オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【3C】村の平和を踏みにじる化物

連動 【3C】村の平和を踏みにじる化物 久遠由純

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
3C バトル 救出 
参加人数
74~7人
予約人数
10010100
基本報酬
200000G
200SP
2000EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
3
締切
2020/03/24 12:00
完成予定
2020/04/03 12:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●エオニアの小さな村
 地中海に浮かぶ小さな島国エオニア。
 西部の海辺に程近い村は、少ない住民が慎ましく暮らしている所だった。
 5年前にナイトメアの襲撃を受けてから満足な人手も物資もなく、SALFの支援を受けながら地道に復興へと向かっていた。

 襲撃の際両親と兄弟を亡くしてしまったヨナタン少年は、近所の人達に面倒を見てもらいながら基本一人で生活している。
 今日は週に三回ある『学校の日』だった。
 学校と言っても校舎などはなく、村の広場に5、6歳~12、3歳の子供達が集まり、町からボランティアの先生がやって来て勉強を教えるというものだ。
 子供達の数は15人程度。
 その日の家庭の状況で集まる人数は変わったが、ヨナタンはこの『学校』が好きだった。
 国語や算数、理科の基本的なことを皆で学ぶ。分からなかったことを知るのは単純に嬉しかったし、同年代の子達と一緒にお昼ご飯を食べたりたわいないおしゃべりをしたり遊んだりということが楽しかったのだ。

 今日はいい天気で、外での授業も晴れ晴れと進む。
「はい、じゃあ年長組はこの計算ができた子からお昼ご飯にしていいわよ」
 いつも来てくれる女の先生が言った。
 先生は多分30代前半くらいの歳で、特に美人という訳ではないけれど教え方が上手くて面倒見のいい優しい先生だ。
 ヨナタンは12歳だから年長組で、今先生に出された計算問題を一生懸命解いている。
 外国から寄付されたノートと鉛筆で、ヨナタンは式の答を書いた。
「できた! 先生、これで合ってる!?」
「うん正解! ヨナタンが一番乗りね。お昼ご飯は持って来た?」
「大丈夫、近所のヴラトスのおばさんが作ってくれたんだ」
「そう。あ、そうだ」
 先生は自分が持って来た荷物の保冷バッグから大きめのタッパーを取り出し、ヨナタンに渡す。
「うちでミーベル切って来たの。皆で食べてね」
「ありがとう先生!」
「先生、おれの答も見てよ!」
「あたしもできました!」
 他の子供達も先生の周りに集まって来て、すぐに皆お昼ご飯の時間になった。

 ヨナタン達10歳~13歳の年長組は年下の子より数が少ないせいか、勉強の時やご飯の時は何となく集まって、仲良くしゃべったりするのが常だった。
 年少組の子供達は先生と一緒にご飯を食べている。先生は皆にペットボトルの飲み物を配ったりあれこれ世話を焼いて、食事中も面倒見がいい。
 この学校に来る子供達は少なからず5年前のナイトメアの襲撃で悲しい思いをした子供ばかり。だけど『学校』では笑顔になって、子供らしさを取り戻していた。

●壊される平和な時間
「あ、それおれが食べようと思ったのに!」
「早い者勝ちだぜ~、ぱくっ。やっぱミーベルはおいしいな!」
 とかいつものやり取りをしながらヨナタン達が先生にもらったデザートのミーベルを食べていると、何やら向こうが騒がしいことに気付いた。
「何だろう?」
 皆の顔にさっと不安がよぎり、おしゃべりを止める。
 この村は何回かナイトメアに襲われており、騒ぎとなるとどうしても悪い予感がしてしまうのだ。
 すると広場に血相を変えた年少組の子の母親が飛び込んで来た。
「ナイトメアよ! 大きなミミズみたいなナイトメアが人を吸い込んでるの! 皆早く逃げて!」
 その母親の指さす方の騒ぎが大きくなった。こちらに近付いているのだ。
「ママ!!」
 母親は己の息子を抱きかかえてどこかへ逃げて行く。
「皆、そこの建物に入って! 早く!」
 先生もすぐに子供達に指示を出し、小さな子の手を取って走った。
 広場に接するように大きめの建物があるのだ。一応村の集会所ということになっているが、葬式から結婚式まで、色々な用途に使われている。
 ヨナタン達が逃げ込むと、小さな子達は泣き出してしまった。
「大丈夫、皆落ち着いて。先生がついてるから」
 先生は一生懸命子供達を抱きしめ、頭をなで、なだめていた。
「みんな泣くな。絶対ライセンサーが助けに来てくれる。おれは何度も助けてもらったからわかるんだ」
 ヨナタンも確信に満ちた声でそう言って、子供達を元気付ける。
 今日は鳥めいた姿の放浪者、エルルークもいない。でも必ずライセンサーがナイトメアをやっつけて自分達を助けてくれる、とヨナタンは信じていた。
 子供達をなだめつつ数を数えた先生の顔が、にわかに焦りの表情になった。
「一人足りないわ! エリンがいない!」
 エリンは年少組で7歳の少女だ。
 慌ててヨナタンが窓から外を見ると、エリンは昼食を摂っていた所に戻っていた。何かを拾っているようだ。
「早く避難させないと!」

「待ってヨナタン!」
 先生の止める声も聞かず、ヨナタンは集会所を飛び出しエリンの元へと駆け付ける。
「何やってるんだよエリン! ナイトメアが来てるんだぞ!」
「でも、ゆびわおとしちゃったの。ママがくれたの、だいじなの」
 エリンの小さな手の中にはおもちゃの宝石の付いた指輪が握られていた。
 少女の母は既に亡くなっており、形見なのだろう。
「分かった、逃げるぞ」
 とエリンの手を引いたその時、道を曲がってナイトメアが広場に姿を現した。
「!!」
「キャアア――ッ!!」
 エリンがその不気味さに叫ぶ。
 直径が2メートル、長さは20メートル近くはあろうかというミミズのような化け物。先端が口になっていて目も鼻もない。その周囲には何か石板のような物がいくつか浮いていた。
 ミミズナイトメアが直径一杯に口を開けると真っ暗なトンネルのようで、その口が思い切り息を吸い込んだ!
「うわっ、吸い込まれる!」
 ものすごい風が巻き起こって、エリンを庇うように胸に抱きしめたヨナタンは、二人もろともナイトメアの口の中に吸い込まれてしまったのだった。
「ヨナタン!! エリン!!」
 窓からその様子を見ていた先生は、はっとして窓から見えない位置に身を隠す。せっかく避難したのに見つかってしまっては意味がない。
「ヨナタンが食われた」
「エリンも一緒に……!!」
 子供達の間に恐怖が広がってゆく。
 先生も叫び出したい気持ちだったが、ぐっと飲み込んで、
「皆静かにして。見つかったら私達も食べられてしまうのよ。いいわね?」
 子供達に言い含めた。
 そこでハッとズボンのポケットにあるスマホに気付く。
 先生は急いでSALFに通報した。

「助けてください。広場の集会所に子供達と隠れているのですが、ナイトメアがいるんです! ヨナタンとエリンという子供二人がナイトメアに吸い込まれてしまいました。でももしかしたらまだ生きているかもしれません。お願いです、子供達を助けて!」
 通話を終えると、子供達が彼女に縋りついてきた。
「先生怖いよぉ」
「ママ、パパぁ~……!!」
 声を殺して泣く子供達。
「おれたちも食われちゃうのかな」
「そんなことないわ。ヨナタンも言ってたでしょ、ライセンサーがきっと助けに来てくれる。大丈夫、大丈夫よ」
 その言葉は、彼女自身に言い聞かせているようでもあった……。

※ナイトメアを全て倒し、吸引された人々を助け出してください。

〈ナイトメア×1 攻撃型 危険度2〉
・直径2m、体長20m弱のミミズに似た外見をしています。先端が口になっており、体内に吸い込んだ人を溜められるようになっています。
・目や耳、鼻などの器官は見えませんが、音や匂い、熱などで獲物を感知しています。
・主な攻撃
 吸引:人をものすごい勢いで吸い込みます。射程6
 吐出:圧縮した空気弾を吐き出しダメージを与えます。射程6
・吸い込まれた人は体内で気絶してしまいます。死んでません。
・体内には約20人吸い込むことができ、満員になったら逃げます。現在は半分吸い込み済みです。
・現在は獲物を求めて家の集まっている村の中心部へと向かっています。

〈ナイトメア×6 防御型 危険度1〉
・一片が30cm程の四角い石板状の物。ミミズ型ナイトメアを守っています。
・6体でミミズ型ナイトメアの周囲を囲むように浮かびダメージを軽減するシールドを張っています。このシールドがある状態だとミミズナイトメアにはダメージが本来の6分の1しか通りません。(石板ナイトメアには通常のダメージが通ります)1体倒すごとに通るダメージ量が増え、全部倒すと通常のダメージを与えることができます。

〈その他状況など〉
・時刻は午後一時頃。晴れ。
・広場は村の中心から東寄りにあり、ナイトメアは東から中心へ進んでいます。
・皆さんは村の南から入ることになります。
・道幅は10m程、広場は50m×50m程です。

〈ヨナタン〉
・12歳の少年。茶色いくせっ毛がボリューミー。
・以前はナイトメアの出現を放浪者のせいにし憎んでいたが、今は頼れるライセンサーとして信頼している。

※ヨナタンについては、『とある放浪者の試練・前編 後編』を参照していただけるとありがたいです。
※ヨナタンのことはPCが知っていても知らなくても構いません。

こんにちは、久遠由純です。

今回は連動に参加させていただきました。
何だか何度も襲われる村になってしまいましたけども……;吸い込まれてしまったヨナタンや他の村人達には、ライセンサーの力だけが頼りです。
少し厄介かもしれない敵ですが、皆様のプレイングを期待しています。

よろしくお願いします。

○ミミズ退治

ミミズは…体の構造が単純な分、弱点が少ないので厄介なのですよね
しかも、今回は人質とられてますし、石板という名の外付けの盾がありますからね

まあ、ここは何とかしましょう

(行動)
戦闘開始と同時に全力移動で吸い込みの範囲外を移動して背後側の石板を破壊に向かいます
そして、縮地突撃で後方側の石板を砕き、終わったら横合いから前方側の石板にも手を出していきます

石板が片付いたら
今度は唯一の弱点と予想される心臓部を後方からの十字槍の振り攻撃で狙い、引き裂く様に断ち切ります
まあ、体の外側なので中の人を巻込む心配は薄いのでここを狙う事にしました

吸い込みに対しては後方を吸い込む場合は向きを変える必要があるので、予兆を捉えたら離脱して回避し、巻き込まれたら十字槍を地面に突き立てて遅らせ、さらに口に引っ掛けて離脱を図ります
まあ、直径より大きな十字槍なら確実に止められそうですけど…

あとは、必要に応じ、特に吸引回避後(弾薬を吸い込まれると内部が大惨事なので吸引が終わっている事は確認します)の離脱時には混乱を誘う為に爆炎器を意図的に外して撃っての牽制も使っていきます

▼全体方針
石板型を破壊後にミミズ型を攻撃
ミミズ型攻撃時は、吸い込まれた人を傷付けぬよう配慮

▼個人
序盤)全力移動でミミズ型の正面へ向かい、交友の飛鳥と連携し石板型破壊
遅らせて行動し、敵が
・吸引開始→盾に持ち替え飛鳥の前方で防御し、仲間が吸引されないよう守る
・吐出開始→銃に持ち替え飛鳥の後方で支援攻撃し、仲間が攻撃する隙を作る
銃はリロードせずマイペ上から順に持ち替え
射程内仲間の生命半減時ハイヒール使用

石板型3個破壊されたら、わざとミミズ型に吸い込まれ体内へ侵入
無事ならペンライト点灯し、通信で体外へ連絡「繋がった!(笑
治療セット内の絆創膏等でライトをヘルムに固定し、被害者の安否を確認
体外の仲間と連絡を取り、攻撃部位が確定したら体内で鞭にてインパクトアタック
柚子丸が来たら協調
被害者を、吐き出させるか体を切断した箇所から引き出すかして救助

▼他
要時治療セットで被害者を手当てする

心情:「放浪者嫌いだった子、でござるか‥‥」道中目を通した関連資料の一項に目が止まる
「助けてあげたいでござるな‥‥否!必ず助けるでござるよ!」歳の近い彼に使命感のようなものを覚えた少年放浪者であった

目的:村人全救助

準備:矢羽に香水を染み込ませ(嗅覚攪乱)マフラーの先に鈴を括り付ける(聴覚攪乱)

行動:全力移動で敵正面6SQに回り込み匂い矢を足元?に打ち込む
「そこまででござるよ!」

弓を捨てXR7を抜きラシェルの【冒し蝕む金】にワンテンポ遅らせて【足止め】を使用(敵が逃亡しかけたら同コンボを再使用)
「IMD流、影縫いでござるよ」

以降、銃の射程を保って周囲を走り回りつつ石板型を銃撃(破損度優先
無意味に跳んだり、全力移動で反対側に回り込んで銃撃したり、通常移動後にワンポイントでライフル撃ったりと不規則に動く
動きと音に攪乱され味方への攻撃精度が落ちれば僥倖 味方への吸引は口内を銃撃

中の人の生存が確認出来ていれば、石板全破壊後に敵正面で動きを止め吸引を誘い、全力移動で飛び込む
最奥の人の更に奥に行き、その人を背をし
「何でも好き嫌い無く食うのは結構でござるが、『てっぽうは当たると危ない』でござるよ!」奥に向けスレッジハンマー乱射し嘔吐を狙う


  • 陽波 飛鳥la2616
    放浪者22才|スピリットウォーリア×スナイパー

遅れてごめんね
待っててね・・今、助けるから

虫が超絶苦手で巨大ミミズは正直、鳥肌モノだが村の人達を助けたい想いで頑張る
こういう人々を助けたくて、磨き続けた努力の剣だから

○交友
葛城さんは話友達
ヨナタンさんを心配する彼を手伝いたい
「手伝うわ、葛城さん

○初動
全力移動で敵がいる広場へ急行

○戦闘
前衛
仲間とミミズ包囲
私は葛城さんと共にミミズの正面へ
吐出時は私が前で葛城さんを守りつつ支援を受けて攻撃する
吸引時は葛城さんの巨大盾の守りを頼りに葛城さんの背中に下がる

敵の撃破順は石版を先に殲滅し最後にミミズを討伐、の順で行う

要救助者がいるミミズの部位(不自然に膨らんでる箇所等)に攻撃が当たらないよう注意
判別不能なら口など大丈夫そうな箇所狙う

落葉と月閃華の多くの敵を巻き込める方で攻撃(仲間は識別
範囲攻撃でミミズと石版を一緒に攻撃
ミミズの注意を引きつつ石版の能力をPC情報にしたい
ミミズと石版、どちらかしか狙えない時は石版の破壊優先

石版殲滅後はミミズに渾身の暁

吸引は大剣を地に確り突き刺し踏ん張り耐える
正面以外の仲間が吸引されそうなら、横からミミズの口を暁で攻撃して口先を逸らさせで吸引を妨害
又は吸引や吐出で上下する部位あれば肺と見てそこを暁で攻撃考慮
もし私が吸い込まれた時は要救助者に危険無ければ内部から攻撃して脱出したい

吐出は大剣で防御

連携重視
一般人の安全を最優先
【全力移動】で一気に距離を詰めつつ、周辺に逃げ遅れがいないかを確認
柚子丸と目配せしタイミング合わせ、先に【冒し蝕む金】使用
「…今だ」
免疫低下で状態異常に掛かりやすくし柚子丸の足止めに繋げる
集会所への接近遅滞が目的

逃げ遅れがいた場合、駆け寄り守りつつ退避させる
退避完了or逃げ遅れ無しの場合は戦闘に加わる

「石板が守っているのか…なら、先に倒すのが定石か」
敵と距離を取り遠距離攻撃による支援が主
まとめ吸引対象にならぬよう仲間とは適度に散開
ミミズの側面を取る
仲間が吸引されそうな時は、側面から攻撃し怯ませる・方向を逸らす等して援護
自身標的時は木等を盾にし防ぐ・掴まる等して回避を試みる

石板の破壊>ミミズ
【凍り閉ざす銀】の氷の槍や弓矢を仲間の攻撃に重ね生じたヒビを広げ叩き割る
ミミズ攻撃時は、中の人に被害が及ばぬように攻撃する部位に注意
※頭部や口元付近を主に狙う

体内から一般人の救出に成功した場合はその補助をする
盾で空気弾を防ぎつつ一般人を担ぎ退避
【医療】駆使し状態確認・応急処置
命に別状なければ戦闘終了までその場に残し再び戦闘へ

敵逃走時は再び【冒し蝕む金】→足止めで移動を妨害
「…どこに行く気だ?」

戦闘後は周辺の安全確認と負傷者の手当て

  • エージェント
    あいla3513
    放浪者18才|グラップラー×スピリットウォーリア

「うーん…見れば見るほど、ミミズデスね~…ま、さっさと八つ裂きにしちゃうデスねこういうのは♪…けどその前に邪魔なの片付けるデス!」

行動
初手石板ナイトメア殲滅
多少の被弾は無視して攻撃優先、【旋空連牙】【パワークラッシュ】積極使用で火力マシで一気に片付けること最優先
基本リアクション防御、ミミズナイトメアからの攻撃に対しては回避

石板ナイトメア全撃破終了したらミミズナイトメア対応
躱せれそうな攻撃には回避、それ以外は防御
最優先で且つ、人を切らないよう注意しながら、味方が身動き止めているタイミングで人をため込んでいる袋を掻っ捌く、掻っ捌いて即救出

また、自身に対して吸い込み攻撃をしたらその吸い込み勢いを利用して相手に飛び込んで口の外側に鎌をひっかけて口を切り開かせて吸い込み力低下させれないか試す

「お前みたいなやつはおしょぼ口よりも大きく開いていた方がずっとお似合いデェース♪」

長期戦を予想しミミズ型に【勇猛なる行軍】で生命力管理
兎に角撃破しきるまで高火力をたたき続ける


戦闘終了後
他に敵がいないか索敵、また怪しい人物などいないかなども
「…きな臭いデスね、捕食というよりかは、…まるで人間をどこかに連れ去りたいような、そんな風にも取れるデスからね。…考えすぎ、デスかね」

  • 捉月の夢
    テラペイアla3973
    ヴァルキュリア15才|セイント×ゼルクナイト

▽参加動機
最近、地中海付近でのナイトメアの人攫いが増えてるみたいだねー…
君はヨナタン君かい?ボクもライセンサーだ、ここはボク達に任せて!

▽目的
一般人の救出・治療
ミミズ型ナイトメア討伐

▽準備
敵の吸引範囲を警戒し、不用意に6マス以内に近づかない
あの吸引力…ざっと見積もっても30mくらいなくない?イカヅチなら、射程外からでも届くだろうけど…

一般人が吐き出された場合、自分が救助と避難誘導に向かう(特に敵生存中に吐き出された場合)
敵を倒してからの方が安全なのは間違いないけど、それを待たずに向こうが吐き出してくる可能性もあるしね…念の為、スタンバイしとくよ

▽行動
回復スキルでの味方の回復、一般人の救急治療セットでの治療中心

全力移動でミミズ型の下へ向かう
靴をローラースケートに変えて全力急行!

誰かの生命力半分以下なら、アクアディンゲン装備で回復
他にも複数負傷した仲間がいる:神恵の雨雫
ESP「後の雨・神恵」…旧約聖書の後の雨運動を、サイバーフィールドで再現するよ!

単体のみで間に合う場合:ハイヒール
武蔵介君、君の勇気に賭けた!
一人の傷ならこれでっ!ESP「障壁修復β」…シールドを回復するよ!

回復必要ない時は、石版に向け射撃
石版全部砕けた後はミミズ本体の口に射撃
ミミズの回りの石版が邪魔だね…今なら援護射撃できそう!

●吸引を阻止せよ
 ライセンサー達は村の南から村内に入り、全力移動でナイトメアがいるであろう広場へと急いでいた。
(ヨナタン、無事でいてくれよ……!)
 感じの良い茶髪の放浪者の青年葛城 武蔵介(la0849)は、その茶色の瞳に真剣さを帯びさせ心中でつぶやく。
 葛城はヨナタンとは以前の依頼で知り合っており、ナイトメアに吸い込まれたと聞いてその安否が気にかかっているのだ。
 自分の手は大切なものを愛おしむため、目は真実を見つめるため、声は想いを伝えるためにあるという葛城の哲学、その『大切なもの』の中に、今やヨナタンも含まれていた。
「放浪者嫌いだった子、でござるか……」
 道中関連資料に目を通した際ヨナタンについての一項を思い出し、白勢の柚子丸(la2167)は若干複雑な思いを抱く。
 人の姿を取ることもできるが、柚子丸は本来は黒い毛並みで柚子色の目を持つ、猫姿の放浪者だからだ。忍者として育てられ、言葉使いも古風。まだ子供だからか、悪戯をして周りを驚かせたりという面もあった。
 ヨナタンはもう放浪者を憎んでおらず、ライセンサーとして信頼しているという。その少年が今危機に陥っている。
「助けてあげたいでござるな……否! 必ず助けるでござるよ!」
 柚子丸は歳の近いヨナタンに使命感のようなものを感じていた。

 皆の目にうねうねと広場を突っ切って村の中心へ移動しようとしているミミズナイトメアが見えた。
「あれか」
 見間違えようのない敵に接近しながら、ラシェル・ル・アヴィシニア(la3428)は周囲に視線を走らせる。
 広場に逃げ遅れた人はいないようだ。それなら心おきなく戦える。
 ラシェルは黒髪に紫の眼の落ち着いた雰囲気の青年で、数多の絆、希望、勇気により救われた世界から来た放浪者だ。
 英雄と呼ばれる両親を誇りに思い家族を大事にしており、平和な日常を守るために武器を取ることに迷いはない。
 ラシェル達は素早く散開し、ミミズを取り囲んだ。
 正面に立った柚子丸は、長弓『飛鳥翔』を引き絞り矢を放つ。
「そこまででござるよ!」
 が、矢は何か見えない壁のような物に阻まれかすり傷しか付けられなかったように見えた。
「手ごたえが無いでござる!」
「あの石板だわ! あれがダメージを軽減しているのよ!」
 陽波 飛鳥(la2616)がいち早く、意味ありげにミミズの周囲に浮かんでいる石板を指さした。
 赤い髪のポニーテールが似合う陽波も放浪者であり、彼女の故郷の世界も理不尽な侵略を受けていた。故にこちらの世界の現状を見過ごせず、持ち前の正義感と努力を以てナイトメアと戦っている。
 そんな陽波の黒い目は苦手なミミズを前に怯えていたが、吸い込まれた村人を助けたいという一心でナイトメアに立ち向かう。
「待っててね……今、助けるから」
 こういう人達を助けたくて、磨き続けてきた努力の剣なのだから。
 ミミズナイトメアは柚子丸のマフラーの先に付けた鈴の音に反応して口を開けた。吸引する気だ。
「っなんのっ!」
 ずおっと周囲の空気がものすごい勢いでミミズに吸い込まれて行くが、柚子丸はその敏捷性を生かしてさっと吸引の射程から逃れる。
「それでは、まずは石板を何とかしましょう」
 ミミズの後方に位置した天城 慧佳(la0421)が、自分の一番近くに浮かんでいる石板を見上げた。
 背が高く恵まれた体格をしている天城は、黒髪黒目の礼儀正しい青年だ。
 『天城真陰流』を修めながらもデザイン事務所のオーナーを務め、絵や歌、野球やサッカー等多彩な才能を持っている。
 天城は十文字槍『氷月』を振り上げ、その三つに分かれた穂先を石板に叩き付けた。
 石板にヒビが入ると、ミミズを包むシールドにも振動が走る。やはり石板がミミズを守っているようだ。
「うーん……見れば見るほど、ミミズデスね~……ま、さっさと八つ裂きにしちゃうデスねこういうのは♪けどその前に邪魔なの片付けるデス!」
 あい(la3513)が幻月の鎌『パラセレネ』を構え接敵する。
 金髪の頭に二本の角と先端が矢尻のように尖った黒い尻尾を持つあいは、まさに悪魔の姿をした放浪者だ。こちらの世界に転移する過程で一つの肉体の中に大人と子供、二つの人格を宿すことになってしまった。
 あいは体に焔を模したオーラを纏わせ、旋空連牙を放つ。
「これでも食らうデェース!」
 素早い二連続攻撃で石板を一つ破壊した。
 守りを弱められミミズはあいに空気弾を吐き出す。
「あっ!」
 あいは避けきれず攻撃を食らってしまった。イマジナリーシールドが三分の一ほど破壊されるが、緑の瞳を少ししかめただけで無視し、一旦距離を取る。
「この程度、全然平気デス!」

 セミショートの銀髪に右目が紫、左目が金色の少女が雷撃砲『イカヅチ』の銃口を上げた。
「今なら援護射撃できそう!」
 ヴァルキュリアのテラペイア(la3973)は元はSALFのオペレーターだった。その頃は無口で業務一筋だったが、今は正反対な元気一杯でお調子者な性格になった。
 イカヅチから落雷のようなエネルギー弾が発射される。
 石板にダメージを与え、ミミズの防御を揺るがす。
 その隙にラシェルは柚子丸にアイコンタクトを送り、スキル冒し蝕む金を発動した。
「……効くか」
 有毒な泥が出現しミミズの体を侵食する。抵抗力を下げることに成功した。
「今でござるな!」
 すかさず柚子丸がオートマチックXR7を抜き足止めを使う。敵の体が大きいため狙いは付けやすい。
 クリティカルとなった攻撃はナイトメアの下部に中った。石板の数が一つ減ったため先程よりはダメージ量が増えたようだが、このスキルの目的は移動妨害。与えたダメージが少なくともミミズの動きを阻害し移動力を落とす。
「IMD流、影縫いでござるよ」
 ニヤリと柚子丸は笑った。
 ミミズはライセンサー達を邪魔だと感じたのか、目の前にいた陽波を吸引する。
「っ!」
「そうはさせない!」
 すぐに葛城が陽波の前に出て、ジャイアントシールドを地面に突き立て防いだ。
 ミミズナイトメアの注意が前方に向いている間に、側面に移動した天城が残っている石板に爆炎器『ラ・ヴァ』を発射した。
「前方以外が疎かですよ」
 小型焼夷弾が石板に中りそれに気を取られたミミズは吸引を中断する。
「今がチャンスね!」
 陽波はシュヴァリエ・ブランシュを振り上げながら跳躍し、ミミズの頭部付近に浮かぶ石板目掛けて飛燕裂波・落葉を振るう。
 繊細さと素早さを持った攻撃は努力で培った攻撃力と相まって、見事二体の石板を破壊した。
 敵の守りが半減したと見るや、葛城はあえてミミズの口に近付き吸引を誘う。
「俺を吸い込んでみろ!」
 ミミズはあっさり挑発に乗り、葛城をすごい勢いで吸い込んだのだった。

●再会と救出
「いてっ」
 ナイトメアの体内に吸い込まれ叩き付けられた葛城は、呻いて体を起こした。
 ペンライトを付けて辺りを見回すと、洞窟のような空洞の中、何人もの人が折り重なるようにして倒れているではないか。
「皆大丈夫か!?」
 すぐに彼らの状態を診る。
「生きてる。良かった……」
 どうやら気絶しているだけのようだ。
「ヨナタン、俺の声が聞こえるか!?」
 見知ったくせっ毛の少年を見つけて、葛城はヨナタンの頬を軽く叩き目を覚まさせる。
「うぅ……」
「どこか痛い所はないか?」
「ううん、平気……あんたは……ていうか、ここって」
「ああ、ナイトメアの体内だ。大丈夫、必ず俺達が助けるから」
「うん。来てくれて嬉しい」
 ヨナタンは既知の葛城が来てくれたことに心強さを感じ、笑みをこぼした。

 外では、吸い込まれた葛城の首尾が上手くいくことを期待して、仲間達が石板の破壊を急ぐ。
 柚子丸が鈴の音を響かせミミズの周囲を走り回り撹乱する。
 その音を追いミミズが吐出しようとした寸前、陽波が大剣で口元に斬り付け、狙いを逸らさせた。
「簡単にいくと思わないでね」
 あいはミミズの口が自分から逸れている隙に、己の力を高め一気にパワークラッシュのエネルギーを解き放った。
「どんどんいくデス!」
「ボクもいくよっ。ここからなら届くはず!」
 テラペイアもあいと同じ石板を狙って雷撃砲を撃つ。二人の攻撃が石板に命中し粉砕した。
 また一段階ミミズナイトメアを守るシールドが弱くなり、ラシェルが続けて残り二体の石板に向けて凍り閉ざす銀を発動。
 石板の上の空間から何本もの氷の槍が出現、一気に降り注ぎ貫き砕く。
「これでミミズを守るものはなくなったな」

 葛城とヨナタンが吸い込まれた人達を何とか気付かせたが、小さいエリンや身体の弱い人は意識が朦朧としたままだった。
「おれもまた気分が悪くなってきた……」
 とヨナタンも訴え、ライセンサーである葛城自身もここに長くいるのは良くないと判断した。
「聞こえるか? こちら葛城!」
 通信用のインカムに呼びかけると、仲間からの応答があり葛城は胸中でホッとする。
「柚子丸、中の村人は無事だ、手を貸してくれ」
『了解でござる!』

 柚子丸は全力移動でミミズの正面に回り、音に釣られ開いた口に飛び込んだ!
 反射的にミミズは柚子丸を飲み込む。
「柚子丸参上でござるよ!」
 しゅたっと葛城やヨナタンの前に着地を決める柚子丸。
 その猫姿にヨナタンは一瞬びくりとするが、
「ヨナタン殿でござるな? あとは某達に任せるでござる」
 差し出された肉球のある手をぎゅっと握り返し、信頼を込めた目で応えた。
「ありがとな」
 柚子丸と葛城は村人の間を縫って最奥まで行く。
 ここを攻撃しミミズの体に穴を開け脱出しようというのだ。
「皆、今から攻撃する。外からもその位置にあたりを付けて攻撃して欲しい!」
 と葛城がインカムで伝え、薔薇鞭『ミセス・スカーレット』を構えた。
 柚子丸はリボルバー『スレッジハンマーExS』に持ち替える。
「いくぞ柚子丸!」
 葛城はインパクトアタックを繰り出し、
「何でも好き嫌いなく食うのは結構でござるが、『てっぽうは当たると危ない』でござるよ!」
 柚子丸はリボルバーを連射した。

「手伝うわ、葛城さん!」
 陽波がナイトメアをよく観察し、中からの攻撃でダメージを受けている個所を特定する。
 長い体の後ろ寄りの部分だ。
「皆一応気を付けてね!」
 インカムで中の二人に手早く告げてから、陽波は一つ息を吸って邪念を払い、心を無にした。
 無空ノ太刀・暁を放つ。
 一切の無駄を省いた動きで剣を鋭く一閃する。白く輝く衝撃波がミミズの体を切り裂くと、中からもその傷口が広げられた。
 石板の守りがなくなったので、通常のダメージが通るようになったのだ。
「今のうちに皆出るんだ!」
 葛城や柚子丸が手を貸して村人達を脱出させる。
「もう大丈夫だ」
「あと少しだから頑張って!」
 ラシェルやテラペイアも避難のサポートに加わった。
 ナイトメアが苦しみに雄叫びを上げ、吸引と吐出を繰り返し始めた。が、負傷のせいで威力が弱まっている。
 天城はミミズの体に足をかけてその背に飛び乗った。
「ミミズは体の構造が単純な分、弱点が少ないのですが……、心臓をやれば間違いないでしょう」
 精神を研ぎ澄まし槍を大きく振り抜く。
 背中が深く切り開かれ内部が露出する。
「お前みたいなやつはお呼びでないのデェ―ス♪」
 再びあいがパワークラッシュをお見舞いすると、ミミズナイトメアは派手に肉片を飛び散らせた。
 村人が全員避難し終わったと同時に、ナイトメアは一度大きくのたうってから、ばたりと伸び切ったまま動きを止めた。

●束の間の平和?
 葛城やラシェル、テラペイアが救急治療セットを持って救出された人達を怪我などがないか診ている間、あいは他に敵がいないか村を見回った。
 ヨナタン達は皆しばらくしたら気分も回復したようで、幸いたいした怪我人もいなかった。
「あんた達は命の恩人だ」
「本当にありがとう」
 村人に囲まれ感謝の言葉を受けるライセンサー達。
 集会所から先生と子供らが出て来た。
「先生!」
「エリン、ヨナタン! 無事だったのね、良かった!」
「エリン大丈夫!?」
 少女は先生に飛び付き、他の子供達とも喜び合う。
「ヨナタンも平気か!?」
「心配したわよ!」
「うん、大丈夫! みんなもおそわれなくて良かった!」
 ヨナタンも年長組の子達とお互いの無事を確認し合った。そして葛城に向き直り、誇らしげに言う。
「ナイトメアに吸い込まれた時怖かったけど……おれ、絶対ライセンサーが助けに来てくれるって信じてたよ!」
「ヨナタン……あんたはあんた自身の『奥底の声』に従って行動したんだ。それでいい。俺達は何度でもあんたを助ける」
「へへ、やっぱライセンサーって強くてすごいな」
「あんたも良くやったと思うよ」
 葛城はヨナタンの行動を肯定しギュッとハグする。
 初めて会った時からまだ短期間しか経っていないが、ヨナタンは変わった。人として成長したと言ってもいい。
 自分の精一杯戦う姿で、ヨナタンに何かを伝えられたなら。
 かつて自分の親父殿――養父だが――がしてくれたように、葛城は自分もヨナタンが大人になるのを期待と共に見守りたいと、そう思った。
「ちょ、苦しいって」
「ははは、早く大人になれる魔法だよ」
 おどけたように笑って、ストレートな愛情表現に照れてるヨナタンを離す。
 ヨナタンはナイトメアの体内にまで助けに来てくれたもう一人のライセンサー柚子丸にも、
「猫のあんたも、最初は驚いたけど、ニンジャみたいでカッコ良かった!」
「みたいというか、某は忍者でござるよ。将来的にはこの世界で忍術を極め、忍びの郷を作りたいのでござる」
「そうなの!? スゲー!」
 えへんと胸を張る柚子丸はあっという間に子供達に溶け込み、色々見せてくれとせがまれていた。

「そういえば君もダメージあるよね? ボクが回復するよ! ESP『障壁修復β』!」
 子供達を見ながらふとテラペイアが思い出し、イマジナリーシールドを損傷したあいにハイヒールをかけ修復する。
「今回もどうやら人を運ぶためのナイトメアみたいだったし、最近地中海付近での人さらいが増えてるみたいだねー……」
 テラペイアの言葉にあいがうなずく。
「……ええ……きな臭いデスね。どこに連れ去るつもりだったのか……連れ去られた人間はどうなっているのか、分からないデス」
 あいも水面下で何かが進行している影を感じて不安を隠せない。
「……それはそのうち分かるだろう。でも今は、この村の日常を守れたことを喜ぼう」
 そう言って、ラシェルははしゃいでいる子供達を遠目に眺めて微笑んでいた。
 ナイトメアが何を企んでいようとも、今はこの日常を、子供達の笑顔を守れたことがラシェルは嬉しい。
 あい達もまた、考えても答が出ないことは脇に置いて、楽しそうな子供達を微笑ましく見守るのだった――。

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