オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
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  3. 【金乱】眠る前にお遊びを

連動 【金乱】眠る前にお遊びを 狐野径

形態
ショート
難易度
難しい
価格
1000
ジャンル
金乱 バトル 救出 
参加人数
63~6人
予約人数
10010100
基本報酬
230000G
230SP
2300EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2020/05/05 12:00
完成予定
2020/05/15 12:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●さてどうするのか?
 南陽のインソムニア『酒池肉林』の調査にやってきた一行が目にした物は、まばゆい金一色の景色。薄く張られた水、甘い香りが漂う世界。
 生えている草、木、遠くに見える峻厳な山々から水墨画に入っているかのように思えるかもしれない。
 ただ、その色は黒い墨の濃淡ではなく、黄金。
 きらめきの中ただ、歩く。
 何のために歩いているのか忘れそうなくらい、穏やかさ。
 ナイトメアはいなくはない、はず。一行は運良く出会っていないとしても、ここがインソムニアならいないはずはない。
 マッピングしつつ進むが、進んできた道は変化に乏しかった。
 木陰に眠る人々を発見した。
 そこにいる幾人かの老若男女は穏やかな、幸せそうな顔をしている。
 ライセンサーたちがどう連れて行くか検討している時、幼い子どもの声がする。
「ねぇねぇ、ニンゲン、遊ぼ?」
 近くの木の陰にいる。
 古風な中国の服を着ている。服装からは男児か女児か全く分からない。髪型は目の上と肩の上で切りそろえられている。
「その人たちを連れて行くの? どうして? なんで? ここにいれば、みーんな、楽しいのよ」
 びょこびょこと跳びまわりながら言う。
「どうしても連れて行くの? 別に、このニンゲンにひどいことはしていないよ?」
 小首を傾げて問う。
 敵対の意志を示したところ、幼い子は唇を尖らせた。
「そっかー。あ、この人間なら、食べてもいいんだよね!」
 子どものその背後に頭が九つある怪鳥が降り立つ。羽も九対あるのか複雑な様子。
「その前に、遊んであげるよー。ぼく、いい子だから」
 子どもの姿をしたそれはかわいらしい顔のまま、けたたましく笑う。それを止めたとき、威厳を持ち告げた。
「鬼車、やっちゃえ」
「ひょおおおおおおおおお」
「けしゃああああああああ」
 鳥のくちばしはそれぞれ了解の意を示した。
 ライセンサーたちを狙い、行動を開始した。
 ライセンサーたちは、どう行動するか……。

●停滞する心、夢の中へ 誰、彼のココロ
 もうつらいのはいやだ。
 勉強、仕事、お金、愛……努力、願い、挫折……悲しみ、怒り……希望が見えない、自分が見えない。
 欲しいものは手に入らない。
 努力は消える。
 どうしていいのか分からない。
 僕、私、我、俺……必要なことは何だろう?
 安寧が欲しい、希望が欲しい、願いが叶って欲しい……もう、疲れたから、いいよね?
 夢の中は温かく、気持ちよく……夢をみる。

 調査していたら、何人か眠っている人たちがいたよ。
 ナイトメアが出たよ、どうする?
 ???

●戦場
 木が一本ある以外、広い。
 出口は一カ所。
 ライセンサーが荷物なく、全力で走るなら、一分以内に出口につながる通路に入れる。
 通路に鬼車は大きさ的に入れない。

●敵情報
 ・エトン(OPで子どもと表記のモノ)
 身長130センチくらい、性別不明。
 十中八九ナイトメア。チャクラムを持っているため、斬撃はしてくる。
 【死ねば】攻撃、使用回数4回。射程4、範囲1スクエア内、無数に切り刻む。
 【遊ぼ】対抗、使用2回、射程不明、対象不明。
 詳細は不明だが、自身に対する攻撃のカウンター。

 ・鬼車(キシャ)
 ミミズクに似た鳥で翼を広げると3メートルになる妖怪に似ている形をしている。
 頭が9個ある。空から近づいて爪で攻撃する、羽ばたいて吹き飛ばそうとする、くちばしで突く。
 羽毛がしっかり生えているため、防御が高い。

●状況
インソムニア『酒池肉林』内部。

▼黄金の霧
特設ページ参照。

 こんにちは、狐野径です。
 生きて帰ろうですー。その中で、眠っている人をどうするか、敵をどう見るか、マッピングをどうするかなど、することを考える必要はあります。なお、欲張ると、失敗する予感がします。
 OPに眠る人の心情が記載ありますが……。
 よろしくお願いします。

「追ってた奴らとは違うが…良いだろう遊んでもらおうか?」
●目的:情報収集
●重視:敵の能力調査
「霧の中ではお前らはすぐ回復するんだろ?」
「試そうか…どの程度回復するか…倒しきれるかどうかッ!」

●戦闘:対鬼車(優先) 対エトン(極力相手せず攻撃は避ける)
◦遠距離時はネイガウスで通常攻撃→コンボ→アグロファイア
◦中距離時は二丁散弾銃で通常攻撃→コンボ→アグロファイア
「最大火力だ。全弾持っていきな!」「フルバーストッ!」

◦近距離時(&全射撃弾切れ時)
ツヴァイヘンダーFEで通常攻撃→コンボ→インフェルノオンスロート
「妄信正義バカ用だが…試し斬りに丁度良い…」

◦対抗は常に回避
白兵装備時は炎熱幻影『陽炎』使用

●撤収
①敵回復が此方の火力を上回る場合②味方に合わせ
携帯1の大鷲爪翼装備で回避で時間を稼ぎ、最後に撤退。
戦闘不能者が居た場合、抱えるor引きずって連れ帰る

  • 首があるなら刈ってみせる
    紅迅 斬華la2548
    人間25才|セイント×ネメシスフォース

皆さん敵はエルゴマンサーの可能性が高いです。今回はあくまで調査…悔しいですが生存を第一に、出来るだけ情報を得て撤退します!

目的
多くの情報を持ち帰る
鬼車の首全部

行動
常に情報共有する
ロールスキル:絶刃絶滅は常に使用、知覚攻撃の射程+2する
鬼車殲滅とエトンを撃退できそうならその後可能な限り救助活動を行うプランだが、生存撤退最優先
「エルゴマンサーの能力は未知数…。先に邪魔な鳥を片付けましょう♪」
出口を探し、後退しつつ敵と交戦

未知のエトンには手を出さず、鬼車を殲滅
「首が9個♪どうしてそんなに弱点を増やしたのですか?♪(そわそわ)」
エトンの攻撃から味方を守れる位置取りでエトンの攻撃を武器で捌き軽減し鬼車に威力偵察を兼ねた極光天照使用
味方とエトンを識別し、9個の首全てを範囲に入れて全て刈る気で放つ
「この技、元々はエルゴマンサー用に編み出したんですよ♪首、全部貰いますね♪」

出口を見つけたら出口へ向かいながら戦闘

極光天照の最後の一撃は鬼車の首を全部刈る為に止めに温存しておく

敵の攻撃に当たると危険な味方が居れば射線を遮り守る

戦闘中、歩幅と足運びの速度を一歩一歩大きく不規則に変え、敵の攻防の間合いと距離感を狂わせる

即時撤退条件
①鬼車殲滅

②ハイヒールを使い切る

③味方が2人戦闘不能で全力で撤退
自分は盾装備し殿を務め、3人に負傷者の運搬を頼む
撤退の際は破山衝で吹き飛ばし、距離を空ける
エトンのスキルや能力、ダメージ記録
※自分も生きて帰る気満々

撤退時眠っている人達に届くと祈って大声で伝言
「必ず!必ず!!邪魔する奴ら全部薙ぎ払って迎えに来ます!お姉さんは例え辛くとも!苦しくとも!貴方達に己の力で未来を勝ち取って欲しい!だから待っていて!」

生命5割以下で盾で神津風使用
200以下で盾で高天原

うわあ、この穏やかな空間死後の世界で例えるなら天国っていうのです?だとしたら、魂を閉じ込めるための牢獄に過ぎないのです、これならアンリは地獄に落ちて良いのです。

アンリは甘い夢を見るために生きてるのじゃないのです、世界に中指を立てて反逆するのが目的なのです、欲しい物が手に入らないなら奪い取れば良いのです、戦えば良いのです。

霧で見えにくいと思ったら、いろんな声で騒ぐデカい鳥が居るのです。

エリアスナイプを使って、ショットガンを胴体や翼めがけて撃っていくのです、相手の動く位置を予測して少し先に撃っていき、鳥の動きを封じていくのです。

敵の移動に合わせて距離を保ちながら移動していくのです!

アレだけの頭を持って飛べるのだから筋肉と骨が丈夫そうなのです、胴体を撃ちまくった衝撃で骨をへし折って肺や心臓を潰してやるのです、頭を大鉈で弾きながら懐に潜り込んで、胴体に【燕返し】を打ち込んで止めをさしてやるのです!

それから出来る限り首と頭を潰してやるのです。

エトンに対して撤退優先、会話できるなら試みる。

撤退体制に入ったら足止めで射撃して、から撤退。

『甘い夢を見せて人を堕落させて家畜同然にして、働かずに食べる飯は美味しいのです?アンリは家畜には興味がないのです、人は理不尽に喰らいつくから人間なのです。』


【心情】
絶望に打ち拉がれ救いを求める者、不審に思い向かった者、興味本位で来た者、連れ去られた者…霧の中では誰も彼も等しく堕落してしまう。…黄金の理想郷など、幻に過ぎないと言いますのに

【目的】
インソムニアの地形調査後、撤退
可能ならば鬼車の撃破、一般人を奪回

【準備】
精神力1で霧の堕落に抗う
わたくし自身、貧困とは長く向き合ってきたものでして。甘い話には裏がある、というのは身を以て知っております
(エリーヌは純真で騙されやすいところがあり、本人も自覚している)

戦闘時は敵と5sq以内接近
…元々、わたくしの魔術は中距離まで近づく必要があるものが多いので問題ありませんわ

霧による敵の大回復を警戒、鬼車を倒しに行く時は最大火力を一斉に叩き込むことを皆に提案
…半端に攻撃しても埒が明きませんわ。やるなら徹底的に破壊しますわよ!

【行動】
地形調査を進める
鬼車はセレブロのエンドバラージで4発集中攻撃、その後は大剣のラ・リュミエールで攻撃。倒した場合は盾装備に切り替え一般人の救出と撤退準備。エトンは仲間に任せる

もし一般人を見つけたら一人をマレディクシオンで行動不能にし、抱えて全力移動で入口へ脱出
霧で堕落しているのでは、まともに話を聞いてくれるとは思えませんわね…少し眠って頂きますわ
復帰までは長い時間が必要になりそうですわね…

味方不利な場合は味方撤退支援優先

  • 闇のブローカー
    Y・Ela3784
    人間28才|ゼルクナイト×グラップラー

甘い毒に浸して意思さえ奪う…我々人間が散々やった手です
これで『ひどいことはしていない』だなんて…些か、趣味の悪いご冗談ですねぇ~

●優先順位
1.敵の撃退
2.但し鬼車は努めて撃破
捕まった方々も助けたいのですけれど、
差し迫る危険がある以上、そちらに集中するべきでしょうねぇ…

●行動
「私、殴られ役位でしかお役に立てませんで…」
壁役として前衛に立ち、攻勢に出る仲間を護ります
プロトコルVDはエトン、鬼車を問わず、仲間が単体攻撃を受けた時に
プロトコルMLは複数の仲間がエトンの範囲攻撃を受けた場合に、それぞれ使用

私自身は鬼車に接近し、プロトコルFDで鬼車を引き付けましょう
「僭越ながら、こちらを向いて頂きましょうか~」
範囲攻撃の巻き込みを避けつつスキルでの防護を可能とするため、
できるだけ、仲間とは付かつ離れず距離『2スクエア』の保持を意識します

敵の攻撃は全て防御しつつ、こちらからは盾で殴打します
攻撃は鬼車優先、まずは各個撃破しなければ
努めて顔面のどれかを狙い、怯ませられないか試行

基本的に盾での防勢に徹しますが、
スキルの使用回数が尽き、かつ残生命が1/3以上なら斧に持ち替え、攻勢に

また戦況不利(仲間の生命総量が1/3以下程度)ならば撤退を視野に入れます
その場合も、味方と歩調揃えつつ、列後尾で殿

もしも敵を排除できたら、一般人の救助を試みましょうか

貧乏、絶望、挫折……それらへの恐怖から来る物乞いから酒池肉林は現れた。
ナイトメアに心を支配されれば、安寧とした夢の中で永遠に食べていく事は出来よう。
しかし生きる事は出来なくなる……何よりその逃げの行為の所為で我らの生が穢される事は堪ったものではない。


■行動
攻撃面では実力ともに不足がちではあるので、バックアップ面におけるサポートを。
酒池肉林の調査、及び終了後の脱出・人命救助などを問わず方向感覚2を用いてのマッピングや脱出ルートの選定・確保を行い。
脱出時には全力移動を使用。それこそ同行者や可能な限りの人命を伴う事になってでも。

■戦闘
エトンへの手出しは可能な限り控える方向で。
詳細が不明な部分が多々あると思われるので、相応の実力者に任せざるを得ない。

接近戦ではデビルイーターを使い、動きながら撃つ事や惑い写す青の使用時にはマジックブラスターを。
鬼車が黄金の霧の影響を受けないばかりか、知覚面が強化される事だから惑い写す青による命中面の阻害を行い。
被弾時の保険には番傘による防御を。


アドリブ歓迎

●方針
 アンリエッタ・賽松(la3087)はインソムニア「酒池肉林」の風景を見て嫌悪を示す。
「うわぁ、この穏やかな空間、死後の世界で例えるなら天国っていうのです? だとしたら、魂を閉じ込める牢獄に過ぎないのです」
 金色であることはともかくとして、水も草木もただそこにあり、誰かに何かを要求することは見えない。
「これなら、地獄に落ちても良いのです」
 アンリエッタは思う。
「アンリは甘い夢を見るために生きているのじゃないのです。世界に中指立てて反逆するのが目的なのです。ほしいものが手に入らないなら奪い取ればよいのです、戦えばよいのです」
 眠りにつく人たちの心情は理解しがたきもだった。
「いろんな声で騒ぐバカでかい鳥がいるのです」
 アンリエッタは鬼車を見据え、武器を構える。

 ライセンサーたちが眠る人たちをどうするか考える間もなく、ナイトメアが現れた。
 侵入者がいることは周知の上で、追い出すことを旨としている。

 紅迅 斬華(la2548)はナイトメアの言動から子どもの姿をしている方はエルゴマンサーだろうと推測する。
「今回はあくまで調査……悔しいですが生存を第一に、できるだけ情報を得て撤退します!」
 この意見に特に相違はない。調査ではすべきことが多かった。眠る人たちを放置するのは心苦しいとしても、情報がなければ助けられる命も助けられなくなる。
 エリーヌ・ペルグラン(la3172)は撤退することに対して異は唱えない。
「絶望にうちひしがれて救いを求めるもの、不審に思い向かった者、興味本位で来たもの、連れ去られたもの……霧の中では誰彼も等しく堕落してしまう。黄金の理想郷など幻に過ぎないといいますのに」
 エリーヌ自身、貧困も付き合いがあり、甘い話に裏があるというのを身に染みている。この被害者たちの気持ちも分からなくはないが、ナイトメアに蹂躙される生は良いことではない。
 そして、エリーヌはインソムニアの持つ甘い香りに少しでもあらがおうと強く意志を持つ。
 撤退する際は、一人でも連れていきたいと考える。
「霧で堕落しているのでは、まともに話を聞いてくれるとは思いませんわね……」
 近くで眠る人々は穏やかな表情であった。
 ヨランダ=エデン(la3784)は過去や人がしてきたことを考えると、内心苦虫をかみつぶしたような気分である。
「甘い毒に浸して意思を奪う……我々人間が散々やってきた手です。これで『ひどいことはしていない』だなんて、いささか趣味の悪いご冗談ですよねぇ」
 ヨランダは敵を見る。
 ただの子どもに見えるが、得体の知れなさがひしひし伝わる。無邪気さが恐怖を与えることが常々あるし、ライセンサーを見る目は冷たく、まとう気配は圧力として押し寄せる。
「そーお? ぼくは子どもだからよくわかんなーい」
 指先に持つ円環の刃をくるくる回す。
 ジェラルド・B・ウェルシュ(la4145)は眠る人たちからインソムニアを巡る経緯がよぎる。
「貧乏、絶望、挫折……それらへの恐怖から来る物乞いから酒池肉林は現れた。ナイトメアに心を支配されれば、安寧の夢の中で永遠に食べていくことはできよう」
 眠り人が穏やかなのはまさにそれである。
「しかし、生きることはできなくなる……何より、逃げの行為のせいで我らの生が穢されるのはたまったものではない」
 ジェラルドは武器を構えるが、戦闘において自身の実力に不安がある。だからこそ、マッピング等これまでしてきたことから撤退への道筋でバックアップをする。できることをし、前に進むのが生きるための矜持だ。
 逃げるには、敵を振り切らないといけないし、味方が離ればなれになるのは避けないとならない。何をするにも、現状、不利な点が多かった。

 ネムリアス=レスティングス(la1966)は眠りにつく人々を一瞥する。その目は冷たいがどこかやるせない思いがよぎる。しかし、表情は仮面からうかがい知れない。
「追ってきたやつらとは違うが、良いだろう、遊んでもらおうか?」
 その言葉を聞くと、子どもは首を傾げた。
「ぼくはお前たちの言っていることはわかるよ? エトンを無視するの? そう? それはそれで君たちの選択だよね?」
 ニタリと笑い、自身の名をエトンと示す。
「鬼車(きしゃ)、やっちゃえー」
 号令とともに、エトンは距離を取った。
 かなり離れたのか、ライセンサーの視界から消える。いや、エトンに注視することは、目の前にいる、臨戦態勢の鬼車を無視することになる。
 戦端は開かれたのだ、気を削げば死が待つ。

●キリはあるのか?
「霧により、敵の回復が大きいとことは警戒すべきです。そのため、最大火力を一斉に叩き込むことが必要ですわっ。半端に攻撃してもらちがあきませんわ。やるなら、徹底的に破壊しますわよ!」
「あれだけの頭を持って飛べるのだから、筋肉と骨が丈夫そうなのです。胴体を撃ちまくって、その衝撃で骨をへし折って肺や心臓をつぶしてやるのです!」
 エリーヌが【エンドバラージ】を銀の魔弾「セレブロ」で叩き込み、アンリエッタは【エリアスナイプ】で的確に胴体を狙う。
「知覚的に優位な点は考慮すべきだ。だから、命中は落とす」
 ジェラルドは【惑い写す青】を鬼車に放つ。
「首が九個♪ どうしてそんなに弱点を増やしたりしたのですか?」
 斬華の目は輝き、どう刈るか、刈ってみせようとばかりにそわそわしている。
「この技、もともとはエルゴマンサー用に編み出したんですよ♪ 首、全部もらいますね♪」
 実に楽しそうに【決戦首刈術「極光天照・閃迅首刈」】を叩き込む。また、【首刈術極致ノ参「絶刃絶滅」】を用いているため、接敵しなくても攻撃は当たる範囲が広い。敵がどう動くかというのを見ることも含めている。
「霧の中ではお前らはすぐ回復するんだろ? 試そうか……どの程度回復するのか……倒しきれるかどうかっ! 最大火力だ、全部持っていきなっ!」
 ネムリアスは淡々と告げると、スナイパーライフル「ネイガウス」にて攻撃をする。素早い行動で続いて【アグロスファイア】を使った。
「私、殴られ役くらいしかお役に立てませんで……」
 ヨランダは鬼車を見据える。スキルを使い、足止めがいるか、様子は見る必要はある。盾を構え備える。

 鬼車はよけきれず、多くの攻撃を食らう。羽毛がはじけ、鳴き声が響く。
 鳴き声は怒り、だ。
「ライセンサーってこわーい。本当、困るよね……こういうヒトたち。ぼくたちは穏便にご飯を食べているだけなのに」
 エトンは冷たく言う。
 その直後、鬼車が急降下するが、ライセンサーの近くで羽ばたき吹き飛ばそうとする。その圧力は風の刃でもある。一瞬、空気の圧力でライセンサーの動きは止まるが、回避等ができる者は行動を取る。
 鬼車は地面に降りた直後、近くにいたエリーヌをつつくと、再び舞い上がった。

「甘い夢を見せて、人を堕落させて家畜同然にして、働かずに食べる飯はおいしいのです?」
 アンリエッタはエトンに問う。
「いらないモノを受け取っているだけだし、ぼくたちを褒めるべきだよ! ぼくはお手伝いをして、おなか一杯食べて、遊んべるんだよ! お互いにいいこと尽くしだよ!」
「アンリは家畜には興味がないのです。人は理不尽に食らいついて、人間なのです」
「そ? 人間って怖いねぇ。じゃ、ぼくはきみを食べることにするよ。文句ないね?」
 エトンはアンリエッタに向かって「死ねば」と笑いながら声を掛け、円状の刃を投げる仕草をした。
 アンリエッタがいるところ、およびそのそばにいたライセンサーは銀の刃が迫るのを見た。それは素早い一閃であり、目で追う事は難しく激しい斬撃だ。
「相当派手ですねぇ」
 ヨランダは【プロトコルML】を展開するが、防ぎきれない。しかし、それがなければ、バリアを一撃で粉砕される可能性も秘めていた。
「これは危険ですね」
 斬華は【首刈術式「高天原」】を用いる。
 その様子を、エトンはじっと見ていた。
(こちらから手出ししないからと言ってあちらがこちらを放置するかは別だな。回復を担える人を狙うのだろうか)
 ジェラルドはエトンの行動を分析する。
 撤退の方向はつかめているが、目印等が機能するかは霧次第といえる。
 エトンはライセンサーを眠る人たちから引き離すようにしている。
「最大火力でこのくらいなのか」
 ネムリアスは敵の動きと仲間の状態を見る。
 鬼車はライセンサーの攻撃により、相当なダメージを受けたのがうかがえた。感覚的にとらえるならば、その半分は回復してしまったように思える。どの程度見えないダメージが積み重なるかということだろうか。
 ライセンサーたちは各個撃破は必要だと考えている。そうなると、エトンはあえて無視して、鬼車を狙い、落としておきたい。そのため、どの程度攻撃が通り、回復しているのは必要だ。
 再度、同様の攻撃を仕掛けてどうなるか? 見た感覚からすると、同等の攻撃を何度かできれば現状でも鬼車には勝てるだろう。それは人数もいる行動だ。
 余力があれば、被害者を連れて戻りたいが、エトンはライセンサーを監視しているようだ。
 下手に被害者に手を出したり、エトン自体に手を出すと、しっぺ返しは痛い。

 再度攻撃する、ライセンサーたちは最大火力で。
 ヨランダは鬼車の行動を狭めたいと考え、【プロトコルFD】を使う。
「僭越ながら、こちらを向いていただきましょうかぁ」
 盾を構え、鬼車がヨランダを意識し行動するよう誘う。鬼車は一瞬ヨランダを見たようだった。

 鬼車は回避できないものは食らう。そのため、傷は大きくなっている。
 残念なことにこれでは倒しきれない。鬼車はライセンサーに攻撃を仕掛けた後、空に舞い上がった。
 エトンは近寄ると「死ねば」と言ってスキルを使っていった。標的にされたジェラルドは死を意識しないわけにはいかなかった。

●脱出
 鬼車は攻撃が届きにくいところまで逃げた。
「ずるいですよ」
 斬華は訴える。
 銃撃ならば届かなくはないが、降りてくる様子はない。いや、霧の影響で、見えづらくより一層当たらない。
 回復する時間稼ぎか、すこしでも攻撃を当てるべきか微妙なところ。
 鬼車は降りてきて、眠る人をくわえた。
「え? だめだよ! 食べちゃ! 一応、あのヒトとのお約束だよ!」
 エトンが慌てて鬼車を止める。
 鬼車は眠る人をくわえ飛び立つ。
「ああああああ、連れていくのはいいけど! 食べちゃ、だめだからね!」
 エトンがおたおたしている。

 エリーヌはこの隙に一人は助けようと抱え【ポルト・ヴィド】を発動し、逃げようとした。
 その直前、エトンが気づき、円状の刃を投げつけてきた。
 それは大きくバリアをえぐる。
「君にはいっていないっ」
 エトンはエリーヌに矛先を定めるが、抱える人を見ていったん攻撃を止めた。その隙に、エリーヌは全力移動した。
「これは撤収した方がいい」
「それは同意しますよー」
 ジェラルドの言葉にヨランダがうなずく。
 エトンはライセンサーが無視していることを理解し、狙いやすいところを狙っているきらいがある。それに、守る物が侵されたため、死に物狂いで攻撃してくるだろう。怒られたくないといっているのだから。
 バリアの回復スキルが枯渇目前な上、ライセンサーが一撃で倒される危険もはらんでいた。
 決断が遅ければ、全滅もありうる。
 眠る人たちの安全は確保されている、たとえ、食料としてであっても。

「必ず! 必ず! 邪魔するやつら全部薙ぎ払って迎えに来ます! お姉さんはたとえつらくとも! 苦しくとも! あなたたちに己の力で未来を勝ち取ってほしい! だから、待っていて」
 斬華は眠る人たちに話しかける。
 ネムリアスは眠る人たちがなぜここにいるか耳にしていた。そのため、救われたい報われたいと願う感情は理解できるとしている。この状況が本当に救いならば仕方がないとすら思う。
「放っておいてもいいと思えるが」
 ただ、真実を知らないで眠っているならばどうなのだろうかと考える。
 だから、彼らには問いたかった、自分がこのまま迎えるだろう結末について。騙されて利用されているならば。
「打ち砕かねばならない、この偽りの楽園を」
 情報が必要だし、そのあと、どう対処するかは次の問題だ。

 歩調はそろえる必要はある。
 ヨランダは盾を持ち、しんがりで耐える覚悟だ。
 エリーヌが進む方向を、ジェラルドは進む。もし、道が間違っていたら止めないとならない。
 この作戦にかかわったライセンサーが生きて外に出ることが重要だ。

「もー、なんで連れいくんだよー。ふええええ、怒られちゃう。鬼車、ばかっ、ちゃんと戻しとけよ!」
 エトンは泣いているが、それが本気かは別だ。
 子供を泣かせるという状況は人により胸が痛むことである。ナイトメアであるとしても、声だけ聴いていると胸が締め付けられるかもしれない。
「子どもの泣き声なら反応ある、という計算でしょうねぇ」
 ヨランダは嫌な気分になる。
 その前を進むアンリエッタは必要な場合【足止め】を放てるように準備はしていた。

 エトンは途中で追ってこなかった。金の霧で見えないが、音や声はしなくなったのだった。

●情報
 連れてきた被害者は「酒池肉林」を出て目が覚める。そして、連れ出したことに対して、ライセンサーに怒りをぶつけた。
「堕落は簡単に戻らないとは思いましたが」
 エリーヌは連れてきた被害者が必死で戻ろうとするのを止める手立てはあるのか悩ましいところだ。
「回復するといっても限度があるみたいだが、モノによるのだろうか?」
 ネムリアスは首をひねる。今回比べる対象はないため、これまでの情報と照合することになる。
「あの鳥はそのまま人を食べようとしていた」
 ジェラルドは鬼車の行動を考える。通常でも回復するという状況であっても、人間を食らおうとしたののは、より回復ができるとも取れる。
「あの首、刈り取れなかったとはっ! でも、皆さん、無事ですね」
 斬華は確認する。バリアはどうにか耐え切った。
「あれは悪知恵が働くみたいですね」
 ヨランダは暗くつぶやく。エトンの見た目にだまされた人のいるのではないかと考える。
「あれも飼い慣らされて反逆や意志が薄いのです」
 アンリエッタはエトンとの対話から考える。悪知恵は働いても、自分からそこを動こうとはしない。
 エトンは弱いととらえることもできた。

 しかし、インソムニア「酒池肉林」の現状を考えれば、あのナイトメアは討伐できない、できるとしてもすこぶる難しいことは確実だった。

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