オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【WW】壁耳水メ 大鯨の海─戦域対潜戦

連動 【WW】壁耳水メ 大鯨の海─戦域対潜戦 柏木雄馬

形態
ショート
難易度
難しい
価格
1500(EX)
ジャンル
WW バトル  
参加人数
106~10人
予約人数
10010100
基本報酬
210000G
210SP
2100EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
3
締切
2020/01/20 23:00
完成予定
2020/01/30 23:00
機体使用
関連シナリオ
-

 南米某所で行われていたSJ-02『メアリー』への機種転換訓練は(なんだかんだありつつも最終的には)つつがなく終了した。
 元々、陸戦においては精鋭として知られた熟練パイロットたちである。一度、水中での動き方のコツを掴んでしまえば適応は早かった。
 訓練を終えた彼らは新たに発足する水中AC部隊の中核を担うべく、南米各地で編成中の各隊へと赴任していった。だが、そんな中、一刻も早く、と実戦化が急がれた部隊があった。
 SALF北米戦隊より貸与された水中用AC母艦『ホーネットIII』(改ワスプ級強襲揚陸艦)を中核とする南米戦隊水上部隊──そこに配属されるSJ-02部隊である。
 彼らに求められたのは、来るべきルルイエ攻略に備えた東太平洋沿岸部の制海権の確保──かの海域に遊弋する『敵水中部隊』の撃滅である。

 その敵は昨年末から活動を開始した。南米や中米の沿岸部に対する擾乱攻撃や海上交通路に対する通商破壊──そればかりか、空を飛ぶキャリアーまでもが狙われた。
 SALF南米戦隊司令部はすぐに対応した。一部水上部隊と水中用AC部隊の発足を前倒しにし、これにフリーのライセンサーを加えた対潜部隊を編成したのだ。
 任務部隊αと名付けられたこの艦隊のSJ-02隊のパイロットには、機種転換訓練を終えた熟練兵たちの中から特に水中戦に対して高い適性を示した『アラーナ小隊』他の面々を引き抜き、充当した。その中隊長には、機種転換訓練の教官を務めたマルヴィナ・グレイがその実績を買われ、そのまま就任することになった。


(なぜ。どうしてこうなった──)
 配属された『ホーネットIII』のブリーフィングルーム。そこのAC中隊長を任じられたマルヴィナ・グレイ(愛称・ミリー)は、居並ぶACパイロットたちを前にそんなことを考えた。
 ACパイロットとして最前線に立ち続けた北米時代。そんな毎日に嫌気がさし、整備士資格で赴任したグロリアスベースでの穏やかな(?)日々…… それが北米時代の恩人に頼まれ断り切れず、機種転換訓練の教官役を引き受けて。いつの間にやらまた別の最前線に立たされている……
(まいったね、こりゃ。もう『部下』を持つつもりはなかったのに……)
 思いつつ、ミリーは苦笑した。いくら南米戦隊で海兵隊系のACパイロットが不足しているからと言って、そして、SALFが普通の軍隊と比べればかなりゆる~いからと言って、この人事はど~なのよ、と心中でツッコミを入れる。
 ミリーは慎重に感情を隠しながら、部屋の片隅に座った『ホーネットIII』艦長、エドガー・ランドルに恨みがましい視線を向けた。彼もまた南米ではなく北米戦隊の人間である。
 このホーネットIIIは北米戦隊より貸与された船ではあるが、実際のところ、南米戦隊に強襲揚陸艦を運用できる人材は殆どなかった。この艦に乗るランドル艦長はじめとする大勢のクルーは、ACパイロットを除いて皆、出向という形で派遣された北米戦隊の人材だ。
 つまり、元北米戦隊のミリーにとっては、知り合いや顔見知りが艦のあちこちにいる。ランドル艦長も北米時代にミリーを助けてくれた恩人であり、そして、機種転換訓練の教官職を彼女に『斡旋した(ルビ:押し付けた)』『元凶』だった。

「我々が撃滅するべき敵について、現状で判明している情報を説明する」
 ミリーはそう言うと、まず資料をプロジェクターで部屋の白い壁に投写した。
 倒すべき敵の呼称は『グラン・バジェーナ』。全長200mに届かんとする巨大な鯨型ナイトメアだ。
 それは海中に潜み、本体上面のVLS(垂直発射管)に多数の『烏賊(イカ)型ナイトメア』を搭載している。これは全長7m。硬質の烏賊といった外観で、所謂『巡航ミサイル』や『対艦ミサイル』と同等の役目を果たす。水中から空中へと発射された後、高速で長距離を飛翔して──目標となる艦船や地上標的物を発見すると再加速し、目にも止まらぬ超高速にて突入。目標に突き刺さった後、放電や締め付け、自爆等の手段を用いて対象を破壊する。
「中南米の沿岸部に被害をもたらしたのは、この烏賊型による攻撃だった。運動性こそ高くはないものの、その加速・高速性能には目を瞠るものがある。敵がIMD艦砲の射程に入ると思った次の瞬間には艦に突き立っていた、との報告もある。恐らく、終末段階に入ったら間に合わない」
 他にも、本体側面、および下面に無数の『要撃機』の発進口。これは全長2m程の『ペンギン型ナイトメア』で、高い運動性能で水中と空中の両方を自在に飛び回り、その鋭い嘴と翼刃で以って斬りつけて来るという──集団で。
「つまり、その『グラン・バジェーナ』ってのは『戦略原潜』でもあり、『潜水空母』でもあるというわけだな、ミリーちゃん」
 ミリーの説明に、パイロットの一人、アラーナ小隊のカルロスが挙手もせずにそう訊ねた。
「ミリーちゃん言うな。……そうだな。どちらかと言えば、『各種ナイトメアを搭載したプラットホーム』とでも言った方がいいかもしれない。なぜなら、これらの他にも、この大鯨は4体の『巨大シャチ』を本体に張り付け、曳航しているからだ。その全長は100m。所謂、大鯨という戦略原潜を護衛する攻撃型原潜の様な存在であると思われる」
 ミリーが言うと、ブリーフィングルームがザワついた。
「それは、つまり……」
「そうだ、ダリオ・アラーナ小隊長。敵は『艦隊』だ。我々に与えられた任務はこれらの撃滅。或いは、その脅威を中南米沿岸から排除することにある」

 作戦が始まった。
 東太平洋における『群狼狩り』ならぬ『大鯨狩り』は、南米戦隊の任務部隊αと北米戦隊の複数の艦隊による共同作戦だった。各海域に捜索網を展開した艦隊が相互に連携しながらの索敵だ。
「海中の敵に対して、水上艦艇がキャリアーよりも優越している点が一つある。それはソナーを曳航したまま移動できるということだ。……あくまで現時点においては、だがね」
 艦内の戦闘指揮所で、ホーネットIIIや周囲のフリゲートから次々と発艦していく対潜ヘリをカメラ越しに見やりながら、そう嘯くランドル艦長。この時点ではまだ、ミリーらのAC隊は艦内で待機している。彼らの出番は実際に敵を見つけてからだ。
「サーチ&デストロイ、か……」
 いつでも出撃できるよう待機しながら、呟くカルロス。ミリーはアラーナ小隊のブルーノと共に無言で出撃の時を待つ。
 展開を完了した任務部隊が『潜水艦狩り』を開始する。だが、釣果のないまま時間は過ぎて……
 やがて、ソナーが敵を発見するよりも早く、対潜ヘリが『ペンギン』の群れに撃墜されたことで、敵がその周辺にいることが露見した。
「全艦隊、最大戦速! AC隊、発進準備」
 大海に投げ掛けた網を絞っていくように、各艦隊が水中の獲物を追い詰めに掛かる。

 だが、攻撃は予想外の所からやって来た。任務部隊αの行く手ではなく、左舷側から、こちらに高速接近する飛翔体をレーダーが捉えたのだ。
「9時方向より接近する複数の対空目標を探知! 『烏賊型ナイトメア』と思われます!」
「横からか!」
 どうやら敵の潜水艦隊は1つではなかったらしい。艦長は北米艦隊への報告を指示すると、艦隊の進路を新たな敵へ向けるよう命じた。
「全艦隊、対空対潜戦闘! 我々であの敵をやる。AC隊、全機発進せよ!」

1.状況と目的
 状況はOP本文の通り。PCは水中用AC母艦『ホーネットIII』に搭載されたAC(機体・武装共に水中戦対応済み)のパイロットとなります。
 今シナリオは大まかに前半と後半に分かれています。

 前半:MAP外から射出された『烏賊型』が次々と高速で飛来。母艦を守り切ってください。
 後半:敵艦隊に攻撃を仕掛けます。敵母船である『鯨型』を撃破、或いは『搭載兵器』を消耗させて無力化してください。


2.戦場
前半
 『ホーネットIII』を中心とした海域と空域の三次元マップ。
 母艦は上甲板と格納庫内(ウェルデッキ)の二階構造とし、エレベーター(床だけ。AC2機分。昇降速度:遅)で行き来が可能。
 AC隊の初期配置は格納庫。
 艦尾ウェルデッキからの発進は1ターンに1機(かなり無茶して2機)ずつしかできない。
 周囲には護衛のフリゲートも複数いる(MAP上には遠・中・近の三隻)。

後半
 敵母船『鯨型』を中心とした水中戦マップ。
 前後左右に4体の『シャチ型』。他、『ペンギン』たちが次々と母船から発艦中。


3.敵戦力
『鯨型』×1
 詳細は本文も参照。攻撃手段は無し。動きも鈍いが、ただとにかくデカくて打たれ強い。

『シャチ型』×4
 本文も参照。鯨型に比べればそこそこの運動性。これもデカくて打たれ強い。
 『前部発射管』から『魚雷魚』(近接自爆型)を射出。あと口から水を吸い込んで噛みついたり。
 シャチ型と思いきや『下半身』が烏賊の足形状に分裂する。

『烏賊型』×そこそこ
 本文も参照。
 イカ墨状(滞留あり)の推進剤を吐き出すことで最終加速。瞬間的に距離10を移動して目標に体当たり刺突攻撃(直線範囲)を敢行する。
 目標にある程度まで近づくと、『上昇して急降下攻撃』か『海面下に潜行して突進』の二択を仕掛けて来る。

『ペンギン型』×たくさん
 本文も参照。複数匹で1ユニット扱い。ダメージは小さめだがとにかく速い。

 というわけで、柏木のWW連動。壁耳水メものです。
 なお、このシナリオに登場する鯨型・シャチ型は、影絵MSのシナリオに登場するものとは別種となります。

 そこそこの規模の水中戦──Gでは柏木初のEX! 皆様、よろしくお願いします。

・前半:最後にトーヤと共に出撃。
艦の上で迎撃と護衛を行う。
弓を構え空から来る烏賊を迎撃。動き回りながら射程に入り次第撃ち抜いて行く。
基本的には対空を主に考えて行動を行う。
迎撃しきれず着弾しそうな場合は【鎮守礼装『八咫鏡』】を使い防衛。
烏賊の動きをしっかりと確認し、出来る限り迎撃。無理だとわかれば即時移動し防御出来る位置取りをする。
耐久が厳しくなって来たら【日輪招来】で回復を行う。
「突貫したいけど我慢して護衛に徹するー…。この機体、守るのには向いているしー…」
「射撃、得意じゃないけど頑張って迎撃するよー…。これなら甲板上を動きながら撃ちやすいー…」

・後半:ずっと防衛していた溜まった鬱憤を晴らすために突撃。
鯱やペンギンを仲間に任せ鯨本体へと攻撃を行い撃破を狙う。
弓を撃ちながら近づき、近接範囲に入ったら近接武器に切り替え戦闘。
ストレス発散も兼ねて殴り倒しながら【心力突出杭『須佐之男』】も鯨本体全部を範囲に入れるよう使用していく。
うまく行けば貫通で大ダメージにならないかな、とか思いつつ。
鯱やペンギン対応が対処しきれないようなら鯨を諦めてそちらに向かう事も考慮。
「ん、ストレス解消にあのデカブツ狙ってくー…。大きいからきっと殴りがいがありそうだしー…」
「これだけ大きいなら範囲攻撃も効果高そう…?須佐之男で打ち貫くよー…」

  • もふもふ救命士
    トーヤla0375
    ヴァルキュリア10才|グラップラー×セイント

ついこの前まで訓練で、今は最前線とは。彼らも災難と言えるかね
アドリブ歓迎

前半の出撃はPL最後の2機目
出撃後は甲板上にて艦の盾に
抜けた烏賊を八咫烏で迎撃
射程外で潜られた場合は海へ飛び込み迎撃
間に合わないなら八咫鏡で防御
「水中用キャリアーも欲しいところだね」
「艦の防御に廻る。抜けたものは任せてくれ」
「下からだろうがやらせんよ」
「各艦、狙うより進路上へ弾をばら撒け」

後半はシャチ1匹へ
接敵直前に日輪招来で前半ダメージを回復
八咫烏で上から攻撃し意識を上に向けた隙に下へ潜航
上昇しながら腹から背に向け破軍での斬撃。身体に突き刺し上昇の勢いで斬っていく
下半身が烏賊になったら、絡め取られないように回避。破軍で斬り落とす
吸い込みを振り切り咬みつく勢いも利用し、回避後の側面に破軍を突き立て後ろまで刃を通す
八咫烏で前部発射管を攻撃し潰す
飲み込まれそうになったら、口の中へ須佐之男を打ち込み退避
防御は八咫鏡。回復は日輪招来
「アラーナ隊は主にペンギンを頼む」
「こういった相手は流れに逆らわず、刺した刃を通す」
「まさか烏賊と同類とはね…さすがに捕まるわけにはいかないね」
「食われてはやれない、代わりにこれを受け取るといい……打ち貫け!」

シャチ撃破後は鯨へ
VLSと発進口を潰して回る
「要塞としての機能を潰させてもらう」

「これだけやれば、何とか次に繋げられたか」

  • 比翼の鳥
    AZla0471
    人間14才|スナイパー×ネメシスフォース

【行動】
こういう大きな作戦は久しぶりだな。
これだけの人が集まってるんだし。
敵艦の無力化に留まらず、撃沈までいけるんじゃない…声には出さないけどね?
自信も必要だけど、敵戦力も油断ならないからね。

先ずは飛んでくる弾頭…烏賊?
気が抜けるけどあのスピード見たら笑ってられなくない?
ということで、甲板に出ましょう。
僕の機体はHN-01。装備をバルカンに切り替えて、早めに出るよ。
こういう武器の方がマガジン火力あるから、継戦に向いてると思うし。
こっちに向かってくるミサイルを撃ち落とすなら、狙う必要もないね?

他の人達が出撃してくるまで、根気よく撃ち落としていこう。
撃ち漏らしたら罰ゲーム?なんてね…他の人たちも気をつけて。
海面の方は、他の人達に任せます。

粗方撃ち落とし、敵艦の姿が見えたら、レールガンに装備を切り替え。
僕の鳳蝶、そんなに移動するの向いてないんだ。この子、面倒くさがりでね。
このまま母艦の甲板で…ダメ?はい。
それじゃあ…シャチ型を狙える位置まで移動します。
僕はそのままシャチ型と戦う人達へ援護射撃を開始。
流石に海の中、機動は縦横無尽だね。僕達も負けてないけど。
…。でもこの状況で外すような狙撃手じゃ…ないんだよね。

シャチ撃破後、ペンギン型がまだまだ多いようなら、再度バルカンに装備変更して対応。
無ければそのまま鯨型に射撃するね。もう一息かな?

さてさて、海戦でありますね。こんな事なら泳げるボディに新調しておけば良かったであります。
いやーそれにしても敵も大きい。海の生物は大型化すると言うには本当でありましたが。
海に恐怖を抱く人がいるのも分かりますね!

【行動】
自分はHN-01で出撃するであります!
海戦が得意な皆さまの為、進んでデコイ役となりましょう!

●前半戦
自分は射程がないので、後から出陣であります。
上甲板に出られましたら、海へ入り烏賊ミサイルの相手を致します。

いやはや質量というのは単純に凶悪な武器でありますなぁ。
こうも突撃されるだけで苦しいとは。


●後半戦
鯨がやってきましたね。
んー、これはまた大きい。

流石敵の母艦であります。搭乗兵器が多彩でありますねぇ。
本来はペンギンなんて可愛い代名詞なのですが……。
シャチの可愛さには騙されません。あの見た目のくせに海のギャングであります。
自分は【思念式拡散波動】を使用し、烏賊とペンギンを引き付けましょう。
【思念式展開装甲】が間に合えばこちらもガンガン使用します。
範囲武器持っている方がいらっしゃるのであれば、敵もろとも撃っていただいて構いませんとも。
アラーナ小隊の皆さまにも、自分が引きつけた取り巻きを倒してもらいましょう。

とにかく鯨を抑えられればこちらの勝ちであります。
多少の被害もなんのそのであります!

・絡み、アドリブ歓迎します

  • 胸に抱いた覚悟
    白神 凪la0559
    放浪者18才|スナイパー×ネメシスフォース

前半戦発信順番:5~8番目の中盤。先に出ようとする人優先

行動指針

前半戦
2期ずつの発進を試みる
中盤ごろに発進後、グランディネに武器を換装。
味方の展開状況を確認し、手薄な部分を中心に
海上及び海中から弾幕を張って迎撃、空母を防衛する。
可能であれば護衛艦も防衛を行う。

適時、タイダルウェイブやメディカライザーSPも使用する。

「突っ込んでくるなら、弾幕で歓迎してやる。」

後半戦
武装をカピテーンに変更
ペンギンドライブSPとアクセサリーの移動攻撃を併用し、
遊撃として敵の射出するペンギンを撃破して回る。

「さて、機動重視型のお仕事だ。いつも通り、駆けずり回ってぶっ潰すか。」

【心情】
「はーい、ナイトメアはアトランティック・オーシャンからご退場願うわよ!」
「E・アズレア、ソーティ!」

【目的】
前半:艦防衛
後半:鯨型撃沈

【準備】


【同行者】
前半:甲板出るメンバー
後半:鯨狙い

【行動】
☆前半
早めに戦艦の外へ出る
トリステスで遠距離からイカ型を仕留める。狙いを定めにくいならスナイプモードで確実に
味方が増えてきたら、他の味方攻撃しそうな敵優先で撃ち被害減らす
リロードしきる前に接近されたら鎌で近接攻撃
「落ちなさい、スクイッドもどき!トリステス、ファイア!」
「エニア起動!狙い撃ちよ!」
「近づいてくるならサイズよ!煉獄に落ちなさーい!」

後半開始前にリロード

☆後半
ペンギンドライブSPで機動力を上げ鯨型に接近、ダイダルウェイブでハッチ狙い中のペンギン型ごと潰しに行く。味方巻き込み避ける
ウェイブ切れ後はガンガン鯨型に通常攻撃、味方集まってきたら包囲と同時攻撃も狙う
「ペンギンちゃんレジェンド、スペシャル!」
「全部出てくるまで待つのは退屈なのよね、ハッチごと頂くわ!」
「自分で反撃できないなら、ただのサンドバッグね!」

途中で出会ったナイトメアは、セイレーンで妨害。ペンギン型が増え続けるようならそちらへも使用
「あたしの官能的なボイスを乗せて…聞き惚れ、頬の下を伸ばしなさい!」
「尤も…恋人はもういるけどね!」

  • 創造の旗を掲げた者
    赤羽 恭弥la0774
    放浪者23才|スナイパー×スピリットウォーリア

「水中戦は初だな。ノーチラス、どこまで通用するものかな

◆方針
前半:海中の敵対応。壁役と射撃迎撃
後半:敵誘引、ペンギン迎撃

◆担当
AC搭乗
外の雑魚敵一掃
セノーテ入口封鎖

◆事前
出撃直前に搭載修理を受け免疫向上付与

◆行動
通信にて随時状況共有
ノーチラスで水中適正使用し敵移動速度に対応

・前半
中頃の順番で上甲板へ。状況が危険であれば2機で出撃
待機中は通信で状況確認し出撃後に即行動する準備

出撃後は海中の敵対応
敵進路を予想、自機を壁としつつ銃撃
距離10以内の敵を優先、漏れが無いよう味方と連絡を取り調整
敵数多数の場合は注視付与、敵を誘引し味方に範囲攻撃依頼
注視は後半に備え使用は1回のみ

フリゲート艦とも情報共有、危急時は味方と救援へ向かう提案
但しホーネット守備優先

・後半
注視付与で誘引し味方に範囲攻撃依頼、敵を一掃
誘引時はエンハンスDEF使用し盾装備で防御
敵数減少後は専守を解き銃撃で敵撃破
主にペンギンを対象だが鯨攻撃班の邪魔になる敵を特に優先

・その他
アラーノ小隊にも戦況共有
味方の行動方針を伝達し、戦力配置に偏りが無いよう調整

戦況が広いため状況の確認を重視
全体分担しての行動予定だが、戦況の変化に応じて不利な場所に戦力分散する提案を随時行う。自身も臨機応変に行動

  • 首があるなら刈ってみせる
    紅迅 斬華la2548
    人間25才|セイント×ネメシスフォース

斬閃桜迎撃~♪

行動
前半
エレベーターにて甲板へ
射撃と斬撃を使い分け烏賊を迎撃
必要なら白鳥の飛行も使用し出来るだけ艦に敵を寄せ付けない
複数の敵巻き込めるなら大剣紅椿使用
艦への攻撃は射線を遮り守る
囲まれないようには注意
「やらせませんよぅ♪」

後半
シャチ型を主に狙う
シャチ型対応人員と同じ対象を狙う為、連絡を取り合い一体ずつ確実に減らすことを提言
ペンギン型も無視せずに攻撃し数を減らす
ペンギンは無理に追わず、味方がカバー出来ない個体を射撃で倒す
水中軌道はジグザグにそして不規則な動きを行い的を絞らせない
シャチは斬艦刀で攻撃し、複数巻き込めるなら紅椿使用
「まぁ!大きい!♪刈り甲斐がありますね♪」

紅椿は前半、後半共に味方を巻き込まない

生命危険な味方は八咫鏡で守る

もしシャチを削り切り、大鯨が生存なら鯨撃破も狙う
零距離戦闘を行い、斬艦刀で首を刈る
紅椿も残っているなら使用

生命5割以下で日輪招来使用

  • シスターズ銀河帝国建国者
    美玖・ルフla3520
    人間18才|ネメシスフォース×ゼルクナイト

「この船が撃沈される前に発艦できるでしかね、ミリーちゃん」
などと呑気に順番待ちしているのは海戦だというのにダンテに乗ってきた美玖・ルフである。
いちおうダンテ・ノーチラスなので海戦仕様ではあるのだが、いかんせん専用機には数段おとるのだが、本人はいたって無頓着。暖機運転中なので早くも周囲にはイマジナリーな粒子が渦巻きつつあって割とはた迷惑なのも気にしなーい気にしなーい。

発艦後は船の甲板上にて直掩に当たる。烏賊ミサイルに対してダンテの中指おったてて挑発。
チキンレースに乗せてやったところで大盾を構えて受けるように見せかけて待機。
烏賊さんが墨を吐いたらウルトラノヴァで丸っと焼きいかにして撃墜する。

後半はクジラ退治。イマジナリーな粒子を全身からばらまきつつ突撃。全身が青白くぼうっと光って中々に幻想的な光景だが威力には全く関係ない。
ヘヴンズトンネルで射程ギリギリから撃ち方はじめ。「NMD」で全身の装甲をオープンにしてUCみたいな状態になりながらもクジラ担当の僚機とともに攻撃に入る。邪魔に入る迎撃戦力はすべて盾でいなす。

クジラが空母なら内部にヤバいものが満載だろうとあたりをつけたうえで、その発射管を探る。
烏賊ミサイルが空を飛んできたという事は発射管は背中の方にあるとだろうとそれらしいものすべてに攻撃を叩き込んでつぶす。

「本日は大漁なりでしね。」

  • 大河マウレの癒し手
    雨宮・紅雨la3635
    放浪者15才|ネメシスフォース×セイント

【行動】
グレイ教官、そのまま隊長に就任ですか。
まぁ、部下達にとっては良いんじゃないでしょうか。
大体の人らに好かれてましたものね〜。…本人にとっては幸か不幸か。

烏賊ですって。まるで特攻ですね。
ええっと…食べれないと思いますヨ。蟹を思い出したけど。

僕は出撃順番は中盤にしましょう。
索敵が足らないようなら、ボクのメアリーSで「パルスサーチ」を行います。
母艦の水深部からも攻撃が来るようなら、水中へ降りましょう。
索敵を見て、相手の固まっている方角を向いてライフル射撃で応戦します。
次から次へとー、休まる時間が無いですね。

後半、敵の鯨型が現れたら、こちらも対応を変える必要がありますね。
ボクは一先ず目の前のペンギンの群れを迎撃する班として行動します。
えーっと…ナイトメアですよね?
うん、攻撃して来てる。マスコット人形にも慣れなさそうな連中です。
売って良し、じゃない、撃ってよし!

敵だけを直線に巻き込めそうなら「ダイダルウェイブ」を連打です。
あーもう、数が多いと余計なキズが…サポート型だと思って甘く見ました?
油断してると…噛み砕いちゃおうかな?

近距離戦なら大剣に持ち替えて、「ペンギンドライブSP」起動。(尾翼を振って)
ペンギン型の数が減ったあたりで、鯨型は加勢するか見極めます。
追いかけっこしますか?ボクの月紅牙が鬼ですね。アハハ!

「敵烏賊型と思しき飛翔体群、尚もこちらへ接近中……更にその後方に敵の第二陣!」
「全AC、発艦急げ!」
 『ホーネットIII』の艦内にけたたましく警報が鳴り響き……AC格納庫で作業に当たるクルーたちもその慌ただしさを増していった。
「っち、先手を取られたか」
 敵が先に発艦したとの報を聞いて舌を打ちつつ、白神 凪(la0559)はSJ-02S『鮫牙』のコクピットへと飛び込んだ。それをチラと見やりながら「おせーぞ?」と軽口を叩く赤羽 恭弥(la0774)。彼は既にHN-01(砲撃戦仕様)の操縦席にあり、各種スイッチを叩きながら、外の整備兵たちへ向かってハッチ閉鎖を宣言した。
 パイロットたちの武運を祈り、担当する各機体から離れていく整備兵たち。艦の壁に機体を固定していたロックが外され、関節が僅かに自重で沈む。
 各機は誘導員の指示に従い、上甲板へと続くエレベーターの前に順番に整列した。一度に上げられるACは2機ずつ──その昇降速度も(緊急時に限れば)決して速いとは言えない。
「ん、私とトーヤさんの順番は最後で…… 吶喊したいけど、今回は我慢して護衛に徹するー……この機体、守るのに向ているしー……」
 駐機場に機体を待機させたまま、皆を先にエレベーターの前へと行かせるフリーデ・ホワイト(la0012)はトーヤ(la0375)。そんな中、最初に紅迅 斬華(la2548)の斬閃桜(FS-X)とユリア・スメラギ(la0717)のE・アズレア(SJ-02S)を載せたエレベーターが、力強く、だがゆっくりと上昇していって…… 雨宮・紅雨(la3635)はそれを皆と並んで見やりながら、順番待ちの時間をアラーナ小隊の面々と話して潰すことにした。
「グレイ教官はそのまま隊長に就任ですか? まぁ、皆さんにとっては良かったんじゃないでしょうか。大体の人らに好かれてましたものね」
「そりゃあそうだぜ。ミリーちゃ……じゃなかった、教官、もとい、中隊長殿は、俺たち訓練生の女神だからな!」
 カルロスの軽口に、操縦席で溜め息を吐くミリー。イングロリアスバスターズⅣ(XN-01)の操縦席で、美玖・ルフ(la3520)は彼女に同情の視線を向けた。……ちなみに、ルフの機体(暖機運転中)からは謎のイマジナリーな粒子がキラキラと放出されていて格納庫内で渦を巻き始めてたりするのだが。本人は「実害はないでし」と言ったきり気にした様子はまるで無かった(ぇ
「しかし、遅いですね……この船が撃沈される前に発艦できるでしかね、ミリーちゃん」
「ミリーちゃん言うな」
 順番待ちの時間にのんびりと冗談口を叩くリフ。
 この時は冗談のつもりだった。

「しかし、件の烏賊型というのはどのようなナイトメアなのでしょうね?! 烏賊寄りなのか、ミサイル寄りなのか……♪」
「そうねぇ……せめてセクシーなデザインだとキュートで見栄えがするのだけど」
 そのエレベーター上── クルクルと回転する警告灯に照らされながら、待ち切れないと言った風に斬華がユリアに話しかけていた。
「烏賊寄りだったらいいなぁ。ミサイルだと首無いし……おっ?」
 エレベーターが上甲板に到達した。艦首側へ飛び出していく斬華機を見て、ユリアが艦尾を守るべく反対側へ機を進ませる。
 即座に下降していくエレベーター。艦内で順番を待っていた2機のHN-01──ラムダ・ランバート・ラシュレー(la0557)の『超軍機ラムダカイゼリン』とAZ(la0471)の『鳳蝶』が急いで飛び乗る。
「自分はHN-01で出撃するであります! 海戦が得意な皆様の為、進んでデコイ役となりましょう!」
「武装はマガジン火力のあるバルカンの方がいいかな? 継戦にも向いていると思うし……」
 再び上昇へと転じるエレベーター。その頃、甲板上では指揮所から敵の接近を知らせる報が届いていた。
「敵機視認──!」
 指示された方角へ、斬華とユリアは目を凝らした。ライセンサーの視力とカメラのズームが捉えた敵の姿は……思った以上に烏賊だった。「やった♪」と斬華が操縦席へと戻っていそいそとハッチを締める。
「『エニア』起動。『スナイプモード』」
 周囲へ複数の遠隔狙撃ユニットを展開し、艦尾で砲撃体勢を採るユリア機。斬華機もまた先程までの落ち着きの無さが嘘の様に、美しい射形で突撃銃の銃口を空へと向ける。
「うわ、ホントに烏賊だ。気が抜ける…… って言ってる場合じゃないね」
 ラムダと共に上甲板へと上がって来たAZが呟いた。敵は『金属製の烏賊』といった外観をしていた。銀色のお肌を陽光を受けてキラキラと輝く烏賊──ただ、『思った以上に烏賊』な部分があって、例えば、金属っぽい外見の割りに何か柔らかそうだったり、表面が妙にヌメヌメしていたり……
 ……格納庫に戻ったエレベーターに、凪と恭弥の2機が乗り込む。だが、彼らが上甲板に上がって来るよりも早く、烏賊たちが攻撃態勢に入った。
 敵は4体ずつに分かれ、目標に近づいたところでポップアップ──一気に高度を上げて、上から艦隊へと降りかかって来た。それに向かって対空砲火を撃ち上げ始めるフリゲートたち。だが、烏賊たちはそれをものともせずに突撃を開始する。
「落ちなさい、スクイッドもどき! トリステス、ファイア!」
 母艦目掛けて急降下してきた烏賊に対して、ユリアが狙撃ユニットの最大射程から砲撃を開始した。ダダダンッ! と立て続けに撃ち放たれる狙撃砲弾。それは先頭を突進して来た烏賊に立て続けに命中し、バランスを崩してクルクルと回転した烏賊の身体が中程からポッキリ折れながら海へと落下。爆発して巨大な水柱を吹き上げる。
「まだ来るよ! 残り3体! ……撃ち漏らしたら罰ゲームだからね! なんて……」
 バルカンを向けて待ち構えるAZ機とラムダ機。突撃銃を構えた斬華は照準を敵に合わせて……直後に「あ」と声を漏らした。
 目標(ホーネットIII)から一定距離(10sq)まで接近を果たした烏賊たちが、漏斗から『墨』を噴き出し、最終加速をかけたのだ。それはまさに目にも止まらぬ速さで、各機の照準器から消えた直後、豪ッ、と何かが甲板上空を駆け抜けた。
 最初の2機はそのままホーネットIIIの真上を瞬く間にフライパスしていった。『墨』を煙幕代わりに展張し、艦隊の『目』を潰すことが目的だったと思われる。
 そして、その墨の帳を抜けて飛び出して来た3体目がホーネットIIIの上甲板のど真ん中へと突き刺さり。直後に爆発して甲板に巨大な穴をぶち空けた。
「射程外から突っ込んで来た!?」
「何、あのスピード! 笑えないんだけど!」
 慌てて射程の長いレールキャノンへ武装を変更するAZ。
 遠方から一際大きな爆音が轟いた。ホーネットIIIから最も遠い位置にいたフリゲートが、烏賊たちの集中攻撃を受けて爆沈した音だった。
「艦に張り付いていては守れないぞ! 前に出て、敵が最終加速を駆ける前に撃ち落とさないと……!」
 上甲板へと上がって来た恭弥が叫んだ。甲板上の出来事は無線でしっかり把握していた。
「行け行け行け行け! 海上から弾幕を張るんだ。母艦を守れ!」
 凪はそう言うと自ら率先して機体を海面へと飛び降りさせた。「なるほど!」と素直に頷いたラムダが、続く恭弥機と共に海へと飛び込んだ。
「……そうか! 飛べばいいんだ!」
 斬華はそう言ってポンと手を打つと、ブースター『白鳥』を噴かして甲板を蹴り、一気に空へと躍り上がった。
 そのまま機の斬艦刀を鞘からガチャリと外し……再び急降下して来た2体の烏賊を目指して空を駆けてその進路上に立ちはだかり、すれ違いざまに太刀を振るってその烏賊を二枚に下ろした。
 その傍らを抜けたもう1体は、艦上で再装填を済ませたユリア機と膝射姿勢でレールキャノンを構えたAZ機が、敵が最終加速をする直前に長距離射撃で撃ち落とした。
「敵第二陣、突入! 続けて敵の第三陣……!」
 戦闘指揮所からの報告に、格納庫内には混乱が広がり始めていた。
「……ホントに沈む前に発艦できるのでしかね?」
 常と変わらずムスッとした表情でポツリと呟くルフ。紅雨は「あはは……どうかなー」と苦笑し、フリーデは特に動じた様子もない(ボーッとしている、とも言う)
「冗談じゃねぇぞ、早く外に出してくれ。俺はこんな棺桶の中で死ぬ気はねぇぞ」
 カルロスの悪態に、そーだそーだ、と騒ぎ出すパイロットたち。トーヤが機の両手を上げて、諭した。
「私もパイロットだ。気持ちは分かる。だが、落ち着くのだ。我々が外に出るまで、この艦は沈まない。仲間たちを信じたまえ」
 そんなライセンサーたちに、ミリーが先に行くよう、言った。
「先に行けといっても、しかし……」
「エレベーターに天井はない。なら飛んでいけばいいじゃない」
「あ」
 トーヤはスパードブースターを噴かして直接、上甲板へと上がっていった。紅雨は艦尾ウェルデッキから直接、海へと入り。最後に残ったルフとフリーデはエレベーターに乗り……半分まで上がったところでジャンプして上へと上がった。
 ……『甲板一枚』隔てたそこは激戦場と化していた。海上の各護衛艦から狂ったように撃ち上げられる76mm、114mm、127mmの各艦砲。東太平洋の鮮やかな蒼空に、墨を垂らした様に幾つもの黒煙の華が咲き── だが、烏賊型はそれを掻い潜って自由に空を駆け……まるで筆で刷いた様に墨を曳いて最終加速。烏賊たちに集られた2隻目のフリゲートが一斉放電を受け、立て続けに誘爆を起こして、直後に爆散して果てた。
「くそっ、これ以上は……!」
 その艦に向かって急行していた凪と恭弥は、まだ無事な3隻目に向かって針路を変える。その上空を、ホーネットIIIを狙う一団が白煙を曳きながら飛び過ぎた。
「凪と恭弥は針路そのまま。……これより母艦の防御に入る。抜けたものは任せてくれ」
「……射撃、得意じゃないけど、頑張って迎撃するよー……」
 振り返った凪と恭弥の視界に映ったのは、ホーネットIIIの甲板上に2機のFS-X──トーヤの『建御雷』とフリーデ機。鎮守礼装『八咫鏡』を掲げ、その存在を知らしめるようにユラユラと手を振っている。
「トーヤにフリーデ! 上甲板に出れたのか」
「ありがたい……! そこのフリゲート! これより護衛に付く。索敵データを回してくれ!」
 仲間たちに母艦の守りを任せ、味方艦の前面に出る凪と恭弥。直後、その艦に狙いを定めた敵の1隊が針路を変える。
「敵機接近。間に割り込むぞ。敵の方が優速だが、こちらは旋回半径は短くてすむ」
「了解だ。……突っ込んで来るなら弾幕で迎撃してやる」
 フリゲートが艦砲を撃ち出した。運の良いことにその内の一発が烏賊の一体を捉えて砕いた、
「撃て!」
 恭弥と凪が突撃銃とバルカン砲を空へ向かって撃ち上げ始めた。敵の前進に合わせて仰角をつけながら空へ火線の鞭を振り……1体、2体と敵を捉えて撃墜。フリゲートの皆が歓声を上げる。
 一方、ホーネットIII── 先に凪機と恭弥機の上を通過していった2隊の烏賊たちが『鎌首をもたげて』攻撃態勢へと移行する。
 それを見上げて、フリーデは機に長弓「舞宙」に矢を番え、弦を引き絞って構えた状態でクルクルとその場を回ってみた。
「『平衡制御もじゅーる』……うん。これなら甲板上を動きながらでも打ち易いー……」
 ……上空の斬華機が敵との空中戦に突入する。上昇しようとする烏賊たちの更に上から突入し、敵の頭を抑えつつ、だんびらを引っ提げ突撃していく。
「やらせませんよぅ♪」
 接敵の直前、斬華は翼の様に翻した『盾』──攻防一体型特殊兵装「斬閃」から心力で刃を射出した。本来は防御用のエネルギーまでをも全て回して高初速射出された刃が目にも止まらぬ速さで敵へと飛び込み、編隊を組んで固まっていた烏賊らの『鎌首』2つを瞬時に斬り落とす。
 その一撃に敵は隊列を崩した。まるでビリヤードのブレイクショットの如くバラバラに飛び散って算を乱し……そうして高度を下げた敵へ、航跡曳きつつ海上を駆ける紅雨機とラムダ機がライフルと(やたらとギミック過剰な)頭部バルカンを浴びせ掛け、無数の光弾と砲弾で以って穴だらけにして撃ち落とす。
「各艦、狙うより進路上へ弾をばら撒け!」
 甲板上で浮遊砲台「八咫烏」をリリースしながら、無線機越しに叫ぶトーヤ。旗艦ホーネットIIIを中心に輪形陣を組んだ護衛艦が近接防御火器の発砲を始め、ばら撒かれた20mmが火線の網を投げかける。
 烏賊たちはその弾幕をRFで蹴散らしながら、ただホーネットIII一点を目指して突っ込んで来た。そんな敵に向かって、ルフは機体に中指をおっ立てさせた。……あ、野郎、無視しやがったでし。端から大物(艦船)狙いでしか。
「AC隊、迎撃開始! 最終加速前に撃ち落とすんだ!」
「は~い」
 トーヤの浮遊砲台5基に全周から穴だらけにされつつその間を飛び抜けた烏賊が、だが、力尽きてバラバラになって落ち……他の2体はAZとユリアがそれぞれ狙撃で撃ち貫いた。
「無視するとは生意気でち」
 イマジナリー粒子全開で甲板上に立ったルフ機が、バックブラストを盛大に噴射しながら構えたバズーカをぶっぱなし。最終加速に入ろうとしていた2機の内の1機を直撃して巨大な爆発の華に変えた。残る敵はあと1体──その1体が……最終加速の墨を吐いた。
 目にも止まらぬ速さで加速したその1体を、ゴールキーパー──最後の守り手たるフリーデが受け持った。敵の進路──烏賊が指向する先を見極め、機体をドシン、ドシン、とそちらへ走らせ……皆が『間に合うか』と固唾を飲んで見守る中、一人、平然とした顔をしたフリーデが機体を着弾点へと滑り込ませつつ『八咫鏡』を前面展開。突っ込んで来た烏賊を「ん……」と受け止め、バレーレシーブの如く上へと打ち上げて…… そうしてクルクル宙を舞った敵が体勢を整える前に、コロンと背中から倒れたフリーデ機が真下から長弓の矢で串刺しにした。
 ホーネットIII艦内に湧き上がる歓声。グッと機の親指を立てて見せるフリーデ。だが、そんな喜びの時間は長くは続かない。更なる敵が迫っていたからだ。
「敵第三陣接近! だが、これは……!」
 電測員は言葉を詰まらせた。「どうした?」と艦長が説明を促す。
「……おかしいんです。先程までレーダーで捉えていた敵の数が、今は半分しか映ってないんです」
 艦長はハッと腰を浮かした。
「ソナー! 『海中に敵はいないか』?!」
「待ってください。戦闘でこうも海面が描き乱されてちゃ……」
 そのやりとりを聞いた紅雨はすぐに機体を海面下へと沈降させた。フリゲート側の凪と恭弥、そして、ラムダもまた同様に──
「……ソナーに感!」
 艦隊最外縁(MAP外)に位置していたコルベットがそう報告を寄越した直後、船体直下で発生した爆発に船体を真っ二つに叩き割られた。
 敵はこちらの戦力を二分するべく、空中と海中の両方から攻撃を仕掛けてきたのだ。
「クッ、下からだろうがやらせはせんよ! フリーデ、空からの敵は任せた……!」
「りょーかーい……今日の私は調子がいい……今ならカナリア軍団も止められる気がする(何」
 八咫鏡を展開しながら、ざんぶと海の中へと飛び込むトーヤ機。それを見送り、フリーデは「ばっちこ~い……」と機の手の平に拳を合わせた。

 ……敵の襲撃は第四陣まで続いた。
 それまで完璧なセービング(?)で鉄壁の防御を誇ったフリーデも、煙幕の中から飛び抜けて来た1体に遂にゴールを割られた。
 甲板に突き立ったその烏賊が放電を始める直前。優雅に(だが、その実、必死に)駆けつけて来たユリア機が「煉獄に落ちなさーい!」と大鎌を振るって上下に真っ二つに斬り分けて。千切れた二つをルフ機が『ウルトラノヴァ』の爆炎で以って塵一つ残さずに『汚物を消毒』した。
「いやー、次から次へとー、休まる暇が無いですねー」
「いやはや、質量と言うのは単純に凶悪な武器でありますなぁ。こうも突撃されるだけで苦しいとは」
 ウェルデッキからホーネットIII格納庫へと上がりながら、くたびれた様に零す紅雨とラムダ。先に帰還していた凪と恭弥もげんなりしつつ頷いた。彼らもまたラムダと同様、機体を盾にするのも辞さずに戦い、見事、最後まで艦を守り切っていた。

 AC隊は交代で母艦へ戻り、簡易ながら機体の補給と整備を受けた。パイロットには僅かな時間だが休息が与えられた。
 紅雨は艦隊を守る為に哨戒を続け……最後の順番で艦へと戻った。

「さぁて、我慢の時間は終わりだ。やられた分はやり返す」
「はーい、ナイトメアはパシフィック・オーシャンからご退場願うわよ! 『E・アズレア』、ソーティ!」
 今度はこっちの番だ──敵潜水艦隊へ向け、逆襲のAC隊が発艦を始める。
 最初に艦を出て水中へと入ったのは凪とユリア。その後にミノムシの様に武装で『着ぶくれ』したAZの機体が続く。
「僕のこの子、そんなに移動するの向いてないんだ。面倒くさがりでね。このまま母艦の直掩に……え? ダメですかそうですか……それじゃあ、AZ、『鳳蝶』、出まーす」
 観念してドボンと水の中に入るAZ機。他のライセンサーたちやミリー、アラーナ小隊といった面々の機体が水中へと進入する。
 全機体の発艦を確認し、前進を開始する。ホーネットIII艦載AC隊──直掩に残った6機を除いた20機以上の大部隊だ。
「この距離からACで前進か…… 水中用キャリアーも欲しいところだね」
 海を長駆、進出しながら、トーヤは共に戦うアラーナ小隊の面々に視線をやった。自分たちと共に攻撃隊の一翼を担う彼らは今、情報支援について恭弥と話を詰めていた。
(ついこの前まで訓練で、今は最前線とは。彼らも災難と言えるかね)

 ……予想されていた戦闘海域へと到達した。先に対潜ヘリが落とされた場所からそう遠くないエリアに当たる。
 先頭を行く紅雨機のソナーが敵を捉えた。大きな反応は5つ。十字型に隊列を組んでいる。
「恐らく中央のが噂の鯨型だね。周囲の4つは、護衛かな……?」
 紅雨の報告を受け、AC隊が小隊ごとに散開し、攻撃態勢へと移行する。
(こういう大きな作戦は久しぶりだな……)
 味方の威容に、AZはワクワクした気分をちょっぴり抑え切れずにいた。……これだけの戦力が揃っているんだし、敵鯨型の無力化だけに留まらず、撃沈までいけるんじゃないか、とも思う。
 ……とは言え、気を抜くことはできない。敵戦力も油断ならないからだ。
「んー……これはまた敵も大きい! 海の生物は大型化すると言うのは本当でありましたか。海に恐怖を抱く人がいるのも分かりますね!」
 敵を『目視』できる距離まで近づき……『鯨』の姿を確認したラムダが感心した様にそう言った。……鯨も既にこちらの接近を察していたのだろう。その身体の表面から次々と『要撃機』を──ペンギン型を『発艦』させている。
「かっ、かわいい……えーっと、アレもナイトメアなんですよね?」
 その姿を目視した紅雨が操縦席で軽く悶絶し。ラムダがコクコクと頷いた。
「ええ、可愛いの代名詞、ペンギンの形をしたナイトメアであります。……先の烏賊にペンギンと言い、流石は敵の母艦。搭乗兵器が多彩でありますねぇ。おっと、シャチの可愛さには騙されませんよ? あの見た目のくせに海のギャングであります」
 その4体のシャチ型が、前部の『発射管』から一斉に『魚雷魚』を発射した。自らを『泡』で包んで水中を高速で『飛翔』する自爆型の『誘導兵器』だ。
 紅雨の警報が飛び、AC隊は小隊ごとに散開した。そこへ前進して来たペンギンたちの集団が襲来する。奴らは4体ずつで『編隊』を組み、その編隊4つが纏まって、まるでピラニアの群れの様に襲い掛かって来た。
「……うわぁ。近くで見ると……マスコット人形にもなれなさそうな連中です。売って良し、じゃない、撃ってよし!」
 紅雨は自機に迫り来た魚雷魚を撃破すると、機に光線銃(ライフル)構え直させて迫るペンギンたちへと撃ち放った。ボッ、と貫かれた1体が早々に脱落したが、残りはまるで怯む事も無く。回避運動を取りながら『ドッグファイト』を仕掛けて来る。
「中隊長より制海隊へ。ペンギンどもを蹴散らせ。突撃隊の針路を開くんだ」
 ミリーの指示が飛び、攻撃隊の1/3が最大戦速へと加速。迎撃に来たペンギンたちを『迎撃』するべく先行した。制空隊ならぬ制海隊──敵小型目標との戦闘を想定したセッティングがなされた隊だ。凪や恭弥、紅雨といった面々の他、アラーナ小隊からはカルロスが参加している。
「さて、機動重視型のお仕事だ。いつも通り、駆けずり回ってぶっ潰すか」
「水中戦は初だな。ノーチラス、どこまで通用するものかな」
 ペンギンドライブを起動していつでもスクリュースラスターを動かせるように準備しつつ、腹部のハードポイント(水中での巡行を考慮しての配置である)に固定していた騎兵槍を手に取る凪機。恭弥もまた機に装備した『ノーチラス』を起動。重いHN-01を増加スクリューの数と出力でぶん回しつつ、恭弥、カルロスと共に先陣に立つ。
「可愛くないペンギンたちは丸焼きです! ……ええっと、フリーデさん、一応言っておきますけど、食べれないと思いますヨ?」
 彼ら前衛を援護するべく支援射撃を開始する紅雨ら後衛組。紅雨のM53から放たれた光弾が薄暗い海の中を飛んでペンギンを撃ち貫く中、互いに回避運動を取りながら彼我の前衛が接敵する。
 敵の突撃を身体を捻って躱しながら、すれ違ったペンギンの背に恭弥機が送り狼の銃弾を叩き込み。真正面から突撃して来るペンギンたちとぶつかり合った凪機は槍で敵先陣をぶち貫きつつ、編隊を組んでいた他の3体をも身体をぶち当て、薙ぎ払う。
「制海隊、全機転回。突撃隊の連中を追わせるな」
 全身のスクリュースラスターをフル回転して素早く180度転回を終える凪。正に水中を飛ぶ様な動きで左右分かれてこちらに向き直ったペンギンたちに近接火器のバルカンを叩き込んで牽制しつつ、もう一方より迫る敵へ槍の穂先を突き入れる……
 ……そんな制海隊の『鉄火場』の傍らをすり抜け、突撃隊が海中を駆け抜ける。だが、ペンギンたちの数は多く、制海隊が抑え切れなかった分が側面を突く構えを見せた。
「アラーナ隊。側方から来るペンギンの抑えを頼む」
「了解。ブルーノ、他2機、ついて来い!」
 トーヤの指示に従い、ダリオ他4機が側面の守りに入った。その間に突撃隊は斬華やフリーデ、ルフらを先頭に敵母艦たる鯨型を仕留めに走る。
 ライセンサーたちの動きに呼応して、鯨の前面に配置されていたシャチ型が迎撃の為に前進を開始した。それを支援する様に、鯨左右のシャチたちが魚雷魚を一斉射。その間にも鯨型は新たなペンギン型を吐き出し続けている。
「あのシャチ型の首を獲る! 何機か私について来て♪」
 斬華はそう言うと皆の返事も待たずに斬艦刀を引き抜くと、小躍りするような勢いでシャチへ向かって突っ込んで行った。
「なっ、待ちたまえ、斬華、突出は危険だ!」
「やれやれ……『鳳蝶』、援護するよ」
 斬華機を追ってトーヤ機とAZ機が支援するべく後に続く。シャチ型の表面に張り付いていた複数のペンギン型が離れて彼らを迎え撃ち──AZ機が頭部バルカンを撃ち捲ってそれを穴だらけにしていく中、斬華機が立ちはだかったペンギンをずんばらりんと斬り払いながら吶喊する……
 その戦場の傍らを突撃隊が駆け抜ける。彼らの目標はあくまで敵母艦たる鯨型だ。
「ん、ストレス解消にあのデカブツ狙ってくー…… 大きいから殴り甲斐がありそうだしー……」
 フリーデは特に難しい事は考えていなかった。ルフもだ。デカブツ相手に突撃する──それがロマン。イマジナリーな粒子を機体全体から撒き散らしながら進むその様は白き流星──戦場では目立って目立って仕方がないが、それもまたロマンだ。
 その突撃隊に、先程シャチ型が放った魚雷魚の群れが襲い掛かった。散開し、回避行動をとり始める突撃隊。ルフ機の動きが白い流星から蒼い稲妻へと転じる。
 そんな中、ユリア機はただ1機、特に回避運動を取ることもなく、真っ直ぐに敵の前面へと進み出た。
「あたしの感応的なボイスを乗せて…… 聞き惚れ、頬の下を伸ばしなさい!」
 ユリアの駆るSJ-02Sに搭載された『セイレーン』──歌声で船乗りたちを惑わし遭難させる女型の魔物の名を与えられた特殊兵装が、ユリア機の周囲へ特殊なエネルギーフィールドを形成する。その見えざる空間へと入った瞬間──魚雷魚たちは感覚を撹乱された。自爆型とは言え、兵器ではない。故にその効果からは逃れられない。
「動きが鈍った……!」
 フリーデやルフが長弓とバズーカを放って動きの鈍った魚雷魚を撃破し、群れを突破する。発艦を終えた直掩のペンギンたちが続けて迎撃に出てきたが、それもユリアの『愛の囁き』に動きが鈍ったところを『ダイダルウェイブ』で纏めて撃破された。
「もっとも、恋人はもういるけどね、あたし」
 海中に渦を放射するユリア機の傍らを抜けて、鯨へ突進するフリーデ機とルフ機。ミリーらはその背後に位置取り、支援射撃と後方警戒の態勢を取った。
「取りついたー」
 弓でペンギンを狙い撃ちながら海の中を駆け抜けたフリーデは、眼下に広がる鯨の巨体へ制動をかけながら機の両脚を着地させた。ボヨンという感触に「おおぅ……」と声を漏らしつつ、機に引き抜かせたカトラスでザクザクと肉を刻み始める。
「クジラが空母なら、内部にヤバいものが満載のはずでしが……」
 粒子放出の為に全身の装甲が展開され『ヒーロー型』状態になったルフ機が鯨の上面を嘗めるように飛び過ぎながら……やがて、戦略原潜のミサイルハッチの様に一定間隔で並んだ噴気孔の様なものを発見する。
「これでちか!」
 ビンゴ! と叫びつつ、ルフはその一つ一つにバズーカの弾を撃ち込んでいった。噴進弾体がハッチを突き抜け、内部で次々と爆発を起こしていったが、期待していた誘爆の様なものは起きなかった。
「む……どうやら烏賊型は全部撃ち尽くした後でちか……」
「ん~、じゃあ、この側面にある幾つもの穴っぽいのは、ペンギンが収まった穴かしら」
 ペンギンちゃんレジェンドスペシャル! と『ペンギンドライブ』を発動させてペンギンたちと『ペンギン対決』をしていた(斬り結んでいた)ユリア機が、群がる敵を振り切って鯨の側面へと肉薄する。
「全部出て来るまで待つのは退屈なのよね。ハッチごと頂くわ!」
 ユリアは機の両腕を前へと突き出し、そこから『ダイダルウェイブ』の渦を巻いて、竜巻で掃除機をかけるように鯨の表面を撫でていった。
 貫通攻撃はハッチ内部のペンギンたちをも巻き込み、ズタズタに斬り裂いた。
 『発艦』前のペンギンたちが攻撃を受けていると察した鯨は、キュッと筋肉を締めてハッチを己の肉の中に埋めた。

 その頃、制海隊は多数のペンギンを相手に激戦を繰り広げていた。
 常に4体1隊となって、その硬い嘴と刃の様に鋭い翼で一撃離脱を繰り返す──その威力は大きくないが、確実にACのISにダメージを蓄積させていた。
 戦場は既に乱戦の場と化し、後衛で支援射撃に当たっていた紅雨の元にも多数のペンギンたちが襲来していた。
「あーもう、数が多いと余計なキズが……!」
 紅雨は射撃を諦め、無骨な見てくれの大剣を手に取った。ぶんぶんと振り回されるそれを揶揄う様に避けるペンギンたち。紅雨機は『ゼイゼイと荒い息を吐きながら』……次の瞬間、背部の尾翼のスクリューを高速回転させて『ペンギンドライブ』を起動。見違えるような動きでペンギンたちを叩き折っていった。
「アハハハハハ……! サポート型だと思って甘く見ました? 油断してっと噛み砕いっちゃうぞ!」
 ギザ歯を剥き出しにして人が変わった様に笑いながらペンギンを殴っていく紅雨。堪らず離れたペンギンたちを少年の機体が追い掛け回す。
「追いかけっこですか? ボクの月紅牙が鬼ですね。アハハ!」
 その紅雨を誘引し、逆に包囲し始めるペンギンたち。ライセンサーたちの方が単体の能力は上だったが、その数の差ばかりは如何ともし難い……
「やらせるか!」
 敵の一部がシャチ型と戦う仲間たちの方へと向かおうとしていることに気づいた恭弥機が、凪機と共にその只中へ突っ込んで行って、敵を撹乱しながらその半数を撃ち落とした。
「恭弥機より各隊支援機。状況を報告してくれ」
 敵を追い散らして一息吐いた恭弥は、戦闘に戻る前に各隊の戦況を確認した。
「こちらAZ。シャチ型に随伴していたペンギンたちは掃討したよ。現在、シャチ型1頭と交戦中……中々に手強いね」
 斬華の雄叫びを背景に響かせながら、電磁砲弾を装填しつつAZが報告する。
「こちらミリー。鯨型はまだまだ健在……鯨はともかくペンギン型がね、とにかく邪魔。最初はハッチごと吹き飛ばしていたんだけど、貫通攻撃が無くなった後は、こちらがいない箇所から新手が次々と……」
 報告を受けた恭弥は内心で舌打ちをした。とりあえず、早急に増援が必要そうなのは鯨側か。だが、こちらのペンギンもまだまだ数が多い……
「恭弥殿! 自分に策があるであります! 恭弥殿にはそれを手伝っていただきたく」
 交戦しながら近くまでやって来たラムダが進言した。
「あー、俺に、ってことは、その策は何となく思い当るんだが……」
「であれば話は早い。作戦を遂行する為、皆を守る為──迷っている時間はありません!」
 ほんの僅かな間の後、恭弥はそれを是とした。すぐに凪と紅雨に連絡を取り、手短にその策の説明をする。
 40秒後── 戦場を移動し、態勢を整えた各機が集結する。
 同時に、ラムダと恭弥が『思念式拡散波動』を展開。周囲のペンギンたちが一斉に彼らへ振り向いた。
「今です! 範囲攻撃で自分たちごとペンギンを薙ぎ払うのです!」
 ラムダが叫び、凪が改めて「マジか」と呟いた。恭弥も肩を竦めて頷いた。あの素早い敵を纏めて片付けるにはこれが一番効率がいい。
「お気になさらず。諸共に撃っていただいて構いませんとも! とにかく鯨を抑えられればこちらの勝ちであります。多少の被害もなんのそのであります」
「りょーかいです。『ダイダルウェイブ』!」 
 ギザ歯の紅雨は何の躊躇いもなく範囲攻撃を連打した。凪もまた「マジか……!」と呟きながら後に続く。
 ……やがて戦場に渦が消え、静寂が戻ってきた時── ペンギンたちはその数の殆どを減らしていた。

 だんびらを提げた斬華機がジグザグに海中を疾駆する。その高い機動性に、だが、シャチ型は追随してみせた。
 背後より放たれる魚雷魚──斬華は振り向きざまにその頸を斬り捨てて。直後に仕掛けられた体当たりをISで受け弾きつつ、クルリと体勢を整えた。
「……流石に海の中。機動は縦横無尽だね。斬華さんや僕たちも負けてないけど」
 レールキャノンの照準器越しに、水の中を『跳ね回る』シャチへ追って細かく銃口を振りながら呟くAZ。強敵を相手に、だが斬華は「それでこそです。刈り甲斐がありますね♪」と心の底から楽しそうだ。
「……まあいいですけど。……でもまぁ僕も、この状況で外すような狙撃手じゃ……ないんだよね」
 機の照準が定まらぬまま、操縦桿の引き金を引くAZ。暴れる敵の動きを見越して放たれたその一撃が、RFを貫いてシャチの頭部に傷を穿つ。
 すかさず反転攻勢に出る斬華。トーヤもまた八咫烏をリリースしつつ自身は下へと潜航。浮遊砲台で上から銃撃を浴びせつつ、下側から一気に上昇しながら腰溜めに構えた斬艦刀を突き上げる。
 その接近した2機に対して、シャチ型の『下半身』がバラりと崩れた。──シャチ型の下半身は、10本の烏賊の足が纏まって形作っていたものだった。
「ふわーっ♪」
「まさか烏賊と同類だったとは……!」
 自機に絡みついて来た触手へ刀を振るう斬華。どうにか逃れたトーヤ機へシャチの頭がぐりんと向けられて。直後、大きく開いた口へ向かって引き寄せられた。
「水を吸い込んで……!? 引き寄せながら噛み砕くつもりか!」
 一瞬、驚愕したトーヤは、だが逆に敵へ加速を掛けた。そしてその勢いすら利用して敵の口中に斬艦刀を突き立てると、その脇──魚雷魚発射管があると思しき部分へ刃を通した。
「食われてはやれない。代わりにこれを受け取るといい……打ち貫け!」
 直後、巨大魚が爆発し、トーヤはISを展開してその爆圧から逃れた。
 頭部を失ったシャチがユラユラと海の底へと沈降していき……「獲る首がなくなっちゃった……」と斬華がしょんぼりとそれを見送った。

 ペンギンとシャチを撃破したライセンサーたちが鯨戦へと加わった。
「要塞としての機能を潰させてもらう」
 駆けつけて来たトーヤが鯨型のハッチを攻撃し。だが、散々学習した鯨型はそれを肉の中へと引っ込めて防御する。
 その間も、鯨はACがいない箇所からペンギンたちを吐き続けた。
 水中を踊る様にそちらへ向かっていったユリア機が、最後の『セイレーン』を使って敵の動きを阻害した。ジェットストリーム……の如く後に続いたルフ機が、ユリア機の背後から立て続けにバズーカを撃ち捲ってそれらペンギンたちを排除する。
「自分で反撃できないなら、ただのサンドバッグね!」
 すっかりペンギンたちを排除し終えると、ユリアは鯨に取りついて大鎌でザクザクと鯨の肉を裂いていった。再び現れたペンギンたちをルフが撃ち、肉薄された敵をすれ違いざまに盾で殴る……
「ん……まだペンギンが出てない箇所が大体分かったー……」
 フリーデはトーヤにそのまま『ハッチに蓋』をするよう指示を出すと、その箇所に着地してがちゃりと盾の先を向けた。
「取って置きー……心力突出杭『須佐之男』、打ち貫くよー……」
 高速射出された杭が肉ごとハッチの奥のペンギンたちを貫いた。鯨は大きく身を捩じらせると、取りついたACを振り払う様に回転し……そのまま逆落としの恰好で海の底へと、深海へと去っていった。
 3体のシャチ型がその後に続いた。ACの潜航限界深度を超えて潜られては追いかけようがなかった。
「……これだけやれば、何とか次に繋げられたか」
 逃げる敵を見送りながら、疲労を隠せずにトーヤが言う。
「あれだけ沈めれば暫く作戦行動は不可能でしょ。作戦目的は達したわ」
「『本日は大漁なり』でしね」
 ルフの言葉に頷いて、ミリーは全隊に呼び掛けた。
「皆、お疲れ様。これより母艦に帰投する」

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