オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 宝探しは雪の中

宝探しは雪の中 STANZA

形態
イベント
難易度
易しい
価格
1000(EX)
ジャンル
冒険 コメディ 日常 
参加人数
251~25人
予約人数
10010100
基本報酬
90000G
90SP
900EXP
おまけ報酬
10000G
相談期間
4
締切
2018/12/28 23:00
完成予定
2019/01/14 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-



「……こりゃまた、一晩のうちにえらく積もったもんだね……」
 闇鍋の精神的ダメージも漸く癒えたラック(lz0008)は、修理を終えた愛車で旅暮らしを再開していた。
 北国はもう雪の季節だが、幹線道路ならバイクでも走れる道は多い。
 この宿には、そんな通行可能な道を縫うようにして辿り着いたのだが——先日の予期せぬ大雪で、すっかり閉じ込められてしまった。
 それどころか、雪はまだまだ止む気配もなく静かに降り続けている。
 昨夜だけでも1mは積もっただろうか。
「ま、いいけどね」
 ラックは二階の窓を半分以上塞いだ雪の隙間から空を眺めると、カーテンを閉めて古風なダルマストーブに手をかざした。
 あれからいくつかの依頼をこなし、手元の資金はまだ充分に残っている。
 宿にはいい温泉もあるし、メシは美味いし、長逗留になるのも悪くない。
 ただ困るのは——
「……暇だねぇ……」
 いい若いモンが真昼間から炬燵でゴロゴロというのも、たまには良い。
 が、それが三日も続けば流石に飽きるし身体もなまる。
「ちょいと宿の用事でも頼まれてみるかね」
 ストーブを消すと、ラックは上着を羽織って部屋を後にした。

 ギシギシと軋む階段を降りると、一階のロビーでは頭の薄いオジサン達が何やら深刻な様子で額を突き合わせていた。
「おっ、兄ちゃん良いとこに来たな!」
 そのうちの一人、宿の主人に手招きされて、ラックは軽く会釈をしながら歩み寄る。
「おっちゃん、なんか仕事あんの?」
「いや、まぁ仕事っちゃぁ仕事かねぇ……兄ちゃん、あんたSALFの人だって言ってたよな?」
「そうだけど、なに? ナイトメアでも出た?」
「いやぁ、そうじゃねぇんだが……」
 歯切れ悪く言い澱みながらも、主人は続ける。
「うちの町じゃ、毎年今の時期に子供達のための宝探し大会ってのをやるんだけどね」
「お、なんか楽しそうじゃん?」
「そうなんだよ、プレゼントは雪の下に隠してあるんだけどね、毎年みんな夢中になってさ……」
 だが、今年はこの大雪だ。
「プレゼントは大会の何日か前、雪が降りそうな夜を狙って広場に置いとくんだよ。そうすると、翌朝には良い具合に雪が全てを覆い隠してくれるって寸法でね」
 わざわざ埋める手間もない、埋めた跡も見えない、置くだけ簡単な下準備。
 ところが、今年はその雪が降りすぎた。
「もうさ、これ大人でも掘り返すの無理だろってんで、今年は中止にしようかって話してたとこなんだよ」
「そりゃ……まあ、仕方ない気もするけど、チビどもはがっかりするだろうな」
 ラックの言葉に、主人は「うんうん」と頷く。
 積雪は既に大人の背丈をゆうに超え、三倍近くになっていた。
 子供達の安全を考えるなら、中止は当然だろう。
 しかし。
「ライセンサーなら、どうにか出来ないかな?」
「……ああ、そりゃ……俺らは体力もあるし、この程度の雪はどうってことないけど。でも宝探しなんて、自分でやるから楽しいんだろ?」
「そりゃそうだよ、だけどさ、このままじゃ春まで何も出来ないんだよ」
 せめてプレゼントだけでも渡してやりたいと、そういうことらしい。
「ま、掘り返すくらいなら俺ひとりで……あー、いや……」
 何かを思い付いた様子のラックは、ソファの肘掛けに腰を下ろしてオジサン達を見た。
「どうせなら、ライブでネット中継とかやってみねぇ?」

 計画の概要は、こうだ。
 プレゼントは事前に参加を登録した子供の数だけ埋められている。
 だが何がどこに埋まっているかは完全にランダムだし、ラインナップは子供達にも知らされていない。
 つまり何が当たるかは運次第というわけで、その点ではほぼギャンブルだ。
「だったらいっそ、ライセンサーひとりと子供ひとりが組んでさ、宝探し代行みたいにすんのはどうよ?」
 子供達はネット中継を見ながら自分が選んだライセンサーを応援し、何か良いものを探し当ててくれることを祈る。
 ライセンサーはそれに応え、見ている子供達を楽しませるようなパフォーマンスも演じつつ、お宝を探す。
「雪合戦とか、競技系だと応援すんのも楽しいかもな?」
 後で子供達が遊べるように、掘った雪で石像や滑り台などを作って広場を改造してしまうのも良いだろう。
 最後には町のホールかどこかでプレゼントの授与式、とか?

「おぉ、良いねえ! 子供達もきっと喜ぶよ!」 
 オジサン達の満場一致でその案は採用され、宿の主人は早速SALFに連絡を入れる。

『ちょっとイキのいいライセンサー寄越してくんねぇかな!』

積もった雪と格闘し、遊びながら、宝探しを楽しみましょう。


・場所
とある町の公園
夏の時期は芝生の広場で、広さは野球場ひとつ分くらい
積雪は5メートル強
当日は風もなく穏やかで、雪も止んでいる
地上から30センチ程度の場所に、ランダムで参加人数分のプレゼントが埋まっている

・プレゼント
ぬいぐるみでも、最新のオモチャでも、リアル価格で五千円程度までなら自由に設定可能
ただしビニールに入れて数週間雪の下に放置されても問題ないものに限る

・パートナー
町内の一般家庭で暮らす5歳〜10歳程度の子供達
PCはパートナーに選んだ子供の代わりに宝探しをする
パートナーの名前や、どんな子か、何を欲しがっているかなどは自由に設定可能
希望のものを掘り当てられるかはダイス次第
特に希望がない場合はお任せOK

・パフォーマンス
雪合戦やトンネル掘り競争など、見ている子供達も一緒に盛り上がれそうなものなら何でもOK
自分たちも楽しければなお良し
子供達に見せても安心な絵面が得られるなら、スキルの使用も自由
雪を掘り返すついでに雪像等を作ってみるのも良い
企画提案大歓迎


・その他
雪かきの道具や、雪国なら普通にあるようなものは、現場で借りられる

プレゼントを指定する場合、版権物の名称はリプレイでは伏せ字になります(プレイングでは伏せずに教えていただけると助かります)
リアルで市販されているオモチャ(○ひげ危機一○など)は、伏せ字か、似たような別の何かになるかもしれません


※アドリブや他PCさんとの絡みが多めになると予想されます
 NGの場合は一言お書き添えください

※OPや解説で明記されていない部分についての解釈はお任せします
※設定や世界観の範囲内で、ご自由にお楽しみください

お世話になっております、STANZAです。

ルールのようなものが色々とありますが、要は雪遊びと宝探しを楽しむだけのシナリオです。
皆さんが心から楽しめば、見ている子供達も楽しんでくれるでしょう。

NPCのラックはフリー素材ですので、巻き込んでも放置でも、ご自由にどうぞ。

では、よろしくお願いいたします。

  • 凪の果てへと歩むもの
    常陸 祭莉la0023
    人間19才|ネメシスフォース×セイント

【心情】
 「……寒っ。暖め…よう」
【行動】
子供の設定とプレゼントの中身はおまかせ
雪かきは体力がいるのであまりやりたくないので、プレゼントを傷つけないように咲き乱れる赤の火炎で雪が溶かせるか試す
以降は掘削の代わりに大きな雪玉を転がして作りながら進む
途中でうっかりラックにぶつけたり、レールガンでシュー!して一気に雪を巻き込めないか試したり、新しく雪玉を作り直したりする
【雪だるま】
掘削がてらに二つ作った巨大雪玉をがんばってドッキングさせる
完成したら見栄えがいいように飾り付け
「……高い」

雪の中へ。

プレゼントはパンダのぬいぐるみ。
パートナーは動物がだいすきな、旗 むらお君(6)
動物関係の品ならなんでもよろこぶ感じで。

お宝探しと聞いちゃ黙ってられないわね。
ごばっと潜ってばばっと見つけてあげるわ。

でもって最も重要なのはパフォーマンスよね。
雪国のこどもたちは大抵の雪遊びは経験しているだろうし。
半端なものは見せられないわ……ってところからの犬ぞりチャレンジね。
ご近所で飼ってる犬たちをお借りして、犬ぞりという名の散歩代行を。
普通のソリに紐をいっぱいくっつけて、まったく訓練とかしていないわんわん達に引っ張らせる!
なんか大変なことになるかもしれないけど……。

  • 気さくなお坊ちゃま
    御曹司 優la0060
    放浪者25才|ゼルクナイト×スナイパー

◆プレゼント
缶入りクッキー金箔添え(5000G分)

◆子供
貧しく遠慮がちな5歳男の子
本当は宝探しを一緒にしたい
欲しい物:お菓子や玩具
食べたことないし…玩具も無いと言えない
 
◆行動
雪かきは見様見真似だが「任せろ!」
段々楽しくなり
「雪で巨大滑り台でも作ろうか!」後で子供と共にソリ滑りで競争だ!

宝発見→周囲を宝箱風に造形
「お宝があったぞ!」手招き
「お前の物だ!遠慮はいらん!」取って良いぞ!

中身が希望種以外
「こういう時は交換だ!交渉術を見せてやろう!」
俺が交渉する

  • 希望の星
    日向 進夢la0125
    人間18才|グラップラー×スピリットウォーリア

「俺は日向 進夢。よろしくな」
【パートナー】
名前は灯ちゃん
内気でクマの人形がお友達な女の子
希望プレゼントは常に持ってる人形のお友達になれる人形

「よっし、兄ちゃんがその子の友達探してきてやるからな!」
そう約束していこう
ランダムだけど、こういう時に子供に不安を与えちゃなんねえ
駄目だったらきちんと謝る、それでいい

そんな訳で探すぜ
その辺更地にしてやるぜ!とスコップもって雪かきだ
その辺の誰かと協力して同時に見つけたらじゃんけんで決めて、自分が勝ったらその後も捜索に付き合い協力

灯ちゃんが喜ぶ様に、雪かきで集めた雪で抱いてた人形のクマをモチーフに雪像作ろう

雪!雪だあ!
お兄ちゃんも来られれば良かったのになぁ

プレゼントは色鉛筆36色
あたしもこういうのほしかったから、喜ぶかなって

パートナーは同い年くらいの女の子
そのほうが仲良くできるかなって

手が痛くなると嫌だからぬくぬくの手袋付けて
手で掘り返してみたり
ついでに雪ウサギを作ってみたり
いろいろ雪遊びも試してみたいなあ
おばあちゃんの実家は雪が多いみたいだけど
あんまりいったことがないからなぁ

みんなが寒くなってきたら一口チョコ分けよう
このくらいはいいよね?

  • もふライバル?
    しらゆきla0211
    放浪者10才|セイント×グラップラー

ぷれぜんともふ?
それならまかせるもふー♪

埋めるもの
漬け物詰め合わせ
『凍ってても美味しくなってるもふ』

ここほれワンワンならぬここほれもふもふ
一見狛犬かなにかに見えるルックスを生かし
子どもの輪に入ってもふもふされるもふ!(と言うのを幼児的思考で考えている)

いっしょに回るこども
二番目に食いしんぼそうなこども
一番食いしんぼそうな子はおまんじゅうちゃんに任せるもふ

犬は喜び庭駆け回り…
ゆきは寒いところよりもぬくぬくがいいもふ~
みんなでたき火もしようもふ~♪

おまんじゅうちゃんのなげられてるの、真似っこ楽しそうもふ~

  • サイドテールは正義       
    桐江 梓la0229
    放浪者18才|セイント×ゼルクナイト

「宝探しの代理人ね。任せてっ。お姉さん頑張るから!

○行動
・プレゼント
ビーズセット
(大き目のビーズで自分でアクセサリーが作れちゃう

・パートナー
活発な子
ヒーロー系のおもちゃ希望
その他お任せ

・行動
雪かき用のスコップで掘る
掘った後の穴には雪を戻し、周辺の雪を積み重ねて「ここは探した場所」の目印に、できたらいいなぁ
重ねた後の雪は形を整えてうさぎやくま等のなんちゃって雪像にしていく
プレゼントを見つけたら掲げて「お宝みーつけた!!!」と叫ぶ
望みのものだったらより嬉しそうに

アドリブ歓迎

  • おまんじゅうはお見通し
    おまんじゅうla0254
    放浪者10才|セイント×ネメシスフォース

■お友達
ゆきちゃんla0211
りらちゃんla0142
すぐるちゃんla0060

■プレゼント
凍っても美味しい栗クリーム大福
5000円の個数多いやつもふじゅるり

■パートナー
もふ?もふは食いしん坊の子とは組まないもふよ
美味しいもの掘り当てた時におこぼれもらいたいもふ
もふの事をかわいいってもふもふしてくれる子と組むもふ

■行動
ここほれもふらがんばるもふ
パートナーの子にほって欲しいところを選んでもらってほりほりするもふ!
雪に埋まるの楽しいもふね
誰かもふを雪の上にぽいって投げる遊びしないもふか(誰もいなければラックちゃんをみつめる)
かまくら作って中でおやつ食べたいもふ~

  • 戦場の光
    那由汰la0347
    人間16才|セイント×ゼルクナイト

●行動
パートナーお任せ
プレゼント:最新特撮の変身ベルト

よーし!雪掘り任せるっす!俺がプレゼントを引き当てるっすよ!
雪かきをしながら楽しめる事っすか…
そうっす!これを上手く出来ればっす!
雪は常に同じ場所にかきだす
かき出した雪はドーム状にして固める
一緒にかまくらを作っるす!
雪かきと並行してかまくら作り
かまくらの頂上からは滑り台にして滑れる様にする
ジャイアントシールドをそり替わりにかまくら滑り台から滑る
遊び疲れたらかまくらで休めて尚且つ滑り台で楽しめるって一石二鳥っすね!

【N&S】
互いのパートナーの子達と過ごす
私からは少年へヒーローの変身セットをプレゼント
君と、君の大好きな人たち皆の願いを守れるように

…子供の頃、積もった雪にはしゃいで、裸足のまま窓から外へ飛び出して、衆徒を困らせたのを思い出します
シオンさんは、雪で遊んだことはありますか?
では雪で何か作りませんか…ほら、こんな風に
雪玉を整えて雪うさぎを作って見せながら、子供達の姿を眺める

子供が幸せで居られる事は、大切です
私は、いつでも幸福と笑顔を願っています…あの子達にも
勿論、大切な貴方にも
シオンさんの手を握り返して微笑しながら
この願いを叶え続けて見せます、もっと強くなって、必ず

イキがいい歳は過ぎてるけども子供たちを楽しませるなら協力するよ

ソウタ君8歳
特撮「お面ライダーヅオウ」大好き
少々生意気だが子供らしい可愛さもあり
「えー、爺さんに宝探しできるのかよ」
「そこはせめておじさんと呼んで欲しいな。こう見えても若者には負けないよ」
「無理して腰痛めるなよ」

ソウタ君が好きそうな物を念じる
「燃えよ!私のイマジナリードライブ!!」
針金折り曲げただけの自作ダウジングロッドを両手にあちこち歩く
ロッドが動いたら掘る
出て来たおもちゃはヅオウの変身ベルト
私の想像力の勝利
ソウタ君大喜び

ヅオウの雪像作り
相棒のお面ライダーゲイシも隣に
ソウタ君も一緒に変身ポーズ

よろしくね。私はおともだちの為のAI人形
あなたの願いを願いを叶えるわ叶えるの

●目的
プレゼント探し

●行動
私よりも小さい少女がパートナーよ(6歳位)
プレゼントはご本なのねご本なの
えぇえぇ、そうね。おともだち。任せてほしいわほしいの
軽やかに雪上を歩き探索・追跡を活かして確認するわ
踵で雪を叩いたりして違和感があればそこを掘るの
見つけたらそれを少女に渡すわ渡すの
そのご本は素敵な物語よ物語なの
きっと冬の長い夜に寄り添ってくれるわくれるの

  • 創造の旗を掲げた者
    赤羽 恭弥la0774
    放浪者23才|スナイパー×スピリットウォーリア

イベント開催提案

タグ【雪だるま】
⛄一番すごい雪だるまを作れ!雪だるま大会!(雪だるまじゃなくてもいいよ!)⛄

◆概要
宝探し後に実施
パートナーの子供と一緒にすごい雪だるまを作る
一番すごい雪だるまを作れたペアが優勝
雪だるまじゃなくても、雪の造形物ならなんでもいい
審査方法(審査はラックか子供の投票制など?)優勝ペアへのご褒美の有無と内容、すごいの基準など全て適当、もといお任せでお願いします、

◆個人プレ
とにかくでかい雪だるまを作る
他の人が掘り返した雪なども集めまくり、塩や水少量もふりかけ強度確保、IMDパワーで頑張る
プレゼントはおもちゃの銃

その他何でもお任せします

  • アイスの女神
    桃簾la0911
    放浪者22才|グラップラー×スピリットウォーリア

ミニ絵のアイヌ衣装で参加
楓、さくらと同行
ラック紹介して貰い「貴方が子羊…随分と大きな子羊ですね(じー
今後多分『子羊』呼び

パートナーお任せ
プレゼントは高品質のしかけ絵本

雪降らぬ土地出身ゆえ内心雪にはしゃぐ
「雪にはこうするのが慣例だと聞きました(得意げ
誰かに吹込まれた知識で、雪に仰向けダイブし手足ばたばたスノーエンジェル作成
「…? あら、ありがとう(雪払ってもらい少し照れ

周囲退避させPクラッシュ
ウォッカ撒き着火
バグナクで潮干狩り風で雪掘る

【雪だるま】
雪うさぎを縦に幾つも積み重ね、雪うさぎ柱を作り上げる
「む、バランスがなかなか…
上の方に積む時は子供を抱えたり

【N&S】
目的
子供達を愉しませる
望が笑顔で過ごせる時間を大切にする

心情
如何なる世界においても子供は宝であるな
未来を担う者達に幸福の意味を理解して貰いたい
そして、未来を紡ぐ者には笑顔で在り続けて貰いたいものだな

行動
望と二人の子供と行動する
少女にサンタ衣装の熊のぬいぐるみを用意する
望と手を繋ぎ子供達が喜ぶ姿を穏やかに眺める

台詞
「願いは自分で叶えてこそ価値がある」
さあ、一緒に探そうではないか
「滑ったり投げ合うぐらいの遊戯はしたことがあるな」
「次の世代の為に平和を掴み取らねばならぬな……」
「きっと、俺達の願いはこの笑顔の先にあるはずだ」

「お目当てのものが出ると良いけど……頑張るわ」
プレゼント:クリスマスの絵本とぬいぐるみ
パートナー:お任せ
パフォーマンス:【雪だるま】に参加
パートナーの子供が好きなものを形にしようと思うけど、自身も雪に触れるのが初めてなので上手く出来るか分からない。頑張って掘りながら作る(掃除スキル使えたら使う)

絡み歓迎

軍事脳で解釈してしまい雪に埋まった地雷除去手法を子供に教授する任務だと思い込んでいる
ツッコミ歓迎(但し認識は変わらず)
「プレゼント探しなどとあまりオブラートに包んでは子供達に危機感が伝わらないのでは?抗議すべきでしょうか?」
戦闘域の地雷原に巻き込まれた可哀想な元世界の子供達を想起
雪原を区画して一か所一か所慎重に雪を一定の高さまで除去して金属探知機で潰して行く方式(金属以外はスルー)
「く…雑なやり方です。あれではもう10人以上死んでいる…真治君仲間を守る為には絶対にマネしてはいけませんよ。どんなに寒くても慎重さを失っては死に直結します」
プレゼントは仮面ライダーバッジ(運よく金属製)

えっと…茜ちゃんはどんなプレゼントがいい?
大丈夫!あたし探すの得意だし!お母さんの無くした指輪とか3分で探せるし!!まあ、置き忘れる場所大体決まってるけどね…でしょ?親とか結構チョロ…じゃなくて!
ほおお…コスメ系ね?ふふ大人よのぉ…おけ!でも報告義務だかんね!…なんのって?えー、隠さないでよお…よし!お姉さん頑張るから

と言っても子供たちのプレゼントにコスメとか無いよね…どうしよう?すり替え?それは最後の手段だ!!まずは真面目に探して…見付けたものの交換とかはセーフだよね?まずは一個でも…わらしべ長者だっけ?作戦発動!

無かった場合は通常のプレゼントに所持品の手鏡を入れ込む

アドリブ等大歓迎

雪が好きなのでテンション↑

雪掻き用のシャベル借りたけど
あちこち5mも掘って宝探すのはダルい

「ドコに埋まってるかはわかンないけど、深さは地上から30cmの所…なのよね」
イイこと思いついたと不敵に笑むと
ラヴィーネソードを華奢な白い肩に担ぎ
「識別可能」な範囲攻撃ブラッディクロスを子供が喜ぶよう派手にぶちかます
プレゼントは破壊せぬよう深さの情報頼りにしっかり「識別」した上で、広範囲の雪を纏めて粉砕
全弾惜しまず放ち、雪上に巨大な十字を複数刻み得意気に

見つけたプレゼントは子供に手渡し
どちらも内容はお任せ
プレゼントもブラッディクロスも子供に喜んで貰えたら嬉しい

「やあ、久し振りだねラック。胃の調子はどう?
…え、精神的ダメージ?その内慣れるよ
「久遠ヶ原の通過儀礼だからね。そうして大人になっていくのさ
「僕からも友人を紹介するよ。桃(桃簾)とさくらだ
可愛い子羊君だと天然二人には説明済(肩震わせ

パートナーお任せ。贈り物万華鏡
花名三人+ラックで宝探。はしゃぐ女子二人に微笑
「桃の国は雪が降らないんだったね
スノーエンジェルはさくらと手繋ぎ二人でどーん(道連れ
助け起こそうとしたラックの手も引きどーん
「ふふっ、皆で天使になった
さくらの天使、どこかで見たような…?

【雪だるま】
重ねない雪だるまがあっても良い(父様談)とは思うけど素直に雪だるま

楓と桃簾とは先日女子会した仲
「初めまして、ラック。あの男を振ったと聞いていますが本当ですか?(大真面目
「闇鍋、私はまだ参加したことが無くて。是非体験してみたいですね

パートナーお任せ。贈り物は積み木
雪に飛び込む桃簾に驚く
「…確かに天使に見えるかもしれません
楓に手引かれダイブ。抗議するが恐る恐る手足ばたばた→楽しむ
スノーエンジェルにポニーテールつけ、知る“天使”に近付け
微笑み桃簾の頭についた雪払う
「真っ白ですよ

【雪だるま】
雪兎を沢山、至る所に作る
「難を転じて福となす」南天の縁起が良いのだと母上が言っていました
…会いたくなってしまいますね。けど、まだやるべき事があるので

アドリブ&交流歓迎
心情
「大規模作戦と思って依頼内容も見ずに来たのに何だいこれは!?」
ラックにやつ当たり後帰りかけたが息子似の子供(みちる/気弱で優しい)に母性爆発→参加
目的 宝物発見&ロマン伝授
準備品 アサルトコアMS-01Jの写真
行動
イプシロンアックスですごい豪快に雪を掘る(子ども以外に雪命中
求:おもちゃのロボット
「おらおらーッ!!
「さて何処かねぇ…

【雪だるま】
雪像:3m超MS-01Jwith小太刀「五月雨」、子供と成し遂げた顔
↑の背後に隠れド派手(公認設定)にフォースアロー=ビーム発射
「見な!みちる!これがロマンってやつだァー!

①確実に無い場所を主催者確認
②場所決め作業開始
③盾利用し一度に大量の雪をどけ①場所に
④集めた雪を小山にし盾で叩き圧縮
⑤小山内部を武器で切削、カマクラに
⑥カマクラ上に炭で眉と口、蜜柑で目、バケツ帽子被せた雪玉設置
 雪ダルマの中で過ごすコンセプト
⑦子供達にカマクラ開放
⑧順次カマクラ増設
⑨その後、時間まで盾使い道や家屋出入口の雪除去整備

⚙準備
脚部裏にスパイク雪使用に

⚙子供
「自分が悠樹、君の代わりに探そう」
男の子っぽい女の子、縫い包みが欲しいとの事を小声で伝えられる
「その情報は機密としよう」
希望物見つかるまで粘り強く
稼働エンジン音響かせ
疲れ知らずの純機械ロボ

  • ヒロシのトモダチ
    布川 躑躅la2930
    人間18才|スナイパー×グラップラー

●行動
「ったく、何でこんな仕事受けちまったかな」
雪かきしつつプレゼントを掘り起こす
それでもモニターの向こうの少女を思うと
「ま、やりますよっと。おーい、見てるか? 良いモン見つけてやっから、大人しく待ってろよ」
見つけたプレゼントを喜んでもらえるならと、不器用な心遣いで掘り起こしてゆく

投げて欲しそうな白い毛玉達を見ると
「へぇ、そうかそうか、投げられたいか。そぉ、らっ!」
思い切り投げる

  • 桃花の縁
    千草 凛la2955
    人間17才|グラップラー×セイント

「千早・凛だよ。よろしくね」

・パートナー
名前:勇太君
生意気盛りの元気な子。
何を欲しがっているかはお任せで。

何が欲しい?って子供の目線にあわせて話します。
じゃあ頑張って捜すからね!って約束して頑張って捜すよ。
スコップ借りて雪を掘り返す。
パフォーマンスもいるの?
それじゃあ・・・掘り返しながら雪ウサギでも作っていこうかな。
大きさではなく数を作る。
大きいのはお父さん、スマートなのはお母さん。
ちっちゃいのは子供たちで、と大家族をつくっていくよ。
終わったらプレゼントを上げる。
希望のじゃなかったらごめんねしよう。
後は、うさぎさんの目をつけてあげたり、雪合戦してみたり。

 ※LIVE映像

 宝探しに参加する筈だった子供達は今、旅館のロビーに設置された大型テレビの前に集まっていた。
 画面に映るのは26人のライセンサーと、その背後に垂直に聳える巨大な雪の壁。

 彼等が立っているのは、公園の正門に通じる歩道の一角だった。
 歩道とその脇を走る道路は綺麗に除雪され、折からの晴天で一部は路面も乾きかけている。
 しかし隣接する公園は一切まったくこれっぽっちも手付かずの状態。
 つまりこの巨大な壁の高さが、これまでに積もった雪の量というわけだ。
「これは確かに、子供達には超えられない壁よね」
 青空との境目を見上げ、桐江 梓(la0229)は改めて納得したように頷いた。
 5mを超える積雪と聞いてもあまりピンとこなかったけれど、なるほどこれは高い。
 ライセンサーでもちょっと厳しい気がする。
 しかし超えねばなるまい。
 約束したのだから。必ずプレゼントを持ち帰ると。
「大丈夫、キャロル雪大好きだし? これくらいドーってことナイよ♪」
 キャロル・スノウホワイト(la2690)が、借り物のシャベルで勢いよく壁を突き崩し——

 どどどーーーっ!

 雪の壁が崩れて、ぷち雪崩が発生した。
 舞い上がる雪煙にホワイトアウトする画面、巻き込まれたライセンサー達の悲鳴だけがノイズのように遠く聞こえ……

「「がんばれ、ライセンサー!!」」

 子供達の声援を胸に、彼等は敢然と白い魔物との戦いに赴くのであった。



 ※ここから先は個々の活躍をドキュメンタリー形式でお届けいたします
  なお映像及び内容は編集済みであることをご了承ください


●終わってからのお楽しみ

 出陣前、旅館ではライセンサーとそのパートナーとなる子供達とのマッチングが行われていた。
「オレは恭弥だ、よろしくな」
 赤羽 恭弥(la0774)と組むのはタクマという名のやんちゃ坊主だ。
 根っからのアウトドア派らしいタクマは、自分で宝探しが出来ないという事実にかなりブーたれていた。
「ああ、気持ちはわかる……だからな、その代わりにとっておきのイベントを用意したぜ!」
 名付けて「一番すごい雪だるまを作れ! 雪だるま大会!」だ!
「……雪だるまなんて、べつに」
 雪国に住むアウトドア少年は、既に雪だるま作りなどという児戯には興味を示さない。
 しかし! 彼はまだ知らないのだ! たかが雪だるまでも、ライセンサーの手にかかれば普通じゃないものが出来上がることを!
「雪だるまの新たな地平、誰も知らない最強のフロンティアを見せてやるぜ。どうだ、一緒に組まないか?」
 男の子は「最強」とか「限定」とか「専用」とか、そういったレアっぽい響きのキーワードに弱い。
「乗った!」
 タクマはジャンピングハイタッチでそれに応えると、ふんぞり返って宣言する。
「よし、キョーヤ! オマエもオレのこと、たっくんって呼んでいいぞ! トモダチはみんなそう呼ぶんだ!」
 おお、どうやら友達認定していただけた模様。
「よし、頑張ろうぜ! だからもうちょっと待っててくれよな!」
 なお雪だるま大会は雪だるまじゃなくてもいいよ!
 参加は自由、パートナーの子供と一緒に一番すごい雪だるまを作ったペアが優勝だ!
 ご褒美は……何だろう、達成感?
 まあいい、プレゼントを探しながら考えておく!


●母性本能は爆発だ!

「ちょっとあんた!!」
 セイジア・ミッドフォード(la2829)は、旅館に着くなりラックの胸ぐらに掴みかかった。
「大規模作戦と思って依頼内容も見ずに来たのに何だいこれは!?」
「へっ!?」
 待って、今なんか「依頼内容も見ずに」とか聞こえたんですけど!?
「それって俺のせい——」
 ばしぃん!
 反論しかけたラックの背に、セイジアの平手が思いっきり叩き付けられた。
「いってぇ!」
「何が痛いもんかね! 痛いのはこっちだよ、わざわざ工房閉めて来たってのに」
 まあ確かに、派手な音の割には痛くなかったけれど。
「私は帰るよ! まったく、なんだってこの大変な時に雪遊びなんか……」
 紛うかたなき完膚なきまでの見事な八つ当たりである。
 しかし、その視線が一人の子供に吸い寄せられた瞬間、セイジアの足がぴたりと止まった。
「あの子は……」
 息子の小さい頃にそっくりな、気弱で優しそうな男の子。
 母性本能点火、爆発!
「任せときな! あんたの宝物は私がガッツリ見付けてあげるよ!」
 ついでにロマンも伝授してあげよう!
「ラック、あんたも手伝いな!」
「え、ええぇ!?」
 首根っこを掴んだラックを雪原まで引きずって、ポイした後はイプシロンアックスでめっちゃ豪快に掘る!
「おらおらおらーーーッ!!」
 ずどどどど……!
「ほら、あんたもぼーっと突っ立ってるんじゃないよ!」
 ごばばばば……!
「おや? ラックの坊やはどこだい?」
 埋もれてますよ、そこの雪山に。
「ま、いいか。さてお宝は何処かねぇ……」
 ざっくざっく。


●狼と子羊

「やあ、久し振りだねラック。胃の調子はどう?」
 雪山から這い出たラックに、不知火 楓(la2790)が声をかける。
 気分は一難去ってまた一難、条件反射的に身構え逃げ腰になりながら、ラックは胃のあたりに手をやった。
「あぁ、まあ……そっちは何とか、なった、けど」
「けど、なに? え、精神的ダメージ?」
 その答えに余裕の笑みを返した楓は、慈愛の眼差しをラックに向ける。
「その内慣れるよ、それが久遠ヶ原の通過儀礼だからね」
 慣れるのか。
 慣れで乗り越えられるものなのか、あれは。
「そりゃあね」
 ふふんと鼻で笑い、楓は指先でラックの顎をくすぐってみせた。
「ひゃっ!?」
 素っ頓狂な声を上げ、雪煙を上げながら10mばかり後ずさるラック。
 その姿にぷるぷると肩を震わせつつ、楓は背後の友人二人を振り返る。
「人はそうして大人になっていくのさ。ところで……今日は僕からも友人を紹介するよ」
 怖くないよとラックを手招きしつつ、二人の背後に回った楓はその背に軽く手を添えた。
「桃とさくらだ」
「お噂はかねがね伺っております。そうですか、貴方が子羊……」
 楓の右手に佇む桃簾(la0911)は、ラックをじーっと見つめる。
「……随分と大きな子羊ですね」
「ああ、大きく見えるけど中身はまだまだ小さくて可愛いんだよ」
「なるほど、ガワがモコモコと膨れて見えるだけなのですね。毛を刈られた哀れな羊の姿は、図鑑で目にしたことがあります」
「ちょ、おたくら——」
 好き放題に言われたラックは反論を試みるが、その前に日暮 さくら(la2809)がトドメの一発をぶちかました。
「初めまして、ラック。あの男を振ったと聞いていますが本当ですか?」
「……は?」
 まるで身に覚えのないラックは目と口をまん丸にしてさくらを見つめる。
 からかっているのかとも思ったが、その表情は至極大真面目だった。
「僕の幼馴染だよ。ほら、闇鍋の時に言っただろう、アタックしたのにあっさり振られたって」
「あれは冗談だって本人が……!」
「冗談、なのですか。わかりました、では本気で振ったわけではないということですね」
「……は?」
 ちょっと待って、何その思いっきり斜めに突っ走った解釈。
「しかしあのヘタレ男には暫く黙っていた方が良いかもしれません。振られたと思い込ませておけば、あのヘナチョコ精神も多少は鍛えられるでしょう」
 そこから立ち直るだけの根性があるならばと、さくらは一人納得した様子で深く頷いた。
 彼を鍛えることが、さくらの使命である。
 そして、そんなヘタレな彼さえ乗り越えた闇鍋という試練。
「闇鍋、私はまだ参加したことが無くて。是非体験してみたいですね」
 どうやら、常に彼の上を行かねばという使命感がさくらを突き動かしているらしい。
 うん、彼女の思考回路は大体わかった、気がする。
「俺としちゃオススメはしねーけど……ま、好きにすりゃ良いさ」
 この三人は危険だと、本能が告げている。
 ラックは適当に話を切り上げて、その場を離れようとした——が。
「どこに行くのかな、子羊君?」
 にっこり微笑んだ楓がそれを止める。
 狼に囲まれた子羊に、逃げ場はなかった。


●雪玉ごろごろ

「……寒っ。暖め…よう」
 常陸 祭莉(la0023)は、出来れば体力を消耗するような活動は避けたかった。
 けれど子供の期待には応えたいと、モニタ越しに見ているはずのパートナーに小さく手を振って、魔導書「沈黙の予言」を手に取る。
 EXISを起動すると、両の手が青く染まった。
 パートナーのゲンタはライセンサーに憧れる男の子、彼にはそのビジュアルだけでも結構なインパクトがあるだろう。
「……咲き乱れ、る……赤。……灼熱の炎となり、て……白き帳を打ち、払わん」
 適当に呪文の詠唱っぽい台詞を呟き、スキルを発動させる。
 広範囲に広がる火炎が雪を蹴散らし、吹き飛ばした。
 暖かくはならないが、見た目は派手だ。
 ある程度吹っ飛ばしたら、雪玉を作って転がしながら少しずつ雪を剥がしていく。
 だが慎重な作業はどうしても地味な絵面になりがちで。
「……もっと派手、に……」
 レールガンでシューしたら、一気に雪を巻き込めないだろうか。
 イメージとしては、こう、弾道に沿って超高速で飛びながら爆発的に巨大化する雪玉、的な。
 まあ普通に砕け散ったけど、出来た軌道は使えそうだ。
 セットされた雪玉は祭莉の手を離れて転がりだす。
 ころん、ころ……ごろん、ごろごろ……ごごごごご……っ!
「……あ……ブレーキ」
 どうやって止めるんだろ、これ。

 その頃、花名三人衆とラックは雪遊びを楽しみながらプレゼントを探していた。
「子羊、危ないですから下がってください」
 青と白のアイヌ衣装に身を包んだ桃簾は、攻撃範囲からラックを遠去けるとパワークラッシュで周囲の雪を豪快に吹き飛ばす。
「これがライセンサー流の雪かき術です」
 吹き飛ばした雪はそのまま周囲に積み上がって高い壁を作り上げているが、そこはこれで解決だと、桃簾はウォッカの瓶を取り出した。
 中身を壁にぶちまけて、ライターで火を点ける。
 真っ白な雪の壁に炎が踊り、辺りは幻想的な雰囲気に包まれた。
「これをフランベ融雪術と言うのです」
「ホントかよ、聞いたことねぇぞ?」
 疑いの目を向けるラックに、桃簾は得意げに胸を張った。
「ええ、この技はとある隠れ里に伝わる秘術であると聞きました。ですから子羊が知らなくとも無理はありません」
「秘術、ねぇ? だとしたら、おおっぴらに見せちゃマズいんじゃねぇの、それ」
「構いません、秘術と言えど人の役に立つことなら進んで共有すべし……それが里人の教えですので」
 一体どこの誰に吹き込まれたのか、怪しげな情報を得意げに披露しつつ、桃簾はその秘術とやらを繰り返す。
「楽しそうだね。そういえば、桃の国は雪が降らないんだったね」
「ええ、実物を見るのはこれが初めてです」
 楓の言葉に嬉しそうに答え、桃簾は3mほど掘り下げた更地を満足そうに眺める。
「もうひとつ、雪にはこうするのが慣例だと聞きました」
 両手を広げ、桃簾は雪の中に仰向けに倒れ込んだ。
「えっ!?」
 いきなり倒れた桃簾に驚くさくら、しかし本人は半ば雪に埋もれたまま楽しそうに手足をバタバタさせていた。
「あの、一体何を……」
 それには答えず、桃簾はラックに手を差し出す。
「起こせってか。ったく……そらよ!」
 桃簾が起き上がった跡には、独特な形をした図形が残されていた。
 その出来栄えに、桃簾は満足そうに頷く。
「スノーエンジェルと言うそうですよ」
「ああ……確かに天使に見えるかもしれません」
「なるほど、手の跡が翼で……足の方はローブを着てる感じかな」
 クリスマスツリーのオーナメントのようだと言うと、楓はさくらの手を取った。
「僕達もやってみようよ」
「えっ、ちょっと待っ……!?」
 どーん!
「ふふ、道連れ」
「もう……!」
 強引な楓に文句を言いつつも、このまま起き上がるのは勿体無いと、さくらは恐る恐る手足をばたばた……あ、なんか楽しい。
「子羊君も一緒にどうだい?」
 助け起こそうとしたラックの手も引いて、問答無用でどーん!
「ふふっ、皆で天使になった」
 約一名、頭から雪に突っ込んだ天使(子羊型)もいるけれど。
 自力で起き上がったさくらは、天使の頭にポニーテールを付け足してみた。
「ん? さくらの天使、どこかで見たような……?」
「ええ、私の知る天使はこんな姿をしていました」
 きっとそれは、楓もよく知る人物。
 しかしその話はここまでと、桃簾に微笑んださくらはその頭に付いた雪をそっと払う。
「真っ白ですよ」
「……? あら、ありがとう」
 ほんのり頬を染めた桃簾は、お返しにさくらの背に付いた雪を払うと、バグナクを握り締めた。
 お宝は近い、ここから先は少し慎重に、潮干狩りの要領で。
 その前に、何か発掘が必要なモノがあった気もするけれど。
「きっと自力で上がって来ますよね」
 信頼と安心の元に放置された子羊は、期待通りに自力で這い上がって来た——突っ込んだ先で偶然見付けたプレゼントを手に。
「へぇ、さすがラック。ラッキーだね」
 楓が声をかけた、その時。

 ごごごごご……っ!

 唸る轟音、迫る地響き!
 直後、雪の壁を突き破って現れたのは巨大な雪玉。
 それはラックの頭上に濃い影を落とし、そのまま——

 ずどぉーーーん!!!

「……ごめん、ラック。……大丈夫、じゃ……ない?」
 雪玉が通り過ぎた後に、のしイカ状態で残されたラックをつまみ上げ、祭莉が尋ねる。
「……だい、じょぶ、だ……」
 ぺらっぺらだけど、コメディだからな!
 なお本人は潰れましたがプレゼントは死守した模様です。
 そしてもちろん花名三人衆も無傷です、コメディだからな!


●もふもふころりん

「少年、名はタイシといったか。さあ、お前は何が欲しい!」
 パートナーの少年、大志くん5歳を前に、御曹司 優(la0060)は自信満々に言い放った。
「何でも欲しいものを言ってみろ、この俺が必ず見付け出してみせるぞ!」
「ほんと、に?」
 少年は期待と諦めが半々に混ざったような目で優を見上げる。
「でも、ぼく……わかんない」
 何かが欲しいと願うためには、その何かを知る必要がある。
 しかし彼の家には、子供の心を育てるための趣味や娯楽に金をかける余裕はない。
 それどころか、生存のために必要不可欠な要素さえ欠乏しているように見えた。
 生後5年にして既に諦めることを覚えてしまった人生に心を痛めつつ、優はその頭をぐりぐりと撫でる。
「任せておけ、この俺がとっておきのプレゼントを探してくる。だから100%の期待で待っているが良い!」

「みうちゃん待っててね、あたしが素敵なプレゼント見付けてあげるから」
 星杜 莉来(la0142)は自分と同い年くらいに見える少女、みうの手を取って微笑みかける。
「でも大丈夫? 子供は危ないからダメって……」
「心配してくれてありがとう。でもあたしはライセンサーだから、これくらいの雪なんてへっちゃらだよ」
 それに、おばあちゃんの実家は雪国だ。
 あまり遊びに行ったことはないけれど、きっと自分の中にも雪国人の遺伝子があるはず。
 雪国スイッチが入れば、きっとどんな大雪も怖くない。
「みうちゃんは何が欲しい? あたしは去年のクリスマスに色鉛筆もらったんだ、36色もあるの!」
「いいなぁ、みうも欲しい! 12色のしか持ってないんだもん!」
「じゃあ決まり!」
 実はその色鉛筆、スケッチブックと一緒に荷物に忍ばせてあったりする。
「見付けたら一緒にお絵かきしようね」

「ゆきは二番目に食いしんぼそうなこどもがいいもふ」
 組み合わせを決める前、しらゆき(la0211)はそんなことを言っていた。
「一番食いしんぼそうな子はおまんじゅうちゃんに任せるもふ」
 その視線は、ころんと丸い体型の子供に注がれている。
「あの子なんか、おまんじゅうちゃんと気が合いそうもふ」
 しかし、おまんじゅう(la0254)は白いモフ毛に埋もれた首を振った。
「もふ? もふは食いしん坊の子とは組まないもふよ。美味しいもの掘り当てた時におこぼれもらいたいもふ」
 食いしん坊さんはきっと、独り占めしようとするだろう。
 そしてケンカになる未来しか見えない。
「だから、もふはもふの事をかわいいってもふもふしてくれる子と組むもふ」
 その希望は叶えられた。
 何故なら、選択権は子供の側にのみ与えられているから。
 しらゆきとおまんじゅうはもふ好きな子供達に囲まれ、もふられ、もみくちゃにされ、取り合いになった結果の壮絶なじゃんけんバトルで勝ち残った二人をパートナーに、宝探しに挑むこととなった。
 しらゆきのパートナーは先ほどのころんと丸い男の子。
 おまんじゅうのパートナーは、もふらぶな女の子だ。

「ぷれぜんともふ? それならまかせるもふー♪」
 しらゆきは古風な柄の風呂敷包みを背負って意気揚々と雪原に乗り込んできた。
「ゆきはこれを埋めるもふ、凍ってても美味しくなってるもふ」
 頭から雪の中に突っ込んで、犬掻きのように真下に向かって掘り進むしらゆき。
 風呂敷の中身は漬け物の詰め合わせだ。渋い。
 だがしかし、ちょっと待ちたまえ。
「ゆきちゃんこれは宝探しもふ、宝隠しじゃないもふ」
「知ってるもふ、だからこうして宝物を埋めてるもふ〜♪」
 こうやって埋めたものを、ここほれワンワンならぬここほれもふもふするもふ……って、違うもふ?
「宝物はもう埋まってるもふよ」
 町の職員が埋めた品物の中に希望のものが入っているかどうかは運次第。
 それを上手く掘り当てられるかどうかも然り。
「もふは凍っても美味しい栗クリーム大福が欲しいもふ、大きな箱に入った個数多いやつもふじゅるり」
 でもまあ、宝物が増える分には構わないだろう。
「誰かが見付けてくれるって信じてるもふ、サプライズもふ」
 しらゆきは雪の中を縦横無尽に掘り進み、適当な場所で包みをリリース、戻ろうとしたところで——
「もふ? 何かあるもふ」

 しらゆきは ぷれぜんとを みつけた !

 綺麗にラッピングされた上に透明なビニールで保護されたそれを、しらゆきはカメラに向けて掲げて見せる。
「見付けたもふ、中身はみんな揃ってからのお楽しみもふ〜♪」
「もふも頑張るもふ、掘って欲しいところを選ぶもふよ!」
 おまんじゅうはパートナーからスマホで指示を受け、雪の中に飛び込んだ。
「ここもふね、ここほれもふらがんばるもふ!」
 ほりほりずぼずぼほりほりずぼずぼ……
「見つからないもふ」
 もう一度、次はどこを掘るもふ?
「ここもふね、今度こそ見つけるもふ!」
 ほりほりずぼずぼほりほりずぼずぼ、あ、雪に埋まるの楽しいもふね。
 後でこの遊びするもふ!

「雪! 雪だあ!」
 雪の中に飛び込んだ莉来は、両手ですくった雪をカメラに向けて浴びせかける。
 ぬくぬくの手袋を着けているから冷たくないし、指先がじんじん痛くなることもない。
「お兄ちゃんも来られれば良かったのになぁ」
 そう呟いてから、足元の雪を両手で掘り始めた。
 えっさほいさと雪をかいては押しのけて、たまに休憩がてらに雪ウサギを作ってみたりして。
『莉来ちゃん、みうは粘土のうさぎ作ってるよ!』
 スマホから聞こえた声に、莉来は「いいこと考えた♪」と返す。
「ね、どっちがたくさんウサギ作れるか競争しない? もちろんあたしはプレゼント探しながらだから、みうちゃんの方が有利だよ」
『じゃあ今からね! 用意、スタート!』
 どんどん掘って、どんどん作る。
 宝探しとどちらがメインなのか、よくわからなくなってきた。
 でも二人とも楽しいからいいよね!

 優おぼっちゃまは、おぼっちゃま故に雪かきなどしたことがない。
 邪魔な雪は全て、使用人達が綺麗に片付けてくれるのだ。
 しかし彼らの作業を見たことはある。
 それを思い出しつつ、優は見よう見真似で作業を始めた。
「任せろ!」
 借りてきた道具をフル活用し、掘って掘って掘りまくる。
「ははははは、楽しくなってきたぞ! 雪で巨大滑り台でも作ろうか!」
 ランナーズハイならぬ、雪かきわっしょいハイである。
 しかし、おぼっちゃまは知らない。
 慣れない雪かきには筋肉痛がもれなくセットで付いてくることを。


●アンヌの挑戦

「きみ、お名前は?」
 アンヌ・鐚・ルビス(la0030)の問いに、少年は少し恥ずかしそうに、それでもはっきりと答える。
「旗 むらおです。6さいです」
「むらお君ね。私はアンヌ、よろしくね」
 パートナーとなった少年は、動物が大好きだった。
 触ったり一緒に遊んだりするのはもちろん、動物園やテレビで見るのも大好きだ。
 人間よりもむしろ動物に親近感を抱くような、将来はケモナーまっしぐらの素質を持った少年だ。
 そんな彼の希望は特にない。
 動物関係の品なら図鑑でもフィギュアでもカードでもゲームソフトでも、とにかく許容範囲が広いのだ。
「わかったわ、お姉さんにどーんと任せなさい!」
 お宝探しと聞いちゃ黙ってられない。
 なんたってアンヌはプロだ。
 お宝を嗅ぎ分ける嗅覚には自信がある。
「ごばっと潜ってばばっと見つけてあげるわ」
 そう、アンヌの手にかかれば見付けるのは雑作もないだろう。
 しかし最も重要なのはパフォーマンスだ。
「時にむらお君、きみの家では犬を飼ってるかしら?」
「うん、タロとジロっていう……」
 それはまさしく、お誂え向き。
 何を企んでいるかって?
 それは宝探しが終わった後で。


●お友達を探せ!

「俺は日向 進夢。よろしくな」
 日向 進夢(la0125)はパートナーとなった少女、灯ちゃんの目線の高さに合わせるように屈み込んだ。
 クマの人形をぎゅっと抱えた少女は、警戒するように体を硬くする。
 しかし目の前のお兄さんが怖い人ではないとわかると、小さな声で話し始めた。
「……あのね、このこ……おともだち。くーちゃんっていうの」
「そうか。よろしくな、くーちゃん」
 お兄さんがお友達のクマさんを、ちゃんとお友達として扱ってくれたことが嬉しかったのか、少女はぱっと顔を輝かせた。
「あのね、それでね、くーちゃんにね、おともだちがほしいの」
 くーちゃんは灯の友達だけれど、灯にはパパとママや幼稚園の友達もいる。
 けれど、くーちゃんには灯の他に誰もいない。
 だから寂しくないように、くーちゃんにもお友達がほしいのだ……と、そういうことらしい。
「よっし、兄ちゃんがその子の友達探してきてやるからな!」
「ほんと?」
「ああ、約束だ」
 本当は約束なんか出来ない。
 プレゼントの中に目当てのものががあるかわからないし、あったとしても自分が探し当てられる保証はない。
 けれど。
(こういう時に子供に不安を与えちゃなんねえ)
 駄目だったらきちんと謝る、それでいい。
 とはいえ、謝って納得してもらえるのは全力を出し切って、それでも駄目だった時だけだ。
「その辺更地にしてやるぜ!」
 スコップを担いで雪原に立った進夢は、ライセンサーの体力に任せてフル回転で雪を掘る。
 掘って掘って掘りまくり、お宝が埋まっている深さまで掘ったら後は慎重に。
「……ん? これか?」
 両手でそっとかき分けた雪の下に、可愛い柄のラッピングが見えた。
 掘り上げてみると、何か軽くて柔らかいもののようだが——
「感触はぬいぐるみ系だな」
 果たして、この子はくーちゃんのお友達になれるだろうか。


●ヒーローになりたい!

「宝探しの代理人ね。任せてっ。お姉さん頑張るから!」
 梓のパートナーは、体育会系の活発な女の子だった。
「それで、マキちゃんは何が欲しいのかな?」
「ズババーンブレード!」
 即答されたが、梓にはそれが何なのかよくわからない。
「ごめんね、お姉さんそういうテレビあんまり見ないから。説明してもらえるかな?」
「あのね、ズババーンブレードは無敵剣士ズババーンが使う剣なんだ! 普段は短剣で、変身するとぎゅんって伸びるの! 悪い奴らをバッサバッサと斬り倒す、すっげーカッコイイヒーローなんだよ!」
 アイテムの説明とヒーローの解説がごっちゃになっているが、何となくわかった。
 どうやら今、子供達の間ではその剣を使ったチャンバラごっこが大流行しているらしい。

「ズババーンもいいけどさ、やっぱオレはお面ライダーだな!」
 そう言ったのはランディ・アガルビン(la0744)のパートナー、生意気盛りのソウタ君8歳だ。
 お面ライダーはもう少しで放送開始から90年になろうかという超長寿シリーズの特撮番組、その最新作は「お面ライダーヅオウ」である。
 それだけ長く続いても子供達の人気は変わらず、オモチャの人気も衰えを知らない。
 その中でもやはり人気は変身ベルトで、ソウタ君のご所望もまさしくそのベルトだった。
「で、誰がオレの代わりに探してくれんの?」
「私だ」
 颯爽と登場したランディに、ソウタは渋い顔。
「えー、爺さんに宝探しできるのかよー」
「そこはせめておじさんと呼んで欲しいな。こう見えても若者には負けないよ」
「つーかさ、おっちゃんヅオウわかんの? ハイパー戦団と間違えてたりしねぇ?」
「大丈夫、ちゃんと毎週見てるからね」
「ほんとかー?」
 ソウタは疑いの眼差しを向けつつも、とりあえず信じてみることにしたようだ。
「お面ライダーシリーズなら、まあ許す。どうせ去年の売れ残りとか安くなったやつばっかなんだろーけどさ」
 聞けば去年の宝探しでは別シリーズの旧作ロボが出てガッカリしたそうな。
「ま、あんま期待はしてねーし……あれ、わりと重労働だかんな。無理して腰とか痛めんなよ」
 ソウタ、意外と優しい子だった。

「むむっ、これは思わぬライバル出現っすね!」
 那由汰(la0347)のパートナー、ケイジもまた変身ベルトを欲しがっていた。
「んー、でもオレ、ソウタがヅオウならゲイシでいいや。名前もなんか似てるし」
 ソウタとケイジは同級生で、よく一緒に遊ぶ仲らしい。
「ゲイシはヅオウの相棒なんだ。だからオレ、そっちがいい」
「わかったっす! 友達と一緒に遊べるように頑張るっすよ!」

 かくして、ヒーローになりたい子供達の期待を背負った三人は雪の中へ。

 梓は雪かき用のスコップで雪を掘る、ひたすら掘る。
 真下に向かって一直線に、深く深く掘り進む。
「うーん、この辺りにはないみたい」
 雪を埋め戻しながら穴を出て、周辺の雪と一緒に更に盛り上げ「ここは探した場所」の目印に。
「でも普通に積み上げただけじゃ面白くないよね。何か作ろうか、うさぎとかくまとか……」
 パートナーのリクエストに応えるのも良いかと、梓はカメラに語りかける。
「マキちゃんは何がいい?」
『怪獣!』
 予想の斜め上リク、来たー。
 マキ先生の監修の元、何体かの怪獣が広場に出現する。
 もうそろそろレパートリーも尽きかけた頃——
「お宝みーつけた!!!」
 穴から上がった梓は頭上にプレゼントを掲げ、カメラに向かって叫ぶ。
 持った感じ、希望の品とは違う気もするけれど、とにかく見付けた!

「さて、イキがいい歳は過ぎてるけども子供たちを楽しませるなら協力するよ」
 ランディは針金を折り曲げて作った自称ダウジングロッドを両手に持って、ソウタが好きそうな物を念じる。
「燃えよ! 私のイマジナリードライブ!!」
 ロッドが反応する場所を求めて、あっちにふらふらこっちによろよろ。
「しかし歩きにくいね、さすが新雪だよ」
 一歩踏み出すごとに、ずぶずぶと肩の辺りまで埋まってしまう。
 殆ど立ち泳ぎに近い格好で、ランディは彷徨う——が、ロッドはピクリとも反応を示さなかった。
「むう、これはイメージが抽象的すぎたかな。もっと具体的に……そう、出でよ、ヅオウの変身ベルト!」
 くるりん!
「おっ! 反応があったぞ!」
 ロッドを放り出し、時々腰をさすりながら雪を掘り返すランディ。
 果たして、そこに埋もれるお宝は希望の品か、それとも……?

「よーし! 雪掘り任せるっす! 俺がプレゼントを引き当てるっすよ!」
 那由汰は意気揚々と豪快に雪かきを始める……が、その手がピタリと止まった。
「そういえば、ただ掘るだけじゃなかったっすね。雪かきをしながら楽しめる事っすか……」
 ぽくぽくぽく、ちーん!
「そうっす! これを上手く出来ればっす!」
 掻き出した雪は常に同じ場所に集め、それをドーム型に固めて——
「よっし! ここを俺らのかまくら秘密基地にするっす!」
 雪はしっかり固めて、アサルトコアに踏まれても壊れないくらい頑丈に。
 てっぺんからは滑り台で降りられるようにして……
『滑り台までの階段も必要じゃない?』
 スマホから聞こえた相棒の声に、那由汰はポンと手を打った。
「そうっすね! あと何か欲しい機能はあるっすか?」
『隠し部屋とか、自爆スイッチとか?』
「わかったっす、出来上がりを楽しみに待つっす!」
『うん、期待してる!』
 でも宝探しも忘れないでね?
「ああっ! そうだったっすー!!」


●素晴らしき軍事脳

「く……雑なやり方です。あれではもう10人以上死んでいる」
 シンシア ソールズベリー(la2493)は生粋の軍事脳である。
 彼女の頭には幼少期より叩き込まれた純粋培養的な軍事関連知識が詰まっている。
 それ以外の一般常識的な知識も持ち合わせていはいるが、軍事関連の知識が占める割合の圧倒的優位性により、思考の全てが軍事色に染め上げられているのだ。
 それは、この宝探しも例外ではない。
 彼女にとって、これは雪に埋まった地雷の除去手法を子供に教授する任務である。
 命がけの真剣勝負である。
 なのに何故、他の者はああも楽しげにチャラチャラとふざけているのか。
 危機感が足りぬ。
 まったくもって嘆かわしい。
 そもそも任務の状況設定からして甘いのだ。
「プレゼント探しなどとあまりオブラートに包んでは子供達に危機感が伝わらないのでは? 抗議すべきでしょうか?」
 しかもプレゼントを見付けた子供は喜んでそれを手に取るだろう。
 シンシアの脳裏に、悲惨な光景が浮かぶ。
 戦闘域の地雷原に巻き込まれた可哀想な子供達、元の世界ではそれが日常だった。
 それに比べれば、この世界はまだ平和で……それゆえに平和ボケしているのだろうか。
 ならば、自分が担当となったこの子だけでも正しい知識を身に付け、生き延びて欲しい。
「真治君、仲間を守る為には絶対にマネしてはいけませんよ。どんなに寒くても慎重さを失っては死に直結します」
 そう解説しながら、シンシアは区画した雪原の一か所一か所を慎重に探る。
 雪を一定の高さまで除去し、金属探知機で——

 ピー! ピー! ピー!

「む、金属反応です!」
 これより地雷の撤去訓練に移行する!
『い、いえす、まむ……!』
 軍事脳に巻き込まれたパートナー、真治は素直に答えた。
 だってもう、何をどこからどうツッコめば良いかわかんないんだもん……!


●キラキラの世界

「よろしくね。私はおともだちの為のAI人形。あなたの願いを願いを叶えるわ叶えるの」
 目の前でくるりと回って見せた音夢・デイドリーム(la0746)に、6歳の少女まりぃは目を輝かせた。
「あなた、とってもすてきね!」
「ありがとう、おともだち」
 音夢はスカートの裾をつまんで優雅に一礼。
 まりぃはお話が大好きだった。
 電子書籍の読み上げ機能も良いけれど、まりぃは自分のペースで読むのが好き。
 紙の匂いや手触りも好き。
「わかったわ、プレゼントはご本なのねご本なの」
「うん、そう!」
「えぇえぇ、そうね。おともだち。任せてほしいわほしいの」
 重さを感じさせない軽やかな足取りで雪の上に躍り出た音夢は、その探索能力をフル回転させてプレゼントを探す。
 見た目ではわからないけれど、きっと何か手がかりはあるはず。
「見えないものを探すときは、そっと目を閉じるのね閉じるのよ」
 踵でそっと雪の表面を叩き、違和感を探る。
「エコーロケーションというのよ、テレビで見たわテレビで見たの」
 跳ね返った音波を元に、そこにあるモノの形を……形、うん、よくわからない。
 けれど、何となく感じた違和感を頼りに雪を掘ってみる。
 ここじゃない、ここでもない。
 ああ、でも。
 この積み上がった雪は、きっと。
「ねえ、おともだち。そんなにがっかりしないで。今から素敵なものを見せてあげるわ見せてあげるの」
 音夢は掘り出した雪の山にフォースアローを撃ち込んだ。
 ぶつかり跳ねて舞い散る雪は、太陽の光を弾いてキラキラ、キラキラ……
『わぁ、きれい……!』
 プレゼントを見付けて広場が安全になったら、目の前で見せてあげるわ見せてあげるの。


●はたらくくるま?

「そうか、君は悠樹というのだな」
 機甲支援外装サンフィッシャー(la2842)は、名前も見た目も男の子っぽい女の子、悠樹のパートナーになった。
「自分が悠樹、君の代わりに探そう。君は何が欲しいのだ?」
「別に……欲しいものとか、ないし」
 しかし、それがただの強がりであることは見え見えだった。
「だって絶対笑うもん。ガラじゃないって」
「約束しよう、自分は絶対に笑わない」
 暫く迷った後に、悠樹は恥ずかしそうに小声で告げる。
「ぬいぐるみが欲しい……可愛いの」
「その情報は機密としよう」
 約束通りに真顔で答えたサンフィッシャーは、主催者に宝が埋まっているエリアを確認。
 確実にないとわかった場所にロープを張った。
 お宝埋蔵エリアの雪をジャイアントシールドでブルドーザーのように削り、ロープの中へ。
 エンジン音を響かせて、疲れ知らずの純機械ロボはひたすらに除雪に励む。
 雪山がある程度大きくなったら、盾でバンバン叩いて圧縮&整形。
 ドーム型に仕上げたら、次は内部の掘削だ。
『それ、カマクラ?』
 スマホからの声に頷いたサンフィッシャーは、「それだけではない」と小山の上に大きな雪玉を乗せた。
 雪玉に炭で眉と口を付け、蜜柑で目を作り、バケツ帽子被せて——
『雪だるまだ!』
「そう、雪ダルマの中で過ごすコンセプトだ」
 宝探しが終わったら、これを皆に解放しよう。
 それまで、いくつの「雪ダルクラ」が作れるだろうか。


●不器用だけど

「ったく、何でこんな仕事受けちまったかな」
 布川 躑躅(la2930)は小声で呟きながら、それでもモニタの向こうにいる少女にはとびきりの笑顔を向ける。
「ま、やりますよっと。おーい、メイちゃん見てるか?」
 手を振って見せるが、答えはない。
 他の子はスマホでパートナーとの会話を楽しんでいるようだが、躑躅と組んだ少女はどうにも反応が薄かった。
 まだ8歳だというのに、思い切り笑わないし、欲しいものがあるわけでもない。
 幸が薄いと言うか、良くも悪くも純粋と言うか。
(なんつーか、ほっとけねーんだよな……)
 それがその子の在りようなら、それを変えろとは言わない。
 そのままでいい。
 けれど、自分が動くことで少しでも喜んでくれるなら。
 少しでも楽しい気持ちになってくれるなら。
「良いモン見つけてやっから、大人しく待ってろよ」
 躑躅はそんな言い方しか出来ないから、行動で示す。
 欲しいものがなくたって、もらって嬉しいものはあるはずだ。
 この下には、きっとそれが埋まっていると信じて。
「だって宝探しだもんな!」


●ウサギと怪獣

「千早・凛だよ。よろし……ひゃっ!?」
 千草 凛(la2955)は、パートナーの男の子、勇太にいきなり髪を引っ張られた。
 悪戯小僧はぴゃーっと逃げて、部屋の隅っこで様子を伺っている。
 怒られるようなことをした自覚はあるのだろう……が、凛は怒らなかった。
 ニコニコ笑顔で少年に近付くと、その目の前にしゃがみ込む。
「勇太君は元気だね」
「なんだよ、怒んねーの?」
「怒らないよ、だって今のは勇太君なりの挨拶でしょ?」
 実際、驚いただけで痛くはなかったし。
「ちぇー、つまんねーのー」
 口を尖らせた勇太に目線を合わせ、凛は「何が欲しい?」と尋ねる。
 生意気盛りの悪戯小僧は「当ててみろよー」などと笑っているが、この手の子供が欲しがりそうなものは大体想像が付く。
「よし、お姉さんわかっちゃったよ!」
「えっ!?」
「じゃあ頑張って捜すからね! 楽しみにしてて!」
 雪原に出た凛は、スコップでせっせと雪を掘り返す。
「……あ、パフォーマンスもいるんだっけ?」
 どうしよう、勇太君が喜びそうなことは思い付かないし、出来そうもない。
 だったら自分の好きなことをやっちゃえ!
「ほら見て、雪ウサギ!」
『えー、おれ怪獣がいいー、怪獣作ってよーゴメラとかー』
 スマホから聞こえる声は華麗にスルーして、凛はウサギを作り続ける。
「大きいのはお父さん、スマートなのはお母さん。ちっちゃいのは子供たちで……大家族だね!」
『そんなのおれが踏みつぶしてやるー!』
「だったら凛はウサギさんを守って戦っちゃうよ。雪合戦なんてどう?」
『おー、望むところだー!』
 だからプレゼントはよ!


●背伸びがしたいお年頃

「えっと……茜ちゃんはどんなプレゼントがいい?」
 栗洲 鈴檎(la2519)は、パートナーの茜ちゃん5歳に尋ねた。
 しかし、返って来たのはつれないお言葉。
「いいよ、だってお姉さんにはムリだもん」
「そんなことないよ、大丈夫! あたし探すの得意だし! お母さんの無くした指輪とか3分で探せるし!! まあ、置き忘れる場所大体決まってるけどね……でしょ? 親とか結構チョロ……じゃなくて!」
「パパとママがチョロいのはみとめるわ。でも、それでもどうしてもダメなものがあるのよ」
 茜はおませでおしゃまな幼稚園児、着ている服も髪型もオシャレで可愛く、一分の隙もない。
 そんな彼女がどうしても手に入れられないもの、それは——
「ほおお……コスメ系ね?」
 しかも子供騙しのお化粧ごっこではなく、本物とな?
 そりゃ買ってもらえないわけだ、うん。
「ふふ大人よのぉ……おけ! でも報告義務だかんね! ……なんのって? えー、隠さないでよお……よし! お姉さん頑張るから!」
 と言っても子供たちのプレゼントにコスメとか無理でしょ。
(……どうしよう? すり替え?)
 いやいや、それは最後の手段だ!!
(まずは真面目に探して……見付けたものの交換とかはセーフだよね?)
 わらしべ長者だっけ? 作戦発動!
 まずは何でもいいからプレゼントを掘り出す!
 あとは交渉でどうにかする!


●サンタ推しレディのために

「お目当てのものが出ると良いけど……頑張るわ」
 日十歳 紬(la2491)は、カメラに向かって手を振った。
 パートナーのリオちゃん6歳が欲しがっているのは、クリスマスの絵本とぬいぐるみ。
『かわいいサンタさんのがいい!』
 リオはサンタさん推しらしく、ぬいぐるみもサンタさんをご所望だ。
(絵本はともかく、サンタのぬいぐるみなんてあるのかしら)
 そう思って調べてみると、多くはないが確かにある。
 しかも可愛い。
(ヒゲのおじいさんでも、可愛くしようと思えば出来るのね)
 妙なところに感心しつつ、紬は雪を掘る。
 どちらか片方だけでも見付かりますように。


●お宝召喚黒魔術

「ドコに埋まってるかはわかンないけど、深さは地上から30cmの所……なのよね」
 キャロルは雪が好きだ。
 しかし、あちこち5mも掘って宝探すのは正直ダルい。
「宝が来いってカンジ?」
 無骨な雪かき用のシャベルも、この華奢な腕には似合わない。
「……んー……」
 暫し黙考、そしてニヤリ。
「イイこと思いついた♪」
 不敵な笑みを浮かべ、シャベルよりも更にゴツくてデカい両刃の大剣ラヴィーネソードを、その華奢な白い肩に担ぐ。
「こういう時には技名とか叫んだ方がウケるのよね」
 必殺技っぽくポーズも決めて、と。
「白金の如き刃よ、その輝きもて……聖別せよ、ブラッディクロス!」
 ずどぉん!!
 キャロルを中心に十字に広がる衝撃波!
 派手に舞い上がる雪煙が収まると、雪原には巨大な十字架が刻まれていた。
「どーよ、コレ♪ ね、ね、スゴくない? スゴいよね!」
 得意げに胸を張り、鼻を鳴らすキャロル。
「さあ、どんどんいっちゃうよー!」
 だいじょぶ、プレゼントは壊さない。
 識別可能な攻撃だからね、見えなくても深さの情報とかしっかり頭に入れて……え、見えてないとダメ?
 ……へーきへーき、キャロルはAKY(敢えて空気を読まない)だけど、ダイスはちゃんと空気読んでくれるって信じてる!
 どどぉん!
 角度を変えて三回、雪原に刻み付けた十字の徴。
「この中心にお宝があるよ!」
 自信満々に指さすと、スマホから子供達のドヨメキが聞こえる。
 よしよし、ウケてるウケてる。
 あとは宣言通りにお宝を掘り当てればカンペキだ。
「聖別されし究極の至宝よ、今こそ我が前にその姿を晒せ!」
 さあ、空気読んでねお宝ちゃん!


●プレゼントは何かな?

 お宝が無事に掘り出され、安全が確保された広場に子供達が解き放たれる。
 彼らは真っ直ぐに、パートナーに向かって突撃した。

「タイシ、お宝があったぞ!」
 優が手招きする先にあったのは、雪で出来た宝箱。
「お前の物だ! 遠慮はいらん!」
 少しでも宝探しの気分が味わえるようにと、見付けたプレゼントはそこにしまっておいた。
 蓋が開くギミックはちょっと作れなかったから、壊して取り出すがいい!
「う、うん……」
 ドキドキしながら取り出したのは、ゲイシの変身ベルトだった。
 タイシは嬉しそうに顔を輝かせる……が、その笑顔は見る間に萎む。
「こういうの……お母さんがダメだって」
 電池はすぐになくなるし、他にカードなどの追加アイテムが必要だったりするし、何より長く遊べないというのがその理由らしい。
「ふむ、そうか……だが問題はない。こういう時は交換だ! 俺の交渉術を見せてやろう!」
 確かこれを欲しがっていた子供がいたはず。

「おっちゃん! オレのベルトー!」
 ソウタはランディの手から引ったくるようにプレゼントを受け取ると、包装紙を無造作に破り始めた。
 中から出てきたのは——
「うおぉ!? ヅオウのベルトだーーー! おっちゃんスゲーーー!!!」
「ふふ、どうだ。私の言った通りなっただろう?」
 想像力の勝利だね!

 一方のケイジは那由汰から手渡されたプレゼントの包装紙を丁寧に剥がして、きちんと畳んでから中身とご対面。
「缶入りクッキー……しかも金箔添えっすか!?」
 覗き込んだ那由汰の声が裏返る。
 これはこれで、なんかスゴイとは思うけれど……
「でも希望とは違うっすね。申し訳ないっす!」
 しかし諦めるのはまだ早い。
「そのプレゼント、俺が交換してやろう!」
 優の一声で全てが解決だ!
 すごいぞ、おぼっちゃまの交渉術!

「マキちゃん、どうかな? プレゼント……欲しいものだった?」
「うーん……」
 梓が掘り当てたのはビーズセット、大き目のビーズで自分でアクセサリーが作れちゃう、手芸好きな女の子なら大喜びのアイテムだ。
 しかしマキが欲しいのはズババーンブレード。
 それでも梓が自分のために頑張ってくれたことを思うと、こんなのいらないとは言えなかった。
「あ、でも交換で手に入るかも……ちょっと待ってて!」
 そして見事、梓とマキは希望の品を手に入れたのだった。
「ありがとうラックさん」
「あ、いや、俺のパートナーこういうの好きそうだから……こっちこそ、助かった。あんがとな」

「灯ちゃん、どうだ? その子はくーちゃんの友達になれそうか?」
 進夢が手渡した包みを開けた灯は、嬉しそうに顔を綻ばせた。
 現れたのは、雪のように白いウサギの人形。
「うん、ありがとうおにーちゃん!」
 ふたりのお友達を腕に抱え、ぎゅっと抱きしめる灯ちゃん。
 クマとウサギ、種族の違いは問題にならないようだ。

「さあ、処理は終わった。これは今日という日の記念に持っているが良い」
 シンシアは信管を抜いた地雷、もとい金属探知機に引っかかったプレゼントを真治に手渡す。
 中身はお面ライダーの缶バッジだった。
「え、これ非売品……めっちゃレアなやつだ!」
「ふむ? 勲章の類か?」
 この程度で勲章を与えるのもどうかと思うが、訓練には飴も必要だろう、うん。
「この訓練で得たものを忘れず、以後も精進するように! 以上、解散!」
「い、いえすまむ……!」

「おともだちにプレゼントよプレゼントなの」
 音夢はずっしりと重い包みをまりぃに手渡した。
 中身は挿絵がいっぱいの、ワクワクドキドキの物語。
「そのご本は素敵な物語よ物語なの」
 音夢も読んだことがある。
 大切な友達と一緒に、ベッドの中で。
「きっと冬の長い夜に寄り添ってくれるわくれるの」
「ありがとう! これ読んでみたいって思ってたの!」
 その頭上にキラキラの雪が降りかかる。
 キラキラ、キラキラ、夢のように。

「悠樹、すまない。こんなものしか見付けられなかった」
 サンフィッシャーは掘り出したプレゼントをパートナーに手渡す。
 それは約束通りの可愛いぬいぐるみ。
「……こんな可愛いの、ガラじゃないって言ったじゃん。……でもまあ、プレゼントは選べないからな。仕方ないからもらってやるよ」
 口ではそう言いながら、ぬいぐるみを見つめる目は嬉しそうに細められている。
「ありがと」
 小声でそう呟く声が聞こえた。

「ほら、見つけてきてやったぞ」
 躑躅が無造作に突き出したプレゼントに対しても、少女の反応は薄かった。
 受け取ろうとしない彼女に代わって、躑躅が包みを開けてやる。
「お、着せ替え人形のミカちゃんだ。すげーな、着替えもいっぱい付いてるぞ?」
 押し付けられてようやく手を出しかけた少女は、それでもまだ迷っている様子で躑躅を見上げた。
「……これ……メイがもらって、いいの?」
「当然だろ。俺はメイちゃんのパートナーだ、その俺が見つけたんだから、これはメイちゃんのモンだ。な?」
「……うん……ありが、と……」
 人形の箱をしっかりと抱きとった少女は、淡い笑みを見せた。
 きっとそれが、今の彼女にとっては最大級の感情表現なのだろう。
 今はそれで充分、かな。

「わあ、すごい! 48色のセットだ!」
「しかも水彩色鉛筆だよ! いいなー!」
 莉来とみうは、二人で大喜び。
「かまくら作って中でお絵かきするといいもふ〜、もふはおやつ食べたいもふ〜」
 そう言ったおまんじゅうの腕には、お菓子のブーツが抱えられていた。
 パートナーへのプレゼントは、お菓子のブーツを抱えたネコのぬいぐるみ。
 けれどお菓子よりもふもふが好きなパートナーが、ブーツをお裾分けしてくれたのだ。
「もふが欲しかった栗クリーム大福はゆきちゃんが当てたもふ、しかもいちご大福も付いた豪華セットもふじゅるり」
「みんなでかまくらに入って一緒に食べるもふ、食べたら雪遊びもふ〜」

「おー! すげぇカッコイイ!」
 恭弥のダチ、たっくんは引き金を引くと音と光が炸裂するおもちゃの銃にご満悦。
 しかもこの銃、雪を詰めて雪鉄砲にもなるぞ!

「さあ、これが聖別されし究極の至宝よ」
 キャロルは掘り出したプレゼントを厳かに手渡す。
 空気を読まない試練を乗り越え、パートナーの手に渡ったのはアルティメットマンの限定ソフビ。
「これネットじゃ品薄でプレミア付いてるやつじゃん! すっげー!」
 地元のおもちゃ屋では半額だった……という裏情報は秘密にしておこう。

「ごめん、片方しか見つからなかった……」
 紬が差し出したプレゼントは、可愛いサンタさんが主役の絵本。
「だいじょーぶだよ、ぬいぐるみはないだろうなーってリオ思ってたし」
 サンタ推しリオちゃんはにっこり笑う。
「ほんもののサンタさんでもね、むずかしいんだってパパゆってた」
 絵本は大きいサイズだし、可愛いサンタさんがいっぱいだし、リオはそれだけで大満足だった。

「茜ちゃん、お待ちかねのコスメだよ!」
 鈴檎は交換に次ぐ交換の果てにようやく手にした香水を、ばばーんと突き出した。
 しかし茜ちゃんは眉間に深い皺を刻んでいる。
「あたしホンモノがいいっていったでしょ」
「これ本物だよ!? 本物のブランド品! 高級ブランドがオシャレな子供達のために本気で作った香水だから! これ付けてたらカレシもイチコロだよ!?」
「……ほんとに?」
「ほんとほんと、男の子はいい匂いのする女の子に弱いんだから!」
 はい、交渉成立!

 アンヌのパートナー、動物好きのむらお君には大きなパンダのぬいぐるみ。
 凛の元へ駆け寄った怪獣好きな勇太には、発売されたばかりのハイパー戦団ロボ。
 セイジアが一目惚れしたみちるには、パーツやプログラムがカスタマイズ出来るわりと高性能なおもちゃのロボット。
 祭莉のパートナー、ライセンサー好きのゲンタには、ピカッと光るライセンサーなりきりパジャマ。
 桃簾は大人でも喜びそうな凝った細工の仕掛け絵本。
 楓は覗いて楽しい投影も出来る万華鏡。
 さくらの積み木は、小さい妹がいるという子供が「これで一緒に遊んであげるの!」と喜んでいた。

 そして、シオン・エルロード(la1531)と来栖・望(la0468)のパートナーとなった二人には——
「あれ? プレゼントは?」
「兄ちゃんたち、何も持ってないじゃん」
 もしかして見つけられなかったのだろうかと訝る二人に、シオンはまっさらな雪原を指し示して見せた。
「願いは自分で叶えてこそ価値がある」
 宝はそこに埋まっている。
 大部分の雪は取り除いてあるから、子供でも難なく探せるだろう。
「無論、俺達も手を貸そう。さあ、一緒に探そうではないか」
 諦めていた宝探し、それが出来るとあって子供達は大はしゃぎだ。
 まるで犬コロのように駆け回り、穴を掘り、掘り返した雪を互いにぶつけ合いながら歓声を上げる。
「如何なる世界においても子供は宝であるな」
「ええ、本当に……」
 手伝いの手を止めて、まるで我が子を見守る夫婦のように子供達を見る二人。
「子供が幸せで居られる事は、大切です」
 この歓声を、笑い声を許さない世界も確かにある。
 平和な時代でさえ、子供の声がうるさいと言う者もいる。
 当たり前のように見えるこの光景も、当たり前ではないのだ。
 努力の末に掴み取らねばならない世界も、それでも掴めない世界も、この世には存在する。
 今こうしていられることの尊さを、幸福の意味を……未来を担う者達には理解して貰いたい。
 そして、未来を紡ぐ者には笑顔で在り続けて貰いたい。
 失って初めて気付くものだと知るからこそ、願う。
「……子供の頃、積もった雪にはしゃいで、裸足のまま窓から外へ飛び出して、衆徒を困らせたのを思い出します」
 子供達の向こうにどこか遠い光景を見ているような目をしたシオンに、望が笑いかける。
「それは、なかなかのお転婆ぶりだな」
「ええ」
 はにかんだ笑みを返し、望は尋ねた。
「シオンさんは、雪で遊んだことはありますか?」
「ああ、滑ったり投げ合うぐらいの遊戯はしたことがあるな」
「では雪で何か作りませんか……ほら、こんな風に」
 雪玉を整え、雪うさぎを作って見せる。
「ほう、器用なものだな」
 それを真似て雪玉を整えながら、シオンは呟く。
「次の世代の為に平和を掴み取らねばならぬな……」
「私は、いつでも幸福と笑顔を願っています……あの子達にも。勿論、大切な貴方にも」
「きっと、俺達の願いはこの笑顔の先にあるはずだ」
 いい雰囲気になりかけた、その時。
「なーにイチャイチャしてんだよー!」
 声と共に雪玉が飛んで来た。
 雪玉の後ろから子供達が元気に駆けて来る——頭上にプレゼントを掲げて。
「もー、手伝うって言ったくせに二人とも見てるだけなんだもん!」
 だから自分で見付けちゃったよと文句を言いながらも、子供達は楽しそうに息を弾ませている。
 そう、願いは自分で叶えてこそ価値があるのだ。
 男の子には望からヒーローの変身セットを。
「君と、君の大好きな人たち皆の願いを守れるように……ね」
「おう、任せとけ!」
 女の子にはサンタの衣装を着た熊のぬいぐるみを。
「わぁ、可愛い……ありがとう!」
 でも、女の子だって大好きな人たち皆の願いを守りたいのだ。
「なーなー、雪合戦しようぜー! オトナ対コドモで!」
「……そうだな、大人の本気を見せ付けるとしよう」
 少年に誘われ、シオンは望の手を取った。
 その手を握り返し、望は微笑む。
「この願いを叶え続けて見せます、もっと強くなって、必ず」


●雪だるま大会

「よーし、とにかくでっかい雪だるまを作るぞー!」
「おーっ! でっかいのはセイギだー!」
 恭弥とたっくんは、そこらじゅうから雪を集めまくる。
「塩をかけると丈夫になるって聞いたからな! あと少しの水とIMDパワー!」
 集めて積んで、叩いて固めて、どれくらい大きくしようか?
「ゴヅラよりでっかく!」
「お、おう……」
 頑張る、きっと材料だけは足りるはずだから!

「じゃ、雪でサンタさん作ろうか」
 そうは言ってみたものの、紬はこれが初めての雪遊び。
(上手く出来るかな……?)
 内心の不安が滲み出る紬の様子に、リオが助け舟を出した。
「だいじょーぶ、リオがおしえてあげる!」
 やり方は知っていてもパワーと技術が追いつかないリオ先生と、パワーなら負けないライセンサー。
 技術はきっと、気合いで何とかなる。
「サンタさんと、トナカイさんと、ソリと、ツリー! つくるの!」
 あれ、めっちゃハードル上がってません?

「これ……そっち、乗っけて……」
 祭莉は掘削がてらに作った二つの巨大雪玉を頑張ってドッキング……ドッキ、んぐ……っ!
 重い、でかい、そして転がしただけの雪玉は脆かった。
「だから言ったじゃん、それじゃ崩れるって!」
 ゲンタ先生の仰るには、雪だるまを転がして作るのはシロートなのだそうだ。
「雪だるまってのは削って作るんだよ!」
 崩れた雪玉を集めて叩いてギュウギュウに圧縮して、そこから削り出す。
「な?」
「……高い」
 そうして作った雪だるまは、飾り付けのために登ってもビクともしなかった。

「む、バランスがなかなか……」
 桃簾は雪うさぎを縦に幾つも積み重ね、雪うさぎ柱を作っていた。
 いや、作ろうと頑張っていた。
 しかし雪うさぎの形状は積み重ねるのに適してはいない。
「では、ここをこうして、こんな形にすれば……」
「兎のトーテムポール、ですか?」
 円筒形に成形し、積み重ねたうさぎを見たさくらは、そんな感想を抱いた。
 その手に載った雪うさぎは南天の実で目を付けた伝統的なもの。
「難を転じて福となす……南天の縁起が良いのだと母上が言っていました」
 思い出すと会いたくなってしまうけれど。
「まだやるべき事があるので……」
 今はひたすら雪うさぎの増殖に励むのだ、あたり一面をうさぎだらけにするまで。
「重ねない雪だるまがあっても良いとは思うけど」
 楓は父の言葉を思い出す。
 父の雪だるまは昔から重ねないもので、しかも何の形かよくわからなかった。
「ここは素直に重ねる雪だるまにしようか」
 自分は父よりは造形のセンスに恵まれているはずだ。
 そう言うと、幼馴染はいつも笑うのだが。

 セイジアは写真を元に、実に写実的なアサルトコアMS-01Jを作り上げていた。
 みちると二人、成し遂げた顔で見上げるそれは高さ3mを超え、手には巨大な小太刀「五月雨」を構えている。
 そして仕上げは——
「見な! みちる! これがロマンってやつだァー!」
 雪像の背後からビーム(フォースアロー)発射!
 虹色の極太ビームが天を衝く!
 その迫力に子供達の心は鷲掴みだ!

 子供達の熱烈な支持により、一番スゴイヤツはこのロマンの塊に決定した。
 なお優勝商品は風呂敷に包まれた漬け物の詰め合わせだ。渋い。
 いや、なんか余ってたから有効活用しようかなって。


●雪遊び

 かまくらの前に、二頭の狛犬が鎮座していた。
「ゆきちゃん、こうしてると子どもたちが集まってもふもふされるって言ってたもふ」
 しかし誰も来ない。
「きっと待ってるだけなのがよくないもふ、犬は喜び庭駆け回……りたくないもふ、ゆきは寒いところよりもぬくぬくがいいもふ〜みんなでたき火もしようもふ〜♪」
 あれ? 気が付けばおまんじゅうがいない。
(誰かもふを雪の上にぽいって投げる遊びしないもふか)
 雪原の真ん中で念を送るおまんじゅう、それをキャッチする躑躅。
「へぇ、そうかそうか、投げられたいか。そぉ、らっ!」
 躑躅はおまんじゅうを思いっきり投げた。
 そっちの真似したがってる毛玉もついでに、そーい!
「楽しいもふ〜」
「もっともふ〜」
 毛玉は飛んで転がり雪玉になり……
「おお、これが雪だるまというものか!」
 初めて見るという優は感激至極、でもそれ中身はもふらです。

 ランディはヅオウとゲイシの雪像を頑張って作り上げた。
 それをバックにベルトを着けたソウタとケイジが変身ポーズ。
「おっちゃんも一緒にやれよ!」
「おじさんはおやっさんね!」
 適当にポーズをとって写真に収まったら、今度は那由汰のかまくら秘密基地だ。
 ジャイアントシールドをソリ代わりに、二人を乗せてかまくらのてっぺんから——
「そぉーれっす!」
 勢いよく滑りだしたソリは、滑り台から飛び出してサンフィッシャーが整備した道を突き進み、増設されたカマクラを飛び越え、間をすり抜け、あちこち回って戻って来た。
「おお、いつのまにかソリのコースが整備されてるっす!」
 サンフィッシャー、ぐっじょぶ!
「すっげーたのしー!」
「もう一回!」
 それを見た子供達が我も我もと集まって来る。
「遊び疲れたらかまくらで休めて尚且つ滑り台で楽しめるって一石二鳥っすね!」
 冴えてるじゃん、俺!
「俺達もやるぞ、ソリ滑りで競争だ!」
 優もタイシの手を引いて、自作の滑り台に駆け上がった。
 ダンボールソリならコストゼロ、いくらでも遊び倒せるぞ!

「そうね、確かにそれも楽しいでしょう」
 しかしアンヌはそれを上回る、雪国の子供達でさえ経験したことがないであろう秘策を用意していた。
 それは——
「犬ぞりチャレンジよ!」
 タロジロを始めとする飼い犬達をお借りして、普通のソリに紐をいっぱいくっつけて引かせる、犬ぞりという名のお散歩代行。
 訓練? してるわけないでしょ、普通のわんわんだもの。
 統率? 取れるわけないでしょ、普通のわんわんだもの。
「むらお君、これがタロとジロの、そして普段は飼い犬に甘んじている彼らの秘めたる真の力よ!」
 哀れ無実のソリは、市中引き回しの上に八つ裂きの刑に処されたのでありました。

「向こうは随分と賑やかだな」
 進夢はまったりのんびりと、灯ちゃんと一緒に雪像を作っていた。
 雪かきで集めた雪を使って、クマのくーちゃんと新しく出来たウサギのお友達を。
「おっきいのがいい! あかりとおなじくらい、おっきいの!」
「よし、任せとけ!」
 兄ちゃん頑張るぞ、お友達と三人並んで写真を撮りたい灯ちゃんのために。



 ライセンサーと子供達は、冬の一日を日が暮れるまで楽しく過ごした。
 彼等が作った遊具や雪像はその後何日も溶けずに残り、子供達を楽しませたそうだ。

「「また来年も遊ぼうね!」」

 後に届いた感謝のビデオレターには、プレゼントを掲げた彼等の笑顔が咲いていた。

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