オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【LBC】守り手求む

【LBC】守り手求む 影絵 企我

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
日常 
参加人数
83~8人
予約人数
10010100
基本報酬
200000G
200SP
2000EXP
おまけ報酬
200EXP
相談期間
4
締切
2019/03/20 12:00
完成予定
2019/04/03 12:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●研究室の一幕
「あー……」
 SALF本部、エンジニアリング部門。一人の女が頬杖ついて唸っていた。彼女の名前は来栖 由美佳(lz0048)。ここで働くしがないエンジニアの一人である。
「やあやあ由美佳女史。随分とお悩みのようじゃないか。今度は一体どんなイタズラを試みるつもりだね?」
 肩に乗せられた内藤 メア(lz0058)の手を払いのけ、由美佳は唸る。目の前にあるのは、やたらとメカメカしい一つの小さな盾。
「そんなヒマないんだよ。上もいっきなり難題をふっかけてくれおって……」
「新型EXISの開発か。いいじゃないか。女史だってやりたかった仕事ではないのか?」
「まあそりゃそうだけど。こんな風にぱぱーん! って派手にやられちゃあこっちは身体も予算も足りなくなるのよ」
 メアは口元に笑みを浮かべながら、由美佳の顔を覗き込んだ。
「そこは君が質に入って予算をもぎ取って来ればいいだろう?」
「女房を質に入れてでも見に行かなければ! ってアホか! くだらねえ冗談はいいんだよ!」
 由美佳はメアの頭を引っ叩く。メアは肩を竦めると、テーブルの上に置かれていた盾を手に取った。
「で、これが試作品というわけか」
「そうよ。自力で浮遊する盾の開発をしてほしいっていう要望は以前あったから、いい機会だし作って見ようと思ってね」
「なるほどなるほど。で、飛ぶのか?」
「あったり前でしょうよ。見てなさい」
 由美佳は盾を手に取ると、IMDを起動させる。反応した盾は、光を放ちながら由美佳の周囲をふわふわと巡り始めた。
「ざっとこんなもんよ」
「ほう……?」
 メアは軽くポーズを決め、鋭い回し蹴りを盾へ叩き込む。鈍い音が響いたが、盾はびくともしない。由美佳は左手を盾へと翳したまま、頬杖ついて余裕をかましていた。
「防御力はちゃんと普通の盾と同等のものを確保してるし、試作品といってもそれなりの性能にしてるわよ」
 したり顔の由美佳だったが、メアは首を傾げっぱなしだ。
「ふむ。……しかし、これを聞いてはいけないのかもしれないが、盾を飛ばす事にどれだけの意味があるんだ? 武器の持ち替えをするにはどうせEXISの電源を変更しなければならんし、盾だけ投げつけてカバーリングをさせても、吹っ飛んで紛失しかねないだろう?」
「……一週間クオリティなんて所詮こんなもんだからいいのよ」

●華麗なるシールド捌きを!
 君達は由美佳からの連絡を受け、訓練ルームを訪れていた。待ち構えていた彼女は、仲間を使って君達に小さな盾を配っていく。
「おはようございます、皆さん。今回は新型EXISの性能実験を行ってもらいます」
 君達が盾を起動すると、不意にその手元を離れ、ふわりと飛び回り始めた。
「その盾の名前はサテライト。見ての通り、自律飛行を行うEXISです」
 盾は君達の意志に合わせてふわりふわりと周囲を飛び回る。およそ半径2m程度が可動域のようだ。
「まあ、言ってしまえば試作品第一号が完成したばかりのEXISなので、使い勝手は全く分かってません。なので、今回は皆さんに攻撃を受けて貰って、どんな方向性に改良を進めていけばいいかを考えたいと思います。後はまあ、ついでに何か作ってみて欲しいEXISのアイディアが有れば教えてください。次回までに作ってみようと思いますので」
 彼女が説明している間に、武装した青年――来栖恭一郎がやってくる。夫妻は目配せすると、その手に武器を取る。
「という事で、今日はよろしくお願いします」

メイン 『サテライト』の試験運用をしよう
サブ 『サテライト』を上手く用いて、受けるダメージを減衰しよう

ITEM
☆サテライト
 機械的な装飾の施されたバックラー。所有者の意志に応じて浮かび上がり、所有者の体勢に拠らず防御行動を行う事が出来る。
[ラウンドシールドと同性能。浮遊している]

NPC
☆来栖由美佳
 EXIS『サテライト』の試作品を製作したエンジニア。今回のイベントのお陰で、右に左にと振り回されているらしい。
●ステータス
 スナイパー×セイント Lv10
●攻撃行動
 ブレイクショット→フレイムロード

☆来栖恭一郎
 普段はしがないオペレーターだが、今回はEXISの試験運用の為武器を取った。
●ステータス
 ゼルクナイト×スナイパー Lv20
●攻撃行動
 ライトスラッシュ→クルエルラッシュ

TIPS
☆『サテライト』の素の性能はともかく、プレイング次第で様々な運用が出来る可能性がある。
・攻撃順番は基本的に恭→由→恭→由の順番。BS付与からのコンボに注意。
・戦闘不能にはならないよう手加減される。残り生命力1とかにはされるが。
・先制攻撃はNGだが、反撃はOK。二人のペースを崩すのはあり。
・演習の後に意見を言うタイミングがある。開発してほしいアイテムがあれば打診できる。打診は出来る。

影絵です。
以前に飛行できる盾のアイディアがあったので、この機に作ってみました。
実際に実装されるかはわかりませんが……
額面上の性能は並でも、プレイングの自由度は高いかも……くらいの感じでしょうか。現状は。

では、よろしくお願いします。

まあ、スナイパーの私が盾を使うなんて状況、そうあるもんじゃないけど…
やれるかどうか分からないけど、とにかくチャレンジしてみましょう。

えっと…先制”攻撃”じゃなければOK?
由美佳さんに対してこっちから至近距離に近づいて、視界を邪魔するようにサテライトを飛ばして狙いをつけにくくして回避を試みる。

続いて恭一郎さんの攻撃に対しては、浮遊しているサテライトを蹴って、その反動で横に跳ぶようにして回避を試みる。

フレイムロードはサテライトで防御。
スナイパーなら知覚の威力は控えめ、だものね。

最後は…
攻撃に合わせてサテライトを後ろに飛ばすイメージで、それに捕まって自分の体ごと後ろに引っ張って飛びのくようにして距離を取れないか試す。

…これ、ほとんど盾として使ってないわね…
まあ、盾としても使えるし、こういう使い方もできる…ということで。

後、スナイパーとして、私は守られることが圧倒的に多いわけだけど…
敵の攻撃から仲間に庇って貰って、そこから即座に銃で反撃しようにも、仲間で射線が塞がって撃ちにくいって場合もあったりするのよね。
その点このサテライトなら、盾だけを割り込ませて守ることで、射線を塞いでしまうのを最低限に抑えられる、かも。

このサテライトが、他の武器を構えながらでも併用できるようになれば大幅に利用価値は上がるのでしょうけど…さすがにそれは難しいかしらね?

  • 一雫の平穏を
    世良 杏里la0336
    人間15才|ネメシスフォース×スナイパー

絡みアドリブ大歓迎
(サテライトを自分の周りでグルグル回しながら)「手で持たなくていい盾なんて面白ーい!」
「背中を守るのに良いかなーって思ったけど、結局攻撃する時には武器に持ち替えなきゃいけないんだよねー。」

◆行動
「2mくらいまでは身体から離せるんだね。」
自分の番を待つ間にサテライトの仕様を確認

由美佳と恭一郎の攻撃を受け止めながら、隙を見て近づいて来た相手に向かってサテライトを思い切り蹴っ飛ばしてぶち当て、攻撃に使う
「防御は最大の攻撃アターック!」


◆開発アイテム打診
「魔法の箒型の杖が欲しい!このサテライトみたいに浮遊出来るならもっと欲しい!」
「手で持って振るわなくてもスキルを撃ったり直接殴ったりするのって、すっごく魔法使いっぽいと思わないですか!!」
と、力説する。

・目的
『サテライト』の試験運用

・行動
先ず操作性の体感
どれくらい自由意思で操作出来るのか、その反応速度、そして向きや角度など
様々検証してから試験に臨む

戦闘に於いては銃にしろ剣にしろ、受け止めると言うより斜面を作り受け流す方向で用いる
浮遊と言う面から固定が効かない事、また不明な耐久性も踏まえて検証していく
銃で貫通、剣で両断と、可能性としては低いとしても過度に信頼を置くのも問題である
それら含めての試験運用であろうから

また攻撃手段として、サテライトをフリスビーのように横面にしてぶつけると言った手段も
尤もこの辺りは操作性から来る速度に寄るだろうが
後は単純に視界を遮る遮蔽物として扱うか
EXISとしての同時行使が出来るなら兎も角、出来ないなら普段の装備は通常の刀として運用する
刀の戦術としては抜刀術が主軸
サテライトによる視界封鎖と納刀による刀身把握の妨害、距離感を奪う二段構え
…とは言え、人間相手なら兎も角、ナイトメア相手なら全く役に立たない悪手だが

サテライトの盾としての運用、そして如何に攻撃手段に用いられるか
彼女が試験を通して望むのはそれである

結論として言えば、壁役や支援役が扱う分には有用と思える
前衛が用いるなら他のEXISとの同時運用が前提となるだろう
要するに、彼女には不向きの装備と言える

開発に関しては、嗜好もあるが雷を纏う刀か
敵に副次効果を与えられるが最良

  • ブリキのカメ
    Nonamela1052
    ヴァルキュリア10才|ゼルクナイト×セイント

空飛ぶ盾となー!?何とも面妖な!!我の周囲をびゅんびゅうんとぉー!!
ふおおおおおお面白いですぞおおおおおおお!!!

これをどう使うか、ということですな!?そうなのですな!?
ふーーーーーむそうですなーーーーーーーー
もしも、もしも二つ同時にEXISを起動できるならですが、やはりこのサテライトで防御しつつ、己は別の武器でドッカンドッカンするというのが一般的ではないでしょうか!

あとはそう、これがあれば!!あのアーマーバードのように!!
自由に空を飛べることが出来るのでは!?ではーーー!?
と、我大興奮のまま浮かんだサテライトに飛び乗りますぞ!!サテライトの丸い面を水平にこう、スケボー感覚でですな!!空をビュー――――ンって飛びたいんですぞー!!!

それでこう、空の上から全力移動で相手の射程から外れつつ接近してですな!!
攻撃時は重力に身を任せつつ落ちていき、攻撃をサテライトで受けながらエクストラバッシュとか飛ばしたりなんかしちゃったりして!最後は重力任せにドッカン大剣か体当たりかましたら強くありませんかなこれぇ!!

勿論飛行できなければそれまでですので、その時は派手にスッ転んで転がりつつ、以降は普通に富裕盾で防御、攻撃は他武器、みたいなノリで行こうと思っております!

由美佳の夫と会うのは初めてですね。よろしくお願いします
(…恭一郎?響きに覚えがありますね。恭一郎と由美佳…
やはり…いえ、この話はまた改めて

杏里
学園仲間。元の世界の両親の友人に似ている。名字も同じで面影も…?
アリア
大事な幼馴染かつ妹分
妹分弟分3人もこの世界に来た為、姉貴分の私が一層しっかりしなければと決意
ノナメ
この世界で知り合った友人

盾を使うのは初
「折角の手合わせです。全力でお願いします
恭一郎は私より強いですし勉強させて貰いましょう
ブレイク+クルエルはヘタレ男といずれやる連携でしょうし、ね

夫妻の位置取りを常に確認
由のブレイク→浮遊盾を踏み台にして跳躍+泡沫幻舞で回避(そのまま恭に接近したい
回避低下なんてBS、回避型が受ける訳にはいきません
盾が0.5mなら手元の武器変更は十分隠せます。急いで盾を前方へ

恭のライト→盾を恭に蹴り飛ばし狙いをブレさせつつ回避、或いは威力軽減
盾で見えないように素早く刀に切り替え恭に旋空連牙・心

由のフレイム→武器の切り替えをした為、盾防御不可か
可能なら浮遊盾で防御。不可なら盾で恭の視界を塞ぎつつ背後に回り、恭を盾にする
恭のクルエル→泡沫幻舞で回避
(成程、これがクルエルラッシュですか
銃に切り替え至近距離から恭にブレイクショット

幼馴染と友人達、来栖夫妻に「お疲れ様です
知覚攻撃可能な射程の長い浮遊盾を打診

⚙心情
『(敬礼)その<サテライト>、自分にも試験をさせて頂きたいと思う』

⚙装備
二腕二脚型時に背部に展開するタイヤ部(2つ)にサテライト装着

⚙準備
研究所側に申請
『自分は守る事を第一義としている。その為、ダミー案山子を用意頂きたい』

⚙行動
ダミー案山子から4sqほど離れて準備
スキル<錬武陣>始動
『<サテライト>展開』タイヤ部を浮かせて盾に

意図を読み取りダミー案山子を狙われた時に<サテライト>での防御が可能か、
そして<アリーガード>も使用して<アリーガード>が出来ないか試験
普通に攻撃された場合は<シールド>利用
そして、攻撃として<サテライト>を飛ばし、試験者の手や足を打つ
どこまで誘導距離があるか、射程があるか確認
可能なら威力を増すために回転させる
牽制の為に飛ばすなど、相手の視界を塞ぐように動かすなど
人とは違う単なる純機械らしく遠隔端末感覚で扱う

『今後、<プリーズドオフェール>というスキルも取得予定だ』
『その際、反撃には「攻撃してきた対象が装備している武器の射程内に存在していれば通常攻撃を行う」とある。盾を主とする自分には、このような射程がある盾は好ましい』
『周囲にブレードが付くと威力は増すだろうが、それよりも盾としての本質、固く、硬く、堅く、盾としての機能向上が自分としては望ましい』

飛ぶ盾ですか、利用の仕方を考えれば使えそうですね。

攻撃を受ける前にサテライトの機動性と操作性を確認させていただいてもいいですか
サテライトの起動状況やこちらの行動に対して何処までカバーしてくれるかを確認します

攻撃に対しての防御性も確認します
相手の攻撃後審判の雨雫使用します
この時スキル使用タイミングがわからないようにサテライトで隠します
BS疾患時ホーリーライト使用します
サテライトは自分の目の前に展開せずに飛ばせる範囲限界ギリギリのところで攻撃を受けます
この時攻撃の衝撃をどれくらいサテライトが流せるかの確認も兼ねます
サテライトを飛ばして攻撃が出来るかのを確認します
飛行しているのですから出来れば攻防一体の行動が出来れば良いですね
折角身体が空いていますのでそれを生かした行動が出来ればですが…

可能でしたらこちらのEXISに干渉してスキル効果を上げる盾とかは出来ないですかね?
耐久値を消費して盾を広範囲に展開するバリアのようするとか出来ましたら守りとしても使えるかと思いますが…
万能性は無く、出来ても1回とかでも構わないんですけど

私も戦えるってところをさくらにみせないと!
「さくら!お互い頑張ろうね!」
杏里ちゃんには自己紹介
「私はアリア・クロフォードだよ。よろしくね。」
同じくらいの年の女の子、仲良く出来るといいなぁ
杏里ちゃんとは初対面だけど、何となく見覚えがあるような…(元世界のママの友達に似てる…

▼戦闘
「うわぁ本当に浮く盾だ…!」
かっこいいね!ロマンを感じる!

ブレイクショットからのクルエルラッシュの連携が厄介だから
何とか連携を崩せるようにしたいなぁ
サテライトを持ちながら剣を使えれば良かったんだけど
同時には起動出来ないもんね(むむむ

ライトスラッシュを使ってくるって事は恭一郎さんは近距離攻撃してくれるわけだから
恭一郎さんから狙ってみよう!
「恭一郎さん覚悟ー!」
初手行動順は最後とする(由美佳さんの追撃防ぐため
クルエルラッシュを盾で防ぎ盾を足場にして上を取り、そのまま踵落し
(ブレイクショットも防げたら防ぎたい
踵落しの次は盾使ってインパクトシェル(自身が潰されないよう防御上昇も+

恭一郎さんを倒しきれると思っていないので
怯ませたら盾を目隠しのように使用して
由美佳さんの元へダッシュ
由美佳さんの攻撃は回避狙うが当たっても回復しながら直進
審判の雨雫で自身の回復と由美佳さんへの攻撃を行う
「確定ダメージいくよー!」

自分生命半分以下でヒール使用

●武器は使いよう
「行きますよ。準備は良いですか?」
 由美佳が膝撃ち姿勢を取る。隣には警棒を構えた恭一郎。日暮 さくら(la2809)はそんな二人をじっと見ていた。
(恭一郎と、由美佳……ふむ……)
 やはり何かが引っ掛かる。盾を構えてぼんやり立っていると、その肩をアリア・クロフォード(la3269)がぽんと叩いた。
「さくら! お互い頑張ろうね!」
 二人は微笑み合い、それからアリアは世良 杏里(la0336)にもくるりと振り返った。
「それで、あなたが杏里ちゃんだよね。私はアリア・クロフォード。よろしくね?」
「よろしく、アリア! ……不思議。何だか初めて会った気がしないんだよね」
 杏里はアリアの手を取り、じっと青い瞳を覗き込む。その表情に、アリアはどことなくデジャヴュを感じてしまった。
(何だか、ママの友達に似てるような……)
 しかし、大人二人は考えるのを待ってくれない。恭一郎はさくらに切っ先を向けた。
「……行くぞ」
 素早く踏み込んで来る恭一郎。素早くさくらは盾を飛ばし、一撃をシールドで受ける。
「全力でお願いします」
 いつかあのヘタレ男と連携する時の為に。恭一郎が傾いだ瞬間、さくらは盾を踏み台にして跳び上がった。そのまま木の葉のように身を捻り、彼女は飛んで来た銃弾を躱す。二人の間にストンと降り立ち、そのまま振り返った。恭一郎が今にも警棒を振り下ろそうとしている。その刀身が黒い闇に包まれた。
(成程、これがクルエルラッシュですか)
 盾で受け切ったさくらは、友切丸を起動する。出力を失った盾がはらりと落ちる。素早く踏み込むと、死角から這うような二連撃を恭一郎へ見舞う。恭一郎が受けへ回ったところ、素早く背後へと回り込んだ。彼を盾とし、銃を構える由美佳に鋭い視線を向ける。
「これで、いかがでしょうか」
 恭一郎は間合いを切る。警棒を構え直し、彼はうっすら微笑んだ。
「やるね。じゃあ次は、君だ!」
 彼は杏里に狙いを定め、素早く飛び出す。盾を彼方此方飛ばしていた杏里は、素早く空手の構えを取った。
「こーい!」
 身を伏せながら間合いを詰め、恭一郎は切り上げを放つ。杏里は盾を構えて受け止め、飛び退って間合いを取る。由美佳が銃を構え、スコープを覗き込んだ。
「2mくらいは身体から離せるんだよね。なら……」
 杏里は目一杯に盾を引き離し、由美佳の放った銃弾を受け止める。EXISを通して、全身を縛り付けるようなイメージが流れ込む。しかし杏里はお構いなしだ。思い切り助走をつけ、迫る恭一郎に向かって鋭く盾を蹴り抜いた。
「防御は最大の攻撃アターック!」
「うわっ」
 恭一郎は咄嗟に盾を叩き落す。その隙を埋めるように由美佳が火炎弾を撃ち込んだ。杏里は両腕を交差させ、無理矢理その一撃を受け止めた。
「一発芸ですが、中々面白い事しますね。じゃあ次はアリアさん、行きますよ」
「はい!」
 アリアは盾を取って目の前に浮かべる。近未来的な兵器にロマンを感じながら、彼女は恭一郎に向き直った。彼は警棒を八相に構え、一気に間合いを詰める。アリアは盾を手に持ち、確かに警棒を受け止める。そのまま盾を目の前に手放すと、恭一郎の背後から飛んできた銃弾を弾いた。
「むむむ……」
 アリアは思考の空白に脅かされて軽くよろめく。しかし何とかその場に踏ん張り、大上段から襲い掛かった彼の一撃を真っ向から盾で受け止めた。シールドに軽く罅が入る。それでもアリアはぴょんと飛び跳ね、宙の盾を踏み台にして恭一郎の頭上を取った。
「恭一郎さん、覚悟ー!」
 踵落とし。彼が受け止めたところに、盾を手に取り一撃を叩き込んだ。執拗な上段攻めに、恭一郎は仰け反る。その隙に、アリアは由美佳へ飛び出した。盾を由美佳の眼前へ押し出し、射線の乱れた火炎弾をひらりと躱す。
「確定ダメージ、行くよ!」
 アリアは右手を天へと掲げる。光の雨が降り注ぎ、来栖夫妻に降り注いだ。シールドの光が澱み、二人は思わず膝をついた。
「……流石だね。少し、休憩が要りそうだ……」
 アリアに微笑みかけた恭一郎。息を荒げつつ、その場にくったり座り込んでしまった。

 15分程の休憩を終え、夫妻は再び立ち上がる。その眼の前に立ったのは、アシュレイ・L・ベイリー(la0591)だ。盾を指先でくるくる回転させながら、彼女はじっと二人を見据えた。
「……では、宜しく頼む」
「ああ、行くよ」
 アシュレイは盾を飛ばす。待ち時間の間に、操作の具合は粗方掴んでいた。盾に角度を付けて構え、恭一郎の鋭い突きを盾の表面で滑らせる。そのまま恭一郎の目の前に盾を押し付け、腰を落として一気に間合いを詰めた。
 恭一郎が盾を撥ね退けた隙を突き、彼女は目にも止まらぬ居合を放った。恭一郎はそのシールドで何とか受け止める。
「なるほど。EXISを起動せずに……か」
「……同時行使が出来ればなおよいのだがな」
 暴徒鎮圧ならともかく、ナイトメア相手には全く役に立たない。アシュレイは盾を取ると、今度はフリスビーのように由美佳へ向かって放り投げた。刹那、放たれた弾丸が弾け、盾が明後日の方向へ飛んでいく。
 背後から迫る恭一郎。刀を起動すると、身を翻して刃を交錯させた。アシュレイは火花を散らせながら刀を振り抜き、再び背後へ向き直って火炎弾を受け止めた。
 刀を納めると、アシュレイは地面に転がる盾を見遣った。
「……やはり、私には向かんな。攻めへ用いるには些か力不足と見える」
「なるほど。攻守両面で使えるようにしたいところなのですが……」
 額を叩く由美佳を見遣り、ソレイユ・フラム(la0139)も盾を宙へと放り上げた。
「そういう意味では、私もスナイパーだし、そうそう盾を使う事って無いんだけど……」
 盾を起動した瞬間、光を放って周囲をくるりと巡り始める。ソレイユはちらりと二人を見渡した。
「まあ、とにかくチャレンジしてみましょうか?」
 言うなり、ソレイユは不意打ち気味に飛び出した。恭一郎の一撃を盾で受けると、由美佳の正面を目指し、脇目も振らずに迫った。目一杯に盾を飛ばして視界を塞ぎ、銃弾を躱す。更に前へと勢いよく飛び出すと、盾の縁を蹴って横っ飛びに転回する。
「おっと……」
 恭一郎の一撃が空を裂く。後を追うように飛んできた火炎弾をその腕で易々受け止めると、盾の縁を手に取り背後へ一気に飛び退いた。安全圏に降り立ったソレイユは、肩を竦めて盾を手元でくるりと回す。
「殆ど盾としては使ってないけど……まあ、こんな使い方も出来る、って事で」
 ソレイユの華麗な立ち回り。眺めていたNoname(la1052)は、興奮気味に飛び跳ねた。
「やっぱりこれは面白いですなーー! そう! 我はそれを試してみたかったのでありますぞおお!」
 全身をガチャガチャ言わせながら、ノナメは不意に跳び上がる。足元にサテライトを滑り込ませ、その表面に両足を載せる。
「これがあれば! あのアーマーバードのように! 自由に空を飛べるのでは!? ではーーー――」
 しかし、ノナメが叫び終わらぬうちに盾は墜落した。ノナメはすっ転び、床をゴロゴロ転がる。ノナメはモニターにバツ印を浮かべた。
「空の上から全力移動で接近する我の計画がっ!?」
「無茶だよ、流石に……」
 恭一郎は苦笑する。ノナメは跳ね起き、盾を再び浮かべた。
「ふーーむ、仕方ないですな! なら普通に戦うまでですぞ!」
 振り下ろされた恭一郎の一撃を、ノナメは盾を正面に回して受け止める。更に盾を跳び回らせ、由美佳の銃弾も盾で受け止めた。そこでノナメは盾を頭上に放り投げ、短機関銃を手に取り由美佳へ銃弾を撃ち込む。落ちてきた盾を起動し、恭一郎の袈裟切りを受け止める。
「奇策が出来ないのであれば、オーソドックスに戦うのみですな!」
 火炎弾まで何とか受け切ったノナメは、盾を放り捨てて銃を取り、再び由美佳に撃ち込んだ。彼女は銃を構えて何とか受ける。
「いかがですかな!」
「なるほど……中々、器用にやりますね……休憩を……」
 三十路のエンジニアは息も絶え絶えになっていた。

『サテライト、展開』
 再び15分後、ダミー人形の傍で機甲支援外装サンフィッシャー(la2842)が盾を浮かべる。曰く、『自分は守る事が第一義としている』故らしい。
『ご厚意に感謝する。では攻撃を開始して頂きたい』
「分かった。少し変則的になるが、やってみよう」
 警棒を構えると、恭一郎はダミー人形へと駆け出した。サンフィッシャーは盾を素早く飛ばし、ダミー人形への攻撃を受け止めた。そのまま彼は左手を滑らすように振るい、盾で恭一郎に足払いを仕掛ける。彼は咄嗟に跳んで盾を躱した。彼は盾を自らの正面へ向け直し、飛んできた弾丸を冷静に捌く。恭一郎は心臓部を狙って突きを放つが、彼は正面から受け止めた。連携を前にしてもびくともしない。
「随分と堅いね……」
『その為の機体だ』
 サンフィッシャーは再び盾を飛ばし、ダミー人形へ飛んだ火炎弾を受け止めた。機械らしい、システマティックな操作であった。
『操作性は良好と結論する。試験終了』
「ありがとう。じゃあ、最後……準備はいいかい?」
 荒船 マクシミリアン(la3161)は頷く。自分の出番を待つ間、丹念に機動性と操作性は確かめていた。真剣な顔で彼は頷く。
「ええ、宜しくお願いします」
 警棒を構え、恭一郎が素早く踏み込む。マックスは盾をギリギリまで飛ばしながら踏み込む。剣を叩きつけた瞬間、盾は木の葉のように翻った。
「はっ!」
 マックスは手を空へ掲げる。白黒の雨雫が降り注ぎ、来栖夫妻のシールドを脅かした。由美佳が撃ち込んできた銃弾を盾で受け流し、マックスはそのまま由美佳に向かって走り込む。盾を飛ばして恭一郎を牽制しながら、そのまま盾を背中から正面へと向け直し、由美佳に渾身の一撃を叩きつけた。咄嗟に由美佳は受け止めるが、銃を構える余裕はなかった。
「……こんなところです」
 マックスの残心を見届け、由美佳は溜め息交じりに銃を下ろした。
「なるほど。以上……終わり、ですね」

●開発目標
 汗ばむ首筋をタオルで拭いながら、由美佳は君達を見渡す。短いスパンのスキル連続使用はやはり堪えるらしい。
「ありがとう……ございます。色々、参考に、なりました」
「ええ。この『サテライト』が、他の武器を構えながらでも併用できるようになれば大幅に利用価値は上がるのでしょうけど。私なんかは仲間に庇ってもらう事が多いけど、射線が塞がって撃ちにくい、なんて時もあったりするのよね。これが使えればそういう事も防げそうなんだけれど……さすがにそれは難しいかしらね?」
 ソレイユはサテライトを周囲に巡らせつつ、サブマシンガンを手に取る。しかし引き金を引こうとすると、盾は出力を失い地面に落ちた。
「一応それは考えています。IMDの出力がもっと上がればという話にはなりますが、余剰出力を割り振って……という形には出来るかもしれませんね」
「つまり、我々がもっと強くなれば、実現の可能性はあるという事ですかな!?」
 ガチャガチャと飛び跳ねながらノナメは由美佳に尋ねる。彼女は曖昧に頷いた。
「まあ、無いよりマシくらいにしかならないかもしれませんが……」
 アリアや杏里と労い合っていたさくらが、すたすたと由美佳へ歩み寄る。サテライトを手元に浮かべ、首を傾げる。
「ふむ……それでしたら、知覚攻撃も出来る、より射程の長い盾にすることは出来ないものでしょうか。守りから直接攻めに転じる展開を作りたいのですが」
「うーん……IMDの影響範囲から外れると盾の操作を維持できなくなっちゃうし……」
 悩ましげな顔をする由美佳。やり取りをじっと眺めていたサンフィッシャーは、ふとその手を挙げた。
『今後〈プリーズドオフェール〉を習得する予定の自分としては、今の状態でも操作性は十分に好ましいものと言える。そして、盾の本質は固く、硬く、堅く、だ。ブレードの装着で攻性強化も考えはしたが、やはり自分は盾としての純粋な機能を向上させてほしいと考えている』
「なるほど。固く、硬く、堅く……はっ」
 由美佳はいきなり目を見開いた。勢いよく彼女はタブレットに何かを書き込み始める。
「飛行性能は落ちますが……盾の部分と駆動部をワイヤーで繋ぐ形式にすれば、お二人のアイディアを両立させる事が出来そうですね」
 元気を取り戻した由美佳。その横顔を一瞥しつつ、恭一郎はアリアの方を見た。
「新しく開発してほしい武器はある? 今なら聞いてくれると思うよ」
「うーん。私は今ある武器で十分だし……杏里ちゃんはどう?」
「はいはいはい! 魔法の箒型の杖が欲しい! このサテライトみたいに浮遊出来るならもっと欲しい!」
 杏里は素早く手を挙げた。格好いい魔法使いを目指す彼女にとって、箒はいつか欲しいアイテムだったのだ。
「手で持って振るわなくてもスキルを撃ったり直接殴ったりするのって、すっごく魔法使いっぽいと思わないですか!?」
 精一杯に力説する杏里。その勢いに苦笑しつつも、由美佳は小さく頷いた。
「直接殴る事についてはよくわからないですけど……チャレンジしてみましょうか」
 アシュレイもコートを肩に羽織り、つかつかと由美佳の目の前まで歩み寄っていく。唇を結んだまま、じっと彼女は由美佳を見つめた。由美佳が首を傾げたところで、ようやく彼女は口を開く。
「……私は雷を纏うような刀が欲しいところだ。実際に敵に対して副次効果を与えられれば尚更望ましい」
 ただの“依頼”。しかし、アシュレイの言葉には有無も言わせぬような気迫があった。由美佳も思わず姿勢を正して小さく頷く。
「……了解です。考えておきましょう。荒船さんはどうですか?」
 皆に話が振られていく中、マックスは自分の番をそわそわと待ち構えていた。彼は姿勢を正し、一つ一つ言葉を選ぶ。
「俺は……スキル効果を増幅するようなシステムを積んだ盾が欲しいですね。シールドを広範囲に展開するような事が出来れば、より強力な守りが出来るかと思いますが」
「ふむ……現状の技術ですとどこまで出来るかわからない部分はありますが……」
 由美佳は眼鏡を掛け直し、タブレットに文字を書き足していく。
「あ、あと。出来たらですが……武器の刀身とか剣先がエネルギー体で出来ているような武器とか、出来ないでしょうか? 出来れば鎌とか、大型武器だと良いと思うんですが……その、格好いいかなと……」
「いいですよ。考えてみましょう」
 彼女は微笑むと、最後に文章を書き足しタブレットのカバーを閉じた。
「さて、今日はありがとうございました。また会う事もある筈なんで、その時は是非よろしくお願いします」
 由美佳はぺこりと頭を下げる。その姿は、人格的にも出来た技術者としか見えない。

 彼女の妖しい眼光に、一体何人が気付いただろうか……?

 END?

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