オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
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  2. SALF本部

  3. 【果冠祭】果実の灯火に願いを込めて

【果冠祭】果実の灯火に願いを込めて 九里原十三里

形態
イベント
難易度
易しい
価格
500
ジャンル
恋愛 日常 
参加人数
251~25人
予約人数
10010100
基本報酬
90000G
90SP
900EXP
おまけ報酬
10000G
相談期間
3
締切
2019/08/31 20:00
完成予定
2019/09/10 20:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●地中海に浮かぶ

 ナイトメアによって壊滅し、国という形を維持するのすら困難な『エオニア王国』
 国を背負う幼い王女は、考えた。
 途絶えている祖国伝統のお祭りを復活させられないか、と。
 国主が前に出て、明るい話題を供する事が大事なのだ。
 この国の未来は続いていくのだと示す必要があるのだ。

 もともとの祭りと同じものは出来ない。
 例えば、果物を大勢でぶつけ合うメインイベント。食べ物を無駄に出来るほど、国の財政は豊かではない。有り体に言えばむしろ貧乏だ。

 ――ぶつけるものは、ペイント弾。
 使われるはずだった果実は、沢山の料理に変えて皆で食べればいい。

 ――ここは今やSALFの前線基地。
 古きに拘らず彼らにとっても楽しいものにするべきだ。

「我と共に、全員が参加者になれる楽しい祭りを作っては貰えませぬか」

●果物のランタンを、空へ

 夕暮れ時の空に、星が1つ2つと増えていく。
 ライセンサー達は『エオニア王国』の王女パルテニアが船に乗り込んだのに続き、自分達もそれぞれの船に乗船した。
 彼らの手には、薄い紙を張り合わせて作られた果物の形の「ランタン」があった。

「これでロウソクを挿すところができたね。ここに火をつけて、ロウソクの熱でランタンを飛ばすんだ」

 1人のライセンサーが同乗した島の子供達に説明している。
 船は港を出て、静かな海にゆっくりと進んでいく。

「僕が作った『ミーベル』のランタン、ちゃんと飛ぶかな?」
「私はバナナ! お姉ちゃんと作ったの!」

 子どもたちはそれぞれ手にした自作のランタンを手に、わくわくした様子でいる。
 この日のために、みんなで一生懸命用意してきたようだ。
 ライセンサー達は彼らのランタンを夜空に飛ばせるように準備してやりながら、空がもっと暗くなるのを待っていた。

「今夜は風もないし、きっと大丈夫。みんなの作ったフルーツがたくさん空を飛ぶんだ。きっとすごくきれいだよ」

 そう、ライセンサー達が言うと、子どもたちは目を輝かせた。
 
 実は、この島にはこんな逸話がある。
 ある男が、女神に感謝を伝える為に山ほどの果物を用意した。
 それを天に届けようと、何度も何度も空に向かって放り投げた。
 しかし、何度やっても果実は男の頭上に落ちてきた。
 それどころか周りの人々の所にも飛んでいったので、たちまち喧嘩が始まった。
 暫くして、男は「女神に感謝が届いた」と喜びだした。
 見れば、広場にあった女神像の頭冠に果実が乗っていた――。
 
 王女パルテニアはこの逸話が元となった島の祭りの復活を願い、人々に働きかけて様々な催しを企画した。
 今夜この海で行われる「果物ランタン飛ばし」もその1つなのである。

「ねぇ、王女様。私達のランタン、女神様に見てもらえるかな?」

 桃のようなこの島特産の果物「ミーベル」の形をしたランタンを手に、1人の少女がパルテニアに声をかける。
 するとパルテニアは「ええ、もちろん」とほほえみ返した。

「きっと、貴女のすてきなランタンをご覧になったら、お空にいる女神様はとても喜んでくださるでしょう。さぁ小さな子たち、みな我のところへ。一緒にランタンを飛ばしましょう」

 パルテニアがそう声をかけると、ランタンを手にした子どもたちがわっとパルテニアのそばに集まった。
 ライセンサー達も自分達の船からパルテニアの船に移り、子どもたちのランタンに火をつけるのを手伝いに向かう。

「王女様、私達もみんなが楽しめるようにお手伝いします」
「ありがとう。皆様も、どうか一緒に楽しんでくださいませ。大人も子供も楽しく過ごしてくだされば、我も嬉しいのです」

 ハニーブロンドの髪をツインテールに結んだ10歳の幼い王女はそう言って笑顔を浮かべた。
 側にはパルテニア王女のお付きの大人たちの姿もあったが、今夜は王女が同じ年頃の子どもたちと一緒に楽しめるよう、船には島の子どもたちがたくさん乗り込んでいた。 
 そこへ、料理を積み込んだ一艘の船が近づいてきた。

「子どもたち、私達大人が作ったランタンも一緒に飛ばしておくれ!」
「頑張ってくれたいい子には『ミーベル』で作った美味しいジュースをあげよう!」
「みんな、そろそろお腹がすく頃だろう? さぁ、今夜は船の上でご飯だよ!」
「よく冷えたミーベルを丸かじりしたい子はどこだい? さぁ、受け取った受け取った!」

 料理を用意してきた大人たちが船上からそう声をかけ、周囲の船にジュースや食事を配って回る。
 この『エオニア王国』は決して裕福な国ではない。
 だが、島民たちは子どもたちや祭りの参加者が楽しめるよう、いろいろ盛り上げ方を考えているようだ。

「そうか、このランタンは、空の女神様に捧げるものでもあるんだね」
「これからの『エオニア王国』がいい国になるように、俺たちも協力しようぜ!」

 ライセンサー達はそう声をかけ合ったのだった。

●シナリオ概要
 今回は地中海に浮かぶ小さな島、『エオニア王国』にて船の上から果物のランタンを飛ばすイベントに参加していただきます。
 10歳の幼い王女・パルテニアや小さい子どもたちがわくわく参加していますが、何百ものランタンが夜空を舞い、大人もその美しい夜を楽しんで参加していただけるイベントです!

●場所、シチュエーション
 夜の船の上から紙でできた果物の形のランタンを飛ばします。
 ライセンサーの皆様は、
「お祭りを盛り上げるために恋人や友人と参加する」
「子どもたちがランタンを飛ばすのを手伝う」
「どんどんランタン持ってこい! 俺が飛ばしてやる!」
「皆のために果物をせっせと切り分けて配る」
 などなど、といった形でご参加ください。
 海は静かで、ナイトメア出現はありません。
 船などは祭りの主催者が用意しています。

●ランタンについて
 島で親しまれている「ミーベル」という果物のほか、いろんな果物の形のランタン(紙製)を飛ばせます。
 自分で「こんなの作ってきたぜ!」というのを飛ばしてOKです。
 バナナとかドリアンとか、ちょっと無茶な形なのも軽いから多分大丈夫です。
 大きさは1人で抱えられるくらいのものを想定してください。

●ミーベルについて
 桃の様に甘く柔らかい果実で、島固有の果物。
 バラ科の桃の亜種と思われる。
 種は柿程度に小さい。

お世話になっております、九里原十三里です!

船の上からランタンを飛ばす、というシンプルなイベントですが色んな参加の仕方があると思います。
ぜひ、島の人達や王女様と一緒に楽しんでくださいね♪

ランタンを飛ばすわ。

コム・ローイみたいな灯篭飛ばしはいくつか参加したことあるけど……
フルーツの形をしたものを船上から飛ばす、ってのは楽しそうね。
せっかくだし、私もいっちょ最強のランタンを作り上げることにするわ。

モチーフにする果物はやっぱりレモンね。
あの飛行船っぽいフォルムはいかにも飛びそうだし。
端っこのちょっと尖がってるところの形状にこだわって作るわ……
極限までレモンっぽさを出すために。

王女様にもエオニアのちびっこたちにも申し訳ないけど、
この私のパーフェクツなスーパーレモン号こそ、ナンバーワンの機体!(?)
夜空を貫く流星となること間違いなし。

それっ、飛んでけー!!

  • 王国の猛将
    ラルフla0044
    放浪者15才|ゼルクナイト×セイント

ランタンの外観はマンゴスチンに。ドリアンも良いけどあれのキツイ匂いと食べた味思い出すのヤダし
彫刻が立体造形に補正つくとあるので、それと絵画使用して外見を可能な限り細部まで本物そっくりに拘ったランタンを作る
飛ばすのも、後の食事も自分だけでひっそりと

果物も飾り切りなんかを練習しつつ食べる
身を取りやすいようにとか、食べやすさと外見を極力両立出来るような切り方ないか模索

正直、伝統的お祭りイベントの復活支援というより
好き勝手なもの作って、タダ同然で果物食べれると聞いて参加した感

  • 新たなる道
    黄昏 空la0099
    放浪者18才|スピリットウォーリア×ゼルクナイト

【目的】
せっかくなので王女や子供達と一緒に目一杯楽しむ!
【行動】
自分で言うのもなんだけど、子供っぽい部分と大人っぽい部分が同居したようなオレだからこそ…。
子供達と同じ視点で楽しむ事も出来る…はず!
王女のパルテニア、さん?(って言えばいいのかな?)もいるみたいだし、皆で楽しみたいな!
皆が上手く飛ばせるようにお手伝いしよう。
上手く飛ばせなくて悲しそうな顔をしている子がいないように。
皆のランタンがちゃんと飛んだら目を輝かせながら一緒になって大喜び
「皆、やったね!うわぁ、凄く綺麗だなぁ…」

普段はちょっと背伸びして大人っぽい立ち振る舞いだけど、こんな時はいいよね?
子供っぽくてもさ

  • ソゥクール
    濡烏 夜見la0107
    人間16才|スナイパー×グラップラー

「空を舞うランタン、きっと綺麗でしょうねー

○行動
友人の桐江梓(la0229)と同行
呼称:おねーさん

2人でランタンを飛ばす手伝い
火を点すことには未だ恐怖があるけれど、それ以外のやれることをしっかりと
「順番にいきましょうねー。焦らなくても女神様はちゃんとみんなのランタンを見てくれますからねー

最後には自分達のランタンも飛ばしていく
飛ばすランタンはミーベルの形
「やっぱり綺麗ですね。昼間のように、とはいきませんけど、キラキラしていて
「おねーさん。俺はライセンサーになったきっかけが火で、まだ怖いですけど。綺麗だって感情で終われば良かったのにって

「…お供しますよー

  • 戦場のピアニスト
    化野 鳥太郎la0108
    人間39才|ネメシスフォース×スピリットウォーリア

「ひひひっ。これはね、スターフルーツだよ!君の果物はなんだい?」

◆行動
イベントに興味があってきたんだけど、子供が多いんだな
「飛ばすの手伝うよ、貸してごらん」
「カッコいいランタンだね。ほらほらそっち並んで」
屈んで優しく声をかけつつ、誘導等を手伝う
いやーどこに行っても子供は可愛いもんだね
可能ならパティ王女に話しかけ
「祭の復活はあんたの決め事だと聞いた。小さいのにすごいね」
「辛いこともあるだろうけど、エオニアで来年もまた果冠祭が出来ることを祈ってるぜ」

浮かぶランタンや子供達の様子、相棒の桜壱さん(la0205)など
目に付いたものはスマホに写真で撮る

アドリブ、他者絡み歓迎

  • 人を助けるヴァルキュリア
    桜壱la0205
    ヴァルキュリア10才|セイント×ゼルクナイト

梅雨さんと一緒に子供達がランタンを飛ばすお手伝い!
怪我をしない様に、なるべく自分が火を点ける形で点灯していく
上げる時にぶつかりにくい様場所とタイミングも調整しつつ
「はっ今です!飛ばしましょう!

一通りお手伝いが終わったら自分達の分のランタンも飛ばす
「Iはミーベルにしました
ふふ、実はミーベルのデザート作りのお手伝いをしたんですよ!
「梅雨さんはフルーツ、何にしますか?
作りづらいだろう梅雨さんの代わりにもう一つランタンを作る

空に浮かんでいく光を眺めつつ
「梅雨さんは、神様は信じますか?
「Iは…そうですね
光を見上げ喜ぶ人に目線を移し
「神様は、きっと人の中にいるのだと思考します

  • サイドテールは正義       
    桐江 梓la0229
    放浪者18才|セイント×ゼルクナイト

「灯籠流しは見たことがあるけど、ランタンを飛ばすのは初めてかも。楽しみだね、夜見くん!

○行動
友人兼恩人の濡烏夜見(la0107)と共にランタンを飛ばすお手伝い
火を点す役割を
大事なランタンを台無しにしないように慎重に
「これは何の果物かな?上手にできてるねーっ

灯籠流しは死者を悼む為のもの
このランタンは感謝を伝えるもの、だろうか
自身が飛ばすランタンの形はリンゴ
「ね、夜見くん。火も水も風も、恩恵を受ける時と牙をむく時があって、みんな表裏一体だもの。落ち込まなくても大丈夫

「それより、一緒にミーベル、食べにいかない?ランタンを見てたら食べたくなっちゃったの。…ダメ?

la1531/シオンさんと
手にしたミーベルのランタンを一緒に飛ばし、子供たちのランタン飛ばしも時折手伝いながら
灯りが空に浮かぶ様子を眺めます
果物が沢山空に浮かぶのは、なんだか不思議ですね…夢の中にいるようです
手をそっと繋ぎながら微笑して
…はい、心に刻みます

この国の空の女神様は、とても愛されているのですね
王女様も、民に寄り添い前を向こうとしています
まだ幼くとも…立派なことです、きっと素敵な国になりますね

ミーベルも頂きましょう
生では初めて食べますが、とても美味しいです
先日、ミーベルでコンポートやシャーベットなどを作ったのですよ
帰ったら、シオンさんや皆さんにもお作りします

  • 更級心刀流剣士
    更級 翼la0667
    人間16才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

【心情】
ナイトメアによって壊滅したエオニア王国の伝統のお祭り、復活させたいですね。

【目的】
子供達がランタンを飛ばすのを手伝う。
未来ある子供達の笑顔が見たいです。

【同行者】
暁 大和(la3248)さん

【行動】
「ミーベルというのはどんな果物なのか教えてくれないかな?」
子供達にミーベルがどのようなものか教わります。
その後、一緒にミーベルのランタンを作ります。

できあがったら飛ばします。
「高く上がるといいね」

パルテニア王女にお会いご挨拶を。
「日本から来た更級 翼と申します。伝統あるイベントが盛り上がると良いですね」

【心情】
「ハァイ、王女様♪」
「あたしは楽しんでますよ、果冠祭。やっぱり、何かをやろうとする人は応援したいですし、そこから得られる一体感というか…」
「でも、何より王女様自身に一番楽しんで欲しいと思うんですよね、あたし」

【目的】
祭りを楽しむ

【準備】
桃のランタン

【同行者】
相互交友結んだ人からアドリブで

【行動】
舞踊2を使い、派手に跳び上がって回転しながらランタンを飛ばす
「せっかく果冠祭を復活させるって意気込みの王女様が見てるんだし、強く印象に残る投げ方をしたいわね…」
「よし、派手にジャンプして投げ込むわ!」

  • 幸せ探索者
    クゥla0875
    放浪者16才|ネメシスフォース×セイント

同行者:バハルヤムト(la1742)
関係:もふ友達…一緒だと楽しい!

(ミーベルの形のランタンにリスと狼の絵をそれぞれ描く。
デフォルメされたリスはネズミだか猫だかわからない程度の画力)
…出来ましたっ
わぁっ、バルトさんの狼とっても強そうですね
これはとても素敵なランタンになったとクゥは思います!
はい、一緒に飛ばしましょう♪
そして火を燈すお手伝いもしましょう!

(ミーベルの実を受け取り)
ありがとうございます
バルトさんは、ひとの事を気にかけたりお手伝いしたり…
とっても優しいとクゥは思います
クゥも見習わなくてはですね!

心情
「国とは民がいてこそだからな」
女王を慕い集まる者がいる
それならば小規模でも立派な国だ
再建は苦難の連続であろう
だが、民を想う心があれば実現するであろう

目的
望とランタンを飛ばす
街の様子を眺めながら未来に想いを馳せる

行動
恋人:来栖望
ミーベルのランタンを飛ばし、望と手を繋ぎ空を眺める
ミーベルを大量に購入して望と食べる
更に小隊へのお土産にする

台詞
「女王と呼ぶには幼過ぎるな……」
時代のせい、とは言いたくないがな
「果物の国、という雰囲気であるな」
「心に刻まれれば、夢は一夜で終わらぬものだ」
「ほお、中々に甘露ではないか。これならば皆も悦ぶであろう」

同行:クゥ(la0875)

ミーベルを模したランタンを、クゥと一緒に作って俺達も船の上から飛ばそう♪
んと、俺達が作ったよ、って女神様にも届くように…こうして…
(ランタンの紙に、自分達の元になる動物、リスと狼の絵を描き添える
…デフォルメされた動物の絵だが、狼なのか兎なのかよく分からない、所謂画伯級の描画力)
描けた♪
クゥはリスの絵だよね、可愛いね♪
せーので一緒に飛ばそう!
子供達の飛ばすランタンに火を燈すお手伝いもしよう

皆の思いを乗せた灯が沢山…幻想的で、とても綺麗だ
王国が今まで以上に栄えて賑やかに、皆が楽しく過ごせますように

はい、ミーベルの実!
乾杯代わりに一緒に食べよ♪

  • 戦場のActress
    三代 梓la2064
    人間34才|スピリットウォーリア×グラップラー

◆心情・台詞
「──このランタン、うまいこと使ったら飛べないかしら?

◆行動
巨大なオレンジやリンゴ、プラムなど「丸くて大きめで色鮮やか」なランタンをいくつか紐で束ねて飛ばす
紐に捕まってそのまま飛べないか試してみる
飛べるようならカメラ構えつつ旅レポ風に船から船へ飛び回ってみる

  • 首があるなら刈ってみせる
    紅迅 斬華la2548
    人間25才|セイント×ネメシスフォース

心情
壊滅してしまった王国…。ナイトメアのせいで多くの方が辛い目にあっているのですね…。
けれど…。

目的
お祭りを盛り上げる

行動
子供達のランタンを飛ばすのを手伝う。
「お姉さんと一緒に飛ばしましょう♪こ、こうかしら?」
子供達と悪戦苦闘しながらも頑張って作って飛ばす。
形はリンゴや桃などオーソドックスな物にする。

王女を激励する。
「本当に素敵なお祭りです♪この光景を見ていると…辛いことがあっても人間は挫けず前を向いて歩けるって…そう思えます。でも王女様はまだ幼いんです。誰かにたくさん頼って下さいね♪お姉さんに出来るのはナイトメアの首を刈ることくらいですが♪」

  • 神仙開眼
    楊 嗣志la2717
    放浪者22才|グラップラー×セイント

◆同行
楊 宵雪(la3270)

◆行動
ランタンを眺めながらのデート
同行者のためにミーベルを剥きながら
桃は元いた世界にもあり、特別なご馳走だったため、珍しい桃というアイテムに郷愁を覚える

はいあーんされて、戸惑いながらも差し出されたミーベルを食べる
誰かに見られていないかと周囲を気にして
「外は恥ずかしいですよ」と言う
「続きはホテルに戻ってからでお願いします」と、果物を切る作業に戻る

  • 悲しき願い
    梅雨la2804
    ヴァルキュリア10才|ネメシスフォース×セイント

桜壱la0205と行動
子供たちがランタンを飛ばすお手伝い
火は桜壱が付けてくれるので、ランタンを上手く持てるようささえたり
子供たちが危なくならないか気をつけて、必要に応じて注意する

自分のランタンも飛ばす
形にこだわりがないのでミーベルのランタンを桜壱に作ってもらう
『器用だな、桜壱。…こういう時は、人型のボディの方が都合が良さそうだ』
『美味しい果物だと聞いた。これで作った菓子もまた甘くて美味しいのだろうな』

空を舞うランタンをお座りして見上げながら
『神というものの意味をまだ把握出来ていないが…俺は存在しないと考える』
『でも、いたら良いことなのだろうな。人のささえにはなる』

  • 慧眼
    暁 大和la3248
    放浪者29才|グラップラー×ゼルクナイト

【心情】
ナイトメアによって壊滅した国の伝統の祭りか。
どのようなものか、拝見させてもらおう。

【目的】
子供たちが作ったランタンを飛ばす。

【同行者】
翼(la0667)

【行動】
翼と一緒にランタンを飛ばす。
その前に、ミーベルなるものを知りたい。

ランタン作りは翼と子供たちに任せ、俺はその様子を見る。

できあがったら、飛ばし方を教わってから飛ばす。
「どんどん持ってきてもいいぞ。たくさん飛ばそう」

翼が王女に会って挨拶をしたいというので同行。
「暁 大和だ。楽しそうな祭りだな。子供たちも楽しそうだ」

  • 此処が女気の魅せ所
    楊 宵雪la3270
    放浪者26才|セイント×ゼルクナイト

◆同行
楊 嗣志(la2717)

◆行動
ランタンを眺めながらデート
「まぁ、あれ、バナナの形ね」
美しくもどこかシュールな光景に瞳をキラキラとさせ

同行者に剝いてもらったミーベルをフォークに刺し
「はい、あーん」といたずらっぽく差し出す
周りを気にする彼に「恥ずかしいの?」と尋ねる
「暗いからわからないわよ」

同行:冬呼殿(la3621
依頼の酒席からの縁
聴講講義の教官で年上の敬いもあり、親しくも友人とは言い難い

■行動
子供達がランタン飛ばす手伝いを主に
「空に近づいて飛ばすか?
抱え上げ、甲板より高く空へ近く
順番に子供達を抱え上げ
「女神もきっと喜んでくれる
皆の楽しげな様子を合間にスマホで撮影しつつ、冬呼の話を感慨深く聞く

「次は冬呼殿だな
空へ近くと天然な親切心と、小さな悪戯心が湧き抱き上げ
見上げた夜空を彩る光に
(女神がいる天とは別世界だろうか。ならばこの空は俺の故郷へも繋がるのか…?)
などとぼんやり物思い
抱えホールドしたまま←
チョップに意識を引戻され詫びる
「すまん(汗

同行
ラシェル(la3428)

行動
素敵なお祭りにわくわく
とても楽しみにしてきた

・兄と天燈(ランタン)作り
「南国っぽい果物と言えば…オレンジかの?
色取り取りの柑橘系天燈を作る
「一緒に飛んだらきっと綺麗なの
「早く夜にならないかの

・ミーベルジュースを配る
天燈作りで根を詰めすぎぬようにとジュース配り声掛け
「お疲れ様なの
「飛ばすのが楽しみだの♪

兄へ補助が落ち着いた時機を見て渡す
「冷たくて美味しいよ
(ラシェルを休ませるのは私の仕事なの

・兄と共に柑橘天燈飛ばす
「女神様、喜んでくれるかの
天燈浮かぶ夜空を楽しむ

笑顔溢れるお祭りであるように

同行
ルシ(la3427

行動
▼天燈作り
「形的にも良さそうだな
妹案のオレンジの他、色や大きさ変えライムやグレープフルーツなど柑橘系天燈作成
※下からは輪切に見える骨組み
「…楽しみだな

▼補助
天燈配付、火を灯す、小さい子とは一緒に等、楽しく安全に飛ばす補助
「傾けない様にな(火灯し
「せーので手を離すぞ(一緒に持ち
夜空の天燈尽きぬよう調整

「ありがとう…美味いな
妹から貰ったジュースの甘さに疲れ癒え微笑

笑顔絶えぬ国であれと願い込め妹と共に柑橘天燈を飛ばす
「あぁ…喜んでるに違いない
天燈舞う夜空を楽しむ

●心情
・異なる文化圏のお祭りに興味を惹かれて。この国の人々が神に託す想いに触れてみたいなと

●行動
・元居た世界では人間とは互いの領分を侵さないよう距離を置いていたので、自分を恐れずぐいぐい距離を詰めてくる子供達にたじたじ。子供は嫌いではないけれど、少々眩しい。どうしてだろうと首をかしげ
 基本、誘われるままに流されていきます。子供って凄い
・用意したランタンは無花果を可愛くデフォルメしたもの
・一緒になってランタンを飛ばそうと一生懸命な子供達にどんな願い、あるいは想いを込めたのか尋ねてみます。いつまた戦火に巻き込まれるかもわからない世界で、彼らが願ったことを胸に刻みたいとふと思いました

  • 比翼の鳥・連理の枝
    神取 冬呼la3621
    人間16才|ネメシスフォース×グラップラー

同行
アウィンさん(la3388

行動
「気を付けて離してね
火を使うものなので子供たちが安全にランタンを飛ばせるよう手を添えたり手伝う
「思いを火に託して流すというのは、様々な文化で見られるんだ。届かぬところへ届けよう、とね
研究の師からのお使い兼資料のため合間で写真撮影しつつアウィンさんにそんな話を
「み゛?!
自身もランタンを飛ばそうとしたとき不意に抱えられ驚く
気を使ってくれて悪気はないと、信じて渋々ランタンを飛ばす
戻らない目線高さに、抱えっぱなしの犯人へ軽くチョップ

●夜を待つ
「ラシェルの天燈(ランタン)は中が見えるのだの」
 ルシエラ・ル・アヴィシニア(la3427)が隣で作業する兄の手元を覗き込む。
 ああ、と返事し、ラシェル・ル・アヴィシニア(la3428)は出来上がった柑橘類の形のランタンを陽に透かした。
「こうして、下から見ると輪切りに見えるだろう?」
「ホントだの! これは緑だから……ライムかの?」
「正解。ルシのはレモンだな」
「正解なの♪ 次は……南国っぽい果物といえば、やっぱりオレンジかの?」
 兄妹が作業をするうち、太陽が傾き、夕風が吹き始めた。
 2人は出来上がったランタンを手に、港への坂を下り、船へと向かう。
「いっぱいできたの、ラシェル。これみんな、一緒に飛んだらきっと綺麗なの。早く夜にならないかの」
「……楽しみだな。港の方はまだ作業をしているみたいだな。ルシ、あっちも少し手伝おう」
 暗くなるのを待ちながら、2人は船を出す準備をしている島の人々に加わった。
 ラシェルは子どもたちがランタンを作るのを手伝い、ルシエラはミーベルジュースを配って回る。
「お疲れ様なの。みんな、作業で根詰めすぎてないかの? 飛ばすのが楽しみだの♪」
 レティシア・シャンテヒルト(la3554)も島の子どもたちに手を引かれ、港へ入っていた。
 彼らはレティシアに自分のランタンを見せたかったようだ。
「青いミーベルとね、黄色いミーベル作ったの! お姉ちゃんの何?」
「これは……無花果(いちじく)です」
「私これー! 誕生日に食べたメロン! ねぇ、いちじくって何?」
「えっと、その……」
 元居た世界では、人間とは互いの領分を侵さないよう距離を置かなければならなかった。
 だが子どもたちは臆さずにレティシアとの距離を詰めてくる。
(子供は嫌いではないけれど、少々眩しい)
 どうしてだろう、子供って凄い。
 レティシアは楽しそうな子どもたちを見ながらそう感じていた。

 暫くすると空が暗くなりはじめ、船は夕焼けを待って港を出た。
 やがて空が暗くなると、凪の海に出た船の上から、1つ、2つとランタンが上がり始めた。
「傾けない様にな。触ったら熱いぞ」
 ラシェルは子どもたちが火傷をしないよう、火をつけるのを手伝う。
 そして、1つ1つ順番に彼らの作品を空に送った。
「いいか? 下持って、そうだ。せーので手を離すぞ……」
 小さな手からランタンが旅立つのを手伝ってやると、子どもたちの笑顔が輝いた。
 絶え間なく空を埋め尽くしていくランタンの群れ――ルシエラは兄がその光景に満足そうなのを見て、後ろからそっとジュースを差し出した。
「綺麗だの! ほら、ラシェルの分なの。冷たくて美味しいよ」
「ありがとう……美味いな」
 ラシェルがそうほほえみ返すと、ルシエラが「ラシェルを休ませるのは私の仕事なの」と頷く。
 そして2人は自分達の作ったフルーツ達も空へ送った。
「女神様、喜んでくれるかの」
「あぁ……喜んでるに違いない」
 レモン、オレンジ、ライム。
 ゆっくりと上っていくランタンを見送り、兄妹はその美しい光景を楽しんだ。

「すごい数だな……幾つ飛ばしたんだ、これは」
 空がランタンですっかり埋まってしまった、とケヴィン(la0192)が呟くように言うのが聞こえた。
 無数のランタンの光はゆらゆらと群れを成し、夜空を埋めていく。
「飛ばす隙間がなくなってきたわね。よし、派手にジャンプして投げ込むわ! ケヴィンさん、見てて!」
 ユリア・スメラギ(la0717)はそう言うと、桃のランタンを手にし、船室の屋根の上に飛び乗った。
 そして王女パルテニアのいる船へと飛び移りながら、舞うような動きでランタンを空へ送り出した。
「ハァイ、王女様♪ 驚かせてしまったかしら?」
 こちらを見上げるパルテニアに、ユリアはそう微笑みかけた。
「せっかく王女様が果冠祭を復活させる、って意気込みでいるんだし、強く印象に残る投げ方をしたいなって。ほら、もうあんなに高く上がったわよ」
「ダンスがお得意なのですね。もう一度、見せてくださいますか?」
 パルテニアはそう笑い返し、ミーベルのランタンをユリアに手渡す。
 ユリアはそれを受け取ると、くるん、と派手に回転しながらランタンを空へと投げ上げた。
「この通り、あたしもちゃんと楽しんでますよ、果冠祭」
 王女の傍らに飛び降り、ユリアはそう言った。
「やっぱり、何かをやろうとする人は応援したいですし、そこから得られる一体感というか……でも、何より王女様自身に一番楽しんで欲しいと思うんですよね、あたし」
「そうですね。私もユリアちゃんと同じです」
 隣の船からユリアを追ってきた紅迅 斬華(la2548)がそう言った。
「本当に素敵なお祭りです♪ この光景を見ていると……辛いことがあっても人間は挫けず前を向いて歩けるって……そう思えます」
 壊滅してしまった王国――エオニア。
 この国では、ナイトメアのせいで多くの人々が辛い目に遭っている。
 国を背負って立つ王女の責任はきっと重いのだ。
 それでも――。
「王女様はまだ幼いんです。誰かにたくさん頼って下さいね♪ お姉さんに出来るのはナイトメアの首を刈ることくらいですが♪」
「ありがとうございます、勇ましいお方。我にはナイトメアと戦う力はありません。ライセンサーの皆様には、これからもたくさん助けていただかなければならないでしょう。皆を守るために……」
 パルテニアはそう言って、周囲の子どもたちを振り返った。
 斬華はそのそばに屈み込むと、子どもたちのランタンを飛ばすのを手伝った。
「お姉さんと一緒に飛ばしましょう♪ こ、こうかしら? あれ?」 
「それ逆さよ? 斬華姉さん大丈夫?」
「え、あ、あの、ユリアちゃんも手伝ってくれますか?」
 ちょっと悪戦苦闘しながら、斬華は頑張ってランタンを空へと送り出す。
 ランタンを飛ばしてもらった子どもたちが歓声を上げるのを見ながら、黄昏 空(la0099)が「良かったね!」と声をはずませた。
「皆、せっかく頑張って作ったんだし、ランタン上手に飛ばしたいよね! まだ飛ばしてない子、オレにも貸して!」
 一緒に飛ばそう、と声をかけ、空は子どもたちのランタンに火をつけて回る。
 子どもっぽい部分と大人っぽい部分が同居したようなオレだからこそ、子ども達と同じ視点で楽しむ事も出来るはず――空はそう思っていた。
「パルテニア、さん……でいいのかな? まだランタンに火を点けられてない子いる?」
「いいえ、もう大丈夫。皆、もう準備万端です!」
「良かった! 上手く飛ばせなくて悲しい顔をしている子がいちゃだめだからね! じゃ、いくよ……せーのっ!!」
 子どもたちや王女も一斉に手を離し、たくさんのランタンが一気に空へと浮かび上がる。
 その光景に目を輝かせ、空も一緒になって無邪気に歓声を上げた。
「皆、やったね! うわぁ、凄く綺麗だなぁ……!」
 普段はちょっと背伸びして、大人っぽく立ち振る舞う自分だけど、今だけはそんな事も忘れていいだろう。
 空はそう思いながら、子どもたちに「じゃあもう1個いこうか!」と声をかける。
「あらすごいわ……お空が色んなフルーツでいっぱい。私もタイの『コム・ローイ』みたいな灯篭飛ばしはいくつか参加したことあるけど、これはなかなか楽しい光景じゃない?」
 アンヌ・鐚・ルビス(la0030)はそう、パルテニアに声をかけた。
 船上から送り出されたランタンが空を埋め尽くし、その光が海にも映っている。
 周囲には幻想的な光景が広がっていた。
「ふふっ、だけどエオニアのちびっこたち? 申し訳ないけど勝つのは私よ! 見なさい、この私のパーフェクツな『スーパーレモン号』を!」
 アンヌが誇らしげに掲げ持ったのは、かなりリアルな形に作られたレモンのランタンだった。
 どうやら今回、アンヌは「最強のランタン」に挑戦したようだ。
「この飛行船っぽいフォルムはいかにも飛びそうでしょ? これぞナンバーワンの機体! 端っこのちょっと尖がってるところの形状にもこだわって作ったのよ!」
「本当ですね。確かに、レモンの先はこんな形です」
 パルテニアがそう言うと、アンヌは「ふふん」と得意げな顔をした。
「そうよ。極限までレモンっぽさを出すために工夫したんだから! 夜空を貫く流星となること間違いなし!  それっ、飛んでけー!!」
 勢いよく空へと放たれたアンヌの機体(?)は、主に島のちびっこ男子に大ウケだったようだ。

 それぞれの思いを託し、島民もライセンサー達もランタンを飛ばす。
 夜空を埋めるのは、彼らの願いであり、意志だ。
「ランタンに、どんなお願い事を込めたのですか?」
 レティシアが子どもたちに声をかけると、こんな返事が返ってきた。
「んっとね、ずっとみんなで一緒にいられますように、って」
 いつまた戦火に巻き込まれるかもわからない世界。
 彼らが願ったことを胸に刻みたい――レティシアはそう思いながらランタンを見送った。 

●灯火たゆたう夕風に
(飾り切りは硬いミ―ベルのほうが良さそうだな……あんまり熟れてると形が崩れる)
 ラルフ(la0044)は山積みされたミーベルの籠に背を保たれ、飾り切りの練習に勤しんでいた。
 傍らには本物そっくりに作られたマンゴスチンのランタンが置かれている。
(果汁が多いな。少し皮を残せばいいのか。その方が見た目もいいし)
 フルーツカービングには向かないかもしれない、などと思いながらラルフは様々な切り方を試す。
 同じ船には大勢で食事やランタン飛ばしをするライセンサー達の姿があるが、ラルフはあちらに混ざらず1人でいるつもりのようだ。
(好き勝手なもの作ってタダ同然に果物食べ放題なのはお得かもな……伝統的お祭りとか復活支援より、正直)
 ラルフがそう思っていると、向こうの方からフラフラと見覚えの形のあるランタンが上がった。
 ドリアンである。
(良く出来てるけど……誰だよ。よく作ったな……)
 造形は嫌いではないが、キツイ匂いと食べた味思い出しそうな気がして、やめておいた。
 ランタンに灯りを入れると、炎のゆらめきにマンゴスチンの果皮の紫色が鮮やかに浮かび上がる。
 ラルフはそれをそっと持ち上げ、静かに空へと手放した。
 不意に船ががくんと揺れ、隣の船から飛び移ってきたのは三代 梓(la2064)だった。
 ひらひらした華やかな服装に身を包み、島に咲くブーゲンビリアの首飾り、果物を飾った花冠を身につけている。
 どうやら、梓はエオニアの女神に扮しているようだ。
 その耳元には、桃花の耳飾りも華やかに揺れていた。
「みんな、楽しんでる?!」
 船にいる人々にそう笑いかける梓の手には、紐に付けた巨大なオレンジやリンゴ、プラムなどの色鮮やかなランタンがあった。
 ランタンが軽すぎたため、空中浮遊は難しかったようだが、それでもその楽しい演出に子どもたちからは歓声が上がった。
「お祭り、頑張ってるみたいね、みんな! いい子達には女神様から『花の祝福』よ!」
 梓が子どもたちの上にブーゲンビリアの花吹雪を降らすと、楽しそうな笑顔が溢れた。
 彼らに別の船で預かってきたお菓子を手渡すと、梓は預かってきたカメラを構えた。
「いい笑顔ね、素敵よ! ほら、こっち向いて!」
 子どもたちを呼び寄せ、その笑顔を数枚写真に収める。
 そして梓は「またね!」と微笑み、次の船へと移っていった。
 祝福を与えるべき人々はまだまだたくさんいるのだ。
「美しい光景ね、女神様まで登場するなんてとても素敵じゃない?」
 楊 宵雪(la3270)は船上に振りまかれたブーゲンビリアの花を手に乗せ、瞳を輝かせた。
 そしてほら、と空を指差す。
「面白いランタンが飛んでるわよ、嗣志。まぁ、あれ、バナナの形ね」
 ちょっとシュールね、と宵雪がクスクス笑うと、ミ―ベルを切っていた楊 嗣志(la2717)が視線を上げ、「はい」と微笑み返した。
 そして、フォークを添えた皿を宵雪に差し出した。
「いい香りがしますね、このミーベルという果物は。あの世界の桃に似ているようで、少し違うようで……」
 元いた世界では、桃は特別なご馳走だったのだと、嗣志は懐かしく思い出す。
 宵雪はフォークを手に取ると、ミーベルを一つ、嗣志の口元に差し出した。
「はい、あーんして?」
「えっ、あの、ちょっと」
 いたずらっぽい恋人の行動に、嗣志は慌てて周囲を見回す。
 船の上には2人きりではないのだ。
「恥ずかしいの?」
 いいじゃないの、と宵雪は微笑む。
「暗いからわからないわよ」
 宵雪のその表情が周囲を飛ぶランタンの灯りに妖艶に浮かび上がり、嗣志の胸はどきんと音を立てた。
 周りはみんな空に浮かぶランタンを眺めたり、自分達のランタンを飛ばすのに夢中だ。
 2人がこっそり甘い雰囲気になったとしても、見ている者は誰もいない。
 そんな雰囲気だ。
「外は……恥ずかしいですよ……」
 戸惑いながら、嗣志は差し出されたミ―ベルを口に含む。
 それを見た宵雪はまたいたずらっぽく微笑み、自分もミ―ベルを口にした。
 甘く、芳醇な香りが舌に溶ける。
 それはまるで、2人の恋心に沿うように――。
「恥ずかしがり屋さんね」
「……っ、続きは、ホテルに戻ってからで……お願いします」
 嗣志は真っ赤な顔で俯き、2つ目のミ―ベルを手にとった。
 その横から、「ちょっとごめんよ」と化野 鳥太郎(la0108)が手を伸ばし、籠に盛られた大きなミ―ベルを1つ取った。
「パティ王女、これ持って真ん中に立ってご覧。それで、周りに皆ランタン持って並んで。春壱さんと梅雨さんも入ろうか? お、いいね」
 ミーベルのランタンを持った子どもたちを並ばせ、鳥太郎はスマホで1枚画像に収めた。
 王女は「ありがとうございます」と笑顔を浮かべた。
「せっかくみんなで集まったので、1枚撮っておきたかったのです。我が皆とこうしていられることは、あまりありませんから」
「この祭の復活は、あんたが決めた事だと聞いた。小さいのにすごいね」
 鳥太郎は小さな王女と視線を合わせ、そう笑いかけた。
「辛いこともあるだろうけど、エオニアで来年もまた果冠祭が出来ることを祈ってるぜ」
「はい。皆も望んでいますから、必ず」
 パルテニアはそう、笑顔でうなずき返す。
 その向こうでは、桜壱(la0205)が子どもたちに声をかけてランタンを飛ばす準備をしていた。
「写真も撮りましたから、皆で飛ばしましょうか。小さい子は危ないですから、Iが火を点けてあげます」
 桜壱は子どもたちのそばに屈み込むと、紙のランタンの中に仕込まれたロウソクに火を灯す。
 鳥太郎の周りには、彼の手元を覗き込む子どもたちが集まっていた。
「おじちゃん、それなに?」
「ひひひっ。これはね、スターフルーツだよ! 君の果物はなんだい?」
「これね、パイナップルなの!」
「おっ、カッコいいランタンだね。ほらほらそっち並んで」
 貸してご覧、と声をかけ鳥太郎が火を点けるのを手伝っていると、不意に船が大きく揺れた。
 ちょっと海が波立ち始めたようだ。
 梅雨(la2804)は子どもたちの後ろに回り、足元のおぼつかない幼い子が転ばないように体で支えた。
『風が出てきたな。あまり船の縁に近づくな。海に落ちると危ないから、俺の体に捕まっていろ』
 大きな狼の姿だが、梅雨はどうやら子どもたちに「おっきいわんわん」と認識されたようだ。
 子どもたちをあやしながら梅雨が待っていると、桜壱が最後のランタンに火を点け終えた。
「風で、周りのランタンが遠くに行きましたね。はっ、今です! 飛ばしましょう!」
 桜壱が声をかけ、周囲の子どもたちが一斉にランタンを手放す。
 たくさんのランタンがゆらゆらと上がっていくのを見届け、桜壱は今度は自分の作ったランタンに火を点けた。
「これ、梅雨さんの分です。ミーベルで良かったですか?」
『ああ。俺はあまり何というこだわりはないのでな。桜壱は何にしたんだ?』
「Iもミーベルにしました。梅雨さんと同じです」
『器用だな、桜壱。……こういう時は、人型のボディの方が都合が良さそうだ』
「ふふ、実はミーベルのデザート作りもお手伝いをしたんですよ!」
『美味しい果物だと聞いた。これで作った菓子もまた甘くて美味しいのだろうな』
 梅雨はそう言って傍らの籠に入ったミ―ベルを嗅ぐような仕草をした。
 ランタンを空に放つと、ゆらゆらと揺れながらゆっくり空に上がっていった。
 桜壱はそれを見ながら、「ねぇ」と梅雨に話しかけた。
「この島の人たちは皆、女神様の存在を信じているようです。梅雨さんは、神様は信じますか?」
『神か……神というものの意味をまだ把握出来ていないが……俺は存在しないと考える』
 空を飛ぶランタンを見上げながら、梅雨は桜壱の傍らにぺたんと「おすわり」の格好で座った。
『でも、いたら良いことなのだろうな。人のささえにはなる。桜壱は信じているのか?』
「Iは……そうですね」
 光を見上げ喜ぶ人に目線を移し、桜壱は微笑んだ。
「神様は、きっと人の中にいるのだと思考します」

●南の国の未来を思う
「灯籠流しは見たことがあるけど、こんな風に空にランタンを飛ばすのは初めてかも。すごいね、夜見くん!」
 桐江 梓(la0229)がそう声をかけると、濡烏夜見(la0107)が「そうですね」と頷いた。
「ランタンがこんなにたくさん……思ったよりもずっと明るいです」
「ねぇ、ちっちゃい子たちがランタンに火を点けるの手伝って欲しいみたい。私たちも行こう!」
 隣の船にいる子どもたちに声をかけ、梓は周りに子どもたちを集めた。
 大事なランタンを台無しにしないように慎重に。
 夜見が子どもたちのランタンを支え、その間に梓がロウソクに火を灯す。
「順番にいきましょうねー。焦らなくても女神様はちゃんとみんなのランタンを見てくれますからねー」
「これは何の果物かな? ミ―ベル? 上手にできてるねーっ。じゃあ、いいかな? 夜見くんと一緒に手を離そうか! せーのっ!」
 ランタンが空へ上がると、子どもたちが嬉しそうな笑い声を立てた。
 それを見ながら何故か、夜見が少し悲しげな顔を浮かべていた。
「やっぱり綺麗ですね。昼間のように、とはいきませんけど……キラキラしていて」
「どうしたの、夜見くん?」
「おねーさん……俺がライセンサーになったきっかけは、火なんですよね」
 火を点すことには未だ恐怖がある。
 ランタンを灯す小さな火ですらも。
 そんな感情が自分の中に残っている、と夜見は口にした。
「まだ怖いです。綺麗だって……感情で終われれば良かったのにって。そう思って」
「ね、夜見くん。火も水も風も、恩恵を受ける時と牙をむく時があって、みんな表裏一体だもの。落ち込まなくても大丈夫」
 梓はそう声をかけた。
「恩恵を受ける時と牙をむく時……」
 夜見は暫し黙って海を見つめた。
 穏やかな海面にランタンを映す海――これが船をひっくり返すような大波の日だってあるのだ。
(灯籠流しは死者を悼む為のもの、このランタンは……感謝を伝えるもの、かな)
 空の女神に、あるいはもう会えない誰かに。
 梓はそんな事を思いながらリンゴの形のランタンを空へ送る。
「夜見くん、一緒にミーベル、食べにいかない? ランタンを見てたら食べたくなっちゃったの。……ダメ?」
「……お供しますよー」
 皆のところに行って貰ってこようか。
 そう声をかけ合い、2人は島の人々の集まる船へと移る。
 船ではクゥ(la0875)がランタンに絵を描き、飛ばす前に最後の仕上げをしていた。
「……出来ましたっ! バルトさんも描けましたか?」
「描けた♪ クゥはリスの絵だよね、可愛いね♪」
 バハルヤムト(la1742)が描き上がった絵をクゥの方に向けた。
 ミーベルの形のランタンにリスと狼の絵を、それぞれ1つずつ。
 出来栄えは――デフォルメされたネズミなのか猫なのかよくわからないリスと、狼なのか兎なのかよく分からない、所謂「画伯」な何か。
 だが、それでも2人はその仕上がりに満足げであった。
「わぁっ、バルトさんの狼とっても強そうですね! これはとても素敵なランタンになったとクゥは思います!」
「ありがとうクゥ! じゃあ、せーので一緒に飛ばそう!」
「はい、一緒に飛ばしましょう♪」
 2人はロウソクに日を灯し、力作を空へと送り出した。
 そして島の子どもたちのところへ行くと、彼らのランタンに火を灯すのを手伝った。
(皆の思いを乗せた灯が沢山……幻想的で、とても綺麗だ。王国が今まで以上に栄えて賑やかに、皆が楽しく過ごせますように)
 バハルヤムトは空に上がってゆくランタンにそんな願いを託す。
 そして籠から1つミ―ベルを手に取り、クゥに差し出した。
「はい、ミーベルの実! 乾杯代わりに一緒に食べよ♪」
「ありがとうございます。乾杯です!」
 クゥはぱっと笑顔を輝かせ、ミーベルの実をバハルヤムトと合わせる仕草をした。
「バルトさんは、ひとの事を気にかけたりお手伝いしたり……とっても優しいとクゥは思います。『もふ友達』として、クゥも見習わなくてはですね!」
 そう言って幸せそうにしているクゥとバハルヤムトの船の向こうを、パルテニアを乗せた船が進んでいく。
 王女の船には挨拶をしようと更級 翼(la0667)と暁 大和(la3248)が乗り込んでいた。
「日本から来た更級 翼と申します。伝統あるこのイベントが、最後まで盛り上がると良いですね」
 翼がそう、少しぎこちなく声をかけると、パルテニアは「はい」と笑顔を浮かべた。
「翼殿も、どうかほかのライセンサー皆様と一緒に楽しんでいって欲しいのです。それが我の何よりもの願いです」
「ああ、楽しませてもらうぜ。俺は暁 大和だ。子供たちも楽しそうで何よりだ」
 パルテニアにそう声をかけ、大和は周囲にいる子どもたちのそばに屈み込む。
 そして、怖がらせないようにぎこちなく笑顔を浮かべた。
「どうした? まだそれ、船の上でも作ってるのか?」
「あのね、これ。まだロウソクの台がついてないのがあるの」
 1人の子どもがそう言って、まだ飛ばす準備ができていないランタンを大和に見せた。
 すると、翼がその横にしゃがみ込み、「貸して」と声をかけた。
「これはミ―ベルの形のランタンなのかな?」
「そう! こっちが上でね、下からロウソクで飛ばすんだよ」
「僕はミ―ベルって見たことがないんだ。ミーベルというのはどんな果物なのか教えてくれないかな?」
 翼がそう言うと、子ども達は「これ!」と言って船に積んであった籠からミ―ベルの実をとって翼に差し出した。
 そして、ミ―ベルがどうやって木になっているかを口々に説明した。
「こうやってね、木になってるの! こっちが上!」
「葉っぱ付いてるのあるよ! こうやってなるの!」
「そうか……みんな詳しいんだね」
 子どもたちの勢いに少し気圧されながら、翼はぎこちない様子で彼らの話を聞く。
 翼はずっと無表情のままだが、子どもたちは怖がる様子はなかった。
「そんなに難しくなさそうだな。ロウソクを挿して……火をつければいいのか?」
 大和はやり方を教わりながら、ロウソクに火を点けるのを手伝う。
 子どもたちはランタンを手にし、大和のそばに並んだ。
「よし……次だ。どんどん持ってきてもいいぞ。たくさん飛ばそう」
「大和さん、次はこれもお願いします。大きいので、支えてあげてください」
「お、大物が来たな。じゃあ、皆で持とうか」
 大きなランタンは皆で。
 大和が火を点け、合図する。
「いいぞ、翼。手を離せ」
「高く跳ぶといいね。じゃあ、いくよ」
 2人が子どもたちと一緒に手を離すと、大きなランタンが空へ上がり、子どもたちの歓声が響いた。
 その向こうでは、子どもを抱えあげるアウィン・ノルデン(la3388)の姿があった。
「怖くはないか? ならもっと、空に近づいて飛ばすか?」
 甲板より高く、空へ近く。
 ランタンを手にした子どもが手を伸ばし、ランタンは空へ。
 アウィンは「よし、上手だ」と頷いた。
「女神もきっと喜んでくれる。よし、次は誰だ?」
 順番に子供達を抱え上げるアウィンのそばでは、神取 冬呼(la3621)が子どもたちがランタンに火を灯すのを手伝っている。
「気を付けて離してね。火を消さないように……そう、上手!」
 子どもたちの手から放たれたランタンが、ゆっくりと空へ上がる。
 冬呼はカメラを構え、それを写真に収めた。
「思いを火に託して流すというのは、様々な文化で見られるんだ。届かぬところへ届けよう、とね」
 写真を撮りながら、冬呼はアウィンにそんな話をした。
「あ、この写真は資料用でね。研究の師からのお使いなんだ」
「そうか。冬呼殿の話はためになるな。この光景は確かにいい写真になりそうだ。せっかくだから私も撮っておこう」
 アウィンもスマホを取り出し、構える。
 レンズの向こうでは、冬呼がランタンに火を点ける。
 ふと思いつき、アウィンは彼女の背後に回った。
「次は冬呼殿だな」
「み゛?!」
 ひょい、とアウィンに抱えられた冬呼は固まった。
 だが、アウィンは天然ボケ故か彼女が戸惑っているのには気づかない様子で……。
(女神がいる天とは別世界だろうか。ならばこの空は俺の故郷へも繋がるのか……?)
 そこまで、ランタンに込めた思いは届くのだろうか。
 空を彩るたくさんのランタンの明かりを見上げ、ぼんやりとそんな事を考えていた。
 すると――。
「アウィンさん……あのな」
 抱えられたままの冬呼がランタンから手を離す。
 そして、ため息をつく。
「あんたが悪気がないのは分かってる。気を使ってくれたんだよな? 分かってるよ。だが、だがな……」
「へ?」
「長い!」
 不意に振ってきた冬呼のチョップに、ようやく意識を引戻されたようだ。
 しゅんとした顔で「すまん」と口にし、そ~っと彼女を下に下ろしたのだった。
「皆さん、楽しそうですね」
 来栖・望(la0468)は子どもたちがランタンを飛ばすのを手伝いながら、周囲を見回し、微笑む。
 そろそろ祭りも大詰め。
 大いに盛り上がってきている。
「果物が沢山空に浮かぶのは、なんだか不思議ですね……夢の中にいるようです」
 望はシオン・エルロード(la1531)の隣に立ち、そっと手を繋ぐ。
 シオンは「そうだな」と微笑み、その手を握り返した。
「果物の国、という雰囲気であるな。確かに、夢のように美しくはあるが」
 船の端に立ち、シオンは海を見る。
 空に、水面に、たくさんの光が溢れている。
「心に刻まれれば、夢は一夜で終わらぬものだ」
「……はい、心に刻みます」
 望はそう言って頷く。
 気がつくと、2人のすぐ向こうでパルテニアが海を見ていた。
「女王と呼ぶには幼過ぎるな……」
 時代のせいにはしたくないが、彼女がこの国の執政者にならねばならないのか――シオンは思わずそう呟いた。
 望はパルテニアのそばに寄り、そっと声をかけた。
「この国の空の女神様は、とても愛されているのですね」
 パルテニアはこちらを振り返り、「はい」と頷いた。
「今は辛くとも、皆がこれから前を向いて歩いていくのを、見守ってくださるのです」
「王女様も、民に寄り添い前を向こうとしています。まだ幼くとも……立派なことです、きっと素敵な国になりますね」
 望がそう言うと、パルテニアは「ありがとうございます」と笑顔を浮かべた。
 その姿に、シオンも「うむ」と頷く。
「国とは民がいてこそだからな」
 パルテニア王女――エオニア国女王を慕い集まる者がいる。
 それならば、たとえ小規模でも、崩壊の憂き目に遭っていても立派な国だ。
 再建は苦難の連続であったとしても、民を想う心があれば実現する――シオンはそう感じていた。
「シオンさん、せっかくですからミーベルも頂きましょう。あちらの方が剥いてくださったんですよ」
 望はそう言って、皿に盛られたミ―ベルを差し出した。
「生では初めて食べますが、とても美味しいですね」
「ほお、中々に甘露ではないか。これならば皆も悦ぶであろう」
「先日、ミーベルでコンポートやシャーベットなどを作ったのですよ。帰ったら、シオンさんや皆さんにもお作りします」
 お土産のミ―ベルと、たくさんの思い出をお土産に、ライセンサー達は祭りを終えた。
 エオニアの将来が明るいものであるように。
 その願いはきっと、空にいる女神に届いたに違いない。

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