オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 夏だ! 高原だ! 宿題を片付けよう!?

夏だ! 高原だ! 宿題を片付けよう!? 和倉眞吹

形態
ショート
難易度
易しい
価格
1500(EX)
ジャンル
日常 
参加人数
63~12人
予約人数
10010100
基本報酬
0G
160SP
1600EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2020/08/27 12:00
完成予定
2020/09/16 12:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

「もう八月も半ば過ぎかー……」

 ある支部の廊下に設えられているベンチに、疲れたように腰を落とした一人の青年ライセンサーは、まるでその疲れを吐き出したいと言わんばかりに溜息を吐いた。
「あら、どうしたの?」
 そこへ通り掛かった女性オペレーターが声を掛けると、ライセンサーは俯いたまま答えた。
「……夏休みの課題、終わってなくって」
 ポツンと漏れた声は、どこか泣き出しそうだ。課題、というところから察するに、学生なのだろう。
「実は去年も任務と同時進行できなくって、八月の終わりに溜め込んじゃってたんです」
 傍にいた知人らしき少女ライセンサーが、オペレーターに耳打ちする。
「あらま」
 ナイトメアは、人間社会のTPOなど考えてくれない。ましてや、夏休み中の学生諸氏の切実な事情など、もっと汲んではくれない。
「まだ十日ちょっとあるし、いざとなったら学校も考慮してくれるはずだよってって言ったんですけど、ちょうど去年と同じシチュエーションで静かにパニック寸前らしくて」
 否、去年と同じ、とはとても言えない。最近は、場所によってはナイトメアの攻撃も激化している嫌いがある。
 正直、宿題どころではないが、やれることなら期限以内に終わらせるに越したことはないとも言える。
「じゃあちょうどこの支部で主催する高原合宿あるから、参加したら?」
「高原合宿?」
 少女が鸚鵡返しに問い、俯いていた青年も顔を上げた。
「そう。ほら、こないだエオニアとグロリアスベースで夏祭りがあったでしょう。タイミングが合わなくて参加できない人もいたし、社会人のライセンサーにはバカンスも兼ねてってコトで……だから、合宿っていうのも変かしらね。涼しい場所でバカンスついでにちょこっと宿題を減らしたらっていうのは、主に学生ライセンサー向けの募集要項なんだけど……」
 言いながら、オペレーターは、自身が持っていた書類を探って、少女のほうに手渡す。
「詳しく聞きたければ、改めて受付に訊きに来て?」
 じゃあね、と言ってオペレーターはその場をあとにした。

▼目的
・学生ライセンサー→避暑地で少しでも宿題を片付ける。余裕があればバカンスを楽しむ。小学生は自由研究の題材を見つけるもよし。
・社会人、その他のライセンサー→普通に避暑地でバカンスを楽しむ。学生ライセンサーの勉強を見てやるもよし。

▼立地、その他
某避暑地。宿泊は、現地のホテル。

▼ホテル近隣
・アウトレットモール(巡回バスで片道十分位)
・遊園地
・森林、湖

▼ホテル施設
・敷地内に、普通のホテル、コテージ風宿泊施設など、棟が分かれている
・ラウンジ
・レストラン…和洋中、イタリア料理(朝夕は別途食堂でバイキング)
・プレイスペース…卓球場、カラオケ、プール、ゲーセンなど
・お土産コーナー
・温泉
・敷地内に森林と川の流れる場所もあり
・プラネタリウム(本物の星空も見られる)

▼スケジュール
食事の時間帯以外は自由。
涼しい立地を利用して宿題を片付けるもよし、観光に出るもよし。
日程は二泊三日。

一日目:マイクロバスを利用する人は、午前九時に支部に集合、出発。
昼食からもう自由。
現地に直に行く人は、午後一時には現地入りすること。
夕食は、皆で揃ってコース料理の予定。

二日目:朝夕食はバイキング。朝は六時から九時まで。夕食は午後六時から午後九時まで。昼食は外で食べるも自由。ホテル内にレストランもあり。

三日目:朝食バイキングは二日目と同じ。チェックアウトは午前十一時で、現地解散。
その後、周辺を観光するもよし。
マイクロバスに乗る人は、その時点でホテルエントランスへ集合。

▼備考
・今回、事件らしい事件は起きない想定です。
バカンスを思い切りお楽しみ下さい。
・勉強風景、観光するなど、ご自由にお書き下さい。
上記以外の施設でも、余程、避暑地の立地、描写から外れているなどがなければ、基本的には採用します。
・同室希望、一緒に行動等の場合は、お互いにプレイングを合わせて下さいますよう、お願いします。

お久し振りです。残暑見舞い申し上げます。和倉眞吹です。
これが残暑だとは信じられない位毎日暑いですが、皆様、如何お過ごしでしょうか?

さて、今回は避暑地に行くシナリオです。
任務の合間の癒し……いえ、お勉強を片付ける方もおられるでしょうか。
とにかく、いつも通り、自己紹介欄、及び告知欄をご一読の上、ご自由にリプレイお書き下さいませ。
皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げております。

▼心情
……最近、戦ってばかりもあったし、のんびりしたい、ねぇ?

▼同行者&ホテル同室希望
幼馴染兼恋人の水無瀬 奏(la0244

▼行動
・一日目
バスには乗らず、現地に奏とのんびり集合
昼食後は、奏の宿題タイム
俺は煙草吸いつつ奏の宿題を見てやりながら音響関連の本を読む
「……勉強もしっかりしないと、な?(奏の頭を撫でつつ
「……数学は公式覚えりゃ、大丈夫

夕食のコース料理は堪能
酒は欠かさず(

酒で眠くなってこの日はそのまま倒れて寝てしまう←

・二日目
朝は二日酔い(
朝夕食のバイキングは色々なものを少しずつ取って食べる
「……こういうのも楽しいもん、だな?

昼食は和食にしてみる
「んんぅ、やっぱり和食が一番落ち着く、ねぇ?

午前中は宿題がきっちり終わったのをチェックしたら、この日はゲーセンで遊ぶ
主に奏と音楽リズムゲーム対決
「……まぁ、やってみるかねぇ?

午後は地元農家の人の主催のスイカを収穫して食べる体験イベント奏と共に参加
縁側で種飛ばし(
「……夏、だな(

温泉も最後に堪能
この日は奏と共にゆっくりしつつ夜は一緒のベットで休む

・三日目
朝飯食べたら現地解散
その後、奏と観光に向かい奏が欲しがるお土産を買ってやりそのまま2人で一緒に帰る
「……仕方ない、な。買ってやる、よ(苦笑

  • 太陽の守護者
    吉良川 奏la0244
    人間17才|スピリットウォーリア×グラップラー

心情】「夏休み!縁側でスイカを食べたりできるかな?(わくわく
目的】宿題を終わらせつつ鳴くんと高原で遊ぶよ!
同行者】恋人の鳴くん(la0075
行動】
>1日目
バスには乗らず、鳴くんと一緒に現地へ向かうよ
昼食後はひとまず宿題をするね
「今年で卒業だから頑張らないとだよ!
「体育とか音楽は得意なんだけど…、あと語学は得意だよ!
「数学とかは知らなくてもそんなに困らないし……

夕食後、鳴くんが早々に寝てるのを見て「依頼続きで疲れていたのかな?私も早めに寝よっと

>2日目
宿題が終わったらゲームセンターへ
「やっと終わったよっ。これから遊ぶよ!
「ゲームなら、負けないよ!
午後は地元の農家の人が主催しているスイカを収穫して食べる体験イベントに参加
「スイカを縁側で食べたい!
収穫したスイカを民家の縁側で種を飛ばしたり
「夏といえばこれだね!

終わったら温泉に入ってその後、鳴くんと寝る

>3日目
朝食食べたら現地解散で
鳴くんと観光してお土産を買ってから一緒に帰るよ
「あのペンギンさんのぬいぐるみがほしい!

  • 寡兵よく大群を破る
    神上・桜la0412
    人間10才|ネメシスフォース×セイント

・合宿というのも初めてなので参加。といいつつバカンス気分。
宿題は特にないので遊ぶ気満々だが、宿題が大変そうなら気が向いた時に教えたりも。
移動はバスに乗って皆と移動。合宿の雰囲気を楽しむ為に。
「これから大変になりそうじゃし、今のうちに十分に休息取っておかねばの」

・観光:湖やアウトレットモールを回りまったりと過ごす。
湖では周辺の散策と可能ならボートでも借りたり。
モールは色々とお店を見て回りつつ、小隊員へのお土産散策。小物と食べ物、縫いぐるみ中心に。
BBQとかする場合は喜んで参加。料理の手伝いをしようとするが、手伝わせるとダークマターが生成される。
「まだ暑い季節じゃがここは涼しくてよいのぉ。過ごしやすいのじゃ」
「む、この縫いぐるみは隊員に似ておるの。小隊に置いておいたら紛らわしくて面白そうじゃな…」

・勉強:教える時はスパルタ式。意外と厳しい。
昔、両親に同じように教えられたのでそれが普通だと思っている。
「ふ、我に教えを乞うとはいい度胸じゃ。ビシバシ教えてやるから覚悟するのじゃ」

・夜は食事を楽しんだ後、温泉を堪能。結構長い時間入っている。
肩まで入ってまったりと。部屋は一人部屋でぐっすり。
「この温泉の効果は…なるほどのぉ。どうせなら豊胸効果もあるとよかったのじゃが…」

【心情】
避暑地でのモデル写真撮影に来たわ!ベストショットを大量に撮るわよ!
今回は自画像や風景画も描くわよ。あたしの活躍の場は、モデルだけに留まらないわ
え、学生の子達の授業をやってくれって…?英語、水泳指導とか美術の宿題持ってる子なら、教えられそうだけど

【目的】
避暑地で写真撮影やバカンスを満喫

【準備】
赤いセクシービキニ、サマードレス、カメラ、ペンや美術画材
写真撮影許可貰う

【行動】
共通
水着やサマードレス姿で、避暑地の各所で写真3で写真を撮影
バイキングでは、美容を重視して肉・魚・ヨーグルト・フルーツ等バランス良く摂る
炭水化物系は米・パン・パスタと毎食変える

1日目
ビーチでフラッペをデザートにしながら写真撮影をしたり、水泳2で海を泳ぐ
また、水泳の指導が必要な人がいるなら泳ぎを教える

2日目
絵画3で、避暑地の川の流れる森林を描く
需要があれば、美術(絵描きや撮影技術)を教える

温泉に浸かる様子
ふふっ、やっぱり温泉は癒されるわね~
毎年挑戦してるけど、この入浴シーンも撮影したいわね

3日目
お疲れ様~。ゆっくり観光したいけど、すぐ次のお仕事があるのよね~

【心情】
夏!海…ではないですけど、涼しい川辺!肉にお酒ー!!!
【目的】
バカンスを目一杯楽しむ
【行動】
出発前からクーラーボックスを両肩に掛けてスタンバイ
中は勿論キンキンに冷えたビールにジュース、BBQ用の分厚いお肉
バスの中から飲み始め、周りの方々にもお裾分け
ホテルに着いたら冷蔵庫に食材をしまってまったり
1日目は明日に備えてゆっくりする

2日目は6時と同時に朝食バイキングへ
がっつり食べたらクーラーボックスにザックを背負って敷地内の森の中へ
川辺の開けた所まで来たら木々の間にタープを張りキャンプ地とする
「ここをキャンプ地としましょう!」
タープを張ったら薪集めへ
乾いた枝と松ぼっくり、杉や松の葉を集める
地面に少し穴を掘るとその周りに石を置いて竃作り
焚きつけと枝を組み上げて、準備が出来たらファイヤスターターを使って火を熾す
火が育ったら、ダッチオーブンを置いてその上でステーキを焼き上げて
川の調べを聴きながら、焼き上がったステーキをビールで流し込む
十分堪能したら、焚き火を燃やし尽くして穴を戻し
痕跡を残さず、夕食までにはホテルへ帰る

その後は帰るまでホテルでぐだぐだと



  • 情熱カレーで元気よ届け
    岩波レイナla3845
    人間16才|スピリットウォーリア×ゼルクナイト

避暑地なら涼しいもの。宿題なんて楽勝よっ!!そしてバカンス!!
「残りは数学と科学ね。2教科ならいけるわっ

うん。そうよね。涼しいからって問題が解ける訳じゃないわよね。
「ぜっん全然、解んないじゃないの!
別に頭が悪い訳じゃないとは思うのよ。そうよ。問題が悪いのよ。

こういうのって考えても解んないのよね。大体誰が決めたのよ。1+1=2とか!
うー。独りで考えてても全然解んない。でも聞く勇気なんてないし……。
初対面の人に『此処が分らないんですけど教えて貰えますか?』なんて微笑みながら言える訳ないじゃない!
もう、独りで頭を抱えるのなんて嫌よー。
「だぁっ!もう、こんな問題出すんじゃないわよ!!
此処で助けの船が出して貰えるとしたら、神か、適当かしかないじゃないっ!

でも、夕食美味しい。なんてうっとりしてる場合じゃないわね。
まだ完全に残ってる分あるなんて!あんなに頑張ったのにー!!
コレ徹夜コース?徹夜で勉強なんてありえないわ!泣いてやろうかしらっ!
「って言っても泣いても解決しないのよね…
出来るだけ頑張って、息抜きに温泉だけでも入らせて…そして少し位バカンス気分を…。

「終わったーっ!!
って、バカンスも終わりじゃないのよっ!宿題だけしかしてないじゃないのよー!!

 午前九時。
 支部前の集合場所に立った一人、レイヴ リンクス(la2313)は、クーラーボックスを両肩に掛けてスタンバイしていた。
 中身は勿論、キンキンに冷えたビールにジュース、BBQ用の分厚いお肉だ。
 彼の脳内は、
(夏! 海……はないよね、高原だし……でも、涼しい川辺! 肉にお魚ー!!!)
 という具合でバカンスを目一杯楽しむ計画でいっぱいだ。
 その傍には少女が、やはり荷物と共に佇んでいた。少女、こと、神上・桜(la0412)は、合宿というのも初めてだという理由でこの場にいた。と言いつつ、宿題は特にないので、気分はすっかりバカンスだ。要は、遊ぶ気満々である。
 移動をバスに決めたのは、合宿の雰囲気を少しでも楽しむ為だ。
「これから大変になりそうじゃし、今の内に十分に休息取っておかねばの」
 やがてやって来たマイクロバスに乗り込みながら呟いた桜に、先に席に着いていたレイヴは「そうですよねぇ」と相槌を打つ。
「あ、これ、よかったらどうぞ」
 愛想良く続けながら、レイヴが携えていたクーラーボックスを示した。
 中にはよく冷えた飲み物が入っている。
「かたじけない」
 短く礼を言って、桜はジュースに手を伸ばす。その間にレイヴは、ほかの同乗者にも飲み物を手渡しつつ、自分は早速ビールを呷っていた。
「ところで汝は何ぞバカンスの目的があるのかの」
 桜に話を振られたユリア・スメラギ(la0717)は、やはりレイヴに貰った飲み物の缶を片手に、「あたし?」と小首を傾げ、次の瞬間には胸を張った。
「勿論、避暑地でのモデル写真撮影に来たわ! ベストショットを大量に撮るわよ!」
「ほう。興味深いの」
「今回は自画像や風景画も描くわよ。あたしの活躍の場はモデルだけに留まらないわ」
「では汝は?」
「宿題だけど楽勝よっ!! そしてバカンス!!」
 『バカンス』の答えのほうに力を入れた岩波レイナ(la3845)は、手に持ったジュースの缶を握り潰しそうに拳を握る。
「避暑地なら涼しいもの」
「なるほど、確かに」
 携帯していた摘みを口に含みながら、レイヴが話に加わる。
「ところで何の教科の宿題なんですか?」
「残ってるのは、数学と科学ね」
 プルタブを起こしながらレイナが答えた。すると、ユリアが「あら、残念ね」と言いながら開封した缶に口を付ける。
「何が?」
「実は、学生の子たちの授業もできればやって欲しいって支部に軽く言われてたのよね。英語か水泳指導か美術の宿題持ってる子なら教えられそうだったんだけど」
「そうなの? でも大丈夫! 二教科ならいけるわっ!」
 レイナは、このあとそのたった二教科にとことん悩まされる羽目になるとは夢にも思わず、ジュース缶を傾けた。

「……最近、戦ってばっかりもあったし、のんびりしたい、ねぇ?」
 そんな呟きと共に、吉良川 鳴(la0075)は到着したホテルを見上げた。鳴は、先頃恋人となった幼馴染み・水無瀬 奏(la0244)と二人、バスを使わず現地へのんびり直行するほうを選んだ。
「夏休み! 縁側でスイカを食べたりできるかな?」
 わくわくした表情で奏は鳴を伺う。
 実は調べたところ、地元の農家が主催しているスイカ収穫の体験イベントがあるらしいのだ。
「……勉強もしっかりしないと、な?」
 鳴は微苦笑を浮かべて奏の頭を撫でる。
「大丈夫! お昼のあとでひとまずやるから!」
 奏は彼を見上げ、満面の笑みを浮かべた。
「今年で卒業だから頑張らないとだよ!」
「……その為にも、まずは昼食、だな」
「うん!」
 二人は微笑み合って手を繋ぎ、チェックインの為にカウンターへ足を向けた。

 その数分後、マイクロバス組も到着し、各々チェックインを済ませた。
 レイヴはその足でさっさと割り振られた部屋へ向かう。
 冷蔵庫へ食材をしまって、明日に備えてゆっくりまったりする予定だ。

 他方、桜はひとまず、夕食まで近隣を観光することにしていた。
 モールと湖近辺の散策、どちらがいいかと考えつつ、部屋に荷物を置いて、必要なものだけ持って出直したところで、ちょうどモールとホテルの間の循環バスが来たのでそれに乗り込んだ。
 十分ほどで到着し、モールにあるお店を色々と見て回る。
 来たばかりでまだ早いかとは思ったが、ほかにも回る場所はありそうなので、小隊員への土産を探してモール内を散策した。小物と食べ物、縫いぐるみの店を中心にブラブラと歩き回る。
「む、この縫いぐるみは隊員に似ておるの。小隊に置いておいたら紛らわしくて面白そうじゃな……」
 手にした縫いぐるみが某隊員と間違われる様を思わず想像して、桜は小さく吹き出した。

 ユリアはチェックインを済ませると、荷物を部屋へ運び込み、早速ホテル内のプールへと向かった。
 更衣室で赤いセクシービキニに着替え、軽く上着を羽織る。プールサイドでフラッペをオーダーし、持ち込んだカメラとスキルで写真撮影を開始した。勿論、撮影許可はしっかり貰ってあった。
 シャッターを切り続けることしばし。フラッペを食べる為の撮影中断を挟み、取り敢えず満足した時点で立ち上がると、プール内にさっと視線を走らせる。
(水泳の指導が必要な人がいれば教えようかと思ったけど……)
 見たところ、この場にその必要がありそうな者はいなさそうだ。
 淡い笑みを浮かべ、上着を椅子の背に掛けると、ユリアは颯爽とプールへ飛び込みスキルを展開した。

 昼食後、奏と鳴はホテルのラウンジにあるテーブルセットを一つ陣取っていた。
 鳴は煙草を片手に音響関連の本を読みながら、奏が宿題に取り組む様を見守る。
「体育とか音楽は得意なんだけど……あと語学も!」
 ブツブツ言いながら彼女が取り組んでいるのはどうやら数学らしい。
「数学とかは知らなくてもそんなに困らないのになー……」
「……数学は公式覚えりゃ、大丈夫」

 そんな、鳴の呟きに近いアドバイスは、たまたま近くで同じように宿題と取っ組み合っていたレイナには何の役にも立たなかった。
(……うん、そうよね。涼しいからって問題が解ける訳じゃないわよね……)
 全く進んでいない宿題を前に頬杖を突く。その目は、問題ではなくどこか遠くを見ていた。
(こういうのって考えても解んないのよね。大体誰が決めたのよ。1+1=2とか!)
 公式覚えれば大丈夫、という自分ではない相手へのアドバイスもチラリと思い浮かべて一応実行してみる。しかし。
「全っ然、解んないじゃないの!」
 バン! と若干高い音を立てて拳とテーブルが衝突する。
(別に頭が悪い訳じゃないと思うのよ。そうよ、問題が悪いのよ)
 出題者にしてみれば何とも理不尽な文句であるが、まだどれほども宿題を片付けられていない状態の彼女にそれを慮る余裕はない。
(うー、一人で考えてても全然解んない。でも聞く勇気なんてないし……)
 テーブルに突っ伏しながら、チラリと斜め後ろに座るカップルに目を向ける。
(初対面の人に『此処が解らないんですけど教えて貰えますか?』なんて微笑みながら言える訳ないじゃない! もう、一人で頭を抱えるのなんて嫌よー)
 言葉とは裏腹に、半泣きになりながら頭をかきむしりつつ、結局レイナはその後もテーブルに突っ伏し続けていた。

「……あれ」
 夕食のコース料理をたっぷり堪能したあと、部屋へ戻って少し目を離した隙に、鳴はベッドに倒れ込んでいた。
 奏がそっと近寄っても、すっかり夢の中のようだ。
(依頼続きで疲れていたのかな? お酒も飲んでたし眠くなっちゃったのかも……)
 微苦笑しながら、彼を起こさないようにそっと掛け布団を彼の身体に引き上げる。
「私も早めに寝よっと」
 小さく呟いた奏は、ひとまず就寝前の洗面の為に寝室をあとにした。

 二日目、朝六時。
 開店と同時にレイヴは朝食バイキングに突進した。
 少し経つと、見覚えのある顔もそうでない客たちも、三々五々、レストランに現れ思い思いの席に着く。
「おはようございます」
「おはようございます」
 艶やかなサマードレスで現れたユリアも、にこやかに挨拶を返しつつ料理をチョイスする。
 内容は美容を重視して、肉・魚・ヨーグルト・フルーツなど見事なバランスの良さだ。米、パン、パスタなど、数種ある炭水化物系は毎食変えることに決めていたが、今朝はパンを選んで、ひとまず席に戻った。
 その頃、奏と共にレストランに来た鳴は、二日酔いが残っているのか何ともぼんやりとした顔付きだ。
「鳴くん、大丈夫?」
「……ん」
 気遣わしげに鳴を覗き込みながら、奏が席を選ぶ。
「荷物見てるから、先に行って?」
「……ん」
 笑顔で手を振る奏にチラと視線をやって、鳴もようやく口元に微笑を浮かべた。
(……こういうのも楽しいもん、だな?)
 脳裏で一人呟きながら、色々なものを少しずつトレイの皿に載せた。

「やっと終わったよっ。これから遊ぶよ!」
 持っていた筆記具を放り投げる勢いで、奏が両手を挙げた。
 昨日の続きを、今日は朝食から戻ってそのまま部屋で片付けたのだ。鳴も奏の言葉が本当かどうかをきっちりチェックする。
「……ゲーセン、か?」
 ホテル内プレイスペースにそれがあるのは、昨日確認済みだ。
「うんっ! ゲームなら負けないよ!」
 終わった宿題を適当にテーブルへ重ね、早く行こうとばかりに奏が鳴の腕を引っ張る。
 半ば彼女に引きずられるようにしてゲーセンエリアへ辿り着き、最初に目に付いた音楽リズムゲームで彼女と対決する流れになった。
「……まぁ、やってみるかねぇ?」
 苦笑しつつ勝負の舞台に上がったあとの展開は、音楽も得意とする彼女相手には中々厳しくも、やはり楽しいものだった。

「まだ暑い季節じゃが、ここは涼しくてよいのぉ。過ごしやすいのじゃ」
 桜は今日は一人、ホテル近くの湖畔をのんびり散策しながら、爽やかな空気を吸い込んだ。
「どこかにボートでも借りれる所がないかの」
 カウンターで聞いておけばよかったか、と思いながら目をやった先に、何やらタープが張られているのに気が付いた。

 朝のバイキングでがっつり食べたレイヴは、その後、クーラーボックスを肩に掛け、ザックを背負って敷地内の森の中へ揚々と出発した。
 やがて湖畔を抜け、川辺の開けた場所へ出ると、ザックとクーラーボックスを下ろす。
「ここをキャンプ地としましょう!」
 一人宣言して、早速ザックの中からタープを張る為の道具を取り出した。手早くタープを張ると、薪を集めに森へと分け入る。
 乾いた枝と松ぼっくり、杉や松の葉を集め、キャンプ地へ戻ると、そこには小さな少女がタープを見上げるようにして立っていた。
「あれっ、神上さん?」
「汝だったか。何をしておるのじゃ?」
「見ての通りですよ。ここは臨時のキャンプ地です」
 にっこり笑って答えながら、レイヴは抱えていた薪を一旦地面へ置いた。
 地面に少し穴を掘り、その周りに石を置いて竈を作り始めると、桜は興味津々といった顔でレイヴの作業を覗き込んだ。
「もしかして、BBQでもするのか?」
「正解です」
 焚き付けと枝を汲み上げ、準備ができたところでファイヤースターターを使って火を起こす。
「何ぞ、手伝うことはないかの?」
「そうですねぇ……じゃ、火が育ってからダッチオーブンセットするんで、野菜焼いて貰っていいですか?」
「了解なのじゃ!」
 勢いよく手を挙げ、野菜を刻んだまではよかったが、程なく野菜の何割かは残念なダークマターに姿を変えてしまった。
「……えっと……すまぬ」
 シュンとして謝る様を見ても分かるが、決して彼女に悪気はない。ただ、少々不器用なだけだろう。
 そう断じたレイヴは、「じゃあ、見学しててくれますか」と苦笑混じりに告げた。
 桜も、これ以上自分が手を出すと食べるものがなくなるのは理解したようだ。小さく頷いてレイヴの作業を凝視し始めた。
 レイヴは、ステーキをダッチオーブンへ載せる。
 ニンニクと香辛料をこれでもかと効かせ、焼き目がついたら蓋をして弱火でじっくり肉汁を閉じ込め焼き上げていく。
「美味そうじゃの」
 ヨダレを垂らさんばかりに言う桜に、「ですね」と自画自賛のごとく返す。ステーキを火から下ろし、無事な野菜を軽く炙ったものを添えて、彼女にも分けてやった。
 川の調べを聞きながら、ビールで流し込むステーキはまた格別だった。
 ソロキャンで飯テロができれば最高だと思っていたが、人が複数人いればそれはそれで楽しいものだ。

 ――と思っていたが、反対側の川縁では、ユリアが避暑地の川の流れる森林を、スキルを展開しながら描いていた。傍には、この為に持ってきたペンや美術画材が置かれている。
 風に乗って漂ってくる焼き肉のいい匂いは、カンバスに向かうユリアの鼻先をもくすぐった。
 職業柄、何でもかんでも食べたいだけ食べる、というわけにはいかないものの、食べ物の匂いを美味しそうと思うかどうかはまた別だ。
 せめて絵描きや撮影技術の指導の需要でもあれば気も紛れるかも知れないが――
(……仕方ないわね)
 ひとまず、香りだけで満足しよう。ニコリと一人微笑すると、ユリアは深呼吸しながら、改めてカンバスに向かい合った。

「んんぅ、やっぱり和食が一番落ち着く、ねぇ?」
 昼食を外の和食レストランで済ませた鳴と奏は、午後から始まるスイカ農家の体験イベントに参加する為、会場へ向けて歩いていた。
 資料によると、スイカを収穫して食べる体験イベントだ。
「夏と言えばこれだね!」
 という奏の主張によって参加することにしたのだ。
 程なく見えてきたスイカ畑には、鳴たちのほかにも参加希望者が集まっている。
「それでは皆様。本日はどうぞ宜しくお願いします」
 という主催者の挨拶から始まり、集まった近隣住人も共に、教わりながら皆で収穫した。
「スイカを縁側で食べたい!」
 と、これも奏の主張だったのだが、後半のイベントは民家の縁側から種を飛ばし、飛距離を争うというものもあった。
「……夏、だな」
 自分のあとで競技に参加している奏を見ながら、鳴も楽しそうに微笑した。

「……堪能しましたねぇ」
「うむ。誠、美味かったのぉ」
 食後、川辺からの風を感じながらしばらく風景を眺めたあと、レイヴは立ち上がった。
「じゃ、僕は焚き火が燃え尽きるまで付き合って、後始末してから帰ります。夕食までには戻るつもりですけど」
「そうか。すまんな」
「いいえ」
 とは言え、食べし食べておいて、片付けを全部任せるのも気が引ける。桜も、周辺のゴミを適当に集めてから、その場を辞した。
 レイヴのほうは、桜を見送ったあと、言葉通り焚き火を燃やし尽くすと穴を埋め戻す。痕跡を残さず、キャンプを張る前の状態を完全に復元してから自分もその場を立ち去った。

 桜は湖でしばしボートに乗り、のんびりとまた歩いてホテルまで戻る。
「――だぁっ! もう、こんな問題出すんじゃないわよ!!」
 ラウンジの前を通り掛かった直後、叫び声がその場に響き、全員がそちらに視線を向けた。桜も、その一人だった。
 しかし、声の主――レイナはそれを気にする余裕はないらしい。
「此処で助けの船が出して貰えるとしたら、神か、適当かしかないじゃなーいっっ!」
 キーッ! という悲鳴と共に、鉛筆が彼女の手から放り出され、桜の足下に転がる。
「……何やら困っておるのか?」
「へ?」
 半泣きになったレイナが、腕を上げた状態のまま後ろを振り向いた。
「ほれ、落としたぞ」
「え、あ、ああ……ありがとう……」
 ノロノロと腕を下ろしたレイナは、若干目を逸らしつつ、ボソボソと礼を言って桜から鉛筆を受け取る。
「もしや、宿題が全く進んでおらぬとか」
「あああ言わないでぇえ~~」
 痛いところをズバリ刺されたレイナはテーブルに突っ伏した。
「我でよければ力になろう。何が解らぬのじゃ?」
「……ホントに?」
 一瞬、耳がピクリと動いたような気分で、チラリと目を上げる。
 すると、桜は「女に二言はないわい」と言いながら、レイナの向かいへ腰を下ろした。
「残り時間は少ないぞ。さあ、さっさと掛かろう。どこが解らぬのじゃ」
「あっ……あ、ありがとう!」
 地獄に仏とはこのことだ。いや、神だ。適当などという軽いものではない、神が降りてきた。
 感極まりながらガバリと身を起こし、テキストを掴んで解らない箇所を端から示す。
「……要するに全部じゃな」
「……うう、まあ……」
 身も蓋もない指摘に、またもやレイナは瞬時目線を泳がせる。しかし、恥じらっていても解らないものは解らないのでどうしようもない。
 意外なところから差し出された助けの船へ乗る以外に道はないのだ。
「……宜しくお願いします」
 恥をかなぐり捨て、やはりモソモソと言いながら改めて頭を下げる。
 すると、桜はニヤリと唇の端を吊り上げた。
「ふ、我に教えを乞うとはいい度胸じゃ」
「へ?」
「ビシバシ教えてやるから覚悟するのじゃ」
「えっ、えええっ?」
 だって教えてくれるって先に言ったのそっちじゃーん、という吹き飛びそうなレイナの主張は、当然ながら聞き流された。

「まだ完全に残ってる分あるなんて! あんなに頑張ったのにー!!」
 夕食時、やはり半泣きの叫びがレストランに響いた。
「でも、夕食美味しい。なんてうっとりしてる場合じゃないわね……」
 料理を口へ運びながら、レイナの脳内は夢見心地と現実を一瞬で行き来する。
「コレ、徹夜コース? 徹夜で勉強なんてありえないわ! 泣いてやろうかしらっ!」
 やけ食い気味に食べ物が口の中へ消えていく。
「……って言っても泣いても解決しないのよね……」
「まあまあ。言うても飲み込みは悪くないと思うぞ」
 向かいで食事を共にしていた桜が、サラダを咀嚼しながら声を掛ける。
「……そうかな」
「うむ。要はあれじゃな。休みに入る前の教師の教え方が汝に合うてなかったのじゃろ」
 レイナの目線がやや胡乱なままなのに、桜は気付かないらしい。
 『あんなに頑張ったのに』という感想が出てくるほど、桜の教え方はかなりのスパルタ式だった。見かけによらず厳しい(もっとも、桜は昔、両親に同じように教えられた為、それが普通だと思っているのだが)。
「ともあれ汝の言う通り、泣いても解決にならん」
「……そうね。できるだけ頑張るわ。でも、息抜きに温泉だけでも入らせて……そして少し位バカンス気分を……」
 何しろ、昨日ここへ到着してから実際ずっと、一向に進まない宿題と取っ組み合っていたのだ。観光もできていないなんて悲しすぎる。
「ふむ。確かに息抜きも大事じゃな。よかろう、共に温泉に入ろう」
 麦茶の入ったグラスを傾けながら、桜は鷹揚に頷いた。

 その夜、皆考えることは同じだったのか、SALFの面々が温泉の沸く風呂場へ集まっていた。
「ふふっ、やっぱり温泉は癒されるわね~」
 パシャン、と水音を立ててユリアのしなやかな爪先が湯の上へ姿を現す。
「全くいい湯じゃ」
 桜も温泉に肩まで入ってまったりと堪能中である。
「毎年挑戦してるけど、この入浴シーンも撮影したいわね」
「ええっ!? 撮影するんですか!?」
 ギョッとしたように訊いたのは奏だ。
「別にカナちゃんも写すわけじゃないから安心して?」
「いっ、いいいえその、そーゆーつもりじゃなかったんですけど……」
 しどろもどろで手を振る奏から、少し離れた所で湯に浸かっていたレイナの脳内には、桜にスパルタで叩き込まれた数式が踊っていた。折角の温泉だというのにこれではちっとも堪能できない。
「あー、でもいいお湯~……」
 ただ、うっかりすると教わったことが湯に溶け出しそうで怖くもあり、何とも微妙だ。
 他方、桜は湯の中を移動して壁に掲げられた効能の説明に目を通していた。
「この温泉の効果は……なるほどのぉ。どうせなら豊胸効果もあるとよかったのじゃが……」
 言いつつチラリと視線を向けた先にはユリアがいた。
 そのタイミングで目が合った彼女は、艶やかな微笑を返してくる。会釈を返した桜は、その後も結構長いこと湯に浸かって温泉を満喫した。

「うわー、いいお湯でしたねぇ。ねっ、吉良川さん」
「……ん」
 たまたま顔を合わせたレイヴと共に男湯から出て来た鳴は、温泉前の広場の椅子に腰を下ろした。
 確かにじっくり堪能できたと思う。
「誰かと待ち合わせですか?」
「ん」
「じゃ、お先に失礼します。お休みなさーい」
「……お休み」
 短いやり取りをしてレイヴの背を見送った直後、「あっ、鳴くん!」と耳慣れた声が名を呼んだ。
「ごめんね、待った?」
「……いや」
 女湯から顔を出し、駆け寄ってきた奏に、無意識に微笑して立ち上がる。
 寄り添って部屋へ戻って行く二人を目の端に見ながら、桜は「さて、我も部屋に戻って寝るかの」と伸びをした。
「えっ! 手伝ってくれないの!?」
 それを聞いたらしいレイナが、抱えていた風呂敷を抱き締め、半ば非難するような声を上げる。
「何を言う。元々は汝に出された宿題じゃろ。解き方は先刻教えたもので十分応用が利くはずじゃぞ」
「そっ、そうかな……」
「そうじゃ。汝ならできる。我が保証するゆえ、安心せよ。ではな」
 まだ不安げなレイナを残して、桜はさっさと歩き出した。
「お休みなさい。頑張ってね」
 励ましの言葉を掛けつつ、ユリアも自身の部屋へ引き上げる。
 あとに残されたレイナは、「お休みなさい」と小さく返し、残りの宿題を片付けるべく足を踏み出した。

 この頃、部屋へ辿り着いた鳴と奏は、どちらからともなく寄り添った。薄暗いままの室内で、影が抱き締め合い、そして――

「お疲れ様~」
 朝食のあと、やはり現地から直帰する鳴と奏がチェックアウトしていると、あとからやってきたユリアが声を掛けてきた。
「あっ、ユリアさん! お疲れ様です」
「……お疲れ」
「ユリアさん、このあとは?」
「折角だからゆっくり観光したいけど、すぐ次のお仕事があるのよね~」
 残念そうに言いながら手続きを済ませたユリアは、「じゃあね」と手を振ってエントランスを出て行った。
 二人もユリアと話す間にチェックアウトを終えていたので、彼女に続く形でエントランスをあとにする。
「……このあとは地元で観光、か?」
「うん!」
 嬉しそうに頷く彼女と腕を組んで、地元の観光地と土産屋を回った。
「あっ、あれ可愛いっ!」
「……どれ?」
「あのペンギンさんのぬいぐるみがほしい!」
 彼女の指さす先にあったぬいぐるみと、なぜか目が合った気がして、鳴は苦笑した。
「……仕方ない、な。買ってやる、よ」
 そのペンギン購入を最後に、二人はバカンスの帰途についた。

 その頃。
「終わったーっ!!」
 朝食を挟んでどうにか部屋で宿題を仕上げ、レイナは思い切り叫んだ。しかし。
「って、バカンスも終わりじゃないのよっ! 宿題だけしかしてないじゃないのよー!!」
 重大且つある意味悲しい現実に気付き、頭を抱えてベッドに倒れ込む。
「……仕方ないわ。いいのよ。宿題はこなしたんだもん。頑張ったわよね、あたし……」
 必死に自分で自分を宥める。でも、せめて帰りにプチ観光でもしよう。そう思いながら、上げた視線の先にあった時計はチェックアウトの刻限が迫っていることを示している。
 レイナは、取り敢えず大急ぎで、帰り支度を始めるのだった。

成功度
成功
拍手数
2

現在の拍手ポイント:0

あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
拍手1回につき拍手ポイントを1消費します。

MVP一覧

MVPはいませんでした。

重体者一覧

重体者はいませんでした。

参加者一覧


スレッド一覧

スレッドタイトル(レス数)最新投稿日時