オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 翔べ! アサルトコア!!

翔べ! アサルトコア!! STANZA

形態
ショート
難易度
易しい
価格
1000
ジャンル
冒険 コメディ  
参加人数
83~8人
予約人数
10010100
基本報酬
160000G
160SP
1600EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2019/01/12 23:00
完成予定
2019/01/22 23:00
機体使用
関連シナリオ
-



「……いや、飛ばねぇって」
 正月の、とある穏やかな一日。
 整備場の一角にある応接室で、ちょっとくたびれた感じの整備士が苦笑まじりに首を振る。
 その目の前で紙コップのコーヒーをすすっているライセンサーは、この整備場の常連客だ。
「でもさー、飛びたいよなー、こう人型からガキーンて変形してさー、ギュイーンってさー」
 ライセンサーが飛行機を模した手を水平に動かして見せる様子に、整備士も「うんうん」と頷く。
「わかる、わかるぞ。変形と合体は漢の浪漫だよなぁ」
 少年のようにキラキラと瞳を輝かせ、ぼくのかんがえたさいきょうかっこいいアサルトコアを語りまくるオッサン二人。
 しかし悲しいかな、実際のアサルトコアは飛ばないし翔ばない。
 変形合体もしない。
 それは操縦者がイマジナリードライブで動かす関係上の必然と言われている。
 操縦者が自分とかけ離れた姿を想像することは難しく、出来たとしてもイマジナリードライブの力が大幅に減衰されてしまうからだという。
「つまり俺らの想像力が追っつかないってことだろ? でも俺さー、夢ん中とかでガンガン飛んでんだよなー」
「飛ぶ飛ぶ、もう自由自在に飛んでる。つーかよ、飛行体験なんて当たり前に出来んのになぁ」
「そーそー、VRとかなー。飛んでるイメージなんて歩くのと同じくらいの精度でイメージできるよなー」
 しかし決定権を握る上の世代には、それこそ想像も付かないのかもしれない。
 彼らが若い頃には、VR技術やドローンでの空撮はまだまだ一般的ではなかった。
 子供の頃からそれに馴染んでいる世代とは異なり、飛行をイメージすることのハードルも高いのだろう。
 それに、技術的な問題もある。
 メカ的な改造なら出来ないこともないだろうが、形が変わればイマジナリードライブとの連動にも影響が出る。
 そのあたりの複雑な調整や、場合によっては新たな機構が必要になることもあるだろう。
「俺んとこみたいな末端の整備場じゃ、どんなに頑張ってもそいつを全部クリアすんのは無理だろうしなぁ」
 いや、メガコーポでも恐らく難しい。
 そうでなければ今頃とっくに、市場は飛行型のアサルトコアで溢れていることだろう——空を飛びたいと願う者は多いだろうから。
「ま、それ以外の大人の事情ってやつかもしんねぇけどな」
 そのあたりは詮索すると物理的に首が飛びかねないから、黙っているしかないけれど。
「そりゃそーだけどさー、やっぱ飛びたいよなー」
 ライセンサーは手近な鉄くずを手にとって、ブゥーンと言いながら飛ばす真似をする。
 それを見て、整備士は何かを思い付いたようだ。
「飛ぶってぇのは難しいけどよ……跳ぶ、くらいなら出来そうだよなぁ」
「跳ぶ……ジャンプか?」
「そう、ジャンプだ」
 ただ飛び跳ねるだけでは意味がないとお思いか。
 しかし、それでも創意工夫と熱意さえあれば、人は飛べるのだ——無論、ロボだって。
「昔な、テレビでやってたんだよ」
 人間が生身で飛ぼうと、あの手この手で頑張るバラエティ企画、その名も鳥○間コン○ストというものが。
「……○人間○ンテスト……?」
「そういうの、アサルトコアでやってみねぇか?」

 翔べないなら、跳べばいい。
 跳躍距離を伸ばせばそれは立派な飛行だ、多分。

 そんなわけで、アサルトコアで翔びたい有志が集まって、飛行にチャレンジすることとなった。

 参加に際して、注意事項は以下の通り。
 ・機体の改造に関して特に制限はないが、原則として自力で可能な範囲(DIY)に限る。
 ・改造の際は整備場の一角を利用可能。
 ・参加者間の平等を期するため、改造の材料は廃材置き場から調達すること。
 ・改造の精度よりも、気合いとか根性とか、精神論や想像力がモノを言う。多分。
 ・伊達と酔狂とノリの良さだけで行われるため、参加費は無料だが賞金の類も発生しない。
 ・ちゃんと飛ぶことは期待されていないので(だって飛べないもの)、いかに面白く墜落するかが重要。出オチも上等。
 ・ギャラリーに受ければ、カンパによりいくらかご褒美がもらえる(参加者で山分け)

 まあ、そんな感じで——
「翔べ! アサルトコア!!」
「いや、飛ばねぇから」


アサルトコアというでっかいオモチャで遊ぼうぜ、というシナリオです。
大規模の真っ最中に何をやっとるかとお叱りを受けるかもしれませんが、大丈夫です、これは正月休みの間に起きた出来事ですから。

プレイングには改造案や材料集め・作業の様子などの事前パートと、機体に乗り込んで跳ぶ時のパフォーマンスなどを織り込んだパートの両方をお書きください。
作業のイメージが難しい場合は構想や完成予想を書くだけでもOK。
セリフもあると一層盛り上がります。


準備
・機体の改造(廃材を腕に括り付けて翼にしたり、足にバネを取り付けたり、廃材で作った巨大なハンググライダーを装備する、など)
・廃材の運搬など人力ではどうにもならない場合はアサルトコアの使用可
・廃材置き場に落ちていそうもないもの(新品の部品や高性能なエンジン、ジェット噴射器など)は使用不可
・整備場の設備は利用可能だが、整備士は手を貸さない。改造は自力で可能な範囲に限られる
・整備場で頼めば塗料も入手可能、ただし余り物なので色は限られる(と言っても基本好きな色でOK)

手順
・とある海岸に設置されたカタパルト(高さ20mほどのジャンプ台)から海に向かって跳ぶ!
・30mほどの助走も可能だが、しなくてもOK!
・とにかく飛距離を稼ぐ! 稼げないならウケを狙う!
・派手に落ちる!

以上!

※ここで加えた改造は、このシナリオ内に限り有効です(他に持ち込むことは出来ません)
※改造された機体は、シナリオ終了後に全て元通りになります
※多少の無茶はコメディ補正で何とかなります、多分

※チームで挑んでもOK
※その場合は一機のアサルトコアを何人かで改造し、代表の一人がパイロットとして参加することになります

※OPや解説で明記されていない部分についての解釈はお任せします
※設定や世界観の範囲内で、ご自由にお楽しみください

お世話になっております、STANZAです。

飛べぬなら、跳べばいいのよアサルトコア。
というわけで、新年ですから思いっきり景気良く跳んでください。
……まあ、結局は落ちるんですけど(

機体は乗ってみたいけど実戦はちょっと、という方もお気軽にどうぞ。
動かし方がわからなくても適当でOKですよー。

では、よろしくお願いいたします。

  • アンバランス・グラマラス
    月魅森 恋雫la0029
    人間13才|ネメシスフォース×セイント

■AC操作法
・[外]と[映像]の[二つのモニター]を使用&[画像把握の為の補助機能]の付いた[バイザー]を着用
・[映像]に[行う操作]に関連する[動画]を流し、[動作のイメージ([体の使い方]等)]を伝える事で[ACの操作]を行う/[インプット]→[アウトプット]を繰返す形
・[画像]は[音声指示]で切替え
・[実際の動画]を使用する分[イメージ]は纏め易いが、[動画]にない[不測の事態][咄嗟の判断]に向かず[実戦]には弱い
・[試験]等では「[過去問]をベースにした動画」を使用出来る為、適応性高め

■改造
・改造案:[陸上競技]の[幅跳び用スパイク]を参考に[AC]の足に[ピン]を配置/可能であれば[ゴム製]の[踏切板]をカタパルトに設置
・方針上[必要パーツ]は『足裏に貼る[ゴム板]』『[ピン]の役になる[三寸釘]/人間大で[8~9mm]の為、[AC]のサイズに変換するとこれくらい?』
・[パーツ]を揃えたら「[AC]の足裏に合わせて[ゴム板]を切断」→「[ピン]の位置に印を着け[三寸釘]を刺す」→「[ゴム版]を[AC]の足裏に[強力な両面テープ]で接着」の流れで改造
・「残りのゴム板」を切り[踏切板]を作る

■競技
・「五輪選手の[走り幅跳び]の動画」を使用し操作
・[30m]の助走を取り、全力跳躍
・後[水泳の飛込動画]に切り替え[演技]を入れ着水

  • 人を助けるヴァルキュリア
    桜壱la0205
    ヴァルキュリア10才|セイント×ゼルクナイト

「Iは!Iは飛びます!ロケットで!!!
危なくなく、一人でも地道にやれば作れそうなDIY案件
考えついたのはそう…夏休みの自由研究枠でもお馴染み、ペットボトルロケットである!

作る物その1:大量のペットボトルロケット
廃材からペットボトルを大量に集める
コーラ形状の物が一番飛べそう
一つの力は小さくても、たくさんあればきっと!
空気は自転車の空気入れで地道に一つずつ入れ、本体には針金等で固定
塗料を使って水に色んな色を入れておけば、飛ぶとき虹の様にならないでしょうか…!

作る物その2:ロケットにつける羽
「この下についてる羽はきっと大事なのです
何せかっこいいから!
木の板や、可能なら鉄板が理想ではある
三角っぽいかっこいい形に切れたら、針金か接着剤とかで固定します、ぺたっ
形ができたら、後は外装です
ガンバル、と名前を書いたり、桜のマークを描いてみたり
「初めてのお仕事、一緒に頑張りましょうね、ガンバル!

跳ぶ前には観てくれてる人の方にお辞儀しつつ
きっと動画撮りに来てくれてる主人に手を振ったり
「ガンバル、いきまーす!
カタパルトから跳ぶのと同時、ペッロケを一斉起動
ガンバルはなるべくロケットのようにピンと直立不動したままで!
宇宙まで、斜め上を目指した軌道で!
「はわーーーーー!!!!!
天気が良ければ、落ちていく途中に見える海も海岸も、きっととても綺麗なはず…?

  • スターゲイザー
    エドウィナla0837
    放浪者12才|ネメシスフォース×セイント

「飛びたいならまず跳ぶところから。よい心意気だと思うが」
もっとも当人は違う星が最終目標なので、空など通過点も通過点

空を目指す、という点がコンセプトであるとして飛距離より高さ重視

準備
改造というより用具探し
「人型を高く。高く、なぁ。」
壊れたアサルトランスやその柄など、長い棒状のものを探す
欲を言えばコアの身長(12m)くらいあるとベストだが、廃材なら5mあれば上々か。
曲がっているならコアで無理矢理にでも、ある程度は真っ直ぐに
或いは3,4本を束ねて無理矢理長くしても良いか
「なに、一回で壊れてくれて構わん。そういう競技の筈だ。」

本番
棒高跳びの要領で、とにかく高く
棒が用意できなければ走高跳び風で
「……跳躍だからと、妥協はしない。少しでも、空へ!」
全力の助走からの跳躍で、ありもしないバーを越えるように跳ぶ
……そしてほとんど前進しないまま、マットではなく海へと真っ直ぐ消えていく

アドリブOK

アサルトコアを飛ばすのが困難?…此方の世界には回転翼ユニットや揚力推進ユニットが存在しないのでしょうか?そもそも拝領した装備の中にプレーンブースターが存在して短距離の飛行なら…いえ、違いますね。想像力の限界を打破…つまりこれは外部の推進力を利用せずIMDのみで飛行する方法論を見つけよ、と言う任務なのですわ!…く、確かに難問です。

鳥をイメージ?いえ、戦闘で利用するには四肢の自由は必須でしょう。
気球は?機動イメージが掴みにくい上にイメージ増幅ユニットを作成した時にとても邪魔に成りそう…

(転移時のトラウマ的に)ちょっと気が進みませんがバーニアによる宇宙空間での機動イメージを強化するしか有りませんね。シミュレータは有るのでしょうか?…はあ、こちらでは軌道上での運用実績が余り無いようで適当なものが…まあ、だからこの任務なのでしょうけど…

ネット上のVRゲームで代用…おや?これなら?
煽りは…「軌道上のインソムニアを撃破せよ!」!?

…な!ま、まさか他の(私の世界の)生き残りが??

(始動)い、イメージは大分違いますが…これは辛いですわ…クソども死ね!…な!なぜこのユニットを守れないの?!…ふふ、結局、自殺攻撃しか手が無くなるのですわね。無能な私に相応しい結末…

この様なイメージ増幅訓練をしてプレーンブースターをバーニアに見立ててIMDを起動、飛行を行う(飛距離を伸ばす)

●心象

「何時かは・・ちゃんと・・飛んでみたいですね・・・」

●行動(準備編)
廃材置き場で主に下記の材料を探し出して作成or改造開始
・ACに装着するグライダーの素材
・ガソリンor灯油等の「利用可能な可燃性の高い廃棄燃料(液体ならば、気体にして利用」
・ACを弾丸にした「巨大ポテトガン」&無線着火装置の材料
・無線が不可の場合、時限式着火装置の材料

「材料は・・これで良し・・ですね・・・」

・飛行&作成イメージ
カタパルトでポテトガンを射出、落下し始めたら
気化させた廃棄燃料を火薬とした巨大ポテトガン(着火は無線式)で
ACを上空に打ち上げて、グライダーで飛行と言うイメージ
「可能ならば・・・テストしたい所・・ですが・・・」

・AC改造(補強)イメージ
発射の爆発&衝撃に耐える為、廃材で補強
グライダーを装着

「ACも・・とりあえずは・・OKですね。」

●行動(当日編)
カタパルトにポテトガンを設置後、AC乗り込んでから装填し
カタパルトを起動し、ポテトガンを射出
その後、落下し始めたら、無線型発火装置でポテトガンを発射して
ACを射出

※「さて・・覚悟はいいか・・・私は出来ている・・・と言えば・・良いですかね・・?」

ポテトガン発射成功時、ACが落下し始めたら
グライダーを展開して飛行
「長く飛べると・・良いです・・ね」

●構想
やはりヴィジュアルは大事だと思うのです
世界に一つだけのアサルトコア、オーダメイドコアなのです
常よりデザインが皆サマと同じで味気ないと思っていたので丁度よい機会なのです
●改造
いっそワタシの分身にしてしまうのです
黒ゴス仕様アサルトコア、エレボス0改め、ディエスフィデスマークIIなのです
・頭部からはチェーンを複数ぶら下げて髪を模す(ぱっつん姫カット
・ビニールシートをスカートとして腰部に装着(ゴスロリスカート
・左手にチェーンを絡める(無意識にカッコ良さそうと思った
・鉄棒の先端にちっさい鎌のついたデスサイズ(大きい刃は取り付け無理だった
・鎌はちっさいが棒でも棍でもなく、デスサイズである(こだわりの一品
・とどめに頭のてっぺんから黒の塗料を大量ぶっかけ(黒ゴスなので
●作業
淡々と喋りながらも、改造には熱心
ゴスなのにヤモリのようによじ登ったり手足を駆使したりしてワイルドに、ちからづよく
困難な作業でも「諦めないのです、それがライセンサー」とドヤ顔で独り言ちながら
ギリギリまで作業、いい汗かいた
●飛翔
自身に似せる事に拘り過ぎて、後からビニールシートマントを装着
ワタシはイマジナリなドライヴのココロのツバサで飛ぶのですとムリヤリ解説
フライにあらず、ジャンプにあらず、ほぼダイヴ
初めて本格的に乗るのですけれども、黒歴史にならないでしょうかね
正真正銘、真っ黒ですし

  • 牙持つ闇
    花咲 ポチla2813
    放浪者14才|ネメシスフォース×スナイパー

「そう……実はアサルトコアは飛べるのです!!」

いやマジで
機体アクセのプレーンブースターで
スキル『飛行』により短時間の飛行が可能だったりします

「けれど、それでは○人間○ンテストにはなりませんでしょう?」

ニッコリと微笑んで選手宣誓をする
今回は真面目に馬鹿をするのがコンセプトなのだから


◆準備
装甲板なども外して機体を軽くする
戦闘は除外し走る機能に特化する

テント倉庫などに使われる
丈夫なシート生地の切れ端を縫い合わせ
アサルトコア用のパラシュートを作る
人で縫うと大変すぎるので機体に乗って裁縫をする

完成したら畳んだ状態で機体の背中に固定

さらに自動車のサス用の強力なバネを沢山用意
厚い鉄板も用意してバネを挟みジャンプ台を作成する

「準備する物が大きすぎますから、機体に乗って作業するしかないのですよね……」

◆本番
作ったジャンプ台は会場のカタパルトの端に固定
全速力で助走して最後の跳躍でジャンプ台を使い全力で海に向かって飛び出す
この時、とにかく高く飛び上がる事を考える
最も高く飛べた位置でパラシュートを開放
パラグライダーの要領で落下速度を軽減して
そのまま滑るように空中を流れて飛距離を伸ばす

「翼を取り付けると助走の速度が出ませんし折れない自信が無かったので」

ガチの飛距離狙いで
鋼鉄の塊が全速力で走る運動エネルギーの全てをバネで高さに変える

  • 月下の姫騎士
    月鏡 由利菜la3027
    放浪者21才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

【心情】
アサルトコアの操縦に慣れたいと言う理由で参加
「…この機体は、テール・プロミーズ。かつて、私が通っていた学園の名前から取りました」

【目的】
アサルトコアでより遠くに飛翔する

【準備】
廃材を利用して翼パーツ的なものを作り、背面に取り付ける
「飛行できるわけではありませんが…飛行機の要領で揚力は得られるはずです」

機体の余分なパーツを取り外したり、削って軽量化
「出力や仕掛けも重要だとは思うのですが…機体の重量も無視はできないと思います」

【同行者】
個人参加

【行動】
ギリギリまで助走をつけ、ダイブ・モードで45度の角度を狙って飛ぶ
「ダイブ・モードへ移行!跳躍角度補正、45度!」

リンク効果による出力上昇を狙う
「アサルトコアは、リンクによる出力上昇はできるでしょうか…」
「やってみるしかない…!リンクレート、機体に転送!」

落下し始めたらアサルトライフル2挺を飛行方向と逆向きの地上に空撃ちし、反動で飛距離を伸ばす
「まだ終わるわけにはまいりません…!銃の反動を活かせば、更に距離を稼げるはず!」

 コンテスト当日。
 選手宣誓に立った花咲 ポチ(la2813)は、いきなり前提を覆すような衝撃の発言を放った。

「そう……実はアサルトコアは飛べるのです!!」

 いやマジで。
 飛べるから、アサルトコア。
 機体アクセのプレーンブースターで。
 スキル『飛行』によって、時間は短いけど。

「けれど、それでは○人間○ンテストにはなりませんでしょう?」

 そう、今回は真面目に馬鹿をするのがコンセプトなのだから。
 ニッコリと微笑んで、ポチは舞台を降りる。

 さあ、馬鹿になりましょう。


●月魅森 恋雫(la0029)とオートプログラムver.R

 恋雫は陸上競技の幅跳び用スパイクを参考にした改造を試みる。
 廃棄されたゴム板の中から比較的マシなものを選び、ACの足に合わせたサイズにカット。
 スパイク状の配置になるように裏から三寸釘をぶっ刺した。
「人間大で8〜9mmですから、ACのサイズに変換するとこれくらいでしょうか?」
 それを強力な両面テープで足裏に貼り付ける。
 後は残りのゴム板で踏切板を作り、カタパルトに設置すれば準備完了だ。

 恋雫の操縦法は独特だった。
 コックピットに外部用と映像出力用の2つのモニタを設置し、自身は画像把握の為の補助機能が付いたバイザーを着用。
 映像画面にこれから行う動作に関する動画を流し、そのイメージを伝えることでACを動かす。
 動画は音声で瞬時に切り替えが可能で、ACの操作中に本人の身体を動かす必要はない。
 お手本があるためイメージを纏め易いのが利点で、対策が容易な試験や訓練では高い効果を得ることが出来た。
 反面、不測の事態や咄嗟の判断が必要な場面には弱いが、そこは本人が経験を積むことで改善される可能性もあるだろう。

 今回使用するのは、トップアスリートによる走り幅跳びの動画。
 30mの助走の間にスパイクはほぼ潰れてしまったが、心のスパイクでそれを補強、踏切板を蹴って全力跳躍!
 直後、映像を切り替え水泳の飛込動画をトレース、くるりと回って頭から着水!
 跳ね上がる飛沫も最小限に、これは見事な演技でした!


●桜壱(la0205)とガンバル

「Iは! Iは飛びます! ロケットで!!!」
 DIYで作れそうなロケットと言えば……そう、夏休みの自由研究枠でもお馴染み、ペットボトルロケットである!
「これなら危なくないし、一人でも地道にやれば作れそうなのです」
 廃材から材料を回収し、地道に工作。
 カラフルな色の付いた水を入れ、一本ずつ自転車の空気入れでシュコンシュコン。
「一つの力は小さくても、たくさんあればきっと!」
 束ねて結んで、遠目にはひとつの大きなロケットに見える、かな?
 でも何かが足りない……そう!
「この下についてる羽はきっと大事なのです。何せかっこいいから!」
 三角っぽいかっこいい形に切った鉄板を接着剤と針金でぺたっとくっつけたら、後は外装をかっこよく!
 ガンバル、と名前を書いて、桜のマークも添えて、桜壱の中の「かっこいい」全部盛りのロケットが出来上がる。
 後はランドセルのように背中にくくりつけて……
「初めてのお仕事、一緒に頑張りましょうね、ガンバル!」

 観客にお辞儀をし、動画を撮りに来た主人を見付けて手を振りながら、ガンバルはジャンプ台に上がる。
 その背からは何本ものワイヤーが伸び、その先が台の鉄筋部分に括り付けられた。
「ガンバル、いきまーす!」
 ジャンプと同時にワイヤーが引っ張られ、ロケットの栓が一斉に抜ける!
 吹き出す水と空気、ロケットのようにピンと直立したガンバルは宇宙まで一直線! 気持ちだけは!
 しかしその背中から、ロケットがテイクオフ!
「はわーーーーー!!!!!」
 見上げた空で、色とりどりの尾を引いたロケットが軽やかに乱舞していた。


●エドウィナ(la0837)とNguyen Mauria

「飛びたいならまず跳ぶところから。よい心意気だと思うが」
 もっともエドウィナの場合は目指す場所のレベルが違う。
 宇宙を見据える彼女にとって、空など通過点も通過点——しかし未だその通過点にも至らぬ身としては、まずはそこを目指すのが真っ当な手順であろう。
 つまり飛距離より高さだ。
「人型を高く。高く、なぁ」
 乗り物以外で人を高く飛ばすもの、そう考えて思い付いたのが棒高跳びだ。
 長くて丈夫な棒状のもの、出来れば長さはACの身長くらい、あとしなやかで復元性に優れていればベストなのだが。
「まあ、そう都合の良いものが落ちているわけはないな」
 壊れたアサルトランスや錆びた鉄パイプ、半端に長いものを掻き集め、曲がったものはアサルトパワーで無理矢理にでも……
「少々の曲がりは許容範囲か」
 しかしどれもこれも長さが足りない。
 杖にはちょうど良さそうだが、飛べる気は欠片もしない。
 ならば繋げて長くしよう作戦だ。
「なに、一回で壊れてくれて構わん。そういう競技の筈だ」
 だからその一回だけは保ってくれ、頼む。

 そう念じながら、エドウィナはNguyen Mauriaをスタート位置へ。
 思い切り助走を付け、棒高跳びの要領で、とにかく高く、高く。
「……跳躍だからと、妥協はしない。少しでも、空へ!」
 エドウィナの目には今、空の彼方に越えるべきバーが見えていた。
 それを越えるべく、今——

 バキッ!

「やはり接合部分が脆かったか」
 台から転げ落ちるように、ほぼ真下の海に沈むNguyen Mauria。
「しかし、空より海の方が縁があるのは何故なんだ。この冬だけで3度目だぞ、海に入るの……」
 着衣水泳の訓練が、早速役に立ちそうだ。


●シンシア ソールズベリー(la2493)とモルタ2

「アサルトコアを飛ばすのが困難?」
 そう聞いて、シンシアは訝しげに眉を寄せた。
「……此方の世界には回転翼ユニットや揚力推進ユニットが存在しないのでしょうか? そもそも拝領した装備の中にプレーンブースターが存在して短距離の飛行なら……」
 そこまで思考して、はたと気付いた。
「……いえ、違いますね。想像力の限界を打破……つまりこれは外部の推進力を利用せずIMDのみで飛行する方法論を見つけよ、という任務なのですわ!」
 だとすれば。
「……く、確かに難問です」
 戦闘で利用するには四肢の自由は必須だから、鳥の翼はまず無理だ。
 気球は機動イメージが掴みにくい上に、イメージ増幅ユニットを作成した時にとても邪魔になりそうだし。
 ならば——
「……ちょっと気が進みませんが」
 バーニアによる宇宙空間での機動イメージを強化するしかない。
 転移時のトラウマが刺激されそうだが、これはきっと、それさえも乗り越えてみせよという試練なのだ。
 シミュレータなどない、だからこその任務だ。
 ならばネット上のVRゲームはどうだろう。
「おや? これなら?」
 煽りは……「軌道上のインソムニアを撃破せよ!」!?
「……な! ま、まさか他の生き残りが??」
 変なスイッチが入ったシンシアは、一人でも多くの同胞を救うべく出撃する。
「い、イメージは大分違いますが……これは辛いですわ……」
 次第に募る感情移入。
「クソども死ね! ……な! なぜこのユニットを守れないの?!」
 仕様です。
「……ふふ、結局、自殺攻撃しか手が無くなるのですわね。無能な私に相応しい結末……」
 しかし次こそは……え、もう競技の時間?
 待って、あと一回だけ!

 そしてモルタ2は跳んだ。
 プレーンブースターをバーニアに見立て——ばっしゃーん!

 残機ゼロ。
 コンティニューしますか?


●秋姫・フローズン(la2694)とMS-01J

「何時かは……ちゃんと……飛んでみたいですね……」
 そんな夢を抱きつつ、廃材置き場で探すのはグライダーの素材になりそうなものと、まだ使えそうな廃棄燃料、そして巨大ポテトガンの砲身と着火装置の材料。
 最初の2つはすぐに見付かった。
 しかし問題はポテトガン——いや、ACを込めて撃つのだからACガンか——を造る素材だ。
 ACがすっぽり入る大きさで、筒状のもの……下水管とか?
 さすがに普通の廃材置き場には見当たらないので、下水管を求めて三千里。
 漸く見付けたそれを整備状に運び入れる。
「材料は……これで良し……ですね……」
 ゴムの廃材を押し込んで中栓にし、気化させた燃料を詰め込んでコンクリで蓋をする。
 ACには発射と同時に展開するように折り畳んだグライダーを装着。
「ACも……とりあえずは……OKですね。可能ならば……テストしたい所……ですが……」
 そこはイメトレで補強しよう。
 手順はカタパルトでACガンを射出、落下し始めたらACガンに点火、発射、そして飛行。
 秋姫の脳裏には、大空に打ち上げられたACガンから撃ち出され、広げた翼で華麗に滑空する愛機の姿がはっきりと見えていた。

 そして装填されるAC、爆発と衝撃に耐えるために詰め込まれる緩衝材。
「さて……覚悟はいいか……私は出来ている……と言えば……良いですかね……?」
 楽しそうな微笑を浮かべ、発射を待つ。
 カタパルト起動、他の機体によいしょと手動で押し出されるACガン、だって発射装置なんてないもん、これただのジャンプ台だもん。
 そしてACガンはほぼ真下に落とされた。
 しかし!
 ACガン発射、海中から飛び出すMS-01J!
 グライダー展開、滑空に移行!
「長く飛べると……良いです……ね」


●ディエスフィデス(la2755)とエレボス0

「やはりヴィジュアルは大事だと思うのです」
 彼女が目指すのは世界に一つだけのアサルトコア、つまりOMC……オーダメイドコアなのです。
「常よりデザインが皆サマと同じで味気ないと思っていたので丁度よい機会なのです。いっそワタシの分身にしてしまうのです」
 ディエスフィデスは淡々と喋りながらも、熱心に改造を進める。
 貸出を打診された作業服を丁重にお断りし、ヤモリのように機体に張り付きよじ登り、手足を駆使ししてワイルドに、ちからづよく作業を進める真っ黒ゴス。
 困難な作業でも助けを借りず、泣きそうになっても歯を食いしばり——
「諦めないのです、それがライセンサー」
 ドヤ顔で独り言ちながらギリギリまで作業を続け、いい汗かいたと見せる笑顔は真っ黒で何も見えない。
「あ、とどめに頭のてっぺんから黒の塗料を大量ぶっかけたのです」
 黒ゴスですから。
 勢い余って自分も被ったけど、これでお揃いなのです。

 そうしてお立ち台、いやジャンプ台に上がったエレボス0は——
「黒ゴス仕様アサルトコア、エレボス0改め、ディエスフィデスマークIIなのです」
 チェーンで作ったぱっつん姫カットのじゃらじゃら頭髪、ビニールシートを腰に巻いたゴスロリスカート。
 左手には厨二心をくすぐるチェーンを絡め、右手には拘りのデスサイズ。
 そう、これは誰が何と言おうとデスサイズなのだ。
 たとえ鉄棒の先端にちっさい草刈り鎌が付いているだけでも、棒でも棍でもなく、デスサイズなのである。
 大きい刃は取り付け無理だったんだよわかれ。
「心の目で見るのです」
 そして最後に、自身に似せる事に拘り過ぎた結果のビニールシートマントを装着。
「ワタシはイマジナリなドライヴのココロのツバサで飛ぶのです」
 フライにあらず、ジャンプにあらず、ほぼダイヴ。
 けれど悔いはない……たとえ初搭乗が黒歴史になろうとも。


●ポチとMS-01J

「飛距離のためには軽量化が重要ですよね」
 MS-01Jは元々スリムな方だが、それでもまだ重い。
 不要と判断した取り外し可能なパーツは全て外し、助走のために走る機能に特化する。
 次にテント倉庫などに使われる丈夫なシートの切れ端を縫い合わせ、AC用のパラシュートを。
 整備場の片隅に膝を折って座り、ちくちくとお裁縫をするAC……ちょっと可愛い。
 なお縫い針は鉄棒を削って作ったACサイズの自作品だ。
 針穴が大きくなりすぎるのが難点だが、モノも大きいから問題はないだろう。
「準備する物が大きすぎますから、機体に乗って作業するしかないのですよね……」
 折り畳んだそれを背中に固定して、AC本体は完成だ。
「翼を取り付けると助走の速度が出ませんし、折れない自信が無かったので」
 後は廃棄自動車からサス用の強力なバネを取ってきて、厚い鉄板で挟めばジャンプ台の出来上がり。

「ガチで飛行距離、狙います」
 ジャンプ台をカタパルトの端に固定し、全速力で助走。
 鋼鉄の塊が全速力で走る運動エネルギーの全てをジャンプ台のバネで高さに変えて、フライ・ハイ!
 とにかく高く、高く、高く、もうこれ以上は無理という最高点でパラシュートを開放。
 パラグライダーの要領で落下速度を軽減、そのまま滑るように空中を流れて飛距離を伸ばす——はずだった。
 が、まだ重すぎたのか、パラシュートの面積が足りなかったのか。
 海面に向かって斜めに突き刺さるMS-01J。
 うん、でも高度はあったよ!


●月鏡 由利菜(la3027)とテール・プロミーズ

 由利菜は廃材で翼パーツ的なものを作り、愛機の背面に取り付けた。
「飛行できるわけではありませんが……飛行機の要領で揚力は得られるはずです。それに……出力や仕掛けも重要だとは思うのですが……機体の重量も無視はできないと思います」
 余分なパーツを取り外し、外せないものはゴリゴリ削って……え、元に戻せない改造はご遠慮ください、ですか?
「ええ、そうですね……修理にはお金がかかるでしょうし」
 今回はACの操縦に慣れたいと思って参加しただけだし、勝敗には拘っていない。
 ええ、拘ってなどいませんとも。
 ACにもこうした戦闘とは無縁な活動が出来ることを知って、嬉しくなっただけですから。

「……この機体は、テール・プロミーズ。かつて、私が通っていた学園の名前から取りました」
 愛機の紹介を終え、由利菜はギリギリまで下がって助走を始めた。
「ダイブ・モードへ移行! 跳躍角度補正、45度!」
 だが出力が足りない、こんな時には仲間の応援が助けになるはず!
「アサルトコアは、リンクによる出力上昇はできるでしょうか……いや、やってみるしかない……! リンクレート、機体に転送!」
 出力が上がった、気がする!
 たとえ気のせいでもそれが力になるのがIMDだ!
 プレーンブースターによる跳躍、そして落下!
「いえ、まだです! まだ終わるわけにはまいりません……! 銃の反動を活かせば、更に距離を稼げるはず!」
 果たしてアサルトライフル2挺で飛距離は——伸びなかった。
 海面に穿たれた衝撃波の円、その真ん中に飛び込むテール・プロミーズ。

 ところで由利菜さん、ハンドル握ると人が変わるタイプですか?
「あ……わ、私、そんなに熱くなっていましたか……?」




 彼等は全力で馬鹿になりきった(褒め
 観客は大いに湧き、速攻で第二回の開催が決定したとか——

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