【DG】メインフェーズ 1フェーズリプレイ一覧

  1. ウィーン市街防衛(AC/キャリアー参加)
  2. SALF支部突入(PC参加)
  3. テルミナス対応<危険>(PC参加)

1.ウィーン市街防衛(AC/キャリアー参加)

●北西部→優勢
 空から投げかけられた光が、ドナウ川の川面を眩い白色に染め上げる。
 その周囲ではテルミナスの指揮のもと、放たれたナイトメアの軍勢がウィーンから見て北西部、南西部、南部の3方向より市街を目指し、進撃を続ける。
 これらの進撃を阻止すべく、SALFはそれぞれの方面へとライセンサー達の戦力を振り向け、迎撃態勢を整える。
 このうち北西部には、多くのアサルトコア とキャリアーで編成された複数の小隊を中心に、厚い布陣を敷いていた。
『伝達はいつも通り、今回は落とされないよう積極的に動くからよろしくね!』
 【フォーサイシア】 所属にしてFS-10『Oleander』艦長の桃武 侑芽(la0860)は、『Oleander』を戦場上空へと進出させると、敵勢の情勢を観測しはじめる。
 押し寄せるナイトメア達の配置などの情報を捉えると、侑芽や『フォーサイシア』の隊員達は逐次味方へと伝えていく。
 この時【フォーサイシア】 はスリープバード(以下『眠鳥』と略)やミラージュピラーについて、重点的に調べていた。
 その結果、ミラージュピラーがナイトメア達が各方面へと進軍していく境界線と思われる場所へ配置されていることが判明し、それも侑芽達より味方に伝達される。
 これを受け、ミラージュピラーを狩るべく複数の小隊が急行する。
「では行こう、楽しいクリスマスとニューイヤーのためにね」
 【小隊【DSP】】 隊長のロレンツォ・オルジャーニ(la0377)は隊員たちにそう呼び掛けると、自らも『SJ-01』を駆り、面での制圧を試みる。
 ロレンツォの『SJ-01』がミラージュピラーの列へと向けたグウィバーW245が、断続的な発射音と共に太い火線をミラージュピラーへと吹き伸ばす。
 幻覚と共に屹立していたミラージュピラーの1体がグウィバーW245の銃撃で乱打され、宙に血をしぶかせた。
「ここで食い止めますよ!」
 【クラーク駆逐隊】 隊長のクラーク・アシュレイ(la0685)が号令をかけると、【クラーク駆逐隊】 所属のAC 達は本体と判明したミラージュピラー達へと火力を集中させ、幻影もろともミラージュピラーを撃ち砕く。
 クラークも自身の駆る『FS-X』を進ませ、スパルタアーミー+4の銃撃を浴びせながらミラージュピラーへと肉薄し、換装したカットラス・ドレイクの斬撃を浴びせていく。
 【小隊【DSP】】や【クラーク駆除隊】 と呼応するように、笹良 権之介(la0137)が隊長を務める【小隊「狂騒曲」】 もまたキャリアーに乗って到達するなり、ミラージュピラーの群れへと襲い掛かる。
「あらあら、こんな厄介な建造物はウィーンに要らないわねぇ」
 『乙女の秘密を閉じ込めた素敵なコックピット』へと内装を豪華に仕上げたSJ-01『CoPⅡ(かぼちゃの馬車)』の中で、権之介はそう言いながらも既に判明しているミラージュピラーの本体へとG37アサルトライフルを向ける。
 既にファルコン・スナイプで狙撃態勢に入っていた『CoPⅡ』より、発射音と共に放たれた弾丸状エネルギーが1体のミラージュピラーへと吸い込まれると、着弾音と共にミラージュピラーの身を穿ち、既に損傷が蓄積していたミラージュピラーはその身を叩き割られ、血霧を撒いて砕け散った。
 ミラージュピラーへの集中攻撃が行われている間、飛来する眠鳥達への対空戦闘も始まっている。
「空を守るは我らが剣、あたし達の前で飛んで迫ってきたことを後悔しなさい」
 【対空部隊スカイセイバーズ】 隊長のクレア・ウェン(la0111)は、SJ-02『SS4-天雷』の中から対空砲火を突破した眠鳥達を射程に捉え、そう宣告する。
 『天雷』の名を冠し、紫色に塗装され、キャリアーからの空中降下にも対応できるよう機体の各所に改修が施された『SS4-天雷』が構えるヘルピットホールが咆哮する。
 『SS4-天雷』より撃ち放たれた噴進弾状エネルギーは空へと駆け上がり、射線上にいた眠鳥に突き刺さり、宙に爆発の花を咲かせると、一撃 で生命を断たれた眠鳥の身が爆散し、血煙と化し四散した。
 この間にも【【ラ・ファミーユ・ソレイユ】】 所属のキャリアーやAC達がナイトメア勢の頭上を強引に通過し、後方と到達。背後からの強襲をかける。
『本体を炙り出すわよ! 法撃開始!』
 笛地 久留美(la0598)は 、ACサイズの魔女を想起させるものへと外見や内装が改修されたSJ-01『ダンタリオン法式』を駆り、射程に捉えたミラージュピラー達に向け特殊兵装『ファイアバグ』を起動する。
 『ダンタリオン法式』の構えたヒポポタマスマウスの砲口より放たれた火炎弾状エネルギーが、ミラージュピラーの列のただ中にその威力を炸裂させ、本体へとダメージを蓄積させる。
 この【【ラ・ファミーユ・ソレイユ】】 小隊による敵背後への奇襲の甲斐もあり、ライセンサー達は優位に形勢を進めつつある。
 今回、移動力に乏しいミラージュピラー がこの方面へ配置されていたのは、恐らくナイトメア勢が進撃する途中で、その戦力の漸減を避けるものと思われたがライセンサー達の目は誤魔化されない。
 逆にライセンサー達の動かすACやキャリアー達は、ミラージュピラー本体の選別や撃破の為に面制圧を試み、その目論見を瓦解させていく。

●南部→膠着
 南部方面でも大波のように押し寄せるナイトメア勢と、この方面に配備した小隊、ACやキャリアー達の交戦が始まる。
『こちら、AWACSスターバースト、索敵データを送る、有効活用せよ』
 【380戦術機甲小隊】 所属のサンテックス(la0684)は、自身が艦長を務めるFS-10『スターバースト』を戦域上空へと飛ばし、索敵を続けている。
 得られた情報はサンテックスや【380戦術機甲小隊】 所属のライセンサー達によって整理分析され、同じ戦域の味方へと伝達されていく。
 伝えられた 情報をもとに、まず【Jokers】 所属のキャリアーやAC達が敵勢のすり潰しにかかる。
『艦載荷電粒子砲ルーフェンカッツェ、発射カウントダウン開始。9、8、7……』
 S-01『サバトラ』艦長にして【Jokers】 所属の七瀬 葵(la0069)は、念のため味方に着弾地点となる箇所からの退避を通告したのち、艦載荷電粒子砲『ルーフェンカッツェ』のロックを解除しカウントを開始する。
 アサルトコア運用能力向上を目的に改修された『サバトラ』の艦体下部、正確には未だ開発段階にある粒子加速砲が急速に眩い光を漲らせ、葵の『ゼロ』という呟きと共に引き金が引かれる。
 その瞬間、『サバトラ』が吼えた。
 轟音と共に叩き出されたエネルギーの奔流が大気を貫き、直線状にいたナイトメア達をまとめて薙ぎ払う。
 範囲内にいた眠鳥やマンティス(以下『蟷螂』と略) は粉微塵に粉砕され、血の霧が辺りを覆い、敵陣に乱れが生じた。
『それじゃ、Jokersの狩りを始めるとしますか』
 隊長の 陸道 空(la0077)がそう呼び掛けると、小隊のメンバーがそれぞれナイトメア勢に攻勢をかけていく。
 空自身もMS-01J『煉獄』を駆り、主にレールワーム(以下『虫』と略) へとデッドペネトレーションを起動。
 漆黒に塗装され、機体強度の補強や機動性の向上に余剰エネルギーを振り向けるよう改修された『煉獄』が、疾風と化した。
 一気に加速し、振るわれたヨウダイブレード+1が虫達をすり抜けざまに斬り裂き、『煉獄』が駆け抜けた後を虫達より噴出した血霧が彩った。
『それではみなさーん、お掃除を始めますよ~』
 XN-01『ドミニオン』を駆り、【機龍傭兵隊】 隊長を務める龍 玉蘭(la3798)がのんびりとした口調で隊員達に号令を出し、押し寄せるナイトメア勢の前に立ちはだかる。
 迎撃態勢を構築すると、玉蘭はコード「666」を起動。
 『ドミニオン』に搭載された攻撃プログラムによって出力を強化され、威力を増したヨウダイブレードの斬撃が、既に隊員たちの攻勢で損傷が蓄積していた虫の1体の身を斜めに断ち切った。
 『ドミニオン』の1撃で生命を断たれた虫は、そのまま血霧を噴いて頽れる。
「ちょっと頑張るよー」
 【kantate】 隊長を務め、MS-01J『タム・リン』を駆る浦戸 真木(la0870)は、隊員達と共に蟷螂やロック(以下『岩』と略) を優先して迎撃を続けている。
 伝説上の妖精騎士の名を冠し、四肢の可動域を広げる為、装甲を絞る改修が施された『タム・リン』は真木の操作に従い特殊兵装『神風―KAMIKAZE―』を起動。
 ブースターが咆哮をあげ『タム・リン』の機体が射出されると、一気に肉薄した岩へとダンダン・ウィリク+3が突き出され、速度を保ったまま岩の身に突き刺さる。
 宙に血霧が噴き出し、後退した岩へと『タム・リン』はさらに追撃を重ねる。
 ナイトメア勢は前進を力づくで止められたが、対するライセンサー達もナイトメア勢を掃討するには戦力が足りず、南部方面は膠着状態へと持ち込まれていく。

●南西部→不利
 間断なく放たれる銃火が発射音を幾重にも轟かせ、ACやキャリアー、ナイトメア勢が互いの身を穿つ着弾音が遅れて周囲の大気を震わせる。
 南西部ではライセンサー達に不利な戦況が続いていた。
 これは南西部へ回った戦力が最も少なく、薄い防衛線を展開せざるを得なかったためだが、それでもこの方面に向かったライセンサー達はナイトメア勢を必死に押しとどめている。
『メインディッシュは此処で踏みとどまります! 皆さん、平らげますよ!』
 【メインディッシュ】 隊長の珠(la2593)が隊員達へ檄を飛ばし、自身が艦長を務めるFS-10『サンタマリア』を地上ぎりぎりの高度で滞空させ、虫や岩より撃ち上げられるレーザーの対空砲火を浴びながらも踏みとどまる。
 着弾の衝撃や火花を散らしながらも、『サンタマリア』は星ノ海を起動する。
 前線支援用の装甲強化艦として、外装や居住性を重視した内装へと改修した『サンタマリア』両舷上部に格納されたミサイルコンテナより、イマジナリードライブで構成された無数のミサイル状エネルギーが猛然と飛び出した。
 金色の尾を曳いてミサイル状エネルギーは対空砲火を撃ち上げる岩や虫達へ突進し、続けざまに命中すると、着弾地点にいた虫や岩達の身を引き裂き、血煙をあげさせる。
 『サンタマリア』はなおも支援攻撃を続け、その援護を受けた【メインディッシュ】 小隊は敵勢との交戦を続け、出血を強いる。
「……いくぞ」
 【PLAN FACTORY】 所属のエルム・アシュティン(la3096)も、FF-01『ヴィントフルース』のスナイプモードを起動。
 正確な射撃へと精度を上げた状態から、ア・ドライグ・ゴッホW964が発射焔を閃かせ、放たれた弾丸状エネルギーは【メインディッシュ】 の攻撃を潜り抜けた眠鳥の1体を貫き、その一射でその身を粉砕された眠鳥は一筋の血煙となって四散した。
 この時、【ヴァローナ・グニズド】 隊長のアグラーヤ(la0287)は、防衛線が突破されるのは時間の問題と判断し、隊員達へ指示を飛ばす。
『全機、展開したね。じゃあやるよ。抜かせるなら最低でも死に掛けにして!』
 アグラーヤの号令の下、【ヴァローナ・グニズド】 は前面へと打って出ると、アグラーヤもFF-01『デュオハーツ』を駆り、攻勢に加わる。
 カラーリングを調整し、外装や内装を簡略化した『デュオハーツ』はナイトメア勢の密集地帯へと躍り込み、アグレッシブトルネードを起動。
 振り下ろされたズルフィカール・ジハードの周囲が軋み、爆ぜる。
 解放された衝撃波が周囲へと拡散し、範囲内にいたナイトメア達を巻き込むとその身を引き裂き、血霧を噴かせて損傷を蓄積させる。
 その間もナイトメア勢はライセンサー達の防衛ラインへと圧力をかけ続け、ライセンサー達はよく防戦していたが、ついに防衛線の一部が破れ、突破を許してしまう。
 損傷を負いながらもナイトメア勢は、住民達が避難活動を続ける市街地へと突入していく。

●市街戦→堅守
 この日ナイトメア による破壊の嵐が、この都市が辿ってきた時間が凝縮されたような街並みに、容赦なく叩きつけられていた。
 岩や虫からの砲撃が建物に着弾するたびに瓦礫混じりの粉煙が吹きあがり、建物達が瓦礫の中に崩れていく中、この事態を想定していた多くのライセンサー達がこれを迎撃する。
「私のサーチから逃れようなんて甘いですわ! 姫の力を味わいなさい!」
 【Lilac】 所属の音切 奏(la2594)はそう言うと街中へ自身の駆るSJ-02S『ハナミズキ』を進ませる。
 手ごろな位置から『ハナミズキ』がパルスサーチを起動し、周囲に蠢くナイトメア達の動きを捉えると、その情報を周囲の味方へ伝達していく。
『野郎ども、仕事の時間ですよ!  ここから奴らを、叩き出します!』
 【海賊「フルクトゥス一家」】 隊長のレフニー・フルクトゥス(la0174)は隊員達へ檄を飛ばすと、自身が艦長を務めるS-01『アードゥイノ号』を市街地上空へ進出させる。
 船体各所に黒縁取りの髑髏マークを施し、オリーブ色に艦体を染めた『アードゥイノ号』は空からの攻撃を防ぎ、搭載修理を駆使して味方AC達のシールドを修復していく。
 そこへ【独立機械化歩兵小隊【Заря】】 所属のAC達を載せたキャリアーが合流し、戦闘に加わる。
『民間人との接触、被害を最小限に。SALFの存在意義を証明します』
 隊長 のイリヤ・R・ルネフ(la0162)が指示を出すと、自身の駆る『XN-01-13 オホートニク』をキャリアーより降下させる。
 NBs-01スヴァローグ+1を稼働してキャリアーより飛翔した『オホートニク』は、急速に眠鳥との距離を詰めるとコード「666」を起動。
 知覚白兵戦用に動力及び駆動系を特化された性能とあいまって、強化されたカピテーンL-05+1が稲妻となって噴き伸び、眠鳥の胴を貫いた。
 突き通された眠鳥は血霧を曳いて落下し、地面に叩きつけられ沈黙する。
「弱き人類ではなく、怒れる人類の姿を目に焼き付けるがよいのです!」
 【V@LKNIGHTS】 隊長のディエスフィデス(la2755)が叫びをあげ、XN-01『エレボス Mk-Ⅱ』を駆って市街地に侵入したナイトメア勢への遊撃を開始する。
 レヴィアタン砲が砲声と共に噴進弾状エネルギーを撃ち放ち、飛来する眠鳥の1体へと命中すると、眠鳥は宙でその身を粉砕され、血煙を撒いて飛び散った。
 対空戦闘の援護を受け、他の小隊も地上の敵の掃討に動く。
「不意打ちは忍者の十八番でござるよ!」
 それまで川の中にSJ-02『月影・朧』と共に潜んでいた【マスクド龍猫隊】 所属の白勢の柚子丸(la2167)が川沿いに進む岩の1体を捉えると、他の小隊メンバー のAC達と共に水面を割って『月影・朧』を飛翔させ、岩へ襲いかかる。
 奇襲によって水中へ引きずりこんだ岩に向け、『月影・朧』は特殊兵装『アトランティック』を起動。
 その瞬間、衝撃波に変換された一撃が拡散して岩を打ち据え、岩の身に損傷を蓄積させる。
『黄道十二宮、状況を開始せよ』
 【黄道十二宮】 隊長のエアリーズ(la1968)は、合成音声めいた声で指示を出し、小隊 は避難する住民達の盾となってそれぞれ展開する。
 エアリーズも自身が艦長を務めるS-01『アリエス』を操舵して市街地上空を飛び回り、戦術リンクシステムを駆使して最適なルートを計算、および共有した上で、友軍の突入を支援する強襲指示を出していき、味方の戦闘を援護する。
『これより市街地の掃除を開始する』
 【スイーパーズ】 隊長の天ヶ原 箒(la3200)が、届けられる最新の情報をもとに『FF-01』を駆り、小隊メンバー のAC達と共に遊撃へと向かう。
 箒の『FF-01』は捕捉した岩に向け、ジャコビニM872を撃ち放つ。
 流星雨のような機銃弾状エネルギーの火線を岩に突き刺し、岩の身を引き裂いて血を噴出させながら、箒の『FF-01』は岩との距離を詰めていく。
『今回はストリートファイトデスマッチだ! 今から一緒に殴りに行こうぜ、YA!』
 【漢軍団】 隊長の四天王寺 薫(la2620)が、隊員 達へそう呼び掛けると、通信越しの喚声やAC達の戦闘音が返答となって響き渡る。
「ムズカシイ事は何もねぇ、出遭ったら殴る。シンプル・イズ・ベストだぜ」
 薫の駆るFF-02『CannonBall』もまた、ナイトメア群のただ中へと飛び込むと、インファイトを起動。
 防御を捨てた攻撃プログラムが『CannonBall』の攻撃力を底上げし、肉薄した虫の胴に、天孤星の拳が豪風をまとって激突した。
 肉がひしゃげる異音が響き、血の尾を曳いて虫の体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。
 その間にも、【極楽電脳無軌道小隊『オフ会』】 隊長の君野 エミル(la0035)は、届けられる情報より敵の動きを把握するとFF-01『S.D.P.』を駆り、小隊 のキャリアーやAC達と共に、ナイトメア勢の側面へと回りこみ、攻撃を開始する。
『地の利は俺達にある、きっかりブチのめすぜ!』
 号令と共にエミルも、装甲にスポンサー企業のロゴを塗装され、内装を改修した『S.D.P.』の装備をシュトライヒェンM061へと換装し、射程に捉えた蟷螂達へ特殊兵装『プラズマシューター』を起動する。
 『S.D.P.』の機体が紫電のエフェクトを帯び、M061の銃口より射出された光弾状エネルギーが蟷螂達のただ中でその威力を炸裂させ、絡めとられた蟷螂達の身を引き裂き、血霧を噴出させていく。
「掛かって来るが良い。人も彼らの住む場所も、壊させはせぬ!」
 【白椿】 隊長のルシエラ・ル・アヴィシニア(la3427)がそう吼えると、『HN-01』を駆って小隊 に協力するAC達とも連携して眠鳥達の迎撃に加わる。
 ルシエラ自身も『HN-01』の思念式拡散波動を起動。
 ナイトメアからよく目立つオーラを機体に纏わせ、眠鳥や他のナイトメア達を誘引し、仲間たちの戦闘を支援する。
 このころ【白椿】や【桜華光舞隊】 は、ある特定の方角へとナイトメア勢を誘導し続けていた。
 ナイトメア達が誘導された先には、【桜華光舞隊】 隊長の神上・桜(la0412)が艦長を務めるFS-10『桜華乱舞』が待ち構えていた。
 特殊兵装『ポセイドン』が起動すると、『桜華乱舞』より発射された高出力のエネルギー弾がナイトメア達の中心へと着弾し、爆発の中へ押し包んだナイトメア達のリジェクションフィールドを弱体化させる。
『ナビゲートは我に任せて、皆は戦闘に集中するがよい』
 敵群の弱体化に成功した桜が周囲の味方へそう伝えると、退避していた味方のAC達がナイトメア達を呑み込んでいき、数回の衝突の末に撃破していく。
 市民達を戦闘やナイトメアから守るべく、ライセンサー達はなおも市街の各所で奮戦する。

●市民対応
 街の各所から弾着の衝撃や建物の倒壊音が湧きあがり、大気を震わせるたびに、避難する人々に怯えが走る。
『あっちに敵機多数。こちらを通りましょう』
 このとき小隊【傭兵団『アントヒル』】 所属の雨宮・紅雨(la3635)は、SJ-02S『月紅牙』を駆り、市民達の避難ルート確保に動いていた。
 『月紅牙』のパルスサーチが周囲を動き回るナイトメア達の位置を捉え、その情報は即座に他の味方へと伝えられていく。
 敵が少数ならば紅雨も排除に動いていたが、探知できたのはいずれも多数であったため、避難ルートの確保に活動を留めている。
『だーいじょうぶ! 私達が来たからには。だから焦らず! 落ち着いて! 「ドナウパーク」まで逃げて!』
 【ミュージアム】 隊長のアンヌ・鐚・ルビス(la0030)は、FF-01『ウプウアウト』より落ち着かせるような声音で呼びかけを続け、明確な避難場所を提示する。
 神話の軍神をモチーフに改修され、純白と漆黒のカラーリングが映える『ウプウアウト』が人々の盾兼誘導役として動き回り、【ミュージアム】 は一丸となって人々に『どこに避難すれば安全か』『どう避難すれば安全か』を示し続け、避難誘導に貢献する。
『皆さーん、スーパーGBの旗が目印ですよー』
 【スーパーGB大規模流通センター】 所属のマコト(la3078)も、MS-01J『ネピリム(もっちり)』を駆り、旗らしき布を掲げて避難誘導に努める。
 キャリアーやACサイズの旗を用意するのは無理だったが、ありあわせの布地で急ごしらえしたものを使い、ナイトメア達を警戒しながら【スーパーGB大規模流通センター】 は人々を誘導していく。
『市民の皆さん、病院船ブリタニックが護送します! 慌てず避難してください!』
 【病院船小隊『ブリタニック』】 隊長のマードック・M・メディチ(la1260)は味方から寄せられる情報をもとに、自身が艦長を務めるFS-10『ブリタニック』へと可能な限り人々を収容し、避難場所へと搬送する作業を繰り返す。
 負傷者の収容・治療を主眼に置いて改修された『ブリタニック』や同じ隊のキャリアーが交互に人々を収容し、交戦を避けながら避難場所へと護送することで、街の人々が安全に避難し、生存率を上げることに貢献していく。
 これとは逆に、【Recapturer's】 所属のAC達やキャリアーは、ナイトメア勢を撃退しながら人々の救出や避難誘導にあたる。
「取り残された民間人を回収する。そうすれば味方も少しは戦い易くなる」
 【Recapturer's】 隊長の橘 達也(la0341)は、自身の操舵する『FS-10』を駆使して味方を運びながらも、その一方で味方がナイトメア勢を食い止める間に人々を収容し、避難場所へと空輸する。
 様々な方向からライセンサー達は人々を守り、あるいは導き、人々の避難は迅速かつ安全に行われた。

●防衛成功
 ナイトメア勢の一部が市街に突入し、市街戦に発展したものの、ライセンサー達は敵の蹂躙を許さなかった。 
 最終的には仕方なく破壊したものも含め、街の建物や外観には被害はある程度出たものの、ライセンサー達は人的被害は最小限に留め、ナイトメア勢の大半を撃破することに成功する。
 かろうじて残ったナイトメア勢はそれぞれ撤退したり、あるいは追撃で討ち取られ、ここに市街地を巻き込んだ戦闘は終結する。
 外からの進攻は撃退したが、テルミナスやSALFウィーン支部を巡る戦いは、いまだ混迷を続けていた。

リプレイ執筆
岩岡志摩

リプレイ監修
クラウドゲート

文責
株式会社フロンティアワークス
  1. ウィーン市街防衛(AC/キャリアー参加)
  2. SALF支部突入(PC参加)
  3. テルミナス対応<危険>(PC参加)