【DG】メインフェーズ 2フェーズリプレイ一覧

  1. 建設ドッグ防衛(AC/キャリアー参加)
  2. グロリアスベース防衛(PC参加)
  3. 強敵対応/エディウス護衛<危険>(PC参加)

1.建設ドッグ防衛(AC/キャリアー参加)

"●緒戦の行方
 無数のナイトメアが編隊を組んで飛んでいる。
 中核を成すのは悠然と飛ぶエイ型ナイトメアたちだ。
 マンティス、ロック、レールワームなど大量のナイトメアを積んでいるためか、かなりゆっくりとした速度だが、確実にドッグまで近付きつつある。
 ブリッツクリークの存在も一際目を引く。比較的初期から目撃情報があり、その脅威が知られている。数こそ少ないが、飛行戦の覇者として、大きな脅威となることは疑いようがない。
 ナイトメアの陣営最前線には、エイ型ナイトメアに運ばれてきたミラージュピラーたちが、母艦を守るかのように宙に浮いて展開していた。
 幻影と実体が交錯するこの柱の群れを、まず突破しなければエイ型ナイトメアにはたどり着けないだろう。
 そして、虎視眈々と点在するスリープバードたちが突入機会を窺っている。
 戦いは、まずミラージュピラーたちを突破するところから始まった。
 【小隊【DSP】】の小隊長、ロレンツォ・オルジャーニ(la0377)が駆るMS-01Jと、【小隊「狂想曲」】の小隊長、笹良 権之介(la0137)が乗ったCoPⅡ(かぼちゃの馬車)が、己の小隊員たちを連れて地上を駆け、あるいは飛翔する。

「さあ、まずはこのデカブツから落とそうか」
「アサルトコア部隊展開完了。いつでもいけるわよ」

 MS-01Jの背後に付き従うArgentoから、通信が入った。
 艦長のミランダ・ディアス(la0134)からだ。

「上々だね。では作戦開始の号砲と行こうか」
「了解。……主砲、発射までカウントダウン」

 権之介がコックピットの中から自小隊のキャリアーであるぶり大根(味噌煮)に連絡する。
 艦長はロレンタ(la0408)だ。

「こっちも景気よく頼むわよ~」
「了解です。こちらも主砲を発射します」

 攻撃は同時に行われた。
 Argentoとぶり大根(味噌煮)から放たれた鮮烈に輝く光の奔流が、ミラージュピラーたちを薙ぎ払い、多くの幻影と、多少のリジェクションフィールドを撃ち抜き彼方へと抜けていく。
 リジェクションフィールドを展開したミラージュピラーたちを見て、ロレンツォはインカムに口元を寄せた。
 自らも機器を操作し、機体に射撃姿勢を取らせる。

「見たね? 実体があるのはあの辺りだ。……総員攻撃開始!」

 グウィバーW245と共に、大量の重火器が一斉に火を噴いた。

「副砲発射準備完了。焼きつくまで撃ちまくるわよ!」

 同時にミランダのArgentoがバルカン砲を猛烈な勢いで連射する。

「そ~れ、やっちゃうわよ~。全員、ワタシに続いて!」

 機体の照準補正プログラムを起動した権之介のCoPⅡ(かぼちゃの馬車)が、折り畳み式の支持肢を下ろしてG37アサルトライフルを発射した。

「引き続き、艦砲射撃を続行します」

 ロレンタが再装填した主砲の発射をぶり大根(味噌煮)に行わせる。
 凄まじい弾幕の嵐がミラージュピラーたちを叩き、その合間を縫って押し寄せた主砲の一撃が、本体を撃ち抜きミラージュピラーたちの陣形に風穴を開けた。


●敵母艦に乗り込め
 ナイトメア側も、黙ってミラージュピラーが倒されていくのをただ見ていたわけではなかった。
 アサルトコアたちの真上から大量の砲弾が降り注ぐと同時に、高速で飛来したレーザーがアサルトコアの機体やキャリアーの船体を覆うイマジナリーシールドに直撃して火花を散らす。
 エイ型ナイトメアの背中に乗っている大量のレールワームとロックが、飛翔するアサルトコアたちの迎撃を始めたのだ。
 さらに、アサルトコアたちの陣形を引き裂くように、光り輝く電撃が鋭角の軌道を描きながら次々と突き刺さる。
 混乱するパイロットが機体の制御を回復しようと足掻くのを嘲笑うかの如く、高速で空を駆け抜けてきたブリッツクリークが、その脚でアサルトコアを地上、あるいは海中へと叩き落としていく。
 さらにそのブリッツクリークの背後からは、スリープバードが続けてやってきていた。
 ブリッツクリークの襲撃で混乱しているのを悠々と突っ切ったスリープバードが、アサルトコアたちの懐に潜り込み奇怪な叫び声を上げた。
 影響を受けたか何機かアサルトコアが落下していくものの、その多くは耐え反撃に出る。
 真っ先に動いたのは【独立機械化歩兵小隊【Заря】】の面々だ。

「危険を顧みず、最大効率を狙う。その気概を認めますケド。そこは死地なんですヨ」

 小隊長のイリヤ・R・ルネフ(la0162)が乗るNV-01Mbis ロージナが思念装甲をスリープバードに向けて拡散させ、オーラとして纏いながらア・ドライグ・ゴッホW964を連射する。
 続けて【独立機械化歩兵小隊【Заря】】所属のキャリアーがある方向から飛来したライフル弾がスリープバードを撃ち抜いた。
 キリアン・フィッツジェラルド(la3915)の乗機、M-MEABH.AltがグウィバーW245の弾丸を叩き込んだのだ。

「確実に仕留めます」
「流石ですネ。頼りになります」
「それほどでも」

 通信を介し、イリヤとキリアンが軽口を叩くその間も機体は動き続ける。
 【独立機械化歩兵小隊【Заря】】の面々が攻撃を行う中、一瞬で再装填を済ませたM-MEABH.Altが、止めの一撃を命中させスリープバードを飛行不能にする。
 錐揉み状態なったスリープバードが墜落していった。
 群れを作らず単独で行動しているスリープバードたちは随所で同じように突入を試みていたものの、全て堅牢なアサルトコアの迎撃に撃墜されていく。
 これによりブリッツクリークによる被害は散発的なものに留まり、ライセンサー側は壊滅的な被害を免れる。
 その間にもナイトメアたちはその無数とも言える数を生かして浸透を続けており、ドッグへはエイ型ナイトメアが大量の地上戦力を乗せたまま接近しつつあった。
 だが、ライセンサー側もそれを許さない。
 エイ型ナイトメアの背中に影が差す。
 【桜華光舞隊】のキャリアー、桜華乱舞が真上を取っていた。

「敵機直上、注意せよ。……まあ、その敵機とは我等のことなんじゃがの」

 くつくつと笑う神上・桜(la0412)が桜華乱舞に指示を出す。
 桜華乱舞の主砲から発射された高出力のエネルギー弾がエイ型ナイトメアの背中に着弾し、乗っていたロック、レールワームといった地上戦力を巻き込んで大爆発を巻き起こした。
 少なくない数の個体がこの爆発に巻き込まれ、リジェクションフィールドの強度を弱体化させられる。

「さあ、盛大に行こうかのう!」

 続いて桜華乱舞は【桜華光舞隊】に属するアサルトコア部隊を、次々イマジナリーシールドを利用したカタパルトでエイ型ナイトメア目掛け射出した。

「私に続けえええええええええええ!!!!!!!」

 トーヤ(la0375)の建御雷を始めとする、イマジナリーシールドを強化されたアサルトコアたちが、まるで爆撃を仕掛ける戦闘機のように急降下していく。
 さらに、水面ぎりぎりにまで上昇した坂本・アレクサンドラ(la0063)のだいちゃんとエレスチャル(la0380)のAntaresが、エイ型ナイトメアの腹目掛けて海賊大砲「トルトゥーガの宴」とレヴィアタン砲をぶっ放した。

「砲撃支援するから、行くなら行っていいよ」
「……うん……ここは……任せる」

 G37アサルトライフルに持ち替えたAntaresが、プレーンブースターに点火して海中から飛び出ると、バレルロールを行いながら急上昇を仕掛け乱射する。

「誤射なんてしないし、外しもしない」
「……信じてる、から」

 急造とは思えない連携で、バレルロールによって生まれる隙間を縫うように、だいちゃんが放つ弾丸が通り過ぎてエイ型ナイトメアに襲い掛かる。

「そこだっ!」

 エイ型ナイトメアの腹に銃弾と砲弾が着弾すると同時に、トーヤの建御雷が盾槍を振り下ろして竜巻のような衝撃を発生させ、居並ぶレールワームやロックたちを吹き飛ばす。
 武御雷はそうしてできた空間に着地すると、斬艦刀「破軍」を抜き放ち、薙ぎ払って追撃を仕掛けた。
 エイ型ナイトメアへの上陸を阻止しようと、ブリッツクリークやスリープバードたちが集まろうとする。
 しかし水中から放たれた狙撃によって邪魔され、辿りつけない。
 NONAME(la3156)による妨害だ。

「行かせないよ。少し、僕と遊んで貰おうか。……見つけられたら、だけどね」

 全身に取り付けられたスクリュースラスターで水中を高速移動する『運び屋』MK=Ⅱが、ギガントスナイパーでしつこくブリッツクリークやスリープバードの羽を狙い、撹乱する。
 そして、生まれた最大の機会を無駄にするライセンサーたちではなかった。

「十分に引き付けた。後は任せたよ」

 急速潜航し反撃から逃れる『運び屋』MK=Ⅱと入れ替わりに、戦場を轟風が吹き抜ける。
 【ヴァローナ・グニズド】のドロシー・フルクナイト(la0762)が、【Logres】の向野・A・黒子(la0227)が、【Blithzlicht】小隊長の磐堂 瑛士(la2663)が、一斉にバーニアをふかし、己のキャリアーをエイ型ナイトメアたち目掛け突撃させたのだ。
 さらにそれを追い抜いて、【海賊「フルクトゥス一家」】の小隊長、レフニー・フルクトゥス(la0174)がアードゥイノ号を、【Jokers】の七瀬 葵(la0069)がサバトラをそれぞれドリフトさせながら先頭に躍り出させる。
 サバトラの航跡には、キュートでポップな猫の足跡がついていた。

「私たちで直接乗り込み、叩き潰しますよ!」
「……ん。もうす、ぐ」

 小隊員たちが格納庫に搭載されたアサルトコアに乗り込み出番を今か今かと待っているのを、レフニーと葵は確認する。
 ブリッツクリークが再び海面に出てきた『運び屋』MK=Ⅱからの攻撃を、被弾に構わず無視してキャリアー陣の迎撃に向かおうとした。

「近寄らせませんわよ!」

 ドロシーのフレデリクスボーが突撃中にブリッツクリークへ荷電粒子砲「アマノミハシラ」を放ち、迎撃する。
 これぞ艦砲射撃とでもいうような強力な一撃を受け、ブリッツクリークはまたもエイ型ナイトメアに加勢する機会を失う。

「さあ、本領発揮です!」
「艦ごとぶつけて接弦する! 出撃準備急げ!」
「出番だぜ、周太郎! 他の奴らも行け!」

 巨大艦首衝角を突き刺して一番乗りしたレフニーのアードゥイノ号に続き、肉薄した瑛士のFS-10と黒子のFS-10/LPH「北極」が、まるで船に乗り込む海賊船のように艦体をエイ型ナイトメアたちにぶつけて横付けし、三機のキャリアーが搭載していたアサルトコアたちを吐き出していく。

「此処で……潰す! 全機へ告ぐ! 私に続け!」
「んじゃぁ行ってくるぜ、黒子。……さあ、パーティの始まりだぜ、突撃ィ!」

 小隊長であるアグラーヤ(la0287)のアニヒレイターと、周太郎・A・ペンドラゴン(la0062)のアングウィレルを先頭に、【ヴァローナ・グニズド】、【Logres】所属のアサルトコアたちが一斉にロックやレールワームたちへ襲い掛かった。
 さらに瑛士のFS-10からも、フリーで参加しているライセンサーたちのアサルトコアたちが出撃していく。

「よし。後は任せろ」
「……ん。……頑張って」

 葵のサバトラからも小隊長である陸道 空(la0077)の黒帝を始めとする、【Jokers】のアサルトコアが続く。
 それを華倫(la0118)の蓬莱が支援した。

「演算結果を戦術リンクシステムに反映いたしますわ!」

 【Jokers】のアサルトコア各機のモニターに、敵の行動予測情報が表示された。
 戦況が大きく動く。
 大空を飛び交う空中戦から主要な戦場はエイ型ナイトメアたちの背中へと移行し、激しい肉弾戦が開始された。

「肉を切らせて、骨を断つ……!」

 歯を噛み締めて無理やり感情を揺さぶられる気持ち悪さを堪えつつ、アグラーヤがアニヒレイターにズルフィカール・ジハード引き抜かせ突進する。
 ヒットアンドアウェイに徹底して次々と叩き斬っていけば、負けじと周太郎のアングウィレルがその高機動力を見せつける。

「悪いなぁ、そこにはもういないんだよ!」

 明後日の方向にレーザーを放ったロックの背後に回り込み、装甲を強化させる間も与えずシュヴェールト・フリードリヒで一刀両断する。
 各エイ型ナイトメアの背中で、強襲揚陸が行われていた。

「一旦下がれ!」

 斬艦刀「破軍」で渾身の突きを放ち作り出した竜巻にナイトメアの群れを巻き込んだ空の号令で、一斉に【Jokers】のアサルトコアが退避する。
 そして、上空に生まれる光。
 正体は、華倫が蓬莱の主砲に集めた高エネルギー体により生み出された、破壊の予兆だった。

「ポセイドン……発射ですわ!」

 空を割る爆音が轟き、まるで海神が突き立てる槍の如き砲撃が、遥か天空からエイ型ナイトメアの背中に突き刺さる。
 同時に同じ空間を、葵のサバトラが放った艦載荷電粒子砲『ルーフェンカッツェ』が、威嚇する猫の鳴き声を思わせる轟音と共に薙ぎ払っていった。
 縦と横から行われる十字砲火が、エイ型ナイトメアに乗ったロックやレールワームたちを消し飛ばし、エイ型ナイトメア自身をも撃ち抜いていく。
 サバトラの艦内で、満足気に葵が呟く。

「……ん。撃破……確認」

 高度を保てなくなったエイ型ナイトメアは、背中に乗せたままのナイトメアたちを道連れに墜落を始めた。

「戻れ戻れ! 巻き込まれるぞ!」

 空に促され、【Jokers】のアサルトコアたちが葵のサバトラと華倫の蓬莱に着艦する。
 エイ型ナイトメア上での戦いは、幸先の良いスタートを切った。


●防衛戦開始
 一方で、ドッグが建設されている沿岸部では、事前にエイ型ナイトメアから降ろされていたナイトメア側の地上戦力が接近を試みていた。
 ドッグの防壁は複数のレールワームやロックたちが放った一斉射によってキャリアーの一台や二台程度では到底カバーできないほどの巨大な穴が開けられており、そこへナイトメアたちが押し寄せようとしている。
 ライセンサー側も侵入を少しでも押し留めようとアサルトコアで奮闘しているものの、防衛線に引っかかる中型ナイトメアの迎撃や、別の防壁箇所へ取り付こうとその場を離れようとする個体への遊撃などで手一杯であり、足元をすり抜ける小型ナイトメアにまでは中々手が回らない。
 その結果、少なくない数の小型ナイトメアたちがドッグの中、さらにグロリアスベースへと侵入していった。
 残った中型ナイトメアはマンティスやロック、レールワームといった既存のナイトメアばかりだが、地上にはミラージュピラーがいない分、押し寄せてくるマンティスやロックたちとたちまち乱戦に近い状況に持ち込まれている。
 さらに、リジェクションフィールドのお陰で同士討ちが起こりにくいことを利用した、味方への巻き込みを辞さないレールワームたちの砲撃が、つるべ撃ちとなってアサルトコアたちを襲う。
 さらには、その機動力を生かして時折ブリッツクリークまで地上にちょっかいをかけにくる。
 撃ち下ろされるように放たれる電撃や、足による踏みつけでブリッツクリークは暴れ回るものの、ライセンサー側も空中のブリッツクリークに攻撃を届かせるだけの足場はあり、叩き落とそうと迎撃する。
 ブリッツクリークはナイトメア側地上戦力の浸透を援護すると、攻撃を嫌ったか再び上昇を始め天空へと翔け去っていった。
 キャリアーやアサルトコアで少しでも穴の隙間を塞ごうとしながら、ライセンサー側も防衛を続ける。
 その中で中核を担うのは、【守護刀】の面々だった。

「僕たちで引き付けよう。中には一般人もいるんだ。これ以上、侵入させられない」
「何とか引き付けてみます。地道に貢献するといたしましょう」
「我輩に任せるである。カップラーメンを作っているうちに終わらせるである」

 不知火 楓(la2790)の藤吾、久竜 蒼季(la2866)の紫君子蘭、グレン レッドフォード(la2996)の機動型おこたロボが、順番に思念装甲を周囲に向けて拡散させ、オーラとして纏っていく。
 これによりマンティスやロックといった積極的に接近戦を仕掛けてくる個体がかなり引き付けられ、攻撃する隙が生まれた。
 他の小隊員と共に、小隊長である不知火 仙火(la2785)が動く。

「今だ! 仕掛けるぞ!」

 攻撃プログラムによって感情を刺激され、無理やりイマジナリードライブを引き出された仙火が苦悶の表情を浮かべながらインカムで号令を出した。
 掌中の炎のイマジナリードライブ出力が強化され、堕天したかの如く翼が黒く染まった。

「この程度の副作用で!」

 仙火が持つ守護刀「寥」を模って具現化されたカルンウェナン・ダークマターを、掌中の炎が手に取り突撃する。
 引き付けられている群れの真っただ中に飛び込み斬りつけると、イマジナリーシールドを攻撃エネルギーに変換し、周囲に放射する。
 翼の黒い羽が舞い散る中、放射されたオーラが炸裂する。
 オーラはマンティスやロックを巻き込んで焼き尽くし、駆逐していった。

「守り切るよ! 気合入れて!」
「攻撃来ます!」
「炬燵が揺れるである~」

 反撃は攻撃を引き受けた楓の藤吾、蒼季の紫君子蘭、グレンの機動型おこたロボがしっかりと防ぎ、暴れ回る仙火へは届かせなかった。


●ドッグを守れ
 沿岸での戦いである以上、アサルトコアにも海中に落ちる機体は存在した。
 とはいえ、それを予想していた【380戦術機甲小隊】の面々が積極的に救助の呼びかけを行い、早い段階で対処しているので大事には至らない。

「味方機を孤立させるな! 死ぬ気で引き上げろ!」

 オリオンM986で沿岸に並ぶレールワームたちに銃撃を加えつつ、伊藤 毅(la0675)のFF-01が海に落ちたアサルトコアたちを引き上げていく。
 また、水中適性を持つアサルトコアたちが予め海中に潜んでおり、沖合に沈んだ味方機を救助していた。

「回収急げ! 妨害に注意しろよ!」

 毅が矢継ぎ早に指示を飛ばす。
 アサルトコア以上に墜落してくるのが、空中戦に破れたスリープバードなどのナイトメアや、エイ型ナイトメアから振り落とされたロックやレールワームたちだ。
 中には一度地上に上陸しながらも、後退しようとして海に転落したレールワームなどもいる。
 海の中でそれらに出くわすこともあり、警戒しなければならない。
 当然地上からはレールワームたちも妨害しようとして砲撃を行ってきており、さらに最後尾にいた一部のマンティスやロックが反転し向かってくる。
 さらに空からはスリープバードまで現れた。
 それらを相手取るのは、【WarMAIDenS】と【V@LKNIGHTS】の小隊員たちだ。
 颯爽と駆け付けたロザリア(la3434)のヒョードル8000から、戦術リンクシステムにより情報を共有されたアサルトコアが出撃していく。
 そのうちの一機、むいむいスペシャルへロザリアは通信を繋いだ。

「しっかり戦うように。全て殲滅すれば、ご褒美として好きなお菓子を差し上げますよ」
「おかし!」

 コックピットの中でやる気をだしたむいむい(la3344)が、機体を突っ込ませ先頭のレールワームに杭打機「ベアトリーチェの指先」を突き刺した。
 防御用のエネルギーを纏った杭が打ち出され、竜巻を巻き起こしながら複数のレールワームたちを直線状に貫き、引き裂いていく。
 また、空中のスリープバードには【V@LKNIGHTS】小隊長のディエスフィデス(la2755)が、クーラ・スサ・ルァフ(la2696)とペアを組み対処する。

「行きますよ、クーラたん!」
「合わせるよ!」

 スリープバードが鳴き声を上げるより前に仕掛けたエレボス Mk-Ⅱとスーリヤが、レヴィアタン砲とエレファントノーズを放ちつつ突進する。
 クーラは地上を走るスーリヤをそのままスリープバードの真下へ通過させた。
 そしてディエスフィデスのエレボス Mk-Ⅱが、ブースターの推進力を全開にして飛翔する。

「そーれっ!」

 天孤星の拳で殴りつけその翼を掴むと、エレボス Mk-Ⅱはスリープバードを振り回し地上へと投擲する。
 その先には、スーリヤが待ち構えている。

「拾ったよ、ディーちゃ!」

 杭打機「ベアトリーチェの指先」が叩き込まれ、爆発音と共に再びスリープバードが打ち上げられる。

「ナイスです! 止めですよ!」

 そこへエレボス Mk-Ⅱが降ってきて、イマジナリーシールドを攻撃エネルギーに変換したオーラを纏い体当たりを仕掛ける。
 激突したスリープバードを貫き、エレボス Mk-Ⅱが地上へと着地する。
 その背後で、スリープバードが弾け飛び大爆発を起こした。
 奮戦を続けるライセンサー側は防衛ラインを堅持し、それ以上の突破を許さない。
 また、【黄道十二宮】のトーラス(la2100)がタウルスMK2を操縦し、壁になりつつヘヴントンネルを発射しマンティスやロックたちを消し飛ばす。
 通信を繋いだ。

「道が出来たよ。追い立てて」

 地上からの妨害が無くなった隙をついて飛翔したジェミニ・L(la2028)のポルックスが飛び越えてレールワームたちに肉薄し、勢いそのままブランディストックOMで貫いて突き進み、海へと叩き落としていく。

「さっさと沈みなさいよね」

 ア・ドライグ・ゴッホW964が唸りを上げ、海中に沈むレールワームをさらに海底へと突き落とした。
 後は水中適性を持つアサルトコアたちがどうとでも料理するだろう。

「むいむい!」
「畳み掛けるわよ」

 反撃する間を与えず、むいむいのむいむいスペシャルとジェミニのポルックスが次々レールワームを撃破していく。

「さあ、むいむいを援護しますよ!」
「総員ジェミニに続いてください」

 ロザリアがヒョードル8000の艦砲射撃で支援し、トーラスもタウルスMK2で砲撃し援護する。
 これ以上のドッグ防壁破壊は防がれた。


●奇策発動
 空中での対エイ型ナイトメア戦でも、再び大きな動きがあった。
 肉弾戦を繰り広げていたアサルトコアたちがその消耗と共にキャリアーたちに収容されて一時離脱したその隙を突いて、【ぐろりあすしXXX本店】と【ぐろりあすしXXX支店】の面々が一斉にエイ型ナイトメアの下から強襲を行ったのだ。

「ヒレを寄越しなさい」

 ルシオラ(la3496)のナイトウォッチがヒポポタマスマウスを構え、火炎弾を発射する。
 エイ型ナイトメアの腹部に命中した火炎弾は炎を撒き散らし、燃え広がって炎上した。

「エイヒレを炙ってヒレ酒……いいね!」

 加倉 一臣(la2985)の働くおじさんが、補助肢でしっかり姿勢を固定しスクリームM53を構えた。
 照準補正プログラムが起動し、針の穴を通すような狙撃となってエイ型ナイトメアの腹部を直撃する。
 二人に続いて、【ぐろりあすしXXX本店】と【ぐろりあすしXXX支店】の小隊員たちが我先にと攻撃を仕掛けていく。

「今です。行ってください」
「幸運を祈る!」

 ナイトメアたちが下から攻撃するルシオラのナイトウォッチや一臣の働くおじさんに気を取られているうちに、潜空母艦リュウグウゴウがエイ型ナイトメアに接弦を成功させ、【Lilac】の小隊員たちを乗り込ませる。
 小隊長である野武士(la0115)の天竺 -Geranium-を筆頭に、アサルトコアたちが戦闘を開始する。
 しかし、少しずつ押され潜空母艦リュウグウゴウへ後退を余儀なくされる。
 とはいえコックピットの野武士の表情に焦りはない。
 全ては予定通りなのだ。

「よーし、来なさい。そのままそのまま……」

 ロックやレールワームたちが多数潜空母艦リュウグウゴウの甲板に乗り込んできたことを確認すると、野武士は小隊員全員に通信を入れる。

「飛べる機体は全機離脱! そうでない機体は何かに掴まりなさい! さあ、やっちゃって!」
「心得た!」

 天竺 -Geranium-が跳躍して甲板から飛び降りると同時に、龍寓(近衛師団長)の塚井さん(la3514)が潜空母艦リュウグウゴウの艦体を急激に傾ける。
 同時にそれは甲板も傾くことになり、斜めになった足場を滑り落ちたロックやレールワームたちが、全て零れ落ちて落下していった。
 地上や海中に叩きつけられたナイトメアたちを、水中適性のあるアサルトコアや地上戦を続けていたアサルトコアたちがすかさず追撃し仕留めていく。
 唯一最後まで暴れ回っていたブリッツクリークだったが、それだけで傾き切った戦況を打破することはできず、やがて生き残りのスリープバードたちを引き連れ撤退を始める。
 だが、地上のマンティスやロック、レールワームたちに逃げ道はない。

「もうひと踏ん張りだよ!」
「……ん。さっさと戻、る」
「さあ乗ってくださいまし!」

 【海賊「フルクトゥス一家」】のレフニーがアードゥイノ号に、【Jokers】の葵がサバトラに、【ヴァローナ・グニズド】のドロシーがフレデリクスボーに、それぞれアサルトコアを格納する。

「早く戻ってこい! 出るぞ!」
「地上を助けに行く!」
「収容完了、これより転進する!」

 【Logres】の黒子がFS-10/LPH「北極」に、【Blithzlicht】の瑛士がFS-10に、【Lilac】の塚井さんが潜空母艦リュウグウゴウにアサルトコアの搭載を完了させた。
 キャリアーたちは一斉に加速し、ドッグを巡る攻防戦に乱入していく。
 こうしてライセンサー側はついに戦いの主導権を完全に握り、全ての戦いが落ち着くまでの間、ドッグの防壁を死守し続けた。"

リプレイ執筆
きりん

リプレイ監修
クラウドゲート

文責
株式会社フロンティアワークス
  1. 建設ドッグ防衛(AC/キャリアー参加)
  2. グロリアスベース防衛(PC参加)
  3. 強敵対応/エディウス護衛<危険>(PC参加)