オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【甘薔】癒しの香りと共に

【甘薔】癒しの香りと共に 石田まきば

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
恋愛 日常 
参加人数
83~8人
予約人数
10010100
基本報酬
200000G
200SP
2000EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
3
締切
2020/02/14 12:00
完成予定
2020/02/29 12:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●名物をつくりたい!

 エオニア王国内にあるリゾート施設「ランテルナ」は、昨年末に正式営業を開始したばかり。
 モニターを依頼したり、意見を募集したりと立ち上げからライセンサーには縁のある場所でもある。
 施設内には売店があり、コンビニエンスストア並の品ぞろえに加え、エオニア王国のお土産も置いてある……のだけれど。
「ランテルナ限定の品物がない!」
 これに尽きるのである。
 勿論ランテルナには、ここでしか楽しめない名物はある。
 代表的なのは一年中薔薇が楽しめるローズガーデンだろう。コテージからでもその咲き誇る様子が楽しめるほど。
 薔薇の花弁を使った薔薇風呂を楽しむサービスだってあるくらいで、この施設では薔薇に関わる様々なものが重要視されていることがわかるだろう。
 しかしそれらはこの場に来なければ楽しめないサービスであって、物品ではないのである。
 ランテルナを訪れたのに、エオニア王国の土産を買って帰る、王国の外から訪れた客には良いけれど、出来れば王国内でもランテルナへの興味を、その知名度を高めたいのだ。
 利用者からの評価や宣伝で、この場所に興味を持ってもらうことも可能だけれど。まだこの施設は数ヶ月やそこらの時間しかたっていない。
 出来ればこの場所をより近しく感じてもらえるような品物があれば、より、宣伝効果もあるのではないか……というのが、運営を担う者達、そして売店で働く者達の意向である。
「ランテルナ土産ってないの?」
 そんな言葉を、お客様から直接向けられるのは売店スタッフ達である。
「近々売り出しますので」
「開発中です」
 なんて言葉でやり過ごしてきたけれど……そろそろ、そんな言葉を言い続けることが辛くなってきたのである。
 開発中なのは本当だ。けれど、まだまだ発展途上中の施設。進めるべき個所が多すぎて、どれもが形になるまでどうしても時間がかかってしまうのである。
 何よりサービスと違ってお土産は、すぐに反応がもらえない、なんてことも当たり前なものだから、他以上に慎重になってしまうのである。
「そろそろ形に出来る話があるって聞きました!」
「モニター体験してもらって、そこで直接反応を貰えばいいじゃないですか!」
 道理である。
 売店スタッフ達の強烈な突き上げ……ではなく、切実な訴えにより、一つの企画が次のステップへと進むことになったのだった。

●アロマキャンドルに決まるまで

 ランテルナでは、オイルマッサージのサービスが受けられる事を知っているだろうか。
 使われるオイルは主に二種類。ローズガーデンがあることに紐づけたローズオイルと、エオニア王国であることに紐づけたミーベルの種のオイルである。
 この施設でしか楽しめないこのアロマを、家でも手軽に楽しみたいという声から立ち上げられたのが、このアロマキャンドルの商品化である。
「バレンタインシーズンですし、チョコレート関係、カカオのオイルも用意しました」
 折角なら季節ごとに違った香りを使おう、というイベント性を考えた結果だ。まだ別の季節にどのオイルを使うか、と詳細までは決まっていないけれど。
「気に入った香りを自分の為に選んだり、誰かに贈るために選んだり、その人にとって“一つだけ”のアロマキャンドルを作ってもらう、というのがコンセプトです!」
 開発担当のスタッフが何やら熱弁している。どうやら実際の体験でもこのスタッフが講師を務めるらしい。
「基本の材料については、1個分ずつこちらで計量したものをお渡しします。モニターの皆さんは、“一つだけ”にするために必要なことを考えて頂けると嬉しいです!」
 もちろん、制作体験上で気になる部分があれば指摘も提案も是非、と意気込んでいるので、ただ作るだけの仕事にはならないだろう。
「あくまでもモニターなので、今後使えそうなもので、すぐに集められるものを出来るだけ集めてはいるのですが……」
 型が人数分とはいえ一種類しか用意されていない等、一部に影響が出ているようだ。
 それでも簡単に利用できるからと着色用のクレヨンを用意したり、ラッピング用品を揃えたりはしてある、強引に捻じ込んだ空気もあるが、そこはこのスタッフの熱意の賜物だろう。
「そのうち、必要な物を数多く仕入れられるようになるのが目標です、まずは軌道に乗せなければいけませんしね!」

●用意されているもの(概要で抜粋)

 アロマキャンドルの材料
・キャンドルのベース(ロウの部分、一個分ずつ計量済み、このまま湯煎で溶かせばOK)
・アロマオイル(ローズ、ミーベルの種、カカオの三種類)
・キャンドル芯(火をつける部分)
・クレヨン(着色用、ロウを溶かす際に混ぜる)

 アロマキャンドル作成用の道具
・各種ボウル(湯煎作業用)
・ヘラ(かき混ぜ用)
・キャンドルの型(基本の円柱タイプ、繰り返し使えるシリコンタイプのみ)
・割り箸(芯を固定するため)
・カッター(削るため)

 デコレーション&ラッピング用品(店で目についたものを全種類1セットずつ購入してかき集められたと察せられる状況)
・転写シール
・包装紙
・透明なシート
・袋
・リボン
・シール
・カラーペン

*目的
アロマキャンドルの制作

モニターとしての体験参加、ということなので報酬が出ます
王国はナイトメアが出る土地の為、
ライセンサーとして「いるだけで警備が強化される!」みたいな扱いでもあり通常額です

楽しく作ってもらえれば普通に成功します
追加案等、今後の発展に関わる提案が一定数集まると成功度が上がります

*場所
ランテルナ内
管理棟にあるセントラルキッチン

お湯や道具類が必要なので、空いている時間に間借りする形です
背景で働いているだろうキッチンの従業員のことは考えないで大丈夫です(描写予定はない為)

*アロマキャンドル作り
簡単に記すと、以下の通りです

(1)基本の材料を湯煎で溶かす
(2)香りを選んで混ぜる (ミーベル、ローズ、カカオの三種類限定)
(3)芯と一緒に型に入れて固める

オープニングに記載されている各種材料を利用してアレンジが可能
完成品はお土産としてお持ち帰りできます

※ 実際のアイテムとしての配布はありません。思い出(リプレイ)のみですのでご了承ください

*NPC
有紗を関連付けていますが、万が一何か疑問があった時のための対応用です

開発スタッフの「リー」
オープニングでは「スタッフ」としていますが、便宜上名前を付けておきます
リプレイで描写の必要があった場合に文字数圧迫を避ける為です

*白紙はリプレイに描写できません、ご注意ください
参加したらとりあえず『アロマキャンドルを作る』とだけでも送信しておきましょう

こんにちは、それともこんばんは、石田まきばです。

ランテルナのお土産に、現地で作った唯一の品を……なんていかがでしょうか。
チョコレートだと勇気がいるけど、お土産と言う体で手作りの品を渡す……なんて切欠にも。
バレンタイン要素が強引?
……気にしてはいけません。

スケジュール調整の都合で、リプレイの納期を延長しています、申し訳ありませんがご了承くださいませ。

それでは、よろしくお願いします。

姉ちゃん(雨宮 紗月)と一緒にやってきましたランテルナ!
姉ちゃんと一緒にアロマキャンドルを作るなんて初めてだから楽しみ!
一目惚れしたあの人に振り返ってもらうチャンスなんじゃないかな
ここでオリジナルのアロマキャンドルを作ってあの人にプレゼント出来れば僕も一歩前進できるかも

(ふと横の姉を見ると同じく絶賛片思い中の姉が何を考えているか大体察する)
「姉ちゃん、たぶんだけど姉ちゃんの片思いは僕よりハードル高いと思うよ。主に父ちゃん的な意味で」

アロマキャンドルを作った経験ゼロ、知識ゼロなので色々試行錯誤
「どうすればいいのか分からない時は全部試す! 挑戦しなければヒーローじゃない!」
傍から見れば遊んでいるように見える可能性(試しすぎて全部混ぜにも挑戦し大失敗)
「僕の個性を感じてもらえるようなキャンドル。と言ったらやっぱりヒーロー。よし、ヒーローっぽいカッコいい色のキャンドルを……え、派手なのダメなの姉ちゃん?」
「父ちゃん、女の人は僕が思っている以上に難しいみたいです。ヒーローになるだけじゃダメなのかな?」(多分ダメだねぇという幻聴が聞こえた気がしる)

散々思考錯誤した結果憧れの人のイメージに近いかもしれないローズをベースに淡い桃色のキャンドルを作ることに決める
作るときは全身全霊で、想いを込めて
「あの人に想いが届きますように届きますように届きますように!」

  • コドモ(おとな
    雨宮 紗月la0950
    人間17才|ネメシスフォース×セイント

【心情】
年上の思い人を振り向かせるためには相当な努力は必要だと思います。
服装、お化粧、香り…学ぶべきものが多すぎます。

【作るキャンドル】
カカオのアロマキャンドルをチョイスします。
色は淡い蒼

カカオって言われるとなぜか赤とかピンクのイメージがわきますが、あの人と言ったら絶対蒼の方があっていると思います。
本当はイランイランとかあったらそれにして、私の事を大人の女性として見てもらいたかったけど、それは別の機会にしてもいいかなぁって思います。
まずは真心をこめて、あの人にだけを考えて仕上げたい。
そういえば…あの人は甘いものが好きだっけ?
機会があればお父さんに聞いてみよう……素直に答えてくれるとは考え難いが(

【過程】
それなりにうまく作れると思います。
弟はよくわからない香りの混ざり方をしますね…
「陽羅、いい加減に絞りなさい。あんな全部一遍に入れたら代えて臭くなるわ」
「あ、プレゼントなら、ヒーローみたいなド派手な色だけは避けなさいよ」
ねぇ、聞いてる?
という遊びに夢中になりすぎる弟を放っておく

女の子を振り向かせたいなんてねぇ…
親があんなバカップルで幸せなのに、どうして姉弟揃って片思いなんだろう…

同行者:真名(la3421)

●目的
アロマキャンドルを作る
でもって、真名に渡すよ。
私の大好きな恋人さんなの。今回、誘ってくれたんだよ。えへへ♪

●行動
真名と一緒にキャンドルを作成。
実はこういうのって初めてなの。だから、結構ワクワクしてるや。
上手く出来るといいなぁ・・・。
色彩や形、香りなどとあれこれ考えたいな。真名は何か作りたい感じのものってあるかな?

真名をイメージに、桜をモチーフとしたものを作る。
華があって心地よくて、でもってね。とっても綺麗なんだよ♪

オイルはミーベルの種。色彩はピンクに合わせ、完成後にリボンとシールで飾り付け。
出来上がったら、贈呈用の透明な袋に、太い糸状のカラービニールを鳥の巣のようにして入れ、ラッピング。
真名にあげるなら、ちゃんと綺麗にしたいもんね。

「というわけで・・・はい! 真名にプレゼント。どうかな?」

「それと、ね? (手を引いて唇を重ねて)ハッピーバレンタイン、だよ。
 あぅ・・・もう・・・や、やっぱりこれ、かなり恥ずかしい、かも・・・」

  • 煉獄を征く者
    真名la3421
    放浪者15才|ネメシスフォース×グラップラー

【同行者】ミリート・フォーティア(la3415)
関係は恋人。

一緒に参加して、二人で並んで楽しみながらアロマキャンドル作成を。
ミリートをイメージして作るわね。

お話しながら和やかに。
ミリートはどんなのを作ってくれるのかしらね、楽しみ♪

ミリートのイメージは…そうね、陽だまり。
いつでもほんわり暖かく包んでくれる。
それに草原、かな。日向ぼっこするのが心地よいし
そんなことを思ってちょっと照れながらそれを意識して作ってみるわ。
色は草原を意識してグリーンをベースに。
ピンクか悩むけど…
香りは…ミーベルかな。
どこかで桃みたいな味がするって聞いた覚えあるから香りも近い気がするし。
実際かいでみて、必要なら混ぜ合わせて試して柔らかな香りになるように調整。
最後は赤いリボンで包む様にトッピング。
私が赤を好むから、それで包む、みたいな…
…なんだか意味深になったわ…

あんまり商品としての参考になるもので無い気がするから申し訳ないけど、ミリートだけに作ったからそれもいいわよね?
あ、でもアイデアとしてヴァレンタインにちなんで好きな相手に贈るイベントとして良いのでは無いかしら?って提案してみようかな。

  • 煉獄を征く者
    ルシオラla3496
    放浪者23才|ゼルクナイト×グラップラー

■同行
鈴蘭さんla3693
保護者代わり
■心情
(バレンタインの風習を知られていてもおかしくないですし、あからさまでないものを渡せるのは都合がいいですね)
女性として贈り物をしたい気持ちはあるが意図・想いを知られたくない
アロマキャンドルなら使えば無くなる
これぐらいが丁度いい
■行動
カカオオイルにキャンドルの色を変えて層を作り
リボン、シールで飾り包装紙でラッピングしケーキのように
バレンタイン要素を薄れさせるためミーベルの花模様で飾る
「この国の名産品のようです。鈴蘭さんも作ってみますか?

作ったキャンドルは鈴蘭さんと交換
「アロマオイルのお陰でいい香りがすると思いますよ。適当に、そう眠れない日とかに使ってください
「…ありがとうございます
貰った物はすごく大事にする
自分のために考え作ってくれた事は特別な感情が無かったとしても嬉しい

蝋にミーベルの花や果実そのものを固めたキャンドルを作りたいが
できないなら今後の企画に採用してもらえるよう提案
「飾れた方がおしゃれで楽しい…かも、しれません

  • 成長中?
    路傍の毒la3693
    放浪者10才|スナイパー×ゼルクナイト

「あろまきゃんどる! なるほど、蝋燭もただ灯りを求めるだけのものではないのですか」

◆同行
ルシオラさん(la3496)
「では、完成したら交換ですね! 楽しみです」
ご友人ですとも

◆キャンドル
香りはローズ
黄とオレンジをメインに色付けした蝋を花弁のように閉じ込める
まるで透明な蝋燭の中に薔薇が沢山入っているように
最後に丁寧に、花束に見えるようにリボンを結ぶ

◆行動
手先を使う作業はあまり得意では無いが心は真剣に
集中からだんだん口数も減ってくる
「と思ったけどやっぱり上手くいかないのでーす!」
「子供の身には少々難しいのでは無いでしょうか!」(※不器用なだけ
煮詰まったらそっとEXISを起動して成長した姿になる
むむむ、せめて花束に見えるように頑張りたい……

バレンタインのことはよくわからなかったが
この仕事を受けて、実はほんの少しガイドブックを読んだ
「確か男性から女性へ花を贈る日だと伺いました。ええ、ええ」
だからルシオラさんの目の色のような金色の薔薇を閉じ込める
それが自分の目の色も同じであることには気付いていない

出来たらどんな出来であってもルシオラさんへ贈る
「いえ、傷付けるしか脳のない手腕でありますが、
なるほどこういうことも出来ると思うと少し、嬉しくなってしまいました」
「ふふー、ありがとうございますルシオラさん! ずっと大事に取っておきますね!」

〇作るキャンドル
アロマ:ミーベル
形:星型(シリコンカップ使用)
色:蒼系のグラデーションになるように、複数のクレヨンでマーブルに


アロマキャンドルって、こんな風に作るのね!
世界に一つだけのアロマキャンドル…素敵ね
誰かを想って作るのも、自分の為に作るのも、想いを込めるものは何であれ唯一無二で、特別よ
僕は…そうね、上手にできたら、贈り物にしてみようかな

初めて作るから、綺麗にグラデーションになるか心配…
でも、あまり深く考えないで、直感を信じるのがいいのかしらね、こういうものは

(蝋を固める時間に、そっと他の参加者達の様子を見渡し)
…うん、一生懸命の気持ちがきらきらして、素敵(そっと微笑み

さあ、仕上げに小さな星模様の転写シールを貼り付けて…
名付けて、『星夜にミーベルの見る夢』よ♪


観光客向けのお土産?
そうね、このアロマキャンドル作り体験も、予約制とかにして行っても良さそうだけれど
ランテルナはローズガーデンも素敵だし、薔薇の花びらをドライフラワーにして入れたローズアロマは、王道かしらね?
ローズティーとか、ミーベルの風味のハーブティーとか
クッキーやマフィンなんかのお菓子もいいかも
此処にしかないもの、思い出になるものがいいわよね
まずホテルで提供して、気に入ったらお土産にもできるように売店で売るのはどうかしら

  • 敏腕執事
    ウーズィla4028
    ヴァルキュリア26才|ネメシスフォース×セイント



ローズのキャンドルを作る
自身の仕えるお嬢の為に作るたった1つのキャンドル
「あの方には…お嬢には…薔薇の似合う淑女になって頂きたいですから…

キャンドルの色は赤。赤色はお嬢の瞳の色
けれど鮮やかな赤ではなく、少し紫も混ぜて深みのある赤に
「まだ早過ぎますかね、ミニ薔薇のようなお嬢には(くすくす

ラッピングは透明なビニールに包み、巾着のようにリボンで纏める
リボンは様々な赤系の細いリボンを使用
シンプルながらも華やかさも少しだけ添えて…



「鈴蘭さんも作ってみますか?」
 ルシオラ(la3496)の声に目を輝かせた路傍の毒(la3693)はぶんぶんと首を縦に振り、続くルシオラの提案も快諾。
「では、完成したら交換ですね! 楽しみです」
「アロマオイルのお陰でいい香りがすると思いますよ。……眠れない日とかに使ってください」
 気持ちの上ではバレンタインの風習として。表向きは体験を楽しむ趣向として。
(あからさまでないものを渡せるのは都合がいいですね)
 これぐらいが丁度いい。

「誘ってくれてありがとうね?」
 上手く出来るといいなぁとはにかみながら、ミリート・フォーティア(la3415)は隣に座る真名(la3421)を見つめている。
(大好きな真名に渡すんだから、これしかないって思えるものを作らなくっちゃ)
 恋人に、それだけで想いが伝わるようなものを作りたい。
「真名は何か作りたい感じのものってあるかな?」
「私? そうね……」
 少しの間にそわそわと尻尾が揺れる。
「ミリートをイメージして作るわね?」
「っ!?」
 ピンと耳がたって。真名に神経の全てが向かってしまう。
「ミリートはどんなのを作ってくれるのかしらね、楽しみ♪」
「はやぁ~……真名、もう、ずるい……っ!」



(世界に一つだけのアロマキャンドル……素敵ね)
 蒼系のクレヨンを少しずつ粉にして、グラデーションを作るための準備を進めているのがツィー・プラニスフェル(la3995)である。きっちりと層を分けるか、それともあえてかき混ぜてマーブル状にするか。丁寧に削りながら考える。
 他の皆は誰かを想って作っているらしいと気付いてからは特に、こうして想いを込められるものづくりに特別なものを感じる。
(勿論、自分の為に作るのだって、唯一無二)
 ならば自分は?
「……上手にできたら、贈り物にしてみようかな」
 ミーベルの香りに包まれて、誰にともなく微笑んだ。

 溶かしたロウを、小さなボウルに分けて。それぞれに違う蒼を溶かし込んでいく。すぐにお湯の上に浮かべれば、途中で固まることもない。
 綺麗なグラデーションになるだろうかと心配もあるけれど。
「あまり深く考えないで、直感を信じるのがいいのかしらね、こういうものは」
 だからこそ、たった一つの特別になるのだとツィーは信じている。

(私が贈るなら、勿論あの方だけですから)
 迷わずローズオイルを選んだウーズィ(la4028)は、いつか訪れるかもしれない未来を想像して薄く微笑む。
 ウーズィ自身が仕える唯一のお嬢の為なら、他のものを選べるわけがなかった。
「あの方には……お嬢には……薔薇の似合う淑女になって頂きたいですから……」
 香りの強さは量で整えると聞いてから、サンプルとして示された完成品の香りをじっくりと確かめていく。

(あの人と言ったら絶対蒼の方があっていると思います)
 想い人を思い浮かべながら、目指す淡さになるように蒼の粉を混ぜていく雨宮 紗月(la0950)。選んだ香りはカカオだけれど、それはバレンタインシーズンだからだと、そんな理由をつけておく。
(本当はイランイランとか……)
 大人の女性として意識してもらうための香りを思い浮かべるけれど、今その選択肢がないのだから仕方ない。それは別の機会にすればいい。
(それを提案してみるというのもあり、かなぁ)
 別の機会に繋げるのがまたここのキャンドルになるのかはわからないけれど、同じように考える人はきっと他にもいると思うのだ。モニターとしてのお仕事を思い出して、妙案だ、と微笑んで。
(でも、今は)
 あの人に贈るため、それだけを考えて仕上げなくては。
 甘いものが好きだっただろうか。そう思いながらも鼻腔を擽る香りはやはりチョコレートのように甘い。父なら知っているだろうかと首をかしげて……返答が返ってくる可能性は低いな、と気が付いてしまった。

(他じゃ絶対にないようなオリジナルのアロマキャンドルを作れれば)
 プレゼントする瞬間の緊張を棚上げした雨宮 陽羅(la0949)は、まだ目の前に揃えられただけのキャンドルベースを前に口元がにやけている。
(一歩前進できるかも!)
 一目惚れしたあの人に振り返ってもらうチャンスだと、今日を楽しみにやってきたのだ。モニターということよりも、完全にプレゼント作りに意識が向いてしまっているのだが、そこはきっと同行している紗月のフォローを期待するとしたものだろう。
「姉ちゃん」
 ふと、隣の姉に声をかける。同じく片思い相手のいる姉が今、何を考えているか気付いてしまったから。
「多分だけど姉ちゃんの片思いは僕よりハードル高いと思うよ」
 あの人だから、というよりも。父親という障害が立ちはだかるだろうから。

 そんなことはわかっている。
「……陽羅、いい加減に絞りなさい」
 三種類のオイルを少しずつ混ぜては嗅いで、嗅いでは混ぜて。どんどん強くなる香りに少しくらくらしてきた。
「どうすればいいのか分からない時は全部試す! 挑戦しなければヒーローじゃない!」
 試行錯誤は大事だろ、と頬を膨らませる陽羅につい溜息が零れる紗月。
「今、いい香りを通り越して臭くなってるわ」
「えぇっ!?」
 混ぜていた本人は結構気付かないものらしい。
「一度外に出て、深呼吸してから戻ってらっしゃい」

 ルビーのように輝く対の赤を完璧に写しとれるなんてことは言わないけれど。
 キャンドルの色付けに選んだ赤は鮮やか過ぎないよう、見慣れた色を、紫を少しばかり混ぜておく。
 深みのある赤にすることで、いつかなり得る理想の淑女を演出する。
 それは確かにお嬢の瞳の色で、きっと憂いを帯びた大人の瞳に見えるだろうけれど。
「まだ早過ぎますかね、ミニ薔薇のようなお嬢には」
 天真爛漫に笑う笑顔を思い出して、目を細めるウーズィ。彼女を思い浮かべるキャンドルの前だからか、小さく笑い声が零れた。

 黄に、オレンジ。二つの暖色をベースに少しずつ、色合いが違うものを揃えて。けれどそれらは皆少量だ。ロウの大半はベースの淡い白のまま。
「これじゃ駄目でーす!」
 始めに流し込む土台部分が予想より多いことに嘆く鈴蘭。一度取り出して溶かし直せばいいけれど、多難が伺える。
 二回目は全てスプーンですくって少量ずつ。
 白、白、黄、白、黄、黄、オレンジ、白……
 少しずつ、色を薄く広げるように、注ぎ込む度に傾けて冷ます。断面全てに広げるのとも違う。
「……っ」
 注ぐ量が少ないから、固まるのも早くて助かる。けれど。
「子供の身には少々難しいのでは無いでしょうか!」
 不器用だという事実からは目を背ける。実際、小柄なせいでスプーンを持ち上げる時は椅子から立ったり座ったり、忙しい、上から覗き込まないと狙い通りにロウを注げないから妥協も出来ないのだけれど。
「……こうなったら!」
 戦うわけではないけれどEXISを起動する。それくらい煮詰まったし、あとはなかった。
 実際、成長した姿なら体勢移動もないので、随分と楽になったのは言うまでもない。

 予想以上にチョコレートの香りがするカカオオイルに緊張するけれど、これはキャンドルだからと自分に言い聞かせながら色を選ぶ。スポンジは淡い黄色、赤やオレンジのフルーツカラーをいくつか其々少しだけ。ホイップの白はミルキーなものを。チョコレートクリームを添えてもいいだろうか、と茶色をいくつか混ぜ合わせる。
 其々の色を、考えていた通りの順番で美しい層に仕上げていく。スポンジにホイップとフルーツを挟んで、トッピングするのはチョコレートクリーム。
 シールはカットフルーツを模したものがいいだろうか、層に近い色のものを選べばよりケーキらしくなっていく。仕上げのリボンは苺のように鮮やかな赤。
 そこまで作り上げてから、バレンタインらしさを薄れさせるためにルシオラが選ぶのはミーベルの花模様。写真を借りて、ペンで描いて。ケーキを覆うフィルムの模様だというように。

 もともとが幼馴染同士だ。互いの好きなものも、苦手なものも、きっと当人が自覚しているものと同じくらい、もしくはそれ以上に相手が知っているだろうと、そんな自信もある間柄。
(その上で改めてイメージするなら……そうね、陽だまり)
 いつでもその柔らかな光がほんわり暖かく包んでくれる。
(それに草原、かな。日向ぼっこするのが心地よいし)
 受け止めてくれる大地があってはじめてその暖かさを受け入れられる。ミリートと抱きしめ合った時の温もりを思い出して、真名の頬が淡く染まる。
 草原のグリーンをベースにすれば、どこまでも駆けて行けそうな元気な様子を示しているようで。ピンクに迷いかけた手が止まった。
 そのピンクはミリートの手の中に移動していく。
「真名のイメージならこれだよね♪」
 少し整えないといけないけれど、と笑うミリートが真名の頬にクレヨンを寄せる。 
「そう、かしら?」
「華があって心地よくて、でもってね。とっても綺麗なんだよ♪」
 桜をモチーフにするから。そう微笑んで真名を見つめるのだ。

「……本当だー!?」
 姉に言われた通りに戻って見れば。確かにこれは臭い!
「プレゼントなのよね。ヒーローみたいなド派手な色だけは避けなさいよ」
 ショックで呆然としているところに振ってくるのは姉の助言だ。
「え、派手なの駄目なの姉ちゃん!?」
 僕の個性を感じてもらうならやっぱりヒーローだと思っていたのに。しかし姉の言う事が外れるなんて陽羅は思わない。だから助言はしっかりと受け止めるつもりだけれど。
「……父ちゃん、女の人は僕が思っている以上に難しいみたいです」
 ヒーローになるだけじゃダメなのかな? ヒロインになりたいって思うものじゃないのかな?
(あ、脳内の父ちゃんがダメだねぇって言ってる……そっかー)

「あの人に想いが届きますように届きますように届きますように!」
 ローズをベースにした淡い桃色のキャンドルを前に、ぶつぶつと呪文のように唱えている弟を眺める。
(女の子を振り向かせたいなんてねぇ……)
 姉として感慨深いと言うべきだろうか?
 それにしても。
(どうして姉弟揃って片思いなんだろう……?)
 あんなバカップルの両親のもとに生まれてきているというのに。なかなかうまくいかない現状に溜息が零れてしまうのだった。

「ミーベルなら、桃みたいな味がするって聞いた覚えもあるし」
 実際に香るオイルを試して、少しだけ量を抑える。強い香りでは違うのだ。確かに愛しい恋人だけれど、苛烈なのは、どちらかと言えば……
(やっぱり赤よね)
 固まったキャンドルをそっと持ち上げて、表面が滑らかになっていることを確認して。選び抜いた鮮やかな赤いリボンをくるくると巻いていく。包むように、ほんの少しだけ、隠すように。納得のいく結び方になるまで幾度か結んでは解いて、試して。
(私が赤を好むから、それで包む、みたいに)
 どこまでも駆けていける自由な貴女の事が大切で。側には、いつだって私が。
(……なんだか、意味深になったわ……)

 ミリートが選んだのもミーベルのオイル。桜の花弁を思わせる淡い優しい色にするために、慎重に色を溶かし込んだキャンドルの色はあえて均一ではなくマーブル状。
(照れた時の頬の色とか)
 暖かいと、より感じられる時の真名を思い浮かべた結果だ。
 シールの山から探し出すのはやはり桜。
「……うーん?」
 ちらりと真名を見てから、樹の幹を思わせる茶色のリボンを飾り付ける。それは同時にミリートの色。
 緩衝材として使うのは太い糸上のカラービニール。鳥の巣のように丸く形を整えてから、キャンドルの一番良いアングルが見えるようにして、透明な袋へと入れた。

 目的のシールを探すのは、蝋を固めている時間。
 まだ賑やかな空間をそっと見渡せば、それぞれの想いが香りとともに広がって見えるようで。
(……うん、一生懸命の気持ちがきらきらして、素敵)
 気付かれないように、すぐに視線をシールの山に向けて、星の模様を見つけ出す。
 そのツィーの唇は、確かに微笑みの形を描いていた。

 いつか鏡の中で見つけるだろう、未来の淑女に。
 透明なビニールに包まれた落ち着いた赤のキャンドルは巾着の形に整えられてからリボンで留められていく。
 今はまだ、このキャンドルのようにシンプルで、素朴なままでも構わない。
 いつか素晴らしい華を咲かせるその時に、満開の薔薇のように誇れる貴女であればいい。
 袋を閉じるリボンは、色味の違う、けれどいく通りもの赤。細いリボンをいくつも束ねて結び付けている。
 リボンそれぞれが光を跳ね返し、瞬きを誘う。
 それだけで、小さな薔薇が添えられたように見えるから。ウーズィは出来栄えに満足して頷くのだった。



「はい! 真名にプレゼント。どうかな?」
 綺麗に包めているかな、と伺ってくるミリートが愛しい。見惚れている隙に、近付いてきていて。
「……っ」
 気付けば唇が重なっている。
「ハッピーバレンタイン、だよ」
 きっと始めにからかった意趣返し。でも、これじゃご褒美だ。
 まだ近いままだから、真名からも唇を重ねる。触れあわせるだけだけど、ミリートからのそれよりも少しだけ、長く。
「……ハッピーバレンタイン、ミリート」
「あぅ……や、やっぱりこれ、かなり恥ずかしい、かも……」

 約束も出来ていたのに、交換の瞬間はどうしても緊張してしまう。
「確か男性から女性へ花を贈る日だと伺いました。ええ、ええ」
 上手く花束に見えますか、とローズの香りを差し出し笑う鈴蘭の瞳の色も、ルシオラの瞳の色も同じ。キャンドルの中で綻ぶ薔薇の色は、陽にかざせばきっとより近い金に輝くだろうけれど。
 丁寧に結びつけられたリボンを解かないように、そっと抱きしめる。
「……ありがとうございます」
 特別な感情ではなくても、この日を意識して自分の為に作ってくれたものは特別で、間違いなく大事にすべきものだ。
「いえ、傷付けるしか脳のない手腕でありますが。なるほどこういうことも出来ると思うと少し、嬉しくなってしまいました」
「とても素敵な手腕ですよ、鈴蘭さん」
 差し出す手が震えないように気をつけていたけれど、その笑顔があれば、安心できる。
「ふふー、ありがとうございますルシオラさん! ずっと大事に取っておきますね!」
「使わなかったら、意味が……っ?」
 でも、自分もきっと。大事にしすぎて使えないような気がするのだ。


 やはりローズガーデンに絡めた薔薇にまつわる話が多く寄せられる。
 ローズティーやお菓子などの飲食はセントラルキッチンに早々に話が行ったようだ。
 キャンドル作り体験は予約制にすることで予測しやすい体制にするだとか。
 実際に土産にする前に、ホテルでのサービスとして反応を見てからという運用方法まで。
 どれだけの案がこのランテルナで花開くのか、今後に期待、といったところだ。

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