オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【果冠祭】sweet and cool

【果冠祭】sweet and cool 秋雨

形態
ショート
難易度
易しい
価格
1000
ジャンル
日常 
参加人数
63~6人
予約人数
10010100
基本報酬
180000G
180SP
1800EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
3
締切
2019/08/29 08:00
完成予定
2019/09/13 08:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●地中海に浮かぶ

 ナイトメアによって壊滅し、国という形を維持するのすら困難な『エオニア王国』
 国を背負う幼い王女は、考えた。
 途絶えている祖国伝統のお祭りを復活させられないか、と。
 国主が前に出て、明るい話題を供する事が大事なのだ。
 この国の未来は続いていくのだと示す必要があるのだ。

 もともとの祭りと同じものは出来ない。
 例えば、果物を大勢でぶつけ合うメインイベント。食べ物を無駄に出来るほど、国の財政は豊かではない。有り体に言えばむしろ貧乏だ。


 ――ぶつけるものは、ペイント弾。
 使われるはずだった果実は、沢山の料理に変えて皆で食べればいい。

 ――ここは今やSALFの前線基地。
 古きに拘らず彼らにとっても楽しいものにするべきだ。

「我と共に、全員が参加者になれる楽しい祭りを作っては貰えませぬか」


●料理に変えよう

 『エオニア王国』某スイーツショップ内。
「ここに、沢山のミーベルがあります」
 どっさりと籠に山盛りの果実が指し示される。溢れんばかりのそれは桃のように甘く柔らかい、島固有の果物である。
 昔はこれを投げ合っていたそうだが、そんなことをして粗末にするなんて勿体ない!
「投げるくらいなら食べてしまおう、って事でウチに寄越されたのだけれど。このまま出すのも面白くないでしょう?」
 面白いか否かは置いておくとしても、やはり何か手が加わっている方が美味しそうに見えるだろう。
 そして手を加えるなら、島の住民が思いつかないようなものが見たい。そんな思考の先、白羽の矢が立ったのがSALF──ライセンサーであった。
 島以外の場所から来た者たち。異なる世界の来訪者もライセンサーになっているというのだから、住民たちが知らない料理も多く知っているだろう。知っている料理も、作る土地が違えば味も違う。
 だから、と女性は辺りを見回した。説明を受けていたライセンサーたちもつられて周りを見る。
 厨房だ。首都はまだナイトメアの侵攻による爪痕が残されていたものの、ここは被害が少なかったのか──それとも復旧に力を入れたのか。店として機能できるくらいに設備が整っている。
「この厨房をお貸しします。皆さんにはミーベルを使った、この季節らしいデザートを考えてほしいの」
 この季節──夏に合う、ひんやり冷たいデザートを。

●目的
 ミーベルで冷たいデザートを考案、制作しよう!
(ついでに試食もしよう)

●詳細
 お祭りの販促目的として、ミーベルを使った季節らしいデザートを考案したい。
 住民たちの知らなさそうな品でも、誰でも知っているような品でも構わない。
 多すぎるとそれはそれで量産が大変なので、今回は多くても1人1種類(全体で6種類)程度が望ましい。

●ミーベル
 桃のように甘くて柔らかい、島固有の果実。柿程度に小さな種がある。

●厨房
 広めの厨房のため、動線は深く気にしなくても構わない。気にすればスムーズではある。
 デザートを作る過程で必要な道具は揃っている。また、材料に関しては、特殊なものでなければ用意されている。
※かき氷機やソフトクリーム機なども有。

 初めまして、或いはまたお目にかかれまして幸いです。秋雨です。
 2div連動にひょこっとお邪魔してます。冷たいデザートが食べたい。私が。
 作られたスイーツは今後登場する可能性もありますので、是非美味しそうなスイーツを作ってくださいね。
 試作したスイーツは、最後に甘いもの談議でもしながら美味しく頂きましょう!
 ご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

  • 人を助けるヴァルキュリア
    桜壱la0205
    ヴァルキュリア10才|セイント×ゼルクナイト

「レッツクッキン!ですねっ
頑張ります!

ミーベルを使ったかき氷を作成
自身は味見ができない為他の方に確認をお願い
代わりに料理器具の片付け等は積極的に手伝います!

厨房内には某3分クッキングのテーマを流しておく
「雰囲気も大事です!
①下拵え
ミーベルの皮を剥き種をとり製氷皿に入りやすい程度にカットする
ヨーグルトと牛乳を半々ぐらいで混ぜておく
②氷作り
果実そのまま、果実と天然水、果実とヨーグルト液
の三種をそれぞれ比較用に製氷機へ
③調整用シロップ作成
今回は練乳とシロップを少し砂糖控えめにして作成
「ミーベルが充分甘そうなので
④削ります!
刃は調節してふわふわした食感の物とさくしゃり感が強い物の2つを用意
器は祭当日の販売状況を確認し、座る箇所があるタイプなら冷えた氷の器を
立食いが基本想定であれば紙の器に盛付け
SMLといった様にサイズ分けしておくと子供が持ちやすいサイズ等分けやすい
⑤検討
「お味、いかがですか…?
そのままはとかく濃厚
天然水はさっぱりしており各人で調整が効きやすく利益率が良い
ヨーグルトは少し酸味が効いたさっぱり感
一番美味しいが多かった物を提出します!

絡みアドリブ歓迎
桃簾さんの冷蔵庫開閉のお手伝い
「了解致しました、冷凍庫オープン!
クゥさんのコンポートも頂けたら小さなミントと一緒に添えてみる
「見た目も華やかになったのではなりますね!

  • どマイペースうさぎ
    夜兎 響la0509
    放浪者20才|スナイパー×セイント

こちら料理がそこそこできる兎さんだまいどありー
まかせろーいいもの作ったらー

【行動】
ミーベルを試食
んー、香りは桃だし味もとても桃っぽい
これを投げるってとてももったいない感じだなー

タルト台を作成する
スイーツはパワァ。ボウルをかき混ぜるパワァ
オーブン余熱。タルト型に広げた生地を投入
焼いてる間にクレームダマンドもつくって
型に入れてさらに焼き、そして冷やす
この合間にコンポートを手伝いたい。コンポートはいくらあってもいいのだ。そのまま食べられるしね
完成したタルトにコンポート乗せようて魂胆
スイーツは時間。めんどくさい過程を乗り越えて作り上げた頂
よく冷えたタルトにコンポートを放射状に広げてカスタードやサワークリームでデコレート

まあこんな感じのミーベルタルトかな
手間はかかるが見映えはいいはずだぞ
完成した他の人のスイーツを試食。当然ながら美味!

そういやかき氷機があるのだから
凍らせたミーベル削ってかき氷にするのもいいかもしれない?

  • 幸せ探索者
    クゥla0875
    放浪者16才|ネメシスフォース×セイント

「(ミーベル見つつ目を輝かせ)わあぁ…、とってもおいしそうだとクゥは思いますっ!」
「冬の為に干して保管…あっ、なんでもありません。クゥは今日はお仕事です、我慢します」

【心情】
はじめて見るミーベルに興味津々
みんなが作るデザートの試食も楽しみ!

【準備】
「よかったら皆さんで使って下さい♪」
>料理スキル
とても簡単なので飾り用にミーベルのコンポートを先に作っておく
多めに用意して他参加者にも自由に使ってもらえれば

【行動】
「これはとても美味しいデザートが出来るとクゥは思います!」
「(皆のも見つつうずうず)…美味しそう…」
ミーベルは種を取ってミキサーにかけてピューレ状に、
必要な材料と混ぜたらカップに入れて冷やし固める
ムースが固まったら、予め用意しておいたミーベルのコンポートを飾りとして乗せる

尻尾が他の人にぶつからないようにエプロンと一緒に動かないようにぎゅーっとしとく
冷やして固めている間等、時間が空いているときは他メンバーのお手伝い等買って出る

※アドリブ可/桃簾:開閉可

  • アイスの女神
    桃簾la0911
    放浪者22才|グラップラー×スピリットウォーリア

冷たいデザートと言えばわたくしの出番ですね(ぐっ
…食べる専門ですけれど
いえ、レシピ本を見て頑張ればきっとどうにか出来ます…出来る、はず
アイス教徒(でも今回はプリン)の名にかけて、美味しい冷スイーツを作ってみせましょう!

■準備
桃デザートのレシピ本
桃に近い果実ならば参考に出来ると考えて

■メニュー
ミーベルのヨーグルトプリン

■行動
髪は束ねエプロン着用
本を傍らに置き何度も確認しながら調理を進めていく
手際は良いとは言えないが一生懸命さだけは伝わる

機械クラッシャーでこれまで色々と壊してきた為、冷蔵庫の開閉が不安
『開閉可』と手伝ってくれる者、クゥや桜壱に開閉して貰い、本体に触れないように出し入れ

果実の皮と種を取りざく切りに「え、っと…こう、でしょうか(包丁使いが危なっかしい
牛乳に砂糖を入れて溶かし、お湯に溶かしたゼラチンを「す、すばやく混ぜる!(あたふた
ヨーグルトとレモン汁、ざく切りミーベルを混ぜ、器に入れて冷蔵庫へ
固まったら、ざく切り果実と潰した果実、ミントの葉をトッピング
コンポートを分けて貰えたら、薄切りにして綺麗に飾る
「ふう…(やり遂げ満足の表情
「…はっ!冷凍庫で固めればこれもアイスでは?(真顔

皆が作ったものを試食、幸せ
「やはり冷たいデザートは良いですね
女神も気に入り、きっと祭も楽しいものになります(微笑

手伝ってくれた者に感謝

  • 静寂を生み出す弾き手
    九重 陸la1069
    ヴァルキュリア18才|ネメシスフォース×スピリットウォーリア

アドリブ絡み歓迎

「おやつ作りだな!弟たちとよく作るから慣れてるぜ!
ヴァルキュリアなのだから料理も数値に正確に作るのかと思いきやそうでもない
大まかに用意して、後は味見しながら修正していくタイプ
「まあ俺は音楽も料理も、経験を基にやってるので割といつも雑っすね〜
流石に難しいものを作る時はちゃんと計量するし、今回は試作なので正解のレシピがあるわけでもないのだが

☆ミーベルのフルーツポンチの作り方☆
1 ミーベルの実を角切りにして褐変防止のレモン汁をかけ、ピューレにして砂糖とゼラチンを加えて固める
2 ミーベルの実を皮と種(ピンクに着色するため)、白ワイン、砂糖と一緒に煮て冷めてから皮と種を除き、実と煮汁をピューレにして同じく固める
3 上記のピューレゼリーとコンポートゼリーを四角く切り、生のミーベルも切り、大皿に入れてサイダーを注ぎ、ミントを飾って出来上がり!
※ゼリーはクラッシュしたり、ミーベルはクッキー型で抜いたりしても綺麗だぜ!
※大人ならサイダーと一緒に白ワインを加えても美味しいらしい。お酒は20歳からな!

「お店で出すなら一人分ずつ器に入れてもいいっすね。でもフルーツポンチはこうやって取り分けながら食べるのが、俺は一番楽しいっす
「食べた人の笑顔が見られると、作った甲斐あったな〜って感じるぜ

小さな王女様が、国を想って頑張ってるんだもの
俺も助けになれればいいな…!

『ミーベルとヨーグルトのアイスバー』
皮と種を取ったミーベルをミキサーでペースト状に滑らかにし、適量の砂糖と、少しゼラチンを混ぜたヨーグルトと、よく馴染ませる
アイスの具に、ミーベルの果肉を一口大に乱切りしたものを適量入れて型に入れ、アイスの持ち手になる棒を差し込み、冷やして固める

作る前に、少しミーベル自体の甘さを食べて確認して、甘すぎないように砂糖の量は調節するよ
ミーベルとヨーグルトの甘酸っぱさと、アイス本体とシャーベット状になったミーベル食感の違いを楽しんでもらえればいいな
ミーベルの美味しさいっぱいのアイスを、シンプルに、手軽に味わえるように考えてみたよ

皆の作ってるデザートもすごく美味しそう…♪(しっぽ振り)
手が空いてる時で、必要そうな時は、他の人のお手伝いもするね

試食しながら、色んなお菓子の話や、料理の思い入れを聞いてみたいな
元いた世界、俺が育った集落ではお菓子類なくて、甘いものと言えば果物だけだったから
この世界に来て色んなお菓子があるの知ったよ
初めて食べたアイスクリームもその一つなんだ
冷たくて、甘くて、色んな味があって美味しいよね!
だから今回もアイスにしようって思ったんだ
皆のお勧めのお菓子ってあるかな?機会があればそれも食べてみたいなあ♪

●まずは準備を

 エプロンを首から掛けて、背中で結んで。1人で結べない子は誰かに結んでもらおう。尻尾は邪魔にならないよう、エプロンの下でぎゅーっとして。
 髪が気になる人は三角巾もし。皆で手を洗って、消毒して。
 準備ができたら、楽しく料理できそうな音楽も流す。雰囲気は大事だからね。
 さあ──。

「レッツクッキン! ですねっ」

 桜壱(la0205)がそう声を上げ、頑張るぞ! と拳を上げる。ええ、と頷いたのは髪をきっちりと束ねた桃簾(la0911)。
「冷たいデザートと言えばわたくしの出番ですね」
 ぐ、と手を握るその腕の中には菓子のレシピ本。基本的に食べる専門の彼女だが、本を見ながら頑張ればどうにかなるはずだ。なってくれ。なってくれると信じてる。
「おやつ作りだな! 弟たちとよく作るから慣れてるぜ!」
「まかせろーいいもの作ったらー」
 九重 陸(la1069)と夜兎 響(la0509)はどうやら料理に手慣れている様子。彼らがミーベルを1個手に取るのを見て、バハルヤムト(la1742)もまた手を伸ばす。
 昔は投げられていたこの果実を、沢山の料理へ変えてしまおうという発想は王女のものらしい。小さな王女の、小さな願い。国の為を想ったその意思に、少しでも助けになるよう願わずにはいられなかった。
 ミーベルを見下ろすその視界に、ふと栗色の姿が入る。バハルヤムトの見ていたミーベルをキラキラと輝かんばかりの瞳で見つめるクゥ(la0875)だった。
「クゥ嬢、良ければどうぞ」
「! あ、ありがとうございます」
 思わず不躾に凝視してしまった、と頬を染めるクゥ。けれどバハルヤムトの瞳は優しくて、思わずクゥは差し出されたミーベルを受け取った。
「わあぁ……!」
 熟れた甘い匂い。桃に似た果物だと聞いていたが、こうして見ると正に桃である。
「とってもおいしそうだとクゥは思いますっ!」
「ねー。試しにそのまま食べてみよー」
 響が早速、とミーベルを人数分に切り分け──ようとしたところで桜壱が待ったを出す。
「Iに味覚を始めとした食事の機能は搭載されていません。I以外の方で試食して頂けませんか」
「おっけー」
 というわけで5等分にしていただきます。
「甘い……!」
「ん、味も桃っぽい」
 バハルヤムトが目を丸くし、響が頷く。これを以前は投げ合っていたのだというのだから勿体ない。
「冬の為に干して保管……あっ」
 ぱっと手で口を塞いだクゥ。なんでもありません、とふるふる首を横に振る。今日の彼女はお仕事に来ているのだ。そんな蓄えておきたいだなんて望みは我慢、我慢。

 試食を終えた一同はようやく菓子作りへ取り掛かった。まずは──。
「タルト台だー」
 と生地作りを始める響。対して他の面々は、

「「「ミーベルを切ろう」」」

 と、口にしてから皆が目を丸くする。異口同音なそれは、まず1つ目の手順だ。皮を剥いて、種を取る。そこまでは皆同じものの、そこからは微妙に異なるらしい。
「俺は角切りにするぜ!」
 意気揚々と包丁を入れたのは陸。手慣れた様子でミーベルを切り、褐色防止にレモン汁を振りかけた。対して桜壱は比較的大きめに。けれど何かとの大きさを見比べるようにじっとミーベルを眺め、大きいと思えば更に包丁を入れる。
「え、っと……ざく切り? こう、でしょうか」
 桃簾は少々危なっかしい手つきでミーベルを切る。隣にいた桜壱が「合っていますよ」と頷いた。
「そのままだと指が危ないよ。こういう感じ」
 そういって手の形を見せたのは反対側でやはりざく切りにミーベルを切っていたバハルヤムトだ。それを見た桃簾は見様見真似で、けれど先ほどより少しばかり安定する。
「~~♪」
 楽し気にミーベルのコンポートを作り始めたクゥの隣ではタルト生地を焼きつつ、クレームダマンドを作り始めた響の姿。スイーツ作りはパワーが大事と言わんばかりに、力強くボウルの中をかき混ぜる。
 不意に「あ、」と声を上げた響はクゥの方を見て。
「ねー、あとでコンポート手伝っていいー?」
「はい! よろしくお願いします♪」
 沢山作れば、それだけ皆でたっぷり使えるはずだとクゥは微笑む。そのおこぼれをちょいとタルトへ乗せたいわけだが、どうやらその分は十分に用意されそうだ。
 陸はその隣で鍋に火をかけ、ミーベルの実を皮や種、白ワイン、砂糖と一緒に煮詰めていた。綺麗なピンク色になったら自然に冷まし、着色用に入れていた皮と種を取り除く。
 その間に、桜壱はいそいそと3種類の何かを製氷機へ入れて。終われば次、とせわしなく材料を取って自らの定位置へ戻る。
「何を作っているのですか?」
「これはシロップです。ミーベルが充分甘そうなので」
 そう、自分は食べられなくとも皆の感想は聞いていた。とても甘そうな果実には、甘さ控えめなシロップが良いだろう。
 練乳と、砂糖控えめなシロップを作って。あとは製氷機の中身を待つだけとなった桜壱は、何か手伝えることはないかとキョロキョロ辺りを見回す。ふと視線を巡らせた先で、桃簾がレシピ本と睨めっこしながら、牛乳に砂糖を入れて溶かしていた。丁度ふつふつと泡が見えてきた鍋へ粉のゼラチンを投入して、溶かして──。
「す、すばやく混ぜる!」
 その手つきは洗練されているとは言い難いし、あたふたとしてちょっぴり危険も感じる。けれどそれ以上に一生懸命な姿が伝わって。
「桃簾さん、Iがお手伝いしますよ」
「あ……ありがとうございます」
 1人で作るより、2人で作る方ができることはずっと多い。椅子に乗って高さを調整した桜壱がレシピ本を読み上げ、桃簾はその言葉に従ってヨーグルトやレモン汁、ざく切りミーベルを混ぜた。
 クレームダマンドを作り終えた響はクゥとコンポート作りをバトンタッチ。クゥはミーベルをミキサーに入れ、ピューレ状にして行く。
「あら? バルトさんも同じことをしているんですね」
「本当だ。何を作るの?」
「ムースです! 最後にコンポートを飾りとして乗せるんですよ♪」
 ミキサーを止めたクゥはピューレ状となったミーベルと必要な材料を混ぜ、小さな器へ丁寧に入れていく。あとは冷蔵庫で冷やし固めるだけだ。
 バハルヤムトはと言えば、そこへ砂糖とゼラチンを混ぜたヨーグルトを入れて良くなじませる。専用の容器に余裕があるように入れると、ミーベルの果肉をひと口大にして容器へ追加。最期に木の棒を立てて、冷凍庫を開ける。
「この辺りはもう固まっていそうだよ──」
 その言葉と共に振り返ると、こちらへ一直線に向かってくる桃簾の姿にバハルヤムトは目を丸くした。
「桜壱さんっ!」
「了解致しました、冷蔵庫オープン!」
 桃簾の声に桜壱が続き、クゥも共に連携して冷蔵庫を開ける。そこへ冷蔵庫へ触らないよう細心の注意を払った桃簾が、綺麗に容器を並べたバットを収めた。
「冷蔵庫クローズ!」
「はいっ!」
 これまた良い連携を見せる桜壱とクゥによって冷蔵庫が閉められる。最後に「冷蔵庫、正常稼働しています!」と桜壱が報告して桃簾はふうと息をついた。その表情はとても満足気で、しかしまだ終わりではないから引き締めなければと心の内で気合を入れる。
 どんどん冷やされていくスイーツにクゥはそわそわうずうず。絶対どれも美味しいデザートになるだろう。

 ──さあ、試食の時間が近づいてきたぞ。


●れっつ・試食!

 ──そういえば、凍らせたミーベル削ってかき氷にするものいいかもしれない?
 なんて考えていた響。だが既に、それは実践されていた。

「お伺いしたいのですが、これは立って食べる事を想定していますか?」
 そんな桜壱の問いに店主である女性は頷く。やはり、と桜壱は用意していたものを取り出した。紙のカップである。
「これなら歩いて食べやすいですから」
 紙のカップは数種類用意してある。子どもなど、手が小さくても持ちやすいサイズを選べるだろう。
「それでは──」
 と桜壱がさらに用意したのは製氷機に入れておいた3種類のそれ。その内の1つをかき氷器へセットして。
「──削ります!」
 シャリシャリシャリ、と良い音を立てて落ちていくふわふわのかき氷。次に削ったのはさくさくしゃりしゃりとした食感に変えたそれだ。
 ミーベルをそのまま凍らせて削ったもの。ミーベルと天然水を混ぜて凍らせ削ったもの。ミーベルとヨーグルト、牛乳を混ぜて凍らせて削ったもの。
 3種類の味と、2種類の削り方。合計6種類のかき氷が完成した。
「お味、いかがですか……?」
 桜壱がおずおずと聞いてくる。5人と店主がそれぞれ食べると、皆別々に感想を漏らした。順番に回して食べて、それぞれの味を楽しむ。
「この中から1つに決めるんだな?」
 陸の言葉に桜壱は頷いて。それじゃあ──いっせーの、せ!
 最も指差されたのは果実をそのまま削った、ふわふわのかき氷。これから続くのはどうやらさっぱり系のスイーツで、1つくらい濃厚なひんやりスイーツがあるくらいがきっとちょうどいい。
「次は俺っすね!」
 と陸が続いて大きな器を抱えてくる。中に入っているのはサイダーに浮かぶ綺麗なゼリーとミーベル──フルーツポンチだ。
「そういえば、秤などは使っていませんでしたね?」
「ああ……俺は音楽も料理も、経験を元にやってるので割といつも雑っすね~」
 クゥの問いかけに小さく笑う陸。勿論やらねばいけないときはしっかりやるが、今回は試作なので正解のレシピがあるわけでもない。ならば大まかに用意して、味見しながら修正できるものを──と選んだのだろう。
「お店で出すなら1人分ずつ、器に入れてもいいっすね。こんなふうにクッキー型で抜いても良い感じっすよ」
 お玉で掬ったミーベルは星型。よく見ればピューレゼリーとコンポートゼリーは四角く切られているものもあればクラッシュしてあるものもあって、食感に飽きがない。
 先ほどの言葉に「でも、」と続けた陸は苦笑を浮かべて。
「俺、フルーツポンチはこうやって取り分けながら食べるのが1番楽しいっす」
「楽しいですか?」
「ほら、食べた人の笑顔が見られると、作った甲斐あったな~って」
 桜壱にそう返しながらせっせと器に盛る陸。そこへ冷凍庫から戻ってきたバハルヤムトが作った菓子を手に戻ってくる。
「フルーツポンチかぁ、食べるの楽しみだな! 僕は初めて食べたアイスクリームを作ってみたいなと思って、」
「アイスですか」
 ガタッと立ち上がったアイス教徒こと桃簾。バハルヤムトはニッコリ笑って「冷たくて、甘くて、色んな味があって美味しいよね!」と告げる。
「ええ、ええ。その通りです」
「だから今回もアイスにしようと思ったんだ。シャーベット状になったミーベルと、アイスの食感の違いが楽しめるといいな」
 どうぞ、と差し出されたアイスバーを受け取る桃簾。ひと口齧ってミーベルとヨーグルトの甘酸っぱさと、そしてアイスとシャーベットの食感に顔を綻ばせる。
「やはり冷たいデザートは良いですね」
 いつまでも食べていたくなってしまうような、そんなデザートだ。そして──そろそろ自分の順番が回ってくる頃で。
「お2人とも、お願いします」
「はい!」
「了解致しました!」
 クゥ&桜壱コンビが仲良く冷蔵庫オープン! ささっと目的の物を出し、ミントの葉と分けて貰ったコンポートを飾って皆の前へ出す。
「ヨーグルトプリンです」
 小さな器に盛られたプリンはとても滑らかで、コンポートの甘みが優しく口の中に広がる。
(ああ、これがアイスだったら良いのに──)
 なんて考えた桃簾、はたと先日の出来事を思い出した。
 機械クラッシャーな桃簾は冷凍庫を自ら開ける事ができない。しかし氷に塩をかけると急速に冷え、その過程でアイスを作ることもできるのだと教わったのだ。
 あの時は塩の加減が難しいと言われていたし、今すぐやってみてできるものではないかもしれないが──それこそ慣れれば、このプリンだってアイスになりえるのかもしれない。
「クゥたちで最後ですね! クゥはムースで、」
「私はミーベルタルトだー」
 クゥと響が出したそれらは、どちらもやはりコンポートが使われたもの。ミーベルコンポート、大活躍である。
 クゥのムースはコンポートがアクセントとなって甘さを引き立てている。響のタルトはコンポートの甘さに合わせてクレームダマンドの甘さは抑えめになっていた。
「手間はかかるが見栄えは良いはずだぞ」
 一切れずつにして、紙に包んで売れば食べ歩きも出来るだろう。響は得意げにそう語って。

「女神も気に入り、きっと祭も楽しいものになります」
 冷たいスイーツに桃簾は満足気に微笑して、店主も同じように微笑む。けれど、そこへ少しの苦笑を混ぜて。
「どれもこれも美味しくて……困っちゃいますね。こうなったら全部屋台でお出しして、『空と海と大地の交わるところ』と併せて沢山の人に食べてもらいたいです」
「『空と海と大地の交わるところ』?」
 ライセンサーたちが顔を見合わせる。店主はそう、と頷いた。なんでも、エオニア島で僅かに産出しているコショウをふんだんに使った伝統料理なのだと。
「他のライセンサーにお願いしているはずなんですよ。王女が作って披露するのだそうです」
 伝統料理を食べたことがある者はごく僅か。そんな料理もこのスイーツと共に並ぶかもしれないのだと言う。
(王女様も頑張ってる。俺も助けになれたかな……?)
 なれていたら良いと、思わずにいられない。バハルヤムトは厨房の窓から外を見て、小さく目を細めた。

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重体者一覧

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参加者一覧

  • 人を助けるヴァルキュリア
    桜壱la0205
    ヴァルキュリア10才|
    セイント×ゼルクナイト
  • どマイペースうさぎ
    夜兎 響la0509
    放浪者20才|
    スナイパー×セイント
  • 幸せ探索者
    クゥla0875
    放浪者16才|
    ネメシスフォース×セイント
  • アイスの女神
    桃簾la0911
    放浪者22才|
    グラップラー×スピリットウォーリア
  • 静寂を生み出す弾き手
    九重 陸la1069
    ヴァルキュリア18才|
    ネメシスフォース×スピリットウォーリア
  • 前を向いて見つけた道
    バハルヤムトla1742
    放浪者18才|
    グラップラー×セイント

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