オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 戦闘訓練、だと思った?

戦闘訓練、だと思った? STANZA

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
バトル 
参加人数
84~8人
予約人数
10010100
基本報酬
200000G
200SP
2000EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
5
締切
2018/11/01 20:00
完成予定
2018/11/11 20:00
機体使用
-
関連シナリオ
-



●訓練期間は終えたけど

「でもさ、いきなり実戦に出るのって……やっぱ怖いよね」

 SALFによる基礎的な訓練は終えた。
 そもそもイマジナリードライブが発現した「能力者」は、特別な訓練など受けなくても戦闘になれば身体が勝手に動くもの、らしい。
 初心者向けの依頼を選べば、戦闘にもそれほどの危険はないとも聞く。

 それでも……怖いものは怖いのだ。
 ナイトメアと戦うための特別な能力があると言っても、生まれた時から能力者としての自覚を持って訓練を受けてきた者ばかりではない。
 後天的に能力が開花した者の多くは、つい先日まで戦いとは縁のなかったごく普通の学生や社会人。
 これまでずっと「守られる側」に立ってきた者達が「守る側」になるのは、言葉で言うほど簡単なことではなかった。

 心の準備が足りない。
 実戦に出る前に、何かもうひとつクッションが欲しい。
 そこで有志の新人ライセンサーを集め、実戦を想定した模擬戦闘が行われることとなった。

 集まったのは、それぞれに「実戦に踏み切れない理由」を抱えた者達。
 実戦前に少しでも経験を積んでおきたい正真正銘ピカピカの新人。
 数年前にライセンスを得たものの、そのままペーパーライセンサーとなり、それでも一応は「戦いに備えてます」アピールはしておきたいと考えた者。
 本人はあまり気乗りしなかったが、友人に誘われて仕方なく参加した者――等々。

 そのまま何事もなければ、無事に模擬戦を終えて懇親会に雪崩れ込む予定だった。
 訓練よりもむしろそちらをメインに据えていた者もいたかもしれない。

 ところが――


●実戦なんて聞いてない

 敵味方に分かれた模擬戦闘の最中。
 想定外の事態が起きた。

 本物のナイトメアが現れたのだ。

 数は10体以上にもなるだろうか。
 それでも、その場に集まったライセンサー達の方が数の上では勝っていた。
「それにこいつら、あんまり強そうに見えないしな」
 大きさはお座りをした大型犬程度、デフォルメされすぎたバクのような愛嬌のある見た目のそれは、確かマニュアルで見たことがある。
「対人専用型……その中でもザコの部類だな」
 新人でもサシの勝負で負けることはまずないと言われているものだ。
 しかし、中に一体だけひときわ大きな身体を持つものがいた。
 見た目は他と殆ど変わらないが、身長は2メートルほど。
 両手の先に生えた爪は、心なしか他の小型種よりも長く鋭く研ぎ澄まされているように見える。
 ナイトメアの強さは大きさに比例するものではないとも教わったから、これも大きいだけで強さは他と変わらないのかもしれないと、淡い期待を寄せてみるが——

 と、それまで二本足で立っていたその大型バクが、ふいに四つ足になった。
 全身の毛が逆立ち、その下にある筋肉が盛り上がる。
 身体が一回り大きくなったように見えた――いや、見えるだけではない、実際に大きくなっていた。
 まん丸だった目も三日月のように細くなり、冷たい光を帯びている。
 戦闘モードに入ったということだろうか。
 頭を低くし、犬が威嚇する時のような唸り声が歯の間から漏れる。
 その歯は氷柱のように鋭く尖り、剣山のように何列にも連なっていた。
 これはどう見ても他より強い。
 しかも格段に。

「あれ、噛まれたら痛いくらいじゃ済まないぞ……!」
「援軍とか呼んだほうが良くね? 俺らじゃ手に負えねーべ!」
「でも、間に合うのか?」

 今から援軍を呼んだとしても、到着までにはそれなりの時間がかかる。
 それまでどうする?
 守りに徹して耐えるか。
 それとも逃げるか。

「あいつら、そんなに害はないって書いてあったよな? だったら逃げても……」
「いや、放っておくと成長して手に負えなくなるって……だから迅速な対応が必要って」
「そういえば、そんなことも書いてあった気がするね、あはは」
「笑い事じゃねーだろ!」
「だって笑うしかないじゃん!」
「なあ、あのデカいの……あれ逃したらヤバい、よね?」

 現場は郊外の空き地。
 人口が密集する住宅地や繁華街からは離れている。
 だが周囲は完全に無人というわけでもなかった。
 見える範囲には住宅もちらほらと建ち並び、田んぼや畑では作業をしている人の姿も見える。
 近くの道路にも、それなりの交通量があった。

 どうする?
 どうしよう?

 迷っている間にも時間は刻々と過ぎ、ナイトメアとの間隔はじわじわと短くなっていった。

ただの気楽な訓練だと思っていたのに、いきなり実戦に放り込まれた――というシチュエーションです。
戦うか、逃げるか、応援を呼ぶか、選択肢は様々。
あなたは何を選び、どんな行動を取りますか?


PCの立ち位置は以下の通り
1.この訓練に最初から参加していた
2.ただの通りすがり
3.要請に応じて救援に駆け付けた
(3の場合、モブの誰かが救援を呼んだ形になるため参加者が敢えて救援要請する必要はない。ただし要請から到着までは時間がかかるため、合流は戦闘終了後になる可能性あり)

現場には参加PC以外にも何人かのモブ新米がいる(PCからの働きかけがない限りリプレイでの描写なし)
ただしPCが彼等に指示を出したり助けを求めることは可能
自主訓練につき教官等は存在しない


現場:
耕作放棄地などが広がる郊外の空き地
人家はまばらだが、近くには幹線道路が通り、通行量はそれなり

装備:
模擬訓練を想定した武器やスキルなどそのまま使用
念のために他の装備も持っていたとして、戦闘開始前に本番用装備への変更も可能(変更済み装備での出発OK)


敵:
・小型バク 10体~
体長1mほど。両手の爪が武器だが、なにしろリーチが短いために殆ど脅威にはならない
ただし耐久は高めで、倒すまでには何手か必要
放置すると大型討伐の邪魔になる
PC達で倒しきれない分はモブNPCがカバーするため、多少の取りこぼしは許容範囲内
・大型バク 1体
体長3m弱。戦闘モード移行に伴い手足が伸び、爪や牙も鋭くなっている
攻撃手段は噛み付き、引っ掻き、頭突き(ノックバック効果あり)など
さほどの強敵ではないが、初心者が2〜3人程度で倒すのは難しい
大型に関してはNPCは手を貸さないため、PCによる殲滅必須


※リプレイは敵が現れた直後からとなります(模擬戦描写なし)

※OPや解説で明記されていない部分についての解釈はお任せします
※設定や世界観の範囲内で、ご自由にお楽しみください

お世話になっております、STANZAです。

想定外の事態に遭遇した時に、どんな行動を取るか。
プレイングはその心情を中心としたものでも、心情とかどうでもいいからとにかく敵をぶっ倒す、でも構いません。
「この子はこんな時にどう考えて、どう動くのだろう?」という、そのPCさんらしい行動や動機などに思いを巡らせるなど、キャラクター形成に際しての一助になればと思います。

では、よろしくお願いいたします。

  • 死を厭わぬ魔女
    山田 詠歌la0151
    放浪者23才|スピリットウォーリア×セイント

2.訓練の様子に興味を持ち見物中だった

【心情】
「腰が退けているわね。他人の目が気になるのかしら。力と力を振るう口実が手に入ったのだから楽しめばいいのに」
「まあ、私みたいに公言しちゃうと以前の友達から関係絶たれちゃうかもだけど。…若気の至りね。我ながら恥ずかしいわ」

【目的】
敵の早期撃破を優先する
ライセンサーの戦死は避けるが重傷や重体は許容。もちろん私自身も含む

【行動】
・戦闘
敵の注意をひいて新人が落ち着く時間を稼ぐため、敵に突撃する。狙う敵は、近くに味方がいないか少ない敵。敵が多ければ多いほどグッド
止めを刺すことにはこだわらない。新人が近くに来たら、大ダメージを与えた敵を任せて私は次の敵を狙う

パワークラッシュで友軍誤射をしでかさないよう徹底的に気をつける
これは敵を倒すことより優先する。村八怖い
(複数の敵を同時に攻撃できた場合)「んっんー、手応え最高!」


・幹線道路や非戦闘員
最初から守ったり進路を遮りに行くと敵の注意をひきつけてしまう気がする
なので、幹線道路や非戦闘員に敵が接近を開始したときのみ、全力移動で突っ込んで攻撃してそのまま攻撃と追撃を繰り返すことを目指す

  • 夜明け告げる者
    高柳京四郎la0389
    人間28才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

最初から訓練参加

初めにNPCを落ち着かせる為出来る限り大声で場を一喝
その後は普通に話し他者と共にNPC達を積極的に戦う雰囲気に持っていく
「全員落ち着けっ!
「…冷静に考えれば俺達が対処しなければ周りに被害が出る、また逆に考えればこの上ない生の戦闘経験をするチャンスだろ、前向きに考えるんだ
「どのみち敵は待っちゃくれない、指をくわえて見てるだけなら、自分の命含め守れるものも守れない、腹を決めてやるしかないのさ、ここに居合わせた限りな

その後すぐに本部及び周辺の行政・警察・消防へ連絡
防災行政無線用の設備等で敵出現と屋内避難等を促す放送要請
「終わるまで一般人には隠れていてもらおう、危ないしな

上記行動全て終えたら敵殲滅参加
優先標的は小型で一般人に距離が近い個体
避難完了していれば味方と同じ個体狙い早急に倒す
「まずは数が多いのから減らさないとな

小型半数以上殲滅時に大型残っていれば
残りの小型は味方へ任せ大型対応へ協力
「苦戦しているな、手を貸そう

攻撃時はAスキル常用
距離に応じて使い分ける
敵の攻撃は防御で受け止める

殲滅後
本部や行政等へ
「ナイトメアは無事殲滅した、協力感謝する
その後経験浅いNPC達へ
「…とまぁ、こんな感じで実際の戦闘でも報・連・相忘れずに、な?

【心情】
 「新人さん達ね、可愛いくて微笑ましいわ」
【目的】
 「新人さん達を援護して自信をつけさせる」

【行動】
・新人さんの前に出て攻撃を引き受ける
・まずは小型に『インパクトアタック』それほどの脅威ではない事を確認
・その後は大型に向かいスキルを惜しまず攻撃。
・新人さん達に余裕がありそうならメイン武器を盾に持ち替えて大型の足止めに回り。新人さんに攻撃してもらう
・危なそうなら『ヒール』で回復

「数が多いようだから少しだけ手伝わせてもらうわね」
「みんなで協力して1体ずつ確実に倒していってももらえるかしら?」
「シールドの状態には気を付けて、怪我する前にさがるのよ」

この世界の地面が硬すぎて違和感があるので調整の為の訓練参加者


っしゃあああ!!!!おい手前(モブ)ぇ等!!
3,4人で組みやがれ!!アイツ等は弱い!雑魚だ!!ただの肉だ!!!
数でかかって打ちのめせ!!徹底的に叩きつぶせ!日頃の鬱憤を叩きつけろ!!
但し囲まれるな!危なくなったら手を挙げろ、周りを見渡せ、互いの隙を補い庇え!!

と小集団の形成を促す。

数で勝ててる俺等が有利だ、負ける要素は何処にも無ぇ!
デケェ奴等は他に任せて弱ぇ雑魚から圧殺しつくせ!
と意気を上げておく。

俺かい? ンなモン決まってんじゃねえか。
大物狙いさ。

最初に武器を弓に変えて移動攻撃、雑魚の知能を試す。
引き寄せられるかどうかの試射。
引き寄せられるなら幹線道路(あと可能なら畑)から引き離す様に動く。
引き寄せられないなら防衛ラインと見る。

初撃の次は剣に持ち替え。
大型狙い、たどり着くまでは序でに雑魚も掃討。
雑魚に囲まれそうになれば巻き込み注意しパワークラッシュ
移動攻撃で轢く様に攻撃
崩撃で防御を下げての攻撃して通常攻撃


戦闘後
よっし、んじゃ反省会しようぜ。
ンだよ、訓練だったろ?

  • 犬神
    la1605
    放浪者22才|グラップラー×スピリットウォーリア

▼心情
何事にも、不慮の事態は付き物よの
妾とてらいせんさーとしては新人、良い機会として楽しもうではないか!

▼事前準備
ないとめあ出現の通報や周辺住民への告知を行っておきたいところじゃな

▼作戦
新米を励ましたり指示を出したりして小さいのをある程度任せ、妾達で大きいのを確り仕留めるぞ!

妾は、この訓練に最初から参加しておった体で行こう
こちらの布陣の隙間を抜けて幹線道路へ向かわぬ様、行動を観察して仲間へ声掛け・注意喚起も行わねばな
ヴォルフガング殿が囲まれぬ様、補助にも努めるぞ

可能であれば、小さいのは殲滅して合流しておきたいところじゃ

▼戦闘
武器は基本的に、持ち替えずにバグナクのままじゃ

妾は接近戦主体じゃし、常に距離を詰める事を念頭に置かねばな
基本は通常移動で追うが、それで無理な場合は全力移動じゃな

接敵後、攻撃対象が単独であれば通常攻撃を
攻撃対象を含む2スクエア上に別の敵がおれば、龍震虎咆で纏めてぶち抜くぞ!

回避にそれなりの自信はある故、敵の攻撃は防御では無く避けるとしよう

小さいのの始末が済めば、大きいのへと合流を

基本的な流れは同じじゃが、攻撃はパワークラッシュを用いて積極的に削るぞ!
撃ち切れば、通常攻撃で対応じゃな

※齟齬や未記載事項は記載者に従う

  • 首があるなら刈ってみせる
    紅迅 斬華la2548
    人間25才|セイント×ネメシスフォース

心情:「なんだか大変なことになりましたね…?どうしましょ!」と言いつつも、すでに臨戦態勢。新人の訓練に自主練がてら参加していた。

行動:小型ナイトメアに対処。ヴォルフガング・ブレイズla2784の少し後方で「ひぇ~!か、数が多いですね!」と言いつつも黙々とオートマチックXR7で援護射撃。
囲まれないように位置取りを徹底し、味方が囲まれないように援護。新人には「大丈夫ですよ!シールドはお姉さんが直しますし守ってあげます♪」と激励。
小型対処メンバーのダメージを見て適時ヒール。
逃げるナイトメアには、本に持ち替え背後からフォースアロー。
銃の弾が切れたら大剣を装備し「ちょりゃー!」とインパクトアタック。
できるだけ、みんなと同じ敵を狙うようにする。
「みんな怪我はないですか?」と周囲に声かけを忘れないようにする。
特に新人を気遣う。

小型を全て排除後、大型へ向かう。
本を装備しフォースアロー。回数が0になれば大剣で攻撃。
味方・自分へのヒール優先。
危険そうな味方がいれば庇う。
ヴォルフガング・ブレイズla2784が間に合いそうなら任せる。

「つ、疲れました!ふふ~ん♪お姉さんは無敵だから平気ですけど!」

目的:
味方への被害を出さずに敵を撃破。
その過程で大型に止めをさせたら尚良い。

準備:
・作戦
小型担当と大型担当に別れて行動。
小型担当については初手に少数を片付けて「自分達でも倒せる」と印象付け、
そのままNPCと共に攻撃。
大型担当は小型担当が片付くまで時間稼ぎを優先し、
小型担当の手が空いた所で合流・撃破。

・準備
戦闘開始前にNPCに救援要請を依頼。
また、ある程度密集して各個撃破されないようにする。

行動:
・基本
訓練に参加中に遭遇した。
今回は大型担当で前衛として行動。

・接敵まで
大型と戦う前に邪魔な小型から優先して攻撃。
攻撃の際は物理・知覚どちらが通るかを確認し、
知覚の場合は武器を持ち替える。

・対大型
小型担当が合流するまで時間稼ぎ。
主に盾を中心に防御優先で正面から攻撃を仕掛けて相手の注意を引く。
合流後はスキルを積極的に利用して一気に畳みかける。

・戦闘終了後
負傷者に対して救急キットで治療。
その他他に被害がないことを確認。

【心情】
 「おいおい!どうなってんだこりゃ!?待ってろ!すぐ行く!」鍛錬の帰りにたまたま現場に遭遇し救援に。
【目的】
新人ライセンサーの救助・小型ナイトメアの殲滅。
その後大型対処。
【行動】
新人に合流後、迅速に小型ナイトメアに接近し、射程最大距離からエクストラバッシュ。
高柳京四郎(la0389)の一喝後、新人に援護指示。
新人への指示内容は、1:小型対処組みが囲まれないよう射程外から小型ナイトメアを妨害。
2:援護がメインで自身の安全が最優先。
3:一般人がいる方に行かせないよう妨害。
「ライセンサーにゃ、お節介焼が多いな!頼りにしてるぜ?」駆けつけた同僚に。

戦闘:烈火の戦斧に持ち替え。最初に攻撃した対象に攻撃。
物理攻撃と比較し効果が高そうな装備で戦う。
攻撃対象は他の小型対処メンバーと合わせるように声をかけながら攻撃。
生命が5割切って他からヒールなさそうならヒール。
可能な限り味方への攻撃の射線を遮り受け止めるように立ち回る。
新人には檄を飛ばしつつ出来るだけ派手に武器をぶん回し、炎のオーラを撒き散らし士気を上げるよう努める。
逃げるナイトメアを最優先で攻撃。
エクストラバッシュを積極的に使用。「逃がすかよっ!!」

対大型・味方への攻撃を遮りながら、温存していたライトバッシュをフルに使用する。 
成功の暁には新人を心から賞賛し労う。仲間への感謝も忘れない。


「おいおい! どうなってんだこりゃ!?」
 鍛錬の帰りにたまたま通りかかったヴォルフガング・ブレイズ(la2784)は、驚きの声を上げた。
 突如現れたナイトメアの群れに対してではなく、ライセンサー達の狼狽えっぷりに。
(ありゃ新人か?)
 事情はどうあれ放っておくわけにはいかないと、ヴォルフガングは走り出した。
 大剣を手に戦闘モードに入ると、その容姿が劇的に変わる。
「待ってろ! すぐ行く!」

 だが新人達の中にも骨のある者がいるようだ。
「みんな落ち着いて! 相手はたかが虫コロが数体じゃない!」
 最初に声を上げたのは北の国から来た少女、雪室 チルル(la2769)だった。
「何事にも、不慮の事態は付き物よの」
 泰然と構えているのは犬神の放浪者、京(la1605)だ。
「妾とてらいせんさーとしては新人、良い機会として楽しもうではないか!」
 紅迅 斬華(la2548)は「なんだか大変なことになりましたね……? どうしましょ!」と言いつつ、その手には拳銃を構えて臨戦態勢に入っている。

 しかしそれでも大部分の者は及び腰で、「でもあのデカいのは」などと視線を彷徨わせていた。
「腰が退けているわね。他人の目が気になるのかしら。力と力を振るう口実が手に入ったのだから楽しめばいいのに」
 近くの樹上で高みの見物を楽しんでいた山田 詠歌(la0151)は、まだ暫く見物を続けるつもりらしい。
 足をぶらぶらさせながら、くすりと笑う。
「まあ、私みたいに公言しちゃうと以前の友達から関係絶たれちゃうかもだけど。……若気の至りね。我ながら恥ずかしいわ」
 と、そこに——

「全員落ち着けっ!」
 雷の様な大声が響き渡った。
「な、なに!?」
 思わず木から落ちそうになった詠歌を始め、その場の全員が声の主——高柳京四郎(la0389)に注目する。
 皆の視線が集まったところで、京四郎は努めて落ち着いた声で続けた。
「……冷静に考えれば俺達が対処しなければ周りに被害が出る、また逆に考えればこの上ない生の戦闘経験をするチャンスだろ、前向きに考えるんだ」
 その言葉が浸透した頃合いを見計らって、更に言葉を継ぐ。
「どのみち敵は待っちゃくれない」
 ここで少し、声のトーンを落として——
「指をくわえて見てるだけなら、自分の命含め守れるものも守れない。腹を決めてやるしかないのさ、ここに居合わせた限りな」
 はい、ここまでは飴。次、ムチいきまーす。
「ひよっこ共! ちったぁ落ち着いたか!?」
 その筋肉質な身体つきに相応しい、腹の底まで揺さぶられる様なヴォルフガングの声が響く。
「怖いのは分かる! だが俺達はライセンサーだ! 遅かれ早かれ戦う日は来る!」
「っしゃあああ!!!! おい手前ぇ等!!」
 そこにヴァン レイノルズ(la0790)の輪をかけて大きな声が加わった。
「3,4人で組みやがれ!! 組んだら整列!!」
 それで素早く動くならよし、そうでない者はその肩を叩いて列を抜けさせた。
「よし、揃ったな」
 整列した彼らを前に、京四郎、ヴォルフガング、ヴァンの三人が並ぶ。
「付近に一般人もいる……こいつらを逃がせばどうなるかは想像できるな? なら、やることは一つだ……戦え! 援護だけで良い! あとは俺達に任せろ!! 分かったら返事ぃ!」
「サー! イエッサー!」
 ヴォルフガング教官の言葉に新兵達が敬礼で答える。
 なんか、いつの間にかそんな雰囲気になっていた。
「アイツ等は弱い! 雑魚だ!! ただの肉だ!!!」
「サー! イエッサー!」
「数でかかって打ちのめせ!! 徹底的に叩きつぶせ! 日頃の鬱憤を叩きつけろ!!」
「サー! イエッサー!」
「但し囲まれるな! 危なくなったら手を挙げろ、周りを見渡せ、互いの隙を補い庇え!!」
「サー! イエッサー!」
 ヴァンの訓戒ののち、京四郎が厳かに言った。
「戦闘開始だ、健闘を祈る」


 持ち場に散った新人達を見送った京四郎は、まず関係各所に連絡し、敵の出現と屋内避難等を促す放送を要請する。
「終わるまで一般人には隠れていてもらおう、危ないしな」
 僅かな間を置いてサイレンが響き始めると、遠くの畑に慌てて逃げる人影が見えた。
 それでも聞き逃したり、指示に従わない者もいるかもしれないと、ヴァンが先ほど分けた新人達に声をかける。
「お前は畑仕事をしてる人の避難誘導、そっちの奴は幹線道路の封鎖を頼む」
 それぞれに役割を与えて、「大事な役だ、頼むぜ」と送り出した。
 人は信頼されればそれに応えて頑張りたくなるもの、根性を見せて射撃での援護も期待出来そうだ。
 が、そこで詠歌が一言。
「それ、却って注意を引くことにならない? ほら、わざわざ守ったり塞いだりしたら、いかにもそれが大事、みたいな」
 見るなと言われると見たくなる心理、とでも言おうか。
「なら試してみるか、アイツ等の頭の出来がどの程度のモンか」
 ヴァンは弓に矢をつがえ、遠くの小物に狙いを付けた。

 お題:遠くから放たれた矢に対して小物がどう動くか
 経過:矢を放つ→刺さる→痛い→なんで?→わからん→ま、いっか
 結論:こいつらアホや

 敵が目の前にいない限り、因果関係がわからないらしい。
 そしてボスの威光を笠に着るように、取り巻きよろしく傍を離れないのは流石の小物。
 当然、詠歌が案ずる様な高度な思考とは縁がないだろう。
「幹線道路が防衛ラインだな」
 それを皆に伝え、ヴァンは大型の前に出る。
「数で勝ててる俺等が有利だ、負ける要素は何処にも無ぇ!」
 途中の小物を剣で薙ぎ払いつつ、新兵に発破をかけた。
「デケェ奴等は他に任せて弱ぇ雑魚から圧殺しつくせ!」

「新人さん達ね、可愛いくて微笑ましいわ」
 敵に向かって果敢に突撃する新兵の中に、いつのまにかマイリア・オルター(la0611)が混ざっていた。
「数が多いようだから少しだけ手伝わせてもらうわね」
 まずは小型にIMDの力を乗せてスタークレイモアを叩き込むと、それは簡単に弾き飛ばされる。
 まだ起き上がることは出来る様だが、動きは明らかに鈍っていた。
「ね、怖くないでしょ? みんなで協力して1体ずつ確実に倒していってもらえるかしら?」
 その間に他の小型に攻撃を受けたが、正直子供の駄々っ子パンチより全然軽い。
 おまけに頭を押さえつけるだけで完全に封じられる。
「ほら、今のうちよ?」
 マイリアは新人達に攻撃を促す。
「はい!」
 そう答えて飛び出したのは、なかなかの美少年。
「あら美味しそ……けふん」
 まずはこれを片付けてから、ね。

 敵の目の前に颯爽と躍り出た詠歌は、両刃の大剣で広範囲の敵を一気に吹っ飛ばした。
「んっんー、手応え最高!」
 余韻に浸りつつ、新人達を振り返る。
「こーんなこと出来たら気持ちイイと思わない?」
 出来るよ、だってレベル1で取れるスキルだもん!
「あ、でも味方の巻き込みはダメ、ゼッタイ」
 正直巻き込むことはどうでもいい、死なない限りどうにでもなる。
 だが問題はその後だ。
 ムラハチ怖い、マジ怖い。

「ライセンサーにゃ、お節介焼が多いな! 頼りにしてるぜ?」
 自分の事を棚に上げて助っ人に来た二人に礼を言うと、ヴォルフガングも最大射程からのエクストラバッシュをぶちかます。
「俺はこいつらを一匹たりとも生かして帰すつもりはねぇ!」
 そのまま突っ込んでいく彼の後ろに隠れる様にして、斬華が拳銃で援護射撃。
「ひぇ〜! か、数が多いですね!」
 焦っておたおたわたわたしている様に見えて、その射撃は正確無比。
 そのギャップがちょっと怖い。

「倒せるって事をあたいが見本を見せてやるわ! 突撃ー!」
 こちらではチルルが元気一杯に突撃を敢行していた。
「所詮雑魚よ! あたい達ライセンサーの敵じゃないわね!」
 少し硬いが、それだけだ。
 まずは物理剣で斬り付けて、次に知覚剣でもう一度。
「どっちも効くわね!」
 どちらも効きにくいとも言うけれど、みんなで殴れば怖くない!
「あたいに続けー!」
 チルルは大型に狙いを定め、途中の小型を蹴散らしていく。
 あのデカブツだって、きっと同じ!
「なかなか歯応えのありそうな雑魚ね! あたいのスコアにしてやるわ!」
 とは言っても手数が揃うまでは下手に手を出さない方が良さそうだ。
「小さい雑魚は頼んだわよ!」
 新人達にそちらを任せ、チルルは分厚い盾をどっしりと構えた。

「小さいのを向こうに逃がすでないぞ!」
 京はそう指示を出しつつ、手の甲に取り付けた爪を伸ばす。
 今の所はボスの取り巻きでいるが、こういった三下の類は頭が潰れれば逃げの一手が相場だ。
「もっとも、その前に全て滅してくれるがの!」
 敵の只中に飛び込んだ京は体内の気を一気に放出、目の前に並んだ敵を一気に吹っ飛ばした。
「これも始めから使える技じゃぞ」
 その間にも他の小型が攻撃してくるが、そんなものは避けるまでもなく当たらない……のだが、今回は特別にいつもより派手めに華麗に避けてみる。
「ほれ、汝らにも出来る気がしてきたじゃろ?」

「みなさーん! 囲まれない様に周りをしっかり見ましょうねー!」
 斬華は新人達に声をかけつつ、手近な一体を指差した。
「逆に囲んでボコってやりましょーう!」
 腰が引けている者には「大丈夫ですよ! シールドはお姉さんが直しますし守ってあげます♪」とお姉さんスマイル。
 まずは率先して拳銃を一発、新人達に攻撃を促す。
 包囲を抜けようとすれば本に持ち替え、背後からフォースアロー。
 とどめは新人に任せ、次の敵には大剣でインパクトアタック!
「ちょりゃー!」
 かいしんのいちげき!
「ふふ〜ん♪」
 ドヤァ!

 烈火の戦斧に持ち替えたヴォルフガングは、最初に唾をつけた一体に迫る。
「物理と知覚、どっちも効くんだったな!」
 ならば、この戦斧が自分には相応しい。
 新兵達を鼓舞しつつ、炎のオーラを撒き散らしながら光を放つ戦斧を派手にぶん回す。
「おら見とれてんじゃねぇ! 援護しろ援護!」
 はっと我に返った新兵達が一斉に攻撃を仕掛けると、小物はボスに助けを求める様に逃げ出した。
「逃がすかよっ!!」
 エクストラバッシュを背中に放ち、転がしたところに新兵が止めを刺す。
「やりました、教官!」
「よくやった、だが気ぃ抜くんじゃねぇぞ!」
「サー! イエッサー!」

 京四郎は有志での模擬戦というのが面白そうだと、見物がてら冷やかしに——
「……ってつもりだったんだが、ねぇ?」
 気が付けばヴォルフガングやヴァンと共に教官と呼ばれていた不思議。
 まあ、それはともかく。
「まずは数が多いのから減らさないとな」
 とは言え仲間や新人達の活躍で、その数は急速に減りつつある。
 ここはもう彼らに任せて、大型に向かった方が良さそうだ。
「苦戦しているな、手を貸そう」
「そうじゃないわ! あたいが独り占めしたらみんなに悪いと思って待ってるのよ!」
 チルルの言葉がただの強がりではないとしても、シールドの消耗が激しいのは確かだ。
「俺が代わる、その間に回復を」
 下がったチルルに、駆けつけたマイリアがヒールを施す。
「これで良いわ、でもあまり無茶はしないのよ?」
「ありがとう、助かったわ!」
 休む間もなく前線に復帰する姿を見て、マイリアもそれに続いた。
「向こうはもう片付きそうだし、こっちをやっちゃいましょ」
 大剣を振りかざし、その頭に狙いを定めて振り下ろす。
 一瞬、脳震盪でも起こした様にたたらを踏んだ大型は、すぐさま態勢を立て直すとマイリアに向けて突っ込んで来た。
 割り込んだ京四郎が体を張ってそれを防御、反撃に出る。
 弾かれた分はエクストラバッシュで射程を伸ばし、距離を詰めたらライトバッシュに切り替え、手を休めずに攻撃を続けた。
 削れたシールドはマイリアが即座に回復させる。
 互いにカバーしながら敵に対する、それが戦いの基本だ。

「小さいのはこれで最後よ、止めは任せたわね」
 瀕死の一体を新人に任せ、詠歌も大型に突っ込んで行く。
 全力移動で真正面から挑みかかり、頭突きをまともに喰らって吹っ飛ばされても起き上がり、ヒールで自己回復してまた突っ込む。
「無茶をしおるのう」
 バーサーカーの様な戦いぶりに感心しつつ、京も遅れをとってはならぬと大型に挑み掛かった。
「多少図体が大きくなっただけで、基本は同じ——」
 でもなかった。
 鋭い爪の一振りを間一髪で避け、京は間合いを測り直す。
 一度下がって龍震虎咆を撃ち込み、仲間の攻撃に気を逸らした隙をついてパワークラッシュを叩き込んだ。
「皆の者、下がっておれ!」
 大型の脇腹に爪が食い込み、そこから力が爆散する様に広がる。
 続いてヴァンが轢き逃げアタックという名の移動攻撃。
 訓練と、続く想定外の実戦で、硬い地面にもだいぶ慣れてきた様だ。
「足掻く奴は嫌いじゃねぇがな、テメェが敵なら話は別だ」
 崩撃で防御を崩し、両刃の直剣をその背に突き立てる。
「今よ! 一気に畳み掛けるわ!」
 号令と共に、チルルが狙いすました一撃をその鼻面に叩き込んだ。
「デカイだけのウスノロが! 塵にしてやる!」
 炎のオーラと共にヴォルフガングが戦斧を振りかざす。
 相手の勢いも利用したライトバッシュで突進の威力を相殺、その足を止めた。
「あら、やる気満々ね」
 マイリアが余裕のありそうな新人達を振り返り、その背を押す。
「それじゃお任せしようかしら」
 自分は大剣を盾に持ち替えて、防御に専念する構え。
「シールドの状態には気を付けて、怪我する前にさがるのよ」
「みんな怪我はないですか?」
 周囲に気を配りつつ、斬華は分厚い本でフォースアローを放つ。
「反撃が痛そうな時は、こうして遠くからぺちぺちするのが吉ですよ♪」
 それでもいざとなれば仲間の前に飛び出し、身を呈して庇うのが斬華の流儀。
「痛……くないですっ!」
 ドヤァ!
「そろそろおしまいね! トドメはあたいが貰ったわ!」
 宣言通りにチルルが最後の一撃を見舞うと、大型は倒れたまま動かなくなった。


「つ、疲れました! ふふ〜ん♪ お姉さんは無敵だから平気ですけど!」
「疲れたのか平気なのか、ようわからぬが……まあ、お疲れであったの」
 仲間の状態を確認して回る斬華に、京が労いの言葉をかける。
 全ての敵が完全に沈黙したことを確認すると、京四郎は再び関係各所に連絡を入れた。
「ナイトメアは無事殲滅した、協力感謝する」
 避難指示解除のサイレンが流れる中、京四郎は新兵達に向き直る。
「……とまぁ、こんな感じで実際の戦闘でも報・連・相忘れずに、な?」
「サー! イエッサー!」
「よくやったぞ、ひよっこ共! 皆もありがとうな!」
「よっし、んじゃ反省会しようぜ」
 いきなり縮んだヴォルフガングに周囲が目を丸くする中、ヴァンが言った。
「ンだよ、訓練だったろ?」
 訓練とは総括と反省を以て初めて実を結ぶもの。
 返事は?

「サー! イエッサー!」

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