オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. Collateral Damage

Collateral Damage 影絵 企我

形態
ショート
難易度
難しい
価格
1000
ジャンル
バトル ホラー 
参加人数
103~10人
予約人数
10010100
基本報酬
210000G
210SP
2100EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2019/03/29 23:00
完成予定
2019/04/13 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●毒蟲来たる
 アメリカ南部のとある居住区。誰もが平凡な休日を過ごしていた昼下がりに、突如として事件は起きた。
「おい、あれを見ろ!」
 通りの真ん中に立った一人の男が天を指差して叫んだ。天を駆け抜けていくのは、一台のセスナ機。エンジンから激しい黒煙を上げながら、機体は真っ逆さまに居住区へ突っ込んでくる。人々は悲鳴を上げ、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
 数秒の後、錐揉みになって突っ込んできた飛行機は爆炎と共に吹き飛ぶ。白熱した鉄板や部品の欠片が、道路一面に転がった。
「おいおい、勘弁してくれよ……」
 現場を取り囲んでいた者の一人がぽつりと呟く。まだ、彼らは単なる墜落事故とばかり思っていた。故に彼らは、野次馬根性を起こしてその場に留まっていた。
 それが悲劇を起こしたのだ。
「何か……動いて――!」
 一人の女は息を呑んだ。セスナ機を包む炎の中から、二体のナイトメアが飛び出してくる。ガラスのような光沢を放つ翅を広げ、長い針の生えた尻尾を振ってそれは飛び上がった。
 悲鳴を上げる暇もない。女の顔面に飛びついた蟲は、尻尾の針を腹腔に突き立てた。泡を吹きながら、女は倒れる。蟲は女の頭を蹴って飛び上がると、翻って別の住民に襲い掛かった。
 居住地は一気に阿鼻叫喚の地獄と化した。襲い掛かるナイトメアに対して、人々は余りにも無力だった、次から次へとその針を突き立てられ、バタバタとその場に倒れていく。

「誰か……助け……」

●ヒメバチの群れ
「皆さん重々承知の事と思いますが、緊急事態です。墜落したセスナ機から飛び出してきた羽虫型のナイトメアに襲撃され、居住区が大混乱に陥っております」
 エンジンを唸らせ、トレーラーが君達を乗せて走る。運転席の背面に設けられたモニター、その画面の中から、オペレーターの来栖恭一郎が早口で説明を始めた。
「居住地から連絡は次々と舞い込んでおりますが、情報が錯綜していて状況が掴み切れておりません。随時連絡は行いますが、ある程度はそちらに判断を任せざるを得ない状況です。注意してください」
 モニターには住宅街の地図が映し出される。役場や学校、スーパーを除けばこれといって大きな建物はない。一戸建ての住宅がずらりと並んでいた。
「現状の報告では、ナイトメアは少なくとも4体はいるかと思われます。外見の特徴についても何点か情報があり、それらから判断するに、出現したナイトメアは“ヒメバチ”であると思われます。このヒメバチについては、以前遭遇したライセンサーから幾つかその行動について不審な点が報告されています。くれぐれも注意してください。……では皆さん、御武運を」
 トレーラーは静止し、荷台の扉が開く。シートベルトを外した君達は、武器を構えて飛び出した。町の中央では火の手が上がり、黒煙が濛々と立ち昇っている。その様はまるで狼煙のようであった。

 その時、鈍い羽音が周囲で響く。咄嗟にその方へ眼を向けると、二体の蟲が並んで飛び、街のどこかへ姿をくらまそうとしているところだった。

目標 状況の解決

登場敵
☆ヒメバチ×? (PL情報:6体以上)
 徒党を組んで襲い掛かる性質を持っているナイトメア。その毒による攻撃は危険。
●分類
 A-SS-1
●ステータス
 全体的に低め。ただし、2sq程度の高さまで浮遊する事が可能。
●基礎攻撃
 [単体、物理、白兵。命中した場合、抵抗判定を行い、勝利した場合継続ダメージ(1)を付与。]
●スキル
・毒吐き
 神経毒に近い性質のエネルギーを吐いて攻撃。[命中時、回避低下(2)を付与]
・???
 [現在不明]
●性質
☆住宅街から逃げ出したりはしない。
☆IMDから発生するエネルギーに引き寄せられる傾向にある。


戦場
☆住宅街
 碁盤の目型に道路が張り巡らされ、一戸建ての住宅で埋められたシステマティックな居住区。街の中央には学校、病院、スーパーなど、生活に必要な施設が寄せ集められている。
 →戸建ての中では、パニックを起こした人々が震えて助けを待っているような状態。
 →中央の施設群に隠れて助けを待っている者もいる。
 →腹部などに深い怪我を負った状態にある人もちらほらと見られる。

TIPS
☆数に注意。
☆敵は弱いが、決して油断してはならない。
☆住民の救出は必ずしも必要用件ではない。

影絵企我です。

前回は屋敷でしたが、今回はひょんなことから街角に出没です。
前回は無事とは言えないながらも、ナイトメアの全滅には成功しました。今回の成功も祈っております。

では、よろしくお願いします。

●追跡
クロフォードと西園寺と共に発見したヒメバチを追跡
行先の把握と町襲撃の目的確認を目標とし、群れと合流するならスマホで他メンバーに救援要請
追跡中はEXISを起動させぬよう武器は仕舞ったまま、【探索・追跡1】もIMDを発するなら使用しない
距離を取りつつ、ヒメバチの向かう方向を用意した地図で確認しながら追う
生存者への襲撃や単なる巡回だと分かった場合、殲滅に移行

●戦闘
銃で先制を取り、高度を保って飛行を続けている間は撃ち続ける。但し回避優先
接近を察知したら盾で一度防ぎ、複数体を射程に捉えたところで刀に持ち替え、
【狂化】【ブラッディクロス】で纏めて始末する

体内に何か植え付けられた場合、まず味方のスキルで治療を受けるが、
違和感があるなら小太刀でえぐり出してから改めて治療する
可能なら摘出物は持ち帰る

●考察
前回の報告書を読む限りでも、人に寄生し繁殖してるのは明らか
恐らく前回の襲撃も数匹程度で、残り大半は犠牲者から生まれたんだろう
寄生からの羽化は恐ろしく早い。この町の最初の犠牲者は恐らく既に……
介錯が必要な場合は、躊躇ってはいけないな

そういや高く飛べない癖にセスナを襲ったのは妙だな
好戦的なところを見るに襲撃前にセスナに潜んでいた可能性は低いし、操縦者が寄生されながらも逃げてきたのか?
となると別に襲われている場所があることになるが、さて。

やむを得ない、は、手を尽くした奴だけが言って良いことだ!
妥協はせず理想に囚われ過ぎず、被害の最小を目指す
結果は全て背負い、事後に求める人には経緯と判断の理由を誠実に説明

まず病院へ。蜂被害者が来ていたら「敵能力解析の為に傷を見たい」と交渉
被害者体内に卵など発見なら医者と被害者に混乱防止に箝口令、後の負傷者の処置は俺が外でやるとシートや器具薬品の提供を願う
無いなら任務に必要だからとだけ説明し借りる
病院付近の広い場所で準備し仲間の怪我人搬送を待ち、到着次第処置
体内からの奇襲や負傷者自体が襲ってくる事に常に警戒
借りた器具と治療キット、医療スキル使用し、
まず死なせない為の処置後、卵の確認と外科的措置での除去。時間勝負と認識し細心の注意は払いつつも思い切りは良く
本格的な治療は余裕を見て病院に搬送で対処、一人でも多く確認、除去を優先
集めた怪我人は【審判の雨雫】範囲に置いて貰う

移動中見かけた被害者含め異常な脈動や膨張、苦悶あれば審判の雨雫即使用
「審判、か。…強くイメージしろ。IMDは想像の力。─【悪夢】のみを滅ぼせ!」

不明スキルが他の可能性も含め治療で分かる事は連絡

治療続行中は戦闘は任せる。声かけあれば回復
劣勢で参戦、銃射撃と適宜回復、仲間の攻撃範囲注意

増殖阻止の為孵化速度と対象数、孵化条件により非情な対処も決断
その場合全員に報告、以降仲間の要請に従う

  • 常在料理人
    森野 紫苑la2123
    放浪者26才|スピリットウォーリア×グラップラー

アドリブ上等!
【心情】「さて、害虫駆除と行くか・・・」
【目的】蜂は全て駆除 可能な限り住民も助ける
【準備】SALFヘルムの通信及びスマホのグループ通話ON 情報は随時共有
【同行者】井木 有佐(la0921)
【行動】
負傷者を治療する井木を護衛
治療中は周囲警戒しつつ負傷者の挙動にも注意を払う
虫が腹から飛び出してくる思われたらダメ元で刀で腹ごと一突きにする
井木が『助からない』と判断した場合は急所を一突きで楽にする

<戦闘>
負傷者の傍でEXISを使わないよう留意
11SQ以内に入った蜂は移動+射撃(範囲外を通過する場合は通信で報告し深追いせず
近接してきたら白兵に換装 間合いと範囲で刀と薙刀を使い分け
2匹以上で攻撃スキル使用 味方が範囲内に居る場合はパワーツイストで識別し攻撃
生命が30を切ったら回復要求
リロードは移動中に行う

・26SQ以内で群れと交戦との連絡があったら井木に一声かけて全力移動で加勢に向かう
「俺が戻るまで無茶はせんでくれよ?」片付いたら全力移動で戻る
 自分が交戦中の場合は片付けてから向う
・3匹以上に迫られた場合は仲間から一旦離れIMDを全開にして自分に引き付ける
 「こっちだ・・・かかってこいよ、虫ケラ共!」バーストクラッシュで一掃

■心情
平和だった街が……むごいねえ
■目的
ナイトメア被害の拡大阻止
■行動
有佐が効率的に治療を行えるよう、負傷者の回収を担当
時間との勝負だ。気張っていくよ

まずは中央施設群にいる負傷者を有佐の元へ連れて行く
ここに隠れている人の中にも負傷者がいるだろうから
病院の医師や看護師、学校の教師に協力をお願いして、素早く負傷者を集めたい
話術1を活用し、SALFピンバッジをつけて信頼性を上げる
「ライセンサーの医師が来ている。ナイトメアによる負傷は特別な処置をしないと手遅れになる可能性がある。負傷者はどこにいるか教えておくれ」

それから街中の負傷者を回収しよう
車を借りる、ダメなら乗り捨てられた車を確保。軽トラックがベター
負傷者を治療場所へ連れて行くと叫びながら徐行運転
予め中央施設群でSNSなどにより、あたしが負傷者を回収することを拡散してもらう
負傷者が戸建ての中にいる可能性もあるからね

仲間とはスマホ連絡

探索中にヒメバチを発見したら、EXISを起動して引き寄せて迎撃
爪翼の攻撃が届かないなら、生命の書でフレイムロード

民間人が襲われそうなら庇う。ジャイアントシールドと祝福で耐えよう

……もしも「手遅れ」だと有佐が判断するようなら、あたしは「ナイトメア」を始末する

寄生させる敵か、得てして寄生虫はおぞましい事になるので、回復させる力の無い俺では、介錯してやる位しか出来んな。

追跡同行者かのどちらかに手を引いて貰うか、服の裾でも掴んで、目ではなく音で羽音でヒメバチの動向を探るようにする
戦闘が目的ではないのでIMD不活性状態で追跡を行うが、羽音から通常と違うものを感知した場合は僚友にも知らせ
活性前段階をとり臨戦態勢に移行、追跡たのヒメバチの音を感知したら回避できるならその方向で無理で遭遇戦となった
場合は、ロードリーで引き付け攻撃を当てやすくする、
『我が身は城砦砕く事能わず』
可能なら攻撃の際羽を切り落として飛べなくなる状態を狙う

戦闘にならず追跡でき、その先に巣などを発見できた場合は、様子を伺いつつ同行者と相談、地図にマーキングを行い
その上で本部へも一報を入れる、出切ることが無ければ他のサポートへと回るように行動

アリアは心配ですが頭を冷静に切り替え
仲間とスマホで情報共有
再装填は移動中又は仲間攻撃時心掛ける。緊急時は別拳銃に
仲間の救援要請時や遠距離の敵発見時全力移動

街中で敵捜索・全力殲滅
既に一戸建内襲撃中の可能性・戦闘時住民を襲う可能性を危惧
セスナ機・最初の二匹とは別方向、中央部から街の各通りを見渡し被害大箇所へ
EXISを起動させナイトメア反応の探知&誘導
追跡は最初の二匹で十分。敵減らしこれ以上の被害防ぐ
追跡班から二匹が近くに来たと連絡有→戦闘中以外は引き寄せ防止で一旦IMD停止
パニック者が外に→落ち着かせ家に隠れるよう指示
怪我人発見→腹の傷有無含めヴァルヴォサに連絡し運んで貰う
(セスナ機を使い餌場を移した?
敵は賢いです。或いは司令塔がいるか
先日の依頼14匹、別荘に12人
寄生した人間を操った、12人の腹から孵化繁殖した等可能性思案
(今やるべき事は一つ。迅速な撃破です

敵発見時
届くなら拳銃、射程不足ならライフルで翅狙いブレイクショット
高度下げ仲間に繋げる
刀で下顎から口縫い留める様に刺突(+毒回避
尾に旋空連牙。斬り落とし毒封じ試す
別スキルを見せるか確認。情報が欲しい

人を殺した事はありません。が、実家の嘗ての裏の仕事は刺客
増殖阻止に必要な措置であると連絡が来たなら躊躇いません
助かる方法聞いたら怪我人治療

殲滅後
可能な限り運搬救助
本格的調査

アドリブ絡み歓迎

「墜落したセスナからナイトメアが出てきたのなら、まだ何匹かそこに潜んでいるかもしれない。どうせ当てもないんだ、とりあえず行ってみよう
「何にせよ、奴らは見つけ次第殺そう。ああ、胸が高鳴るねぇ
【セスナ】
イリス(la3253)と同行
他の仲間とはSALFヘルムとスマホで連絡を取り合う

ヒメバチとの遭遇時は遠ければエクストラバッシュで
近ければ龍震虎砲で攻撃(スキルが切れたら単純に武器で攻撃
「ナイトメアだな、死ね
「あははは!ナイトメアを殺すのは楽しいなあ!
仲間か一般人への攻撃はロードリーオーラで引きつける
ヒーローなんて性に合わないし見ず知らずの一般人なんか守っても仕方ない(と思ってる)のだが
ナイトメアが増えるかもしれないとなると話は別
「餌になりたくなけりゃさっさと逃げな。…って、日本語もドイツ語も分からないか

敵殲滅後の調査においては
・遺体の状態
・どこから来たセスナか(可能なら操縦士と乗員の身分証)
・機内にナイトメアの隠れる場所はあるか
・脱出や不時着を試みた痕跡はあるか(ひいては操縦士はいつまで生きてたのか)
を調べ、セスナに乗ってきたナイトメアの発生源を探る

「考えてた事があるんだ…何故こいつらは、EXISのエネルギーに引き寄せられるのだろうと。こいつらはナイトメアの中でも比較的新しい品種…あるいは、目的があって改造されたのかも、とね

何かあれば仲間とスマホ連絡

===
【セスナ】
1:セスナ内にヒメバチがいないかざっと確認
2:セスナ周囲の被害者を回収しやすいように集めておく
3ーA:回収人に連絡
3-B:こちらで対処可能なら被害者を病院へ運搬
4:街の捜索
5:ヒメバチ殲滅後、本腰を入れてセスナ内の調査
===

◆セスナ班
内部捜査前に意識のある人に安心させるために一言

2の時点では会話で安心させながら状態確認
正確な情報を仲間に伝える

◆戦闘
跳躍による強襲と常に移動して照準の隙を与えないを基本動作とし
手ごろな高さなら大剣
鳳翔必墜:「煌翼刃――輝心、堕天空裂破」
崩撃:「煌翼刃――輝心、螺旋槍」
かなり高いならオートマで攻撃

攻撃への対処は(一般人が後ろにいる等)避けるわけにはいかない状況を除き回避一択
例え飛べなくとも空中機動まで忘れてはいない
「羽虫が…誰相手に空中戦仕掛けていると思っていやがるッ!」
ヤバイ時は飛雀幻舞(跳躍)

倒した敵は数把握と腹をさばいて食事後かを確認
こう見えても戦闘種族グロ耐性は高い

◆調査
1の時に破損や血だまり部分をスマホ撮影し
5の時点で変化ないか比較確認

卵や寄生を疑うのなら孵化の瞬間までは混乱ないはず
少なくとも操縦室のドアがどちら側からの力で穴が開いたかは確認

セスナが巣ではなく苗床の可能性も考慮
壊れた道具や物陰等に虫や卵の気配無いか要確認

スマホで仲間と連絡取り合う

▼目的
救える人を確実に救う

▼行動
まずは発見した二匹の追跡だね!
以前の報告書にも巣を作ろうとしてるんじゃないかって話はあったし
巣を作ってるならここで潰さなきゃまずい!
追跡中はIMDを起動せずバレないように敵の目的を探るよ

戦闘になったら毒を警戒して距離をとり援護
初手で威力高い弓で撃ち
リロードせず銃に持ち替え速度重視で倒す
仲間が毒を食らったらホーリーライト
一般人がいた場合盾に換装し敵攻撃から守る
「今のうちに逃げて!」
巣はしっかり潰しとく

仲間生命半分以下でツインヒール

▼懸念
ヒメバチは寄生バチだよね
殺さずに幼虫を産み付けてるんじゃないの?
孵化するまでの時間はどのくらい?

時間制限があるなら襲われたばかりの人は助けられる
審判の雨雫で寄生部分を取り除けるのなら
寄生された人を出来るだけ集めて使用する
審判で取り除けないなら
「ごめん!ちょっと耐えてね!」
要救助者が卵を産み付けられた部分に小太刀を突き刺し卵が孵化する前に潰す
死にそうなくらい痛いと思うけど、虫に食べられて死ぬよりましでしょ!

虫が人の腹を食い破って出てきたら見た人は間違いなくパニックになって襲われやすくなる
だから「落ち着いて私達の後ろに!敵は強くない!私達の後ろにいてくれたら絶対守るから!」
IMDに多くの力を注ぎ敵の前に飛び出す
皆を守ってみせる

舞うには些か、狭くはないの
もすこし高い空を目指せばよいのに
おいで、
連れて行ってあげましょね


初めの2体追わず街中捜索
他にも蜂が散ってるならば、早めに探していかないと
負傷者が増え続けては切りがない
手当たり次第に探していても切りないかしら
負傷者いれば医療班に伝達し
裂いたさらしを彼らに巻いて目印に

負傷者がいるというのは、蜂が通った証左ですね
さあれば彼らと巻き込み防止に距離を置き
束ね連なる因果
自身のIMDを活性化
さて性質の通りでいくならば、此方においでにならないかしら

分析共に戦闘を
ご存知かしら
青い蝶にも毒があるの
アシッドショットで毒放ち、初手
フォースアローで次手
あんまり戦は好みでないの
だから例え矢から逃げたとて、毒で終わらせられるよう
一般人は庇いましょうね、余所見したら拗ねますよ、なんて


セスナから蜂だとは不思議な事もありますね
張り付かれての墜落ならばいっそ単純明快なのですが
そんな都合のいい夢あるかしら
ヒメバチは、寄生蜂と云いますものね
機体人体精査は任せて街中残党確認を
安全証明出来なくば、状況解決にはならないでしょう?
終わりましたら辺り一帯、放送お願い出来ますか

●伝播する『悪夢』
 硝子の翅を羽ばたかせ、ヒメバチ二体が飛んでいく。マサト・ハシバ(la0581)は足音を忍ばせ、携帯に映した地図を片手にその後を追う。
「単なる巡回か、それとも……」
「どこかに巣を作ろうとしてるか、ですよね」
 アリア・クロフォード(la3269)もその隣でヒメバチの様子を窺う。報告書に記されていた、ヒメバチの不可解な挙動についての予測。彼女達を緊迫させるには十分であった。アリアの袖を軽く引き、西園寺 更紗(la2564)もじっと耳を澄ませていた。
「寄生させる敵か。得てして寄生虫はおぞましい事になるが、俺には介錯してやるくらいしか出来んな」
「そっちは私に任せて。……一人でも多く助けなきゃ」
「いずれにしても、ある程度の犠牲は覚悟する以外ないだろうな。行くぞ」
 三人は息を潜めると、静まり返った住宅街を駆けだした。

 一方、夷守 胡蝶(la3337)と日暮 さくら(la2809)は三人と逆方向へと足を向けていた。確認出来ているだけでも敵は四体。予断を許さない状況だ。
(今やるべき事は一つ。迅速な撃破……)
 前回の任務では、住人が全員死んでいた。犠牲者達が苗床に使われた可能性を、さくらは意識せずにいられない。
「苦しいと思うけれど、我慢をしてくださいね」
 胡蝶はさらしを手に取り、腹部を押さえて呻く青年の腕に巻き付けた。こうしておけば仲間が拾いに来る手筈である。胡蝶は眉尻を軽く下げ、じっと空を見つめた。負傷者がいるならば、近くには寄生蜂もいるに違いないのである。
「日暮さん。武器を構えてくださいな」
「……わかりました」
 一斉にEXISを取り出すと、胡蝶はさくらへ手を差し伸べた。放たれた光が、赤い糸となり、二人の腕を結び合う。起動したEXISが、一際強い光を放った。
「見てください。あそこに」
 さくらはある屋根を指差す。翼を広げた蜂が、鈍いノイズと共に二匹押し寄せてきた。見上げた青年は、恐怖で息を詰まらせた。
「あ、ああっ、あ……」
「大丈夫です。必ずお守りしますから」
 努めて冷静に声をかけると、さくらは拳銃を構え、蜂の翅を撃ち抜く。硝子のように翅が飛び散り、蜂はどさりと落ちた。横目に一瞥、胡蝶も魔導書を捲る。
(舞うには些か、狭くはないの。もすこし高い空を目指せばよいのに)
 青い鱗粉が舞い、胡蝶の右手に纏わりつく。彼女は眼を閉じ、蜂に語り掛けた。
(おいで。連れて行ってあげましょね)
 放たれた光が、蜂を淡く包み込んだ。

 井木 有佐(la0921)は、森野 紫苑(la2123)と共に病院へ足を踏み入れた。既にロビーは人々の呻き声に包まれ惨憺たる有様だ。有佐は怪我人の傍に跪く医者へと駆け寄っていく。
「すみません、SALFの者です。その傷、見せて貰っていいですか」
「……はい」
 医師が避けると、有佐は腹の傷を窺う。青紫の傷口は、不規則に蠢いていた。紫苑は眉の皺を深める。
「おい、何かいるぞ」
「あの報告書の懸念は正しかったんだ。すみません。ちょっと」
 有佐は医師に耳打ちする。真っ青になった医師は、慌てて看護師を呼び集め始めた。只ならぬ様子に、女は声を震わせる。
「なに、なんなの」
「大丈夫です。あなたは必ず私達が助けますから」
 その肩をそっと叩くと、有佐は紫苑を見上げる。
「この女性を病院の外まで運んでくれ」
「外に?」
「ああ。もしもがあった時、中だと収拾が付かなくなる」
「……よし、わかった」
 紫苑は女を抱え上げると、有佐を追って病院の外に出た。医者や看護師が、素早く道路にシートを敷き詰めていく。紫苑は彼女をそこへ慎重に寝かせた。同時に紫苑の通信機が起動する。
『こちら病院より2時の方向、40mで4体と交戦中です。可能であれば援軍を』
 さくらからの連絡。紫苑は空を見渡し、蜂がいないのを確かめる。
「わかった。……行ってくる。俺が戻るまで無茶はせんでくれよ」
「努力はする。楽観視は出来ないけどね」
 刀の柄に手をかけると、紫苑は勢い良く駆け出した。病院から離れつつIMDを起動し、彼は風のように加速する。
「さて、害虫駆除と行くか……」
 音にも迫る速さで走り抜けた紫苑は、さくらと胡蝶の間から飛び出し、一息に刀を抜き放った。緋色の刃に帯びた光が、焔を纏うように揺れた。
「こっちだ……かかって来いよ、虫ケラ共!」
 自らに目一杯蜂を引き付けた紫苑は、輝く刃で周囲を吹き飛ばした。

 ヴァルヴォサ(la2322)は病院そばの学校に飛び込むと、中で縮こまっている者達に叫ぶ。
「ライセンサーの医師が来ている。ナイトメアによる負傷は特別な処置をしないと手遅れになる可能性がある。負傷者は何処にいるか教えておくれ」
 彼女はSALFのピンバッジを指差す。救い手である証だ。服に血を付けた青年は、白くなった唇を噛みながら背後を指差す。
「一応病院には運ぼうとしている。しているんだが……」
 青年は背後を指差す。一人の男が、手負いの獣のように周囲を睨みつけていた。
「来るな、来るな……」
 恐慌したまま男はヴァルヴォサを見上げる。彼女は跪くと、男の肩にそっと手を載せた。
「大丈夫だ。あんたはあたし達が助けるよ」

 炎を上げて燃え盛るセスナ機の残骸。イリス・L・レイバルド(la3253)は素早く駆け寄ると、携帯を構えて写真を収める。肉や血の焦げる臭いは漂うが、ヒメバチの影は見えない。ほっと息を吐くと、踵を返し、茫然とした顔の少年へ歩み寄る。
「大丈夫……じゃないか」
 イリスは顔を顰めた。傷は小さいが、周囲が異様に変色し盛り上がっている。一刻の猶予もあるように見えない。
「もう少し我慢しててよ。すぐに助けが来るからさ」
 励ますように声掛けしつつ、イリスは少年を引っ張り歩道の上に寝かせる。ヨハネス・リントヴルム(la3074)はそんな様子を眺めつつ、周囲を見渡していた。
「セスナにはいなくても、まだ何匹か潜んでるかもしれない。ちょっと当たってみよう」
「わかった。ボクがしばらくここの人を集めておくよ」
 ヨハンは口端をぐいと引き延ばすと、背負った槍を手の内で振り回しながら歩きだす。
「さあ、奴らは見つけ次第殺そう。ああ、胸が高鳴るねぇ」
 数を増やしながら押し寄せるナイトメア。復讐心に満ち満ちた胸を高鳴らせ、彼は通りをぶらりと歩き出した。

●審判の雨雫
 ふらふらと漂っていた二体のヒメバチが、吸い込まれるように一軒家へと向かう。羽音が薄れ、更紗は刀を握る手に力を込めた。
「虫が屋内に向かったか」
「急がなきゃ。誰かが襲われちゃう!」
 アリアは弓を取ってすぐさま走り出す。マサトも背負った大太刀を抜き放ちながら飛び出した。虫は突進で窓を叩き割り、2階から家に忍び込んでいく。
「一刻の猶予も無い。準備はいいな」
 3人は道の真ん中に立つと、一斉にEXISを起動する。家に忍び込んだ2体の蟲どころか、どこからともなくさらに3体ふらふらと飛んできた。マサトは太刀を構え、押し寄せる蟲へ狙いを定める。
「予想していた以上に数が多いな」
『既に犠牲となった者もいると考えるのがよろしいやろうね』
 身の丈よりも巨大な大剣を構え、更紗は真っ先に蟲の群れへ飛び出した。その身に闘気を纏わせると、蟲は翅を唸らせ更紗へと押し寄せる。
『我が身は城砦、砕く事能わず』
 シールドで敵の毒針を受け止めながら、更紗は力任せに大剣を振り抜く。一匹の翅が砕け散り、地面にどさりと墜落した。
「……何とか、一人でも多く救わなきゃ」
 アリアは光の矢を番えて放つ。巨鳥の叫ぶが如くの勢いで矢は飛び抜け、一匹の蟲を撃ち抜いた。そのままアリアは弓をその場に放り出し、銃を構えて引き金を引いた。翅を砕き、確実に敵の機動力を削いでいく。
 さらに大太刀へと有りっ丈の精神力を注ぎ込み、マサトは宙へ飛ぶ。
「一掃する。下がれ!」
 白熱する刃を肩に担ぐと、一息に二度振り抜いた。血染めの十字架が浮かび上がり、蟲を次々と切り刻んでいった。

 一方、ヴァルヴォサとイリスは軽トラックの荷台に怪我人達を載せていた。怪我自体は浅くとも、死の恐怖が人々を震わせ続けていた。
「この近辺はこれで全員だね」
「うん。建物の中からも引っ張ってきたから、もういないはずだよ」
「ありがとう、助かるよ」
 目配せすると、ヴァルヴォサは病院前までトラックを走らせる。耳を澄ますと、胸の奥底をざわざわと撫で回すようなノイズが響いている。彼女は唸った。
「平和だった町が……むごいものだよ」

 すっかり逃げ遅れ、路地裏で縮こまる少女が二人。しかし、空を飛び回る蟲の眼からは逃れられない。みるみる少女へ近づいてくる。少女は恐怖のあまり眼を閉じた。
「ナイトメアだな、死ね」
 刹那、彼方から飛んできた衝撃波が少女の頭上を掠め、蟲の頭に直撃した。蟲は宙へと舞い上がると、道の真ん中に立つヨハンへ突撃を仕掛ける。彼はにんまり笑うと、天から地へと刃を振り下ろし、真っ二つに蟲を叩き切ってしまった。
「あははは! ナイトメアを殺すのは楽しいなぁ!」
 どこか子供のように快哉を上げる。その姿に、少女は怯えて息を詰まらせた。ヨハンは気にも留めない。一般人を守るなど、そもそも意志の埒外なのだ。
「餌になりたくなけりゃさっさと逃げな。」
 ナイトメアに利するくらいなら、助けてやる方がましとくらいは思っていたが。

 麻酔で気を失った女の腹を、有佐は手早く縫い合わせる。傍らには握りこぶし大の蠢く腫瘍が投げ出されていた。
(外科的措置では遅過ぎる……!)
 有佐は額の汗を拭う。ナイフで刺された程度の傷をメスで切り開き、育った腫瘍を切り取る。迅速を意識しても5分かかってしまった。有佐はメスを廃棄用のケースに放り、静かに魔導書を取り出す。
(リスクには成りうるけれど……やはり試すしかないか)
「有佐。怪我人を連れてきたよ」
 トラックで怪我人を掻き集めたヴァルヴォサがやってくる。有佐は駆け寄ると、彼らの怪我をぐるりと見渡す。それぞれ差はあるが、誰の傷口も山のように盛り上がっていた。
「今戻ったぞ、有佐」
 紫苑が東の方から駆け戻ってくる。振り返った有佐は、眉を決して魔導書を開く。
「紫苑君、今から『審判の雨雫』を使う」
 即ちIMDを起動するという事。紫苑は短機関銃を手に取り、力強く頷いた。
「わかった。俺がカバーするから任せろ」
「あたしも行こう」
 紫苑とヴァルヴォサが揃って武器を構える。有佐は書の文言を指でなぞり、眼を閉じた。
(強くイメージしろ。IMDは想像の力)
「――『悪夢』のみを滅ぼせ!」
 白黒に染まった雨雫が傷口に降り注ぐ。その瞬間、幼生が数人の傷から弱々しく這い出してきた。雨に打たれ続けたそれは、そのまま傷から転げ落ちる。効果は覿面らしい。
 しかし、既に育った蟲は違った。突然の攻撃を受け、体内の蟲はやにわに暴れ出す。男は泡を吹いて仰け反った。
「くそっ」
 紫苑は咄嗟に刀を男の傷口に突き立てた。体内の蟲は沈黙したが、代わりに夥しい血が溢れだす。有佐が傷口を開くと、太い血管が引き千切られていた。
「悔しいけれど、今の彼みたいな反応が出たら手遅れだ。羽化する前に仕留めるしかない」
 ヴァルヴォサは拳を握りしめる。既に蜂は10匹ほどこちらに向かって飛んできていた。打ちのめされている暇は無い。彼女は人々が降りたのを確かめ、再びハンドルを握った。
「本当に、酷いことをする」

 暗い屋内。眼を見開いた更紗は押し寄せる蟲に素早く切りかかった。目にも止まらぬ速さで刀を振り抜き、翅を砕く。そのまま更紗は首を叩き落した。しかし次の瞬間、彼女は呻いてよろめく。貫くような頭痛が襲っていた。
(……やはり、まだこれが限界か)
 IMDの力で手に入れた視界。しかし、その力は諸刃の剣だった。彼女は背後を振り向く。
『そちらはどないなっておりますか』
 視線の先では、4人の怪我人を集めたアリアが、今まさに審判の雨を降らせた時だった。傷口が一際大きく蠢き、彼らは悲鳴を上げる。
「ごめんね! 頑張って耐えて!」
 そして、全員助かってほしい。アリアは祈った。一匹、また一匹とその腹から小さな蟲がずるずると這い出し、雨に打たれて腐っていく。
 しかし、一人の腹がぼこぼこと膨れ上がっていく。女は青褪めた。
「いやだ。いや、そんな……!」
 声がくぐもり、口から血が溢れる。マサトは小太刀を抜き放つと、逆手に持って振り上げた。女はいやいやと首を振る。
「許せとは言わん」
 蟲が女の腹を突き破る寸前、マサトは蟲ごと腹を切り裂いた。噴き出した血が天井さえも濡らす。蟲に掻き回された臓腑を剥き出しにし、女はびくりと痙攣した。心臓はまだ虚ろに動いている。更紗は再び目を閉ざすと、素早い剣捌きでその首を刎ねた。
『苦しませる結果となってしもたけど、堪忍しとくれやす』
「そんな……」
 アリアは唇を白くなるほど噛みしめ、死臭の漂う空間に立ち尽くしていた。

 病院に押し寄せてくる蟲の群れ。駆け付けたイリスは、大剣を構えて宙へと跳び上がった。
「羽虫が……誰相手に空中戦仕掛けていると思っていやがるッ!」
 突き出された長い針を捻りで躱し、日輪のように輝く大剣をそのまま振り上げる。
「煌翼刃――輝心、堕天空烈破!」
 遠心力の乗った刃を渾身の力で叩きつける。蟲の体は真っ二つに裂けた。飛び散る肉塊。イリスは地面に舞い降りると、蟲の肉を掻き分け睨んだ。
(……この肉は、人間のものだよな)
 黄色い体液に交じり、赤黒い肉塊が転がっていた。確かめたイリスは、剣を担いで新たなターゲットへと飛び掛かっていく。
 さくらと胡蝶も、病院へ向かう群れを追いかけ中央へと辿り着いた。胡蝶は右手を差し伸べ、青く光る光の矢を放つ。
「余所見したら拗ねますよ?」
 腹を撃ち抜かれた蟲は、宙でよろめき高度を下げる。刹那、さくらが刀を抜いた。
「はっ!」
 振り向いた顎に刃を突き立て、そのまま蟲を真っ二つに切り裂く。深紅の体液が爆ぜ散った。ふと息を吐き、周囲を見渡す。
 荷台の怪我人達に、審判の雨が降り注ぐ。生死の境が厳然と示される。一際大きく腹が打ち震えた二人の男は、言葉にならぬ声を喚いて飛び降りた。一人はさくらへと向かってくる。
「……!」
 通信機で事の顛末は聞いていた。こうなってはもう望みがない。まだ生きていても、その一撃が止めとなっても、出てこないうちに仕留めるのが最善手だと。さくらは刀を構える。
(私は、刺客。殺すべき時に、躊躇っては――)
「若い奴が手を汚すこたぁねぇ」
 さくらの刃が届くよりも先に、男の背を刃が貫いた。傷口が裂け、串刺しになった羽化途中の蟲が飛び出す。飛び散った血が、さくらの装いを斑に染めた。
 紫苑はしかめっ面のまま、病院へ逃げる男を追って駆ける。だが、それより先に、男へ回り込んだヴァルヴォサがその腹を刃で貫いた。男は断末魔の叫びを上げ、その場に倒れる。沈痛な面持ちで彼を看取り、ヴァルヴォサは肩を落とす。
「だからと言って、あんただけには任せられないよ」
「……すまねえな」
 二人は武器を構えて空を見上げる。いつの間にか、街を占めるノイズは消え去っていた。胡蝶は魔導書を閉じ、ふっと息を吐く。

「終わった……でしょうか」

●大義の為
 胡蝶は住宅街の外縁を行く。街中のスピーカーから女性の声が響いた。
「ナイトメアは討伐されました。繰り返します。ナイトメアは討伐されました」
 人々は恐る恐る家から外に出てくる。その姿を見渡し、胡蝶は僅かに眉を開いた。
「これにて幕間、でしょうか」

 紫苑とヴァルヴォサ、有佐はトレーラーの中で深刻な顔を突き合わせていた。
「私達が手を下した分も含めて、犠牲者はおよそ25人……か。多いのか、少ないのか」
「そもそも、強化もなしにただただ繁殖数を稼ぐってのがどうにも変だ。ライセンサーをいびり倒すのが目的なら……まあそれなりに効く奴はいるだろうが」
 吐き捨てる紫苑。有佐は椅子の背もたれに寄り掛かり、天を仰いだ。
「……次までには、何か分かってほしいとこだな」

 さくらとアリアは静かに寄り添う。アリアはすっかり蒼くなっていた。
「なんだか苦しいよ、さくら」
「……アリア、自分を責めては駄目です」
 アリアの頭を撫でると、彼女はさくらの胸元にしがみついた。
「うん。大丈夫。私は大丈夫……」
(もっと強くあらねば)
 妹分の肩を抱き、さくらは改めて心に誓った。

 更紗とマサトは、遺体の回収されていく様子を乾いた表情で窺っていた。
「悍ましい敵だったな。しかも、これもまた氷山の一角に過ぎないんだろう」
 更紗が呟く。マサトは腕組みをし、青空を睨みつけた。
「鍵はあのセスナ……か」

 細い黒煙が棚引いている。イリスとヨハンはセスナ機の残骸を再び漁っていた。明々とした炎が収まった以外は、戦いの前と変わりない。
「ふむ……墜落以外での破損はなさそう?」
 ヨハンも残骸を見渡す。肉片は機体に焦げ付くのみ、脱出も不時着も試みた形跡は見えない。唯一の手掛かりは、操縦士の身分証がメキシコの一地方を示していることくらいだ。
「考えてた事があるんだ……どうしてこいつらは、EXISのエネルギーに引き寄せられるのだろうって……」
 新たなる復讐対象が今も生まれている。憎しみが膨らみ、胸が高鳴る。



「こいつら、ナイトメアの中でも新しい種類だろうね」



 つづく

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