オープニング詳細|WTRPG11 グロリアスドライヴ
  1. グロリアスドライヴ

  2. SALF本部

  3. 【堕天】メテオリート

連動 【堕天】メテオリート 佐嶋 ちよみ

形態
イベント
難易度
難しい
価格
1000(EX)
ジャンル
堕天 バトル 
参加人数
251~25人
予約人数
10010100
基本報酬
105000G
105SP
1050EXP
おまけ報酬
10000G
相談期間
5
締切
2019/08/07 23:00
完成予定
2019/08/19 23:00
機体使用
-
関連シナリオ
-


 目の眩むツァーリ・スヴェートを背に、ライセンサーたちは天より堕ちて奈落の底を目指した。


 復讐。
 暗く、重く、しかし非常に強い感情に背を押され、アサルトコア『ダンテ』は誕生した。
 それまでの研究下地があったとはいえ、この短期間で実戦登用可能へ持ち込んだノヴァ社の皆々の思いを、ムーン・フィッシャー(lz0066)も自分なりに理解していた。

 喪った者への深い信頼、友愛、愛情があればこそ、失くしたら悲しい。
 その上、魂の尊厳を踏みにじるかのように敵に取り込まれけしかけられたなら怒りは天を衝くだろう。
 それが数十数百なんて数では効かないほどに繰り返されてきた。

 ゆえに、少女は祈る。
 復讐。怒り。悲しみ。ぶつけるしかない『底』の感情の果てには、光りが待っているよう。
 果てなき苦しみ、戦いの先には、眩い希望がありますように。


 ノヴァ社社長・アルビナ女史は語った。
『プライドで命を守れるか? ――Нет(いいえ)と告げられる者にこそ、この機体は相応しい』
(私に、ダンテはふさわしくない)
 家族や友人に恵まれ幸せに育ったムーンには、汚泥をすする苦しみが解からない。解かるなんて言えない。言ってはいけない。


 ネザー周辺で戦う部隊。
 降下中に戦う部隊。
 ネザーの底で戦う部隊。
 その中で、ムーンはネザーの底での掃討戦へ志願した。
 アサルトコアには搭乗せず、生身での戦いだ。
 身を守る外殻は無い。不安か? ――Нет(いいえ)。
 ここへ来るまでに、ムーンが滞在していたSALF支部はエヌイー配下のエルゴマンサーが一人・ヘヴンを撃破した。
 多くの血を流しながらも、人類は大きな脅威の一つを倒した。
 それを経て、今ここに居る。
 少女は叫ぶ。



「プライドをもって、命を守る!」




 奈落の底。ネザーの到着点。
 そこは拍子抜けするほど『何もない』。敵の拠点と思えるような装置であるとかなんであるとか、生活感のカケラもない。
 視界に影響を与えるような暗さでも、明るさでもなく。
 行動を阻害するような寒さも、暑さもなかった。
 ただ、点在する鉄塊――なんらかの金属のスクラップ、原料は考えたくもない――だけが視界を遮り厄介だった。

 ヴン、と音が鳴る。
 鉄塊が破壊され、四方へ散った。その先には塔のような砲台が見える。
「……バシーニャか!? いや、それにしては小さい」
 同隊の誰かが口にする。
 バシーニャ。全長20m、塔のごとき固定砲台。アサルトコアでなければ対応できないレベルだ。
 しかし、拓けた視界の先にあるのは7mほどのもの。
 対人用といったところか。
 そして鉄塊が崩れたことで、塔周辺には無数の白虎が徘徊していることにも気づいた。
 白き虎の姿は歪で、1つとして同一の容姿がない――チリアットだ。
「上級チリアットから集中攻撃を受ければどれだけの装甲を誇ろうが危うい、油断するな!」
 他の誰かが声を上げる。
 警戒しつつ、状況・情報の共有を。


【フィールド】
敵名
・プィリソース(略称:掃機)
・チーグル  (略称:白虎)

□…1スクエア
■…高さ3mの瓦礫
A~C…プィリソース
□□□■□B□□□■□□
□A□□□□□□■□□■
□□□□□□■□□C□■
■□□□□□□□□□□□
□□□■■□□□□□□■
↓100m南方、PC到着地点

記載以外に東西を広く活用可、瓦礫も随所に点在している
瓦礫は敵味方共に上り下り可、それぞれ1T消費
掃機の攻撃に巻き込まれた際、瓦礫は崩れて通常通行可能になる
表示マップから100m手前よりプレイングスタート
白虎は常時動いているため記載省略、表示マップから100m手前以内にも存在している




 ライセンサーのプライドに懸けて。
 流星で送り出し、ダンテを生み出したノヴァ社の誇りに懸けて。

 行動を阻害するナイトメアを倒し、明るい空の下へ戻ると誓う。
 生きて戻る、そのための勝利を。
 生きて戻る、それにより強さの証明を。

「わが父、レイ・フィッシャーの名に懸けて!!」

 これは言ってみたかっただけである。
 フィッシャー社の武器を携えている味方も多いだろうなって思って。


●任務
敵の殲滅


●敵情報
配置状況はOPの【フィールド】参照

■プィリソース×3 (略称:掃機)
防御型、バシーニャの小型版、堅牢な装甲と厄介な射撃能力を兼ね備えた固定砲台
全長約7m、直径約3m。塔のような形状、移動なし・回避0、物知ともに高防御
スキル:知覚攻撃
・灯火
 直線射程10、着弾点は十字型に爆発し範囲攻撃(1)を伴う
・轟雷
 ライセンサーの接近を察知すると、自身を中心とした範囲(3)の散弾型光弾を放つ
 この光弾に命中した対象は2スクエア後退する

■チーグル ×50 (略称:白虎)
攻撃型、物理アタッカー、チリアットの白虎版
体長2m、高反応、群れを成して行動している
スキル:物理
・獣の殺気(アクティブ)
 周囲4スクエア対象全て(識別可)に【注視(3)】付与
・鋭き牙(アクティブ)
 移動後に攻撃、「チーグルが付与した【注視】」状態の者に対する命中に補正大
・連なる牙(パッシブ)
 別個体のチーグルがそのターン内に攻撃した対象に攻撃する場合、攻撃と命中に補正中
・異常再生(パッシブ)
 毎ターン終了時に生命を5D10回復


●同行NPC
ムーン・フィッシャー セイント×ゼルク Lv.15
前線での盾ないし回復役希望 ただし指示があれば従う
装備:盾、移動力相殺靴、攻撃力超特化指輪
[特記]
★防御特化、攻撃命中は尋常じゃなく低い ※心理的なもの、即座には修正不可
★0距離でも当たるとは限らない
基本セットスキルは以下、変更希望があれば対応可能 齟齬の無いよう、1名が記載してください
攻撃系スキルも可、敵味方識別は可能だが命中率は尋常じゃなく低い
・ロングヒール
・天佑の雨雫
・フィールキュア

こんにちは、佐嶋です
あまりに広いので一部抜粋マップとなっています
敵の数もイベシナ相応の混戦模様です
生身ゆえの戦いを、生身ゆえのプライドを。
『勝利し、生きて帰る』その意地を。
見せつけてくれることを、期待しています

  • 凪の果てへと歩むもの
    常陸 祭莉la0023
    人間19才|ネメシスフォース×セイント

【方針】【A班】
陣形中央で灯火警戒し盾役と1sq開け射線上に立たない
手近の瓦礫利用し瓦礫通過前に音を鳴らし白虎潜んでるか確認
本装備敵味方識別し銀、死霊沼
白虎特に注視をかけたor距離が近い物を優先
掃機周囲味方無し→範囲を通達して赤
射程内白虎無&掃機有→轟雷射程外から銃で掃機攻撃
攻撃スキル残0→銃装備、敵接近時千鳥
同班に生命5割以下多数orA掃機撃破後にB掃機対応前に負傷大→杖装備多数範囲収め天佑

【方針】に沿い行動
班分け時はA班!

進路前面で盾役
視野範囲内の敵
敵注視対象者と残生命の少ない人のカバー優先で
単体は槍で串刺しと遠距離に拳銃
複数は幻想之刃で薙ぎ払い
攻撃は常に盾で防御
アリーガードは敵連携妨害に
ロードリーオーラは盾役以外の味方への注視に上掛けして使用

掃機射程外での白虎殲滅と接近集団なければ班行動へ
以降も前面で盾
移動中は必要に応じ瓦礫を盾に
接近まで白虎対処を優先し側面の警戒も
掃機接近後は槍で近接戦
轟雷を使ったら灯火は使えないのか
威力は轟雷の方が低いのか確認
轟雷に攻撃を絞れるなら常に轟雷射程内に入り囮に
他掃機、Bからの灯火を警戒し視界に入れておく


  • 88la0088
    人間33才|セイント×ネメシスフォース

【方針】
目的
敵殲滅
初期全員南方中央寄り(掃機B南側目安)より開始
自軍射程内に入る白虎を殲滅優先しつつ漸次北上
敵位置、相対距離は各自逐次確認、報告
掃機灯火射程内に突入後、掃機A+白虎対応【A班】、掃機C+白虎対応【B班】に移行
掃機A,C撃破優先
手隙の者から掃機B+白虎狙いへ移行

個人
【B班】【方針】準拠
集団前位置し盾防御及び観測役
敵位置常時確認と共有
注視対象者、体力低い者を庇う
敵先手と見て反撃狙う
敵遠方密集時→味方巻き込まぬ位置見極め赤
乱戦密集時→審判
対個体→盾で殴打
体力40%以下で一回ヒール(味方3回分自分2回分
一人でも多く掃機に回す
瓦礫崩落警戒距離置く

  • 星々を結ぶ絆
    水樹 蒼la0097
    人間20才|スピリットウォーリア×グラップラー

心情
重要な作戦です、この地を救うためにも頑張りましょう!

行動
前衛、突出厳禁
序盤、掃機の攻撃範囲外で白虎へ攻撃し各個撃破狙い
優先度は近い相手≧注視付与者付近で未行動の敵
2体以上攻撃可能な際、味方巻き込まない際は大嵐屠、巻き込む危険がある際は龍震虎咆使用
また、自身に注視が付いた際は敵の攻撃射程内より逃れる
体力4割で回復もらう

白虎殲滅or近寄って来ない状況で掃機対応へシフト
掃機対応時はA班、瓦礫の影で射撃攻撃回避しつつ白虎倒しながら掃機Aに接近
掃機は崩撃使用で防御低下付与し、味方と連携波状攻撃で一気に攻め切る
豪雷で瓦礫吹き飛ばし巻き込まれ注意

私は守ってもらわないと存分に戦えないし…だからお願いねムーン、頼りにしてる。
その代わり敵はきっちり撃ち抜いてみせるから!

序盤は掃機の射程外で白虎と戦闘。
射手外にいる白虎を倒したら、A班として掃機Aを狙う。

白虎を複数巻き込める時はオーバーストライク。
単体を狙う時はブレイクショットで。
味方と狙う個体を合わせて集中攻撃。

掃機に対してはドロレス装備で、高速装填を使いながら攻撃。
灯火も轟雷も受けない位置で。(掃機の位置から、4スクエア下がって、2スクエア横にずれた位置)

交戦中はリロードせず別の銃に持ち替えて攻撃。
攻撃できない、する必要がないターンがあればその時にリロード。

  • 人を助けるヴァルキュリア
    桜壱la0205
    ヴァルキュリア10才|セイント×ゼルクナイト

●目的
同班PC達の生命維持
敵殲滅

●行動
【B班】
個基本方針
防御、射線妨害→円盾
回復術、攻撃→杖

白虎
注視付与状態の人≧ネメ/スナ等後衛を中心に円盾を使い防御
回復しない時は他者が攻撃した個体を狙い杖知覚で殴打、ダメージ蓄積を狙う

掃機
射程内に入ったら大盾に持替
瓦礫代わりに後衛が隠れやすい遮蔽壁になれるか試みる
防御難しければ弓矢に持替攻撃

回復は以下状況or周囲PCからの要請により使用
神恵:範囲内PC2名以上が生命40%以下
審判:対白虎/範囲内に敵2体以上の乱戦時使
天佑:範囲内PC3名以上が生命50%以下

  • 魔女殺し
    Ashen Rowanla0255
    人間31才|ネメシスフォース×スナイパー

興味はない
契約に従い任務を遂行するだけだ

■行動
【B班】
初期は掃機射程外で白虎掃討
可能な限り排除した上で掃機撃破

可能な範囲で集団の中に位置取り
敵と己との間に前衛挟む
瓦礫は視界遮る物として利用
非混戦時は多数巻込み狙い【赤】
混戦時優先度は【青】で援護>【銀】で損害大の敵狙い

狙いを掃機に変更後は【青】で接敵を援護
接敵後優先度は白虎攻撃>掃機に【アシッド】
スキル枯渇時は剣使用

A班所属
近接戦及び回避型の囮担当

・対白虎
注視を受けた状態で回避可能か確認
避けられるなら前線に留まり囮続行
困難なら回復中他の前衛にカバーしてもらう
バースト・パワークラッシュを積極使用
味方を巻き込まないよう注意
逆に味方の範囲攻撃は回避可能な範囲なら構わず撃たせる
手負いは優先撃破し再生防止

・対掃機
弾幕を掻い潜り肉薄→連牙・心
味方の攻撃で装甲に損傷等があれば狙う
シールドが危険域の場合突撃前に回復を

目標
敵方殲滅


方針に従い、後半はB班。

スナイパーライフルにて後衛。
異常再生懸念し討ち漏らしを優先。
手番最後手。

班分け以降、残存白虎の対応。
掃機対応が少ない、また残白虎0の際掃機へ。
手番通常通り
武具、銃>刀。
B掃機の灯火範囲から外れた地点位置取り。
スキルいずれも班分け・掃機への攻勢以降。
残存する白虎>掃機でポイントショット。
掃機対応者狙いの白虎に足止めで気引く。
飛雀、鋭き/連なる牙の際。

88さんの【方針】従い作戦進行
班行動移行時はA班参加

ルージュさんの後方に位置して敵位置把握と周辺警戒
「背中は俺が守ります。共に進みましょう」
敵注視スキル範囲外からロングレンジスナイプ使用
標的は負傷状態の白虎及び他味方が狙う個体

掃機と直線位置に踏み込まない様に注意し射程4の位置目指す
連弩で心射撃使用し掃機の行動妨害試み、効果ありなら妨害継続無しなら通常戦闘
「災い捉えて射貫く為に。各務 与一、参ります」

主攻撃はサイドワインダー使用し白虎と戦闘中要リロード時はポイントバレッド使用または予備の連弩持ち替え攻撃
白虎に近接攻撃された場合は回避試みつつ小太刀持ち替え反撃

  • 雛鳥の紅緒
    ツギハギla0529
    ヴァルキュリア18才|セイント×ゼルクナイト

ムーンの頭を撫でつつ隊の中央で回復役とA班である事を伝達
「また強くなったのね。今回も期待してるわよ、戦友!

A班

なるべく多くを範囲に入れる位置どり
※他の回復役の範囲に居ない人を優先して入れる

生命力半分以下の人にヒール
複数いる際は福音の雨雫
※他の回復役に任せた方が効率が良いなら任せる

回復不要時は行動遅延
最後まで遅延しても不要なら傷ついた敵に攻撃
※武器優先順は剣>銃

味方が白虎に集中狙いされやられそうならアリーガードで庇う
「壊すなら私からにするのね、化物!

  • 胸に抱いた覚悟
    白神 凪la0559
    放浪者18才|スナイパー×ネメシスフォース

班編成:【B班】
ポジション:後衛

目的:敵の殲滅

行動:
戦闘開始後は射程内の白虎から殲滅しつつ、北上。
掃機の射程外の白虎殲滅を優先しつつ、
掃機Cの射程近辺までくれば、掃機C周辺の白虎と掃機Cの撃破に【B班】のメンバーと
連携しつつ向かう。
掃機C撃破後、掃機Bとその周辺の白虎掃討に

白虎には通常攻撃と密集している場合はレールガンで範囲攻撃
掃機には味方へ束ね連ねる因果で支援しつつワンポイントと通常攻撃で戦闘を行う。
基本的に距離をある程度とっての中遠距離戦で戦う

アドリブ歓迎
交友略称交友欄に準ず

心情
「機体だろうと生身だろうと命がけなんは一緒やからな。大事なんは生き様ってな

準備
戦闘前明鏡止水、受け流し使用

行動
【B班】
【方針】
やや前寄りで行動
突出しない程度に大嵐屠で前へ
基本相手が先手をとると仮定し回避からのカウンターで立回る
敵連携は常に想定し近くの味方及び立ち位置足場は常に確認し利用する
敵ある程度密集してきたら味方にいったん距離をおき範囲攻撃を頼む
前線安定してきたら側面及び後方警戒に回り囲まれる状況を避ける
対掃機は味方ノックバックと入れ替わるように前に出て接近し攻撃
敵攻撃発射口発見できればそこを狙い可能なら真上から狙う

  • 首があるなら刈ってみせる
    紅迅 斬華la2548
    人間25才|セイント×ネメシスフォース

心情
ここがネザー・・・?殺風景な所です♪む?早速お出迎えが!マツリさん!首を頂いちゃいましょう♪ムーンちゃんも一緒に頑張りましょう♪


目的
敵全ての首

行動
【方針】参照
【A班】参加
「はちさーん!気を付けてねー!」
班の最前列に配置、味方と歩調を合わせ進み、ターゲットを合わせ攻撃
射線を遮り脆い味方を守る、突出せずに常に援護を受けられる位置を維持
2体以上巻き込めるなら氷華装備の赤か銀で首を刈る、赤は味方巻き込まない時のみ使用
可能な限り掃機と複数の白虎からの攻撃に備え、敵を盾か視覚を遮る遮蔽に出来る位置取り
「ふぅ・・・。数が多いと疲れますね♪マツリさん、ムーンちゃん大丈夫です?」

白虎優先で刈り、手番回ってきていない個体から狙い数を減らす

回避失敗でも武器で急所をカバーし軽減努力

スキル0か単体攻撃時は鉈か氷華で効果高い物で攻撃、突っ込むと囲まれそうなら機銃で射撃、近付いて来れば近接武器で首を刈り取る

生命5割以下で敵諸共氷華審判>盾ヒール

  • 聖ママ
    la2593
    放浪者20才|ゼルクナイト×スピリットウォーリア

仲間と足並みを揃え、損害を抑えます。

・白虎戦
大鎌で前衛。
反応が高い敵・味方の高度後の為、状況に応じる。
・敵へ追撃、大量の敵が巻き込めれば識別付きの幻想之刃。
・前列に穴があり、後衛へ射線が開いている場合は移動して射線妨害。
・大量の敵が1人を集中攻撃出来る位置にいる場合、別方向に移動後、3体をロードリーオーラで引きはがす。

攻撃は回避、回復要請も行い頼ります。
注視を受けた場合のカウンターは識別幻想之刃で目標ごと薙ぎ払う。

掃機戦
B班に参加。
接近の際にヴァニタスフィストに変更。
回避を上げて射程5まで接近後、鎌に持ち替えエクストラバッシュ。
回数切れ後はライフルで攻撃

目的:
わらわらといる敵をすべて撃破。
あの砲台の瓦礫の上にSALFの旗をでかでかと立てれば、
あたい達の本気を知ることになるだろう。

行動:
A/B班に別れて行動。今回は【B班】で参加。前衛として行動。
【方針】通り掃機Cを目的に進路上の虎を倒しながら進行。
基本的に他の味方と火力を集中して各個撃破。
掃機の範囲攻撃対策にある程度散開して行動をするが、
虎からの集中攻撃で崩されないようある程度連携が取れる距離を維持。
攻撃時は単体なら近接ないし遠隔攻撃で火力を集中、
複数いるなら範囲攻撃でまとめて攻撃を仕掛けてまとめて撃破を狙う。

戦闘後、持ってきたSALFの旗を掃機の瓦礫の上に立てる。

心情
「いよいよって感じだな!仕事だ!仕事だ!全部消し炭にしちまえ!」

目的
敵の全滅

行動
【方針】参照
【B班】参戦

基本指示なければ大剣装備
白虎優先
前線で敵を押し止め、後衛(遠距離攻撃手)が攻撃に集中できるような環境を維持
後ろに行きそうな攻撃は、射線を遮り守るか、難しいならアリーガード使用
ある程度前に出るが、敵の動きを良く確認し包囲されないように立ち位置を調整、報告し突出して来た敵は迎え撃ち複数範囲内なら味方識別し幻想之刃使用

敵が固まっていて、近付けば囲まれそうな場合は遠距離からEバッシュか銃で攻撃

攻撃は頭部か足関節や装甲の継ぎ目、その都度狙いやすいほうを攻撃
白虎を攻撃する場合、行動終了していない近くの白虎を狙う

敵の攻撃は避けられないなら武器で受け止めていなして相手の態勢を崩し、次の手番で味方か自分が有利に立ち回れるようにする

位置的に敵から複数回殴られそうなら盾に持ち替えて攻撃

生命5割以下で本審判、盾ヒールの優先順で使用





  • 悲しき願い
    梅雨la2804
    ヴァルキュリア10才|ネメシスフォース×セイント

アドリブ◎
常陸祭莉と行動
『人間は治すまでに時間がかかる。前に出る必要がある時は俺が出る

ムーンともお話出来たら!
『ひとつずつ確実にこなせば皆で帰れる。貴方か命を守ってくれるのを、頼りにしている

88さんの【方針】に従い行動、A班
突出しないよう注意しながら後方より白虎を攻撃
ただし味方が危険だと判断した場合は自らを盾にかばう
負傷時は人間>ヴァルキュリア>自分の優先順位で回復使用

白虎戦闘時、祭莉に【束ね連なる因果】使用
そのまま【ハイフォース】にて敵をたたく
【審判の雨雫】を白虎戦闘中に使用し
なるべく周りの傷を治してから掃機Cに向かう
掃機戦闘時も祭莉に因果→敵にハイフォース

  • ぜんぶ燃やしますね?
    吉野 煌奏la3037
    放浪者18才|スナイパー×ネメシスフォース

【心情】
烏合の衆にならなければいいんですがねぇ
【行動】
基本:銃使用
白虎掃討時は88の後方(敵との間に入ってもらう)
「88さんいつものよろしくです」
初手は手数あるので通常リロード挟みつつ極力消耗しない様
直線上に敵が並んだ場合のみ本に持ち替え『Lガン』
「はい、今日も景気よく燃やしますよー」
敵が射程1内に入った場合のみリロなくすため雷刀へ換装
「嫌ですねぇ。懐に入ったおつもりで?」

掃機はC側対応
敵射線直線に入らない様立ち位置留意
『Wスナイパー』で威力底上げ攻撃+『高速装填』リロ
「使い捨てしてあげてるんです。ちょっとは食らってもらえます?」
残B機は逆側と挟むよう攻撃

群れで行動する白虎が一気に当方を囲みにかかるか波状攻撃してくるか
前者なら被ダメは大きいが一気に減らす機会でもあり
後者なら警戒されて残りが増えるが反撃の隙が多く出来る
中衛程度に位置し敵が複数前衛に取り付いているなら銀又は銃での支援攻撃
被ダメ5割以上の味方にヒール、対象が近くに複数且つ敵が接近した状態なら審判
【A班】
Aに向かう途中にCの射線があるのが気になる
A、Bの射線に入らないように注意しつつ中程につき東側面を警戒
白虎が特にB班の妨害をする等Cがこちらを狙う素振りがあれば
側面を突かれないよう銃を盾に変更し瓦礫の飛散等を防ぐ
そちらの危険が無いならA又はBに通常攻撃又は味方回復

みんなで生きて戻りましょう
◆目的
敵の殲滅

◆事前
所属B班
ホイッスル持参

◆個人
複数の敵を相手取るのは難しいため被害を抑えるため
掃機射程内突入前に白虎を間引きしておきたい
敵が近くにいない場合ホイッスルを吹き様子見
乱戦ではホイッスル使用禁止

◆戦闘
回復手
ヒールができる位置取り
白虎は近くにいる敵から仲間と同じ目標に集中攻撃
瓦礫奥や上などからの不意打ち注意
乱戦時怪我人複数には審判の雨雫
味方生命4割以下でヒール使用
掃機戦では後衛への範囲攻撃の射線を塞ぐ位置取り
掃機の2Sq以内には基本踏み込まない
怪我人複数には神恵の雨雫
回復スキルが切れればエナジーガンに換装し攻撃

【B班】
掃機周辺までむかうまでは味方から突出しない様にし遭遇する敵を迎撃
敵が一~二体なら銃で通常攻撃
それ以上で連携取って攻めてくるなら本持ち幻想之刃で纏めて攻撃
「数も多ければ連携も取るか、厄介だな

掃機に向かう段になれば同じ標的を狙う味方と共に敵へ急ぎ迫り旋空連牙で攻撃を叩き込んでいく
「動かない相手なら外す心配は要らない、木偶の坊を打たせて貰うぞ

B班目標の掃機撃破後は白虎がまだ健在なら白虎を優先的に排除して掃機を狙う他の味方を支援
「こいつらも放っておく訳には行くまいな

アドリブ称号絡み歓迎

【心情】
回復特化で動くことに致します

【行動】
【B班】
仲間とは連携して行動
夫の南雲 士元(la3160)とは特に連携して行動

戦闘開始してすぐと後半掃機と戦う前に士元に束ね連なる因果を付与して攻撃力の底上げ
「士元! 頑張って下さいませ!

最初纏まって動く時は可能なだけ他の回復者と範囲が被らない位置取りをする
後半は臨機応変に回復スキルが無駄うちにならないような位置取りを

シールド破損が半減した者へはヒールを
シールド負傷者が多数範囲内にいる場合は神恵の雨雫を使用して回復させる
シールド負傷者の多くが敵に囲まれている場合は審判の雨雫使用
「回復致します!

  • 羽ばたく導きの鳥
    白野 飛鳥la3468
    放浪者21才|グラップラー×セイント

「敵の数が多い。あの砲台の敵にたどり着くまでどこまで戦力を残せるか

○行動
全体作戦は88(la0088)の【方針】参照
【A班】

基本行動
接近戦は雷刀「千鳥」
距離有時A&H FD5AとミネルヴァP8000使用
敵攻撃及び味方無差別範囲攻撃は極力回避
生命4割以下もしくは残1~2撃で倒れそうな人にヒール
味方リロード時援護

白虎
近く・残り生命低>近く・獣の殺気未使用>その他
複数体並んだ場合龍震虎咆使用
回復間に合わない時神恵の雨雫

掃機攻撃前に神恵の雨雫で味方回復&銃リロード完了
掃機は銃と和弓「鳴弦」で掃機から射程4以上を保ち攻撃
掃機A討伐後B討伐へ

【A班】

■占い
「月/逆位置」
朧から月が顔を出すように困難の先の可能性を示すオラクルですね
ここを乗り切り次の一手を進めましょう

■行動
白虎の相手を主軸に
スキルを主軸にした中衛
遠近両刀にしましたのでどの位置・状況でもとにかく敵へダメージを与えるように

衝突序盤は群れに向けて赤による範囲攻撃を
混戦になればレールガンorパワークラッシュに切り替え
レールガンは至近距離の個体と遠距離の個体とを線で結ぶように狙い2体は巻き込むように
接近戦主体のようですし近づかれる前に数を減らしたいものです

また白虎と味方との間に入ることで敵の視線の分散を狙います


 エヌイー率いる敵の本拠地、ネザー。
 ここへ至るまで数多の協力を得て、戦う味方を見送って、ライセンサーたちは底の底へ到着した。
 生身には巨大に感じられる鉄塊が視界を阻むも、無造作に放たれる灯火の光線が時折りそれを崩している。
 拓ける視界の向こうには、白虎タイプのチリアット――チーグル。動物に寄生した『使徒』がグズグズに溶け合って1つの形を作り上げた異形だ。
 敵はまだ、こちらに気づいていない。
 なにしろ100m以上の距離がある。
 しかし無造作に行動しているのは光線を放つプィリソースだけではない。獣型のチーグルは時に鉄塊に身を隠しながら周囲を徘徊している。
 こちらと遭遇するのは時間の問題だろう。
 交戦前に出来る限りの地形と状況の把握に努めながら、面々は陣形を整えてゆく。



●始まりの深き底

 動き出すメンバーの背を見守りながら、アルストロメリア(la3682)は手の中にあるタロットカードを一枚めくる。
 ――月/逆位置
「朧から月が顔を出すように困難の先の可能性を示すオラクルですね。ここを乗り切り、次の一手を進めましょう」
 それが運命神のお導きであるのなら。
 世界を転移しても、アルストロメリアの信念・信仰は揺らがない。
 『困難』の先に『可能性』が見えるのならば、眼前の困難と、まずは向き合おう。


「ここがネザー……? 殺風景な所です♪」
 チーグルと同サイズの首刈り大鉈を携えて、紅迅 斬華(la2548)は周囲を見回す。刈れる『首』は如何ほど潜んでいるだろう。
「斬華が一緒だと心強いわね」
 無垢にも見えるそのしぐさへ、共に前線を揃えるアグラーヤ(la0287)は微笑した。
「重要な作戦です、この地を救うためにも頑張りましょう!」
 他方には、LBC決勝戦で彼女と拳を交えた水樹 蒼(la0097)の姿が。
「みんなで生きて戻りましょう」
 立華 あやめ(la3152)は、首からホイッスルを下げている。これで敵の気を引き付けられれば行動の幅が広がるのだけど。
「今回もよろしくね。……今回は、みんなで帰ろう」
 アグラーヤの声に、あやめは意思の強い眼差しで頷いた。
 この場へ至る直前の戦い。エルゴマンサー・ヘヴンを相手取った死闘にて、前線の味方を回復すべく駆け回ったあやめが凶刃に倒れたことをアグラーヤは覚えている。
 あやめだけじゃない。ヘヴンを討ち取った戦いだけじゃない。長い時間をかけて彼の敵を追い続けた顔ぶれが、今回は多く居合わせている。死線を潜り抜けた仲間たちだ。
 メンバーへ信頼を寄せればこそ、自身も無茶な行動を取らないよう慎重になる。
「……ムーン」
「心得ておる」
 アグラーヤの呼び掛けへ、緊張した面持ちでムーン・フィッシャーは頷いた。
(心配……とも言ってられないよね)
 気に懸けすぎて自分の戦いがおろそかになってはいけない。アグラーヤは、背を少女に託すと心を定める。
「今回は突出しない……ほんと」
 心配の意を受け取ったのは、常陸 祭莉(la0023)も同じくだった。
 何しろ、ヘヴンの足止めをするために文字通り身体を張った行動をとったのだ。彼の友人が多い戦場で、空気は一気に凍り付いたものだ。
「約束だぞ、祭莉殿。我が居る限り、眼前で戦線離脱などさせてやらぬ!」
 ムーンは祭莉の胸ぐらをつかみ、グラッグラ揺さぶった。
「うん……ほら、今回は……メリット無いし」
「メリットがあれば! やると! 申すか!!」
 ぐらんぐらんぐらん
「まあ、なんだ……その辺で許してやってくれ」
 間に入ったのは大きな黒狼――梅雨(la2804)だ。
「ひとつずつ確実にこなせば皆で帰れる。貴方が命を守ってくれるのを、頼りにしている」
「……お、おおおおお……もふっもふ 梅雨殿、こちらこそよろしくだ」
 握手だとしても『お手』的な行為は失礼だろう……かといってナデナデも……
 黒き紳士へ戸惑いつつ、ムーンは頬の辺りに右手をうずめた。もふもふ。
「また強くなったのね。今回も期待してるわよ、戦友!」
「うむ! 共に戦い抜こう、戦友!!」
 しゃがみ込むムーンの頭を撫でて、ツギハギ(la0529)は打ち合わせで決まった立ち回りや基本作戦を伝えた。

 開幕初期は班分けはせず、前衛や後衛など一丸となって対応すること。
 ムーンはその中で、中央の回復役を担う。
 チーグルの対応が落ちついて来たら、東西それぞれのプィリソースを狙い2班へ分かれる。

 多対多の乱戦・持久戦が予想される。
 回復役の立ち回りが非常に重要となってくる。
 前線の回復支援はもちろんだが、回復役自身もまた立ち続けることが必要だ。
「私は守ってもらわないと存分に戦えないし……だからお願いねムーン、頼りにしてる」
「任せよソレイユ。太陽の輝きがあればこそ月は光るのだ」
 ソレイユ・フラム(la0139)は優秀な狙撃手だ。彼女を守り切ること。それは友人としてはもちろん、戦場において非常に重要な意味を持つとムーンは感じている。
「その代わり敵はきっちり撃ち抜いてみせるから!」


(敵の数が多い。あの砲台の敵にたどり着くまでどこまで戦力を残せるか……)
 近接・遠距離共に可能な白野 飛鳥(la3468)は、攻撃も回復も出来るよう中衛に位置する。
 仮に敵に懐に入られたとしても、ここで食い止める。
「群れで行動する白虎が、一気にこちらを囲みにかかるか・波状攻撃してくるか……それにもよりますね」
 飛鳥の懸念へ寄り添うよう、同じく中衛の千種 樹生(la3122)が考えを声にした。
「前者なら被ダメは大きいですけど一気に減らす機会でもあり、後者なら警戒されて残りが増えますが反撃の隙が多く出来る。回復手段の温存で言えば後者が有り難いですが」
 敵の懐、城とも言える場所のナイトメアたちの知性・攻撃力は、如何ばかりか。
 こればかりは交戦しなくてはわからない。
「被ダメがどれくらいか、というのも読み切れませんからね」
 飛鳥が頷きを返す。

 チリアットはターゲットを定め、群がる程に命中・攻撃力を上昇させた一撃を与えてくるという。
 その性能を考えれば『波状攻撃』より『囲い込み』の方が可能性は高く、前衛がどこまで耐えられるかが鍵になる。
 容易く回避できるものなのか。いくらでも攻撃を受け続けられるものなのか。
 ライセンサー個人の資質にもよるが、たとえば非常に能力の高い一名さえいれば乗り切れるのか否か。

「壁に回復ですね! お任せ下さい! 頑張りますっ!」
 むふーっ!
 二人の会話を聞いて、桜壱(la0205)は張り切る。
 『守る』形はひとつではなく、支えること癒すこと、どちらも重要。
 それは桜壱の得意分野。
「頼りにしています。序盤は班分けの位置取りは関係なく、ですからね」
 樹生は穏やかな表情で、桜壱へ振り向いた。
 樹生と飛鳥は、後半では東のプィリソースを狙いに行くA班。桜壱は西側を狙うB班だが、フォローし合うことに変わりない。
 今は班行動を意識しすぎると危険だろう。
 確実に消耗戦と見える対チーグルで、回復スキルをどれだけ残せるか・耐えきれるかも重要なところ。
 二人とも回復スキルをセットしている故に重要さを理解している。


(……馬鹿な餓鬼め)
 その様子を後方から、Ashen Rowan(la0255)は苦虫を噛み潰したような表情で眺めていた。
 普段からそういった表情なので変化に気づく者はいない。
 ――プライドで命を守れるか?
 たとえばメガコーポの女社長はそう問うた。
 ――ライセンサーのプライドに懸けて
 たとえば銀髪の少女はそう叫んだ。
(いずれ興味はない。契約に従い任務を遂行するだけだ)
「ザンカー……敵だよ? 狩る? 狩る?」
「マツリさん! 首を頂いちゃいましょう♪」
 キャッキャとした声が前衛から届く。それに対してもまた、内心で吐息した。
 前の戦いで、常に眠たげな少年が採った行動はAshenの記憶にも新しい。
(……感傷に過ぎない。この手は――)
 左手を閉じ開き、男は戦いへ集中力を研いでゆく。


「背中は俺が守ります。共に進みましょう」
「おうっ、任せた! ……敵に『注視』対象にされた仲間が心配だな」
「ええ。簡単に集中攻撃をさせないよう、ですね」
 先陣を行くルージュ・遠山・リオン(la0037)、その背には弓を手にした各務 与一(la0444)の姿があった。
 『攻める事よりも護る事を重視した小隊』。ルージュは小隊長で、与一はそこへ属している。
 気心の知れた、そして何より戦いに対する姿勢が合致している。
 前衛・後衛の拘りなく、同じ志のもと戦うことができる。何より心強い仲間だ。
「鉄塊が厄介だなー。『視野範囲内』ってのはバカにできないと思うぜ」
 遠目では、その裏側を覗けない。そこにチーグルが控えているかもしれず、不意を突かれる可能性は否定できない。
 ルージュは『見える範囲』を確実に抑えるように心がける。そうすれば『それ以外は不慮』だから不用意な動揺を防げるだろう。


 短期間の偵察で作戦基礎を固め、各々が配置を整えていく。
「烏合の衆にならなければいいんですがねぇ」
 この集団戦闘は、吉と出るか凶と出るか。
 後衛につく吉野 煌奏(la3037)は皮肉交じりに自陣を見渡した。
 それから、文字通り壁役を担う88(la0088)を見上げる。
「88さんいつものよろしくです」
「烏合の衆となった場合、もれなく煌奏は私と同時に吹き飛ぶ。覚悟は装備しておいた方が良い」
「88さんへ敵が接触する前に、吹き飛ばせばいいわけですね?」
 うふふふふ?
 物騒な言葉へ物騒な切り返しを。覚悟の装備はOK。



●白虎のチリアット、始

 果てのわからぬ平地より、チーグルの集団1つが接近してくる。5体ほどだ。
 その奥にも姿は見受けられるが、様子見の段階らしく全てが同時に掛かってくることはない。
「来たわね、わらわらと! あたいたちの本気を見せてやるわ!」
 最前線、西の一端を担う雪室 チルル(la2769)はSALFの旗を持ち込んでいる。
 人類勝利の証として突き立てんと考えていたが、最奥のプィリソースあたりが良いのではなかろうか。
 そこへ至るまでチルルは絶対に倒れないし、後ろの仲間たちも危険な目に遭わせない。決意の旗だ。

 集団最後方のチーグルが地の底から響く唸り声を上げる。それを合図に、残る4体が一気にライセンサー前線へ飛び込んできた!
「まだまだー!!」
「今のうちに迎撃を――、それと回復をお願いしますっ」
 来る、と解かっていても回避が難しいほどに一糸乱れぬ行動をとってくる。
 真正面から受け止め切ったチルルはシールドの半分を損傷、回避を試みた珠(la2593)だったが2体の攻撃を躱しきることはできなかった。首の皮一枚でシールドを保つ。
「機体だろうと生身だろうと、命がけなんは一緒やからな。大事なんは生き様……ってな」
 そんじゃ、失礼して。
 事前に回避・命中上昇スキルを掛けていたゼロ=シックチップ(la0672)は、珠を守る形で拳の刃を振るい、前線を守る。敵が前線へ齧りついてくれてるお陰で、5体全てへ攻撃が届く。
「いよいよって感じだな! 仕事だ! 仕事だ! 全部消し炭にしちまえ!」
 ヴォルフガング・ブレイズ(la2784)が間髪入れずに一歩踏み込むと、ブレイズソードを振るい周囲をエネルギー波で薙ぎ払う。
 ――まだ敵は倒れない。
「しぶっっとい!!」
 チルルが身の丈より巨大な大剣を振り回したところで5体全滅。
「今すぐ回復しますっ!」
 とててっ。桜壱が駆けつけ杖をかざし、神恵の雨雫を注いだ。


「……あれだけの火力を打ち込んでようやく、か」
 初戦の激突を目にした南雲 士元(la3160)は狙撃銃を構えたまま驚きを隠さない。
「数も多ければ連携も取る、厄介だな」
「檸檬は回復特化で動くことに致します、皆さんが攻撃へ専念できるよう」
「ああ。檸檬、支援有難う……さて、後は敵を潰すだけか」
 士元の妻、南雲 檸檬(la3168)は互いを連なる縁で結び夫を送り出す。
「距離を詰められる前に倒す、それも策の一つだ」
 戦闘音に反応したチーグルの群れが次々と押し寄せ始めていた。
「向こうから近づいてくれる分には都合がいい、接触前に撃ち落とす」
「なるほどな」
 初弾は火力を上げた士元が。
 そこへ角度をつけてタイミングを合わせ、白神 凪(la0559)のレールガンとソレイユのオーバーストライクが重なり合う。
 弾丸・エネルギー弾がチーグルたちの身体に打ち込まれるが、ぐぶぐぶと肉へ飲み込まれていくようで。
 鼻先だろうが目元だろうが首だろうが、とにかく『急所らしい急所』という手ごたえが感じられない。
「……目障りだ」
 Ashenの火弾が花開き、
「スキルの温存は厳しそうでしょうか」
 樹生が氷鎗で3体を串刺し、撃破。
「1体、あるいは1グループを倒す為に必要な火力を割り出せば、効率よく戦っていけると思う、んですが」
 残る2体の突進を、勢いを逆手に取った龍震虎咆で飛鳥が始末した。
 これで10体撃破。

 全てが全て、到着までに遠距離から迎撃殲滅できればこちらのダメージは少なく済み、仮にプィリソース戦が長引いてもどうにかなるのだが……
 中衛~後衛のスキル・武器の射程は限られており、先手を取る前に前線へ喰いつかれる場面も避けては通れないだろう。
 3グループが鉄塊の向こうより同時に突撃してくる。――さて、どこを狙いどう攻撃して来るか。



●白虎のチリアット、動

 ――ピィィッ

 その音は、非常にシンプル。
 隊列中央寄りに位置する、あやめのホイッスルだ。
「どこを狙うかわからなければ、わかりやすいようにするのは……どう、でしょう」
 スキルのように強制力のあるものではない。
「同時に敵の知能を測れるな。悪くない」 
「あ……はは……」
 88が顎を撫でる、その向こうに、グイッと進路を変える全てのチーグルの群れをあやめは目にした。
 最前線の88が集団の一つへ咲き乱れる赤を炸裂させるも、そのまま突進続行。
「5体一組が基本のようだ。守備力が高いというより生命力が強い、か?」
 急所がない以上、斬って殴って燃やして刺して穿ち続けるしかない。裏を返せば『どこかを狙う必要はない』。
「……『烏』合の衆、か」
「え。88さん、吹き飛ぶ準備ですか」
「いや……人間のサイズに対して向こうは大きいな」
 おおよその見当をまとめつつ、
 咆哮、突撃、狂気の牙。
 後方へは行かせない――バックラーで応戦する88、一撃は耐え。二撃目でシールドが割れる感触がした。
「私のバリケードーーーー!!!」
「まだだ、まだ終わらせぬ!!」
 すかさずムーンが煌奏の盾となる位置へ入り込み、88にフィールキュアを掛けてシールドを復活させる。
「……深手ではない、すぐに意識を取り戻すはず」
 先の戦いで重体者を目の当たりにした。だから、今のムーンにはわかる。
 88は、目を覚ます。絶対だ。
「気絶程度で戦線離脱は許さぬ、戦う意思がある限り我は支援し続けるぞ!!」
 下手するとパワハラ発言である。本職セイントの醍醐味である。
「はちさーん! 気を付けてねー!」
 他方、隊列前線東寄りで連携攻撃を凌いだ斬華は大鉈を振るいチーグルとの間合いを保つ。なお彼女も本職セイント。本人も眠らないが大事な仲間も眠らせてあげない。やさしい。
 あやめのホイッスルに気を引かれる形で突進してきたチーグルだが、横へ前線を敷くライセンサーたちを『囲い込む』ことができない。

 混戦、乱戦、問われる継戦力の意味。おそらく皆に伝わったであろう。
 色んな意味で、気絶している場合ではない。
 いっそ重体に いや、そういう場合でもない。
 自分の足で歩いて帰る。決意を新たに、各々は武器を手に。


 ――父の名に懸けて

 その手のプライドなど、マクガフィン(la0428)にはない。
 しかし、少女は懸けるという。それは各々の気組みだ。
 戦う意思のある者を支援する。戦う意思のある者が、多くこの戦場にいる。
 ならば、マクガフィンの答えはたった一言。
「解りました」
 暗くもなく明るくもない底の底。
 気配を消して動くには、都合のいい場所だ。
 敵味方共に激しい攻防を見せるのならば、なおのこと。
 女はスナイパーライフルを手に、『いつも通り』、必要な瞬間を狙う。



●白虎のチリアット、連

 隊列最前線、東側。
「どれだけ避けきれるか、なんだけど……っ」
「受け止めても、2回が限界みたい……ですっ。回復お願いします!!」
 肩を並べるアグラーヤと蒼は、互いの手ごたえを確認し合う。
「相性が悪いだなんて言ってられないね。そう簡単に囲まれはしないから!」
 味方の攻撃へ続くうちに命中率も攻撃力も上がっていく。反則的な能力を持つ敵は回避特化のアグラーヤを苦しめるが、黙って苦しめられてたまるか。
「後ろには私がいるわ。肩代わりの盾は任せて、戦友!」
 いざとなればアリーガードでフォローに入る。ツギハギは福音の雨雫でアグラーヤと蒼のシールドを修復しつつ声を掛けた。
「ありがと!」
 二重の前衛は心強い。
(大丈夫)
 アグラーヤが回避のみで前線に立ち続けることは、チーグル戦では難しいかもしれない。
 だからといって、彼女に出来ることが消えたわけではない。
 協力し合える仲間がいるのだから。
「『注視』付けられたようなので、一度下がります! フォローお願いしますっ」
 後退を宣言しながらも、ただで退く蒼ではない。
 黒色の斧の振り回し、チーグルを切りつけながらさがり、桜壱が盾へ持ち替えダッシュで前線へ。文字通り東奔西走だ。
「I、皆さんを守りますっ」
「ツユ、このまま……あっち、狙おう」
「わかった」
 梅雨と祭莉も桜壱のサポートとして移動してくる。
 梅雨がハイフォース、因果で結ばれた祭莉が氷鎗で追討ちを掛ける。
 チーグルの『注視』を浴びない最後方から、与一のロングレンジショットが走る。
「後方、火炎を放ちます」
 続いてアルストロメリアがチーグルの群れ後方へ焦点を定めて赤を散らした。前衛を巻き込まないギリギリの狙いだ。
 これでアグラーヤたちを襲った4体が崩れ落ちる。


 前線同士の距離、中衛の厚み。
 どの程度が最善か、徐々に掴み始めてきた。

 ――人間のサイズに対して向こうは大きい

 そう。体長2mは、人間へ群がるにしては大きいのだ。
 前衛同士の間へ入り込もうとしても、すかさず中衛が止めに来る。
 チリアットは、ネズミの集合体の事例が多く挙がっていたのは――それが『適したサイズ』だったのだろう。
 1発の攻撃力・耐久力と引き換えに、チーグルは特徴の一つを喪っていた。何もかも美味しいとこどりはいかないというわけだ。
「なるほど……『烏合の衆』の方が、良かったのかもしれませんね?」
 88さーん、早く起きてくださーい。
 サブマシンガンをぶっぱなしながら、煌奏はバリケード じゃなかった 88が言わんとしていたことを理解する。
「そうとわかれば、穴の塞ぎ甲斐も出てくるな!」
 ルージュの幻想之刃、与一の矢。次々と放ち、敵の中央突破を防ぐ。
「起きた」
 寝起きがてら審判の雫を注ぎ、88は気を失っていた間の状況を把握する。
「ここは任せて先に行け、は難しそうか」
「チーグル全てが向かってきてはいないようだ。今は、全体で前線を押し上げるのが良さそうだな」
 与一と攻撃のタイミングを合わせながら、凪が答えた。
「流石に数が多いな!」
 チーグルの牙を爪を剣で往なしながら、ヴォルフガングはダメージを最小限に留めている。それでもシールド消耗の蓄積は否めない。
「集中攻撃は厄介ね!」
「お陰で、拳を上げれば勝手にぶつかる位置に居てくれんのは助かるんやけどな」
「純粋な体力を試されている気も致しますね……若さの力を実感しま いえ、なんでもありません」
「珠さん。これで大丈夫です。シールドを越えての傷に至らなくてよかったです」
 チルル、ゼロ、珠たちは連携のリズムを掴み始めていた。あやめのフォローを受けながら、深手を負う前に前衛・中衛を交互に担う。
「おーいハチエモン。起きたんやったら、こっちにデカイのひとつ頼むわ」
「ゼロを起点に『咲き乱れる赤』だな、了解」
「それはデカイ誤解な!!?」
「はい、今日も景気よく燃やしますよー」
「会話の繋ぎミスやろ、それ!!」
「吉野さん、いつでも行けるわ!」
「訂正なしかーい!」
 88が西方へ炎を炸裂させ、煌奏のレールガンとソレイユのオーバーストライクが正面に向けて同じ射線を走る。ゼロの前髪は軽く焦げた程度、範囲はコントロールしている完璧だ。
「……たーまやー……」」
 それを横目に、祭莉が斬華へ群がるチーグルへ氷鎗を突き刺し、
「かーぎやー♪」
 仕上げとばかりに斬華がチーグルの首を刈りとり跳ね飛ばした。
「ふぅ……。数が多いと疲れますね♪ マツリさん、ムーンちゃん大丈夫です?」
 斬華の足跡に刈られし首あり。
 足を潰そうが頭を砕こうが動き続けるチーグルだが、斬華のトドメの一撃は常に首であった。
「ざんかどのがだいじょうぶではない いや、そうではなくて、ええと ……すごい」
「ムーン……語彙力が死んでる……わかるけど」
「すごい」
 祭莉のフォローへ、ムーンはこくりと頷くしかできない。
 反応――動体視力に長けている、ということなのだろう。華やかな太刀さばきだが動きに無駄がない。
 攻撃を受ける際も最小限に留める動作は、ヴォルフガングと同様に。
 前衛陣の消耗具合を確認し、ムーンが天佑の雨雫を注ぐ。
 前線へ踏み込んでアグラーヤがバーストクラッシュで群がるチーグルを蹴散らし、残存は士元とマクガフィンが確実に撃ち抜いた。
 檸檬が合図に応じて蒼へヒールを飛ばす。前線は盤石に保たれている。
 その先に、到着直後は遠くに感じていた3基のプィリソースの姿が鮮明になってきた。
「近いようで、まだまだかな」
 集中力を切らさぬよう、アグラーヤが呟いた。



●白虎のチリアット、間

 宵越しのチーグルは持たない。
 異常再生を発動される前に手負いは確実に潰す。
 前線の接敵面を最小にすることで、集中攻撃を避ける。

 当初の作戦方針に加え、戦う中で前衛も後衛も最善手を見つけ始めていた。
 焦らず、堅実に1つ1つ手を打っていく。
 対応策がわかってきたからこそ、単調にならないよう。不意を突かれぬよう。
 回復スキルでイマジナリーシールドは修復できても、身体的疲労は回復できない。


「……ツユ、ちょっと」
「それで気が済むのなら いや、待て 集団で来られても困る」
 梅雨の毛並みでもふもふ。ちょっと。ちょっとだけだから。
 軽く触れて祭莉が気力を回復するのを見て、誰と言わず癒しを求める者たちが「……もふ」「もふもふ」とうつろな眼差しで手を伸ばす。ちょっと怖い。
「僕にはよくわかりませんけど……ああいう役割も、長期戦には重要なんでしょうか」
「梅雨さんの負担になっていなければいいんですが」
 遠巻きに、銃での攻撃を続ける樹生と飛鳥が言葉を交わした。
 梅雨は『とある企業の看板犬』として生み出されたので、触れあい自体は苦ではないようだけれど。



●進

「そろそろ『次』へ向かうことができそうですね」
 アグラーヤと入れ替えに前線へ飛び出すアルストロメリアが、パワークラッシュを放ちながら現状を確認をする。
「既に半数は殺したな」
 白虎へ命中力を下げる術を発動しながら、視線一つ流すことなくAshenが応じた。
「……この辺り、には……もういない、かな……」
 祭莉は鉄塊の傍で崩れた瓦礫を蹴り飛ばし、周囲の反応を伺う。
 ホイッスルほど刺激は強くないが、戦闘スイッチの入ったチーグルであれば飛びかかってくるはず。
「あの鉄塊の壁を超える前に、もう一度ホイッスルを鳴らしてみます」
 それぞれのシールド損耗に応じて回復スキルを発動し合う中、あやめはプィリソースの射程範囲よりわずか外側にある鉄塊群を指して周囲に知らせる。

 最奥に控えるプィリソースは自力移動できないものの、射程も威力も厄介だ。
 接敵前に出来る限りチーグルを倒しきりたい。

 戦線が小康状態となったところで、西側の隊列があやめを守るように厚く陣形を整える。

「行きますっ」

 澄んだ笛の音が、空虚な底の平地に響く。
 不可視の位置から、次々と残るチーグルが飛び出してきた。
「おいでなすったわね! 出し惜しみしたって全て倒して見せるわ!」
 意気揚々とチルルが剣を振るい、
「トドメは任せたぜっ」
 ヴォルフガングが積極的に切り込み、
「お言葉に甘えて、美味しいところはいただきますわー」
 側面へ回り込もうとする手負いをゼロが切り刻む。
 88の横をすり抜け、あやめを襲おうとしたチーグルの視界が赤く染まった。
「嫌ですねぇ。懐に入ったおつもりで?」
 雷刀を引き抜いた煌奏による一閃だ。
「懐へ入ったからといって、有利になるとは限らない」
 その先には士元と凪の銃口が待っている。


 チーグルの攻撃が西へ偏るのを見て、東側――『A班』が慎重に前進を開始した。
「西側面の警戒に当たります。向こうのプィリソースの射程と残るチーグルの攻撃が重なると拙いですから」
 攻撃スキルを使い切った樹生が守りへまわる。
「……まだ居る!!」
 ホイッスルに釣られず、プィリソース周辺に待機している群れがあった。
 ルージュが突出し、初撃を受け止める。
 斬華は援護しつつルージュへ密着するよう位置取り、彼女がそれ以上攻撃を受けないよう守りを。
「祭莉っ」
 鋭く叫び、梅雨が駆けつけて祭莉への射線をふさぐ。身体を張ってチーグルの攻撃を受け止めると同時に審判の雨雫を使い切った。
「……、…………」
 言葉を発さず、体勢を整えて、祭莉は梅雨へ食らいつく2体のチーグルを死霊沼へ引きずり込んだ。
「壊させやしないわ、戦友!」
 梅雨を守る位置へ駆けこんだツギハギが、即座にヒールを掛ける。
「……人間は治すまでに時間がかかる」
「ええ」
 だから、前に出る必要がある時は俺が出る――そう梅雨は話す。
 同じヴァルキュリアであるツギハギは理解を示す。
「でも」
 ヴァルキュリアも、無理を重ねれば大破する。
 『直す』ことは出来ても、その際にデータが欠損することもある。繰り返してきたツギハギは、言うべきか少し考え込んだ。
「でも、負傷は負傷だ。梅雨殿に何かがあれば、我は迷うことなく泣く!」
「そうね、戦友」
 断言するムーンへ、そういえば近いことが起きたばかりだったとツギハギは思い出した。
 ツギハギが大ダメージを受けた時も、ムーンは必死に泣くのを耐えていた。いや、泣いていただろうか。
「あとは進むだけです。残る力をぶつけていきましょう」
 飛鳥は、攻撃スキルと範囲回復スキルは使い果たした。ヒールも残りわずか。
 攻撃手段の温存はできなかったが、戦線離脱者は一人もいない。それこそが『戦力』だと思う。



●掃討のプィリソース、序

「リロード完了!!」
 手持ちの銃、全ての装填を終えたソレイユが気合を入れる。
 A班は東側へ迂回しながら東端のプィリソース破壊を開始。
 移動できないとはいえ、全方向へ長射程攻撃+着弾点爆裂は厄介だ。
「見るからに堅牢ですが、ひたすら攻撃を加えるしかありませんね」
「おっっと!!!」
 与一が話すそばから、鮮烈な『灯火』が放たれる。
 狙われたのは、範囲内へ踏み込んだルージュだ。
 片面を預けていた鉄塊がガラガラと崩れ落ちて視界が晴れる。
「『轟雷』との兼ね合いはどーなんだろうな?」
 接近されると放つという範囲型の方が射程は短い。
 『灯火』とどちらかしか使えないのなら、一つしか使えないよう絞り込めば攻撃手も楽になる。
「ちょっと行ってくる!」
「直近は他の2基の射程に入ります、無理はしないでください」
 走り出すルージュの背へ、樹生が呼びかけた。
 ルージュ以外にも、近接戦を挑むメンバーはいる。
 銃を構えながら、樹生はヒール可能な距離を意識した。
「先に……打つ、から。気を付けて」
「おねーさんも合わせますねー♪」
 祭莉がアグラーヤや蒼へ呼びかけると、斬華と共に開幕花火となる炎を咲かせた。


「頃合いだな」
 ケンカを売って来たチーグルを盾で殴り伏せて、88は西のプィリソース撃破へ向かうよう周囲へ呼びかける。
「全てに逐一対応する必要はないだろう、動きも読めてきた」
「こいつらも放っておく訳には行くまいな。私と檸檬も残ろう」
「残存チーグル戦の回復はお任せください」
 不安げな表情のあやめへ、檸檬が微笑みかける。
「お願いします。……無理はいけませんよ。絶対ですからね!」
 プィリソース戦へ向かうあやめが、残るメンバーへ念押しを。
「攻撃は最大の防御、私も独活の大木へ向かいますが……新しい盾(生身)を見繕わないといけませんね」
 煌奏が周囲を見回すも、誰も目を合わせてくれない。解せぬ。
「I、戦えますっ 守りますっ!!」
「……そうですねー……」
 純真無垢なキラッキラの瞳で桜壱に見上げられ、さすがの煌奏も『それじゃあ』とは言い出せなんだ。
「危なくなったら、お願いしますね?」



●掃討のプィリソース、破

 後方で銃撃が響いている。
 残存するプィリソースを相手取る、マクガフィンや士元たちの戦いだ。

「発射口があれば、そこ塞ぐんが手っ取り早いと思うんやけど……全長7mかー」
 高いわ。
 近づくほどに、ゼロはそのえげつなさを実感する。
「命中は、アレに慣れてしまえば可愛いもんやな」
 風のようにひょいひょいと灯火を避けながら、攻略の手がかりを探すが……。
「生物的特徴が全くないなら、徹底して破壊するだけだな!」
 ヴォルフガングは、残っていたエクストラバッシュを使い切るとノックバックも気にせず大剣で叩きつけるように攻撃開始。
「塔というか灯台というか、叩き壊すしかないものね!」
 少しでも他基の攻撃範囲から外れるよう、チルルはブラストショットガンを撃ち続ける。
 二人が『轟雷』を受けて後退することがあれば、その間にゼロが滑り込んで攻撃を繰り出すというリズムだ。
「時間制限はない、と言ってもな……。近接戦は他基の攻撃範囲にも入るし早期殲滅が良いんだろう?」
 凪は、手始めに束ね連なる因果を掛けて回る。
 恐れ知らずのヴォルフガングとチルルに対し『轟雷』を放ち続けるプィリソースへ、Ashenは無言で『惑い映す青』を掛けた。
(『奈落の底』が、こんなものか……?)
 単純戦闘で押し切れると?
 もちろん、自分たちは押すしかないのだが。


 立地的に、チーグルもプィリソースも『生身の人間』が入り込んだ場合の防衛システムなのだろう。
 エヌイーは人類が開発したアサルトコアと酷似した機体を作り上げていることから、純戦闘力を考えればナイトギアを並べ立てた方が賢いようにも思える。
 しかし、それはしない。
 ナイトギアの原動力は『人間』だからだ。大量に用意できる代物ではない。
 ならば、ネザー周辺地域に設置されていたバーシニャや、同じ使徒の集合体でも強大な巨人は?
 人類にとって最新鋭の対ナイトメア兵器と言えるアサルトコアへ対応できる敵ではなく『生身の人間』を意識した配置は――
 それもまた、エヌイーの読みなのだろうか。手のひらの上にあるというのか。
 ひとは、ひとであるがゆえ。
 ひととしての戦いを捨てられないから。


「行きますよ――!!」
 戦斧を振りかざし、蒼が見舞うは『崩撃』。堅牢な守りを打ち崩す!
「いつ解除されるかわかりませんから、今のうちにガンガン行ってください!」
 堅い守りの意味合いに、抵抗値まで含まれるかはわからない。
 少なくとも攻撃直後は手ごたえがあった。プィリソースが動き出す前に数を叩きこむだけだ!
「よし。思い切り戦えるね」
 プィリソースの単調な攻撃は、アグラーヤには止まって見える。
 一撃も被弾することなく距離を詰め、鮮やかに連続攻撃を決めた。
「戦友。攻撃の練習なら後で付き合うわ」
「……うむ」
 殴り放題と聞いて命中に不安のあるムーンがソワッとするも、ツギハギが冷静に少女の肩へ手を伸ばした。
 最後の最後まで、回復手は慎重で有らねばならない。
 今回の参加メンバーに回復スキル持ちは多くいるが、攻撃を得手としてるならそちらへ回した方が確実に効果的なのだから。
「いててて……。威力も命中精度も『轟雷』が上か。同時発動はできないんだな」
 身体を張ったルージュの検証は、インカムを通してB班にも共有された。
「コッチのプィリソース、『灯火』を封じれるように引き付けてみる! 遠距離攻撃ガンガン頼むぞ!」
「災い捉えて射貫く為に。各務 与一、参ります」
 小隊長の宣言へ応じ、与一が矢を放つ。
「……こちらは無効、ですか」
 心射撃の手ごたえは無かった。崩撃による『防御低下』と成功率はわずかな差なのだが――その辺りが境界か。
「ダルマ落としの要領でいいのでしょう、かっ♪」
 斬華が首刈り大鉈をフルスイングすると、プィリソースの下段がグシャリと崩れ、高さが1mほど下がった。
「ふんふふ~ん♪ 届かぬ首なら落ちてこい~♪」
「……ザンカ……本気だと、思う……」
「刈るだろうな」
 遠距離攻撃の手を休めないまま、祭莉と梅雨は頷き合った。
「南方面のチーグル掃討完了。プィリソース戦、これより参加します」
 周囲の警戒も終えたアルストロメリアが加わり、いよいよもって総力戦となる。


(この手は何にも届かない)
 Ashenは、淡々とアシッドショットの手ごたえを確認する。
 身を隠せるような鉄塊は、プィリソースの攻撃によって崩され果てた。
 なまじライセンサーと直線状に並べば『灯火』が走るかもしれない。
 プィリソース相手には陣形は有って無いようなものだ。
 最上部から光線を放つ時もあれば、全体を明滅させ光弾を放つ。
「危ないですっ。Iが盾になります。……なれればいいのですが」
「……! よせ!!」
 単身で行動するAshenに気づいた桜壱が、ジャイアントシールドを構えて前に出る。
 新たな接敵者を感知したプィリソースの、最上部が光る。
「あー……」
 煌奏が止める暇は無かった。止めたところで誰が聞くでもないだろうという諦めもあったのだが。

 ひとは、ひとであるがゆえ。
 人間であれ、放浪者であれ、心の生まれたヴァルキュリアであれ。
 手の届く場所にさえ、いたなら。この手は。この身は。

「ローワンさん!! だ、だだだだだいじょうぶですかっ Iは大丈夫、ですっ あ、あ、……」
 桜壱を守るように体を盾にしたAshenが、灯火の爆発を受けて倒れ込んだ。
 それまでの細やかな損耗も重なったのだろう、気を失っている。
 桜壱の左目が、慌ただしく何かを映し出そうとして定まらない。
「流れ弾を受けてしまいました。回復して頂けます?」
 慌てふためく桜壱へ優しさを心掛けて煌奏が呼びかけるも、
「ごっ、ごめんなさい! 今すぐ、今すぐ動き、ます!」
「……落ち着いて大丈夫ですよー? 私も鬼や悪魔じゃありません」
「まあ、幼子には近いものに見えるんじゃないか」
「聞こえてますよ88さん?」
 天佑の雨雫が降り注ぎ、ややあってAshenが意識を取り戻す。
「――……」
 顔を覗き込む桜壱の表情。
 南方には、表情の読めない女が此方を向いていることだけはわかった。
 Ashenは何事か言いかけ、呑み込み、無言で立ち位置を変えると、何事も無かったように攻撃を再開した。
「お礼の一言も言えないんでしょうかね?」
「いえ、いえ……ローワンさんは、優しい人なんです……」
 しょんぼりと、桜壱は盾を構え直した。
 高所から放たれる光線ではジャイアントシールドは遮蔽物にはなりにくいようだ。
 着弾点からの爆発ならなおさら。
 巨大な鉄塊ならば一度限りとして使えるかもしれないが、今は周囲にそれもない。
「後方は片付いたんです?」
「ああ。動かない相手なら外す心配は要らない、木偶の坊を打たせて貰うぞ」
 南雲夫妻も合流し、その後方にマクガフィンの姿もある。
「愛の力ですねー……」
 束ね連なる因果を掛ける檸檬の姿に、エクストラバッシュを連発していた珠が「ふふっ」と微笑んだ。



●掃討のプィリソース、急

 桜壱がセットしている回復スキルを使い切った頃、ようやく西端のプィリソースが崩れ落ちた。
「攻撃手が増えたと考えると心強いです」
 あやめは、ヒールが少し残っている。
 桜壱へ攻撃手としての参加を促すとともに、彼女も中央最奥のプィリソースへ向かう。
「もうひと押しですね! 檸檬も最後まで支え続けます!」
 最後の戦いへ挑む仲間たちへ、檸檬が神恵の雨雫を送る。これで彼女も残る回復スキルはヒールだけだ。
「士元! 頑張って下さいませ!」
「うむ」
 攻撃へ完全専念できる状況となり、士元の表情がより好戦的なものへ変化する。
「案外と直殴り勢もいることだし、識別不可スキルは使えんな。私はもう帰っていいんじゃないか?」
「88さん、ジャンプしてください。持って来てる武器、盾だけではありませんよねー?」
「備えが仇になったか……」
 煌奏に気づかれないよう舌打ちし、88はゆっくりと後衛へついた。


「倒れるわっ、みんな気を付けて!!」
 高速装填を駆使して遠距離から射撃を続けていたソレイユが、プィリソース撃破の予兆を叫ぶ。
「撃破する時まで厄介だな!? 逃げ遅れるなよー!!」
 崩れ落ちる巨塔から退避しながら、ルージュは共に近接攻撃を繰り出していた斬華やアグラーヤの無事を確認する。
「高さは落としてましたから、被害は軽そうですね♪」
「困難の先――、こういうこと、なのでしょうか」
 アルストロメリアはオラクルを思い出し、運命神の導きを受け止めた。
 深い深い穴の底から、月が顔を出し始めている。



 手を伸ばせ。
 足を止めるな。
 攻撃を。攻撃を。
 残る敵は一基。包囲網は万端だ。



 餅つきか。
 ゼロは間断なく続く攻防を見てそんなことを考える。
 轟雷により吹き飛ばされる、空いた隙に次のライセンサーが近距離戦を挑む。斧や剣を振り回す。刃を突き立てる。
「吹き飛ばす方が、囲まれる要素を増やしとる気がするんよなー……」
「背後にチーグルが居ればと思うとゾッとするな」
 ワンポイントの狙撃をしながら、凪が独り言へ応じる。
「作戦の段階で、全てが決まっていたのかもしれませんね」
 遠距離攻撃スキルを使い切った珠は、スナイパーライフルへと武器を切り替えている。

 チリアットの包囲攻撃を封じるよう、隊列を組んだこと。
 功を焦らず、じっくりと前線を上げることで敵の回り込みも打ち漏らしも防いできたこと。
 戦線離脱者を出さない立ち回り。
 堅実な戦いが、反則的とも言える能力を持つ敵を倒してきた。追い詰めている。

 もしも、ひとつボタンの掛け違いがあったなら。
 チーグルに飲み込まれ、プィリソースに狙い撃ちされて戦線は瓦解していたかもしれない。


「パンドラの箱を思い出したよ」
「箱、ですか」
 アグラーヤの言葉に、連携をとる蒼が視線を向けた。
「箱の『底』に、希望が残っていた。……今回はさ。残っているのがナイトメアなんだね」
 連続攻撃を叩きこみながら、さて『コレ』が地上へ更に多く解き放たれたら。と想像する。
 今頃、奈落の底の主・エヌイーを相手取った死闘も繰り広げられているだろう。
 それと同じく、この戦いは必要なのだとアグラーヤは肌で感じていた。

 アサルトコアでなければ対応できないようなナイトメアを少しと、
 大量に大量に大量に、厄介な人間レベルサイズのナイトメア。
 解き放たれて、厄介なのは?

「それもこれもぜーんぶ、首を刈りますね~♪」
「……そうね」
 明朗な斬華の答えへ、アグラーヤは微苦笑する。心強い限りだ。
 心強い仲間ばかりだ。


 足元に銃弾が飛んでくる。後方からだ。
 反射的にAshenが横へ回避すると、その上を灯火が通過していった。
「…………」
「…………」
 互いに、言葉は交わさない。
「マクガフィン殿! こちらからの援護を頼む!」
「承知しました」
 何も言わぬまま、何のアクションも示さないまま、女は少女に呼ばれた方へと音もたてず移動していった。
「ローワンさん! 大丈夫でしたか!!」
「……何もない。攻撃に集中しろ」
「はい!」
 被弾したかと駆け寄った桜壱だが、さらりと返される。
「大丈夫なら、よかったですっ」
 大丈夫なら、それで良い。
 晴れやかな笑顔を見下ろし、Ashenは鼻を鳴らした。


「解体業者にでもなった気分だな」
 自己ヒールを終えたヴォルフガングは、プィリソースへ一撃を見舞ってから顎を伝う汗を拭う。
「日雇いでどれくらい稼げるかしら!?」
 彼の冗談へ、チルルが笑顔で返す。


 近接戦を挑む仲間たちへヒールを放ち続けていた樹生と飛鳥は、スキルを使い切ったところで吐息する。
「あとは各々方のがんばりということで」
「ですね。きっと、陥落は遠くないはずですから」
 斬華、ヴォルフガング、チルルによる『ダルマ落とし』の豪快なことよ。
 堅牢と評されたプィリソースは現在、高さ3m程まで落ちてきた。
 灯火を放つ際の発射口を塞いでみようかとチャレンジしたゼロに光線と爆撃が同時に炸裂し、あやめと檸檬が必死にヒールを掛けているのが見えた。



●終焉の底より

 視界に影響を与えるような暗さでも、明るさでもなく。
 行動を阻害するような寒さも、暑さもない底の果て。
 点在する鉄塊の多くが崩れ落ちている。
 崩れ落ちた巨塔の一つには『SALF』とロゴの入った旗が突き立てられていた。

 澄んだホイッスルの音が、周囲に響く。

 ……
 …………
 沈黙だけが、そこに在る。
「はちさん! 首狩り完了ですね~♪」
「おめ」
 ひときわテンションの上がった斬華。88がローテンションにハイタッチへ応じた。


「祭莉。大丈夫か」
「……うん……」
 いつになく長い戦いで、疲れた。座り込んだ祭莉へ梅雨がすり寄る。
「……大丈夫」
 ちゃんと、最後まで立ってたから。今回は。
「梅雨さん! 祭莉さーん!」
 終盤は別動隊だった桜壱が、ワタワタと駆けつける。
「ローワンさんが……」
「ふむ」
 事情を聞いて、梅雨はモフモフの毛並みから救急治療セットを取りだした。
「スキルはシールドの修復しかしない。人間の傷を治すのはこちらだろう」
「梅雨さん、すごい! ……Iは……ぬいぐるみなら、あるんですけど」
「……チョコバー、食べるかな……?」
「…………」
 梅雨は、じっと二者の顔を見つめる。
 呆れたりはしない。していない。


「SALFの勝――利っ!! 見たか、エヌイー!! ……見てるかしら?」
「どうだろうな」
 旗を支えるチルルに、ヴォルフガングが肩をすくめる。
「うわぁああああ、見たか、エヌイ――!!!」
 チルルの叫びが気に入ったらしい。ムーンが繰り返す。
「ムーン、ボロボロじゃない。すぐに手当てするから!」
 ペンライトで手元を照らしながら、ソレイユは応急手当てを始める。
「これで……魂は浮かばれるのだろうか」
 友人の暖かな手を感じながら、ムーンは生きている実感を得る。
 使徒。ナイトギア。etc...
 エヌイーによって、ナイトメアへ対抗できる牙持つ者も持たない者も、多くの人類が落命した。
 ムーンは穴の底から空を見上げる。深すぎて、遠すぎて、ここからでは外の様子はわからない。
 他の戦いはどうだったのだろう。
「これで大団円か?」
「エヌイーも撃破されていたら、ね」
 どうも、まだ実感がわかない。
 ぼんやりと凪が疑問を口にし、士元が応じた。




 最善は尽くした。最善を尽くした。
 底の果てで、ひとがもちうる力を集めて、出し切って。


 外で、凱歌が待っている。






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