の槍を突き刺す。
「仲間を呼び寄せられ、私たちが足止めされるのも厄介です。速やかに撃破しましょう」
「ヘヴンの足が速いのなら、すでにここを突き止められている可能性があります。強襲には警戒を」
 鈴鴨と飛鳥はそれぞれ別の樹木に身を隠し、手負いのエンジェルへ銃で追撃してゆく。
「姿と名前がこれでもかというくらいあって無いのです、やっぱりエヌイー系の一味はセンスも趣味も悪いのです、悪趣味集団なのですよ」
 エンジェルと呼ぶにはおこがましいにもほどがある。
 いせ ひゅうが(la3229)は、己の身長より長大なスナイパーライフルの引き金を引いた。
「エンジェルね……なら私はジヤヴォール、かな?」
 ロシア語で『悪魔』。
 自嘲的に呟くと、アグラーヤは敵陣へ飛び込んでパワークラッシュで手負い全てを蹴散らした。
 さて、残るは1組。
「前線は任せて下さい!」
「あやめちゃんを一人にはさせませんのっ」
 エナジーガンを手に、アグラーヤと共に前線へ向かうあやめ。その後方から十八 九十七(la3323)がブラストショットガンで援護する。
「銃器としての再現性が低いですわ、ファッキン糞EXIS散弾銃! 範囲を蹴散らしてからその名を冠しなさいですの!!」
 ショットガン。散弾銃。数多の弾丸を散開発射してナンボではなないのか! しかしてこのEXIS、1対象にしか攻撃できない!!
 せめて1スクエア内範囲とか融通は効かないのか!! 効かないんです!!
「え……あ……その……すまない、のだ……開発室は、どど努力はしていて……」
 それはフィッシャー社製と明記はないものの、フィッシャー社も数々の銃火器EXISを製造している。
 ムーン、九十七の剣幕に完全にすくみ上がる。
「あまり前には出ないでね。きみが攫われたら大騒ぎだよ」
「あっ……、うむ……承知した」
 少女の動揺を見てとり、アグラーヤは後方へ呼びかける。家柄を持ち出せばムーンも従うしかない。
 強引にも思えるが、『家族のいる少女』を傷つけたくないアグラーヤ自身の思いもあった。
「っ、あやめ殿!!」
 前へ出る足を留めたムーンは、あやめへ襲い掛かる3体のエンジェルに悲鳴に近い声を上げる。
 初撃で落としきれなかったエンジェルたちは、粘液・アタック・毒牙と怒涛の連携で襲い掛かる!
「ご安心を、ここで崩れたりしません」
 あやめは後方へ、気丈に言葉を返す。
 事前情報通り、攻撃力自体は大したことがないようだ。
「すぐに倒して先へ――」
 付与された防御低下も即座に回復しワンドへ持ち替えたあやめは、途中で言葉を切った。
 北方より強い風が吹く。木々のざわめきは風と共に近づく。
「来たか」
 凪が顔を上げ、
「ここは任せていいか?」
 京四郎は小太刀に手を掛ける。
「こっちへ取り逃したりはしないぜ!」
 そしてエミルが笑顔を残した。
 3人が走り出す。エンジェルたちの意識が逸れるタイミングで、
「いよいよ作戦開始、ですね」
「タイミングを間違えないように」
「……ええ」
 鈴鴨、飛鳥、そしてアグラーヤがエンジェルを掃討。
 その間にも風はグングンと近づいていた。




 モノクロームの風景の中、大きく揺れる金の髪が悪目立ちしている。
 進行を阻む樹木があれば斧槍で薙ぎ払い、飛ぶような速度でエルゴマンサーはこちらへ接近していた。
「隠れる気は無しか。先手はもらうぞ」
 一足早く、凪はサブマシンガンによる足止めを試みた。
「――ッ」
 命中。
 大きく油断があったのだろう。エルゴマンサーは――ヘヴンは一瞬だけ足を止め、銃撃のあった樹木地帯へ目を向けた。
「ふふ。お出迎えありがとう?」
「ヘイ姉ちゃん、愉快なコトやってんじゃねぇか! ジョイネス・イズ・オールだ、酔狂を楽しみな!」
 啖呵を切ったエミルは首刈り大鉈を豪快に振るい、剣撃を放つ!
「かわいらしいこと」
 ヘヴンは涼やかな表情で軽く半身を引き、エネルギー波を避けた。
 京四郎の合流がやや遅れている、が、それを待つ敵でもない。
「奇襲が通用するのは一度まで。そうね、ここからは正攻法ね」
 足止めによるBSの感触は確かにあったが、即座にそれは解除される。
 乱れた髪を直すことなく、ヘヴンは地を蹴ると斧槍でエミルを斬り、突き、再び薙ぎ払うように武具を振るう。
「さあ。『酔狂を楽しむ』だったかしら。期待へ応えて頂戴ね」
 そのまま、流れる動作へライセンサー陣営へ深く入り込む。
「君野さん……っ」
「サンキュー!」
 エンジェル戦を終えたあやめが合流し、膝を着きそうになったエミルへヒールを飛ばす。ヘヴンから受けたダメージを8割方修復する。
「どれだけ強かろうが、退けるかよ」
 足止めを狙っても振り払われるくらいならば命中率重視で。
 ヘヴンとの距離を保つよう移動しながら、凪はワンポイントで狙撃する、が――
 軽やかな風がヘヴンを包むように吹く。それが銃弾の軌道をそらし、傷ひとつ付けられない。
(あれが回避スキルか)
 風のような、恐らくはエネルギーの流れなのだろう。これまでの攻撃に対しては見せなかった。

「さすがに、目は正面にしかついていないようだな」

 エミルへ三連撃を撃ちこみ、凪の攻撃を回避し。足を止めたヘヴンの側面へ、樹木を潜り抜けて接近する影がある。京四郎だ。
 体勢を低くし、小太刀を振り抜く。刃は黒いエネルギー体へ変化し、音を立てることなくヘヴンの影を封じた!
「お前から足回りを取ったら何が残る? さぁて死ぬ気で躱せよ、ヘヴン!」
 エミルが強く踏み込み、正面から斬り結ぶ。
「ここで死んでしまっては困るわね」
 移動力が0になっても回避は出来る。その上、相手から接近してくれるとは。
 大鉈を躱し、ヒュルリと斧槍を旋回させてカウンターで袈裟懸けに斬りつけた!
「ぬるいな、手足ぐらいは持って行く程度のガッツを見せてみろ! ガチのぶつけ合いの方が楽しいだろ!」
 受けたダメージは決して軽くはないのだが、エミルはどこまでも笑ってやる。

「エルゴマンサァァァ……! 糞悪夢ァァァ!!!」

 対峙する2人の空気を、弾丸が蹴散らした。スナイパーライフルへ持ち替えた九十七だ。
 カウンター攻撃の後に会話、その隙を狙った心射撃だが――爽やかな笑顔一つで躱される。
「ここで会ったが運の尽きィ、木っ端ミジンに散らしてやらァアァァア!!」
 息巻く九十七、取り合わないヘヴン、その背後から姿を見せたのはエンジェルの群れであった。
 ヘヴンとの派手な立ち回りで接近に気づけなかった。
「うちの子たちとも遊んで行ってね」
 エンジェルの甘くない吐息、暗緑色の粘液が続けざまにエミルと京四郎を襲う。
「あなたたちから足回りをとったら、何が残るか教えて下さらない?」
 



 ヘヴンが活き活きとしている頃。
「高機動型とかひゅうがには相性悪いのですよ。エヌイーの部下ならおとなしく穴倉に引っ込んでやがれなのです。ファッキンエヌイーなのですよ!」
「気持ちはわかるけど、今はできるだけ静かに速やかに移動すべきだと思う」
 悪態を吐きながら北西へ直進するひゅうがを、千昂が諫める。
 凪やエミルたちが身体を張ってヘヴンを引き付ける、それと同時に別動隊は最速でコンテナを破壊すべく動く作戦だ。
 ヘヴンに気づかれることなく、どれだけコンテナへ接近できるかが鍵。
「エルゴマンサー、か……。直接足止めしたい気持ちはあったけど……」
「アグラーヤ殿は、ロシアの生まれか?」
「……。そうよ」
 名の響きから予測を立てたムーンの問いへ、やや間を置いてアグラーヤは答えた。
「ご家族は……」
「妹が一人」
「ならば、我と同じだ」
 置いて行かれないよう、全速力で食らいつきながらムーンはアグラーヤを見上げる。
「アグラーヤ殿が攫われたなら、大騒ぎだ」
 家族が待っている。
 理由は、それだけでいい。
「……」
「我は戦力としては未熟だ。しかし守りたい気持ちは確かなのだ」
 傷を負うことも恐れず、弾丸の如く敵の中心へ飛び込んでゆくアグラーヤを見て。ムーンは頼もしくも、不安になるのだ。
「アグラーヤ殿の気持ち、嬉しく受け止める。そして、我に出来る形で支えることを許してほしい」
「…………無理と無謀は、しちゃだめだよ」
「うむ!」
(私は――)
 もちろん、アグラーヤだってここで死ぬつもりはない。
 たった一人の肉親を悲しませることなんてしない。
(私は、ジヤヴォール)
 戦災孤児となり、適合者として力を見出す前。
 生きるため、妹と二人で生き抜くため、アグラーヤは非合法な活動へ身を投じた期間があった。混乱期の地獄の中、生きる為に、同じ人間へ刃を向けた。
 それを思うと、自身には正義や復讐を騙る資格がないと考える。
「それでも……お前たちは、ここから叩き出す」
 行く手を阻むように現れたエンジェル3体へ、アグラーヤは飛び込んでバーストクラッシュを叩きこんだ!
「く~~、ひゅうがたちは急いでいるのですよ! どこまでも悪趣味なのです!」
 ひゅうがは氷槍を降らせ、アシストする。
「すぐに追いかけます、お2人にはコンテナを任せても良いでしょうか」
「ヘヴン対応班は上手い具合に引き付けてくれているようです。こちらも全力移動で向かいましょう」
「俺と鈴鴨さんで、先に出来る限りのことを試します」
 今回、コンテナへ向かうチームで全力移動を設定しているのは鈴鴨と飛鳥だけ。
 2人だけなら最速でドラゴンの待機する場所へ到達できるはず。
「ドラゴンとコンテナを切り離せればいいのですが……。仮に失敗しても、あのおばさん()のせいにできますし……」
「私にも考えがあります、試してみましょう」
「最悪は避けたいですが『おのれエヌイー』で大体は許されると聞いています」
 女性に対し『おばさん』という呼称が許されるのは、千昂が少年だからだろう。下手をするとヘヴン以外の女性陣をも敵に回しかねない危険なワードだ。
 などと飛鳥は思いつつ、鈴鴨と肩を並べて全速力で北西へと向かっていった。




「あなたたちは良い子ね。ええ、とても良い戦闘センスをしていると思うわ」
 京四郎渾身の宵闇斬の効果も、するりと解いてヘヴンは言う。
「もっと仲良くしたなら、わたくしを捕まえられるでしょうに……。がんばって頂戴?」
 わずかに踏み込めば、エミルを回復すべく前へ出ていたあやめも斧槍の範囲に入る。
「――残念。もう遊んではいられないの」
 からの、強烈な旋風!! 斧槍を旋回させ、エミル・京四郎・あやめへ強烈な攻撃を与える!
「シンプルだが膂力があると恐ろしい技になるな」
 回避しきれずダメージを負った京四郎だが、他人事のように淡々と威力の分析を。
「あなたたちを連れて行きたかったけれど、欲をかいてはだめね」
「……どこへ向かう、つもりですかっ」
 後退するヘヴンへ、あやめは叫んだ。
 審判の雨雫を降らせ、仲間たちをできる限り回復する。
「そう簡単に行かせはしねえ」
 凪はすかさず射程に収めながらワンポイントで追いすがる。
 足止めが効かないというわけではない、しかし相手が動き出す際には解除されてしまう。移動する際に移動力を下げられないのであれば命中重視が賢明のはず。
 今のところは物理攻撃で攻撃が通らないという反応もない。
 集中力を高めるため、凪は同一武器で攻撃を継続していた。
「こちらは私が対応します。君野さんはエルゴマンサーを」
「ああ。今までのバックアップ助かった。いよいよ楽しくなってきたってところだな!」
 九十七とあやめがその場に残る。
「一列に並んで口開けろォッ!! 頭丸ごと吹ッ飛ばす弾丸を喰わせてヤルよォォオオ!!!!」
 エンジェルをショットガンで牽制しながら、九十七は戦友の背にエールを。
「きみのん、九十七ちゃんが助けに参上するまでくたばるんじゃねーですの!!」
「死んだら殺されそうだ、りょーかい!」
 そしてエミルは走り出す。


 この先、仲間から回復支援を受けるのは難しいだろう。攻撃を外せばカウンターも待っている。
 エミルは盾へ装備を変えると、全力移動でもってヘヴンへ殴りかかる。
「勢いは買うわ。でも、それだけね」
「いつまで言っていられるかな?」
 カウンターを受けながらも、エミルは決して笑うことを止めない。不敵に、機はこちらにありと訴え続ける。
 第一陣が壊滅に近いダメージを受けたのは『油断』『奇襲』によるものだとしたら。
 今、こうして自分たちの攻撃が少なからず届いているのが事実なら。
 決して落とせない『星』じゃあない。少なくとも、天国よりもずっと近い。




 風の流れが大きく乱れている。
 北西へ急ぐひゅうが、アグラーヤたちも感じ取っていた。
 先を行く鈴鴨や飛鳥は樹木地帯を抜けただろうか。
 フィールドを北上し半ばを過ぎた頃から、エンジェルに運びこまれず倒れ伏した第一陣ライセンサーの姿も目につくようになっていた。
「僕たちが現れたことで『運び手』を減らすことに成功していたようですね……」
 ライセンサーの拉致が目的なら、戦闘不能にすることが先決。コンテナへの積み込みはそれからでも遅くないということか。
 この場で回復なり救出なりできればいいのだろうが、余裕はない。
 千昂はひとり言のように呟くに留め、先を急ごうとして……異変に気づく。
「来たみたいだね」
 風向きが、違う。
 アグラーヤもまたヘヴンの接近を感じ取り、受け流しを発動して接敵に備えた。
「ここで迎え撃てば、コンテナ救出に向かった2人へ充分な余裕を与えられるね」
『援護がない旨、了解しました。冗談です。皆さんこそお気をつけて』
 EXISインカムで状況を手短に伝えると、鈴鴨から返答が届く。
 無事にドラゴン周辺まで到着したらしい。

「来ると解かっているモノなんて奇襲にならない、こちらから行こう」

 樹木の合間を掛けてくる風の音から、アグラーヤは間合いを測る。
 細やかな報告というより現状を伝えるべく、ハイテンションなエミルの声が繋がった。
「相性が悪かろうが、やらねばならない、のですね」
 覚悟を決めて、ひゅうがは銃を握る。

「ようやく捕まえた……!!」

 エミルの執念が遂に結実する。彼へ目もくれず駆け続けていたヘヴンの背へ一撃を見舞う。
「……っ」
 苛立ったかのようにヘヴンが振り向く、その隙へアグラーヤが渾身の拳を叩きこむ!
「出迎えに上がったわ」
 淡々とアグラーヤが告げ、
「残念なのです。ここは『出口』ではないのですよ!! 地獄の一丁目へようこそなのです!」
 すかさず、ひゅうががアシッドショットを放つ――が、こちらは躱された。
 別角度からは、千昂が氷槍による攻撃を。しかしそれもまた、渦巻く風のエネルギー体で命中を外される。
「あなたたちの相手をしている場合じゃないの」
「させるか……!」
 エミルの後方からは、京四郎や凪たちが追いついている。エンジェルの掃討を手早く終えた九十七がエミルの回復役を担っていたようだ。
 ここで、あと少し。あと少しで良い、ヘヴンの足止めができれば――……!

 ヘヴンが再び、地を蹴る。斧槍を旋回する。
 行く手にいたのは千昂、ウォールスキンでダメージを最小限に留める。
 ムーンが踏み出し、福音の雨雫を注いだ。
 合流した仲間たちのダメージが大なり小なり修復される。
 広大な樹木地帯で、自在に駆ける人間サイズのエルゴマンサーを留めるのは難しい。
 かといって諦めるわけにはいかない。
 ひゅうがは自分を越えて先へ進むその背へ銃口を向ける。

「行かせないと言ってるのですよ……!!」




 地鳴りのようなドラゴンの呼吸。
 ある程度距離を取っていても、その巨躯は目につく。
 エンジェルはヘヴンの援護に回ったか、この辺りにはいないようだ。
「外しようのない的ですね」
「ドラゴンに関しては同意です」
 ブレスの射程外から、鈴鴨と飛鳥は最後の打ち合わせをしていた。
 いくつかパターンは考えていたが、実物を目にするまでは確定できなかった。
 しかし、それもようやく定まる。

「皆さんが繋げてくれた道です、可及的速やかに実行しましょう」
 鈴鴨がスナイパーライフルから放つは心射撃。ドラゴンが、暴れることもブレスを吐くことも羽ばたくことも許さない。

「今しかない、ですね」
 スッとした立ち姿から、飛鳥は和弓を引いた。
 放たれた矢は、コンテナ上部をピンポイントで撃ち抜いた。

 かくして――

 要を破壊されたコンテナは、容易く崩れて積み込まれたライセンサーたちもドラゴンの背をすべるようにして地上へ落ちてくる。
「ドラゴンが動き出す前に救助者たちを……」
 飛鳥が樹木地帯から抜け出す。
 ドラゴンの呼吸が荒くなる。鈴鴨が今一度、心射撃の構えをし――

「殺してはだめ」
 女の声が響いた。ヘヴンからドラゴンへの指示だ。

「計算が狂ったわ。ああ、なんて言われるかしら」
 ヘヴンは乱れた三つ編みを胸元へ戻しながらドラゴンへ歩み寄る。
「ライセンサーは、殺しちゃダメ。ここで食べてしまいたいけど、それもダメ」
 ドラゴンの足元には、数多の戦闘不能となったライセンサーが居る。
 こうなると迂闊には攻撃できない。人質が、あまりにも無防備にさらされているのだ。
「今回は、お連れ出来なくて残念。わたくしも詰めが甘かったわ。……また迎えに参りましょう。もっともっと、強くなっていてね」
 美味しく育っていて頂戴。
 そう言い残すと、ヘヴンは後方の船へ乗り込む。自身が乗ってきたものだ。いつの間にか、残存していたエンジェルたちも船へ乗っている。

「それでは、ごきげんよう」

 ヘヴンの動きに合わせ、エンジェルもまた手を振った。腹の立つ小細工を仕込んだものである。
 ドラゴンはそのまま翼を広げ、悠々とシベリアの空を飛ぶ。




「…………なんだったんだ」
 ながいながい沈黙の後、声を発したのは凪だった。
「思ったような戦いは出来なかったな。これもまた敵の手のひらの上だったのかね」
 京四郎も複雑な表情をしている。
 BS・状態異常のいずれも、するりと抜けられてしまった。全く効かないわけではない、ならば肝心なのは――
「殺しはしない……か。あくまで『生きたライセンサー』が必要なわけか」
 何のために、そこまで徹底して?
 それからエルゴマンサーの思考を辿る。
 『なんて言われるかしら』とも言っていた。エヌイーに対してか。あるいは同様に他の場所でも急襲・拉致事件が勃発しているのか……。
「高機動とは言うが、全力移動で追いすがれる程度ってのは収穫じゃないか? また『迎え』に来た時の対策にはなりそうだ」
 とはいっても、全力移動しつつ通常攻撃を繰り出そうとすればどうしても命中率が下がる。
 回避の高いヘヴン相手に、それはカウンターを喰らいに行くようなものでもある。
 実体験をもとにエミルが報告を。
「好戦的ではあるようですが、主目的を見失う程ではない……のか、主目的を一瞬でも忘れたからコンテナ破壊を許したのでしょうか」
「大した自信はあるようですねぃ。あの糞悪夢、今度はドテっ腹に風穴を開けてやりますの。自信過剰は身を亡ぼします故」
 千昂へ、不完全燃焼気味の九十七が黒い笑みを浮かべた。
 エンジェルを倒して、速攻でエミルを追いかけ、必死にハイヒールでフォローを続けていたので体力は充分に燃焼しているのだが気が済まない。
「以降は支部へ戻り報告しましょう。救援部隊も到着すると思いますが、今は私たちに出来る範囲で要救助者たちを助けるべきかと」
「そうね。……誰も死なないで、連れ去られなくて、本当に良かった」
 鈴鴨の提案へ、アグラーヤが頷く。
 戦いは終わったのだと、ようやく声色に穏やかさが戻った。




 大河を渡る風は、冷ややかだ。
 血の匂いを運び、濯ぎ、流れてゆく。

 もしも第二陣が、エルゴマンサーとの戦闘だけに気を取られていたら。ドラゴンが単騎で離脱していたかもしれない。
 もしもコンテナ破壊時、力加減を間違えたり識別不可スキルを使用していたら。中のライセンサーたちの生命に関わっていたかもしれない。

 出撃に際し、慎重に慎重を重ねて編み上げた作戦が功を奏した形となった。
 それぞれの役割意識を強く持ち、完遂したことで結果をもたらした。
 けれど――

 ――もっと仲良くしたなら、わたくしを捕まえられるでしょうに……

 BS・状態異常がロクに効かない、回避の高さは一筋縄ではいかない。
 これらは、いつか撃破を目標とした時に立ちはだかる、最も高い壁なのかもしれない。


「せめて、次はハイセンスなナイトメアをお願いしたいのです。エヌイー配下に無理な要望とはわかっています」
 ひゅうがの発言に誰からとなく笑いが起こった。



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参加者一覧

  • 電脳空間の妖精
    君野 エミルla0035
    ヴァルキュリア17才|
    ゼルクナイト×セイント
  • 風牙
    アグラーヤla0287
    人間24才|
    グラップラー×スピリットウォーリア
  • スポークスマン
    鈴鴨la0379
    ヴァルキュリア15才|
    ネメシスフォース×スナイパー
  • 夜明け告げる者
    高柳京四郎la0389
    人間28才|
    ゼルクナイト×スピリットウォーリア
  • 胸に抱いた覚悟
    白神 凪la0559
    放浪者18才|
    スナイパー×ネメシスフォース
  • 光とどけ
    立華 あやめla3152
    人間10才|
    セイント×ネメシスフォース
  • 夜裂く綺羅星
    いせ ひゅうがla3229
    ヴァルキュリア10才|
    ネメシスフォース×スナイパー
  • 小さきアトラス
    佐和 千昂la3236
    放浪者12才|
    ゼルクナイト×ネメシスフォース
  • 撃退士
    十八 九十七la3323
    放浪者25才|
    スナイパー×セイント
  • 羽ばたく導きの鳥
    白野 飛鳥la3468
    放浪者21才|
    グラップラー×セイント

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