オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【DG】蜘蛛の糸

連動 【DG】蜘蛛の糸 雪芽泉琉

形態
ショート
難易度
普通
価格
1000
ジャンル
DG バトル 救出 特務 
参加人数
86~8人
予約人数
10010100
基本報酬
200000G
200SP
2000EXP
おまけ報酬
20000G
相談期間
4
締切
2019/12/05 20:00
完成予定
2019/12/15 20:00
機体使用
-
関連シナリオ
-


 カルディエの噂をハムディは耳にしたことがある。ナイトメアでも適合者でもない『ただの人間』だが、テルミナス様に側近と認められている男がいると。
 そして今、拘束中のカルディエや同志達を救うため、テルミナス様がウィーンを襲撃しているようだ。
 カルディエと面識もないが、ただの人間をテルミナス様が救おうとするほど寵愛している。そこにハムディは蜘蛛の糸の様な希望を見いだしていた。

 人類救済政府に貢献すれば、ただの人間であっても、テルミナス様に認められ生きる事が可能なのだ。
 そう、ハムディは思っていた。思い込もうとしていた。

 イスタンブールの拠点を失った事で、溢れ出たナイトメアを一部アフリカに帰還させる。テルミナス様の指示でナイトメアは南下した。
 その道中、たまたま通りがかった街を壊滅させる事もあるかもしれないとも言っていた……らしい。
 南下するナイトメアによる混乱を、より大きくする事。それがハムディの狙いだった。
 オーストリアから遠く離れたエオニア王国で、大きな事件を起こせば、ライセンサーがやってくるだろう。
 SALFがウィーン支部の守りをわずかでも減らせば、それは同志達の救出に役立つかもしれない。

 言葉を発する事の無い、不気味な金属鎧のナイトメアとともに、船に乗り込んだ。
 自分に危害は加えないとわかっていても、あまり気分が良いものではない。
 とっとと、どこかの島にでもついて、人を襲ってくれれば良いのに。

 海の上で揺られながら思う。
 なぜテルミナス様がカルディエを信頼するのか、その理由はわからない。
 だが自分もカルディエのようにテルミナス様に気を止めてもらえたら……生き延びる目はあるかもしれない。
 それは不確かで曖昧な蜘蛛の糸。その蜘蛛の糸を失いたくなかった。



 クレタ島とイタリアの間に位置する島国・エオニア王国は5年前にナイトメアの襲撃を受け、大きな被害を受けた。
 島の東部は比較的被害が少なく、多くの人々が避難した土地であり、大きく広がる農作地は、国民の食料の多くを生産する食料庫だ。
 そしてエオニアにはミーベルという桃に似た固有の果実があり、古くからミーベルを使った伝統の祭りがあった。しかしその祭りは5年前の襲撃を気に、一度失われた。
 この夏、僅か10歳の王女パルテニアがライセンサーに助力を頼み、祭りを復活させた。その時、国民も、ライセンサーも、一つになって、このミーベルを楽しんだのだった。

 海沿いの斜面に位置するミーベル畑に、働き盛りの人々が集まって、農作業をしていた。
 既にミーベルの収穫時期を終えたが、来年に向けて、木々の手入れは欠かせない。
 作業に疲れて一休みと、ふと顔をあげた男は、海の遠くにぽつぽつと浮かぶ黒い影に首を傾げた。

「あれはなんだ?」

 少しづつ近づいてきて、その形がはっきりわかるようになる。金属鎧の人影の手は無く、そのまま剣になっている。その異様な雰囲気がただの人間ではなく思われた。
 ナイトメアだろうか? 人々が迷いつつ、木の下に隠れてSALFに通報した時だった。
 空に鳥が飛んできた。

『海に不審な人影が……ぁぁぁ!!』
『どうしました!』

 鳥の不気味な鳴き声を聞いた途端、人々は体が動けなくなり蹲った。スマホが手から滑り落ちて地面に転がる。オペレーターが呼びかけているが、応答できない。
 鳥形のナイトメアが空を飛んで鳴き続ける間に、砂浜に金属鎧のナイトメア達があがってくる。その中になぜか人間がいた。

「わしは人類救済政府のハムディだ。テルミナス様の宣言を無視し、支部を襲撃したSALFに制裁をしなければいけない。しかし憎むべきはSALFであり、罪なき一般人が巻き込まれるのは我々の本意ではない。だから……我ら人類救済政府の同志にならないか? ナイトメアは人類救済政府の同志を襲わない。ナイトメアに怯えずに暮らせる」

 通信が繋がったままのスマホ越しに、その声をSALFのオペレーターは聞いていた。



 すぐに近隣のライセンサーに緊急出動が下った。
 エオニア支部にいたアイザックは、現場にハムディがいたと知り、顔を顰める。
 アイザックが長年取引をしていたレヴェルだ。現場に急行中のライセンサーに、通信で連絡をする。

『レヴェルとナイトメアが行動を共にしているそうだが、レヴェルにナイトメアを指揮する能力は無い。故にハムディに従った所で、一般人の命の保証はない。ハムディの嘘だ』

 人類救済政府のレヴェル全てを知っているわけではないが、少なくともハムディにナイトメアを指揮する力はないと、アイザックは聞いていた。

『だが、その嘘を人々が信じてしまったら問題だ。人類救済政府に転ぶ人間が増えてしまうかもしれない。一般人の保護とナイトメアの撃破、レヴェルの捕縛が最優先だが、できれば農地への被害も最小限に抑えてもらえると助かるね』

 例え命が助かったとしても、ミーベル畑を荒らされては、SALFに対する心証が悪くなる。それは人類救済政府に利する事になるだろう。

『なおレヴェルも人間だ。捕縛して法の裁きを受けさせなければいけない。絶対に殺してはいけないし、後遺症が残るほどの重症になるのも避けて欲しい』

 ウィーン支部が襲撃されている時期に、エオニアを襲うのは、陽動だろうとアイザックは推測する。
 しかしハムディのやり方にしては、ずいぶん無謀に過ぎる。追い詰められているのだろうかと思った。



 金属鎧のナイトメアは、目の前のハムディを無視して、ゆっくりと上陸し、人々の方へと歩いていく。

 ミーベルの木の下に、蹲って震える男は思った。恐怖に震えて逃げたくても、身動きが取れず逃げられない。
 エオニアのSALF支部は南側の地域で、この東部には存在しない。何故ここが襲われるのかわからないが、きっとSALFの助けは間に合わない。
 人類救済政府に入りたいわけではない。しかし死にたくない。仲間になれば生き残れるなら……それも悪くはないのでは?

「た、助けれくれ……人類救済政府の仲間にな……」

 その時、ライセンサー達が現場に到着した。
 ハムディが提示する蜘蛛の糸より、それは確かな希望の光だった。

●目的
 ナイトメアの撃破
 レヴェルの捕縛
 一般人の救出

●敵
スリープバード×1
 サイズS。空を飛んでいるが、PCが到着したら戦闘開始。
・突進
 体当たり攻撃
・鳴き声
 抵抗判定に失敗時【行動不能】付与

チェックナイト×6
 全身金属鎧の人型のナイトメア。武器は剣のみ。特殊な攻撃能力はない。
 PC到着時は砂浜に3体。海に3体。

ハムディ
 人類救済政府のレヴェルの老人。戦闘能力は無く。言葉で扇動するのみ。一定時間を過ぎたら、船に乗って逃走開始。 

船×1
 運搬用ナイトメア。攻撃能力はなく防御と生命だけは非常に高い。ハムディはこれで逃走する。
 この敵を撃破しなくても成功度に影響なし。


●NPC
 農民×10
 ミーベル果樹園で作業中の農民。男女半々。子供と老人はいない。スリープバードの鳴き声に抵抗不可。
 位置は果樹園の中でバラバラで、木の下に隠れてる。位置は不明。


●場所
 エオニア王国の東部。砂浜からすぐに斜面が続き、ミーベルの木が5m感覚で植えられている。
 ミーベルの木の高さは2m程。手入れされているので、枝はそれほど広がっておらず、人が通りすがれる広さの通路あり。
 葉が茂っていて、上から見下ろしても、人々が何処にいるか、一見でわからない。
 果樹園全体が斜面にあり、街側が上、海側が下。上から下は移動力にプラス補正。下から上は移動力にマイナス補正。

↑街
△△△△△△△△△
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
□□□□ス□□□□
□□□□□□□□□
□□□□□□□□□
■■■チチチ■■■
■■■■ハ■■■■
■■■■■■■■■
○○○チチチ○○○
↓海

■:砂浜
△:道
□:果樹園
○:海
ス:スリープバード
チ:チェックナイト
ハ:ハムディ

PCの初期位置は道のどこでも可


※地形把握の為の目安で、厳密な1sqではない。


●状況
エオニア王国の東部にあるミーベル畑。PC達が到着した所からリプレイスタート。
※不明点は質問卓設置

 こんにちわ、ヨーロッパ大好き、雪芽泉琉です。
 「【DG】過去の罪科は此処にあり」の結果を受けて、ハムディ再登場です。前回依頼を見ていなくても特に問題はありません。
 エオニア王国も「こんな国があるんだな」と今回知って頂ければ、いと嬉し。

 敵の強さより一般人を傷つけない事、ハムディを生かして捕縛する事の方が難しいでしょう。できればミーベルの木も傷つけないように。

 よろしくお願いします。

やいじじい! ナイトメアなんか引き連れて…

ハムディへの問いかけをメインとします
そのために会話が可能な距離まで接近しますが捕縛する動きはまだしない
敵の攻撃はそのまま受けて対話に専念、危なくなったら各種ヒールスキル使用

大人しく捕まる気がねーってのは前のでわかってるです
人類救済政府の救いがまやかしだって気づかねー頑固じじーにゃ何言ってもわかんねーんですっ

街を襲うってんならもう捕まえるしかねーですよ?
ナイトメアとゆー刃物をチラつかせて仲間になれだなんて
お前もそーやって同士になったんです?

後に引き返せねーと思ってんのは案外じじいだけかも知んねーですよ
ハムディの手を掴もうとする
私はその手を逃さねーです、そこに救うべき人間がいる限り


本当にハムディの指揮下のナイトメアなのか疑問を抱いているので
捕縛した、もしくはしようとした時ハムディがナイトメアに狙われる可能性を考慮してカバーリング

〈定義〉
以下のとおりマップ座標を設定し、希望する他PCに参照させる。
参照ワード:【地図】

 ↑街
\123456789
A△△△△△△△△△
B□□□□□□□□□
C□□□□□□□□□
D□□□□ス□□□□
E□□□□□□□□□
F□□□□□□□□□
G■■■チチチ■■■
H■■■■ハ■■■■
I■■■■■■■■■
J○○○チチチ○○○
 ↓海


〈プレイング〉
【地図】A5より行動開始。
[スキル:全力移動]でまっすぐ砂浜まで駆け下り、チェックナイトへ初手攻撃を仕掛ける。
その後[スキル:惑い写す青]を、ハムディを巻き込む形で使用し目くらまし。

以後は以下の優先度順で行動。
スリープバード撃破 > ハムディへの張り付きによる逃走妨害 ≧ 味方支援
あと落ち着いたらミーベルの実食べたい。(自費で農民に頼んだら、振舞ってくれるかな?)

  • 四つ葉の白い花
    cloverla0874
    ヴァルキュリア17才|ゼルクナイト×セイント

>心情
「ハムディってじーさんにはなーんも思うとこないけど、
思うとこある奴が何か届けれる様にには手伝えたらいいなーなんて思ったり?」

>行動
「さあさあ、遠慮せずに美少年に魅了されちゃいなさーいっ(エイカ【徒桜】」
「刀の錆にしてくれるわ!…あ、これ雑魚キャラがよく言うやつじゃん、
まあただしイケメンは除く!って事で(攻撃」
同行:ジュリア、他スリープバード対応班
スリープバード対応、殲滅後チェックナイトへ向う。
A5スタート、他参加者と被り移動の妨げになるようなら其処から近い場所からに変更。
バードのタゲを取る為にエイカ【徒桜】使用。
スキルの射程範囲外の場合はエクストラバッシュで攻撃し引きつける事を意識。
バードを殲滅後は隠れている農民に安全な所へ逃げる事を伝え、チェックナイトの方へ。
ハムディがまだその場に居る場合は、攻撃が当たらない様に意識しランサイ【檜扇】や
エクストラバッシュで攻撃していく。

「よかった、これでまたたくさんのおっぱい…あ、ミーベルか。うん、それが収穫出来る」

※アドリブ可/行動に差異がある場合は仲間に合わせる

【心情】
ハムディさんなら、故郷を失う悲しみは誰より分かるはずなのに…。
止めなきゃいけないわ。彼にこれ以上、過ちを起こさせないために。

【目的】
ナイトメアを撃破し、エオニア王国の人たちを守り抜く。
ハムディを無傷で捕縛し、彼にこれ以上の罪を重ねさせない。

【行動】
「クロ(clover)、行きましょう。邪魔な鳥を落とすわよ!」
「スリープなんて呼ばれるなら、子守唄ぐらい歌ってみなさい!」
スリープバードに近い道(△)を初期位置にする。
高低差を考えてスナイパーライフルの『ロングレンジスナイプ』で
バードに射撃、距離を取ることで「鳴き声」の効果軽減も試みる。
バードからの敵意、またはclover(la0874)のロードリーオーラで
降下してきたら武器を散弾銃に変えて早期の撃破を目指す。

「(拳銃を構え、すぐに降ろす)…投降してください」
「貴方に怪我はさせるなって、ギャラルホルン(la0157)がね」
後衛として高所からチェックナイト戦、ハムディの動きを見ておき、
ハムディの逃走を発見したら『全力移動』を使い、砂浜で捕縛する。
船に乗り込もうとしたら、PASS-GL1の「爆」射撃で船体を揺らして
妨害を試みる等、ハムディに怪我をさせずに捕縛する。

「これから私たちもウィーンでの戦いに参加してきます」
「SALFに希望が見い出せないか、もう1度だけ考えてみてください」

  • アイスの女神
    桃簾la0911
    放浪者22才|グラップラー×スピリットウォーリア

ナイト(騎士)を果樹園に侵入させず撃破を最優先
それが農民の安全、及びハムディ軽罪にも繋がるゆえ

騎士前衛の海から見て最右(G6)狙い、最短捕捉の位置(A6)開始
全力移動で騎士と果樹園間に割込み篭手で殴る
疾駆スピード乗せ殴り飛ばす勢いで
移動中「必ず護りますので動けるまで静かに隠れてなさい!」と叫びつつ

交戦時は騎士の果樹園侵入を阻む位置取り意識
砂浜に押戻す、押留めるを狙う
優先攻撃対象は果樹園侵入する騎士「お前が進む道はありません
砂浜に留まる限りは1体ずつ確実に撃破

崩撃で防御↓
移動困難にするべく部位狙える時は脚部潰し
敵攻撃は回避試み無拍で反撃
農民、果樹、味方、ハムディに被害与えぬ位置の敵(船撃破の援護等)のみ散弾銃射撃
戦いつつ「お前が縋る相手が違うこと証明します、ハムディ

ハムは味方に任せまずは敵殲滅
殲滅後、農民達の無事確認「よく頑張りました

■ハムディ
同志も大切ですが、きっとお前に必要なのは友人です
わたくしの友人ギャラ子と仲良しのようですが、わたくしも友人になってあげます
真実を見定めぬところは駄目、ですが人の未来を案じる心は褒めましょう
良い所は良い、悪い所は悪いと伝え成長するのが友
未来のアフリカで共にアイスを食べましょう

結局認められているのはテルミナスのみ
彼女一人に生殺与奪を預けているのが現実

  • 月下の姫騎士
    月鏡 由利菜la3027
    放浪者21才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

【心情】
「人類救済政府…ナイトメアの息のかかった組織の干渉は、必要ありません」
「私はこの世界と共生する放浪者。ハムディ、あなたと悪夢の歪んだ縁を断たせて頂きます」

【目的】
ハムディの身柄確保
果樹園の人々の全員生還

【準備】
初期位置(▲):△△△▲△△△△△

【同行者】
アークレディア・クレセント
桃簾

【行動】
☆1ターン目
正面のチェックナイトへ密着し攻撃。移動力不足なら全力移動使う
同行者二人含めた3人で、それぞれ果樹園への侵入を足止めする形

☆2ターン目以降
後方の海岸に回り込み、果樹園に通さないようロードリーオーラで6体のチェックナイトを注視
「守るべき誓いがここにある…!ホーリー・スウェア!」

以後は大剣に持ち替え、大嵐屠や幻想之刃でチェックナイトを倒す
果樹園に一般人がいないことを確認して放つ
ハムディが技の攻撃範囲に入っている場合、攻撃対象から外す
「…ご安心なさい。SALFは人命優先が原則です。ハムディ、あなたも例外ではありません」
「剣の輪舞曲、蜃気楼の幻影と共に!ミラージュ・ワルツ!」
「舞え、主天使の蒼羽!ドミニオン・ディバイダー!」

ナイトメアがハムディを盾にしないか警戒

ハムディへの接近時にすぐ逃げ出さないよう、彼のプライドを煽っておく
「あなたは危険を承知でここに来たのでしょう。人間とナイトメアの共生を願うのなら、ナイトメアを見捨てて逃げ出すようなことはできないのでは?」

ハムディが逃げる様子を見せたり、彼周辺のチェックナイトを他メンバーに任せられるようになったら全力移動で船型ナイトメアに飛び乗り、船へ攻撃して出発妨害。ハムディ身柄確保まで時間稼ぐ
「船を掌握すれば、逃げられないでしょう」

【依頼後】
「ナイトメアに頼るしか、生きる選択肢がなかった者達がいたことも事実です…」
「エオニア復興の道は閉ざさせません」

チェックナイト対応メイン
行動としては援護寄り

1ターン目は、敵の行動後に動く
中央付近に位置し、スリープバードが移動した方向を避けて全力移動で砂浜へ向かう
抵抗が低いため、まずは砂浜に到達することを優先する
その際、住民への呼び掛けを同時に行う
「ライセンサーです。
あの鳥のせいで、皆さんは身動きできないことと思います。
恐ろしくて一刻もこの場を逃げたいことと思いますが、あの鳥を退治するまで、見つからないよう隠れていてください。
安全なタイミングに、お声がけいたします」


2ターン目は、海側に進む月鏡さんの穴埋めとして、チェックナイトの対応を
注視を逃れた個体を優先して潰す
移動力を削ぐよう脚の関節部を狙う

もし行動不能になった子がいれば、ホーリーライトで回復を

アリーガード は、移動範囲内に一般人がいて、危険な時
もしくは、範囲内に行動不能の味方がいて、集中攻撃を受けている時に使用


  • 竜殺し
    杉 小虎la3711
    人間18才|グラップラー×ゼルクナイト

「SALFに報復するというのなら、SALFを、ライセンサーを攻撃すればいいのですわ」
「けれどそれは今ここで罪なき人を襲わせているあなた方とは無関係なこと。臆病者目、恥を知るがいいのですわ」
筋違いな手前がっての言い分で無辜の民草に危害を加えようとしているハムディらに純粋に怒りを覚えている新人ライセンサーの杉 小虎であった。
都合のいい理由付けで味方にになれなどと盗人猛々しいにもほどがある。しかし、無辜の民草にとっては命は1度切り。靡こうとしてしまってもそれはやむを得ないことと割り切ってもいる。
だからこそ、自分たちが救助間に合わせたからには、信じて身の安全を図ってほしいと思うのである。

まずは遠い危険より最大の脅威と目されるスリープバードから排除しようと動く。
まっすぐ突撃しつつ、愛用のハンマーを弓に持ち替えて、飛行するスリープバードの直下に滑り込むと同時に、直上にむけて矢を放って撃ち落とす。
一矢で仕留めるなどという虫のいいことは考えず、まずは羽を射抜いて地上に引きずりおろすところから始める考え。降りてきたところで他の先輩方と連携して、ハンマーでぼて繰り回して、無力化する。奴のスリープ攻撃は根性で耐える。

バードが片付けば、チェックナイト対応の人たちの戦闘に加勢して血祭りにあげていく。
その際にも必ず民間人らと敵との間に体を割り込ませて、一切の危害を阻む。


 ミーベル畑についた杉 小虎(la3711)は腕を組んで、不機嫌そうに海岸を見下ろした。
「SALFに報復するというのなら、SALFを、ライセンサーを攻撃すればいいのですわ」
 ハムディは筋違いな手前がっての言い分で、無辜の民草に危害を加えようとしている。それが許せない。名門の子女の育ち故、弱者を庇護する矜持から純粋に怒りを覚えた。
(都合のいい理由付けで味方にになれなどと、盗人猛々しいにもほどがありますわ)
 そんな小虎の隣で、ジュリア・ガッティ(la0883)は別の想いを抱えていた。
「ハムディさんなら、故郷を失う悲しみは誰より分かるはずなのに……。止めなきゃいけないわ。彼にこれ以上、過ちを起こさせないために」
 ハムディと一度会った事がある。ただの悪人ではないと信じたい。
 憂いを帯びたジュリアの眼差しを見て、clover(la0874)は小さく呟いた。
「ハムディってじーさんには、なーんも思うとこないけど、思うとこある奴が何か届けれる様にには、手伝えたらいいなーなんて思ったり?」
「ありがとう。クロ」
 胸の大きなお姉さんの為なら、一肌脱ぎたい。

 桃簾(la0911)は、海岸に見知った顔を見かけ、凜とした声音で宣言する。
「お前が縋る相手が違うこと証明します、ハムディ」
「人類救済政府……ナイトメアの息のかかった組織の干渉は、必要ありません」
 月鏡 由利菜(la3027)の言葉にアークレディア・クレセント(la0542)は指先で頬をかいてぼやいた。
「―指揮官級のナイトメアが、条件次第で爺さんまで切り捨てろと命令……無いと思いたいけど、ね」
 他の奴らがやりたい事に専念できるよう、一歩引いて警戒しておこうと心に留める。

 人々の安全を確保する為にも、敵を海岸で食い止める。3人は全力移動を使って、一気に斜面を駆け下りた。
 風のように駆け抜ける最中、木の下に隠れる農民達へ向け、桃簾はよく通る声で叫んだ。
「必ず護りますので動けるまで静かに隠れてなさい!」
 そこへスリープバードが桃簾へ体当たりを仕掛ける。斜面を飛び降りる勢いで躱し、海岸へ向けひた走る。

「クロ、行きましょう。邪魔な鳥を落とすわよ!」
「任せて! ジュリアおねーさん。さあさあ、遠慮せずに美少年に魅了されちゃいなさーいっ」
 走りながらcloverが空に向かって手を伸ばすと、白く美しい桜の花弁が辺りに舞い散った。その美しい姿に、鳥が一瞬見とれる。
 その隙にジュリアは斜面の上から、スナイパーライフルで鳥を狙撃。
「貴方の相手は私たちですわよ」
 小虎は素早く鳥の下まで滑り込み、真上へ向けて矢で射貫く。
「キェェ!」
 2人の攻撃に射貫かれた鳥は、翼を赤く染めながら怒りの声を発した。

 一方味方よりゆっくりと動き出したグザヴィエ・ユリエル(la3266)は、農民達へ呼びかける。
「ライセンサーです。あの鳥のせいで、皆さんは身動きできないことと思います」
 恐怖に震える農民に寄り添うように、その声音は穏やかだ。
「恐ろしくて一刻もこの場を逃げたいことと思いますが、あの鳥を退治するまで、見つからないよう隠れていてください。安全なタイミングに、お声がけいたします」
 そう声をかけながら、バードを避けて遠回りに海へと走っていた。



 チェックナイトの群れの間を駆け抜け、間に立って由利菜は叫ぶ。
「守るべき誓いがここにある……! ホーリー・スウェア!」
 誇り高き叫び声に、4体の騎士が思わず由利菜を見た。船上の敵は海岸へ飛び降り、由利菜へ向かう。

 桃簾は駆け下りた勢いを乗せ、引きつけられなかった1体へ、上から殴りつける。
 ガキン! 金属と金属がぶつかり合う音が響く。固い。よろけながらも、騎士は剣を切り上げ、桃簾の障壁にヒビを入れる。

「ちっ。SALFめ……予想より早いなっ!」
 ライセンサーを引きつける目的は果たした。逃げようとしたハムディの視界が急にぼやけた。アークレディアが惑い写す青を放ったのだ。
「ど素人の温い手引き一つで瓦解するほど、私達は弱くないよ」
 それは宣戦布告。時間稼ぎ。仲間が着くまでの間の。
 遠くから吠えるような声が聞こえ、ハムディは耳を疑った。ギャラルホルン(la0157)だ。
「やいじじい! ナイトメアなんか引き連れて……!」
「お嬢ちゃんまで来てたのか」
 思わず歯ぎしりをしながら、声のした方へ視線を向ける。
「大人しく捕まる気がねーってのはわかってるです。人類救済政府の救いがまやかしだって気づかねー頑固じじーにゃ何言ってもわかんねーんですっ」
 怒っているのに、どこか優しさが滲んだ声が近づいてくる。

 4体の騎士が由利菜へ向け、次々と剣を振り下ろす。由利菜の障壁がジワジワと削られるが、毅然と顔をあげて立ち向かう。
「あなたは危険を承知でここに来たのでしょう。人間とナイトメアの共生を願うのなら、見捨てて逃げ出すようなことはできないのでは?」
 ハムディのプライドを煽る言葉。少しでも足止めになればと。
「ふん! ナイトメアを仲間とは思っとらんよ」
 プライドなんてとっくに捨てたと言わんばかりに、目元をこすった。

 遅れて海岸に到着したグザヴィエはノーマークの騎士へ、斧を振り上げる。
「ここは行かせるわけにはいきませんね」
 穏やかな笑みの中で、瞳だけは鋭く鎧を睨みつけた。農民達の方に敵が向かう時には、この身を盾にする。

 桃簾は敵の攻撃を僅差で躱し、カウンターの如く鎧へ鉄拳。
「固いなら、装甲をそぎ落としてしまえばよいのです」
 崩撃、一打。破壊と同時に、固い鎧を腐食する。崩れ落ちた肩腕から、血を垂れ流し、残された腕の剣を構え、桃簾と距離をとる。
 
 由利菜は大剣に蒼色の天使の羽を纏わせ、騎士の群れに向けて振り抜いた。
「舞え、主天使の蒼羽!ドミニオン・ディバイダー!」
 羽が舞い、蒼が敵の固い装甲を切り刻む。貫いた鎧から血が吹き出した。
 後一押しで崩れる。アークレディアは素早く駆け寄って、拳を叩き込んだ。
「人の脅威……ナイトメアは私達が潰しきる。その為に来たんだ」
 脅威は潰すと想いを込めた一撃が、敵を沈めた。



 ミーベルの木が生える斜面で、戦いは続いていた。
「あっぶな!」
 鳥の体当たりをcloverは刀で受け止め、想像の力を障壁にこめてぐっと堪える。
「今ここで罪なき人を襲わせているあなた方とは無関係なこと。臆病者目、恥を知るがいいのですわ」
 小虎は憤る想いを愛用のハンマーに乗せ、勢いのままに殴りつける。
 ジュリアは鳥に攻撃をしながら斜面を降り、散弾銃に持ち変える。
「スリープなんて呼ばれるなら、子守唄ぐらい歌ってみなさい!」
 叫びと共に放たれた弾丸が、鳥の体に大きな傷を作った。
 cloverは刀に想像の力を纏わせ、切っ先を敵へ向けた。
「刀の錆にしてくれるわ! ……あ、これ雑魚キャラがよく言うやつじゃん、まあただしイケメンは除く! って事で」
 締まらない言葉と裏腹に、その一撃は鋭く貫く。敵が逃げだそうと高度をあげれば、小虎とジュリアの餌食になる。
 敵の身がジリジリ削られる中、ジュリアは海岸が気になった。
「ここは俺に任せて先に行って! ……あ、これ死亡フラグ」
 cloverの言葉に押されるように、ジュリアは駆け下りた。

 敵がcloverへ体当たりを仕掛けた隙に、小虎は勢いよく飛び跳ねてハンマーを振り上げる。
「わたくし達が来たからには、必ず助けますわ!」
 叫びをハンマーに乗せ、振り下ろす。衝撃で敵は地面に叩きつけられた。
 そこへcloverの刀が一閃。鳥の喉笛を鮮やかに切り裂く。
「……ぐ、ぇ……」
 2人の連携に、力尽きたバードは息絶えた。



 ギャラルホルンはハムディの目の前に立つが、まだ触れない。
 ナイトメアがハムディを襲わない確証がないなら、守る為に立ち位置を定めた。

「街を襲うってんならもう捕まえるしかねーですよ? ナイトメアとゆー刃物をチラつかせて仲間になれだなんて、お前もそーやって同士になったんです?」
「……ナイトメアに勝てるわけがない。仲間になった方が良いってな」
「いいかげん、逃げるの辞めたらどーですっ。後に引き返せねーと思ってんのは、案外じじいだけかも知んねーですよ」
 ギャラルホルンは遠慮無く手を差し伸べた。前回救いの手を振り払ったのに、躊躇いはない。
「……泣いてるのか?」
「……じじいが泣いてるんですぅ!」
 ハムディの視界がぼやけているのは、術の効果か涙か。その手を掴めば楽になる。解っていても意地が優った。
「わしはやっちゃいけねぇ一線を超えた。自分で落とし前つけるしかない」
 未練を振り切りギャラルホルンに背を向け、船へ駆け出そうとした。

 その時、ハムディの脇を弾丸が通り過ぎた。
 ズドン! 船が大きく撓む。ジュリアのPASS-GL1だ。
「貴方に怪我はさせるなって、ギャラルホルンがね」
 由利菜も騎士の合間を縫って駆け抜け、船の上に飛び乗った。
「船を掌握すれば、逃げられないでしょう……ご安心なさい。SALFは人命優先が原則です。ハムディ、あなたも例外ではありません」
 ジュリアは武器を拳銃に持ち替え、ハムディへ向け、すぐ下ろした。
「……投降してください」
 殺そうと思ったなら、既に二度死んでいる。殺すつもりはないという意思表示だ。

 逃げ場を失って、呆然と立ちすくむハムディにアークレディアは問いかけた。
「本気でテルミナスの理想を推すなら、命の一つや二つは使い潰せる筈。でも当のあんたは逃げ腰だ」
 冷静な観察から繰り出される言葉は鋭く、同時に哀れみを含んでいた。
「他人の命を背負うことを自ら断り、自分の命もひた守る。本当はただ救われたいだけじゃないのかな」
 人類救済政府の大義なんてもの、初めから信じてない。そう見えた。

 騎士の攻撃を華麗なステップで避け、桃簾は拳で息の根を止めながら言い切る。
「同志も大切ですが、きっとお前に必要なのは友人です」
 自信に満ちた声色がハムディに突き刺さる。

 バードと戦ってきた小虎とclover達もやってきて、騎士との戦いに加勢する。
 鳥も落ち、騎士も半数は潰れ、半数は瀕死。もはや逃げ場は何処にもない。
 
 グザヴィエは狼狽えるハムディをじっと見つめた。
 アフリカの同胞を救うために、一般人を犠牲にする道を選んだ事に哀しみを覚えつつ、同時に思う。
 30年という月日は、人をそこまで追い込んむのだと。
 良心の呵責もあっただろうが、もう後には引けない所まできてしまった。強くは責められない
 だが、一線を越えてしまったのでは、逃がすわけにはいかない。
 彼のような人をこれ以上増やさない為にも。
 グザヴィエは強い思いで斧で鎧を叩き潰し、ハムディをじっと見据え、穏やかに言葉を発し指し示す。
「貴方を待っている人がいます。そこに」

 示された先で、ギャラルホルンがじっと見ていた。唯一の回復役だから仲間を癒やしたかった。その気持ちを抑え、ハムディから眼を離さず見続けた。
 ライセンサーの言葉に揺らぎ、狼狽え、怯えるハムディの姿を。だからわかる。あと一押しだ。
 一歩前へ近づき、手を伸ばす。
「私はその手を逃さねーです、そこに救うべき人間がいる限り」
 力尽くで引き留めようとすればできたのに。最後までハムディと対話を辞めなかった。その揺るぎなさに観念した。
 また手を振り払う……なんてできない。握られた手を握り返し、膝から崩れ落ちた。

 繋がれた手に手を重ね、桃簾は高らかに宣言する。
「わたくしの友人ギャラ子と仲良しのようですが、わたくしも友人になってあげます。未来のアフリカで共にアイスを食べましょう」
 友人になってあげると言うのは、滅多にない特別だ。俯いたままハムディはため息交じりに問うた。
「……なんで。一線を超え外道に落ちた、わしを」
 人間、友人。何故人扱いする。
「真実を見定めぬところは駄目ですが、人の未来を案じる心は褒めましょう」
 ハムディの芯にある、良き心を信じたい。

 ギャラルホルンはえっへんと胸をはる。とびっきりの笑顔を浮かべて。
「じじい。帰り道が解らねーなら、ついてってやるですぅ」
 人間の社会へ。アフリカへ。罪を贖って、一緒に帰るのだと。
「……叶わねぇな」
 テルミナスなんて不確かな蜘蛛の糸より、ずっと確かで優しい助けの手に導かれ、ハムディはSALFに投降した。



 動けなくなった農民へ、グザヴィエはホーリーライトをかけていく。
「もう大丈夫ですよ」
「すみません……人類救済政府になるとか……」
「身の安全を守る為に、致し方ない事ですわ」
 小虎は毅然と答え、農民達に謝る事はないと諫める。
(無辜の民草にとっては命は1度切り。靡こうとしてしまってもやむを得ないですわ)
 武家に生まれた物として、弱気民を守って当然なのである。

 精一杯頭をさげる人々を見て、由利菜は安堵の息を漏らした。誰も傷つくこと無く、事件を解決できた。
「ナイトメアに頼るしか、生きる選択肢がなかった者達がいたことも事実です。……ですが、エオニア復興の道は閉ざさせません」
 凜とした由利菜の佇まいは、人々へ安心をもたらした。
 ジュリアも蹲っていた人に、手を差し伸べる。
「これから私たちもウィーンでの戦いに参加してきます」
 テルミナスとの戦いは、今日とは比べものにならないくらい、熾烈になるだろう。それでも行かねばならない。
「SALFに希望が見い出せないか、もう1度だけ考えてみてください」
 人類救済政府とSALF。どちらを信じるべきか、人々に示すために戦う。

 cloverはミーベルの木々見て周り、大きな被害がない事を確認した。
「よかった、これでまたたくさんのおっぱい……あ、ミーベルか。うん、それが収穫出来る」
 爽やかな笑顔で言い間違えたと、あははと笑う。
「ミーベルの実食べたかったな」
 アークレディアは残念そうに木々を眺める。一つも実がない。
「今年のミーベルの収穫は終わっちまったが……これなら」
 差し出されたのは畑作業の合間のおやつ。ミーベルの缶詰を使っミーベルパイだ。
「助けてもらったお礼に」
 かじりつくと、甘酸っぱさが口の中に広がった。
「美味っ!」
「来年の夏にまた来てください。その時は獲れたてのミーベルをご馳走しますから」
 その日が来るのが楽しみだと、人々は笑った。

 今日ライセンサーが守り抜いた人々が、この畑を守り、夏にはまた実を宿す。
 希望という名の、平和という名の、花がエオニアに咲く。

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