オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【祝夏祭】もふもふのち、うまうま

【祝夏祭】もふもふのち、うまうま 狐野径

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
バトル 救出 日常 
参加人数
53~8人
予約人数
10010100
基本報酬
180000G
180SP
1800EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2020/08/17 23:00
完成予定
2020/09/01 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●夏休みの計画
 北米から戻ってきた黒江 ベサニー。報告をした後、メンテナンスしてもらった。
 おかげでも毛並みもモフモフ。
「開けたてのカリカリもおいしいでちよ」
 いつも顔を出すSALFの施設の中庭で、カリカリと水の昼食を取っていた。
 そして、タブレットを片手に、ちょっと夏休みモードで情報を見ていた。
 そもそも、休みを取ろうと、仕事をしようと、ベサニーの場合、自由だ。
 ナイトメアはいるけれども、休まないと壊れてしまう。
「山も捨てがたいでちね」
 日本国内の山情報と海情報を見る。
「海外でちか……地中海にも一度行きまちたね」
 友人の手助けだけして、その後日本に戻っていた。
 エオニア王国のミーベルステファノスの案内に目がとまる。王国だけでなくグロリアスベースでも関連行事はあるようだ。
 とはいえ、行くなら現地に興味がある。
「遊びに行ってみるでち? ミーベルというのを食べてみるでち?」
 一匹で行くのもなーと思いながら、首を傾げる。友人たちに突然連絡を取っても、予定が向こうにだってある。
「でも、きっと、楽しいでちよね? きっとおいしいでちよね……フルーツでちから」
 果物の味を考えると唾液が出る気がした。ヴァルキュリアだし、出るかどうかは別として。
 一匹だってどうにかなる、フェレットだもの。
 よく分からないことを考えながら、ベサニーは早速出発するのだった。

●羊、逃亡の現場!
 初めての土地、初めての空気。
 そよそよとひげがなびく。
 牧草地で羊が草を食んでいる。
 実にのどかだった。
「羊さんでち……ぃ!?」
 ベサニーは羊が集団で走ってくるのを見た。
 牧羊犬が必死に吠えて止めようとする。羊は何かに驚いて逃げているのだろうか?
 ベサニーは悠長に考えてしまった、二秒ほど。
 羊たちとの距離は縮まっている。
「で、でち、でちっ!?」
 おろおろしたベサニーはとりあえず、ジャンプする。
 羊の背の高さくらいは飛べた。そのため、羊の背中に着地した。
「……でち、でち」
 ベサニーは羊にしがみつく。夏は羊の毛は刈られているため、つかみづらい。爪を立てたら羊に迷惑だろう。
「こ、これはどうすればいいでちか。ちょっとモフモフでちね」
 犬は必死に追いかけているだけで、止められない。
 牧羊犬は前に出ようとして思いとどまっている。前に出たら踏みつぶされそうだ。
「町でちね……」
 ベサニーが得ている情報では、その集落では今日、皆でご飯を食べようというイベントがあるはずだ。その土地のもや参加するライセンサーが持ち込んだり、様々な食べておいしいイベントなのだ。
 このままだと羊は乱入するだろう。
 道幅は多分、広くないだろう。
 ベサニーが見た情報では、車が走れるのはメーンストリートくらいで、あとは細い路地が多いという。
 その狭いところでイベントがある。
 わいわいがやがや楽しいはずだ。
 が、羊は突入しようとしている。
「落ち着くでちよ」
「めぇえええええ」
 羊はベサニーの声を聞かない。いや、聞いても羊語ではないため、会話はできない。
「どうやって羊さんをとめればいいのでちか? 牧羊犬さーん」
「わーん、わわーん!」
 犬の言葉もベサニーは知らない。でもなんとなく「無理」と言われた気がした。
 ベサニーは途方に暮れながら張り付く。飛び降りるタイミングはあるだろうか。
 羊たちの後ろを見ると、ナイトメアが居るみたいだった。
「……こ、これは、あたちにどうしろというのでちっ!?」
 ベサニー、羊にしがみつくのみ。

●集落の中と外、現場
 ライセンサーたちは思い思いに時間を過ごしていたかも知れない。
 飲食物を食べるコーナーがあり、小さな舞台では出し物がある。
 メーンストリートは交通規制をして、出店やテーブルとイスがある。ピザやパエリヤみたいな、個人から大人数でも食べられるものまで用意されているらしい。もちろん、ライセンサーが持ち込むならば、違うモノもあるかも知れない。ミーベルを使った料理もあるらしい。
 小麦粉の香ばしい匂い、甘い果物の匂い、海産物の匂いなど様々漂う。
 平和な状態だった。
 羊の乱入があるまでは。
 それも、一頭だけ上にヴァルキュリアらしい物を載せている。それと、集落に入ると、通りに分れて進んでいく。
 牧羊犬もついてくるが、あきらめモードだ。
 その上、その後を黒い何かがついてきている。それは何かボールのような、ミーベルや桃のようなモノを投げつけてくる。
 べしゃり、ぐしゃり。
 それは落ちてつぶれて消える。残らないようだけれども、気持ちが悪いことこの上ない。
 一方、集落の外を散策していた者がいるとすれば、羊が走っていくのと追う黒い影があることを見ていただろう。それはナイトメアではないだろうか? それをどうするかは目撃者次第であった。

 ナイトメアがいるぽいのでどうにかする。
 乱入してきた羊をどうにかする。
 ご飯を食べたり、作ったり、祭りを楽しむ。

●現場
 牧草地に囲まれた小さな集落。
 メーンストリートは小さな車がすれ違えるくらいの幅。
 そこにはテーブルとイス、屋台などが出ている。集落の老若男女やライセンサーなどがそれなりにいる。
 牧草地は広く、緩やかにアップダウンがある。

●羊の群れと牧羊犬
 20頭ほど。ちょっと立派な羊に動く大きなぬいぐるみがついているように見える。
 牧羊犬は二頭居たらしいが、現在いるのは一頭のみ。一頭はナイトメアに引き離されておろおろしている……らしい。
 なお、異変に気づいて飼い主が牧草地に向かっている。

●動く大きなぬいぐるみ・黒江 ベサニー
 SALFに所属するライセンサー。フェレットのぬいぐるみなヴァルキュリア。
 休暇のつもりでやってきているので、すごく、気が抜けていた。
 とりあえず、現在、羊に止まるようお願いしつつひっついている。

●ナイトメア×10
 幼態、小さなアメーバ状の黒い影、直径1メートル、高さ最大1メートル。
 ミーベル調のモノを投げてくる。飛距離10メートル。これは地面とかに落ちてもしばらくすると消える。しかし、当たったのが生き物だとダメージが入る上、洗わないと消えない。
 投げるときは手と腕のようなモノが出る。
 受けたダメージが半減するらしい。
 追いかけるのはそれなりに速いけど、ずっと素速いわけではない。
 羊と犬や通りすがりの人間などにちょっかい出していくため、弱そうだと安心していると……。
 数は10だけど、まとまっていない。

 こんにちは、狐野径です。
 何度か「牧羊豚」って書きそうになりました。
 懐かしいなーと思いつつ、普通に牧羊犬と羊たちです。
 さてさて、ご飯をゆっくり食べる前に、羊の群れとナイトメアをどうにかしましょう。
 なお、いくら弱そうなナイトメアでも、一般人や動物たちにとっては脅威ですのでお忘れなくー。
 よろしくお願いします。

  • 宇宙系マスコット
    てくたんla1065
    放浪者10才|セイント×グラップラー

【心情】
去年の今頃は流行最先端しすぎやったなあ、冬毛燃やされた記憶や…
今年は今を大事に生きる事にしよかー。
なんや噂やとベサニーはん来てるみたいやし、会えたらええねー。

【行動】
「(羊に乗るベサニー見つつ)ベサニーはんこんにちはー…って、なんや?
そういうイベントなん?」
「ほなうちが牧羊犬ならぬ牧羊宇宙人したるわ。
キャトルミューティったりせえへんから安心してやー。」

羊対応。
ベサニーが来ていると聞いて「遊ぼう」とやってきた。
が、何故か羊に乗ってる。
色々把握。
ナイトメアの方へ一先ず向かい他の参加者と合流、その後羊の暴走で
周囲に被害が出ないように誘導を試みる。
必要であれば全力移動、人や屋台に突っ込みそうであれば
てくたん砲(威力:微弱)を地面に向かって放ち方向を変えさせてみる。
距離的に可能であればてくたんストリングでベサニーを釣って救出。

解決したら。
ベサニーに声かけてミーベル食べに。
「ナイトメア倒したわけやし、ここでの出費とか経費で落ちひんの?」

※アドリブ可、作戦に齟齬がある場合は合わせます。

若葉と外を散策中に羊の群れと遭遇
「羊と…あれは何だ?
「村に向かっているな…追うぞ

目的:被害を最小に抑え、祭りを楽しむ

行動:
▼追跡
「…ナイトメアか!
全力移動で羊の群れを追いつつ、後方にいる敵を攻撃・極力数を減らす
「物影や家の中に避難してくれっ!
一般人に避難するよう呼びかけ
「そいつらは任せた
羊の群れから人に標的を変えた敵が出た場合は若葉に任せ、自身はそのまま羊と敵を追跡し他の仲間と合流

▼合流後
「ナイトメアに追われ混乱しているようだ
手短に仲間と状況確認し、羊対応とナイトメア対応に分かれる
自身はナイトメア対応
一般人の安全最優先、物損も極力抑える
仲間との連携を重視、敵の方が多いので適宜声掛けし死角を補い合う
死霊沼で動き鈍らせ羊から引離す
瀧澤が引き付けてくれたなら死霊沼で追撃
敵がばらけている場合は凍り閉ざす銀で複数同時攻撃
逃げ遅れや屋台等に敵の攻撃が向けられた場合は自身を盾に守る
「…させない
攻撃は泡沫幻舞で回避(叩き落す)

▼討伐後
羊対応の手伝いを行う
全て完了後は、村を巡視し安全と被害状況を確認、修繕などを手伝う

ラシェルと外を散策中に羊の群れと遭遇
「んー…分かんないけど、何かから逃げてる?
「…先頭の羊にも何か乗ってるね

目的:被害を最小に抑え、祭りを楽しむ

行動:
▼追跡
「…え?ベサニーさんっ?!
「できるだけ通りの真ん中を通るようにできますかっ!
全力移動で羊の群れを追いつつ、周囲に被害及ばぬよう避難呼びかけ
「羊が通りますー!危ないので避けてっ!!
羊から人に標的を変える敵が出た場合はその対応に当たる
「了解、終わったらそっちに向かうよ

▼戦闘
一般人の安全最優先、物損も極力抑える
「うわっ、何か投げてきた!?ミーベル…じゃないね
攻撃は回避※クロスシュート等で撃落とす
逃げ遅れや屋台等を狙う敵を優先撃破、間に立ち自身を盾に守る
心射撃で動き留め1体ずつ確実に
「遅くなったね、援護するよ
周辺の安全確認しつつラシェル達と合流
仲間との連携重視
心射撃で敵の動き止め仲間に繋げたり、討ち漏らしに追撃を加えたり支援攻撃が主

▼討伐後
羊対応の手伝い
全て完了後は、羊を飼い主に引渡し、怪我の手当、修繕等を手伝う

【心情、目的】
羊さんをモフっ…いえ、助けませんと!
羊を助け、モフモフする。ついでに他の触り心地よさそうな人も触る(黒江さんとか牧羊犬)

【行動】
休日で散策してたら事件に遭遇
モフモフした動物が走ってくる、という事態にテンションが上がった後にナイトメアに気が付き、助けに走り出す(なお運動音痴で足は遅い、追いつけても息も絶え絶えみたいな演出OK)
「あら…?この気配…動物さんでしょうか?」(散策中遭遇時
「はぁ、はぁ…っ、お、お助けします、うぅぅ~…」(めっちゃぜーぜー言ってる)

ナイトメアに対応し、他の参加者を支援しつつ生命5割以下が単体でリバイブ、複数で神恵の雨雫を使用
回復不要時はスキル水晶の輝ける剣を使用し援護攻撃(回数0でショットガン「NEXUS」で援護攻撃)
「初めてですが…いきます!」(スキル水晶の輝ける剣使用時)

事件解決後、牧場へ羊と牧羊犬を返す際にモフモフしたりしつつ送っていく
その際に触り心地が良さそうな黒江 ベサニーとかライセンサ―もモフモフしたりしてしまおうとする(わざとじゃなく手が見えないので自然と触っちゃった感じ)
「さぁさぁ羊さん、こっちですよ~。…ふむ、この子はモフモフ…この子もモフモフです。」(触って満足気
台詞や行動MSアレンジOK

  • 美味しい幸せ
    瀧澤 理生la4301
    人間16才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

イベントに遊びに来てたら、事件が!
急いで現地に駆けつけるよ。現地のナイトメアが出た辺りに
他のライセンサー達と合流する。そして、状況を把握。
羊対応のてくたんさんと、ナイトメア対応の俺達とに分かれて
対象を追うよ。

ヘビィバッシュと崩撃を使ってナイトメアに攻撃。
数いるから、出来るだけ速やかに倒せるようスキルは惜しまない。
「羊達を脅かすようなナイトメアはお仕置きだっ!」
全力移動で追いかけるよ。

何だか妙なものを投げてくるので、避けながらの戦闘。
今日はおニューの服を着てるから浴びたくはない。←
「うわ、何か投げてくる!」
投げてくるナイトメアを優先的に倒そうと思ったけど、
皆投げてくるのか?取り敢えず手当たり次第攻撃だ!

このナイトメアは色々ちょっかいかけるみたいだから、
他に被害が出ないように気をつけておく。

ナイトメアを倒し終わったら、羊に向かう。
「もう大丈夫だよ!落ち着いて!!」
人の言葉分からないかもだけど、声かけするよ。
羊の群れを大人しくさせるように進路妨害する。

全部解決したらイベントに参加。他の人も誘ってみようかな。

アドリブ・絡み歓迎

●外から
 ラシェル・ル・アヴィシニア(la3428)と皆月 若葉(la3805)はイベントの前に外を散歩していた。
 のどかな牧草地。穏やかな風。
 ナイトメアとの戦いが続いている中、一時でも平穏があることは重要だ。それを守るために戦い、そして、息抜きができる。
 そんな中、羊と犬が鳴きながら走ってくる。
「羊と……なんだあれは何だ?」
 ラシェルは目を凝らしてみる。
「んー……わかんないけど、何かから逃げている?」
 ひとまず、羊の進路を見て、二人はよける。視界の中に見える一般人も困惑しながらよけている。
「……先頭の羊に何か乗っているね」
 若葉はじっと見ていると、羊たちは二人のそばを走り抜ける。
「えっ? ベサニーさんっ!?」
「でちー」
 若葉の驚きに答えるわけではないけれども黒江 ベサニー(lz0100)の悲鳴が尾を引いて消えていく。
「村に向かっているな……追うぞ」
 ラシェルがいい、走る。
 しばらくすると、何が来ているかわかった。
 動く黒い影と投げる物体。明らかに生命体としては不自然なものだった。
「ナイトメア……物陰や家の中に避難してくれ!」
 ラシェルは周囲に声を掛けて走り出した。
 しかし、ナイトメアは真っ直ぐ進まない。
 そのため、ラシェルがナイトメア、若葉が羊担当として分担する方が良さそうだった。
「ライセンサーはいるだろうから、協力していこう」
「そうだね」
 ラシェルは近くにいたナイトメアに向かい、若葉は集落に走った。

 ノエル ジョーンズ(la4030)は散策をしていた。
 空気のにおいは土と草だけでなく、どこか潮の香りも乗っている。ここが海に近いところだという証拠である。
 のんびりとした時間が流れていく。風が髪を揺らし、頬を撫でる。
「そろそろ、おいしいご飯の時間になりますね」
 集落に足を向けたとき、複数の動物が走る音と犬の鳴き声が届く。
 その中に、人が発するような言葉も交じっている。
 しかし意味があるかというと「でちー」というもので、悲鳴か何かに近いと感じた。
「あら? この気配……動物さんでしょうか?」
 ドドドドと来たのは羊の群れだった。走り去ると「でちー」という声も羊と一緒にあるということはわかった。
 何を慌てているのかしばらくわからなかった。
 にょーん、ぐちゃ。
 得体のしれないものは変な音だけでなく、妙な匂いもしている。
「お、お助けしますっ! え? こっちに来ていますっ!?」
 もふもふを追いかけていたナイトメアは、通りすがりのノエルに向かってくるのだった。
「初めてですが……いきますっ!」
 ノエルが【水晶の輝ける剣】をナイトメアに向かって放つ。

 ノエルにラシェルが声を掛け、協力して対応にあたることになる。

●集落の際から
 てくたん(la1065)は集落の中をとことこと歩いていた。楽しげな催しが始る雰囲気はある。
(去年の今頃は流行最先端しすぎやったなぁ。冬毛燃やされた記憶や……)
 重苦しい雰囲気が漂い、しっぽがしょぼんと垂れる。
(今年は今を大事に生きることにしよかー)
 しっぽがハートマークのようになり、わくわく動く。
(なんや噂やとベサニーはん、来ているみたいやし、会えたらええねー)
 ベサニーは神出鬼没だったため、よくいくSALFの施設で聞いたら、そういう話は聞いていた。
 バカンス先で何があるか分からないから、連絡はしていたらしい。
 何か音が聞こえたため、集落の入り口に向かう。そこで、羊の集団が前を通っていく。
 一頭の大きめの羊に、ベサニーがひっついているのが見える。
「ベサニーはんこんにちはー……ってなんや? そういうイベントなん?」
「違う、でちよーーーーーーー」
 音声が遠くなる。
 牧羊犬が「わーん」といいながらついていく。
「何があったん?」
 てくたんはベサニーを追うべきか、走ってきた根源の方に向かった方がいいか若干悩む。
 ここにナイトメアがいるという情報が欠如していたのだ、外で対応が開始されているから。
 ただ、若葉の「羊が通りますー! 危ないので避けてっ!」という声がした。
「てくたんさん! よかった」
 若葉はかくかくしかじかと語る。
「ほな、うちが牧羊犬ならぬ、牧羊宇宙人をしたるわ!」
 てくたんと腕まくりした。
「キャトルミューティったりせえへんから、安心してやー」
 てけてけ走っていくてくたん。
 若葉は想像した。てくたんがキャトルミューティをする姿を。
「……違う、行かないと」
 想像した後走り出した。

 瀧澤 理生(la4301)はイベントが準備されているさまを眺めていた。新しい服を着てきたという。イベントを楽しみにやってきたことが明らかなところだ。
 料理も始まり期待が高まる。
 そんな中、町の入り口の方から音が響く。何事かと思い見ると、羊たちが走っていく。理生のいる場所からはよくわからないため、入り口の方に走った。
 入り口近くで若葉に出会う。対応からライセンサーだとは分かる。
「何があったんだ?」
「ナイトメアが出て羊たちは追われて混乱して侵入した来たのだと思う」
 理生は若葉の言葉を聞いて「羊対応より、ナイトメアの方に回る」と告げる。
 ナイトメアは一般人では対応ができない。
「外にもライセンサーがいるから」
「分かった、合流するよ」
 理生は若葉を見送った。
 そして、理生は外に向かって走り出そうとした。
 そのとき、道の脇から黒い塊のような、陰のようなものが現れた。それがナイトメアだとは分かる。
「油断はしてはいけないな」
 どういう性質があるか分からないため、どういう攻撃をされるか、どういう防御をされるかなどは注意しておく。
「羊たちを脅かすようなナイトメアはお仕置きだっ!」
 【ヘビィバッシュ】を用いて攻撃する。ただ、弾力があるらしく、なんとなく効きが悪い気がした。
 それに対して、ナイトメアは腐った果実のような何かを投げた。
「うわ、何か投げてくる。おニューの服がっ!」
 理生は必死で回避した。
 投げてくるものは、ミーベルのようにもみえるが、得体のしれないものだということはわかった。何せ、影が手に持って投げた後、手が影に入りそれを持っているのだから。
 どうにか討伐した後、丘に向かって【全力移動】するのだった。

●羊はメェ
 てくたんは建物に反響する蹄の音を耳にする。集団ではなくなっているようだった。
「でちー」
 どこからかベサニーの声もするし、他の人の悲鳴も聞こえる。
「混乱しとるのは羊と人間もやね」
 メーンストーリーに羊が入り込んでいるため、イベント準備していた人間も混乱中だ。
 【てくたん砲】を地面に軽く放つ。軽くは威力が弱くなるよう願いつつである。
 音と土煙がする。動きが止まる羊や、人間は冷静になった人もいるようだ。冷静になった人間がいれば、羊も無事回収されていく。
 動き回る個体に照準を合わせ、てくたんは追いかけた。
 何匹か止めるが、ベサニーを載せた羊は元気だった。
「ベサニーはんをどうやって助け……羊にとってベサニーはんは状態異常? 【てくたんスリング】でいけるやろか?」
 動きを阻害する何かという扱いで取れる野ではないかという想像。
「……阻害?」
 羊は非常に俊敏に動いている。
「……試してみ……ん!?」
 その時、羊が跳んだ。
 塀を伝って、屋根の上に跳んだ。
 その先でうまく乗ることができず、てくたんに向かって降ってきた。
「なんやて!」
 どしーん。
 羊は止まり、てくたんは下敷きになり、ベサニーは目を回すのだった。

 若葉は走り回り、羊をどうにかこうに回収していく。集落の人も、落ち着いた羊ならば保護できる。
「ナイトメアは入り込んでる?」
 そこが一番の気がかりだ。
 注意しつつ進み、羊を集めていく。早く終わらせ、ナイトメア討伐も手助けしたいところだ。
「羊飼いの人に引き渡せれば一番いいんだけど」
 集落の人が羊についている印から、誰が持ち主か教えてくれる。
「集落の、安全そうなところにまとめておくのがひとまずいいかな?」
 集落の人も同意する。
 イベント会場から離れた道に、誘導していくことを提案された。
 牧羊犬が若葉について回っていた。

●ナイトメアたち
 丘のところでナイトメアに当たるラシェルとノエル。
「結構、離れているな……ナイトメア」
「そうなんですか?」
 ノエルは首をかしげる。
「結構あちこち……ん?」
 羊たちが来た方向から、人と犬が来る。そこにナイトメアがまとわりついていた。もし、攻撃が当たれば一人と一匹はひとたまりもない。
「あっちから来るな」
「行きましょう」
 ラシェルは先行し走る。ノエルはラシェルに続く。そちらの方に向くと、犬や人の息遣いがはっきりした。
 足元は草や傾斜もあるため用心はいる。
 ノエルは追いかけた。
「はぁ……はぁ……」
 急ぐと運動能力の問題が発生した。
「無理すんな! 何か来ないか、気を付けてくれ」
「は、はいぃい」
 ラシェルの声にノエルはかろうじて返事した。
 ナイトメアがどこにいるか分からないため、適度な距離を保ち見守ることも必要だった。

 ラシェルは犬と人を追っているナイトメア二体に対して【死霊沼】を放つ。
「けがはないか」
「は、はい……」
「ハッハッ」
 息切れしている人と犬だった。
「ひ、羊ぃ、はぁ」
「集落に走りこんだ」
 人の方は青くなった。
 ラシェルは一人と一匹が無事なのを確認してから、周囲を警戒する。追ってきているナイトメアの状況が重要だ。
「説明は互いに後にしよう。後ろにもライセンサーがいる、ノエルさん、保護を頼む!」
 ラシェルに声を掛けられ、ノエルは両手をあげてぶんぶん振ることで答える。
 ノエルは大分落ち着いてきていたが、まだ息はつらい。
 ラシェルは無事二体のナイトメアを倒した。
「あと、何匹いるんだ?」
 ナイトメアが人や動物に向かってきているようだから、こちらに来る可能性は高い。

 理生はノエルのところまで走っていく。
 その途中、ナイトメアはまたいた。
「危ないっ」
 理生は【クロスシュート】を用いて、謎の物体を弾き飛ばす。
 弾き飛ばしても、なんか嫌な音がした。
「あれがその場に残る物だったらすごく、嫌だ」
 理生は間合いを詰めるため走る。
 それにノエルは気づいた。
「ライセンサーの人ですか?」
「そうだ。集落の方で話は聞いてこっちに来た」
「数についてはよくわからないみたいです。ただ、こっちに向かってくる感覚はあります」
 理生は合流する。そして、近づいてくるナイトメアに前に出る。
 ノエルは羊飼いと牧羊犬をかばい、周囲の気配を探る。別の方向から来ると守り切れない。
 理生が一体にあったっている間に、ラシェルが戻ってくる。その際に、別の一体を見つける。
 互いに情報交換しつつ、発見した毎に討伐していく。協力して、周囲を警戒し、地道な討伐しかないようだった。
 それでも、たぶん、これがラストと思われるものを討伐できた。
「いない、か?」
「おそらく……」
 ラシェルも理生も目に見えるもので不自然なものはないととらえた。
「あのナイトメア、変な匂いですね……ちょっと鼻がおかしくなりそうです」
 ノエルは眉を寄せた。
「新しい匂いは来てますか?」
 理生の問いかけにノエルは「ないです」と答えた。
 一行は警戒を解くのだった。

●飲めや歌えや
 集落に向かい、羊担当と合流する。集落の人に説明などの事後処理が進む。
 イベントの前だから手短に、てきぱきと。

「とんだ休暇になったが……大きな被害が出ずよかった」
「うん、お祭りが台無しにならなくてよかった」
 ラシェルは微笑み、若葉はうなずく。
「ふふ、たくさん動いたから、おなかがぺこぺこだよ。俺たちも楽しもう!」
「そうだな、よし、のんびり楽しむことにしよう」
 二人は屋台の方に向かう。
 てくたんとベサニーが屋台に向かい合っていた。
 屋台が見えないのか二人はひょこひょこと飛んでいる。集落の人たちは横から何を出しているか見せてくれる。
「ベサニーも大変だったな」
「あ、お騒がせしましたでちよ」
 ベサニーは頭を下げる。
「ベサニーさんが羊に乗っていて、驚いたよ」
 若葉に言われ、ベサニーは硬直し、目をそらした。
「お疲れ様。俺はちらりとしか見えなかったから気になるんだけど」
 理生が合流する。
「皆さん、こちらですね?」
 ノエルがやってきた。
「皆もお疲れ様だ」
 ラシェルはミーベルジュースの入ったカップを掲げる。
 近くの屋台の人が、ジュースを持っていない人に勧めてきた。
「乾杯!」
「かんぱーい」
 ラインセンサーたちの声は重なる。
 周囲の一般の参加者は驚くが、イベントの最中であるため、むしろ一緒に乾杯するのだった。
「うまうまでちよ」
「うまうまやね」
 ベサニーにてくたんが答えた。
 テーブルを開けてもらえたので、ライセンサーたちはそこに料理とか持って戻ってくることになる。
 海鮮の料理だけでなく、ミーベルを使ったパスタやピッツァなどフルーツ料理もある。
 ベサニーはフルーツ料理を主に手にしていた。
「ベサニーはん」
 ふいにてくたんが問う。
「ナイトメア倒したわけやし、ここでの出費とか経費でおちひんの?」
「……交渉次第でちよね」
「そうやねぇ……交渉次第……領収書を切ってもらわんと……」
「切ってくれるんでちかね」
 ベサニーとてくたんは現実的な会話をしているのだった。
「あ、ベサニーさん。フルーツ好きなのか?」
「あまあまがうまうまでちよ」
「なるほど。甘いのがうまいのか」
「でちよー」
 手がふさがるのが早い、ベサニーが先に戻っていく。
 理生は日本では食べなれない、この土地の物に見える物を主に選んでいた。とはいえ、今回はミーベルが多くなるため、ベサニーの選んだ内容に似ている。違うのは、甘い物だけでなく、海鮮のパエリアなどが加わる点だ。
 ベサニーが席に戻ると、牧羊犬の頭をなでているノエルがこっちを見ているように感じた。
「どうかしたのでちか?」
 ノエルはベサニーに「触ってみてもいいでしょうか?」と問う。それに対して、「いいでちよ」と返答はある。
 椅子に座るノエルの膝にベサニーが乗る。ノエルは顔や胴体の形を確認する。
「もふもふですね」
「でちよー」
 頭や背中などを撫でるノエル。
 ベサニーがもぞもぞする、抱っこ終了タイマーが発動した。
「おしまいですか?」
「でちよー」
 名残惜しそうにノエルは見える。
「後で、また、いいでちよ」
 撫でるのはいいけれども、誰にも等しくタイマーが存在する。
 ノエルは羊飼いに承諾を得て、羊をモフモフしておくのだった。
「さぁさぁ羊さん、こっちですよー。ふむ、この子はモフモフ、この子もモフモフ」
 モフモフ診断をするのだった。
 ノエルは満面の笑みだった。

 陽気な音楽がどこかしらで鳴る。
 楽しそうな人々の声が広がる。
 食べて飲んでの宴は、夜遅くまで続くのだった。

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