オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. プリズンブレイク

プリズンブレイク 影絵 企我

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
バトル 
参加人数
83~8人
予約人数
10010100
基本報酬
200000G
200SP
2000EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2020/01/04 16:00
完成予定
2020/01/19 16:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

●収容違反 
 年越しを控えた札幌刑務所。そこに流れているのは、罪を償うだけの何の変哲も無い日々。その中で真剣に罪と向き合い、将来更生して市民生活へと戻っていく者もいれば、結局罪を繰り返し、再び刑務所へと戻ってくる者もいる。年末を迎えたとてそこに何も変化はないはずであった。
 だが、そんな世間と隔絶された時間は、突如として終わりを迎えたのである。

 ある日、火災報知器の音がけたたましく響き渡る。他にもあらゆる警報が同時に鳴り始めた。看守達が慌ただしく駆け回っている間に、彼方此方の防壁が爆発で吹き飛び、次々と蠍型ナイトメア、スコルピオが押し寄せてくる。白く塗りこめられた甲殻のそれは、尻尾の先から次々に高熱弾を放ち、分厚いコンクリートも、刑務官も纏めて吹き飛ばしていく。体勢も整わないうちに、職業訓練場の壁が破壊される。
「ナイトメア……!」
 突然の出来事に、大半の受刑者達は訳も分からず立ち竦む。スコルピオはカチカチと鋏を鳴らし、爛々と光る複眼で彼らをぐるりと見渡したかと思うと、ずかずかと中へ乗り込んでくる。刃物のようにぎらつく鋏を見て、思わず受刑者達は震え上がった。
「ひぃ……」
 蠍の背後に見える穴。一部の受刑者達は、必死にそこから飛び出した。蠍はそれを追いかける事もせず、ただただ訓練場の中で周囲を睥睨していた。

●穴を塞げ
 取るものも取りあえず、緊急招集を受けた君達は現場へと急行する。輸送用のトレーラーに乗り込んだ君達は、モニターに映るオペレーターをじっと見つめた。
「今回の任務は札幌刑務所に出現したスコルピオその他のナイトメアの討伐です。スコルピオによる砲撃によって壁が数か所破損した他、刑務官に多数被害が出ています。この混乱に乗じて刑務所外部へ逃走してしまった受刑者も出ているような状況です。速やかにナイトメアを討伐し、状況を鎮圧してください」
 トレーラーが停止し、ハッチが開く。君達は武器を手に取り、壁の穴から一斉に刑務所の中へと飛び込んだ。白い鎧の蠍達が白い庭から次々に飛び出し、威嚇するように君達を鋏を打ち鳴らす。その前に飛び出したトランプ模様の兵士達が、手にした槍をピタリと構えた。

目標 ナイトメアの全滅

登場敵
☆強化スコルピオ×6
 毒針の代わりに対戦車砲が付いたサソリ型ナイトメア。接近すると鋏で攻撃してくる。
●分類
 A-SS-2
●ステータス
 ○物攻 △知防
●スキル
・ストライク
 尻尾から弾丸を撃ち出してくる。射程がかなり長い。[単体物理、射程8]
●傾向
・反撃
 最も大きなダメージを与えてきたPCをターゲットにしやすい。

☆トランプナイト×8
 胴体部にトランプのような模様が刻まれた機械化ナイトメア。精神的な影響を及ぼす攻撃を繰り返す。
●区分
 X-SS-2
●ステータス
○移動力 ×物理防御
●使用武器
・槍、ペイントボール
●スキル
・槍衾
 槍を構えて並び、敵を寄せ付けない。[白兵攻撃に対する防御力を向上させる]
・ペイントショット(PL情報)
 放つペンキは赤を白、白を赤に塗り替える。
[範囲攻撃、ダメージ0。被弾したPCその他は範囲攻撃時に攻撃対象から外されなくなる]

ロケーション
☆刑務所
 脱走者を出さないように厳重な警備が施された施設。しかしナイトメアの強襲には無力だった。
→遮蔽物はスコルピオの砲撃に多少耐えます。
→屋内から外壁までは見通しが良く、隠れるスペースがありません。
→屋内はおおむね放射状になっており、中央からの見通しが良い形状をしています。

TIPS
☆ナイトメアは受刑者を狙いません。

影絵企鵝です。
今度は札幌の刑務所が襲われました。敵そのものは以前に見たような奴ばかりなので苦労はしないでしょう。
さくりと片付けてしまいましょう。よろしくお願いします。


  • 88la0088
    人間33才|セイント×ネメシスフォース

【全体項】
・目的
敵撃破
・目標
スコルピオ=以下蠍
トランプナイト=以下歩兵
両殲滅
設備被害抑制
・概要
蠍対応、歩兵対応に分担
歩兵対応が歩兵の隊列を崩すと同時に蠍対応が歩兵隊列突破、蠍へ肉薄
その後両殲滅を以て完了とする

【個人
【全体項】参照
事前準備:設備内地図あれば把握共有
敵情報も味方より(PL情報)共有
雪原時メディクスコートで迷彩
原則歩兵対応
敵数常時把握
情報より少ない際、奇襲を警戒
設備内からの増援にも目を配る
外敵掃討後、敵殲滅数足りない場合は施設突入

攻撃
攻撃条件
赤使用=味方巻き込まず複数巻込可(自己巻込可)
銀使用=赤使用条件不一致時複数巻込可
スキル切or上記以外=歩兵→ショットガン 蠍→スキルor盾殴打
前に出る歩兵戦列中央に味方と位置、タイミング合わせて攻撃
その後歩兵の戦列を維持させぬよう、弱った個体をメインに狙う
歩兵掃討後蠍がいるor蠍戦不利なら蠍戦に切替
孤立しない
敵集団に突出しない

防御
盾時防御
それ以外は回避
ペイントボールは盾で受け、体にペンキ付けない
巻込可能性時は盾外しペンキ隠す
蠍砲撃は砲塔向き視認し方向見極め防御or回避
味方への砲撃庇う

回復
自己体力50%以下で神恵
負傷者入ればついでに回復

その他
万が一逃走個体が出そうな際はそちら優先
収容者職員への流れ弾は警戒、万が一は庇う

〈事前準備〉
過去依頼[サイキック求む]及び[謎のロボットナイトメア再び]での戦闘経験を回想。
記憶している敵情報を味方へ発信・共有を行うこと。


〈プレイング〉
主立ってはスコルピオの撃破に注力。
初手でトランプナイトの隊列崩し+スコルピオ牽制を目的に〈スキル:榴撃〉(一般人巻き添えリスク有なら〈スキル:雷吼〉で)を使用。
隊列に隙を作りだしたところで狭間 久志(la0848)紅迅 斬華(la2548)両名に突破させ、のち自身も後に続く。

以降はスコルピオの攻撃先を注視しつつ、これらを各個撃破で仕留める。
斬華が回復スキル持ち&高防御なので、適宜活用すること。

尚、突破人数不足の場合は初手のスキルで牽制を続行。
この際上述二名の巻き込みは回避・防御合わせで。


〈余談〉
紅迅 斬華(la2548)へのヤル気底上げを目的に、周囲には内緒でトランプナイトの追加情報を提供しておくこと。

◆目的
ナイトメアの撃破

◆目標
スコルピオ=(以下蠍)
トランプナイト(=以下歩兵)
両殲滅

◆戦闘
歩兵対応
初期位置より歩兵側面に回れるのであれば回り込む
回り込みが無理であれば正面やや右へ
味方にペイントされていない、又は味方を巻き込まない状況にて
ロードリーオーラ使用
距離が離れている場合
全力移動で側面から叩き気を散らすなど
隊列を崩すことを意識
立ち回りとしては接近戦で後衛に近づけない、
蠍班への妨害の阻止を目的とする。
ヒールは自身生命五割以下で使用

歩兵撃破後
蠍が残っていれば
杖に換装
手が空いているもの、又は傷ついているものの撃破を行う

  • 空の守護者
    狭間 久志la0848
    放浪者25才|グラップラー×ネメシスフォース

○目的
ナイトメア殲滅

○行動
トランプナイトをパスしてサソリ型に対処するため、先ずは敵前衛に対応する味方の初動とトランプナイトの動きを見る
味方の初手での範囲攻撃を意識し一歩引いて、敵前衛の両翼など突破するポイントに目星をつけ、味方の影に自身を隠し自身の動きを予測しづらくなるよう構える
突破のルートが見え次第【全力移動】でトランプナイトをパスしサソリ型の対処に回る

・戦闘方針
基本的に守護刀での白兵戦で対応し、持ち替えの隙を敵に見せない方針
射程外の敵には【凍り閉ざす銀】で対応
サソリ型によるトランプナイトへの射撃支援に抑止をかけるため、自分から敵陣に切り込んでサソリ型の攻撃を自身に向け、流れ弾がトランプナイト対応に飛ばないよう側面ないしは背面に回り込んでの位置取りを意識
同対応の紅迅、アークレディアが合流するまでは攻撃より敵の行動阻害を優先
【受け流し】で敵の攻撃に備え【無拍逆襲撃】で敵の攻撃に反撃を差し込みながら攻勢に出る機会を窺う

  • 首があるなら刈ってみせる
    紅迅 斬華la2548
    人間25才|セイント×ネメシスフォース

わぁ…。なんだか大変なことに♪

目的
敵の首

行動
「さくっと刈り尽くしてしまいましょう♪」
【全体項】参照
蠍対応班
味方がトランプナイトの戦線に突破口を開くタイミングを見計らう
突破口が空いたら全力移動で蠍へ※折角突破口を空けても敵に塞がれれば意味がないので行動順にも注意
突破する際は、トランプナイトに対して左右へのフェイント入れ補足されにくくする

蠍への道中は一直線に最短で進むが、進行中のスクエア内をジグザグ走行し的を絞らせない
一度の全力移動で近接射程内に入るなら大剣装備
複数全力移動が必要なら盾構え防御しながら進む

全力移動状態で蠍に接敵した場合、背中を駆け上がり尻尾の砲口(首)を刈り飛ばす
「この首、無くなったら砲撃出来なくなったりするのかしら?」
通常移動で接敵した場合は、蠍複数巻き込めるなら塵風で尻尾(首)を刈り飛ばす
単体しか範囲にいないなら、無式使用し尻尾(首)を刈り飛ばす

蠍との戦闘は蠍自身を遮蔽に利用し、他の蠍の砲撃の盾にしたり蠍の視界から逃れる死角にする

蠍は可能な限り迅速に刈り、トランプナイトと対応班と挟撃し殲滅の応援に行く

背を向けている個体がいるならそれから刈る

囲まれないように注意

敵の攻撃は、武器装備時に回避困難でも最低限急所は武器で庇う
理想は斬り払って凌ぐ

生命5割以下で禍津>天津使用






『刑務所、アンリが昔住んでいたところより快適そうなのです、そんなところから逃げるなんてもったいないのです。』

『しっかりお仕事して、逃げた人たちも帰れるようにしてあげるのです』


トランプ兵士対応

敵散開時は【エリアスナイプ】を用いて射程ギリギリから大弓で頭を狙って狙撃して接近戦で戦う兵士対応の味方を援護するのです。

『キャッホー!ラ○ボーみたいでとっても楽しいのです!でも腕力使うのでちょっと疲れるのです!』

狙われたら少し場所を変えて体を隠してから弓を使うのです!その後は一発放ったら移動なのです!

兵士たちが密集したらお楽しみの時間なのです。メインのショットガンをフルオートでぶっ放してミンチにしてやるのです!

『槍衾で集まったのが運の尽きなのです!ハンバーグのお時間なのです!』

兵士の周りを歩くようにしながら中腰の姿勢で左右に薙ぎ払うようにショットガンをぶっ放し薙ぎ払うのです!

敵がこちらに攻撃を仕掛けてきたら、飛雀幻舞で撹乱するのです。

兵士が減ってきて孤立し始めたら、首刈りの大鉈を振り回して叩きつけて、そのまま潰してやるのです、槍を弾いてから叩きつけてやるのです。

敵の攻撃は一旦弾いたりして捌いてから横に回り込んでから攻撃するのです。

『終わったら逃げた囚人狩りでもするのです?』

・事前
冬国なので、滑り防止に冬靴履く
マフラー、コート着用
懐炉で指温め

・戦闘
【全体項】優先
情報共有
全体の動きに合わせる

年末にサイコーのロケーションじゃん!

・歩兵対応
後衛配置
蠍の砲撃警戒
威力優先はライフル+高速装填
遅延行動で小銃でCC用い、隊列の穴埋めようとする敵に行動不能
味方範囲攻撃警戒
適時挑発し注意引く
歩兵殲滅後、他班加勢

戦闘後
実験セットの試験管にペンキのサンプル取り、持ち帰る
刑務所内の混乱鎮圧

>囚人
オラ!戻った戻った!
テメエらが逃げ出すと、俺様たちの責任が問われんの
外は氷点下だ。そんな恰好じゃ凍死するゼ
大人しく中で補修の手伝いでもしてりゃ、上に印象が良くなるように伝えてやるよ
どちらがメリットがあるか、よく考えてみナ

・囚人に医療知識保有者いれば負傷者手当て手伝わせ。救急セット使用
エラソーな刑務官も今は頭が上がらねーよ。さァ、看護の時間だぜ?
愉快に正しく治療。救急も呼ぶ

刑務所に現れるとはな、面倒な相手だ。
囚人の脱走を防ぐ為にも早々に鎮圧しなくては。

【戦闘】
強化スコルピオを相手。
トランプを全力移動で突破してスコルピオの前に立ち塞がる。
「お前の相手はこの私だ」
状況を考えても、割り当てとしてスコルピオを最低一体は倒そう。
仲間を巻き込まぬようにパワーツイストで攻撃。
自分の相手取ったスコルピオの近くに他の固体もいるのであればそれを巻き込む様に放つ。
その為に敵の位置は意識しつつ近くに敵がいるならば、他の敵の方に自分の相手取ったスコルピオを誘導するように、或いは壁の方に追い詰める様に動いて見る。
大前提として、囚人等がいるならそちらに誘導するのは避ける様にする。

壁が邪魔する等して、相手の動きが鈍ったなら、旋空連牙ですかさず連撃を叩き込もう。

目の前のスコルピオを倒せたなら、他の仲間の様子を見て救援に向かう。
仲間が相手どった敵を攻撃する場合は側面、背面に回りこんで旋空連牙などで攻撃する。

ナイトメアが全滅したら囚人の取り押さえに協力しよう。

●戦列を崩せ
 砕けたコンクリート塀から足を踏み入れてみれば、だだっ広い雪の庭に砲台と歩兵が列を為して構えている。仲間達の背後に従いながら、雨月 氷夜(la3833)はひっそりと笑みを浮かべる。
「年末にサイコーのロケーションじゃん?」
 一斉に放たれる蠍の砲撃。氷夜は横っ飛びで躱すと、身の丈ほどもある対物ライフルを構えて正面の兵士に狙いを定めた。兵士は前衛を張る仲間に気を取られ、氷夜には眼を向けていない。
「オイ、こっちだぜ、ウスノロ!」
 氷夜はけらけら笑いながら言い放ち、素早く対物ライフルの引き金を引いた。銃弾が兵士の顔面に突き刺さり、激しい火花を散らせる。不意を突かれた兵士は慌てて氷夜へ槍の切っ先を向けようとする。だが、今度は反対側から飛んだ矢が兵士の頭を撃ち抜いた。リベットが吹き飛び、粗末なカメラが剥き出しになる。身の丈の倍近くはある弓を構え、アンリエッタ・賽松(la3087)は軽やかに快哉を上げた。
「キャッホー! アクション映画のキャラクターみたいでとっても楽しいのです! でも腕力も使うのでちょっと疲れるのです!」
 ただでさえ下のリムが地面を擦りそうなのに、並の男では引くことも難しい強弓だ。一回引くたびに息が上がりそうになる。兵士が振り返ると、少女は仲間達の背後に素早く身を隠した。神無月 零(la0616)は入れ替わるように兵士の槍衾へと身を乗り出していく。
「年の瀬に刑務所の襲撃か。一体何のつもりだ?」
 小ぶりなバックラーを構え、その表面からその髪色と同じ銀の輝きを放つ。その光に誘われたトランプの兵士達は、槍を構えて一斉に一歩押し出して来る。零は突き出された槍の切っ先を盾の反りでやり過ごしていく。すると今度は擲弾銃を構え、次々にペイント弾を撃ち込んできた。それも零は盾で受けるが、ペイント弾は水風船のように破裂し、彼女の盾も彼女の髪も、血のように真っ赤な色に染めていく。瞼にかかった塗料を袖で拭い、彼女は顔を顰めた。
「何のつもりだ?」
「気を付けた方がいいぞ。そのペンキを塗りたくられると、どうにも他人と上手く連携が取れなくなるらしい」
 レイア・アローネ(la3955)は口早に叫びつつ、零の陽動で僅かに乱れた隊列の中を一気に駆け抜けた。咄嗟に振れた槍の切っ先が肩や脇を掠めるが、彼女は構わず兵士の間を擦り抜ける。
「まさか刑務所に現れるとはな。……面倒な相手だ」
 しかも既に囚人が幾らか脱走してしまったというのだから性質が悪い。これ以上被害が拡大する前に、急いで鎮圧するより手だては無しだ。
「お前の相手はこの私だ。行くぞ」
 煌びやかな大剣を担ぐように振り上げ、レイアは蠍へ襲い掛かる。蠍は咄嗟に鋏で迎え撃つ。彼女はその一撃をシールドで無理矢理受け止め、力任せの一撃で辺りを薙ぎ払った。巻き起こった衝撃波が蠍に次々直撃するが、蠍を怯ませるには至らない。蠍は尻尾にエネルギーを溜め込み、強力な砲弾を辺りにばら撒いた。弾は炸裂して熱波を撒き散らす。大剣を盾代わりにしてやり過ごした紅迅 斬華(la2548)は、レイアに続いて一気に飛び出す。左右へ軽くステップを踏み、兵士に的を絞らせないようにしながらその隊列の隙間を一気にすり抜けた。蠍は地面に鋏を突き立てると、巨大な砲身で直接殴りかかってくる。斬華は大剣の腹で受け止め、素早く蠍の容姿に目を走らせる。
「ここも首、そこも首、とりあえずくびれている所は全部首、という事で! なるほど、蠍さんは首がたくさんありますね!」
 早口で首差し確認を終えると、いきなり蠍の背中に乗り上げ、力任せに尻尾の節(彼女曰く首)へ刃を叩き込んだ。
「この首、無くなったら砲撃できなくなったりするかしら?」
 さらに身を翻し、反対側からその節にもう一撃叩き込む。木こりが木を切るように真っ二つ、蠍の尻尾は千切れて雪原に転がった。その大立ち回りを遠目に眺め、狭間 久志(la0848)は思わず溜め息を吐く。
「アレは相変わらずすごいな……」
 しかし見惚れている暇はない。彼女や零が敵の目を引き付けている間に、久志は大外回りの全力移動で蠍の側面に辿り着いた。
「……まあだが、俺だってそうそう引けは取らんだろう」
 刀を天へ振り抜き、氷柱の刃を三つ一気に蠍の群れへ降らす。背中を撃たれた蠍は、カサカサ動いて向き直り、久志に鋭い鋏を振るって襲い掛かった。刀の腹で鋏を逸らし、その複眼目掛けてその切っ先を突き立てる。流れるように立ち回りながら、彼は背後を僅かに見遣った。
「追撃は任せたぞ、アークレディア」
「了解だ、任せてくれ」
 アークレディア・クレセント(la0542)は黒いグローブを嵌めた拳を構える。近場の蠍三体に狙いを定め、その場で素早く踵落としを繰り出した。
「雷吼!」
 同時に目の前の蠍に雷撃が突き刺さり、更に雪原を駆け抜けた雷撃が右に左に駆け抜け、そばの蠍二体をも撃ち抜いた。今度はアークレディアに狙いを定め、蠍はその尻尾を向ける。彼女は兵士達から離れるように走りつつ、インカムのスイッチに指を宛がう。
「槍兵は見た目はごついけど中身は精神型だ。奴のペンキを塗ったところには上手く意識を払えなくなって、攻撃の巻添えにしてしまう事になる。赤いペンキに気を付けてくれ!」
 彼女が仲間へ伝える間にも、ブリキの兵士達は四方八方にペンキの弾をばら撒いている。白い雪原が血の惨劇のような有様だ。だが88(la0088)は、特に動じることも無く、淡々と歩兵へ散弾銃を向け続けていた。
「そんな事は、敢えて言われるまでもなく分かっているとも」
 投げつけられたペイントボールは盾の表面で受け止め、敵が槍を構え直そうとした隙に一歩踏み出し散弾を叩き込む。ブリキの装甲板に銃弾が突き刺さり、激しい火花が散った。
「繰り返し行動しか出来んような相手に、遅れを取る理由はないな」
 多少奇抜な能力を持っていたところで、居合わせたライセンサーが震え上がるような事をしてこないなら、それは彼にとって退屈な存在に違いなかった。

●囲んで叩け
 ライセンサー達の分断作戦に抗うかのように、トランプの兵士達は一斉に身を寄せ合う。バラバラのスートにバラバラの数字。それでも彼らは揃ってペンキを四方にばら撒いた。正面から直撃を喰らったアンリエッタの半身が真っ赤に染まる。
「ふーん! 槍衾で集まったのが運の尽きなのです! ハンバーグのお時間なのです!」
 散弾銃を構えた少女は、兵士達の正面で散弾銃の引き金を絞る。鉛弾の吹雪が容赦なく兵士の装甲をぶち破る。兵士が負けじと槍を突き出すと、彼女は身を翻してその一撃を躱し、背負った大鉈を抜いて槍の切っ先を払い除けた。
「これで潰してやるのです!」
 彼女の一撃がクリーンヒットし、首を刎ねられた兵士はその場に倒れ込む。その猛攻を押さえるのに必死で、兵士は後ろを顧みる暇もない。
「ふふん! こんなにたくさん首を用意したのが間違いでしたね!」
 斬華は大剣を正眼に構えると、正面の蠍と対峙する。尻尾を高く掲げた蠍は、その砲身を真っ直ぐ彼女へ向けた。砲身の口が白熱し、轟音と共に砲弾が放たれる。刹那、彼女の姿は寒空の中に消え去り、次の瞬間には尻尾のありとあらゆる節が切り裂かれ、バラバラと雪原の上に散らばった。最強の大技、無式である。
「さあ、どんどん行きましょう♪」
「おいおい。一人で全部刈り尽くすつもりかよ……」
 呆れたように呟きながら、久志は蠍に対峙する。斬華に尻尾はもがれても、まだまだ蠍はぴんぴんしていた。鋏を振り上げ、脚を狙って次々振り回して来る。久志は蠍の背中を飛び回って器用に躱し、蠍の頭の付け根を目掛けて刀の切っ先を突き立てる。蠍は声も無く暴れるが、彼は蠍の背中にしがみつき、そのまま全体重をかけて刃を突き通した。体液がどろりと溢れ、蠍はその場に崩れ落ちる。死体へ覆い被さるように別の蠍も突っ込んできたが、彼は紙一重で躱した。死体に乗り上げた蠍の足が空を掻き、一瞬その動きが鈍る。
「隙あり!」
 その瞬間をレイアは見逃さなかった。大剣を頭上高く振り被ると、全身をのびやかに躍らせ、大剣を蠍の腹に叩きつけた。甲殻の隙間をこじ開けると、彼女はそのまま刃の切っ先を蠍の腹へ捻じ込み、蠍の身体を真っ二つに引き裂いた。
「こちらの優勢だ! 一気に仕留めるぞ!」
「だってよ。おいトランプども! ナメられてたんじゃ悔しくねーか?」
 対物ライフルを膝立ちの姿勢で構え、氷夜は兵士を挑発しにかかる。しかし、兵士は目の前で暴れるアンリエッタを牽制するのに必死となっていた。
「無視かよ。だったらこっちにも考えはあるんだぜ?」
 ライフルのレバーを引くと、空の弾倉に白く輝く銃弾を押し込む。そして彼はぴたりと兵士の首筋に狙いを定め、その弾丸を叩き込む。白い輝きが兵士に突き刺さった瞬間、霜が茨のように兵士の身体を走り回り、その体を縛り上げた。すかさず88は身動きを止めた兵士へ狙いを定め、散弾銃の弾を叩き込む。装備の留め金が吹き飛び、肩や頭の関節が剥き出しになった。そのまま右手を掲げると、氷柱を降らせて兵士の身体を撃ち抜く。肩から腰まで貫かれた兵士は、槍を放り出してどさりと倒れた。88はそんな兵士は一顧だにせず、新たな敵へ照準を定めた。

 零は盾を構えると、一気に兵士の戦列正面から側面へと回り込む。その身を躍らせ、盾の縁を兵士の首筋に叩き付けた。
「来い。お前の相手はこっちだ」
 兵士は咄嗟に振り返ると、ペイント弾を放つ。零は盾を構えて受け止めたが、その高い質量に押されて思わずよろめく。兵士は一気に槍の切っ先を突き出した。零は半身になって何とか躱し、再び盾に光を纏わせ敵の目を己へ引き寄せる。がら空きになった横っ腹に、アークレディアと斬華が一斉に狙いを定めた。
「そうそう、ザンカ姉」
 早速首筋に狙いを付けている斬華に、アークレディアはこっそりと耳打ちした。
「あのブリキのロボット、中にもナイトメアを匿ってるぞ。つまりは一体で二度も首を飛ばせるって寸法だな」
「確かに! 他のロボットナイトメアも、何やらそんな身体の作りになっているんでしたっけ。……よし!」
 斬華は早速奮い立つと、ロボット目掛けてするすると間合いを詰めていく。ボールを放られた犬よりも扱いやすい。アークレディアは背後で拳を構え、静かに闘気を練り込んでいく。斬華は素早く踏み込み、深紅のオーラを纏わせた大剣で二度袈裟懸けに斬りつける。一撃目で機械の首を刎ね飛ばし、二撃目で機体の内部に閉じこもっていた小型ナイトメアをも叩き潰す。火花を散らした機体は、オイル塗れになってそのまま横ざまに倒れ込んだ。
 とうとう孤立した最後の兵士に向かって、アークレディアは一直線に踏み込んだ。拳を固めた彼女は、手甲から放った光で刃を作り、目に留まらぬ速さで兵士の胸元に入った亀裂を三度突き刺す。
「影凶ル白刃!」
 突き立てた手刀を抜き放った瞬間、どす黒い体液が溢れ出す。兵士はそのまま倒れ込み、ピクリとも動かなくなった。

●消えた囚人
 ナイトメアを排除し、どうにか平和を取り戻した刑務所。早速土木作業員がやって来て、塀に空いた穴の補修工事を始めた。様子をじっと窺う囚人達を、アンリエッタは手を突き出して独房や雑居房へと追い返していく。
「ほらほら、見世物じゃないのです! せっかく三食付きの良いお部屋に暮らしているんですから、大人しくするのですよ」
「良いお部屋って……」
 囚人は顔を顰めたが、アンリエッタは大真面目な顔をしている。その隣には斬華もやってきて、軽く頬を膨らませて彼らを見渡す。
「この機に乗じて脱走しよう、なんて考えたらだめですよ? そしたらお姉さんが地の果てまで追いかけて捕まえちゃいますからね!」
 渋面作っていた囚人達だったが、斬華がやってきた瞬間一斉に震え上がった。
「こいつ知ってるぞ。首斬り斬華だ! とにかく目についたもの全ての首を斬り落とすらしいぞ!」
「い、いつの間にそんな噂が? お姉さんはそんな事しませんよ?」
 慌てて囚人達を宥めようとする斬華だったが、そこへ88がふらりとやってくる。
「取り繕う必要も無いだろう。この前は一体幾つ首を斬った」
「この前? ええと、ひぃ、ふぅ、みぃ……」
 咄嗟に首級の数を数え始めてしまい、周りの囚人達は一斉に腰を抜かした。看守達まで遠巻きに様子を窺っている。気付いた斬華は88へ抗議の視線を送る。
「あ! ちょっと!」
「俺は別に質問をしただけなんだがな」
 このままでは埒が明かない。アークレディアは慌てて駆け付け、看守達の脇を支えて立ち上がらせる。
「ほら、腰抜かす必要なんかないって。本当にザンカ姉はナイトメアしか斬らないから。ほら、わたしの首はちゃんと繋がってるだろ?」
「そ、そうですね……わかりました……」
 かくして、刑務所の内部も何とか平穏を取り戻していくのであった。

 一方、外では零が脱走者を探して敷地内を練り歩いていた。コートにべったりと張り付いたペンキを見下ろし、彼女は深々と溜め息を吐く。
「これは……クリーニング行きだな……」
 そして成果もなしのつぶてだ。元々敷地内に物陰は多くないが、それにつけても囚人達の姿は一つも見えなかった。反対側から敷地を回り込んできた久志と出くわし、彼女は小さく首を振る。
「見つからないな。そちらはどうだ」
「いないな。まあ塀に穴が空いてたんだ。わざわざナイトメアが歩き回ってる敷地の中に居座るより、さっさと外に逃げる事を選ぶだろうな」
 久志は眉を寄せると、そばの塀を見つめる。既に足場が組まれ、補修の準備が淡々と進められていた。
「しかし、なんだって刑務所を襲ったんだ。世情の混乱を狙ったにしても、こんな真冬に着のみ着のままで放り出しても、そう長くは逃げられねえだろうに……」

 氷夜とレイアは塀の外に捜索の手を伸ばしていた。しかし、それでも脱走囚らしい人間の姿は一つも見えない。いっそ不思議なくらいだ。刑務所の正門で氷夜と顔を突き合わせたレイアは、深刻な顔で俯く。
「全く見つからないな。一体どこに行ってしまったというのだ。……0度の境を行ったり来たりするようなこの環境では、すぐに凍えてしまうぞ」
「まあそりゃ、凍えるだけなら自業自得だろ。俺様たちの責任も問われるんだから、勘弁してほしいぜ」
 顔にはいつもの軽薄な笑みを浮かべている氷夜だったが、脳裏には今まさに様々な情報が目まぐるしく結びつこうとしていた。試験官に掬った深紅の雪を見つめ、彼はぽつりと呟く。
「全ては、この色より始まる、か」
「何だ?」
 レイアはすかさず尋ねたが、彼は静かに首を振る。
「何でもねえよ」

 氷夜は全て偶然と己を納得させようとしたが、既に事件は大きな節目を迎えようとしていたのであった。



 おわり

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