オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 一対の試練

一対の試練 鳴海

形態
ショート
難易度
難しい
価格
1500(EX)
ジャンル
バトル 
参加人数
153~15人
予約人数
10010100
基本報酬
230000G
230SP
2300EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2018/11/22 23:00
完成予定
2018/12/02 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-

● それは突如現れた。

 日本のとある山間の盆地。盆地とは気温差が激しく熱くも寒くもなりやすい。
 先日初めて雪が降ったが、それは太陽光で溶けてしまい積もることはない。
 そんな今年初めての雪の日にそれはきた。
 初雪を観測するテレビカメラがそれをとらえたのだ。
「山の上から何かが下りてくる」
 その何かは近づくにつれ姿をはっきりとさせる。
 山の上から迫る赤と青の何か。
 この青と、赤の二体。どうやら人間ではないのだろう。
 カメラがズームすれば異形の姿が映った。手には金棒。
 そこまでわかれば判断は早い。それが人間でもなければ超自然的なにかでもない。ナイトメアだと想像するのは難しくなかった。
 直後、怯えた民主たちは各々の判断でSALFに通報を入れる。
 SALFの電話窓口に電話が殺到する。
『山から何かが下りてくる』『町の中に入ってきた』
『車を跳ね飛ばしながらこちらに向かってくる』
『この町は終わりだ!』
 SALFは急いでライセンサーを派遣。ヘリで輸送し町の真ん中に投下する。
 避難の完了していない街中の交差点。厳しい戦いになることは承知の上で君たちは敵に挑むだろう。


●豪鬼、動鬼 

「皆さん、足を止めている猶予はありません敵の攻撃を避けながら、または回避しながら私の話を聞いてください」
 そう君たちに支給された無線機越しにオペレーター那由多は言った。
「目の前にいる二つのナイトメア、該当情報が存在するので解説します」
 ライセンサーと相対する二つのナイトメア。それは一見すると昔話に出てきそうな鬼のような見た目をしていた。
 赤い肌。青い肌。でっぷり太ったお腹、もじゃもじゃの頭。
 角と虎柄のパンツ。まるで絵本の世界から出てきたような『鬼』だがそんなのんきなことは言ってられない。
 その二体の鬼は交互に君たちへとその手の大きな金棒を叩き付けようとしてくる。
「全長三メートルの鬼のナイトメアです。豪気が攻撃を得意とするA型。動鬼がD型です」
 見た目がそっくりな鬼だが役割が別れているらしい。
 鬼たちの蹴り飛ばす自動車を避けながらライセンサーは次の報告をきいた。
「どちらも単騎の性能としては高いナイトメアです。これまで三度討伐が計画されていながら三度取り逃がしています」
 聴けば赤い鬼、豪鬼は身体能力が高いアタッカー。
 きけば青い鬼、動鬼は結界をはる能力をもつサポーター。
 二人の鬼はそれぞれの戦闘能力も高いが、真骨頂は連携による戦闘だ。
「今回、討伐が不可能だと思われる場合は、片方の鬼を集中攻撃して撤退に追い込んでください。ご武運を祈ります」
 告げて那由多は通信を切った。

●戦闘フィールドについて。
 現在三車線のこの町一番大きい道路の交差点に立っています。
 町の中心であったので交通量が多く逃げ出した人達の車がごろごろ残されています。
 それ以外は見晴らしがいいので戦闘は楽でしょう。
 背の高いビルやショッピング施設が並んでいるので倒壊に注意してください。


目標 二体の鬼の討伐。もしくは撤退に追い込む。

 今回のミッションは二体のナイトメアの討伐、もしくは彼らを追い払うことです。
 片方の鬼の生命力が八割を下回ると撤退準備に入るようです。
 足は速くないので追撃は容易ですが。被害が大きくなりすぎる場合はそのまま逃がしてしまっても構いません。

●豪気について
 赤い鬼豪鬼は攻撃性能の高いナイトメアです。
 基本は二メートルある金棒を振り回してのパワーアタッカーですが、真骨頂はその身体能力です。
 図体がでかい割に俊敏で反射神経もよく、攻撃を受け流す、いなす、はじくと器用なことをやって見せます、純粋に戦闘技術が高いのと。十メートル以上の跳躍、地面を叩いての衝撃波。車両を投げると言った。戦略的行動もとってきます。
 ただ二体の鬼の共通点として遠距離攻撃がないことが挙げられます。車両等を投げたとしても爆発や衝撃ではシールドを傷つけることができないので目くらまし程度にしかなりません。

●動鬼について
 青い鬼は動鬼です。
 攻撃は金棒を振り回すだけですが、実は金棒の威力は動鬼の方が高いです。軽く1.5倍の攻撃力はあります。
 こちらの鬼は豪鬼のような俊敏さや優れた運動性能はありませんがパンツの中から護符を取り出してそれを使うことができます。
 護符は貼られたところから15センチ程度円で、高さは2Mほどの柱を出現させます。光の柱でたいへん目立ちます。
 とにかくこれが邪魔です。
 これを動鬼は障害物として使いますし、豪鬼は足場に使ってジャンプしたりします。
 この光の柱は生命20を持ち物理防御力は200ほどありますが、近く防御力は20程度しかありません。
 また動鬼自身も物理防御力が高く知覚防御は低いようです。


 こんにちは鳴海でございます。
 今回はこの二体のナイトメアを同時に攻略していただきます。
 動員する人数もかなり多いのですが、戦力が多くても連携がとれていないとこのナイトメアには勝てません。
 役割分担と仲間との連携を意識して。前衛後衛、サポート役をしっかりわければ攻略も難しくないはずです。
 また、戦闘描写をしっかり描きたいのでEXにしてみました。
 それではよろしくお願いします。

絡み大歓迎
・心情
「難しい依頼だとしても諦める気はしませんね」
・目的
二体の鬼の討伐。もしくは撤退に追い込む。
・行動
二班に分かれてそれぞれの鬼の対応。
班分・全体行動は三代梓(la2064)プレイング参照
豪鬼弱点や特徴を把握し、全員と共有する
ビル倒壊→対策は鬼 迅衛(la0556)プレイング参照
・個別行動
攻撃は同班味方とタイミングあわせる
もしくは相手の攻撃を邪魔するタイミングで射撃
射撃場所は手足>胴体の順で狙いやすいところ
万が一攻撃が向いてきたら素直に防御。この際サブ1装備で受ける。
・スキル使用時
①ポイントショット→味方との協力攻撃時に惜しみなく。使用時武器は優先度:メイン>服飾1・携帯品1・3で
②フレイムロード→味方との協力攻撃時に惜しみなく。使用時武器はサブ2装備
③ヒール→豪鬼組でメインセイントの手が足りてなさそうな場合手助けで使用
・武器について
基本装備はサブ3。(開始時には既にサブ3に持ち替え)
①のスキル使用時にメイン、服飾1、携帯品1・3装備し使用
リロードは相当余裕ある時のみ使用
基本はリロードなしでサブ3→携帯品2→携帯品4→携帯品5と持ち替え
携帯品5まで撃ちきったらスキル①使用時でなくとも服飾1・携帯品1・3>メインの順で持ち替え
全て撃ちきったら上記の基本装備順でリロード→使用で

  • 創造の旗を掲げた者
    紫陽花la0499
    ヴァルキュリア12才|ネメシスフォース×スナイパー

※アドリブ可

○心情

鬼ですよ、鬼ー。
是非、ぶった倒して標本にして集客が見込める施設に売り飛ばしましょうー(

○行動

一般人の有無確認
居た場合はこの場から離れる様に警告

建物の崩落の可能性を考慮
柱の破損など損傷が激しい建物への接近時は注意

タグ【全体方針】【分担】

敵に近接された場合も考慮
味方と相互支援が可能な位置取りで行動
敵の行動を常に観察、自身の攻撃や防御に活かす

「ピカト~」装備・知覚攻撃+スキル併用で攻撃

識別不可の範囲攻撃(咲き乱れ~)を使用する場合は味方を巻き込まない様に使用
及び使用前に味方への注意喚起を実施

「レール~」「凍り閉~」「咲き乱~」の範囲スキル使用時
動鬼、豪鬼の双方を範囲内に収めるなら積極的に巻き込んで使用(護符の柱も目標に収まるなら攻撃対象
「咲き乱れ~」は高度差を考慮、立体的に範囲攻撃
「フォース~」複数を巻き込めず、単発攻撃で十分な場合で使用(「フォース」の残弾0で単体でも範囲攻撃を実施

相手の視界外、背後や側面などから位置的に可能ならば攻撃
また、相手の移動力低下を狙い下半身(足回り)を狙う(命中率的に難しいなら無理に狙わず

近接された場合
「大鷲~」装備で味方の援護まで回避行動

  • 無銘の流派
    鬼 迅衛la0556
    人間21才|グラップラー×スピリットウォーリア

「鬼か。くかかっ。奇遇よなぁ、儂も鬼だ」

読み方に違いはあれど、同じ字ということで奇妙な偶然を感じている
無線で鬼が強敵との報を受けているため、かなりワクワクしてる

・方針
可能なら二体を分断させ、連携阻止を狙う。豪鬼に5、動鬼に10人を割り振り、分断成功すれば各個に包囲。失敗すれば二体まとめて包囲。その際もただ包囲するのではなく前述の組分けを意識して個別に相手取る
動鬼に火力を集中させ撤退まで追い込み、後に各個撃破を狙う
味方半数の戦闘不能、または全セイント(サブ含む)の戦闘不能で撤退

・行動
動鬼への攻撃に参加
通常攻撃で逃走阻止の伏線として足周りを優先して攻撃。機動力を削ぐ
光柱出現時はパワークラッシュまたは龍震虎砲で動鬼ごとまとめて破壊。味方の位置に気をつけ、移動や放つ方向を工夫し巻き込みを防止。どうしても巻き込む場合は発動しない

二体が撤退を開始したら先行しそうな方に全力移動で回り込み、攻撃を仕掛け挑発。意識をこちらに向ける
動鬼には烈火の戦斧。豪鬼にはまず戦斧で仕掛け、次はスタークレイモアを使用、次ターンからは効果の大きかった方を使用。戦闘中に弱点が判明している際は初めからそちらを使用

ビル倒壊時はまず無線で互いの状態を確認。埋もれる等して自力脱出が不可能な者は近くに居る者が救助。また、鬼の位置を見失わないよう無線で共有

〇行動
動鬼班

・基本
光柱破壊を優先と敵の観察
分断実行時は、光柱破壊しつつ、手が空いている間は動鬼の死角に回り込み攻撃
分断成功中は、光柱破壊を継続しつつ、動鬼が豪鬼を援護or合流しようとするのを妨害
分断失敗し、包囲に移行した場合は仲間の傍(包囲外周部)に作る光柱の破壊を優先

・対光柱
護符を飛ばすのを阻止する為、可能なら切り払っての撃墜を試みる
鬼達が足場に使おうとした場合、そのタイミングで破壊して体勢崩させるのも狙う
光柱を複数立てた場合、仲間を巻き込まないなら「パワークラッシュ」で一気に壊す
逃走する際にもばらまくと予想し、「パワークラッシュ」は1回分残す

・観察
可能な限り2匹が視界に入る立ち位置を意識し観察
豪鬼は、跳躍や衝撃波の溜めや予備動作を探し、見つければそれを全体周知
また車を投げる際は注意喚起
動鬼は、護符の使う頻度や飛ばせる射程を看破。枚数制限があるのかも確認
また動きの鈍り、攻撃の弱り具合、豪鬼と合流したがる動きを見て残り体力を推測
両鬼の連携で頻度が高いものを確認し、そのタイミングをずらすべく仲間に協力を求める

・トドメor追い打ち
動鬼が弱りだしたら追い込むため、「崩撃」使用を宣言し、その後仲間に攻撃を促す
逃走したら「全力移動」で先回りし、ダメージ覚悟で「崩撃」を当て、仲間の追い打ちを補助する
「逃がさん。お前の首はここに置いていけ」

このナイトメアはニホンの鬼というモンスターがモチーフか?
何故このような姿形なのか興味は尽きないが…仕事優先だな

まずは相手を包囲ないし分断か
出来れば分断させたいが、難しければ連携の妨害を念頭に置こう
具体案としては【対動鬼】と【対豪鬼】の両班で二体の間に割り込むように突入
そのまま各担当の相手に向かいお互いを離すように交戦領域を広げていくイメージ

私は【対動鬼】として行動
射程4~5の辺りを維持しつつ適宜調整
動鬼が設置する光柱を出現する端からエナジーガンで撃ち壊す
既に設置されてるものがあるならそちらも破壊
「この柱が連携の肝になるのであれば、優先順位は高めだな」

こちらの行動を阻害する位置の柱を優先
次いで豪鬼が利用しようとする物
逃走に使いそうなら最優先破壊

必要なら放置車両の上に乗り視野確保
戦場を俯瞰するイメージで敵、味方の動きを把握
咄嗟の声かけや連携妨害の指示もできれば行う
可能なら豪鬼の動きにも気を配り、こっちに跳躍したらフォースアローで撃ち落す
「チッ、そっちに行かせるな!連携される!」

火力役に適宜束ね連なる因果使用でお互いの火力増加
崩撃に合わせ魔導書+フォースアローを撃ち込み
射程範囲内に味方いなければ乱れ咲く赤を下半身に撃ち込み符の焼失狙う
「幽玄の華一輪、焔の産声よ咲き誇れ!」

逃亡する鬼に全力移動+至近距離で膝裏射撃で転ばせる

【心情】
「どれだけ強力な個体であろうと、退く理由にはなりませんので」
【目的】
敵2体の討伐・最低でも1体は確実に仕留めたい
【行動】
概ね全体方針に準拠
先ず障害物を発生させる動鬼に狙いを絞り全力移動で動鬼の側面か背面へ肉薄
腕部~肩口を集中的に狙い握力低下や腕の動作速度の低下発生を狙う
数回の攻撃の間に1回の形でライトバッシュを使用
「片腕でも潰せば、行動手段を制限出来る筈…!」

対象の攻撃は予備動作を見て、振り下ろしなら横に飛び、横に振り抜くなら屈み
斜め上からなら攻撃が迫る側へ、斜め下からならば迫る側とは反対へ飛び込む形で直撃を避ける
武器で衝撃をいなす事も忘れないようにし過度の疲労を抑える

他の前衛との位置交換も行いつつ逃げ場を与えない様に詰めていき
相手の体勢が崩れた隙を突くように魔道書でのフォースアローを撃ち込む

また、常に豪鬼の車両投げによる横槍に留意して戦闘

動鬼を撃破したら直ぐに豪鬼へと向かい一度全力移動を使い距離を詰める
回数が残っていればフォースアローを撃ちつつ退路を断つ様に接近
近接戦闘では武器をツヴァイヘンダーに持ち替え、ライトバッシュの回数があれば使用

豪鬼へ接近時に車両投げが来る場合、車体の下に身体を滑り込ませ、大剣を車体に滑らせて流す様に突っ切る事を試みる
「(想像力がそのまま能力に繋がるなら、『出来る』とイメージする事こそ何より重要…)」

  • 味方を支えし者
    黒井 星斗la0952
    人間16才|セイント×ネメシスフォース

心情:「ここで止めます、何としてでも」
  これ以上、市民生活を破壊させるわけには行かない

行動:作戦に従う
 初期配置は動鬼対応班
 最初は、仲間のスキル[崩撃]の後、他の仲間とタイミングを合わせて知覚攻撃スキルを叩き込む
その後は、仲間のダメージ具合により回復を優先させながら、動鬼の出す光の柱を壊しつつ隙を見て動鬼に攻撃スキルで攻撃
光の柱には、スキルでなく魔導書を使った知覚攻撃でぶん殴る
行動優先順は、回復>光の柱攻撃>動鬼攻撃
回復は、仲間のダメージが3割以上受け、もっともダメージの重い方を優先して回復させる
 動鬼への攻撃は、攻撃スキルのある内は攻撃スキルをどんどん使い
スキルが切れた段階で、武器を槍に持ち変えて前衛に上がる
槍での攻撃の際には、常に側面や背面に回り込んで攻撃
ダメージを与えるよりも、嫌がらせの様に攻撃を加え敵の気を散らせ仲間の攻撃を誘う
 動鬼を倒したら、すぐに豪鬼対応の支援に加わる
豪鬼の時は、スキルが無くなっていたら武器を銃に持ち変えて支援攻撃を行う
人数が多くなる為、前衛は控える

アドリブOK

  • 一閃断刀
    紅焔la1575
    人間17才|スピリットウォーリア×ネメシスフォース

「私は紅焔。宜しくお願いします」
鬼、ですか。
撃破、承りました。

○行動
初手は対動鬼に尽力します。
様子を見る為にも剣を構えて後衛よりに前衛との中間に。
前衛が抜かれても後衛を守れる様に。
剣と盾を構えて準備しつつ『フォースアロー』を何時でも撃てる様にしておきます。
戦闘時には相手を観察して戦闘スタイルや癖を把握。
距離を離してる事を生かして付近の建物の状態を観察し崩れそうなものがあれば声を上げて警告します。
符を取り出す際には、どこから出しているのか、と真っ赤になって抗議してしまいそうです・・・
光の柱が出たらそれをどう使うのかを観察。
足場や障害物として使うのがわかったら、剣が届かない距離でそれを利用しようとした所に『フォースアロー』で切り崩しを行います。
あるいは離れた位置にいる自分に対して明らかに隙を見せた状態であれば躊躇わずに『フォースアロー』を叩き込みます。
一度見せたら後は使用数が切れるまで使用して援護。距離をとった時など一息つこうとした所を狙い撃ちます。
前衛が崩れてしまった場合でもすぐにフォローできるように構えておきます。
人数が多いのでこの位置ですが私も剣こそが得意。
手合わせは望む所です。
人やモノを巻き込まない状況であれば『パワークラッシュ』使用。

  • 戦場のActress
    三代 梓la2064
    人間34才|スピリットウォーリア×グラップラー

◆全体方針
敵を分断し連携阻害
動鬼は足止・集中砲火し、生命減少による撤退を狙う
豪鬼に注視を付与し雪室が囮になって誘引
豪鬼組は動鬼撤退までは牽制中心
鬼撤退時は追撃し、各個撃破
分断失敗時は纏めて包囲し範囲攻撃中心に掃討
識別不可攻撃は味方を巻き込む場合使用しない
ライセンサー半数の戦闘不能orセイント全員の戦闘不能時撤退
流れ弾や車の投擲発生時はチーム内通信で結果共有し建物の倒壊に注意
衝撃波や柱召喚の予備動作確認したら通信で注意喚起

◆分担
動鬼:ハシバ・サイ・紫陽花・ラウラ・アルクス・藤井・黒井・梓・迅衛・紅焔
豪鬼:雪室・春樹・ヴラム・シンシア・タトゥース

◆心情・セリフ
「【鬼ヶ島】の一人としては、鬼と逢っては力試ししない訳には行かないわね?」
御伽噺のままの鬼と対峙できる事に心躍る

◆行動
上記の全体方針・分担に従う
攻撃は基本的に脛や膝を狙い、行動が鈍る様に機動力を削いでいく
後続を援護する為に爪翼装備で崩撃
防御低下中は斧に持替えて攻撃
攻撃タイミングは味方の攻撃命中し体勢がよろけた隙や、逆に味方に鬼が攻撃を加えて意識が自分から逸れた時
ヒットアンドアウェイを心掛け一所に留まらない
全体方針に反しない限りスキル積極使用
鬼撤退時は全力移動で回り込み攻撃

豪鬼対応の全体の動きを視野に入れつつ攻撃行動、転がっている車を足場に立体的に動く足場にした時車を全力で蹴り込み、豪鬼から遠ざける
攻撃は常に敵の攻撃後移動後の体重が乗っ足へ、概ね膝辺りを左右問わず執拗に攻撃し敵の意識を下に向けさせる、この攻撃で頭が下がるなら
顎への突き上げ、顎先を掠める攻撃も織り交ぜ、縦横無人に動き回るが、見方の動き、射線の通しを意識し、動きや攻撃で自身に注意を引き
見方の攻撃が死角を突く様意識を向けさるよう心がける

基本は上記攻撃方法だが、効果が無くとも蹴り等他の四肢を使った攻撃も織り交ぜる、四肢によるこうげきもEXISの武器の延長線と
強く意識攻撃強度の度合いをはかり有効打となるなら、積極的に織り交ぜていく
攻撃は一方向に押し込んで行くように攻撃を行う、連携時による他の面子の攻撃も射線を開ける際にある程度そのことを
意識した行動をとり動鬼との距離を稼ぐある程度のころあいを見はかり、徐々に後ろを取りにいき本格的に逃げに転じた場合は
攻撃や動きでテンポをずらしたり、移動攻撃で進行方向の頭を抑えるように行動

三代全体方針に従う
ナイトメアは生きて帰さない
豪鬼の移動力低下と連携行動の阻止、動鬼班の支援と追撃支援

都市迷彩の欧州軍野戦服
銃は射程に応じて取換え

個人行動では相手撤退開始前は豪鬼の移動力を削ぐ事と車両投擲の妨害を中心に行う
移動スキルを随時使用し機動的に行動
路上の車両や残骸を遮蔽物として豪鬼、動鬼の注意を惹かない様に移動、同じ所から攻撃は行わない
可能なら豪鬼が狙う方向の車両の影に移動し距離を詰める
その上で
1:対人近接攻撃時は側方から十字射撃
2:向かって来た場合は伏せて隠れ車両を持ち上げた時点で至近距離から射撃(落下する車両を利用して退避)
3:他の車両に向かう時はa)動鬼に接近する方向なら目的となった或いはルート上の車両を接近した時点で銃撃して利用を妨害b)離れる方向なら持ち上げて姿勢が固定されたところを銃撃
射撃は相手移動中なら足止めスキル使用、そうで無いなら脚関節への部位攻撃、これは継続

味方の注視が効いている時の車両接近は利用妨害
動鬼班に近接しそうなら移動攻撃による射撃と罵声後遮蔽物へ離脱
「出来損ないのゴミめ!XX友を頼らなきゃ何も出来んのか!」

車両残骸への接近時揮発臭を感知したら場所を延焼危険含め検討し視覚的な連携の妨害になるならシールドを張ってオイルライターで車両に着火、煙も遮蔽物として利用

追撃時は狙撃銃でダメージを狙う

【心情】
「この鬼退治、一筋縄じゃいかなそうだ。皆、頼りにさせてもらうな?」
【目的】
 皆と協力し、鬼達を討伐する
【準備】
 服飾品としてトランプを携帯
【行動】
※大きな動きは◆全体方針に準拠。動鬼チームにて行動。
「やあやあ、青鬼どん赤鬼どん。…これ以上の狼藉、赦すわけにゃいかねぇなあぁッ!」
「ぐっ…!何が何でも踏みとどまってやらあッ!!」
・基本は盾装備、前線で勇猛なる行軍を使用しながら耐久壁役。対抗は防御を行う
行軍の回数尽きたらインパクトアタック
・敵が後衛を狙うようであれば、妨害防御する

・味方が識別不可攻撃を使おうとしている場合はシャドウグレイブに持ち替え
範囲外になるように立ち位置を微調整し、槍の射程を生かして鬼に通常攻撃
味方の識別不可攻撃が終わったら、再度盾に持ち替え
・シールド損傷著しい味方(自分含む)がいればヒール

・動鬼が討伐出来たら、武器を持ち替えて豪鬼を攻撃
シャドウグレイブか獅子王かは、弱点共有で有利と判明した方を装備
こちらも行軍で攻撃→スキル回数が尽きていたらインパクトアタック
損傷著しい味方がいれば盾装備&防御に戻してヒールでの味方支援に切り替え

以下、機があれば狙いたい↓
「絵本まんまのいかにもな鬼ってんなら…こいつはどうだ!?」
・敵同士の連携予兆または合流があった時に鬼の目の前にトランプをばら蒔く
鬼の『細かいものの数を数えずにはいられない』習性で隙が出来ることを期待

全体としては二班に分かれて各鬼に対応。
班分・全体行動は三代梓(la2064)さんのプレイングに従います。

個人行動では、豪鬼サイドをメインにダメージを受けた人の回復を中心に動きます。味方の数が多いので、ヒールの射程ぎりぎりで立ち回るようにします。
ある程度距離が取れると思うので、動鬼側の動きも可能なら見張っておき、投げつけてくるものや倒壊する建物などの障害について豪鬼に張り付く人達に警告できるようにします。目くらまし等に備えて、通信はオープンにしておきます。もし、相手が見えないほど2匹を引き離せるなら豪鬼に集中します。

回復と戦場把握で手一杯になりそうなので、攻撃は、味方のダメージがほぼ無く、チャンスがあれば・・でしょうか。敵が逃走にかかれば狙えると思っています。

豪鬼が討伐できて動鬼にかかれれば、同様に動きます。

戦闘後は、救急医療キットがあるので、一般人を含め怪我人の手当てに回ります。

アドリブ&絡み歓迎

◆全体方針◆分担
三代 梓(la2064)プレイング参照

まずは、無線で情報を受けながら那由多さんに一般人の避難誘導をSALF又は警察とも協力してもらって要請するわ。「私は護る為に戦う!その為に私は……いえ、私達はこの鬼達を自由にはさせない!」

方針・分担に従って動鬼対応に動くわ!龍震虎咆をお見舞いしてあげます!…っといけない連携には連携よね。
初撃は三代さんの攻撃の後に重ねて行動します。

その後は執拗に動鬼に繰り返し龍震虎咆を狙っていくわ。結界を出したら、その結界を範囲に巻き込みつつ放つ位置取りを取ります。

動鬼を自由にさせないように肉薄・接敵。金棒の動きを良く見て回避よ
「鬼さんこちら~ですっ!簡単にはやられませんよ!」

ダメージを受けたらヒールを使用(使用回数ある限り)動鬼から距離は取らない。
「ふふっ離れてあげませんよ。もう自由に捕食などさせません!」

追跡時に距離があるようなら全力移動を使用して回り込む。
「このまま逃げて何もしないと言うのなら見逃せますが……食べなくて生きていける訳がありませんよね。ごめんなさい!貴方を滅します。」

目的:
鬼の撃破ないし撃退。
そして全員無事に帰還する。

準備:
・作戦
2手に別れて行動。
豪鬼担当が注視や遠距離攻撃で注意を引き、
動鬼担当が動鬼を囲んで集中攻撃。
2体をそれぞれ分断させて連携を取れない状態にする。
基本的には動鬼側に人員を多く割いて撃破を狙う。

・準備
事前に地図を確認してどちら側から鬼が来たのかを確認。
追撃の際は先回りできそうなルートを把握。

行動:
・基本
豪鬼担当。
前衛兼囮役として行動。

・戦闘
初手にロードリーオーラを豪鬼に使用して注視を引き、
そのまま牽制しつつ動鬼から引きはがす。
引きはがせた所で盾に持ち替えて注視をかけつつ囮に徹し、
味方の支援を頼りに徹底的な時間稼ぎ。
その際、建物が倒壊しないように道路のど真ん中で敵と交戦。
攻撃時はエクストラバッシュで頭部を積極的に狙い、
さらに相手の注意をこちらに向ける。
動鬼を撃破したら逃走を阻止するため、
鬼が来た方向に先回りして逃走を阻む。

・終了後
怪我人がいた場合は救急キットで治療。
また、逃げ遅れた人がいないかどうかの確認。

● 鬼退治だ!
 揺れるヘリ内ではすでに人々の悲鳴が聞こえる勢いだった。
 町の中心から一直線に逃げ延びてくる一般人たちはそのヘリに刻まれたSALFの文字を見ると安堵のため息を漏らす。ただし、次の瞬間にはその安堵の表情も撃ち砕かれていた。
 そのヘリ直下を青い車両が通過しそれが道路の真ん中に音を立てて落ちたのだ。
 地面を揺らす衝撃、轟音突風。はじけ飛んだ機械パーツがコンクリートの壁を穿って停止した。生身の人間からすると恐ろしい光景である。
 次いで響くのは虎の様な声。雄叫びを上げる青い鬼と、赤い鬼が視線を上に上げてヘリへと拳を突き上げている。
「あれはなんだ?」
『ラウラ=ヘラヴィーサ(la0597)』が手すりにつかまりながら扉を開けてその二体のナイトメアを凝視する。
「このナイトメアはニホンの鬼というモンスターがモチーフか?」
 その言葉にくつくつと笑い声をあげるのは『鬼 迅衛(la0556)』
「鬼か。くかかっ。奇遇よなぁ、儂も鬼だ」
「何故このような姿形なのか興味は尽きないが……仕事優先だな」
 告げるとラウラは側面ハッチを開けると身を躍らせる。足を床に敷かれている棒状の手すりにひっかけて、体勢を制御。真下から車両をフォースアローで打ち抜いた。空中で大爆発。その衝撃でヘリは舵を誤る。
「まずい」
 ヘリはそのままビルにプロペラをこすった。ますます対空するのは難しい。その加速度を維持したまま地面をこすり、ヘリは花屋の店先に突っ込んだ。動鬼と豪鬼はそれに追撃を加えるべく地面を揺らしながら歩み寄る。
「やらせません」
 ビル上空から舞い降りる影。全ての物理的衝撃をシールドにて緩和しのびあがるように『紅焔(la1575)』は立ち上がると動鬼に一撃浴びせる。
「遅くなりました、私は紅焔。宜しくお願いします」
 次の瞬間叩きつけられる金棒を華麗に避けて再び紅焔は鬼を見やる。
「鬼、ですか。撃破、承りました」
 その言葉に答えるように横たわるヘリが揺れる、もはや残骸と化してしまったヘリの側面SALFの文字が刻まれたスライドドアが次いで吹き飛んだ。覗くのは迅衛の足。
「この鬼退治、一筋縄じゃいかなそうだ。皆、頼りにさせてもらうな?」
 そう額を抱えながら『サイ=ストランド(la2666)』は車輌から降りて装備を確認、構えをとる。
「出番がくじかれたが、手はず通りに事を勧めよう」
 ねらうのは二体の鬼の分断と包囲。しかし先ほどの迎撃具合から見るに敵もバカではない。
 ヘリが目視できた瞬間妨害を警戒してヘリを迎撃できる知能はある。
「【鬼ヶ島】の一人としては、鬼と逢っては力試ししない訳には行かないわね?」
 直後別側面から『三代 梓(la2064)』が弾丸のように動鬼を襲った。ヘリから飛び降りるその勢いを使って斧は威力を増す。その斧を振りかぶって顔面に叩き付ける梓。
 崩撃、脳に直接叩き込まれた斧はその衝撃で足腰を砕けさせる。脳震盪一歩手前、さしもの巨大な鬼と言ってもこの衝撃には耐えきれず動鬼はその場に尻もちをついた。
 振り返る豪鬼。その足元にはすでに部隊が展開されている。
「交通量の多いこの場は餌場として十分なのでしょうが、迷惑極まりない話ですね」
 豪鬼へのファーストアタックを決めたのは『フェルリア・アルクス(la0654)』足元を潜る瞬間に一撃加え、そのまま走りぬけて動鬼の様子を窺った。
 そのフェルリアを振りかえるように首を捻らせた豪鬼へ『紫陽花(la0499)』がフォースアローを浴びせる。顔面に突き刺さったそれは視界を潰す意味もあった。
「鬼ですよ、鬼ー。是非、ぶっ倒して標本にして集客が見込める施設に売り飛ばしましょうー」
 紫陽花はそう朗々と告げると狙撃位置を変えるためにビルの窓から飛び降りて走る。
 もがく動鬼を眺めていると、動鬼が起き上がりざまにがむしゃらで金棒を振り回すのが見えた。
 それは電柱を砕き、車両を巻き上げ……そしてそれがビルに突き刺さろうとした瞬間、『藤井 亜梨紗(la2744)』が間に入ってその金棒を受け止めた。
「私は護る為に戦う! その為に私は……いえ、私達はこの鬼達を自由にはさせない!」
 その隙に『シンシア ソールズベリー(la2493)』が豪鬼の腕を狙撃。紅焔と
迅衛が両足から切り崩そうと一撃みまってそのまま駆け抜けた。
 体勢を崩した豪鬼、これは好機とライセンサーが追撃しようとするのを見越して動鬼は体を横たえたまま呪符を放つ。
 檻のように豪鬼を囲う柱が出現する。
 それを見た紅焔はあわてずいったん距離をとった、こちらも体制を立て直し後衛組の防御を固める必要があったからだ。
 こちらに対して決定打となる遠距離攻撃を持たないナイトメアに対して、狙撃組がいるアドバンテージは大きい。
 そう紅焔は後退しながら動鬼に一撃魔力の塊を差し向けるが、それを動鬼は自ら召喚した光の柱で防いだ。
 同時に体勢を立て直した豪鬼はまた車をひっくり返して遠方に投げつける、まるでライセンサー達のその対処を強いるように。
 亜梨紗は歯噛みして物陰にかくれSALFに通信を、相手はオペレーターの那由多だ。
「避難誘導を、御願いします。このままじゃ、私たちもまともに戦えない」
「しかし、そちらの戦闘状況を逐一確認できなくては、私たちもスタッフを派遣することは」
 那由多は戸惑いの声を上げる、適合者でない限り派遣したところでただの人。余計な被害が増える可能性がある。
「司令塔なら、私が」
 そう亜梨紗の隣に腰を下ろして受話機に囁いたのは『ファレイシア タトゥース(la2684)』
「戦況は?」
 そうファレイシアが問いかけると亜梨紗は手短に状況を説明する。今ライセンサー達は陣形を作り直し敵に向かっていた。
「やあやあ、青鬼どん赤鬼どん。 ……これ以上の狼藉、赦すわけにゃいかねぇなあぁッ!」
 サイは武装を向けてそう挑発する。
 フェルリアは改めて刃を握りその背後に紅焔もシンシアも控えている。
 シンシアは都市迷彩の軍服で潜伏。構えた銃のスコープを覗きながら敵の隙を窺っている。
「それに、本命は別にある」
 ファレイシアがそうつぶやいた瞬間サイに車が投げつけられた。その車を梓が切り裂くとサイが弾丸のように突貫する。そのまま動鬼が振り上げる金棒を真っ向から受ける。
「ぐっ…! 何が何でも踏みとどまってやらあッ!!」
 その直後だった。
「今回の作戦ではあたいが要! これは負けられないね」
『雪室 チルル(la2769)』が堂々と、豪鬼の前に姿を現した。
「アンタたち、このアタイが来たからにはもう好き勝手させないわ。御縄を頂戴しなさい」
 告げるチルルに豪鬼はもう夢中のご様子。のそのそ歩き酔ってくる豪鬼を動鬼が気にした素振りを見せるが、ライセンサー達は行く手を遮って威嚇した。
 チルルは盾に装備を変更、走りだすと豪鬼はチルルを追った。
「意外と足が速いのね!」
 追いつかれそうになるチルル。
 そのままチルルは掴まれてしまった。
「離しなさい!」
 そう頭を殴るチルルだがそのまま動鬼の方に投げられてしまう。
「きいてないわ~」
 鬼はある程度知能を有しているらしい、にたりと笑うと 『黒井 星斗(la0952)』を見る。こちらの作戦は読まれている、それは知性か本能ゆえか。
「ここで止めます、何としてでも」
 これ以上、市民生活を破壊させるわけには行かない。戦いの火ぶたが切って落とされる。



● 狂乱

 動鬼の眼前を走り回るチルル、チルルは投げ飛ばされた後考えた動鬼を引き離してもそれは分断である、動鬼もチルルに夢中ではあるし。
 振り下ろされる動鬼の金棒を跳んだり跳ねたり回ったりして回避するチルル。
 ただ、彼女にばかりに負担を押し付けることはできない。
 亜梨紗はチルルに振り上げられた金棒の叩きつけられる先であえてチルルと交差して見せた。
 結果鬼の脳では二人、どちらを叩き潰せばいいか分からず二人共を逃して地面をひび割れさせた。
「鬼さんこちら~ですっ! 簡単にはやられませんよ!」
 その言葉に動鬼は唸りで返事を返して投げられる車輌。それはフェルリアと亜梨紗の交差する点をねらって放たれた。
「まずい!」
 とっさにフェルリアは装備を大剣に変更、姿勢を低くし飛んでくる車両の下あたりに大剣を差し込むイメージ。
(想像力がそのまま能力に繋がるなら、『出来る』とイメージする事こそ何より重要……)
 ベクトルを自然な形で操作する、そんなイメージを固めて車輌を上にずらして吹き飛ばす。
 車両は無駄にスピンがかかったまま亜梨紗の後方で何度も跳ねて鉄片を舞わせた。幸い爆発はしない様子。
 亜梨紗は周囲を眺める、ライセンサーはチルルの作った隙をつかって一対の鬼を分断するように動いている梓と迅衛が見えた。
 二人は豪鬼を牽制しながら動鬼の元に駈けつける時を今か今かと待っている、タイミングを謀っている小田。
 紫陽花はその隙を狙撃位置についている。戦場を確認する紫陽花。見れば亜梨紗に一撃横なぎに振るわれた、それをチルルが加勢して一緒に受け止める。
 地面に足を突き刺すような気持ちで耐えたが。
 そう何度も受けられる一撃ではない。梓は身を滑らせるように金棒の下を潜ろうと地べたに這いずる。
 チルルは飛びずさって回避。その金棒を背中に担ぐと鬼は鬼が島の面々に視線を向けた。
 真っ向から歩み寄る梓と迅衛。
 二人は手はず通り他のライセンサーに豪鬼を任せ、動鬼の元にあらわれた。
 迅衛がにやりと笑う。
「生きて帰しはしねーぞ!」
 その怒号で持って迅衛は戦斧を鬼に叩き付ける、動鬼もそれを空中で撃墜するように打ち払う。衝撃波が道路の誇りを巻き上げて風が吹きすさぶ。
 それにひるむことなく梓が側面からの奇襲。戦斧を支柱とつかい飛び蹴りで鬼の膝を攻撃。
 睨む動鬼は梓をとらえるべく空いた手を伸ばすもそれはハシバがミネルヴァにて打ち抜いて手を弾く。
 亜梨紗がその腕を足場に飛び上がり動鬼の眼前に滞空、腰を捻った回し蹴りは鬼の鼻先をかすめる。
 体勢を崩した隠鬼は迅衛の追撃を蹴りで受けた。動鬼の肌が裂けるが衝撃で迅衛はわずかに後退。
「こっちの損傷は軽微、けどあっちもそれほど消耗してないか」
 梓は斧の柄で鬼の拳を受け止めると顔をしかめる。
 こちらはライセンサーの連携で敵の近接攻撃を何とかしている状態、それは攻撃を得意としない動鬼だからできることであるが……、あちらも戦い慣れている。致命傷をもたらすような大きな隙を出す攻撃は一切してこない。
 これは長丁場になると梓は直感する。
 いざとなれば撤退できるようには話をつけてある、だが。
「迅衛!」
「承知!」
 梓の掛け声で迅衛が動く二人は鬼の攻撃をするりと抜けると斧に装備を変更。
 鬼の拳が地面に突き刺さると斧を二人とも振り上げた。
 その刃を寸分たがわず同じ場所に叩き込めればいかに鬼の肌と言えど、鬼の肉と言えど……食い破れる。
「はああああああ!」
 梓の威勢が木霊して振り下ろされた刃は確かに鬼の肌に突き刺さった。
 だがそれは筋肉に飲み込まれ骨まで届かず。そして。
「ぐおっ」
 動鬼は痛みの咆哮を上げながら迅衛を蹴飛ばした。迅衛は車を巻き込んで吹き飛びビルの一階に突き刺さる。
「今が好機! 龍震虎咆をお見舞いしてあげます!」
 その隙を見逃さなかった亜梨紗。体内で練った気を拳に乗せて撃ち放つ。
 龍震虎咆、その炸裂音は虎の咆哮がごとく動鬼に食らいつく。
 その巨体がわずかに持ちあがった。
 懐から斜め空に打ち上げるように打ったので味方を巻き込む心配はない、それどころか。遠距離職の支援を引き出せる。
 魔術と弾丸が動鬼の肌に突き刺さった。
 亜梨紗は一時撤退、その背中に符を叩き付けようとするが、サイが間に挟まってそれを叩き落とす。
「鬼さんこちら~ですっ! 簡単にはやられませんよ!」
 告げながら亜梨紗は迅衛の元へ。
「シールドがきれる寸前じゃない」
 そう顔をしかめながら治癒に専念する。
 怒れる動鬼は亜梨紗めがけて走ろうとする、その眼前に登場したのがチルル。
 肝心な場面で現れて自分の邪魔をする小さいやつが目障りで仕方ない動鬼はチルルへその棍棒を叩き付けようとした。
 しかし逃げに専念しているチルルには当たらない。
「アタイのかわりにお願い!」
 梓が振るわれた金棒を叩き落とすように上から潰した。歯噛みする動鬼しかしその動鬼は意外な行動を見せる、視線を一瞬目の前の敵ではなく何かを一瞥して陰陽符を投げたのだ。
 それは豪鬼対応に追われていたライセンサーの眼前に張り付けられ光の柱が生まれる。その柱がちょうどライセンサーの剣を受け止めはじいてしまった。
「くっそ、邪魔くせぇ」
 弾かれて崩れた体制を素早く立て直してその光の柱に剣を叩き付けるのは『マサト・ハシバ(la0581)』
 一撃でひびをいれ二撃目で光の柱を斬り倒す。
「あっちも危なそうでしょうか」
 動鬼をねらっていた紫陽花は暴れる豪鬼に狙いをシフト。光の柱に邪魔されて豪鬼を終えないライセンサーのかわりに。フォースアローを放つ。
 その一撃を足にうけるも豪鬼の機動力は変わらない。光の足場を頼りに飛ぶ。その着地地点に動鬼がいる。
「チッ、そっちに行かせるな! 連携される!」 
 ラウラがあわてて叫んだ。ありったけの魔術を滞空している豪鬼に叩き付けるもその勢いを殺すことはできない。
 このままでは合流してしまう。そんな中『ヴラム ストークス(la2165)』がビルの三階から身を躍らせた。
「甘美なる絶望の宴を始めよう」
 僅かに豪鬼の頭上をとったヴラムは五本のかぎづめを巻き込むように拳を握り、そして豪鬼の顔を殴りつけた。
 豪鬼の巨体は地面に激突して跳ねると、チルルとヴラムはその両腕を抱えるように持ちそのまま引きずって投げる。地面から体を浮かび上がらせた豪鬼に対して春樹、シンシア、ファレイシアが集中砲火。
 豪鬼は身を震わせながら地面を転がった。
「立て」
 静かに告げるヴラム。
 起き上がる鬼。その銃身をとらえる。ヴラムは察した右足に体重を移す癖がある、ならば。
 そうヴラムは豪鬼の足元を行き交いながらダメージを与えていく。右足を中心に攻撃、豪鬼はより近くでヴラムを観察しようと頭を下げるとその顎をヴラムは打ち抜く。
「隙など与えん、身を焦がせ」
 一瞬重心が上にそれるのを見逃さずにシンシアとファレイシアが一発叩き込んだ。
 たまらず豪鬼は地面に金棒を叩きつけてヴラムを吹き飛ばす。
 ヴラムはいったん後退しようとするがその背が柱にぶつかる。迫る豪鬼。
 まずいと思った時、寸前のタイミングで光の柱が崩れた。ヴラムは地面に寝そべる形で金棒を回避。
 見ればマサトが護符を潰したようだった、次いで飛んできた護符をマサトがさらに空中で切り落とす。
「慣れてきたな」
 そのままマサトは動鬼の背後に回り込もうと走る。
 歯噛みする動鬼、はらいせに動鬼はあたりに陰陽札をばらまいた。それはタイミングをわずかに遅らせ手光の柱を顕現、梓の顎を下からうちぬく。
 動鬼は再びパンツに手を突っ込んだ。
「もう! どこから出してるんですか」
 真っ赤になって声を上げる紅焔、その視線の先にはパンツの中からさらに数枚の札を手に取る。それを自分の周りに投げてライセンサーと距離をとろうとする。
 足をすくおうと迅衛の刃がせまる、その刃はひかりの柱で阻止された。
 だが二度目はない。迅衛は力任せに光の柱を突破その勢いを維持したまま動鬼を切りつけた。
 ざっくりと肌を切り裂かれ空中に血液が舞う。だがそれでも鬼は笑う。
 むしろ先ほどよりも楽しそうだ、引く様子は見られない。
 むしろ引けるラインをとっくに超えてしまっているのだろうか。
 そんな気配をフェルリアは感じ取っている。
「どれだけ強力な個体であろうと、退く理由にはなりませんので」
 底のしれない鬼の実力。だがそれでも怯むわけにはいかない。
 動鬼の空いた側面からルーンソードで切り付けると、刃を戻す前に鬼に捕まれた。
 バックステップで距離をとるも動鬼は追撃。だがその行く手を紫陽花が咲き乱れる赤で遮った。
 上空からの爆撃の様な攻撃に一瞬動鬼は怯むが、すぐにバックステップで攻撃範囲から逃れる。
 その隙を見てフェルリアは魔導書に装備を持ち替える、フォースアローで肩を狙い打ち放つと動鬼は怒りの悲鳴を上げた。
 梓と迅衛が両側から迫る。それを金棒を振り回していなすと、姿勢を低くしてフェルリアが接近、伸び上がるように先ほど狙い撃った肩口をライトバッシュで切り裂いた。
「片腕でも潰せば、行動手段を制限出来る筈……!」
 だが動鬼の肩に刃を突き立てるも、渾身のフルスイングでフェルリアの華奢な体は宙を舞う。それ動鬼は金棒をバットに見立てて撃とうとした、その動鬼の腕をラウラがあわてて撃ちぬいてフェルリアは事なきを得る。
 空中を自由落下し地面に転がるフェルリアをラウラが回収、いったん離脱。
「くそ、まだ元気がありやがるな」
 動鬼は右腕に大きな裂傷、肩口に大きな打撲痕があるがまだまだ戦えそうだ。豪鬼は元気の一言で縫い止めているのが限界。
 だがライセンサー達は、そうマサトは思案する。
 今回の戦闘でかなりの情報が手に入った。敵の行動の癖やどうやって合流しようと考えるか。 
 今回与えた傷もそうそう治る物ではないだろう。一般市民も避難が完了している。
 そうマサトは飛んできた車両を拳で粉砕しながら最悪の状況を想像する、撤退のし時ではないか。
 ライセンサーは負傷こそしてないものの限界ギリギリの駆動を長時間続けている。体力は限界に近いはずだ。
 体力が切れればその先は鬼に蹂躙される未来しか見えない。
「もう少し、動鬼から離せたら」
 マサトは戦場に戻りながら飛来した動鬼の札を空中で叩き潰した。
 30メートル離す程度では札の範囲から逃れられない。せめて……せめて豪鬼があと少しでも弱れば。
 そうマサトは苦い思いで戦場を見つめる。


● それはもろ刃の

 動鬼の光の柱は厄介だった。
 生成されるのは一瞬だが、壊すためには二撃から三撃必要となる。
 その柱をラウラは優先的に打ち壊していた。
 エナジーガンをフル稼働、銃身から熱が上がり空気を焦がす匂いすら香る中ひたすらに打ち抜いていく。
「この柱が連携の肝になるのであれば、優先順位は高めだな」
 実際豪鬼がこの柱を足場に跳躍しライセンサー達を翻弄する瞬間を見た。それではこの柱を無視するわけにもいかない、誰かが率先して破壊しなければならなかった。
 ただ、柱の処理はラウラを主導にライセンサー全員で安定して行えている。
 おかげで柱のアドバンテージは薄い、それに苛立った豪鬼は一つ吠えるとライセンサーを蹴り飛ばしてラウラに車を投げる。
 豪鬼の攻撃は激しかった。
 豪鬼の膂力はすさまじく一足飛びに後衛まで近づきその金棒を振るう。光の柱にはかなり注意を注いでいるためにそれを利用させるところまでにはなっていないのが幸いだが。
 さてどうしたものか。そう『五百枝春樹(la0360)』は思案する。
「難しい依頼だとしても諦める気はしませんね」
 春樹は気が付いていた。すでに豪鬼は撤退の様子を窺っている、ここぞとばかりに無理やり陣形に穴を開けようとしてくるはずだ。
 そこをねらえれば。
 春樹は投合されようとした車輌をよけようと身をそらす、しかしそのガソリンタンクはシンシアが打ち抜いて、爆発四散させた。直後春樹は走る。
「出来損ないのゴミめ! 友を頼らなきゃ何も出来んのか!」
 爆炎が逆に豪鬼の目くらましとなっている。
 その炎をかいくぐって進むのがチルル。チルルは加速度を維持したまま片腕を切り裂く。
「これは勝負あったわね! 逃げるなら今のうちよ!」
 そう、ふふんと笑うチルルに豪鬼は怒りの瞳で拳を叩き付けた。
「さあ! あたいの盾がお前の攻撃を防ぐわ!」
 チルルが攻撃を受けている間にシンシアが狙撃位置を変えるのを隠すように足元へ。ヴラムとスイッチしてその腰に一撃加えた。
 豪鬼の足腰は動鬼よりも強靭だ。体制が崩れることなく攻撃角度を推測して蹴りを放ってきた。
 春樹は少し離れて背後を見る。
 見ればファレイシアがヴラムのシールドを回復している。衝撃を吸収しきれていないのかヴラムに疲労の色が見えるが。春樹が視線を送っているのに気が付くといつもの笑みを湛えて見せた。
 まだいける、そう言う合図だろう。
 春樹もへばってはいられない。装備を沈黙の予言に持ち変える。
「全部飲み込んでやる!」
 周囲に生えている光の柱も巻き込んで炎の波が豪鬼を包みこむように焼く。
 振り回される棍棒を避けるように春樹が後退。かわりにヴラムが割って入った。
 あえて棍棒を抱えるように受け止めてそのまま豪鬼を引っ張り倒す。前のめりになった豪鬼のあごにまたもやアッパー。
「至福の悲鳴を上げろ」
 残虐に笑うヴラムである。
 ヴラムはもっとも多く豪鬼とやり取りを続けていた。自分が引けば後衛職に被害が出る、だから何度打ち据えられても、何度金棒で殴られようと地面に膝をつけることはない、ファイティングポーズを崩すことはない。
 その気迫に押されてたまらず豪鬼は金棒を離した。代わりに電柱柱を引っこ抜いてそれを武装のかわりとする。
 ただ、人工物はライセンサーにとって『脆い』その柱を叩き付けようと振りかぶるもファレイシアが長弓で、シンシアが愛銃で豪鬼の獲物を打ち抜いて粉々にする。
 体勢を崩した豪鬼は後ずさる、足元に転がる金棒を拾い上げようとする豪鬼の目の前にヴラムが立つ。金棒を踏みつけて行動を阻止、次の瞬間鬼とヴラムの拳がぶつかりあった。
 シールドがびりびりと震え、ピシリと音を立てる。
 春樹はヴラムのシールドを心配し真っ向から射撃、ヴラムの引く隙をつくる。春樹の牽制射撃が続く間に近づくシンシア。豪鬼の拳を両腕でガードするヴラム。その側面からシンシアが豪鬼の目狙って一撃放った。
 辺りに鮮血が飛び散った。
「脳まで届かなかった……」
 そう歯噛みするシンシア。
「十分だ」
 ひるんだ隙をヴラムは逃さない。足を崩して膝立ちになった豪鬼の背中に一撃加える、前かがみになった豪鬼の背中を駆け上がり。仲間のライセンサーの集中砲火に合わせて後頭部に踵を打ちこんだ。
 悲鳴を上げて倒れる豪鬼。
「やったか?」
 春樹はそう歩み寄って生死を確かめようとした。その矢先。
「まて!」
 ヴラムが静止の言葉を叫ぶ春樹を下がらせると立ち上がる鬼、次の瞬間ヴラムは豪鬼によって弾き飛ばされる。
 豪鬼は起き上がりざまファレイシアの一撃を金棒で叩き落とすと。そのまま春樹に猛突進。
 ミネルヴァで応戦するも敵は止まらない、バックステップしながらさらに迎撃。弾丸がなくなれば装備をザンクツィオンハンマーに持ち変えた。
「くそ!」 
 ハンマーの柄で豪鬼の突撃を受ける、衝撃がびりびりとシールドを震わせた。
 ただ衝撃は殺せずに春樹の体は木端のように吹き飛ばされた。
 春樹の体が地面すれすれの低空飛行を見せる、春樹は勢いを殺そうと地面に手をつこうとしたが、それも間に合わず動鬼班の元まで弾き飛ばされてしまう。
 動鬼の足をねらう紫陽花にぶつかった。
「きゃ!」
 二人のシールドが衝突してものすごい音を立てる、衝撃を吸収しきれなかった紫陽花も春樹ごとその場に転がった。
「くっそ」
 春樹は肩で息をしながら立ち上がる。
「痛いです」
「すまない、すぐに治療を」
 その暇はない。動鬼が紫陽花に迫っている。
「いかせはしません!」
 星斗が動鬼の金棒をセイクリッドスピアで防ぎながら二人を振りかえる。
 今のうちに逃げろと言うアイコンタクト。
 春翔は紫陽花を抱えていったん戦線を離脱。回復に努める。
 だがこれで豪鬼が手薄になってしまった。その瞬間をねらって豪鬼が逃走を図る。
 今肉薄しているのはヴラムとチルル。銃弾で動きが止まるような防御力はしていない。豪鬼は走りだす。
「まてーーーーーーー」
 その背後から追いすがるのはチルル。
 BD4で足をねらうがさすが鬼である。逃げ足はぜんぜん止まらない。
「追うか?」
 遠距離職のライセンサー達は距離をとりすぎている。追って撃ってを繰り返しても止められるものではないだろう。
 ではチルルとヴラムが立ちふさがるか?
 ただ、この追撃作戦に関してはファレイシアは不安を感じる。
  今豪鬼班は一人動鬼方面に吹き飛ばされたばかりだ。即座に対応可能なのは四人。
 この四人で追いすがって、四人で豪鬼を対処する事が出来るのかファレイシアは疑問だったのだ。
 他のライセンサーも同じなのだろう。全員が迷っている。
 ヒーラーが多い編成ではあるが、回復が間に合っていない点と近距離職に負担が集中しすぎている。
 負傷していたとしても五人でその動きを抑えきれない豪鬼だ。
 動鬼が落ちていればまだしも、たった二人で足止めを?
 さらにもう一つ大きな問題としてはこちらの戦力が分断されるということだ。
 こちらは分断作戦を最初に選んだ、それはあちらの連携力を断つためでもある。 ただ、本来連携が必要なのはライセンサーなのだ。
 連携し体力を回復しながら足止めしなければならないほどにナイトメア単体とライセンサー単体の力の差は開いている。
 もし、ヴラムとチルルが倒れた時豪鬼を狩る事はできるのだろうか。動鬼班からの救援は間に合うのだろうか。
 では動鬼班から人手を回すか? 
 その想定はしていない。誰を回せば今の戦況を崩さず豪鬼の足止めをする事が出来るだろうか。
 そう判断に迷っている間に豪鬼は離れていく。
 まだ追いつく、だが背後を一瞥しほくそ笑む豪鬼の背を追いかけることが最適解なのか。誰にも判断がつかない。
「これはもう無理だと判断して、もう一体のナイトメアを仕留めましょう」
 ファレイシアは噛みしめるように告げる。
 豪鬼は別だが、動鬼は現在刈り取れるレベルまで生命力を削れている。
 逃走力としては逃げ足の速い豪鬼、どちらもトントン。いや柱の配置方法によっては動鬼の方が厄介かもしれない。
「動鬼に全兵力をつぎ込みます、お二人はまずシールドの回復を」
 指示に頷いてチルルとヴラムは一旦後方に下がる。
 シンシアは銃を構えたままふりかえって動鬼に専念することにした、邪魔な光の柱を打ち抜いて更地にすると動鬼の手足に狙いを定めた。
 これ以上戦いを長引かせるとこちらが不利だ。
 ファレイシアは思考を続けながらサイと動鬼の戦闘を見守る。するとサイには策があるようであえて敵の注意を引くように前に出た。
「絵本まんまのいかにもな鬼ってんなら……こいつはどうだ!?」
 その手に束ねられていたのはトランプ、そのトランプを手の中でたわませ鬼の顔に吹き付けるように飛ばした。
 動鬼は目を白黒させながらそれを追う。
「ビンゴだな」 
 最後の一枚を指に挟んで手首のスナップのみで投げると、それが鬼の皮膚にはじかれて舞った。
 日本で古くから伝わる鬼には『細かいものの数を数えずにはいられない』習性が存在する。豆まきはその習性を利用した風習で、あれは豆をぶつけて鬼を退散させるわけではなく、豆をまいて鬼たちに数えさせ逃げるための風習だ。
 そして今回はそれがうまく行ったらしい、動鬼は一旦動きがとまった。
 サイが動く、それに合わせてライセンサーからの一斉放火。
 よろめいて離脱を試みる動鬼、その背後へヴラム、チルルが回る。行く手を遮った。正面にはサイがいる。八方ふさがりである。
 動鬼は袋叩きにあう。
 ここからは短期決戦のつもりで動かなくてはいけない。仲間達もそれは承知の上なのだろう、亜梨紗などは逃げよとする動鬼を逃がすまいとその周囲に張り付く。
「ふふっ離れてあげませんよ。もう自由に捕食などさせません!」
 亜梨紗は受けた傷はその場で癒しそのまま敵に食らいつこうとする。
 ライセンサーは動鬼を速度で翻弄するため一撃加えて離脱を繰り返す。
 動鬼が自身で作り出した光の柱に上ってその追撃を逃れようとした瞬間、マサトがそれを斬り倒した。
 仰向けになって転ぶ動鬼の視界に、ビルの屋上から銃を構える少女の姿が見えた。紫陽花がその全霊の一撃を動鬼に叩き込む。
「これでどうですか!」
 しかし、動鬼はハンドスプリングの要領で起き上がる。
「しぶといですね」
 鼻からしたたる血を拭って払うと動鬼はそのビルを崩そうと金棒を振りかざした。
 先ず一撃、紫陽花の足が滑ってビルから落ちかけるがその体勢から敵をねらおうと改めて武装を構えた。
 もう一度動鬼はビルに一撃加えるつもりらしい、金棒を振りかぶった。
 だがその行動を邪魔されないようにと一瞬で思い直し、自身の周りに呪符を設置する。
「まずいですね」
 傷の深い迅衛の手当てをしていた星斗はその様子を見て拳を握る。紫陽花を落してやろうという思惑もないではないだろうが、一番の目的は建物を崩壊させ、その混乱に乗じ逃げることだろう。
 星斗は回復を済ませると走った。
 魔導書をばらりと開き、光の柱に攻撃を加える。
 この壁の向こうに梓、そして迅衛を届ければビルの倒壊は止められる。それが 可能なほどにはシールドは回復してあるのだ……であれば。
「活路を開きます」
 放たれた魔術弾はひかりの柱を食い破り人が入れそうな隙間を作る、梓と迅衛が駆け込んだ。
 迅衛は槍に持ち変えてさらに別の柱を食い破ろうと結界を打ち据える。
 防備が破られたことを悟った動鬼はさらに作業速度を速めようと歯を食いしばり裂傷のひどい左腕にも力を込めた。
 その腕の傷を切らくように紅焔がフォースアローを叩き込む。
 あまりの痛みに動鬼は思わず金棒を取り落した、忌々しげに振り返る動鬼。紅焔は電信柱の上に立っている。そこから狙い撃つようにフォースアローをもう一度。
 動鬼は光の柱でそれを避けると振りかえりざまにまわしげりをビルに叩き込んだ、ビルの表面にひびが走る。
「あわわわわ」
 紫陽花は揺れるビルになんとかつかまりながら下を見る。
 振り向きざまに足を下ろす動鬼、その動鬼へ迅衛、梓。そしてフェルリアが切りかかった。
 動鬼の太い腕をかいくぐり拾った金棒での一撃は横に飛んで回避。
 すきを縫う形で一撃加えると怯んだ動鬼の腹部に梓の斧が突き立った。二度目の大きな傷。
 確実に敵の体力は削っている。
 それを見た紫陽花は決意を固める。
「いきます!」
 手すりから手を放して自由落下、落下の勢いのままに魔術を展開。仲間たちが退避したのを見計らってレールガンで持って動鬼を頭上から射抜いた。
 呻く動鬼、反撃をする余裕もない、それをフェルリアは見逃さない。
  フォースアローは全て撃ち尽くした。であればツヴァイハンダーでその足を貫くのみ。
 高速で接近してファルリアは他のライセンサーからの攻撃を弾くので精いっぱいな動鬼を足から切り裂いた、脛の骨が見えるほどに深く切り裂くとその巨体が明らかに傾ぐ。
 だが激痛をおしてまだ動鬼は立ち上がろうともがく。
  渾身のライトバッシュ、その後反撃されることを恐れてフェルリアはいったん後退。遅れて動鬼の棍棒が周囲にある物素すべてをなぎ倒さんと振るわれた。
 ただ、それはサイにとって最後のあがきに見える。
「そこです!」
 紅焔は仲間が退避したことを確認して刀を納刀、足を滑らせ濃口を切り全霊でIMDを回す紅焔の抜刀はもはや風を切るに等しい神速を伴って動鬼の上半身を切り裂いた。それでもまだ、まだ動鬼は断っている。
「しぶといやつだ!」
 サイは紅焔の攻撃の合間に装備をシャドウグレイブに持ち替えていた。
 急接近してそのアキレス腱を断つ。痛みで身を捻らせた動鬼は反射的にサイへ拳を振るった。
 サイはその拳で跳ね飛ばされるも。仲間たちを見やり告げる。
「オレのことはいい。そいつを倒せ」
 動鬼はもう逃げる算段を隠すつもりもないらしい。足を引きずりながら町の外をめざし歩きはじめたそれをライセンサーが見逃すはずもない。
「一斉放火用意、タイミングを合わせて仕留めるぞ」
 ラウラが動鬼の包囲を支持すると真っ先に回り込んだのは迅衛。青あざ作った頬をにやりと釣り上げて鬼に相対する。
「まだ勝負はきまっちゃいねぇぞ」
 動鬼は迅衛に気をとられてしまう、その隙に遠距離組が動鬼へ一斉放火。
 ラウラの統率で的確に急所に叩き込まれる弾丸、魔術、矢は。関節を突き刺し肘を打ち抜き、傷口をえぐって肌を焼いた。
「幽玄の華一輪、焔の産声よ咲き誇れ!」
 悲鳴を上げながらラウラの一撃を受けると苦し紛れに動は金棒を振り上げる。
 それを見た迅衛は烈火の戦斧を振りかぶると渾身の力で叩き付ける、それを迎撃する金棒がついに動鬼の手を離れ宙をまった。
「逃がさん。お前の首はここに置いていけ」
 マサトがルーンソードを動鬼の首筋に突き立てる。その刃が背骨に達したことが感触からわかった。
 鬼は叫びマサトを振りほどこうとする。
「このまま逃げて何もしないと言うのなら見逃せますが……食べなくて生きていける訳がありませんよね。ごめんなさい! 貴方を滅します」
 亜梨紗が祈るように継げると暴れる鬼の懐にあえてもぐりこむ。
 そして心臓へ刃を滑り込ませるようにルーンソードをさしこんだ。
 その柄を伝って大量の血が亜梨紗の手首に流れ伝う。
 やがて鬼の瞳から色が失ったことを確認した亜梨紗は、ひとつため息をつくと。
「わわわわわっ」
 血から抜けた鬼の死体の下敷きになってしまった。
「だれか、助けてください!」
 そう、へたり込むライセンサー達に声をかける亜梨紗。その呑気な光景に皆安堵のため息を漏らしてその場に座り込むのだった。


● エピローグ
 亜梨紗は救出されると、鬼の血でべったり汚れた上着を脱ぎ、一人事のようにつぶやいた。
「パパやママもこんな気持ちになったのかしら?」
「大丈夫? けがはないかしら?」
 そんな亜梨紗のそばに膝をついてチルルが顔色を窺っている。
「大丈夫です。それよりあなたも」
 そう亜梨紗はチルルの持った救急キットから面を取り出すと、チルルの頬に当てた。すりむけていたそうだったのだ。
 その手当てにチルルは笑顔を返す。
 その隣をSALFのスタッフが駆け抜けていく。そこでやっと全員に戦いが終わったという思いが生まれた。
「……流石に疲れました……一曲欲しくなる気分です」
 フェルリアはそう告げると眠りに落ちる。
 ナイトメア一体討伐。しかしもう一体は逃げてしまった。
 現在目下捜索中である。

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