オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【3C】カイロ旧市街地・偵察作戦

連動 【3C】カイロ旧市街地・偵察作戦 雪芽泉琉

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
3C 特務 
参加人数
86~8人
予約人数
10010100
基本報酬
200000G
200SP
2000EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2020/05/29 20:00
完成予定
2020/06/10 20:00
機体使用
-
関連シナリオ
-


 度重なるナイル側河口付近への陽動攻撃で、ナイル川付近の敵の数が減った。
 その上リビアの橋頭堡から進軍し、各地のハヌーン・ラァーンの破壊作戦が行われている。
 ナイル川を遡り、その先にあるであろうインソムニアや、浚われた人々がいる場所を探すチャンスだった。

「地中海で過去に観測されたナイトメアデータを元に偽装してみたわ」

 来栖 由美佳は疲れた顔を隠すように笑ってみせつつ、ライセンサー達に説明する。せっかく休暇でリフレッシュしたと思ったら、急遽船を用意しろというのは、だいぶ無茶な話である。
 それでも流石天才エンジニアの仕事。一見船型ナイトメアそっくりに見えた。

「元のサイズがそれほど大きくないから、乗り込む人数は少数精鋭になるでしょう。それにこんな偽装が通用するのも一度くらいだわ」
「来栖さん程の天才エンジニアだからこそ、できた仕事です。とはいえ、うまくいくかどうかはほぼバクチ。恒常的な作戦にするには非現実的すぎる。今回の作戦も賭けに近いでしょうね」

 アイザック・ケインは由美佳を褒めつつ、ナイトメアへの偽装は二度とできない手だろうと頷く。

「船の運転は、私が担当する」

 澪河 葵は、美男子とも見紛う端麗な顔をキリリと引き締めた。万が一敵に発見された場合、仲間を乗せてすぐ逃げ出せるように、船の中で待機していると。
 アイザックは地図を広げて作戦を説明する、ナイル川を遡りカイロへ上陸、カイロ旧市街地を捜索する。
 作戦説明を聞いて、葵は問いかける。

「ケイン殿。カイロを調査する理由は?」
「衛星写真は精度が低くて、解らないけれど……それでもナイル川水域で、大きな建物が見えるのはカイロ旧市街地だけなんだ。他は広大な砂漠でね。ナイル川河口にあったような、捉えた人々を保管するための倉庫が、カイロ旧市街地にあるんじゃないかと思ったんだ」

 そこから先は行ってみない事には解らない。ただ人々を保管するための倉庫がある場所なら、インソムニアも近くに存在するかもしれない。
 由美佳は作戦に参加するライセンサー達に、腕時計を配って回った。アイザックが補足説明をする。

「万が一、調査中に敵に発見された場合、捕らえられた一般人になりすましてやり過ごす方が安全だと思う」
「大きな武器を持って歩き回ると目立つので、腕時計型のEXISを作ってみました。攻撃能力はありませんが、その分調査能力を高くしてあります。通常よりも強力な通信能力も備えています」

 ナイトメアやインソムニアなどの、リジェクション・フィールドを関知する能力に特化している為、有効射程距離が広い。インソムニアレベルの強力なリジェクション・フィールドであれば、数km離れていても関知できる。
 スキル使用も可能なので、最低限の自衛も可能だと。

「まだ試作段階で、急ピッチで仕上げたので、数量が限定されているし不安定な部分もあります。作戦が終わったら必ず返却してください」

 本当はもっと時間をかけて作りこみたかったと由美佳はぼやいた。
 アイザックはエオニア支部での後方支援の仕事が山積みなので、今回現地に同行できないと残念そうに眉をひそめる。

「一つだけ忠告しておくよ。もし捕らわれた人を見つけても、絶対に連れて帰ろうとしないこと」

 困惑するライセンサー達にアイザックは警告する。
 船のサイズに限りがあり、一人でも乗せようとすれば、自分が助かりたいと騒いで、人々がパニックになる恐れがある。
 それならば全員を連れて帰らないとする方が、捕らわれた人々の安全の為だと。

「危険な任務だけど、この偵察作戦は重要な手がかりを得るチャンスだ。無事情報を持ち帰れば、近いうちに人々を取り戻す作戦を行う。皆辛いかも知れないが、耐えて任務に当たって欲しい。吉報を待ってるよ」



 ナイトメアに偽装した船は、ナイル川を北上しカイロ旧市街地の中心の中州で止まった。
 月明かりだけが照らす夜のナイル川。船の隙間から外を観察し、ライセンサー達は息を呑む。
 かつてのカイロはエジプトの首都であり、狭い範囲で過密な人口を抱える近代的な都市だった。巨大なビルやタワーがひしめく中、遠く離れたギザのピラミッドが見える。そういう場所だ。
 しかし30年の風雪に晒された建物は、今にも崩れかねないゴーストタウンと化していた。

「……」

 葵は船の運転席から動かず、無言で頷いて仲間達を見送った。
 いつでも発進できるように、エンジンは切らない。インカムで味方からの連絡を聞き、注意喚起できるように備えている。

 ライセンサー達が慎重に外に出ると街はひっそりとしていた。予想以上にナイトメアが少ない。それでも0ではないようで、時折見張りのようなナイトメアが徘徊する。
 だが月明かりだけの暗闇と、雑多なビル群のおかげで、隠れる所は無数にあり、慎重に隠れながら移動すれば調査は可能そうだった。

 この街の何処かに捕らわれた人々がいる。何処にどれだけいるか確認すれば、後日、本格的な戦闘になった時に、スムーズな救出活動ができるだろう。




 もしもライセンサー達がカイロの南西部方面に行ったならば気がつくだろう。
 ギザのピラミッドよりずっと小型で、不自然なピラミッドの存在に。三階建てのビル程度の高さで、しかも妙に真新しい上に、カイロの都市部のすぐ隣だ。
 さらに南西部の方面に目をやれば、巨大で不自然な砂嵐が遠目に見えるだろう。月明かりしかない夜の砂漠でも見えるほどに、巨大な砂嵐が。

 人類に捨てられた地・アフリカを取り戻す。その為の偵察が、密かに始まった。

●目的
 カイロ旧市街地の偵察

●場所
 カイロ旧市街地。多くのビルが乱立しているが、既に倒壊したもの、今にも倒壊しそうなものばかり
 昔は大都市だったが、30年間放置されていたため、建物が老朽化しゴーストタウンと化している
 カイロ旧市街地の内部にナイトメアの数は少ない
 この街のどこかに、浚われた人々が捕らわれているビルがある

 主にやるべきことは3つ
 2と3はPL情報なので、実際にそれを見て、調査用EXISを使うと書けばPC情報になる

1:一般人の位置特定
 街の何処かに浚われた人々を探し、近々SALFが助けに来ると伝えてください
 今回は場所を特定するだけで、一般人の救助は禁止です

(PL情報)
2:謎のピラミッドの調査
 カイロ旧市街地の南東部、郊外に謎のピラミッドがあります。直接見れば最近作られたことは明白
 攻撃能力はなく、ただ頑丈なだけなので慎重に行動すれば安全

3:砂嵐の調査
 カイロ旧市街地の南東方向、謎のピラミッドの先、かなり離れた位置に砂嵐が見えます。街から離れると目立つので、町外れぎりぎりから、遠目に観察してデータを取ってください
(PL情報ここまで)


●状況
 時間帯は夜。雲はなく晴れていて、光源は月明かりのみ。ライトで目立つ事は避ける為に光源の使用は不許可
 慎重に行動すれば、敵に見つからずに調査できる
 大きな騒ぎや破壊行動等をとると、ナイトメアが侵入を察知し、外部の支城から仲間を呼び寄せます
 PC全員に調査用のEXISが貸し出されます。その代わり武器の持ち込み禁止

・調査用EXIS
 由美佳が開発した腕時計型EXIS。
 攻撃性能はないが、ライセンサーのIMDを発揮することができ、装備中はスキル使用可
 調査能力に特化しており、調査対象へ向けて意識を集中するだけで、データ採取可能
 対象のリジェクション・フィールドが強いほど、距離が離れていても関知可能

 こんにちわ、雪芽泉琉です。
 3C作戦の今後を左右する、重要な偵察任務となります。
 後日カイロに捕らわれた人々を助け出しますが、今回はその前段階の調査です。
 慎重な行動をよろしくお願いします。

  • 夢見る力で世界は動く
    月居 渉la0081
    人間18才|ネメシスフォース×グラップラー

砂嵐調査を担当
同行:都築さん
借りられたら双眼鏡とチョークを携帯
スマホは画面を黒い紙で覆い光が漏れないよう最大限注意し常時通話状態に

暗視・聴覚・探索追跡スキルは積極活用
万が一の撤退時は全力移動使用、見つかった場合は既に捕らえられた人質の振りをする
移動時は建物の陰を利用し慎重に
もし人の気配や物音を感知した場合声はかけず、チョークで扉の隅に印をつけ目印に

都築さんの高所調査時は建物下部で周囲を警戒及び探索
敵接近気配あれば互いにスマホを叩く等合図しやり過ごす

砂嵐発見時は調査用EXISをそちら側へ向けつつ、まずは遠目に観察
双眼鏡利用(月光反射注意)&砂粒が飛散してくるようならゴーグル着用
最初は範囲、高さ、風向き、風の強さを観察
(んー、どう考えても人工的なやつだよね…だとすると、どこから発生させてるのかな)

街外れギリギリから
・ピラミッドへ向かう/こちらへ戻る足跡や痕跡の有無
・ピラミッドと砂嵐間で何らかの光や電波のようなものの送受信有無
・周辺地中に強い反応は感じられるか
・砂嵐の中心部分に何かあるか
・嵐の向きや強さの周期性、風砂音以外の音の有無
・瓦礫に偽装した何らかの装置の有無
を調査。特に暗視と聴覚は最大限活用する
自分たちの足跡や滞在痕跡は極力消しておく

調査時は互いに背後や周囲を警戒し合い、常に退路を確認・確保しておく
調査完了後は速やかに撤退

★アドリブ・絡み可
○心情
「助けられないのは心が痛むけれど…アイクの言うことももっともだもの…
個人的には助けたいが同時にそれが元で助けられないのも心苦しい

○目的
カイロ市街地偵察
一般人の場所・人数特定

○行動
桃簾さんと行動
作戦前に【隠密】のコツ聞く
北西→南西へ【隠密】使い建物の影に隠れ探索
敵行動はメモ等記録に残す
【暗視】使い周囲警戒、発見されそうな場合物陰に隠れる
それも無理な場合石ころ等明後日の方向に投げ意識逸らしその隙に離脱
衛星写真貰えるなら衛星写真と現在地照合し巡回ルート割り出す
同時に巡回ルートから調査する建物に目星付ける
探索中ビル等高所に登る場合建物の位置関係・敵配置・巡回ルート把握
探索箇所の絞り込みに利用
「引き付けるなら得意だけど、隠れるってちょっと難しいわね…」
「一望できる…って訳じゃないけれど、それでもだいぶ絞れそうよね」

一般人の方見つけたらまず位置情報を葵に転送
次点で【話術】で他の方々どこにいるか・人数等把握
「こんばんは、助けに…って言いたいけど、その為に教えてほしいことがあるの」
「大丈夫、そう遠くない未来、必ず助けに来るわ。だから約束して。ここで出会ったと言わないこと。これまで通り過ごすこと。信ずることを諦めないこと。誰一人失わないために…お願いできるかしら」

見張りに発見された場合一般人に擬態しやり過ごす
連行されたら位置情報飛ばし【隠密】併用し探索

髪は編んで、帽子をかぶって中に収めるように。
動きやすく目立たない色の服装で。

白神さんとペアで行動。
それぞれ死角をカバーするように警戒をしながら、南東の方角を進みつつ、ひとまず(ピラミッドを発見するまでは)一般人捜索を行う。大勢の人が入れそうな建物などはチェックする。
暗視スキルで月明りの陰になる場所なども確認し、そういった場所に姿を隠しながら見つからないよう行動。
聴覚スキルで敵の立てる物音などから動きを察知。

ピラミッドを発見したら、そこの調査に向かう。
見張りのようなものがいないか、監視カメラや警報装置みたいなものが設置されてないか等、警戒しながら近づく。

腕時計型EXISを使って調査。
白神さんが調査に意識を向けているといは、私は周囲の警戒を行う。
可能なら周囲をぐるりと回ってみて、出入口みたいなものが無いか確認。
別の側面、ピラミッドの頂点部分、地下の方向など、様々な角度に調査用EXISを向けてデータを取ってみる。

万が一敵に見つかった場合は、捕らえられた一般人になりすます。
隙を見て味方と連絡を取り合い、タイミングを計って逃げ出す。

重要な情報は仲間とできる限り共有。
有事の際一気に突破する時等は全力移動を使用。
撤退のタイミングなどは仲間と連絡を取り合って。

次にここに来るときは、助け出すために戦う時、ね。
取り戻すわ、絶対に。

■心情
この場で助けられないことは歯痒いですが、次に繋げる為の調査です
必ず皆さんを救出する為にも
敵に発見されない事を重視しながら、可能な限り情報を持ち帰りましょう

■行動
宵闇に紛れやすい色布を羽織り、移動時に目立たないようにする
ペン、メモ帳などの所持品は落とさないよう紐を通し首から掛ける
紙を破って使用した時は使用後に飲み込んで片付ける
証拠品は残さず、音は抑える
万が一見つかったら一般人のフリでやり過ごす
その後様子を見てなるべく早急に離脱、撤退

■一般人捜索
シオンさんとペア
北東→南東へ向かって調査
・行動
隠密しながら一般人を探す
常に前方の警戒
聴覚を研ぎ澄まし音の聞き分け
足音や声がしたら注意を促し、敵の巡回ルートや大まかな数を把握
気配や音を感じたら隠れ、調査用EXISと合わせて探気を使用し敵か一般人かの判別
足場が安定し登れる建物があれば慎重に登り、高所から周辺全体の様子を確認
人を集められそうな場所に目星をつける
場所や来た道の情報等はメモが可能な所で地図として残す
一般人が居る場所を特定したら、周囲を警戒しながら侵入出来る場所を探し中へ
・声掛け
直接のやりとりが出来る状態になったら情報収集に加え心理的フォローをする
対話は周囲を警戒しながら声を抑えて言葉を伝え、手・指も使用する(簡単な身振り、掌に指で文字を書く)
「此処に来るまでに砂嵐やピラミッドを見ましたか?」(今回得た情報との相違や変化があるか後程比較する為)
「今はまだ情報が足りない為、安全な脱出が出来ません」
「皆さん一緒に脱出できるように、準備を整えて必ず助けに来ます。どうかもう少しだけ、待っていてください」

  • 胸に抱いた覚悟
    白神 凪la0559
    放浪者18才|スナイパー×ネメシスフォース

行動方針:ピラミッドを優先的に調査しつつ、情報を探る

行動:事前に撤収の時間制限等を今回の偵察メンバーと共有し、
調査の分担を決めて、班に分かれて調査を行う。

その後、街の南東方面に、一般人の収容地や地形、街の現在の様子などを調べつつ向かう。

ピラミッド発見後は、ピラミッドの調査を最優先として行い情報収集を行う。
撤収時間が近くなれば、船へと戻る。

移動中は暗視や聴覚で周囲に見張りや巡回がいないかを調べつつ、隠密のスキルも併用し、敵に発見されないように慎重にすすむ。
「見つかって警戒されるのも、収容されるのも勘弁だな」

ピラミッド発見後は、規模や武装らしきものの有無、出入り口などがないかや
ナイトメアの出入りがないかなど、外部から可能な限り情報を収集しつつ、
調査用EXISも稼働させてデータをとる。あまり近づきすぎないように注意する
その際もピラミッドから誰かが出てきたり巡回の見張りがいないかは注意をする。

  • アイスの女神
    桃簾la0911
    放浪者22才|グラップラー×スピリットウォーリア

等しく民を救うには、行いも等しくあるべきです
今回の人数では救出に不十分であることは自明の理
ならば未来を確実にしましょう

■準備
区画、路が分かれば衛生写真借用
髪は纏め帽子に収納(服装での隠密性向上
撤退リミットを葵に確認(船の撤退考慮

■行動
ミラ(la0103)と同行
北西から南西へ、路地や建物陰等利用、隠密使い一般人居場所捜索
「わたくしも対面し躱す方が得意ですね…
拘束の為、見張りも他所より厚いと推測
敵配置・巡回経路を観察、それを元に範囲絞り居場所見当つける
多人数移動で同方向への足跡痕跡がないか、探索・追跡で追う
聴覚で敵の接近察知
一般人が立てる音の聞取り、灯の漏出、生物の匂いも居場所発見の材料に
「生きるなら何も発しないことはないでしょうから

一般人発見で位置情報転送、味方共有
扉越しか、対面会話出来る環境なら中心的人物との会話希望
「夜分に失礼を。貴方がたの救出の為の準備に来ました…全員救う為に力を貸して下さい
現在地の人数、老若男女比、他拘束場所認知の有無、食事供給の状況聴取
敵の食事提供あれば当該時刻は敵数増加を推測、救出時に考慮出来る為
「必ず皆助けますので、もう少し耐えて下さい
今夜の事は内密に、これまでと生活は変えず…けれど未来には希望を」

敵から発見時は一般人装いやり過ごす⇒捜索、脱出
緊急時は全力移動

心情
「救出作戦を成功させる為に一つでも情報を集めて帰らねばな」
先の見えぬ虜囚の身は苦しかろう
生きる為の糧となる希望を届けるとしよう

目的
敵に発見されず撤退する
一般人の位置特定をして協力を仰ぎ情報を集める
協力者の精神的な高揚を抑える

行動
一般人の位置特定・説得後の情報収集対応
依頼前に求める情報の優先内容を聞く・葵と相談して撤収予定時間を定める
夜の闇に紛れ易い布で身を包み武器は船に置く
北東→南東側を望と慎重に調査する
敵の配置や巡回ルートから一般人の居場所を探す
探索は主に後方・上空を警戒し前方は望に任せる
視界が悪い場所や物陰は警戒して進む
敵の気配があれば隠密して動向を調べる
敵動向から調査用EXISや探索・追跡で探る
一般人を発見後は話術で情報を得る
情報収集中はスマホで録音して漏れを防ぐ
光源や会話の音は周囲の状況に配慮する

台詞
「俺達は救出作戦前の情報収集に来ている。作戦成功の為に協力をして貰いたい」
「人類側の証明になるかは解からないが用意した物がある」
お菓子を渡して食べて貰いゴミは回収する
「作戦決行まで普段と変わらない行動を心掛けてくれ」
「施設の構造や配置など教えてくれ。どんな些細な情報でも構わない」
優先順位の高い情報から聞き出す
「俺達と接触したことは秘密にしておいてくれ」

  • 転生のタンザナイト
    都築 聖史la2730
    人間22才|セイント×グラップラー

「南東(砂嵐」調査メイン
調査時間に限りがあるので、移動と判断は迅速に
移動中は目立たぬよう、敵に見つからない事を最優先(音には細心の注意
会話は最小限、隠れてインカムや小声で
一定距離移動後、調査用EXISで周辺のナイトメア有無確認(回避目的
移動内容、全力移動のタイミングは仲間に合わせる
撤退のタイミングや集合箇所を仲間と確認・厳守
同方向の仲間と協力し、行動の相違は仲間優先

行動初手
廃墟で倒壊の危険性が少ない(石造り等)建築物の高所から街全体と郊外の大まかな把握に努める
(上空や他の建物屋上等に敵いないか注意
(他に高所確認する仲間がいる場合は協力して時短

ほぼ廃墟の場所に合わない明らか新しい建物や改築、明かりの灯る建物は注視・共有(民間人または敵のいる可能性
高所で調査型EXISで全方位調査(できれば広範囲
調査型EXISで敵が固まって確認できるところは注意喚起と共有
反応が強い方向を目視確認
砂嵐が見えた際にNPCに天候確認(移動速度や実際の市街地の風向も確認

高所と、砂嵐が開けて見える街はずれの2箇所から廃墟内から隠れつつ調査
・砂嵐の大きさや範囲、外観、風の強さ
・砂嵐の中に見えるもの(建造物や大型の敵影)、砂嵐の周囲に存在する敵や装置等
・砂嵐を起こす原因の装置や敵

調査型EXISに映像を残せる機能がない場合はスマホカメラの夜景モード活用
→調査(撮影)時共通
・「隠密1」常時使用
・一定時間で探気(敵の接近警戒
・暗視が無いので、暗闇に目がなれても見えない場合はスマホ夜景モードを暗視ゴーグル代わりに
(・スマホ使用時は上着をカメラにかける布(冠布)の様に被って隠れて撮影(光漏れ対策
(・スマホはマナーモードで使用、活用時はスピーカー部を指で抑えて操作音音漏れ警戒

スマホ映像有はNPC限定送信(他PCへの行動阻害・妨害回避と自身の帰還不能を考慮し


 来栖・望(la0468)は裾を摘まんで葵へ丁寧に一礼。
「葵さんと共にお仕事は、久し振りですね」
「ひさしぶりだ。よろしく頼む」
 皆で事前に撤収時間の目安の確認し、夜明け1時間前をリミットに定める。
「わかった。そっちは頼んだ」
 白神 凪(la0559)は撤退時間に頷き、シオンと望を見る。二人を信頼しているから自分の仕事に集中できる。腕時計型EXISを身につけぼやく。
「敵地偵察で非武装ね。ま、やるしかねぇな」
 使い慣れた獲物がないのは違和感があった。凪とチームを組むソレイユ・フラム(la0139)が小さく手を上げる。
「よろしく頼むわね」
「ああ、よろしく頼む」

「サイード殿からこれを預かってきた」
 葵が出したのはアズランが保存していた30年前のカイロ地図だ。
「大きく変化はあるだろう。だが目安にはなる」
 皆が地図を覗き込み暗記する間に都築 聖史(la2730)は葵に話す。
「澪河、映像が撮れたら送ります。持ち帰ってください」
 調査中の仲間へ送ると邪魔になるから葵にだけ送る。自分が帰還できない可能性も考慮していた。
 その覚悟に葵は気を引き締めて頷く。
「承知」
 
 月居 渉(la0081)は双眼鏡とチョークを借り、スマホを黒い紙で覆い光が漏れないようにした。
「もし人の気配や物音に気づいたら、チョークで扉の隅に印をつけ目印をつけておきます」
「それはこちらの調査がはかどるわね」
 ミラ・ケートス(la0103)は微笑んで頷いた後、すぐに表情を曇らせた。
「助けられないのは心が痛むけれど……アイクの言うことももっともだもの……」
 個人的には囚われた人々を今助けたい。同時に助けられないのも心苦しい。
 桃簾(la0911)は胸を張り厳かに宣言する。
「等しく民を救うには、行いも等しくあるべきです。今回の人数では救出に不十分であることは自明の理。ならば未来を確実にしましょう」
 望はミラの憂いに寄り添うように言葉をかける。
「この場で助けられないことは歯痒いですが、次に繋げる為の調査です。必ず皆さんを救出する為にも、敵に発見されない事を重視しながら、可能な限り情報を持ち帰りましょう」
 望の隣でシオン・エルロード(la1531)も堂々と佇んで頷く。
「救出作戦を成功させる為に一つでも情報を集めて帰らねばな」
 いつもと変わらぬ余裕の笑みに見えて、内心複雑な思いを抱えていた。
(先の見えぬ虜囚の身は苦しかろう。生きる為の糧となる希望を届けるとしよう)

 ソレイユ・フラムは金髪を編んで、黒い帽子を被って収め、黒い服を身に纏う。
「夜に明るい色は目立つ物ね」
「ええ、わたくしも髪を隠します」
 桃簾も夜目に目立つ鴇色の髪を帽子で隠す。
 各自準備を整え船から出る。その時望は皆を見渡して告げた。
「行って参ります。皆様もお気をつけて」
 皆が無言で頷き、宵闇へ向かっていった。

 聖史はビルの上でぐるり街を見渡す。上空やビルの上に敵はいないようだ。地図と照らし合わせ確認し囁くように通信する。
『いくつかビルが倒壊していますが、概ね地図を宛てにできそうです』
『一望できる……って訳じゃないけれど、それでもだいぶ絞れそうよね』
『人を集めるのに適した場所も探しておきましょう』
 ミラと望も別のビルの上から観察し、調査型EXISをかざし、手分けして敵の位置を調べる。
 街中に不自然に新しい建物も、灯りも見当たらない。ビルから近い範囲で何体か発見。いずれも単独行動だ。
『敵位置情報を送るわね』
『移動していますね。巡回ルートでしょうか?』
 ミラと望がそう話している間に、聖史は遠くに見えた物に強い違和感を感じた。
『街の南東部に、砂嵐と……ピラミッド?』
 地図上のその位置にピラミッドは存在しない。
 三人は全員に情報共有し行動を開始した。



 宵闇に紛れる揃いの黒い布を纏ったシオンと望は、静かに街の北東部へ向かった。望はペンやメモ帳に紐をつけ、落とさぬよう首に掛けている。
 望は敵が近くにいないか探気で確認し、シオンは道に人が歩く痕跡がないか丹念に調べる。シオンが周囲を警戒する間に、望は紙に記録を残した。
 二人の間に会話はないが、阿吽の呼吸で調査は進む。敵の配置や巡回ルートから、位置が絞り込めてきた。
 とあるビルの入口に人の足跡を見つけ忍び込む。音を立てぬようにそっと扉を開けたら、灯りもない暗闇に、数十人の人がいた。服は汚れ顔色は悪い。
「……SALFの者だ」
「SALF! 助けに来てくれたのか!」
「……お静かにお願いします。敵に気づかれます」
「俺達は救出作戦前の情報収集に来ている。作戦成功の為に協力をして貰いたい」
 堂々としたシオンの態度に頼もしさを感じたのか、人々は素直に語り出す。その間望は敵が来ないか警戒を続けた。
「これまでの事を教えてくれ。どんな些細な情報でも構わない」
 ここにいるのは3ヶ月前に浚われた人だけ。船から降りたらすぐここに連れてこられた。他にもいるはずだが位置は解らない。逃げようとすると外の敵に殺される。時々人を選んで連れていかれ、戻ってきた者はいない。
 シオンはスマホで録音しつつ表情を観察した。助けが来たと希望を持った人々を見て心が軋む。
「俺達と接触したことは秘密にしておいてくれ」
「どうしてだ? 今すぐ助けてくれ!」
 望は両手でそっと押さえるように宥め、申し訳なさそうに頭を下げる。
「今はまだ情報が足りない為、安全な脱出が出来ません」
 希望が落胆に変わり、啜り泣く声が響く。シオンは懐から菓子を取り出し若い少年に手渡した。
「人類側の証明になるかは解からないが用意した物がある」
「……お菓子」
 ナイトメアから供給される食事は必要最低限の貧しい物で、少年は貪るように食べた。菓子のように甘い希望は体に活力を与える。ゴミを回収してシオンは立ち上がった。
「作戦決行まで普段と変わらない行動を心掛けてくれ」
「皆さん一緒に脱出できるように、準備を整えて必ず助けに来ます。どうかもう少しだけ、待っていてください」
 人々は二人に縋るような視線を向ける。
「待っているから、必ず戻って来てくれ」
 悲痛な声に心が軋むような思いで、二人は次の場所へ向かった。



 北西部へ向かったミラは暗闇をよく観察し、桃簾は聞き耳を立てる。周囲に敵がいないことを確認し、隠密が得意な桃簾が先に歩き、ミラがその後に続く。
「引き付けるなら得意だけど、隠れるってちょっと難しいわね……」
「わたくしも対面し躱す方が得意ですね……」
 内心の不安を隠してミラは道をメモに残していく。桃簾は敵が巡回する所こそ、人がいるのではと推測し、道に残された足跡を探す。何かが通った痕跡を元に範囲を絞りこむ。
「生きるなら何も発しないことはないでしょうから」
 1つのビルの前で音が聞こえた。扉に近づくと汗と埃に塗れた悪臭がする。そっと窓から覗き見て人がいるのを確認。
 すぐにミラは葵に位置情報を転送した。
「夜分に失礼を。貴方がたの救出の為の準備に来ました」
 そっと扉越しに声をかけ、二人は扉を開けた。中には数十人の人々がいた。原始的な衣服と、痩せ細って生気の無い顔が、虚ろに二人を見た。
「こんばんは、助けに……って言いたいけど、その為に教えてほしいことがあるの」
「……たすけ?」
「この中に代表者はいませんか?」
 年老いた男が手を上げた。集落の纏め役をしていたという。
「SALFの者です。……全員救う為に力を貸して下さい」
「さるふってなんだ?」
 ここにいるのはSALFが生まれる前からアフリカにいた人々だけのようだ。声も感情も弱いのは、長年精神搾取され続けた後遺症だ。
 桃簾は全員を冷静に観察し人数や構成を把握。淡々と質問を続ける。
 ここ以外にも拘束されているだろうが知らない。ナイトメアが1日1回朝に食べ物を置いていく。
「大丈夫、そう遠くない未来、必ず助けに来るわ。だから約束して。ここで出会ったと言わないこと。これまで通り過ごすこと。信ずることを諦めないこと。誰一人失わないために……お願いできるかしら」
 ミラの言葉に項垂れたまま小さく呟く。
「……逆らえば死ぬより辛いめにあう。……大人しく従うだけだ。何も変わらない」
 助けるという言葉を未だ信用できないのだ。
 桃簾は項垂れた男の手をとった。汗と泥に汚れ痩せこけた手。汚れる事も厭わずそっと抱擁した。
「必ず皆助けますので、もう少し耐えて下さい。今夜の事は内密に、これまでと生活は変えず……けれど未来には希望を」
 その温かさに、虚ろだった男の目から思わず涙が零れた。
「……たすけて、くれ」
 その言葉に続く様に、皆が助けてと囁く。助けなんてこない。そう絶望していた人々が、初めて浮かべた希望だ。
 ミラは立ち去りがたい気持ちを振り切って、桃簾と外に出た。その姿を人々は静かに見送った。
「やっぱり、今回救ってはダメ……って言うのはとっても辛いわ。誰一人欠けずに助けるためだから、心を鬼にするしかないわよね……」
 今すぐ救ってあげたいが、走るのも難しい程痩せている。必ず助けに来る。そう誓って次へ歩き出す。



 凪とソレイユは南東部を探索していた。
 暗闇を見通す目と、聴き耳をたて、月明りの陰を渡り、敵に見つからぬよう慎重に探る。
「見つかって警戒されるのも、収容されるのも勘弁だな」
「そうね。生きて帰るわ」
 ビルを通り過ぎる時、ソレイユは人がいないか確認した。
「誰もいないわね」
「敵も少ない気がする。人がいないからか?」
 そう言いつつ、凪は逆に敵がいそうな所を探る。南東部方面に音が聞こえた。
 2人で死角をカバーし合い、ゆっくりと南東へ向かった。

 ソレは明らかに不自然だった。建物がなくなり街を外れると砂漠が広がり、3階建てのビル程の高さのピラミッドがあった。
 ピラミッドにしては小さすぎる。凪は違和感を感じ、腕時計を向けると強いリジェクション・フィールドを感知した。
「人工物じゃないな」
「見張りはいないみたいね。今のうちに行きましょう」
 ソレイユは周囲を慎重に観察し、監視カメラや警報装置がないか、警戒しながら近づく。
 触れるほど接近したが、今の所変化はない。間近で見ると妙に真新しい。凪は調査用EXISも稼働させてデータをとる。その間ソレイユは周囲を警戒していた。
「北側に敵がいるわね。移動しましょう」
「ああ」
 2人はピラミッドの影に隠れるように南側に回る。出入り口や武器がないか観察するが、石が積み上げられている以外に何も見当たらない。
 ソレイユはピラミッドの側面、頂点、地下と様々な角度を調査してみる。すると1つ解ることがあった。
「下より上の方が反応が強いわね」
「上から何処かへ……力の流れが繋がっている、のか?」
 あまりに強すぎるのか時計の針がぐるぐる回り、今にも壊れそうで凪は諦めた。凪はすぐに仲間に情報を送る。ピラミッド周辺は砂漠で風もあり足跡はすぐ消える。
「データを取れば解析をしてくれるだろう。早めに退散するか。誰かが情報を持ち替えらねぇと、な」
「そうね。次にここに来るときは、助け出すために戦う時、ね。取り戻すわ、絶対に」
 後ろ髪を引かれる思いを砂漠に残して、ソレイユは強く誓って去った。



 渉と聖史もまた南東部へやってきた。町外れギリギリからでも、遠目に大きな砂嵐が見える。
 渉は双眼鏡でじっと砂嵐を観察した。ぐるぐると同じ場所で回り続ける様子が不自然だ。
(んー、どう考えても人工的なやつだよね……だとすると、どこから発生させてるのかな)
 聖史は葵に問いかける。
『そちらの天候は?』
『変わらない。雲1つ無く穏やかだ』
 自然に砂嵐が発生する要因はない。2人は隠れられそうな建物内に潜伏し、腕時計を砂嵐に向けた。
 かなり距離があるのに、強いリジェクション・フィールドを感知した。

 聖史は上着を被って隠し、スマホカメラの夜景モードで砂嵐を撮影する。映像記録から得られる情報は大きい。
 砂嵐の範囲と高さは大きい。風向きは常に一定方向。風の強さはわからない。2人の近くは風1つない。
「あのピラミッドも気になるよね」
「連絡がありました。ピラミッドの頂上に強い反応があるそうです」
「上か……」
 渉は砂嵐からピラミッドへ、腕時計の方向を変えてみる。それは見えない糸で繋がっているかのように、強い反応があった。
「ピラミッドと砂嵐間で何らかの送受信があるのかな」
「ピラミッドと別方向は、反応なし。あの2つは関係が深そうですね」
 聖史が定期的に使っていた探気で気づき、無言で渉を見た。2人はさっと物陰に隠れる。敵はゆっくり砂嵐の方向に向かった。
 十分に距離を取ったのを確認し起き上がる。
「怪しい……あの砂嵐の中にインソムニアがあるのかも」
「この遠さでも強い反応があるのですから、その可能性は高いですね」
 聖史は素早く録画データを葵に送り、撤収の準備を始めた。


 予定時間までの間に全員無事船へ帰還した。敵に気づかれる事も無く、静かにナイル川を下る。
 残された人々を思い、心残りを抱いたまま。



 ライセンサー達は報告する。
「途中で南側は確認したんですけど、誰もいなかったんですよね」
 渉の報告に一般人捜索班もカイロの北側に集められていたと頷く。
「救助する際に一度集めるなら、カイロタワー周辺が安全です」
 川の中州に位置し開けた土地があると望はアイザックに報告。
「川から船で護送すること可能だしちょうど良いね」
「ピラミッドに見張りはいなかったけど、敵の通り道みたいね。大人数でいけばすぐ見つかると思うわ」
 ソレイユの推測に陽動で敵を引き離す作戦が必要だろうとアイザックは語った。
「ピラミッドと砂嵐のリジェクション・フィールドはかなり強いですね。半分壊れてるわ」
 由美佳は解析したデータ解析結果を報告する。砂嵐の中のデータが巨大なのに精度が低い。聖史の取った動画を解析しても、砂嵐の中が全く解らないのは不自然だ。
「あの砂嵐がインソムニアを秘匿し妨害しています。力の流れから見るにピラミッドが砂嵐を作り出しているのでしょう」
「では、ピラミッドを壊せば、砂嵐は消える?」
「……おそらくは」

 真剣に話し合う皆を見てミラは包みをしまう。
「この前買ったプレゼント、渡せればと思ったんだけれど……仕方ないわ。カイロに捕われた人たちを助けたその後、ハッピーエンドを迎えてからね」
 厳しい顔で考え込むアイザックの横顔を眺めた。笑顔がない。それだけアフリカにかける思いが強いのだとミラは悟った。

「皆、危険な任務をしてくれてありがとう。とても重要なデータが集まった。次の作戦の準備は進んでいる。また君達の力を借りることになるよ」
 ふっといつも通りアイザックが微笑んで緊張が緩む。
「囚われた人を見て罪悪感を感じた人もいるよね。だから今は休んで自分を労って欲しい」

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