オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. お菓子くれなきゃあげちゃうぞ!

お菓子くれなきゃあげちゃうぞ! STANZA

形態
イベント
難易度
易しい
価格
1000(EX)
ジャンル
冒険 コメディ 日常 
参加人数
251~25人
予約人数
10010100
基本報酬
90000G
90SP
900EXP
おまけ報酬
10000G
相談期間
5
締切
2018/11/05 23:00
完成予定
2018/11/18 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-



 ハロウィンの起源には諸説ある。
 ハロウィンに仮装する意味も、諸説ある。
 
 だが日本人には、そんなことはどうだっていいのだ。
 何も考えずに楽しんだもん勝ちなのである。

 だから、どんな形でもハロウィンはハロウィン。
 お菓子くれなきゃあげちゃうハロウィンがあってもいいじゃない。
 もちろん普通に、お菓子くれなきゃイタズラしてもいい。
 もらってもイタズラ敢行、どんとこい。
 楽しければ、おーるおっけー。

 というわけで。



「ハロウィンするのふ!」
 ワッフル・クロワッサン(lz0018)は、この日のために生まれてきたヴァルキュリア……ではないけれど、お菓子好きならこの日は外せない。
 ワッフルは一週間ほど前から、せっせとお菓子を作り続けていた——体内の合成装置で。
 先日の交流会では色々なお菓子を食べさせてもらった。
 そのおかげで、まだ新たなお菓子は作れないものの、組み合わせによるレパートリーが増え、プレーンクッキーの味にも深みが加わった。
 食品製造マシン・レベル2といったところだろうか。
 目指す三つ星パティシエには遥か及ばないが、カンストの道も1レベルから。
「わふ、バタークリームサンドクッキー作れるようになったのふ!」
 バタークリームも、チーズ風味に南瓜風味、苺風味、カスタード風味の4種類のバリエーションが生まれた。
 ブラウニーやタルト、ガトーショコラのおかげで、チョコクッキーはサクサク系としっとり系の2種類が作れるようになった。
 和菓子はまだ経験値が足りないが、いつかは季節感満載の生菓子なども作ってみたいところ。
「ハロウィンには持ち運びがしやすくて、長持ちするクッキーやキャンディがいいのふ」
 小麦粉や砂糖、バターなどの材料を口から流し込み、体内マシンで合成したらお腹のポッケから取り出して、一個ずつ丁寧に包装して。
「楽しみのふ〜♪」

 そうそう、ハロウィンと言えば仮装も大事。
「わふは何がいいのふ?」
 このもふもふ巨大白うさぎ、そのまま仮装パレードに混ざっても違和感はないだろう。
 けれどやっぱり、いつもと違う自分にもなってみたいのだ。
「あとでみんなと相談してみるのふ」
 ワッフルの仮装アイデア、募集中!

「あ、わふにはイタズラしてもいいのふよ? お菓子くれるのは、もっともっといいのふ!」

 こうしてワッフルは、ハロウィンの日を楽しみに指折り数えて待っているのだった。
 ……お前、オペレータの仕事はどうした。

「来月からがんばるのふ!!」


出発時にはもうとっくに終わっていますが、気にせずハロウィンを楽しみましょう。
NPCのワッフルを弄っても良いし、仲間内で楽しんでも、新たな出会いを求めても、ひとりのんびりと喧騒を眺めるだけでも、なんでもご自由に。
独自企画歓迎。

・期間
準備〜当日まで、いつでも
色々なところに顔を出しても構いませんが、ポイントを絞った方が濃い描写になる傾向があります

・場所
準備はSALFの食堂や調理室、カフェなど、集まれそうな場所ならどこでも
当日は本部の噴水広場周辺でパレードが行われます
SALF関係者しか入れないので、多少ハメを外しても大丈夫
物を壊したり人に危害を加えたりしなければ、スキルの使用もOK

・費用等
お祭り好きな謎のスポンサーが付いているため、一切不要
飾り付けも、お菓子も、自作する場合の材料費や道具も、仮装コスのレンタルも自作も無料
とは言え予算にも限度はあるので、常識的な範囲内でお願いします

・イタズラ
ワッフルに対しては誰でもOK、イタズラされてもお菓子をくれます
PC同士の場合は互いに了承の上、事前にネタや反応のすり合わせをお願いします

・その他
アドリブOKの場合は、想定外のPCさんとの会話などが発生する可能性があります
(絶対にNGという場合を除いて、軽いアドリブは常時発生します)

・NPC
ワッフル・クロワッサン
 もふもふ巨大ウサギのヴァルキュリア
 初対面から馴れ馴れしい
 餅にモフ毛が生えたような感触でお昼寝クッションに最適
 お菓子などの甘いもの大好き、ただし味覚が機能しないバグあり
 食べたものは身体の中で再構成され、腹のポケットから新たなお菓子として出てくる
 色々なお菓子を食べることでレパートリーや応用範囲が広がるが、それなりの時間が必要


※OPや解説で明記されていない部分についての解釈はお任せします
※設定や世界観の範囲内で、ご自由にお楽しみください

お世話になっております、STANZAです。

日常系だとどうしても字数が膨らんでしまうので、EXとさせていただきました。
参加費用は少々お高くなってしまいますが、その分描写もたっぷり……に、なるはずです。プレイング次第ですが!

ワッフルはフリー素材ですので、弄って頂いてもスルーでも、ご自由にどうぞ。

では、よろしくお願いいたします。

世界最強の菓子を生み出す。

白毛玉のクッキーは確かに美味しい、それは認めるわ。
だけど自分でも気付いている通り、経験不足は否めない。
もっと言えば、菓子道を究める為の狂気、最後の一線を超える覚悟……
そういったものが欠如しているように見受けられる。ような気がしないでもない。

であればこそ、この私が導かなければならない。
栗の仮装をして、自分を食べろとワッフル・クロワッサンに詰め寄るわ。
レアな食材を合成させることで、唯一無二のスイーツが世に誕生するのであれば。
新たな芸術の礎となるのであれば。
遠慮なく頭から食べてくれて構わないわ。

そしてさらば世界。

グロリアスドライヴ 第一部・完!

【目的】
ハロウィンを教えてもらい。ワッフルをもふること?を目的として参加(よく分かっていない)
【準備】
幽霊と言っているがただ布だけを被っているだけ
【同行者】
神風 初春la2689
【行動】
初春に連れられてワッフルのところに、ワッフルを背後から抑え拘束。これがもふることだと教えられる。ぬいぐるみ感覚で持つ()
その際に布を踏まれて中の姿が露になる。中は色んな怪物の絵が描いてあるボディペインティングだらけ……そぅ、殆どがボディペインティング。つまり……(なぉ、大事なとこだけは《ベルト》だけして隠しています


  • 88la0088
    人間33才|セイント×ネメシスフォース

諸君。ようこそHaていせいせんelloweenへ
【ToS】
チ●ビオアシーズニングの略。お菓子を渡さなければ悪戯してもらえるという逆転の発想。勝った(完)
チク●当てゲーム。当てたらお菓子が貰える。当てられた側はR(la0564)特製調味料トッピング菓子(※1)贈呈。正答率100%
微笑ましく祭りを眺める化野(la0108)を巻き込む。更に黄色フード=三代(la2064)いるけど気にしない。

触られたら「おぉぅ//」とか積極的に気色悪い声。
※1は「甘くて辛くて懐かしくないのに涙が‥これが天にも昇る味か」と気絶しかける。
グリフォリシア(la0754)見つけたら、三代にパス

アドリブ歓迎

★アドリブ・絡み可
〇心情
「ハロウィンはみんなで楽しまないとね。トリック・オア・トリート♪

〇目的
ハロウィンを楽しむ

〇行動
魔女の仮装で参加
魔法少女と言うより三角帽子にローブの古風な魔女。
パレードに参加、バスケット片手にお菓子を配る
お菓子は自作、ハロウィンらしくカボチャイメージで
たまにホラーっぽいもの混ぜてもよし
「こうして持つ者が皆に配るのも貴族の役目、ってね?」

イタズラは仕掛けないが(歳甲斐ないと思いつつ)お菓子は欲しい
たまには自分からも求めてみよう

  • 戦場のピアニスト
    化野 鳥太郎la0108
    人間39才|ネメシスフォース×スピリットウォーリア

【ToS】アドリブ歓迎
「ちょっと待って何この地獄みたいな集まり」
「何言ってんの、この黄色い人何言ってんの?」
涙目で88さんに拉致られる
三代さんは知り合い、グリフォリシアさんとRさんは初対面

折角なので88さんの黄色フードを借りて仮装
よく観察して勝ち筋を探す
(●クビ当て、これは駆け引き……)
(隠せば行動から位置を読まれる……ならば……!)
敢えて隠さず堂々とちょっとポーズ決めていく作戦
シャツの下に透けレースブラ!(装備参照) これなら押せまい
「あっ無理ちょお婿に行けなくなっちゃアッーー」
調味料お菓子でつつがなく死亡
俺この戦いが終わったら教職復帰するんだ……(遺言

衣装
ハロウィンカラー(オレンジと紫)の不思議の国のアリスのアリス衣装。

行動日は当日。
ワッフルに絡みにいったり(お菓子をもらいに行ったり、身体のもふもふ具合を確かめたり)
他の参加者にもトリックオアトリートする。
自分も、カボチャの形のカゴにお星様の形をした飴をいれているので、他の人にねだられたらしっかりあげる。
他の人の仮装を見て喜んだり、知り合いが居れば積極的に話しかける。
(呼び方は名字+さん)

  • 旋空連牙友の会
    越月 なごみla0204
    ヴァルキュリア16才|グラップラー×ネメシスフォース

・目的
ワッフルさんと交流し、うどんスイーツの良さを伝え…
良ければお友達に。

・準備
猫耳フード付きの黒いワンピースで仮装致します。
そして、うどんスイーツの準備。
今回はうどんをツイストしてロープ状にし、両端を繋げて…丸形にして揚げたドーナツを用意致します。
味は普通の砂糖、シナモンシュガー、チョコシュガーの3種類!

・行動
うどんドーナツをバスケットに入れ、ワッフルさんに会いに行きます。
「こんにちは、ワッフルさん。お友達から伺ったのですが…何でも、パティシエを目指されているのだとか。」
「こちら、私が作ったお菓子なのですが…宜しければ、頂いて下さいませんか?」
と話しかけ、ドーナツを手渡します。

材料について問われたら…
「…実は、うどんで出来ているのです。私、うどんをこよなく愛しておりまして。パティシエとして今後世界に羽ばたくであろう貴方に、うどんの可能性を知って頂きたかったのです。もし、貴方が三つ星パティシエとなった時は…是非とも、このスイーツの良さを世界にお伝え下さい…!」
最後に、
「それはそれとして…良ければ、お友達になって下さいませんか…?」と伝えます。

【格好】
普段着(ベストタイプの執事服)の上から、足元まで隠れる真っ白な布を頭から被っている布お化け…ならぬメジェド様。
腕の部分には穴が開いており、腕だけ出してお菓子(飴、クッキー等)の入った籠を下げている。

【心情】
恥ずかしさなどとうの昔に過ぎ去りました。今宵の私は…余はメジェド様である!

(噴水広場にて)
さぁ菓子が欲しくばハロウィンの合言葉を唱えよ!
?!待て、中を覗こうとするな不敬であるぞっ!!(布をぎゅっ)

しかし貰えるばかりと思うなよ?
Trick or Treat!お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうのである!
こう、水性ペンで手や顔にハートや星をキュキュッとな!

  • もふもふ救命士
    トーヤla0375
    ヴァルキュリア10才|グラップラー×セイント

こうやって皆でワイワイできるのは、良い事だな

アドリブ歓迎

当日の格好は黒マントに牙の吸血カワウソ
お菓子に合う美味しい紅茶を煎れて廻る
桜(隊長)と行動、美味しい煎れ方を伝授。伝わるかは別
美味しく入れる作法(ティーカップを温める、茶葉の蒸らし、高い位置から煎れる等)も実践。身長は台や椅子でカバー
茶葉は市販モノ。美味しい煎れ方も聞かれれば教える
ワッフルには「お菓子を美味しく頂くには、合わせる飲み物も重要だよ。キミも振舞う側になるなら煎れ方を覚えておくといい」

モフモフや抱っこされても怒らないが、引掻きや汚すのは嫌がる
「繕いや丸洗いが必要になるので、乱暴には扱わないでほしいな」

  • 寡兵よく大群を破る
    神上・桜la0412
    人間10才|ネメシスフォース×セイント

・トーヤと行動。
幽霊のコスプレをしつつウェイトレス。
可愛い自分はどんな格好しても可愛い!と思ってる。
紅茶ついだりお菓子を出したり。
可愛い自分のおかげで人も集まるだろうと根拠のない自身はたっぷり。
紅茶の美味しい淹れ方はトーヤに教えて貰う。但し変にポンコツな所がある。
「可愛い我が淹れればどんな淹れ方しても美味しいと思うがのぉ?じゃが汝が教えてくれるというのであれば聞いておくのじゃ」
「ふ、我は仮装しても可愛いじゃろう?この可愛さ目当てで人もたくさんくるじゃろうて」
「可愛い我に美味しい紅茶をついで貰えるのじゃ。喜ぶが良い」

事前にハロウィンのためのお菓子を、あらゆる調味料を使用して、味がわからないほど濃い味付けをして用意しておく。

【ToS】
ち○び当てゲームに触る側として参加して、当てられた人に用意しておいたお菓子を渡す。
ついでに、88(la0088)と化野(la0108)が普通のお菓子をもらっていても、自分で用意したお菓子と同じようにトッピングしておく。

シン(la0754)を三代(la2064)に任せつつ、ゲームで当てたらそっとお菓子を渡しにいく。

ついでに自分でも、味がおかしくても平然とお菓子を食べる。

アドリブ歓迎

とりあえず服装は魔法少女というか魔女というかな衣装で。なーんか88達が画策してるようなのでそれに乗っかる形でアドリブ全開。
でもせっかくだから動画撮ってSNSと動画サイトにUploadシマース。Realtimeで流すからちょっとしたHappeningが有っても事故だよ事故。
Trick or Treat! どっちかというとあげる側な気がしますケド、smallな事はNo Thank you!(こまけえことはいいんだよ)なSpiritsでいきマース。

【目的】
ハロウィンを楽しむ
他PCとの交流

【行動】
(基本として同じ行動の他PCとは共同作業希望)
当日までの準備として調理室にて色々なお菓子をたくさん作り、時間があれば飾り付け等の準備を行う
作成したお菓子をパレードを行う噴水広場中心に配り歩く
配る際はハロウィンに因んで仮装(ネジ型ヘッドフォンを用いたフランケン)を行う
ワッフルをみつけたらイタズラ用お菓子(ロシアンクッキー、5個中1個は激甘クッキー)を配りつつ今後もよろしくと挨拶
その後は他PCと楽しく過ごす

【心情】
「ハロウィンは毎年あるけど、今年のハロウィンは今しか体験できないわ!」

【目的】
祭りを楽しむ

【準備】
セクシー魔女に仮装
「あんまり肌の露出度上げちゃダメ?…なら、魔女らしいオレンジの帽子と茶色のインナー&ガーターストッキング、黒のハイヒールで!」

【行動】
かぼちゃチョコクレープ作りに挑戦し、成功したものを他PCへ配る

☆ワッフルへのイタズラ
「ワフちゃん、このお菓子(チョコレートバー)が欲しい?」
「ふふふ、それじゃあ…あたしの靴を舐めて跪きなさい」

☆依頼後
「…普段のあたしはSじゃないわよぉ?陽気で気さくなお姉様だから♪」「それじゃワフちゃん、みんな、またね♪」

…プツン(何かが切れた
エラーエラーエラーノウナイニシンコクナばぐハッセイ…
……戦闘段階
目標捕捉
モフり開始

開幕から全力移動でワッフルさん(lz0018)をモフり倒します
コアラの抱っこみたいに抱き着きながらスリスリを続けます
以上←

カワイイ…キモイ…カワイイ…キモイ…キモカワイイ…にゅ!?
あたしは一体何をしてたn…
……あ
この時どういえばいいのか知ってるn
あたしはしょうきにもどった

ハロウィンか…ハロウィンなるものをこうして楽しむのは初めてかもしれないな。
今日は梓君(la2067)とハロウィンパーティーへ。まぁ来るときだけ一緒で後は別行動だが。
たまには別々に友人と楽しむのも一興、ということで知り合いはいるかな。

しかしトリックオアトリートということは悪戯してもいいと言うことなんだな!?そうなんだな!?
ヨオオオオオシお菓子くれなきゃ○首ゲームするぞおおおおおお!

アッ!あれは88君(la0088)!よし!いつもクールな彼の乳○をブレイクして澄まし顔を崩してやるぜえええええ!

IMDによる炎など見た目だけらしい。だがIMDでエフェクトをつけられるならTA(○○アタック)に超振動を加える。ヴヴヴヴヴー。
ToSにはウキウキと参加。相手が誰であろうと(男性)やっちまいます。
特製お菓子にはグゲゲゲー的な奇声を発して涙を流しながら喜ぶ(?

帰る際は再び梓君と帰る。しかしその頃には冷静になっているのでくたびれた感じに。

アドリブ歓迎

自分はまだまだ交友が狭いのでどなたとでもアドリブと絡み大歓迎ですよ!

準備はひとりでこっそり進めておいてハロウィン当日をメインに活動します。
私の仮装は一見すると横線がいっぱい入ったぬりかべにしか見えないみんなのヒーロー「シャッター先輩」(顔だけはそのまま出してます)!!
お菓子は市販のお菓子をばらして透明のビニール袋いっぱいに詰めた物を用意します。

ワッフルさんには今後も末永くお世話になりそうなのでお菓子を持って挨拶に行きますね。
ワッフルさんに挨拶してモフらせて貰ったらみんなとお菓子を配り歩きます。

  • 頼れる盾役
    山神 水音la2058
    人間18才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

【心情】
ハロウィンを楽しんでいきたいかな
【行動】
青いタキシードの上に黒いマントを付けてシルクハットをかぶり、手にはステッキを持った吸血鬼のコスプレをしている
Trick or Treatといいながらお菓子を貰っていくよ
「Trick or Treat!お菓子といたずらどちらが好みかな?」
いたずらする時はシルクハットや色々な所からからお菓子を出して驚かせた後に三四郎(la2826)さんをはじめとした皆にお菓子を配っていくよ
「いたずらが好みなの?それじゃあこんなのどうかな?」

  • 戦場のActress
    三代 梓la2064
    人間34才|スピリットウォーリア×グラップラー

アドリブ歓迎
◆同行者
会場入口まで:シン(la0754)
会場内:88(la0088) R(la0564) 化野(la0108)

◆心情
「子供みたいにはしゃいじゃって」
会場までは恋人であるシンと共にやってくる
悪友に連れられて【ToS】に行ったシンの後ろ姿をジト目で見遣って
「――それなら、わたしからもイタズラ……しちゃいましょっか」

◆行動
こっそり連絡とって【ToS】参加
胸はさらしで潰して88と揃いのパーカーを着て並んで立っている
シンに触られたらひとしきり変な声出した後でフードを脱いでネタバレ
恋人だしこれくらい軽い触れ合いでしょ
皆でお菓子食べてGo to Heavenする

え~と、トリックオアトリート!と言って、お菓子を貰えばいいのよね?で、逆に言われたら、お饅頭を進呈する。悪戯は・・・しなきゃだめ?そうね。掟だものね。やるしか

悪戯
上着をまくって、へそ、脇腹
剣を踏み台にして、鼻の孔、耳裏、頸周りを羽箒でくすぐる

衣装
橙色で黒い襟のセーラーワンピ、おばけの顔のバックプリントのかぼパン、ミニ三角帽子、魔女っ娘っぽい手袋&長靴、大きな南瓜型の籠

アドリブ可

アドリブ歓迎

ハロウィンとは現代における仮装大会のような賑やかな祭典ではなく、古代ケルトにおけるドルイド信仰に基づく収穫祭であり、祖霊を迎える祭祀と聞きます
日本人に分かりやすく言えば、お盆と同じですね。盆踊りも本来の意味では地獄の責苦を免れた霊魂の喜びを表すものだったと聞きます

であれば、精霊馬を作るというのも本来の祭りの趣旨には合うのではないでしょうか?

ワッフル・クロワッサン。
どちらもお菓子のような名前ですね……ふむ、からかいとして齧ってみるのも面白いかもしれません。

  • 酒呑童子
    神風 初春la2689
    放浪者10才|ゼルクナイト×ネメシスフォース

【目的】
 ハロウィンを全力で楽しみ、ワッフル殿をもふることを目的として参加
【準備】
 背中に白翼の生えた鴉天狗の装束を着ておく(修験者装束に黒い一本歯の高下駄)
【同行者】
 ミラ殿(la0041)
【行動】
 ミラ殿と一緒にワッフル殿の下に行き。ミラ殿がワッフル殿を背後から抑えたところで正面に回り正面から全身で抱き着いてもふり倒す。
 ワッフル殿を抑えたミラ殿を躱して正面に回る際、うっかりミラ殿の仮装の端を踏んずけてしまい、ミラ殿の仮装をはぎ取ってしまうハプニングを起こす。

アドリブ歓迎

うむ、我は仮装せずとも既にその辺はクリアしているな。
なにせ我は悪魔ゆえ、悪霊がどうこうではないのだよ。悪霊も霊魂である以上、我が糧となる代償として願いを叶えてやるのも良いが……うむ、まだ契約を全うしておらんゆえ、新たな契約を結ぶ事は出来んのだ。
我が糧となる魂が大量にやってくるという祭典なのだが、うむ、非常に残念ではある。
人間に例えれば、ごちそうを前にお預けを食らっているようなものだな。さっさとナイトメアとかいう種を根絶せねばなるまい。

さて、我の愚痴はこの辺として、パレードとやらに出ておこうか。
仮装の中に本物の悪魔が居るというのも中々に刺激的であろう?

  • 吾輩は猫である
    三四郎la2826
    ヴァルキュリア10才|グラップラー×ネメシスフォース

🐈心情
なぁぉ(狩りの時間である!)
🐈服装
誰かに被された魔女帽子
耳出し穴あり
🐈前日迄
準備時は食べ物作っている所、あざと可愛く愛想よくして喰うものを得る
色んな所をとてとて
🐈当日
掴まって抱えられお菓子配りに参加
人の子は苦手だが子供達に好き放題される
爪立てたらホケンジョが攫いに来るので厳禁
大人しく嵐が去るのを耐える
🐈ワッフル
自分の分の喰う物得たら、急いで退避
ワッフルの頭の上に
そのもふっ感の柔らかさと暖かさに居座る
その後はワッフル頭にしがみ付く様にし
クッション兼乗り物と認識
歩かず喰う物得る
🐈その他
アドリブOK


【アドリブ】
OK
【心情】
「はっ!自分はハロウィンの警備にあたります」敬礼
【目的】
ハロウィン準備や当日の警備に従事
伝説のSHIBUYAの様にはさせません
【準備】
『巡視中』のワッペン
【行動】
機体調整中の為、まだ機能は万全でなく慣らし中
人型での警備及び雑用処理を従事
「自分は飲食ができませんので…」
「推定年齢4歳、性別男、赤いパーカーに猫耳…」(迷子案内)
「こほんっ。ここは公共の場なので不順異性交遊は控えめに願いたい」
「走らない、割り込まない、喧嘩しない」
パレード時はバイク形態で先導車に

●はじまりはじまり

 SALF本部の噴水広場は、すっかりハロウィンカラーに染まっていた。
 そこには既に、思い思いの仮装をしたライセンサー達が集まっている——素で仮装にしか見えない人も、ライセンサーには多いのだけれど。
 そんなビジュアルを持つひとり、機甲支援外装カヴァーサンフィッシャー(la2842) は、本日の警備担当を買って出ていた。
「はっ! 自分はハロウィンの警備にあたります」
 びしっと敬礼を決めた彼は、ロボっぽい見た目のボディに警備員の制服をまとい、胸には燦然と輝く「巡視中」のワッペンを付けている。
 それは準備作業中にも警備の仕事を頑張っていた彼に対して、SALF関係者の子供達がプレゼントしてくれた手作りの品だ。
「おまわりさん、がんばってね!」
「はっ! 了解であります!」
 おまわりさんではないけれど、細かいことは気にしない。
 子供達はロボっぽいビジュアルの正義の味方が大好きなのだ。
「今日はあの子達も楽しんでいることでしょうし、伝説のSHIBUYAの様にはさせません」
 あちこちで「トリック・オア・トリート」の声が響く中、カヴァーサンフィッシャーはひとり広場の隅々にまで目を光らせる。
 中央の噴水はオレンジ色に照らされ、その周囲にはユーモラスな顔のカボチャのランタンに混ざって、ちょっと怖いカブのランタンも飾られている。
 広場を囲む植え込みや街路樹にはコウモリやオバケをかたどったオーナメントが揺れ、オレンジと紫のライトが光っていた。
 まだ明るい今はそれほど目立たないが、夜になればその光は広場中を明るく照らすのだろう。
 ベンチの上や花壇の隅、街灯の下などには黒猫の置物が——
「おや、あそこには三毛猫が」
 見上げた塀の上には、少し太めの三毛猫がどっしりと座っている。
 置物に見えたそれは三四郎(la2826)だった。
 誰かに被せられたらしい、魔女のようなとんがり帽子からは、立派な房毛の生えた三角形の耳が突き出ている。
 三四郎は塀の上で伸びをすると「なぁぉ」と一声鳴いた。
(狩りの時間である!)
 身軽に塀を飛び降りると、三四郎は喧騒の中に紛れていった。
「楽しんできてくださいね」
 その姿を見送ると、カヴァーサンフィッシャーは再び仕事に戻る。
 昨日の今頃、広場にはまだハロウィンの「ハ」の字もなかった。
 それがたった一晩でこれだ。
 これもまた、イマジナリードライブの効果なのだろうか。
 それとも、単にライセンサー達のノリと勢いが半端ないだけなのか——


●成功の秘訣は丁寧な準備から

 ハロウィン本番の少し前。
 数ある調理室のひとつには、お菓子作りのために大勢のライセンサーが集まっていた。

「せっかくだし、皆で一緒に作らないか」
 高園寺 神楽(la0715)が声をかけると、ユリア・スメラギ(la0717)が手を挙げる。
「はいはい、あたしこれでも料理にはちょっと自信あるのよ♪」
「私もお邪魔してよろしいでしょうか」
 丁寧に伺いを立てた越月 なごみ(la0204)に「もちろん」と頷き、神楽は訪ねた。
「二人は何を作るんだ?」
「あたしはかぼちゃチョコクレープよ。ハロウィンにぴったりでしょ?」
 ユリアは茹でたカボチャの皮を剥き、生クリームと砂糖を混ぜる。
 フライパンでクレープの生地を焼いて、カボチャ餡を包んだら、生地の上から溶かしたチョコレートをかけて。
「フランス料理のソースみたいに細く線を描くようにするとオシャレよね♪」
 最後に小さく三角に切ったカボチャの皮をトッピングすれば出来上がり。
「私はドーナツを作ってみようと思います」
 なごみはボウルに拘りの国産小麦粉を入れ、やはり拘りの水と塩を加えて混ぜる。
 そして捏ねる。捏ねる。寝かせて、揉んで、もう一度寝かせて、打ち粉を振って、伸ばして、伸ばして、もう一度打ち粉を振って、畳んで切る。
 そして茹でる。
 茹で上がったそれは、どう見てもうどんだ。
 茹でる前も、どう見てもうどんだったけれど。
「いいえ、まだ完成ではありません。ここまでは下準備……これからが本番です」
 茹でたうどんをツイストし、慣れた手つきでロープ状にまとめ、ひねったチュロスのようになったその両端を繋げて円形に。
 それを油で揚げて、お好みのパウダーをかければ「うどんドーナツ」の出来上がりだ。
「どんな味なのかしら? ねえ、ちょっと味見させてもらっても……」
 言いかけて、ユリアは言い直した。
「トリック・オア・トリート!」
「ええ、どうぞ」
 手渡されたのは、プレーンシュガーとシナモンシュガー、チョコシュガーの3種類。
「あら美味しい!」
 外はサックリ、中はモチモチで、ちょっとクセになりそうな美味しさだ。
「このクレープも美味しいです」
 お返しにもらったクレープを食べながら、なごみは思う。
(中身をうどんにしてもいけるかも)
 流石のうどん脳、いやうどんAI?
「俺は無難にカボチャ型のクッキーにしておくか」
 盛り上がる女子二人を横目に見ながら、神楽は黙々とクッキー生地を捏ねる。
 クッキーなら以前カフェで作った時にも好評だったし、外れる心配はないだろう……ただし、意図的にハズレを作らないとは言っていないが。
 他にも一口サイズのカップケーキや、ハロウィンシンボルを型抜きしたチョコ、目玉キャンディなどなど、時間の許す限り作っておこう。

 と、そこにいつの間にか太めの三毛猫の姿が。
「お菓子が欲しいのか?」
 物欲しそうな目で作業を見つめる三毛猫に、神楽が問いかける。
「猫にそんなもの食べさせて……なんだ、三四郎か」
「うなぁ」
 三四郎は「我輩を忘れるとは失敬な」と言わんばかりに鋭い目つきで神楽を一瞥。
 そして「貴公には頼まん」とでも言いたそうな態度で、今度はユリアに擦り寄っていく。
「あら三四郎ちゃん、これ食べる?」
 差し出されたかぼちゃチョコクレープを受け取って、三四郎は調理台の隅へ。
「猫にチョコって、良いのか?」
「大丈夫でしょ、ヴェルキュリアだし」
 どこぞの猫妖怪が平気で食べるくらいだから、猫のヴァルキュリアも同じようなものだろう、きっと。
「では、このドーナツも置かせていただきますね」
 なごみが皿に盛ったドーナツセットを脇に置く。
 ついでにホットミルクも。
 猫舌&牛乳でお腹を壊す問題も、ヴァルキュリアならきっと解決済みなのだろう、多分。
 甘いものばかりでますます横幅が大きくなりそうだ、という問題は残るとしても。

 また別の一室では、ヴァインロート=ヴルカーン(la2525)が子供達に囲まれていた。
 お子様はロボも好きだが、カッコイイドラゴンも大好きなのだ。
 ましてSALF関係者の子供達は様々な「ヒト」を見慣れているせいか、どんなビジュアルにも怖気付くことはない。
 というわけで、懐かれちゃったヴァインロートは今、子供達にハロウィンの何たるかを説明しているところだった。
(私もそう詳しいわけではないのですがね)
 かつての記憶を手繰り寄せ、再構成した結果は以下の通り。
「ハロウィンとは現代における仮装大会のような賑やかな祭典ではなく、古代ケルトにおけるドルイド信仰に基づく収穫祭であり、祖霊を迎える祭祀と聞きます」
「……それー?」
「さいし?」
 子供達は首を傾げ、更なる説明を求める表情でヴァインロート先生を見返している。
 少々言葉遣いが難しかったようだ。
「日本人に分かりやすく言えば、お盆と同じですね」
「おぼん!」
「ぼんおどり!」
「盆踊りも本来の意味では地獄の責苦を免れた霊魂の喜びを表すものだったと聞きます」
 えーと、つまり「デスマ明けたぜヒャッハー」みたいな?
 いやいや子供にデスマは通じないか。
「明日から夏休み、しかも宿題はナシ……と言われた時の気分ですね」
 わかるわかると頷く子供たちに、先生は続ける。
「であれば、精霊馬を作るというのも本来の祭りの趣旨には合うのではないでしょうか?」
 精霊馬って知ってる?
 ああ、近頃の家庭では迎え火も炊かないことが多いのか。
 ならば教えよう、精霊馬というのは——

 アンヌ・鐚・ルビス(la0030) は、その長い髪を後ろでしっかりと縛った。
 これからお菓子作りを始めるのだ、口に入るものゆえ衛生管理は怠りなくせねばなるまい。
 しかも、これから作ろうとしているのは、そんじょそこらの菓子ではない。
 並大抵の調理室では生み出せないもの。
「私はこれから世界最強の菓子を生み出すのよ」
 本気である。
 本気であるからには、それなりの覚悟を見せる必要がある。
 すなわち、ジャッカルのマスクを被り、怪盗アヌビスとなるのだ。
「ハロウィンの扮装じゃないわよ」
 それは彼女の本気の証、本気を出す方向が間違ってる気がしないでもないが気にしない。
「さて、まずは方向性を決めないとね」
 最強にも色々ある。
「白毛玉のクッキーは確かに美味しい、それは認めるわ」
 さっきその辺をうろうろしていたワッフルに試食用をもらったから、それはわかる。
「だけど自分でも気付いている通り、経験不足は否めないわね。もっと言えば、菓子道を究める為の狂気、最後の一線を超える覚悟……」
 そう、例えばこのジャッカルのマスクに象徴されるような。
「そういったものが欠如しているように見受けられる。ような気がしないでもないわ」
 であればこそ。
「この私が導かなければならないわね」
 アンヌはすっくと立ち上がった。
 目指すは衣装のレンタル店。
 あれ? お菓子は?
「いいえ、これで良いのよ……」
 問題なし、あとは本番のお楽しみ。

 レンタル店には先客がいた。
「ハロウィンは毎年あるけど、今年のハロウィンは今しか体験できないわ!」
 お菓子作りを終えたユリアが衣装を選んでいる。
 手にしたのは——
「え? あんまり肌の露出度上げちゃダメ?」
 際どい衣装を渋々戻し、もう少し大人しめなものを手に取った。
「……なら、魔女らしいオレンジの帽子と茶色のインナー&ガーターストッキング、黒のハイヒールで!」
 セクシー魔女がお菓子を配るよ!


●トリック・オア・トリート!

「よいかミラ殿、ハロウィンというのはじゃな……」
 ハロウィンのために解放された更衣室のひとつで、神風 初春(la2689)はミラ・R・Ev=ベルシュタイン(la0041)に向かって「この世界の基礎知識」なるものを説いていた。
 二人とも異世界からの放浪者ではあるが、ここで生きてきた年月は初春の方が長い。
「わからないことがあれば、妾に何でも尋ねるがよいのじゃ」
 ばーんと胸を張った初春だが、その長い滞在歴の大半は野山でのサバイバル生活で占められていた。
 よって、ハロウィンなどという都会の催しは、実を言うと「とんとわからぬ」のだが。
 周囲の話や行動から察するに、恐らくこうであろうという見当を付けた。
「仮装して街を練り歩き、トリックオアトリートという呪文を発して悪しきものを退治し、その礼として菓子をいただくのが妾たちの使命なのじゃ」
「……仮装……いつもと、違う服を着る……こと」
「そうじゃ。悪霊を追い払うため、そやつらよりも強い魔物や怪物の姿を真似るのがよいとされておるな」
「……わかった……強い怪物、真似るよ……」
 わかってないけどわかった。
「それはそれとして、ハロウィンの日には特別に悪戯が許されるのじゃ、無礼講というやつじゃな」
「……イタズラ……」
「うむ。そこで妾は——」
 こしょこしょこしょ、ミラの耳元で何やら内緒話。
「よし、では参るとしようぞ」
 修験者装束に黒い一本歯の高下駄、背中に白い翼を生やせば烏天狗の出来上がりだ。
 支度を終えた初春は、幽霊に扮したミラを従え意気揚々と下駄を鳴らして広場に向かうのだった。

「うむ、我は仮装せずとも既にその辺はクリアしているな」
 姿見の前に立ったルヴァンシュ(la2707)は、改めて己の姿をじっくりと眺めてみた。
 頭部と胴体は人間と変わらないが、他の部分はプロポーションこそ人型であるものの、明らかに異形を呈している。
 真紅の鱗と硬い皮革を纏った手足と尾、捻れた角に皮膜のある翼。
 しかしそんな姿も、このSALF本部ではそれほど珍しくはない。
 ましてや今日はハロウィンだ、人々の凝った仮装の方がよほど恐ろしいことになっているだろう。
 彼らは地獄の門から舞い戻った悪霊に襲われるのを防ぐため、仲間のふりをしているのだという。
 ならば、自分も襲われる心配はない。
「なにせ我は悪魔ゆえ、悪霊がどうこうではないのだよ」
 どちらかと言えば捕食者である。
「悪霊も霊魂である以上、我が糧となる代償として願いを叶えてやるのも良いが……」
 それには契約が必要だ。
「うむ、まだ契約を全うしておらんゆえ、新たな契約を結ぶ事は出来んのだ」
 残念だ。非常に残念だ。
 ナイトメアとかいう種がちょっと気を利かせて、今すぐ謎の絶滅でもしてくれないものか。
 そうすれば契約満了で食べ放題、もとい新たな契約取り放題なのに。
「我が糧となる魂が大量にやってくるという祭典なのだが」
 指を咥えて見ているだけ、か。
「人間に例えれば、ごちそうを前にお預けを食らっているようなものだな」
 勝手に絶滅してくれないなら、殲滅するしかない。
「さっさと根絶せねばなるまい……が、それはそれとして、今はこの世界を楽しむべき時だな」
 愚痴はこの辺にして、せっかくだからパレードとやらに出ておくとしよう。
「仮装の中に本物の悪魔が居るというのも中々に刺激的であろう?」
 ルヴァンシュは制服の上に、翼を出す穴と尻尾用のスリットが入ったフード付きの黒いローブを羽織った。
 必要はないが、多少は仮装気分というものを味わっておくのも悪くない。

「え〜と、トリックオアトリート! と言って、お菓子を貰えばいいのよね?」
 アルフィンレーヌ(la2183)は広場の隅にある物陰に隠れ、イメージトレーニングを繰り返していた。
「で、逆に言われたら、お饅頭を進呈する」
 お饅頭は手にした大きなカボチャ型の籠に目一杯詰め込んである。
 それはアルフィンレーヌがお世話になっている和菓子屋の老夫婦が、わざわざ店を休んで用意してくれたものだ。
 この衣装もそう。二人がいそいそと、まるで孫娘に対するように誂えてくれて……ついでに写真も撮りまくられた。
 黒い襟の付いた橙色のセーラーワンピの下は、見えても平気なおばけの顔のバックプリントが付いたカボチャパンツ。
 ミニ三角帽子に、魔女っ娘っぽい手袋と長靴のコーディネートに、手にはカボチャの籠と羽箒。
「悪戯は……しなきゃだめ?」
 こう見えても立派な大人、なのだけれど。
 怪獣退治の専門家、だったのだけれど。
「そうね。掟だものね」
 郷に入っては郷に従うもの。
 異世界の文化を尊重するのも放浪者の嗜み的ななんかアレだ。
「やるしかないのね」
 そう、人生やらねばならぬ時がある。
 それが今——なんて大袈裟なものでもないと思うが、アルフィンレーヌは真面目だった。

「恥ずかしさなどとうの昔に過ぎ去りました」
 セレスティノ・クレール(la0263)は開き直った。
 今は、今だけは、このハロウィンというイベントそのものが彼の主人だ。
 いついかなる時も主人のために全力で尽くすのが執事の本懐。
 なればこそ、微塵の恥も躊躇もあってはならぬ。
「今宵の私は……余はメジェド様である!」
 普段着(ベストタイプの執事服)の上からシーツ被っただけとか言うな。
 この穢れなき純白の布は神の身を包む聖衣である。
「お化けではない! 余はエジプトの神ぞ!」
 神を騙るのは不敬とな?
 否、騙っているのではない、なりきっているのだ。
 なおメジェド様を知らない哀れなちびっこのために解説しておこう。
 メジェド様とは目力(メヂカラ)がなんかすごい、頭から白い布を被った姿のエジプトの神様である。
 本物は足しか見えていないが、このメジェド様には腕が生えていることをご了承願いたい。
 だって腕は出しておかないとお菓子が配れないし?
 そんなわけで、布に開けた穴から出した腕にお菓子の籠を提げたメジェド様は、噴水の縁に上って下々に天啓を与えられた。
「さぁ菓子が欲しくばハロウィンの合言葉を唱えよ!」

「Trick or Treat! お菓子といたずらどちらが好みかな?」
 山神 水音(la2058)は青いタキシードに黒マント、シルクハットを被り、手にはステッキを持った吸血鬼だ。
 普段からちょっと性別不詳なところのある水音だが、今日は特にボーイッシュな服装が似合っている。
「ボクは吸血鬼の王子様だよ、お菓子くれなきゃ仲間にしちゃうかも」
 ニヤリと笑った口元には鋭い牙が伸びている——もちろん作り物だけれど。
 貰うだけじゃなく、あげるためのお菓子もちゃんと用意してある。
 チョコにキャンディ、クッキーなどなど、お店で買ったものだけど、美味しいものを選んだから、きっと喜んで貰えるはず。
「手ぶらに見えるって? さあ、どうかな?」
 隠し場所は秘密だよ!

「ハロウィンはみんなで楽しまないとね。トリック・オア・トリート♪」
 ミラ・ケートス(la0103)は魔法少女……と言うには少々厳しいと自重した結果の、三角帽子にローブの古風な魔女スタイル。
 片手に提げたバスケットには手作りのお菓子が詰まっている。
 ハロウィンらしく、コロコロ丸いカボチャのランタン型クッキーや、一口サイズのパンプキンパイ、チョコで顔を描いたカボチャのマカロン、それに切断された指のようなサブレや、目玉ゼリーなどのホラー系もこっそり混ぜてみたりして。
「こうして持つ者が皆に配るのも貴族の役目、ってね?」
 今は主人に仕える身でも、持って生まれたノブレスオブリージュの精神が失われることはないのです。

 噴水前広場の一角には、いつの間にかコーヒースタンドならぬティースタンドが出来ていた。
「こうやって皆でワイワイできるのは、良い事だな」
 それはカワウソマスター、トーヤ(la0375)が出したものだ。
 本日のトーヤは深紅の裏地が付いた黒マントに、口元から鋭い牙を伸ばした吸血カワウソの格好をしている。
 頭の上にはシルクハットを載せているが、本当に載せているだけといった耳の間に収まるサイズ感ゆえに、カワイサゲージが振り切れていた。
 傍を通りかかる人々の「カワイイ!」の声を耳にしつつも素知らぬ顔で、トーヤはお菓子に合う紅茶を黙々と淹れ続ける。
 それを振る舞うのは幽霊に扮したウェイトレス、神上・桜(la0412)だ。
「ふ、我は仮装しても可愛いじゃろう? この可愛さ目当てで人もたくさんくるじゃろうて」
 とは言うものの、特殊メイクにちょっと力を入れすぎたかもしれない。
 蒼白な肌に、腫れて垂れ下がった瞼は青黒く、ざんばらに乱した髪の一端を口の端に咥えた姿は、まるでゾンビ化した座敷わらしのようで。
「可愛いじゃろう?」
 うん、まあ、仮装だってわかってるしね。
 ゾンビメイクでもにっこり笑えば、確かに可愛い……うん、可愛い。
 足がないように見せるために裾を引きずった白い着物の裾を踏んで転ぶ姿も、うらめしやのポーズが両手を上げた招き猫みたいになっているところも、ついでに着物が大きすぎて甘えんぼ袖になっているところも、全部可愛い。
「そうであろう、そうであろう」
 満足げに頷いた桜は、ギャラリーに「悪戯と紅茶のどちらを選ぶのじゃ?」と訊いておきながら、選択する間を与えずに紅茶とお菓子を振舞っていく。
「可愛い我に美味しい紅茶をついで貰えるのじゃ。喜ぶが良い」
「根拠のない自信ほど強いものはないな」
 そのぬいぐるみのような可愛い姿からは想像もつかないバリトンボイスでぼそっと呟いたトーヤに、桜がにっこりと振り返る。
「なんぞ言うたか?」
「いえ、何も」
 にこりとかぶりを振って、トーヤは湯の湧き具合を確認しつつ桜に問いかけた。
「桜殿、配るだけではなく美味しい淹れ方も覚えれば、ウェイトレスとしてのランクも上がりますよ」
「む? 紅茶など湯を注げばいいだけのものではないのかえ?」
 そんなあなた、カップ麺じゃないんだから。
「可愛い我が淹れればどんな淹れ方をしても美味しいと思うがのぉ? じゃが汝が教えてくれるというのであれば聞いておくのじゃ」
「いい具合に湯も湧きましたし……」
 それでは始めましょう、カワウソマスターの美味しい紅茶教室。
「まずはポットとカップを温めておきます。温めたポットに茶葉を計り入れたら、沸かしたてのお湯を高い位置から——」
 ここで身長が足りない場合、別途椅子や踏み台などを用意します。
「こう、勢いよく注ぎます。そうすると、ほら……ポットの中で茶葉が踊るでしょう? これをジャンピングといって——」
「なるほど、高い位置から注げば良いのじゃな!」
 踏み台なんて生ぬるい、ここは脚立で!
「高ければ高いほど美味しくなるのであろ?」
 ちがうそうじゃない。
 ちょっとした惨事の後、ポットにティーコージーを被せて保温しつつ、規定の時間蒸らせば出来上がり。
「ティーバッグの場合はカップに皿を被せるだけでも美味しさが違いますよ」
 なお茶葉の種類は様々で、日本で有名なのはダージリンやアールグレイですが、ダージリンも季節によって風味が変わり、農園によっても——
 マスターの紅茶談義はまだまだ続くようだ。


●ワッフルもっふる

「ハッピーハロウィン! こういう行事は楽しまなきゃね、僕もしっかり可愛く仮装してきたんだから」
 カトリン・ゾルゲ(la0153)は花の高校生。
 本場では、ハロウィンは子供のための行事なのも知っている。
 だがしかし。
「高校生とはいえ、別にはめ外したって良いでしょ? まだぎりぎり子供だし」
 と言うか、なぜ楽しむことに年齢制限が必要なのか。
 大人が楽しんだって良いじゃない。
 というわけで、本日はオレンジと紫のハロウィンカラーに染め上げた、不思議の国のアリス衣装に身を包んでいた。
「あっ、かとりんのふ〜!」
 向こうから、白いもふもふ毛玉がぽよぽよ歩いて来る。
「ワッフルさん! トリックオアトリート!」
「はい、どうぞのふ〜♪」
 カトリンが駆け寄ると、白毛玉もといワッフルはたすき掛けしたバッグからオレンジ色のリボンで飾られたクッキーの袋を取り出した。
 何の変哲もないプレーンとチョコのミニクッキーが何枚か、カボチャのランタンのイラストが描かれた袋に入っている。
「ありがとう! じゃあこれ、お返しね」
 それを受け取ると、カトリンはカボチャの形をした籠からお星様の形をした飴を取り出す。
 小さな袋に入ったそれは、赤や黄色、緑に水色、オレンジなどなど、カラフルに彩られていた。
「きれいのふ! かわいいのふ! ありがとのふ!」
 嬉しそうに弾むワッフルのお腹は、ぽよんぽよんと誘うようにカトリンを招き——誘惑に、負けた。
「ワッフルさん、もっふるしても……良い?」
「どうぞのふ、わふはもふもふフリーのふ」
 短い両手を広げ「カモン」のポーズ。
「じゃあ遠慮なく!」
 もっふー!
 もふもふもふもふ。
「ああ、やっぱりこのもふもふ具合は最高ね……!」
 至高のもふもふ。
 これは人をダメにするアレだ。
 このままもふもふの海に溺れて眠ってしまいたい。
 しかし、このもふもふはみんなのもの。
 上手にシェアしてもふりましょう。

 カトリンが名残惜しそうに離れた瞬間、ワッフルの背に誰かが組み付いた。
「……これで、良い……のー?」
 後ろから羽交い締めにしているのは、頭からすっぽりと白い布を被った自称幽霊。
「そうじゃ、そのまま抑えておるのじゃぞ」
 幽霊の背後から飛び出した鴉天狗は、下駄の音も高らかにワッフルの前へと回り込む。
 しかし——その時、事件は起きた。
「ワッフル殿、トリックオアもっふる!」
 そのお腹に正面からダイブした鴉天狗——初春は、ふと片足に違和感を覚えて足下を見る。
 片方の下駄に、何やら白いものが引っかかっていた。
「これは、もしや」
 ワッフルの腹に抱きついたまま、初春はもふもふと脇に回り込む。
 そして見た。
「ミラ殿、その姿は……!」
 幽霊の中身が丸見えだった。
 しかもその中身は、全てがボディペインティングで埋め尽くされている。
 大事なところはベルトで隠してあるし、ペイントのおかげで素肌が見えているわけでもない。
 だからセーフだ。なんかアウトに近いけどセーフだ。
 前の方はワッフルのモフ毛で埋まってるし、問題ない問題ない。
 そのペイントは、この世界では見たこともない怪物達の絵。
「……悪霊より、強い……これで、負けない、よー……」
 初春はもちろん、ミラの中身がその状態であることを知っていた。
 何しろ手の届かない場所に描くのを手伝ったりもしたくらいだ。
 だから驚いたのはそこではない。
「あれ? もしかして妾やってしまいましたかの?」
 下駄に引っかかった布切れと、ミラの姿から導き出される答え。
「……除幕式ー、ぱんぱかぱーん……」
「すまぬ、後でアイスを奢ってあげますのじゃ」
 なんか乙女の秘密を暴いちゃった的な意味で、申し訳ないから。
 しかし当の本人は、意に介さぬ様子でワッフルをもふもふしていた。
「……これが、もふること……大きな、ぬいぐるみー……」
 ハロウィンというものも、なんとなくわかった気がする。
「……ハロウィン? こうして、抱いてる事が……そ、なのー?……」
 いや、やっぱりわかってない、よーな。
 なお紳士なワッフルは、落ちた布をミラさんの肩にかけてあげました。
「そんな寒そーなかっこしてると、カゼひいちゃうのふー」
 寒かったら、このままモフ毛に埋もれててもいいのよ?

 ……プツン。
 その時、何かが切れる微かな音が聞こえた。
 音の発生源は、佐間史 舞千(la0750)だった。
 続いて抑揚のない機械音声が舞千の声帯ではない何処かで響く。
「エラーエラーエラーノウナイニシンコクナばぐハッセイ……」
 暫し挙動不審に陥った舞千はしかし、すぐに立ち直った。
 ……。
 戦闘段階。
 目標捕捉。
 全力移動開始。
 接敵。
 どーん!
「わふっ!?」
 白くてふわもちなワッフルの腹は、トランポリンのように良く弾む。
 しかし舞千はその驚異の反発力に抗って、そのモフ毛玉にしっかりと張り付いていた。
 反動収束。
 姿勢安定。
 モフり開始。
 もふもふもふもふもふもふもふもふ。
 ワッフルの腹にコアラの如く抱きついたまま、もふもふスリスリえんどれす。
 ミッション続行中。
 終了時刻は設定されていない。
 以上。

「ワッフルさん、さすがの人気ぶりですね!」
 妖怪ぬりかべが声をかけてきた。
 え、ぬりかべじゃない?
「これはみんなのヒーロー『シャッター先輩』ですよ! ほら、この幾重にも刻まれた横線がその証です!」
 なるほど、確かに言われてみればシャッターっぽく見えないこともない。
 その真ん中に空いた楕円形の穴から覗く顔は、袋井 雅人(la1089)のものだ。
 それはひとりでこっそり、黙々と作業を進めた成果だった——だって、手伝ってくれそうな友達がいなかったんだもん。
「何故シャッターかって? 思い返せば今年の夏、東京を襲ったあの事件で——」
 雅人は熱を込め、その時のことを滔々と語る。
「あの時のシャッター先輩の勇姿、私は一生忘れません!」
 ありがとう、きっとシャッター先輩も草葉の陰で喜んでるよ。
「ところでワッフルさん、一つお願いがあるのですが……」
「どうぞのふ」
 皆まで言うなと、おもむろに両手を広げるワッフル。
 あ、でも場所はちょっと限られてるけど。
「では、空いているところで……失礼しま——」
 しまった! シャッター先輩が邪魔でモフれない!
「しかし、こんなこともあろうかと!」
 シャッター先輩が、背後から飛び出した拳に貫かれた!
 拳はそのままシャッター先輩をビリビリに引き裂いていく!
「これが、シャッター先輩の第二形態です!」
 シャッターは破られてからが本番。
 破れ目から姿を現した雅人は、お腹に張り付いている初春と舞千の間に入って、もふっ。
「ああ、本当に柔らかいんですね! この弾力、それでいて包み込むような柔らかさ、それにこの密生した細くてしなやかな毛!」
 クセになりそう。
 もふもふを思い切り堪能すると、雅人は持っていたお菓子の袋をワッフルに手渡した。
「ありがとうございました、満足です! 今後も末永くよろしくお願いしますね!」
 市販の袋菓子をばらして透明な袋に詰め直したそれは、カラフルな小袋がいっぱいに詰まって、お得感満載の一品だった。
「こちらこそのふ〜♪」

 ぴょこんと頭を下げてお返しのクッキーを手渡したワッフルの撫で肩を、誰かがそっと叩く。
 振り向くと、そこには頭にネジが刺さったフランケンシュタインの怪物が!
「ひゃわわっ!? ささってるのふ! 痛そうのふ!」
 驚くワッフルに、フランケン神楽は頭のネジを抜いてみせる。
 それは巧妙に作られたネジ型ヘッドフォンだった。
「ふわぁ、びっくりしたのふ……」
「トリックオアトリート、と言っても悪戯は既にしてしまったようなものだな」
 神楽は5個のクッキーが入った袋を手渡す。
 それもイタズラ用のお菓子、ロシアンクッキーなのだが——多分、ワッフルにとっては嬉しいイラズラになるのだろう。
 何しろ1個は激甘クッキーなのだから。
「今後もよろしく」
「こちらこそ、よろしくよろしくのふ!」

 と、今度はワッフルに話しかけたくてうずうずしている猫耳少女が。
「こんにちは、ワッフルさん」
 それは猫耳フード付きの黒いワンピースを着たなごみだった。
「こんにちはのふ〜」
「あの、お友達から伺ったのですが……何でも、パティシエを目指されているのだとか」
「そうのふ! めざせ三つ星のふ!」
 答えを聞いて満足げに頷くと、なごみは手にしたバスケットから例のうどんドーナツを取り出した。
「こちら、私が作ったお菓子なのですが……宜しければ、頂いて下さいませんか?」
「ドーナツのふ! ありがとのふ! どれも美味しそうのふ〜今すぐ食べたいのふ〜」
「ええ、どうぞ……」
 言われた瞬間、三種のドーナツはワッフルの腹の中に消えていた。
「美味しいのふ! でも、わふの知ってるドーナツとはちょっとちがうのふ」
「……実は、うどんで出来ているのです」
 元うどん屋の看板娘はうどんを語りだしたら止まらない。
「私、うどんをこよなく愛しておりまして。パティシエとして今後世界に羽ばたくであろう貴方に、うどんの可能性を知って頂きたかったのです。
 もし、貴方が三つ星パティシエとなった時は……是非とも、このスイーツの良さを世界にお伝え下さい……!」
「わかったのふ! でも、なごみも自分で伝えると良いのふ、世界一のうどんパティシエになるのふ!」
 うどんスイーツのレパートリーを増やしていけば、あるいはそんなジャンルも出来るかも?
 お気楽なワッフルに釣られて、なごみもちょっと頑張ってみようかな、という気分になってきた……ような。
「それはそれとして……良ければ、お友達になって下さいませんか……?」
「なごみはもうトモダチのふ♪」
 一度会ったらみんな友達、会ってなくてもみんな友達!

 どえすな魔女王様も、お友達。
「ワフちゃん、このお菓子が欲しい?」
 魔女王ユリアはワッフルの鼻先でチョコバーを振って見せる。
「ほしいのふ、くれるのふ?」
「ふふふ、それじゃあ……」
 鼻先のチョコバーがさっと引っ込められ、代わりに黒のハイヒール(15cmピンヒール、キラキラのラメ付き)に包まれた美脚がすっと前に出る。
「あたしの靴を舐めて跪きなさい」
 あ、ムチとローソクも借りてくるべきだったかしら。
 しかし、魔女王様の要求に、ワッフルは果敢に首を振った。
「で、できないのふ……」
 白毛玉にもそれなりのプライドというものが——いや、そうじゃない。
 出来ないのだ、物理的に。
 だってお腹に二人張り付いてるし、背中にも張り付いてるし、何よりワッフルには膝がない!
「仕方ないわね、今回は特別に勘弁してあげるわ。はい、あーん?」
「あーん、のふ! ありがとのふ!」
 ゆりあはやさしい、わっふるおぼえた。

「甘いものを食べた後は、紅茶ですっきりしてはどうかな?」
 トーヤが綺麗なカップに入った鮮やかな色の紅茶を差し出した。
「お菓子を美味しく頂くには、合わせる飲み物も重要だよ。キミも振舞う側になるなら煎れ方を覚えておくといい」
 紅茶にも色々あってね……と、マスターの紅茶談義は再び熱を帯び始める。
 紅茶と言えばミルクかレモンにお砂糖たっぷり、だと思っていたワッフルは、真剣な眼差しで講義に聞き入っていた——お肉に埋もれた線目の表情は窺い知れないけれど、多分。
「ワッフルもトーヤに教えてもらうとよいのじゃ」
 そんなワッフルのたぷたぷお肉を引っ張って、桜が言った。
「可愛い我には無用の技じゃが、汝は覚えておいて損はなかろうて」
 なお本人のレッスン成果は、その言葉からお察しください。

 そんな様子を遠巻きに眺める直立歩行のドラゴン——ヴァインロートがいた。
「ほう、あれがワッフル・クロワッサン……」
 どちらもお菓子のような名前だ。
 ということは、本人もお菓子のような味がするのだろうか。
「もしや食用?」
 いやいや、まさかと思いつつ、悪戯心が動き出す。
 そーっと忍び寄り——ぱふん。
 頭から齧ってみた。
「ひゃわふっ!!?」
 もふもふのお腹のポケットから大量のうどんかりんとうが飛び出した。
 ざらざらばらばら、シナモンやチョコシュガーのかかったカリカリうどんが雨のように降り注ぐ。
 どうやら、うどんドーナツに刺激されて新しいレシピが生み出されたようだ。

 それを落とさず集めようと周囲の皆が右往左往する中、ワッフルに近付く怪しい影ひとつ。
 栗だ。
 中身はあんこ、いやアンヌだが、栗の仮装ってどんなんだ。
 想像もつかないが、とにかく栗だ。
「さあ、私を食べなさいワッフル・クロワッサン!」
 ごめんちょっと何言ってるかわかんない。
「わからないなら教えてあげるわ」
 栗は言った。
「レアな食材を合成させることで、唯一無二のスイーツが世に誕生するのであれば。新たな芸術の礎となるのであれば。遠慮なく頭から食べてくれて構わないわ」
 革新の陰に犠牲あり。
 踏み台上等、むしろ本妄!
「さあ! ひと思いにガブッと!」
「……なるほど、よくわかりませんが……」
 この栗が美味しく食べられることを望んでいると、それだけはわかった。
 ならばと、ヴァインロートがずいと歩み寄る。

 ぐぱぁ。

 大きく開いた喉の奥に、チロチロと燃える炎が見えた、気がした。
 きっと美味しい焼き栗になる、気がする。

 さらば世界。

 グロリアスドライヴ 第一部・完!


●新番組、始まる

 人気番組「グロリアスドライヴ」の突然の打ち切りを受けて、翌週から始まった新番組。
 それが大人のためのバラエティ「le tique vie(レティクゥ・ヴィ)」である。
 撮影はChristina・Sanders(la0589)、全世界ネットでRealtimeにお届けシマース。

「それでは Here we go ! The camera start !」

「ハロウィンか……ハロウィンなるものをこうして楽しむのは初めてかもしれないな」
 賑やかに盛り上がる噴水前の広場を見て、シン・グリフォリシア(la0754)は感慨深げに目を細めた。
 しかし次の瞬間、シンのシリアスは脱ぎ捨てた服と共に去りぬ。
 今日は恋人の三代 梓(la2064)と二人で楽しむつもり、だったのはほんの一瞬で。
「たまには別々に友人と楽しむのも一興ってやつだ!」
 その友人とやらがこの会場に存在するか否か、全く確認していないけれど。
「ま、こんだけ人が集まってりゃ一人くらいは見付かるだろ! ってことで梓君! また後でな!」
 なお仮装は特にしていない。
 強いて言えば、普段は逮捕や通報を免れるため服の下に隠しているこの筋肉を人目にさらす、それがシンの仮装だ。
「普段と違う格好するのが仮装なら、間違っちゃいないよな?」
 寒そうに見えるが寒くはない。
 彼にとってはこの鍛え上げた筋肉こそが服であり鎧であり武器でもあり、暖房器具でもあるのだ。
「しかしトリックオアトリートということは悪戯してもいいと言うことなんだな!? そうなんだな!?」
 あ、答えは聞いてないから。
「ヨオオオオオシお菓子くれなきゃ(ピー)首ゲームするぞおおおおおお!」
 手首? 足首? それとも斬首? 絞首かな?
 いいえ、乳(ピー)です。
「アッ! あれは88君!」
 エモノ発見!
「よし! いつもクールな彼の乳(ピー)をブレイクして澄まし顔を崩してやるぜえええええ!」
 行ってしまった。
 せっかくの祭だというのに恋人をひとり残して。

「子供みたいにはしゃいじゃって」
 その後ろ姿をジト目で見やる梓。
 こういう場合、残された者には浮気する権利があると思う。しないけど。
 浮気はしないが、今日はハロウィン。
「——それなら、わたしからもイタズラ……しちゃいましょっか」
 実は既に仕込みは済んでいるのだ。
 恋人がやりそうなことくらい、お見通しなのである。

 その少し前。
 R・リュミエル・タイナート(la0564)はとある調理室を丸ごと借り切って、お菓子作りに精を出していた。
 ひとりで頑張っているのは、もし誰かと一緒なら十中八九ストップがかかるから。
「私の普通、普通じゃないみたいなのよね」
 普通の人は100分の1になるまで煮詰めて濃くした醤油を刺身に分厚く塗って食べたりはしない、らしい。
「それくらいじゃないと物足りないと思うんだけど」
 何でも味が濃ければ良いというリュミエルにとっては、ハバネロはお子様向けの甘口、ジョロキアでやっと中辛といったところ。
 それ以上に辛いものは地球上には存在しないようだが、嗜好としては中辛あたりが丁度よく感じられるので、それで問題ないようだ。
 そんな味覚の持ち主だから、これは決して罰ゲーム用に作っているわけではない。
 自分の味覚に忠実に、自分が美味しいと思うものを作っているだけだ——美味しいとは何か、その感覚がよくわからないという難点があるにしても、あくまで善意の行動なのである。
「うん、出来た……」
 今のリュミエルが感じる精一杯の「美味しい」を、ありったけ盛ってみました。
 みんな喜んでくれるかな?

 ここは広場の喧騒から隔絶された謎の地下室。
 コンクリート打ちっ放しの壁には黒カビが模様を描き、天井から侘しくぶら下がった裸電球の黄色い光が淡く周囲を照らしている。
 その中に浮かび上がる、六つの人影。
 上半身裸の筋肉男に、どう見てもヤバそうなブツを籠に忍ばせた少女。
 魔法少女を名乗るには少々トウが立ちすぎた自覚があるのか、結果として半端に魔女な格好になった、カメラを構えた魔法少女。
 そして黄色いフードが二人。
「ちょっと待って何この地獄みたいな集まり」
 気が付けば巻き込まれていた化野 鳥太郎(la0108)が目を泳がせる。
 俺はただ相棒に何か菓子でも持って帰ろうと思って、ユルく穏やかに微笑ましく、ハロウィンの祭を眺めていただけなんです。
 なのにどうしてこうなった。
 おまけになんで黄色いフードが二人もいるの、って言うか自分入れたら三人なんですけど。
 もしかして黄色フードの波とか来てる? 最先端に乗っちゃってる?
 しかも三人とも背格好ほとんど同じで、もしかして本物当てクイズとかそういう趣向……な、わけないですよね知ってる。

「諸君。ようこそHaていせいせんelloweenへ」
 黄色いフードのひとり、88(la0088)は厳かに宣言した。
「これより【ToS】を始める」
 ToSとは何か?
 チ(ピー)オアシーズニングの略だよ決まってんだろ。
 なおピー音がうるさいので、以後(ピー)クビは「le tique vie」と称します。
 フランス語風に、お洒落に気高く麗しく、さあ皆さんご一緒に。
 あ、「le」は定冠詞だから抜いても良いかも、どうせまともなフランス語じゃないし。
「ティクゥ・ヴィ オア シーズニング?」
 英語なのかフランス語なのか、はっきりしろと?
 いいんだよ、そんなもんどっちだって。
 重要なのはそのコセプトだ。
「お菓子を渡さなければ悪戯してもらえるという逆転の発想だ」
 勝った。

 le tique vie ——完——

「あ、終わったの? じゃあ俺もう帰っていいんだよね?」
 鳥太郎はそそくさとその場を去ろうとするが、出来るはずもなかった。
「何言ってんの、この黄色い人何言ってんの?」
 わけわかんない。
 いや、わかってるけどわかりたくない、わかってしまった自分がニクい。
 しかしどうやら覚悟を決めるしかないようだ。

 と言うわけで、ティクゥ・ヴィ当てゲームです。
 当てたらお菓子が貰えます、やったね!
 でも合言葉はティクゥ・ヴィ オア シーズニング、お菓子じゃなくて調味料なのは何故?
 ってゆーかこれハロウィンに関係なくね?
 おまけに皆さん少なくとも見た目は、見た目だけは、いい大人なんだし、どっちかって言うとあげる方だよね?
「No No ! smallな事はNo Thank you Spiritsデスね!」
 Christinaの言う通り、こまけえことはいいんだよ!
「それで、具体的にはどうするデスか?」
 え、服の上からティクゥ・ヴィの位置を当てる?
 目隠しして生ティクゥ・ヴィを触って、その感触や声から誰のものか当てるんじゃないの?
 なんだー違うのかー。
「ずいぶん大人しいgameデスネー、hey you、もっとBIGに楽しもうぜデース!」
 雄っぱいだし、見えてもno problemだと思うんだけど。
 ちょっとしたHappeningがあっても事故だよ事故。
 え? 忖度? 自主規制?
「Nonsense !」
 削除されたら元も子もないからそれで行くけどね。
 Chickenじゃないデス、郷に入っては郷に従ってるだけデース。
「visualが地味なトコロは声でcoverデス!」
 さあ、いい声で鳴いてね!

 そんなわけで、まずは三人の黄色いフードが壁際に並ぶ。
(ティクゥ・ヴィ当て、これは駆け引き……)
 中のひとり、鳥太郎は銃殺を待つ死刑囚の如き表情で思案した。
(隠せば行動から位置を読まれる……ならば……!)
 今、彼の中で何かが……何か大切なものが失われた。
「こんなこともあろうかと……見よ!」
 見せられないけどね?
 見られたら社会的に死んじゃうけどね?
 シャツの下に透けレースブラ!
 可愛らしくも少しセクシーな一品だ!
 ショーツもセットだよ、履いてないけど!
 あ、いや、ぱんつは履いてる!
「ブラジャーとは本来ティクゥ・ヴィを隠し守るもの!」
 鳥太郎はブラの防御力を信じて、敢えて隠さず堂々とちょっとポーズ決めていく作戦に出た。
「これなら押せま——」
「甘い! 必殺、超振動ティクゥ・ヴィアタック!!」
 ヴヴヴヴヴー!
「あっ無理ちょお婿に行けなくなっちゃアッーー」
 何かしら、この甘くトロけるような胸の震え……これが、恋?
「解説しよう!」
 見事にブラの防御を突破したシンは、勝ち誇るように胸を張った。
「IMDによる炎など見た目だけらしい。だがIMDでエフェクトをつけられるならどんな効果も自由自在!」
 まあ見た目それっぽくなるだけだけど。
 超振動は自前の筋肉で作り出してます、ヴヴヴヴヴー。
「ティクゥ・ヴィ三段突き!」
「はゥん!」
「ティクゥ・ヴィクトリーラッシュ!」
「あぁあぁぁン!」
 どうしよう、これ相棒になんて報告すればいいの……?

 鳥太郎を落としたシンは、次に謎の黄色フードに向き合った。
「誰だか知らんが、当てさせてもらう!」
 なんか線が細い気がするけど、胸は真っ平らだし、男だよね?
 ならば遠慮なく……ポチッとな。
「はァん」
 ぽちぽち。
「んぅ……あハン」
 ぽちぽちぽち。
「○◆▽□▼☆◎▲!」
 文字にも書けないエロい声が黄色フードの下から漏れる。
 と、超振動ティクゥ・ヴィアタックの影響か、その胸が見る見る膨らんで——
 ぷるんっ。
「あら、さらしが緩んだみたい」
「!!!??」
「わたしよ、シン」
 黄色いフードの下から現れたのは、広場に置き去りにしたはずの恋人、梓だった。
「恋人としては、最初のひと押しで気付いて欲しかったわね」
 それはそうと、いつまで押してるつもりかな?
「はぅわわっ!!」
 柔らかなお肉に埋もれた指先を、シンは慌てて引っ込める。
「なによ今さら。恋人なんだし、これくらい軽い触れ合いでしょ」
「そ、それはそうだが」
 なんと言うか、こういうシチュエーションは新鮮で。
 着衣もいいなぁ、とかなんとか。

 イタズラに成功した梓は列を出て、代わってシンがそこに並ぶ。
 次に当てる側になったのはリュミエルだった。
「服の上からティクゥ・ヴィを押せばいいのね」
 ぽち。
「おぉぅ//」
 ぽちぽち。
「あぁぅん///」
 もういいです88さん、なんか気色悪いから(ひどい

「あっ♪」
「はン♪」
「んっ♪」
「きゅっ♪」
「ひゃんっ♪」
「くっ♪」

 Christinaが三人のティクゥ・ヴィ鍵盤で斬新な曲を演奏する。
 最後に交代した鳥太郎は、よく観察して勝ち筋を探した。
 しかしこれは正答率100%のデスゲーム、標的となった者には漏れなくリュミエル特製調味料(ダークマター)トッピング菓子が贈呈されることになっているのだ慈悲はない。

 というわけで、お待ちかねのシーズニングターイム!
「どうぞ……今までで一番美味しく出来たと思うの」
 あらゆる調味料を使用して、隠し味が隠れていない上に、味がわからないほど濃い味付けになった……何か。
 多分、クッキーとかマフィンとか、元は無難なお菓子だったと思うのだ。
 その原初の姿を想像しつつ——
「グェゲゲギェーーーーー」
 シンは涙を流して喜ぶ(?)ほど美味しかった(?)らしい。
「甘くて辛くて懐かしくないのに涙が……これが天にも昇る味か」
 88は表情も変えずに黙々と食べ続けているが、実は既に気絶しており慣性で動き続けているだけという説も。
「俺この戦いが終わったら教職復帰するんだ……」
 それが鳥太郎の最後の言葉となった。
 なおここに来る前に手に入れたお菓子も、リュミエルの気遣いによってダークマターのトッピングが施されていた。
 まあ、なんて親切なんでしょう。
 そして全員つつがなくGo to Heaven。
 ただひとり、平然と食べ続けるリュミエルを除いては——

 大人のためのバラエティ「le tique vie」・今度こそ完。
 第一話にして最終回という記録を打ち立て、惜しまれることもなく番組は終わりを告げた。


●仮装パレード

 グロリアスドライヴ 第二部

 広場の中を、オリジナリティ溢れる精霊馬を手にした子供達が駆け抜けて行く。
 その中のひとりは、両腕に巨大な三毛猫を抱きかかえていた。
(我輩人の子は苦手であるが、これも本日の糧を手に入れるためなのである)
 三四郎は知っている、爪を立てたらホケンジョが攫いに来ることを。
 そうでなくても猫攫いに追われたことは数知れず、なんでも雄の三毛猫は高く売れるのだとか——
(我輩売り物ではないのである)
 ぬいぐるみでもないのだが、子供は離してくれない。
 お菓子もくれない。
 鳴いてアピールしてみたが「ネコはお菓子なんか食べちゃダメなんだよ?」と窘められてしまった。
(近頃の子供は変に知恵をつけているのである)
 子供に限らず、この頃は塩分がどうのミネラルがどうのと、三四郎の食生活にうるさく口を挟んで来る人間が多い。
(やはりライセンサー仲間でなければ話が通じないのである)
 彼らなら意図を正確に察してくれる。
 なんだか急に、みんなに会いたくなった。
 やがて飽きたのか、それとも重さに耐えきれなくなったのか、子供は三四郎を解放した——土産のひとつも持たせずに。
 まあ、それは許そう。
(我輩、寛大なのである)
 仲間の元へ急ごうとした、その時。
(む? 子供の泣き声がするのである)
 声のする方へてこてこと歩いて行くと、広場の隅にうずくまる小さな影があった。

「こほんっ。ここは公共の場なので不純異性交遊は控えめに願いたい——ああ、そこは走らない、割り込まない、喧嘩しない……!」
 ロボ警備員、カヴァーサンフィッシャーは相変わらず忙しく立ち働いていた。
「なぁお!」
 猫の声に足元を見ると、三四郎がじっと見つめている。
「楽しんでいますか?」
 声をかけても返事をせず、三四郎はくるりと踵を返し、てってと人波に紛れて行く。
 時々振り返って「なおぉ」と鳴くのは「ついて来い」と言っているのだろう。
 導かれるままに進むと、迷子発見。
「あー、推定年齢4歳、性別男、赤いパーカーに猫耳……」
 子供を抱っこして、この子の保護者はどこですかーと声をかけて回るカヴァーサンフィッシャーを見送って、三四郎は満足げにヒゲを撫でた。
(小さく弱きものを助けるのもボスたる者の責務である)
 良いことをした後は気分が良い。
 気分が良い時には運も良くなるようで、ふかふかで気持ち良さそうなクッション発見。
「なぅん」
 クッションの頭に置かれた帽子もなかなかの座り心地。
 しかもこいつ、動くぞ。
(貴殿に我輩の専用ざぶとんの栄誉を与えてしんぜよう)
 三四郎は頭の上からにくきうコントローラで指令を出す。
(ふかくっしょんよ、我輩の喰い物を探しに行くのである)
「わふ? あっちに行きたいのふ?」
 額をぺちぺち叩かれ、ワッフルはその方向にぽてぽて歩き出すのだった。

「Trick or Treat !」
 バンパイアプリンス水音に声をかけられた三角帽子の魔女ミラは、バスケットを覗き込む。
 目当てのものを確認すると、ミラはにっこり笑い返した。
「あらら、吸血鬼の王子様はお供とはぐれてしまったのかしら?」
「え?」
 何のことだろうと目を丸くした水音の前に差し出された、コウモリ型のココアクッキー。
「お供のコウモリさんは、私のバスケットでお昼寝してたみたい」
「ああ、こんなところにいたんだね!」
 水音も咄嗟のノリで返す。
「この子いつもこうなんだよ、ほんとマイペースって言うかさ」
「はい、ハロウィンだからってお仕事サボっちゃダメよ?」
 クッキーに言い聞かせ、ミラはクッキーを水音の手に。
「見つけてくれてありがとう、Happy Halloween !」
 王子様はシルクハットをとって丁寧にお辞儀をすると、人混みに紛れて見えなくなった。

「可愛い王子様だったわね」
 その姿を見送ったミラは、もうずいぶん少なくなったバスケットの中を見る。
 ずっとお菓子をあげる側だったけれど、たまにはもらう側にもなってみたいって言うかお菓子欲しい(本音)。
 もらえなくてもイタズラはしないけど、おねだりしてみたい。
 ノブレスオブリージュには一時お休みいただこう。
「トリックオアトリート!」
 年甲斐もなくと思いつつ、思い切って声をかけてみる。
「はい、どうぞ」
 反応したのは、ちょうど目の前にいたメジェド様だった。

 メジェド様、セレスティノの謎ボディからは次から次へと魔法のようにお菓子が出て来る。さすが神様。
 しかしその神通力にも遂に尽き果てる時が来たのである。
「と、トリックオアトリート!」
 アルフィンレーヌの声に条件反射で籠に手を入れたメジェド様は、そのままの格好でぴきーんと固まった。
(しまった……!)
 さっきのクッキーで最後だった!
 もう渡すものがない!
 イタズラされてしまう!
「お菓子、ないのね?」
 妙に覚悟を決めたような、据わった目をしたアルフィンレーヌが、すっと腰に手を伸ばす。
「ごめんなさいね。これもハロウィンの掟……」
 しゅぴーん!
 聖剣の如く抜き放ったのは、大きな鳥の羽根をあしらった羽箒。
「?! 待て、中を覗こうとするな不敬であるぞっ!!」
 メジェド様は布をぎゅっと掴んで阻止しようとするが、小柄なアルフィンレーヌは易々とその懐に潜り込んだ。
 こしょ。
「ひゃはっ!?」
 大胆にもシャツをめくって、へそや脇腹をこしょこしょこしょ。
「——! —、——! ———、——————、—!!」
 メジェド様、たいそうお喜びになられておいでです。
 それはもう、ヒトの言葉をお忘れになるほどに。
 サービス精神溢れるアルフィンレーヌは、立てかけた剣を足がかりに鼻の孔や耳裏、頸周りを容赦なくこしょこしょこしょこしょこしょ——
「ご協力に感謝を。今後とも、どうぞ、よしなに」
 貴婦人のごとく上品にお辞儀をし、アルフィンレーヌはやり切った満足感と共に夕日の向こうへと去って行く。
 残された布の残骸の前には、饅頭がひとつ、お供え物のように残されていた。

 もぞもぞ、布切れが動いて中から手が伸びる。
「あ、このお饅頭美味しいです……」
 メジェド様は復活した。
 配るものがなければ貰って補充すれば良いじゃない。
 名付けて「大阪のおばちゃんの飴ちゃん計画」……横流しとか言うな。
「Trick or Treat!」
 お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうのである!
 こう、水性ペンで手や顔にハートや星をキュキュッとな!
「なに、悪戯されたいとな?」
 お菓子よりむしろ悪戯が良い?
 可愛く描いてね、だと?
「Treat and Treat!」
 お菓子ください、メジェド様にお供え物を!

「Trick or Treat!」
 水音は次のターゲットへ。
 しかし狙った相手——ルヴァンシュは困ったように水音を見返していた。
「すまぬ、我は仮装にばかり気を取られていたゆえ、何も用意しておらぬのだ」
「いたずらが好みなの?」
 決してそういうわけではないのだが。
「我に出来る返し物の、予約なら受け付けておる」
「何の予約? でもね、ハロウィンは今を楽しむイベントなんだよ!」
 水音はにっこり笑うとシルクハットに手をやった。
「それじゃあこんなのどうかな?」
 中に何も入っていないことを見せてから、手を突っ込んで——
「はい!」
 キャンディを取り出した。
「あれ? こんなところにも……」
 ルヴァンシュの襟の裏からはチョコが出て来る。
「……菓子の召喚とは、我も初めて見たぞ……」
「はい、これあげるね。Happy Halloween !」
 その手際に驚いた様子のルヴァンシュを残し、水音は再び人混みに紛れて行った。

 やがて広場に軽快な音楽が流れ出し、思い思いの場所でハロウィンを楽しんでいた人々が流れとなって動き出す。
 パレードの始まりだ。
「トリックオアトリート!」
 歩きながらも行われるお菓子配り。
 見守る観客に、一緒に歩く仲間に、パレードを先導するカヴァーサンフィッシャーに——
「ありがとうございます。しかし今は勤務中ですし、自分は飲食ができませんので……」
「だったらトリックオアトリートされた時に渡してあげて?」
 カトリンは星型キャンディを、そのポケットに少し多めに入れてあげた。
「お菓子はまだまだありますよ!」
 破れたシャッター先輩雅人は今や、廃棄物処理場に運ばれる姿となっていた。
 具体的には畳んで背中に背負っている。
「パレード中は横幅がネックになりますからね!」
 シャッター先輩、最終段階だった。
 神楽はトリックオアトリートされなくても押し付ける勢いでお菓子を配っている。
 少々作りすぎた気がしないでもないが——あ、ロシアンクッキーはワッフル専用なので、ご安心を。
 そのワッフルの頭にすっかり落ち着いた三四郎は、人波の向こうに水音の姿を見付けて「なぁお!」と鳴いた。
「あっ、三四郎さん!」
 駆け寄った水音はお菓子の袋を差し出す。
 中身は自分で用意したお菓子と、本日の戦利品だ。
(自分で歩かず喰う物を得る、これぞ究極のセレブなのである)
 楽ちん楽ちん、である。
「繕いや丸洗いが必要になるので、乱暴には扱わないでほしいな」
 トーヤはティースタンドを引きながら(実は可動式だった)、纏わり付いてくる子供達に苦言を呈していた。
 子供はロボっぽい正義の味方もカッコイイドラゴンも、もふもふのぬいぐるみっぽいひとも大好きなのだ。
 が、彼らは総じて扱いが乱暴なのが困る。
「まずその手を洗ってくれないか、チョコがベタベタ……っ」
 その程度の汚れならティッシュで拭けば落ちるけれど、匂いはそうもいかないのだ。
 特にチョコの匂いは——いや、このイベントに参加した時点で甘い匂いが染み付くことは覚悟していたけれど。
 三日くらい天日干しすれば取れるだろうか。
「甘い菓子の口直しに美味しい紅茶はどうじゃ? 可愛い我が淹れたのじゃ、しみじみと味わって飲むがよい」
 桜は相変わらず根拠のない自信たっぷりに、紅茶とお菓子を配って歩く。
「可愛い我のおかげでパレードも盛況じゃのう!」


●戦い済んで夜は更けて

「カワイイ……キモイ……カワイイ……キモイ……キモカワイイ……にゅ!?」
 舞千は我に返った。
「あたしは一体何をしてたn」
 状況を確認。
 もっふもふの毛玉にくっついている。
「…………あ」
 理解した。
 受け入れてはいないが、理解だけは。
「この時どういえばいいのか知ってるn」

 あたしはしょうきにもどった

「ワッフルさんは明日から仕事すると良いn。でないと今年1月しか仕事しないことになるn……と、誰かが言ってた気がするn」
 あまりのモフみのせいで幻聴が聞こえたのだろうか。
 うん、きっとそうに違いないn。

「……普段のあたしはSじゃないわよぉ? 陽気で気さくなお姉様だから♪」
 ひっつき虫の取れたワッフルに、どえすな魔女王様ユリアが声をかける。
「それじゃワフちゃん、みんな、またね♪」
 だが、帰ろうとしたところに思わぬトラップが!

「さあ皆さん、祭りの後は使う前より美しく!」
 雅人が屈託のない笑みを浮かべて、大きなゴミ袋を取り出した。
「みんなで拾えばあっという間ですよ!」
 もちろん強制はしないけれど——と言われても。
 いたいけな少年にそんなことされて、大人たるものここで帰るわけにいかないじゃないですかー。
「もちろん手伝うわよ! お姉さんに任せなさい!」
 15cmピンヒールでゴミ拾いはちょっとキツいけど頑張るよ!





 噴水前広場も静けさを取り戻した真夜中。
 謎の地下室から恋人の肩を借りてよろめき出る男の姿があった。
「……俺は一体、何を……?」
 記憶はある。
 それだけに、ダメージは大きかった。
 クールダウンされた脳裏に蘇るアレコレ——

 それらは今、ネットの波に乗って世界中に拡散している最中だった。
 夜が明ければ、彼ら全員きっと世界的な有名人。

 やったね!

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