オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【WW】おいでませマリアホテル

連動 【WW】おいでませマリアホテル 影絵 企我

形態
ショート
難易度
易しい
価格
1000
ジャンル
WW 日常 
参加人数
83~8人
予約人数
10010100
基本報酬
160000G
160SP
1600EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2020/03/01 23:00
完成予定
2020/03/15 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●マリアの凱旋
 類稀なる射程を有するEXIS砲を搭載した現状唯一無二のキャリアー戦艦『マリア』。太平洋インソムニア『ルルイエ』攻略時には最前線に立って敵軍を引き付け、次々に飛来するナイトメアの攻撃を受け止めた。マリアに敵の目が引き付けられているうち、ニャートマン軍曹率いる部隊はインソムニア内部へ侵入して首魁を撃破する事に成功した。
 イースター島で最低限の休息を取った乗組員とライセンサーは、レーダー網構築のために展開していた米国海軍第三艦隊と共にバンデラス湾へと帰港した。強固な耐久力と打撃力によって鮮烈なデビューを飾ったマリアだったが、課題は山積みであった。更なる戦いに備え、マリアには早速強化改修が施される事になったのである。

●マリアホテルの休日
 バンデラス湾。メキシコ戦線においては兵站を支える軍港として機能していたこの地域だが、そもそもここはリゾート街。まさに風光明媚の土地柄なのだ。空高く昇る大洋に照らされ、海は宝石のように輝いている。君達はマリアの甲板に立ち、そんな海をじっと見渡していた。
「こんにちは、皆さん。ようこそキャリアー、マリアへ」
 そこへやって来たのは、SALF直属のエンジニア、来栖 由美佳(lz0048)。彼女は微笑み、君達へ向かって頭を下げる。
「今回皆さんに来ていただいたのは、このマリアで数日宿直勤務に当たっていただくことです。と言っても皆さんに特別こなしていただく仕事は無いのですが……このキャリアー、空を飛べない分、他のものに比べて機動力はかなり低いです。当然戦場へ向かう際には少なくとも一週間以上かけて行軍する事になるわけですが、その間に士気を保つため、この船はより良い生活環境を志向して作られています。まあ、有体に言えば、ここでのんびりと羽を伸ばしてみてください、というわけです」
 君達は振り返ってブリッジを見上げる。この甲板に至るまでに通った通路も抗菌塗装により清潔さが保たれていた。外側から見た美観も伊達ではないらしい。
「普段は給仕係が料理をする予定ですが、今回は厨房や食糧庫を開放します。自由に料理など作ってみてください。談話室には少ないですが娯楽設備もあります。湾で泳ぐことも出来ますし、暇になる事は無いでしょう。私は基本的に甲板で武装の調整や甲板の掃除を行っていると思うので、気が向いたら手伝ってくださってもいいですよ」
 由美佳は微笑む。背後では作業員達が肩を並べて甲板の掃除に当たっていた。
「また、ブリッジではサポートAI『マリア』が今回の作戦についてのデータを取りまとめる作業を行っています。彼女もまだまだ発展途上なので、気が向いたら相手してあげてください」

「では、羽根を伸ばすつもりでお楽しみください」

目標
 バンデラス湾で一日を過ごす

NPC
☆来栖 由美佳
 メアリーが無事に戦果を挙げ、これよりSALFに帰投する予定のエンジニア。その前にマリアの強化改修に軽く携わる事になった。
・行動
 甲板で砲台の改修作業や甲板の掃除をしている。マリアについての詳細な話が聞ける。

☆サポートAI『マリア』
 マリアの操縦などをサポートするAI。基本的には機械的に事務をこなしているが、由美佳達の仕組んだ精巧なAIプログラムにより、乗組員と簡単な雑談をすることも可能。
・行動
 ブリッジにいる。メキシコの状況について確認する事が出来る。

ロケーション
☆マリア
 ジョゼ社の誇る巨大キャリアー。機動戦が前提の作りではないため、居住性はかなり高い。
・宿直スペース
 兵卒用の大部屋と、ライセンサーや将校用の個室がある。AIのサポートによりそれほど多くの乗組員数は必要ないが、それでも最大で1000人以上の人員が乗り込めるよう設計されている。
・厨房&食堂
 缶詰や乾麺など保存のきく食料が大量に保管されているほか、現状は運び込まれたばかりの生鮮食品も積まれている。食堂はスペースが限られているため、短い時間で交代して食事をするようになっている。
・ブリッジ
 サポートAIマリアがいるスペース。このキャリアーの心臓部。
・談話室
 交流スペース。古いビデオゲームなども設置されている。
・甲板
 砲台が眩しく輝く甲板。由美佳が作業をしている。

☆バンデラス湾
 かつては風光明媚なリゾートであった。街は廃れてしまったが、その風景だけは損なわれていない。

TIPS
☆メキシコは赤道付近で温暖なため、3月でも普通に温かい。

お世話になっております。
マリアは無事に凱旋しました。今しばらくはお休みとなりそうです。
というわけで皆さんもマリアでお休みしてください。

よろしくお願いします。

マリアにはルルイエ攻略のときに乗せてもらったけど、あのときはあまりゆっくりしてる余裕はなかったものね。
せっかくだしじっくり見学させてもらおうかな。

甲板で来栖さんに声を掛けて、武装の調整を手伝う。
シリウスは使わせてもらったけど…こういう言い方をしたらあれだけど、スナイパーとしては撃っていて楽しい武装だったわね。
生身にしろアサルトコアにしろ、EXIS搭載の射撃武器ってのは総じてあまり飛ばないのよね。かなり遠くの敵までを狙えるシリウスやカノープスは、まさに狙撃してるって感じで。
貴重な体験だったわ…また機会があったら使ってみたいわね。

手伝いの後は、談話室にあるビデオゲームを見に行く。
なかなかレトロなラインナップね、今じゃそうそうお目に掛かれないタイトルがたくさん…。
あ、このゲーム一度やってみたかったのよね。

スメラギさんと一緒にゲームをする。
格闘ゲームで対戦したり、シューティングゲームで協力プレイしたり。
ゲームの腕前だったらスメラギさんにだって負けないからね!

意外と快適だったわね。
思っていたよりもずっと居心地よかったわ、このマリアは。

  • 人を助けるヴァルキュリア
    桜壱la0205
    ヴァルキュリア10才|セイント×ゼルクナイト

▼マリアさん
「この前はお疲れ様でした!今はどこも壊れてませんか?大丈夫ですか?
ぴょんぴょん!と心配そうにブリッジを跳ね回る
ヘイゼルさんが喧嘩腰であれば心が落ち着くように間で反復横跳びする、シュッシュ
「もう少ししたら、日本では桜が咲くのです!
マリアさんも、いつか見に来てくださいねっ
▼お掃除
「マリアさんにはお世話になったので、お掃除をします!
お掃除する人には可愛いエプロンを配布していく、今回限りのふりふり仕様です
甲板のモップ掃除、船内のお部屋のお片付け、ブリッジの拭き掃除…ふふっぴっかぴかですよぉ!
「そーちゃん!雲居さん!モップ掛け競争しーましょーぉ!
「子夜さん手際が…良い…!(はっ
「(泳いでるアウィンさんに手を振っている)
▼料理
お掃除が終わったら皆お腹が空いていると思うので、ご飯をたっくさん作ります!
アウィンさんからもらったお魚はとれた物に応じて美味しく調理する
「何でも焼けば大抵美味しくなると聞きました!(?
食堂が狭いのであれば、せっかくお掃除したブリッジ等青空下で食事をしたらどうかと提案
「んふふ、何を作りましょうねっ!
そーちゃんや雲居さんにも好きなものを聞きつつ、お握りサンドイッチパスタ、ご随意に!
在る物たっぷり使って楽しいお食事を作ります!
「マリアさんも同席しましょっ
大丈夫、見ても楽しい様に盛り付けできたと思うのです!

  • っょぃ
    la0346
    放浪者10才|セイント×ネメシスフォース

お昼寝をしっかりして宿直準備
「ふふふ…ばっちりです」
やる気は満タン

・はるいちさんのおてつだい
はるいちさん程家事はできないので、料理の後片付け中心にお手伝い

はるいちさんがAIさんとおはなししている時は
三歩後ろぐらいの位置でその様子をにこにこ眺める
AIさんとお話するタイミングがあれば
「今は1986年から何年経ったか教えて下さい」
「計算ができないわけじゃなくって。もし、この世界に生まれていたら何歳になっていたのかなって、誰かにききたくなっただけなんです」

・おかたづけ
乗組員の人に尋ねて、ちょこちょこしたおかたづけを積極的に
はるいちさんや雲井さんのお手伝いという名の周囲をうろちょろ


・朝方には昼寝効果がきれかけて船を漕ぎ始める
眠気覚ましのためにブラックコーヒーを一口すすり
そのまますまし顔で砂糖とミルクを多めに足してから再度飲む

その後力尽きるかはおまかせします

【心情】
これが大型キャリアー『マリア』ね…あたしは実物を見るのは初めてだわ
こんなに広いと、片道だけでも一苦労ね…

【目的】
マリアでのびのび過ごす

【準備】
方向感覚3使い、迷わないようにする
目的地までの距離が長すぎる場合、全力移動も使う

競泳用ジャージ&ズボンの下に、ワインレッドのビキニ水着を着る
水着は写真撮影時のみ、普段はジャケットとズボン

最近ようやく暖かくなってきたとは言え、まだ肌寒いわ…


【同行者】
ソレイユ・フラム

【行動】
☆バンデラス海岸
写真3使い水着姿で写真撮影
あたしの水着撮影は、春にはもう始まってることが多いわ。本番の夏に比べれば、撮影回数は少ないけどね
世界中の海岸で水着撮影…うん、それもあたしとしては一つの目標ね

☆談話室
ソレイユちゃんとゲームする
格闘ゲームで対戦、シューティングゲームで協力プレイ。結果はお任せ

うちの一家はゲーム好きでね、特に弟とは良く一緒に遊んでたのよ
あたしは飛び道具と対空技持ちの近接キャラで。ソレイユちゃん、対戦よろしくね
このSTGって、協力プレイ限定で合体技できなかったっけ?

☆食事
そう言えば…そろそろ、桜壱ちゃんの料理ができる頃かしら?

  • この名を誇る
    黒帳 子夜la3066
    放浪者21才|ネメシスフォース×スピリットウォーリア

「さてさて、どのように過ごしましょう

○行動
甲板の掃除
粗方終わり次第キャリアー内の探索
探索といってもキャリアーの搭乗自体それほど縁がなかった為に散歩のようなもの
厨房に立ち寄った際には軽食を作っていくかもしれない

元の世界ではキャリアーやアサルトコア等の機械・乗り物系にほぼ縁がなく(記憶もほとんどなく
前の世界で海上戦において戦艦に乗り込んだ機会がほんの少しだけ
今回のこの世界で初めて触れるといっても良い程なので興味は尽きない

メキシコの戦いに関しての知識が浅い為にサポートAI『マリア』に現在の自分の知識との齟齬や知らない事を埋め合わせるようにお話を
邪魔にならない程度に情報交換といったところ

  • っょぃ
    雲井 旭la3264
    人間21才|ネメシスフォース×セイント

アドリブ歓迎

まず一番大事なこと聞きたいんだけどさ。
この船って煙草吸っていいところある??

料理と片づけやってる組の手伝いでもしようかな。
宿直というか徹夜って大学の卒論で慣れてるし。……何かお子様多い気がするし。
子供があんまり夜更かしするもんじゃないぞ。
俺はいいの。大人だしもう不健康だから。無敵だぞ。

料理はちょっとした手伝いするのがいっぱいいっぱいだけど。
あ、ちょっと夜食でつまみ食いとかしてやろ。

あとは適当にコーヒーとか飲みつつ朝までのんびりするかな。
大丈夫かな。ちびとか寝そうじゃない? コーヒー飲んだり……無理そうだ。
気分転換に甲板に散歩でも行く? 冷えるからちゃんと上着とか着てけよ?

まずは興味深くマリア内を彼方此方見学(別名:探検)
「ふむ、巨大過ぎて乗り物という感覚が薄れるな

以後は来栖の手伝いを主に
「一人のんびりというのも落着かなくて。手伝うことがあれば言ってくれ

改修作業や掃除を行いつつ会話
「来栖殿に報告せねばと思うことがあって。
クリスマスに世話になった件で…いや世話にはなっていないな?…なった、のか…?(混乱」
「まあいい、貴女も背中を押してくれた一人だと思うゆえ。
先日、彼女にきちんと想いを告げ恋人となった。彼女からも伝言を預かっている。
『撃たれた結果がこれだよ!』だそうだ(珍しく小さく笑いながら」
来栖に質問も
「何れ夫婦となるつもりだが、女性が夫に求めるものは何だろうか?
既婚の来栖殿の意見を伺い参考にしたいのだが。彼女と共に幸せになりたいので…(真剣」

重体明けの鍛錬に海で泳ぐ
「床に伏していると体が鈍る、鍛え直さねば
持参のふんどし着用し、銛(代りにいつも無駄遣いしている☆5氷月)を手に
泳ぐ、潜る、めっちゃ泳ぐ、鍛えるの楽しい
眼鏡無し裸眼でも一応は見える
鮫やクラゲに注意しろと言われたので素直に言うことを聞く
料理に使える魚介があれば獲って調理者へ提供
「鮫は料理に使えるのか…?(やめろ(素直に言うこと聞くとは

出された料理は何でも美味しく頂く
好き嫌いはない
「これは美味い、見事な腕だ

現在の状況が知りたいのでブリッジへ
アンドロイドやAIが嫌いなので、マリアに対してもかなりつめたい
ただ淡々と話しかける
壊そうとはしないが、わざわざこいつに話しかけないと情報も得られないのか、と
内心とても複雑
「この船を操るのがAIなら、私は大嫌いなものの中にいることになるのよね。…不愉快だわ

桜壱にも、話しかけるなとけんか腰だが
謎の反復横跳びをみてため息のちいろいろとげんなりしながらも
なんか睨んでても疲れるだけだなと色々諦める
「ぴょんぴょん跳ねていないといけない規則でもあるの?大人しく出来ないのかしら。気が散るわ。まるで人の子供みたい
「とりあえず情報を。…こういうのは、あなた達の得意分野でしょう




●船の頭脳にご挨拶
 桜壱(la0205)はパタパタと艦橋の中へと駆け込む。その中心には、女性型のホログラム、マリアがふわふわと浮かんでいた。桜壱は眼をきらきらさせ、ぺこりとマリアへ頭を下げた。
「この前はお疲れさまでした! 今はどこも壊れてませんか? 大丈夫ですか?」
「はい。シールド出力の充足率は100%。機能に支障はありません。ご心配の言葉、感謝します」
 マリアはしずしずと頭を下げる。ヘイゼル(la3576)はそんな彼女を見上げ、不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「ふん……あんたがこの船を管理してるAIってわけ?」
「初めまして。この艦について気になる点があれば、何なりと質問してくださいませ」
「アンタがこの船の一部って事は、私は大嫌いなものの中に居る事になるのよね。……不愉快だわ」
 この世界へ来たところ、トラブルでアンドロイドに攻撃されてしまったヘイゼル。それからすっかりアンドロイドだとかAIだとかの存在が大嫌いになっていた。マリアは肩を窄める。
「私はこの艦のパフォーマンスを最大限発揮するべく組み立てられたAIです。ご理解くださいませ」
「そんなこと言われたって」
「怒っちゃいけません! スマイルですよ、スマーイル!」
「アンタも話しかけないでよ」
 ヘイゼルはつんけんする。桜壱も負けじとヘイゼルの周囲でぴょこぴょこと跳ね回った。彼女は目をいからせていたが、やがて呆れて肩を竦めた。
「ぴょんぴょん跳ねていないといけない規則でもあるの? 大人しくできないのかしら。気が散るわ。……まるで人の子供みたい」
 これらに怒ってみても仕方ない。諦めたヘイゼルは溜め息を吐いてマリアを見上げた。
「とりあえ最近の戦況を教えなさい。……こういうのは、貴方達の得意分野でしょう」
「承知しました。モニターにご注目ください」
 マリアは振り返ると、モニターを点灯させる。そこには南北アメリカの地図が浮かび上がっていた。
「今回の戦いにより、アメリカに展開された戦線の一つが消滅しました。しかし、これによりむしろ南北に勢力を結集し、更なる攻勢を仕掛けてくる恐れもあります。アメリカ大陸の状況は未だ予断を許しません。また……」
「ふうん……」
 わざわざ機械に話しかけなければならないこの状況には臍を噛むような思いだったが、情報は素直に役に立つ。ヘイゼルはしかめっ面で黙りこくっていた。

●大洋の大鳥
 その頃、マリアの甲板では数人のライセンサーが掃除や武装の整備に精を出していた。艦橋の真ん前に据え付けられた速射砲『カノープス』の銃座にはソレイユ・フラム(la0139)が座り、モニターで砲の照準を合わせていた。エネルギーを充填し、数発纏めて遥か上空へと光弾を放った。
「照準と実際の着弾ポイントが三十センチくらいずれてるね。この前の爆撃でどこかが歪んでるかも」
「ありがとうございます。確認しておきますね」
 由美佳はタブレットにさらさらメモを取りながら頷く。ソレイユは銃座を軽やかに跳び降りると、白い砲身をそっと撫でた。
「こういう言い方はあれだけど、スナイパーとしては撃っていて楽しい武装ね。他の武器ってあんまり飛ばないし。……また機会があったら使ってみたいわね」
「まだまだ戦線は幾らもありますし、そのうち出番はありますよ」
 由美佳は頷く。その脇では、フリルのついた桜色のエプロンを桜壱が創(la0346)と雲井 旭(la3264)に差し出していた。
「そーちゃん! 雲井さん! モップ掛け競争しーましょ!」
「いいですよ。ここははるいちさんが相手でも、手加減しませんよ?」
 創はさっそくエプロンを取って身に付ける。大きなモップも取ってやる気は十分だ。しかし旭は欠伸交じりで首を振る。まだまだ朝日が天へと昇ろうかというところだが、既に旭は眠たかった。
「いや……俺はちょっと休んでるかな。この前まで卒論書いてたせいで生活リズムが崩れててさ。昼は眠くて」
「雲井さん! ちゃんと生活リズムに気をつけないとだめですよ!」
 桜壱は左目をビックリマークに変化させた。旭は肩を竦めながら電子タバコを取り出す。
「わかってる。ここで見てるから、二人でやりな」
「むむむ……でもエプロンが一つ余ってしまいます……」
 桜壱が肩を落としていると、そこへ黒帳 子夜(la3066)がやってくる。
「さて、それなら私が一つお手伝いしましょうか」
「おおっ! ぜひお願いします!」
 差し出されたエプロンとモップを受け取ると、子夜はさっさとエプロンを身に付け、モップを桶に張られた洗剤に浸して甲板に据える。
「さ、二人とも隣に並んで。揃ってゆっくり汚れを落としていきましょう。バラバラに走るよりも、並んでモップ掛けした方が早く仕事が片付きますよ」
「競争するよりみんなでこなした方が無駄がない! 確かにその通りです! そーちゃん! 子夜さんの言う通り、並んでいきましょう!」
「ふふ、そうですね。では一緒に行きましょうか」
 かくして彼女達は三人横並びとなってモップを掛け始める。旭はそんな彼らを遠目に見つめていた。
「子供達は元気だなぁ……」

 一方、アウィン・ノルデン(la3388)も船尾側の甲板をモップで擦っていた。休みでも彼は身体を動かさないと落ち着かないのである。由美佳がやってくるのを見ると、彼はようやく手を止めた。
「どうだろうか。一通り染みは取ったつもりだが」
「ありがとうございます。やっぱり白い船体って汚れが目立つんですよねえ……」
 ウッドブラウンでも塗ってやろうか、と彼女はぼやく。そんな彼女を見つめていたアウィンは、やがて決心したように切り出した。
「……来栖殿に報告がある。先日、彼女に想いを告げ、恋人となった」
「おお! 私が貴方達を撃ってあげたからですね!」
 彼女は目をきらきらとさせて言い放つ。恥も悔いも無いらしい。アウィンは思わず口端を緩めた。
「世話になったかはともかく、きっかけの一つには違いない。彼女も『撃たれた結果がこれだ』と言っていた」
 由美佳はアウィンの言葉を頷きながら聞いていた。彼が黙ると由美佳は首を傾げる。
「で、質問があるのでしょう?」
「うむ……何れ夫婦となるつもりだが、女性が夫に求めるものは何だろうか? 既婚の来栖殿の意見を伺い参考にしたいのだが。彼女と共に、幸せになりたいので……」
 アウィンは真剣な顔だ。子どものようににやにやしていた由美佳も、ふと表情を丸くする。
「そうですねぇ……ま、私なんかもそうですけど、何かの最前線にいると、色々揉まれて疲れちゃうんです。それでたまに体調を崩しちゃったりもして」
「……確かに、最近あの人も疲れ切っていたようだ」
 彼はクリスマスの時に眠り込んでしまった想い人を思い出す。
「そんなときに、私にはあの人がいる、って思うだけでどんなに心強い事か。……ですから、貴方は貴方なりにあの人を大切にしてあげれば、それでいいと思いますよ」
「私なりに、か。……考えてみよう」

●ビーチの復興道半ば
「遠目に見ると、また大きさが際立って見えるわね……」
 バンデラス湾のビーチに立って、ユリア・スメラギ(la0717)はマリアの威容を見つめていた。空中を航行する都合上、他のキャリアーはキャリアーと名がついてもサイズは巡洋艦並みだが、マリアは正しく空母を名乗るに相応しい巨大さだ。社長の意向で美観にも拘ったというだけあって、ビーチにも映える美しさだったが、肝心のビーチが寂れているのもわかってしまう。ワインレッドの水着を太陽の光に照らし、彼女は嘆息した。
「このビーチも、また人気になると良いわね……」
 日本はまだまだ肌寒い頃合いだが、バンデラス湾は今日も快晴、燦々と降り注ぐ太陽が眩しく熱い。日焼け止めをぴったり塗っても、じりじりと肌が焼かれるような感覚だ。雇ったカメラマンに指示を送ると、早速砂浜の上でのびやかにポーズを取り始めた。
「私の出す写真集が、その一助になってくれればいいけど」

 掃除を終えたアウィンも海に出て、沖合を悠々と泳いでいた。褌を着込み、槍を手に、水中を悠々と掻き分け泳ぎ回る魚を突いていく。食糧確保と共に、数日の静養で鈍った身体を鍛え直すのだ。
「鮫は料理に使えるのか……?」
 知人にはサメ、クラゲには近づくなと言われていた。しかしアウィンは興味本位でするするとサメへ泳ぎ寄っていく。その後小さな死闘がしばし繰り広げられたのは言うまでもない。

●楽しい料理の時間
 厨房。魚の詰まった網をぶら下げ、アウィンが悠然と上がり込んでくる。
「鮫には逃げられてしまったが、様々な魚を確保したぞ。せっかくだから料理に使って欲しい」
「りょーかいです! 魚は何でも焼けば大抵美味しくなると聞きました!」
 桜壱は眼に桜のマークを浮かべると、魚を調理台に並べ始める。子夜も早速鱗を削ぎ落し始めた。
「その前にきちんと下処理は済ませないとなりませんね。鱗を取って、内臓を取って……」
「了解です! Iにお任せなのです!」
 家事支援用に作られた桜壱。魚の下処理くらいは片手間にこなしてしまう。
「んふふ、何を作りましょうねっ! そーちゃん、雲井さん、何を食べたいですか?」
 桜壱は二人の友達に振り返る。彼らはひたすらキャベツを千切りにしていた。
「せっかくですから、このお魚のフライを食べたいですね。昔スーパーのお惣菜で食べたのが懐かしくて」
「じゃ、俺もそれで」
「了解です! むーん!」

 やがて間もなく、食堂には桜壱の作った様々なメニューが並ぶのであった。

●レトロな空気に浸って
 夜。食事を済ませたソレイユとユリアは船尾近くにある談話室を訪れていた。外見は美しいマリアも、船室へ入るとただの軍船。談話室の中も華美な装飾は無い。壁に固定されたテレビやゲーム機、幾らかのボードゲームが置かれているくらいだ。
「なるほど。本当に軽く羽根を休めるスペースって感じねー」
「見てよスメラギさん。このゲーム、随分とレトロなラインナップよ。これなんて、私が生まれる前に発売された格闘ゲームよ」
 ソレイユはゲームのタイトルを一本手に取り、ユリアに向かって差し出す。それを見たユリアは目を丸くした。
「あら。そのゲームは遊んだことがあるわね」
「あるの? 何だか意外。スメラギさんはゲームとかに興味ないと思ってた」
「そんな事ないわ。両親や弟と小さな頃からゲームをしてたのよ。特に弟は、リサイクルショップで買ってきたジャンク品を修理して遊べるようにしてたりしてね……よく一緒に遊んでたわ」
 懐かしそうにタイトルを指で撫でると、彼女はすとんとソファに腰を落とした。
「せっかくだし、ちょっとプレイしてみない?」
「良いわよ! ゲームの腕前だったらスメラギさんにだって負けないからね!」
 ソレイユはゲーム機にカートリッジを差し込むと、コントローラをユリアに手渡し早速スイッチを入れる。キャラクター選択もそこそこに、二人は対戦を始める。片や対空と飛び道具で戦いを組み立てる一方、片やその隙を窺い、強烈な暴れを叩き込む。両者一歩も引かない戦いぶりだ。
「やるわね」
「そっちこそ」

 こうしてユリアとソレイユは、マリアで楽しい夜を過ごしたのであった。

●穏やかな夜
 キャリアーに紐づけられたAI『マリア』に休みは無い。ブリッジの中にあるホログラム投影機の中に浮かんで、夜もじっと戦闘データの学習整理を進めていた。子夜はそんな彼女を見上げて尋ねる。
「私はメキシコの戦いに殆ど関われなかったから、こっちの情報にはそれほど明るくないのですけれど。何があったか問えば教えて頂けますか?」
「はい。本戦線においては、主に三つの方面で作戦が展開されました。最も大きな作戦は、独立政府アルタールを巡る、ユカタン半島方面の市民救出作戦でした――」
 マリアは朝と同様、すらすらと語る。
「なるほど。流石はAI、情報収集整理には抜かりなしというわけですね」
「それが私の役割ですから。しかし、私は入力されない情報は感知できません。雑談程度でも十分ですので、何かそちらがご存じの事があれば教えて頂けませんか」
「ふむ……どのような事をお話ししたものか……」
 子夜が考え込んでいると、桜壱と創がぱたぱたと駆け込んでくる。子ども二人組を見て、子夜は微笑む。
「おや。夜更かしですか」
「ふふん。準備は万全です。その為にたっぷりとお昼寝をしていたのですから」
「Iはエネルギーが足りていれば寝る必要はないのです! マリアさんもお休みしなくてよいのですか?」
 得意げな創と、目をくりくりさせる桜壱。マリアは頷いた。
「私は本艦が沈まない限りは活動できます。雑談もプログラミングに従った範囲で可能ですよ。いかがですか」
 マリアは創をちらりと見る。創は彼女を見上げた。
「マリアさん、それなら今は1986年から何年経ったか教えてください。あ、計算が出来ないわけじゃなくて。もしこの世界に生まれていたら、何歳になっていたのかな、って誰かに聞きたくなっただけなんです」
「承知しました。現在は2060年です。1986年からは74年経っています」
 それを聞いた創は目を丸くした。
「74年! もしこの世界に生まれていたら、もうおばあちゃんなんですね……」
 創は桜壱と顔を見合わせる。
「Iは創さんとこうして出会えてよかったのです」
「……はい。わたしもそう思います」
 二人はそう言って微笑み合った。

●明けの水月
 そんなこんなで夜のマリア号を探検していた創だったが、満月が海の彼方へ沈む頃にはすっかり眠たくなっていた。船首に座ってうっつらうつらとしていると、水筒を手に下げ、お盆に色々と載せた旭がやってくる。
「カップ麺を貰ってきたぞ。食べるか?」
「こんな時間にカップ麺ですか……確かに真夜中まで起きていると、お腹がちょっと空いちゃいますね……」
「そうそう。こういう不健康な生活が何となく楽しかったりするもんさ。でもまだ子供なんだから、普段はやっちゃダメだぞ」
「おにーさんは良いんですか?」
 目を擦って創が尋ねると、旭は水筒からコーヒーを注ぎ始める。
「いいんだよ。俺は大人なんだから。大人は無敵だぞ。ほら、コーヒー飲むか? ……や、チビには無理か」
「無理じゃないです。飲みます」
 創は旭からカップを受け取り一口飲む。しかしあんまり苦くて少女は肩を震わせる。旭は肩を竦めると、ポケットから砂糖にミルクを取り出す。彼女は早速これでもかと注ぎ込んだ。
「ありがとうございます」
「夕陽も綺麗でしたが、月が海に沈んでいくのもまた綺麗なものですね」
「こういう景色をのんびり見てられるのは幸せなもんかもな。ほら、出来たぞ」
 二人は割り箸を割ると、揃ってラーメンを啜り始めた。



 かくして、マリアで過ごす一日は、ライセンサーにとっては久方ぶりに穏やかなものになったのであった。

 おわり

成功度
成功
拍手数
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MVP一覧

MVPはいませんでした。

重体者一覧

重体者はいませんでした。

参加者一覧

  • ライジング
    ソレイユ・フラムla0139
    人間16才|
    スナイパー×グラップラー
  • 人を助けるヴァルキュリア
    桜壱la0205
    ヴァルキュリア10才|
    セイント×ゼルクナイト
  • っょぃ
    la0346
    放浪者10才|
    セイント×ネメシスフォース
  • 魅惑の紅月
    ユリア・スメラギla0717
    人間22才|
    ゼルクナイト×セイント
  • この名を誇る
    黒帳 子夜la3066
    放浪者21才|
    ネメシスフォース×スピリットウォーリア
  • っょぃ
    雲井 旭la3264
    人間21才|
    ネメシスフォース×セイント
  • 比翼の鳥・連理の枝
    神取 アウィンla3388
    放浪者24才|
    ネメシスフォース×スナイパー

  • ヘイゼルla3576
    放浪者23才|
    スナイパー×グラップラー

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スレッド一覧

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