【DD】Decisive battle for dignity 4フェーズリプレイ一覧

  1. 残敵討伐
  2. 後方支援
  3. ザルバ討伐<危険>

1.残敵討伐

●先陣
 オリジナル・インソムニアが破壊された後も、残るナイトメア勢に戦闘を停止する様子は見られなかった。
 恐らくはザルバ(lz0139)との合流を果たすためだろう。ナイトメア勢はひたすら直進する。
 小隊【フォーサイシア】隊長を務める桃武 侑飛(la0525)は、自身の駆るMS-02『縁斬羅車』を宙に駆け上がらせ、その上空を飛んでいた。
 色は白地に青、差し色が黄色という特徴のある『縁斬羅車』は、操縦の難度と負担の軽減を目的として様々な改修が施され、女性型から中性的少年型といった容貌へ変化している。
 その『縁斬羅車』の眼下では、ブリッツクリーク(以下『龍』と略)、マンティス(以下『鎌』と略)が前面を進み、やや遅れてロック(以下『岩』と略)が付き従い、その周囲をモルフォソーン(以下『蝶』と略)やスリープバード(以下『鳥』と略)が飛行、機動力の劣るレールワーム(以下『虫』と略)が最後尾を進んでいる。
 大まかな分布はそのような感じだが、整然としたものではなく、実際は様々なナイトメアが入り乱れてながら進撃していた。
『無視させず、少しでも止めたら潰す! 数秒でも止めたら勝ちに繋がる!』
 侑飛はNBs-01スヴァローグ+2を稼働して『縁斬羅車』の飛行を続けながら、索敵と敵群の進路予測を繰り返し、味方への情報提供を続ける。
 これを受け、まず【メインディッシュ艦隊】が先制攻撃を開始した。
「なんで最終決戦で隊長交代するんだろうね! がんばるけどさ!」
 隊長兼FS-10カスタム『01MO』艦長の三糸 仁久(la0261)はそう言いながらも、【メインディッシュ艦隊】所属のキャリアー群に号令を下す。
 この『01MO』は輸送艦として調整されているものの、攻撃力は保持している。
 仁久の指示を受け、隊伍を組んで整然と並んだキャリアー群より次々とミサイル群が撃ちだされる中、仁久も星ノ海を起動。
 イマジナリードライブで構成された中型ミサイル群が轟音をあげて射出され、恐るべき密度の弾幕を敵の中で展開する。
 爆発による光芒が生まれ、その中にいた龍は引き裂かれて血を噴出し、鳥や蝶達は爆発を浴びて四散していく。
 その光芒が消え、入れ違いにナイトメア群は反撃に転じるが、珠(la2593)の駆るFF-03X『FF-03サンタマリア』が立ち塞がる。
 この『FF-03サンタマリア』は指揮官機用として通信能力が強化され、可動式増加装甲といった様々な装備が増設され、改修されている。
『私の娘と息子らを、やらせはしません!』
 『01MO』のカタパルトフィールドによって射出され、LBs-01スパードを稼働する『FF-03サンタマリア』の中で、叫びと共に珠は敵群の中へ飛び込むと、海ノ星ノ聖母を起動。
 『FF-03サンタマリア』より無数の光芒が射ち出され、放たれたミサイル群は蝶の棘や龍の真空刃とぶつかり合い、その命中精度を減じていく。
『D-01より各機、これより集中攻撃を仕掛ける。……援護を頼んだ』
 【380戦術機甲小隊】隊長の伊藤 毅(la0675)も情報を受け取ると、周囲の味方へ共同での攻撃を打診していく。
 ある程度返信が来たところで、毅はプレーンブースター+1を稼働して飛んでいた『FF-03Q』を翻し、先制攻撃で傷ついた龍の1体へと襲いかかる。
 毅の『FF-03Q』より射出された特殊砲台「FS51」+5が宙を駆け、執拗に龍を追いかけるとエネルギーの奔流を撃ち放ち、龍にさらなる損傷を蓄積させる。
 他の小隊や各キャリアー、アサルトコア(以下『AC』と略)も、次々と空のナイトメアとの交戦に突入していく。
『皆で掴みましょう! 希望の明日を!』
 小隊【ESPOIR騎士団】を率いるコレット・アストレア(la0420)は小隊へ進撃を命じると、自らもFS-X『マリアンヌ』を駆り、傷ついた龍を屠った後は鳥達へと標的を変えていく。
 とある絵画に登場する女神の名を冠した『マリアンヌ』は地上から鳥の群れへと迫り、心力突出杭『須佐之男』を起動。
 突き出された[EX]兵装・加具土より黒い竜巻状の衝撃が顕現して鳥達を包み込み、鳥達は耐え切れずに引き裂かれ、血霧へと変えられ飛び散った。
「私もまた、騎士団の刃でして~。剣娘ちゃんの晴れ姿、とくとご覧あれ~」
 同じ【ESPOIR騎士団】に属する御剣 沙織(la3776)もまた、MS-02『剣娘・応竜』を駆ると、起動した特殊兵装「風火二輪」によって機体を飛翔させる。
 そのまま『マリアンヌ』の頭上を飛び越えた沙織は、残る鳥達に向け羅刹の舞を起動。
 舞い降りる『剣娘・応竜』の[EX]カラミティサイズ+5とキャリアーバスター+5が縦横の変化を見せ、猛然と大気を鳴らし、描かれた無数の刃の軌跡を切断された鳥の身や血霧が彩っていく。
「最後まで踊るのです。刃のダンスを」
 小隊【V@LKNIGHTS】隊長のディエスフィデス(la2755)は、FF-03Q『SIN-EREBOS』を駆って隊の先陣を切ると、NBs-01スヴァローグを稼働して宙へと駆け上がる。
 そのまま別の鳥達のただ中へと『SIN-EREBOS』を飛び込ませたディエスフィデスは、ブレイドダンスを起動。
 2つの[TU]兵装・降魔杵が青い光のオーラを纏って『SIN-EREBOS』の周囲を駆け巡り、捕捉した3体の鳥を次々と叩き割って打ち落とし、地面に叩きつけられた鳥達は絶命していく。
 それでも残る鳥達はその鳴き声でライセンサー達を悩ませ、行動不能に陥る者も出始めた。
「あぁもう邪魔! 敗残兵の癖に!」
 小隊【Grau Engel】を率いるミナ・アッシェンフェルト(la1578)は、自身の駆るBD-01PT『ライトスタッフ』の中で罵声を上げると機体を鳥達のいる方向へ向ける。
 既に起動したモードチェンジによって『ライトスタッフ』は飛翔し、残る鳥達へ躍りかかる。
「薙ぎ払い道を拓きます」
 ミナは冷静さを取り戻した声で宣告すると、プロトディメントレーザーを起動。
 『ライトスタッフ』よりエネルギーの奔流が射出され、射線上にいた鳥達を薙ぎ払い、次々と血煙に変えていった。

●陸戦開始
 上空にいる味方からの援護を受け、地上でも交戦が始まっている。
 ただナイトメア側もライセンサー側が構築した迎撃網を突破すべく、攻勢を強めている。
 一部で前線を突破した岩が積極的にレーザーを撃ち続ける中、鎌がACに刃を振りかざして迫り、その頭上より生き残った鳥達が鳴き、奥より龍が角を光らせ電撃や真空刃を繰り出し、蝶の棘がAC達に殺到する。
『作戦開始。ここが正念場です、各員奮起せよ』
 これに対し小隊【黄道十二宮】隊長兼S-01『アリエス』艦長のエアリーズ(la1968)は、広域偵察で割り出した敵位置を小隊所属の僚機へ伝達し、鳥や蝶を集中的に倒すよう指示を出す。
 僚機が動き出す中、エアリーズもターンドリフトで『アリエス』を敵群の中へと割り込ませ、起動したカウンターシェルで敵を弾き飛ばしていく。
「SJ-03じゃ相性が悪すぎてザルバは追えない……その分こっちで戦うわ!」
 そう判断し、SJ-03『ディアナ』をこの戦線に配備したジュリア・ガッティ(la0883)は、射程範囲内に捉えた敵群へ[EX]三連装砲「サンシオンPD7」を向け、グランドスラムを起動。
「グランドスラム装填! 撃つわよ!」
 ジュリアの叫びと共に「サンシオンPD7」が大型の追加爆薬をセットした砲弾状エネルギーを叩き出し、敵群のただ中で弾着の爆発をあげさせる。
 直撃を受けた岩や鎌が1撃で粉砕され、血霧と化して消えていく。
「そんなパンツで大丈夫でちゅか?」
 『SJ-03』を駆る北谷王子 朝騎(la3994)もまた、ナイトメア群との距離を取りながら撃ち方を始めている。
 朝騎の起動した砲撃:貫通徹甲弾によって、[EX]電磁戦艦砲「覇」+5が轟音と共に、貫通徹甲弾状エネルギーを撃ち放つ。
 朝騎の貫通徹甲弾状エネルギーは宙を飛び渡り、直線上にいたナイトメアの種類を問わず貫いていき、飛び散ったり血を噴く敵を突き抜けて飛んでいく。
「メイドの本分、最後まで貫かせて頂きます」
 小隊【WarMAIDenS】隊長のコヨミ(la3578)は、『SL-X』の中より礼儀正しい口調で告げると、SBs-01白鳥を稼働して機体を飛翔させ、敵群を射程に捉えていく。
 そのままコヨミは特殊兵装『ジャミング』を起動すると、特殊な電磁波が前方にいる敵群へと放射され、ノイズのようにナイトメア群のリジェクションフィールドに干渉し、その手元を狂わせていく。
『夜は必ず明けるもの! つまり今こそAurore Cielのお通りだぁ!』
 小隊【Aurore Ciel】隊長のルージュ・遠山・リオン(la0037)がそう叫ぶと同じ小隊の僚機と共に、自身の駆る『FS-X』を敵群へと躍り込ませていく。
「仲間を斬らないように注意して斬り込んでいくぜ!」
 ルージュの『FS-X』は岩からのレーザーにシールドを削られながらも、超装甲大剣+5を振りかざして肉薄し、そのまま縦に斬り下ろす。
 超装甲大剣が岩の頭めがけて落下し、身を断つ音と共に岩は頭頂から胸元まで2つに割られ、血を噴いて頽れる。
『百鬼夜行、ご出陣!』
 小隊【【百鬼夜行】】を率いるナナシ(la2638)もまたFF-02『荒刀無稽』の中より号令を下す。
 小隊所属のキャリアーより僚機が次々と出撃する中、ナナシの『荒刀無稽』もカタパルトフィールドにより宙へ射出される。
 この『荒刀無稽』は軽量化の為にフレーム構造を剥き出しにする一方、各部装甲の角に玉鋼製ブレードエッジを装備させる等、密集近接戦闘に特化した改修が施されている。
「いくよ、荒刀無稽。この戦いが終われば、明日が信じられるんだ。最後の力を奮い立たせるよ!」
 急速に迫る鎌を前に、ナナシはそう叫ぶとすれ違いざまに繰り出したカットラス・メアリーの刃が鎌の胴を裂き、血をしぶかせる。
「出し惜しみするな! これで幕だ、全力出しきれ!」
 【傭兵団『アントヒル』】に所属するフィドル・チェイサー(la3294)は『FF-03Q』の中より僚機に檄を飛ばしながら、クェーサーライトによって集まってきた敵の迎撃を続けている。
 フィドルはエースフラッグにより短時間での連続攻撃を可能とする戦闘プログラムを稼働した状態を維持したまま、ブレス・ノウを起動。
 機体のIMDを通じて敵の行動を予測され、フィドルの『FF-03Q』は精度をあげた[EX]斬艦刀「天翼」+5の斬撃を鎌へと打ち下ろす。
 「天翼」は鎌の左肩より右脇腹へと抜け、斜めに断裂した鎌が血を噴いて倒れていく。
 やがて岩や鎌を押しのけるように龍の1体が前に進出し、角や脚から電撃や真空刃を振りかざして周囲のACに痛打を浴びせていく。
 なおも攻撃しようとする龍の前に、SJ-04OD『Obj-SIREN』を駆るヨランダ=エデン(la3784)が機体を割り込ませる。
 この『Obj-SIREN』はヨランダの各行動に対応するため、内部システムに『改修』が施されている。
「夢へと、還るべきなのです。私も、貴方達も、ここで……」
 呟きと共に、ヨランダは“SILENCER”を起動。
 翼型推進装甲「荒鷹」によって飛翔する『Obj-SIREN』より発せられた不可視の念動力によって、龍は強制的に攻撃を停止させられる。
「勝って兜の帯を締めよというよねー」
 SJ-03『バーニィ』を駆る夜兎 響(la0509)はその隙を見逃さず、龍へグランデAP13+4を向ける。
 手ごろな高台はなかったが、この位置なら十分捕捉できると判断した響はプラズマシューターを起動。
 回避を犠牲に攻撃を鋭化させた『バーニィ』のグランデAP13にプラズマエネルギーを纏わせ、強化された弾速で撃ちだされたエネルギーは龍に着弾すると、着弾箇所がが蒼白い光を放ち、龍に感電にも似た状態を付与してその動きを鈍らせていった。

●混戦・阿
 戦闘開始より幾ばくか時が過ぎ、鳥は早くも戦線より脱落していったが、入れ替わりに蝶達が前へ押し出してきた。
 蝶達はそれぞれ鱗粉を発していくが、ライセンサー達は鱗粉への対策が弱かったため、その進撃を止められず若干押し込まれていく。
『皆様。現在モルフォソーンの群れへの対処が手薄となり、間隙が生じつつあります。増援が必要な場所ですが――』
 小隊【黒子抄】隊長兼『S-01』艦長の只野 白子(la2981)は、周囲より届く情報よりそれらの動向をいち早く察知していた。
 即座に白子は危険な場所を割り出すと、敵群の突破を防ぐべく味方に的確な情報を伝え、誘導していく。
 この白子の情報を受けた小隊【With D.】が蝶の対処に、【ハンガー・ワン】が長距離からの敵の狙撃へとそれぞれ動く。
「ボクが出来ることは今まで通り、変わらず。それで良いかなって!」
 【ハンガー・ワン】隊長兼FS-10『クロス・ザ・ルビコン』艦長を務める飛鳥 ナツ(la2131)は、僚機へ遠距離狙撃の指示を出しながら、そう言い切る。
 境界を超える決意の名を冠した『クロス・ザ・ルビコン』は、軽量化や空気抵抗を考慮した艦体の改造といった様々な改修がなされている。
 その艦の中よりナツは攻撃指示を起動。
 搭載AIの演算を用いた敵の行動予測を戦術リンクシステムによって小隊内で情報共有され、正確な攻撃指示となって味方の攻撃精度を向上させていく。
「差し出された手を取るのもまたダンディ」
 小隊【With D.】を率いるベル ダンディ(la0809)は、XN-01『レディホーリートリニティ』の中でそう呟き、所定の位置につく。
 そして遠隔狙撃ユニット「トリステス」より周囲へ展開された複数の狙撃銃ユニットが、蝶の頭上からエネルギーの光条を撃ちおろし、射抜かれた蝶は血霧を撒いて地面に落下し、絶命する。
「英雄? 違うね、ダンディなのさ……」
 そう言うとベルは蝶達の排除を進めていく。
 ナイトメア側もこれに対処すべく、龍の一団が前面へと切り込むが、龍達には【海賊「フルクトゥス一家」】所属のキャリアーやAC達がその相手として待ち構えていた。
「期待の援軍が来なかったらどんな顔するんだろうね? 見られないのが残念だよ」
 【海賊「フルクトゥス一家」】を率いるレフニー・フルクトゥス(la0174)は、自身が艦長を務めるS-01『アードゥイノ号』の中でそう言うと、僚機となるキャリアーへ突撃を命じる。
 船体をオリーブ色に統一し、船首や各所に黒縁取りの髑髏マークを記した『アードゥイノ号』は【海賊「フルクトゥス一家」】の移動拠点でもあるが、今はターンドリフトによって真一文字に龍達へと突進していく。
 龍達も電撃や真空刃を『アードゥイノ号』に殺到させ、無数の攻撃がシールドを急速に削っていくが、レフニーは一顧だにせず突進を続け、ついに龍の1体と艦を衝突させた。
 これを皮切りに僚機や僚艦が次々と龍達へと切り込んでいき、もともと数の少なかった龍達は押し込まれ、乱戦の末に叩き落されていく。
 MS-01JFM『羽撃』を駆る霜月 愁(la0034)もまた、この攻勢に参戦していた。
 機体名である『羽撃』の名は愁がつけた愛称そのままだが、機体自体は専用機として操縦性の向上や同調強化といった様々な改修がなされている。
「あっちには僕の大切な仲間が居る。だから、絶対に行かせない」
 帰巣によって『羽撃』を飛翔させていた愁はそう宣告すると、龍に向け天射(FM)を起動。
 兵装・蚩尤+5の弓弦を鳴らし、放たれた矢状エネルギーが威力と精度を強化し、対象を墜落させる一撃と化して龍の身に突き刺さり、射抜かれた龍は深手を負って失墜し、血を撒いて地上へと落下していく。
 その先では、HN-01『シュネートイフェル』を駆るキャロル・スノウホワイト(la2690)が、既に回り込んでいた。
「ザルバのとこには行かせないよー! この斬艦刀で、一匹残らずブッた斬る!」
 己の姉妹達に一瞬想いを馳せながらも、キャロルはそう叫び、『雪の悪魔』の意味を持つ名を冠し、白と青色を基調として様々な改修を施した『シュネートイフェル』を龍へ向かわせる。
 墜落した龍との距離を詰めた『シュネートイフェル』は[EX]斬艦刀「破軍」+5を振り抜いて、龍の胴を斬り裂いた。
 既に損傷が蓄積していた龍はその一撃で生命を断たれ、地響きを立てて地面へと倒れ伏し、動かなくなる。
 龍達が力づくで前進を止められた間に、他の小隊や各ACも残る敵への対処に乗り出していく。
「さあ、どこからでもかかっていらっしゃい、全て落としてあげましょう」
 小隊【プラネタリウム】を率いる夕凪 沙良(la0116)も、小隊への指揮を行いながらBD-01PT『アークヴィラ』を駆り、敵の掃討に乗り出す。
 この『アークヴィラ』は、ブースターやスラスターを増設した結果、さらに運動性や機動性をあげたカスタム機となっている。
 モードチェンジによって飛行を続け、蝶の棘を回避した『アークヴィラ』は、宙に展開した浮遊砲台「八咫烏」+5よりエネルギーの光条を撃ち放つ。
 その一射に貫かれた蝶は血霧の尾を曳いて地面へと落下し、四散する。
『鋼鉄の騎士と戦乙女、見参だ!』
 そして小隊【VOLKNIGHTS】隊長のエヴァ・サラマンドラ(la2692)も、同じ小隊の僚機や自身の駆るFF-03Q『DragoRex-Rufus』と共に、敵群へと躍り込む。
 そのまま敵群を捕捉したエヴァはスターダイバーを起動。
 オーラを纏った『DragoRex-Rufus』が高速で岩や鎌の間を駆け、すり抜けざまに繰り出された[TU]杭打機「ベアトリーチェの指先」の杭先が岩や鎌の胴を次々と貫いていく。
 岩は血を噴いてよろめき、鎌は生命を断たれ、前のめりに倒れ込んでいった。

●混戦・吽
 依然として地上を進撃するナイトメアの数は多い。
 多くの小隊や個人のキャリアー、ACが動くものの、どうしても戦力の薄くなる箇所が生じ、そこをナイトメア群は突いていく。
 これに対処すべく、小隊【帰宅部】【第二帰宅部】【久遠翼】がそれぞれ連携して動き、ナイトメア群を前後から挟み込む『網』を構築しつつあった。
『見るべきは、敵の配置。討つべきは、敵の主力』
 【帰宅部】隊長の日下 葵葉(la3792)は、SJ-02S『癸亥』を同じ小隊所属のキャリアー甲板に陣取らせ、指揮を執る。
 収集できた情報より敵のおよその位置や動きを把握すると、葵葉はスポットライトを起動。
『壁は、壊さずとも、どかせばよい』
 起動したスポットライトによってナイトメア達の注意を引きつけると、そのまま敵群の攻撃や進出先を誘導し、味方の動きを支援していく。
『各機最終局面です! 私達に勝利を!』
 【第二帰宅部】の指揮を執る龍 玉蘭(la3798)は、自身が艦長を務める『S-01』の中より、葵葉や【帰宅部】と連携する他の各隊の隙や死角を埋めにかかる。
『そして、帰るべき場所へ帰りましょう!』
 隊の砲撃と近接戦闘への指示を飛ばしながら、玉蘭は広域偵察による探索結果を逐次伝達し、損傷を負った味方機を搭載修理で修復するといった支援活動に従事する。
『皆、後ひと踏ん張りだ! こいつらをザルバの元へ行かせるな!』
 そして小隊【久遠翼】を率いる黄昏ひりょ(la2991)は、『FS-X』を同じ小隊のキャリアー甲板上に屹立させ、敵群への突入号令を下す。
 ひりょの号令を受けた【久遠翼】所属の各機がナイトメア群へと切り込んでいく中、ひりょもSBs-01白鳥を稼働して『FS-X』を飛翔させると、ジェネレイトブレイドAC+2へ換装した上で心力突出杭『須佐之男』を起動。
 ジェネレイトブレイドACが防御用のエネルギーを纏って突き出され、その先に生じた竜巻めいた衝撃が蝶達を押し包み、巻き込まれた蝶達は引き裂かれて血霧へと変じ、四散する。
 そして小隊【Lilac】も、敵群の後背を突く形でこの連動に協力する。
『この戦いが終わったら、婚活するわよっ!! ところで――』
 【Lilac】隊長の野武士(la0115)は、同じ小隊に属する僚機へ何かを訪ねながらも、最後尾にいた虫達の掃討を命じていた。
『って言うかプロポーズってどう言う事よっ!』
 何やら話が続いているようだが、野武士の駆るFS-X『天竺 -Geranium-』の動きはよどみなく、僚機の射撃を見届けた後、虫へ切り込みをかけている。
 一息で虫に肉薄した『天竺』がキャリアーバスター+5が真横へと振り抜くと、胴を切断された虫の胴体が宙に舞う。
 レーザーを放ったばかりの虫の上半分が血を撒きつつ地面に叩きつけられ、絶命した。
 小隊【QUESTO】や【小隊百鬼】も、連携して敵の突破を阻止すべく3つの集団に分かれ、ナイトメア群との交戦を続けている。
『獅子王さん、攻撃は俺が防ぎます。存分に叩き斬ってください!』
 【QUESTO】所属のジキル=ロレンツィーニ(la3484)はSL-X『白鉄』の中より、連携相手であり【小隊百鬼】隊長を務め、KZ-00『鬼若子』を駆る獅子王 砕牙(la3094)に向け通信を介しそう請け負うと、NBs-01スヴァローグを稼働して『鬼若子』の頭上に『白鉄』を飛翔させる。
『守りは頼んだぞ、ジキル。――悪いが先には行かせんぞ。全員叩き斬ってやる』
 前半はジキルに、後半はレーザーを撃ち放つ虫達へそう告げた砕牙は『鬼若子』を前進させ、急速に虫達との間合を詰めていく。
 虫よりレーザーが飛来するが、上空よりジキルが天空の騎士を発動。
 瞬間的にブースターの出力を上げた『白鉄』が、『鬼若子』と虫とに間に機体を割り込ませ、構えたビームシールド「ストゥディウム」+4とシールドが虫の攻撃を防ぎとめる。
 入れ違うように前に出た『鬼若子』の中で、砕牙は刃牙四尖を起動。
 一気に虫へ肉薄した『鬼若子』がまず[EX]斬艦刀「破軍」+5で斬り上げ、機体の手足に装備された隠し刃でさらに虫への追撃をかける。
 立て続けに斬撃を浴びた虫は深々と斬り割られ、切断面より血を噴出して倒れ伏す。
『泣いても笑っても最後! いつも通り、やれるコトやっていきましょ!』
 【小隊「狂想曲」】を率いる笹良 権之介(la0137)は、小隊所属のキャリアーを中心に隊の僚機を展開させながら、『SL-X』を駆って味方の防護にあたる。
 権之介はナイトメアを各個撃破するよう隊の僚機へ指示を出しながら、蝶の鱗粉による行動不能の機体が複数あるのを把握すると、ブリュンヒルドを起動。
 権之介の『SL-X』より、音波に変化したイマジナリードライブが放射され、修復が必要な機体のシールドを回復していく。
 こうした援護の中、小隊【VORKNIGHTS】が戦域の確保も兼ねて、虫達への攻撃を開始する。
『悪魔の機体とはいつ聞いても愉快な名よな。最も我らに相応しい。――征くぞ!』
 【VORKNIGHTS】隊長のグリガジェイラ(la3429)は、小隊所属の僚機へと号令を下し、自らもXN-01『デルヴグヴァイラ』を駆って後に続く。
「総員XN-01、戦場に躍らん」
 僚艦となるキャリアーからの攻撃指示を受けたグリガジェイラは、機体の中でそう呟き、虫達より飛来するレーザーの弾幕をかき分け、虫達の中へと『デルヴグヴァイラ』を躍り込ませ、ウルトラノヴァを起動。
 『デルヴグヴァイラ』より攻撃エネルギーに変換されたオーラが周囲に放射され、その威力をぶちまける。
 グリガジェイラに『敵』と認識された虫達は、その一撃を浴びて『焼かれ』て損傷を負っていき、別の僚機が発したウルトラノヴァが駄目押しとなり、次々とその命を断たれていった。

●目標は達成
 こうして虫達は駆逐されていき、ライセンサー達が善戦する個所も複数あったが、やはり戦力のムラは解消できず、一部では蝶の放つ鱗粉に地上の各AC機は苦戦を強いられる結果となった。
 なお龍といった強敵については、これを優先して対処する小隊の尽力によりその進撃を阻止できたものの、岩や鎌達の一部が混戦に乗じて突破に成功している。
 ただしその数は限定的であり、ナイトメア勢の突破を阻止するという目標自体はここに達成され、以後の趨勢とこの戦いの結末は、ザルバ達と死闘を繰り広げる友軍のライセンサー達へと託された。

リプレイ執筆
岩岡志摩

リプレイ監修
WTRPG・OMC運営チーム

文責
株式会社フロンティアワークス
  1. 残敵討伐
  2. 後方支援
  3. ザルバ討伐<危険>