【DD】Decisive battle for dignity 2フェーズリプレイ一覧

  1. 北欧防衛戦突破
  2. 強敵対応<危険>
  3. 突破支援

1.北欧防衛戦突破

●討伐開始
 戦場と想定されるエリアには、夥しい数のナイトメア達が陣を敷き、ひしめいていた。
『WAWCSスターバーストより各機、高脅威目標の情報を送る、対応を』
 小隊【380戦術機甲小隊】所属のサンテックス(la0684)は、FS-10『スターバースト』の中より膨大な数のナイトメアを視認し、報告を続けている。
 先頭はマンティス(以下『鎌』と略)とレールワーム(以下『蟲』と略)が隊列を組み、こちらを待ち構えていた。
 モルフォソーン(以下『蝶』と略)とスリープバード(以下『鳥』と略)がその周囲を飛び回り、脇をミラージュピラー(以下『柱』と略)が固めている。
 その後方からは、徐々にブリッツクリーク(以下『龍』と略)の姿が見えてきた。
 それらの情報がサンテックスより友軍各機へと伝達され、共有化されていく中、キャリアーやアサルトコア(以下『AC』と略)を察知したのか、にわかにナイトメア達が動き出す。
 ナイトメアで構成された巨大な森が、丸ごと動き出したかのようだ。
「最新機、とっておきの拳なのです。喰らって吹っ飛ぶがよいのですよ」
 小隊【V@LKNIGHTS】隊長のディエスフィデス(la2755)は、小隊の先陣を切ってナイトメア勢のただ中へとFF-03Q『SIN-EREBOS』を飛び込ませる。
 稼働したNBs-01スヴァローグが『SIN-EREBOS』を飛翔させ、ディエスフィデスの起動したブレイドダンスによってバトルアックス「赤龍雷神」+1が『SIN-EREBOS』より離れ、青い光を纏って宙を疾走する。
 その軌道上にいた鎌の1体が斜めに断裂して横転し、血霧を撒いて消える中、同じ小隊の各ACも攻撃を加えていく。
「震え上がれ、滅亡の恐怖を知るがいい! これが継戦の代価だ、Урааа!」
 独立機械化歩兵小隊【Заря】を率いるイリヤ・R・ルネフ(la0162)は、NV-01Mbis『ロージナ』の中より咆哮し、小隊に砲撃戦を命じる。
 イリヤの乗る『ロージナ』は不具合を解消し、技術実証試験用のプラットフォームとして独自の改造を加えられた機体であり、総合的な性能評価は最新型と同等とみなされている。
 砲撃による支援の中、稼働した可変ブースター「アルミュエール」+2が『ロージナ』の機体を滑らせ、イリヤは急速に迫る鎌に向けヘルムヴィーゲ・パリングを起動。
 振り下ろされる刃を斬艦刀「破軍」+5がオーラを纏って受け流し、翻った「破軍」が斜めに斬り下ろされ、鎌の右肩から左脇腹に抜け、その身を両断する。
 砲撃と近接戦との共同による戦線突破を目指した【Заря】の攻勢に、ナイトメア側も蟲達を中心として報復のレーザー群を撃ち放って迎撃する。
 砲撃の応酬が繰り広げられる中、小隊【Grau Engel】のAC達が蟲達を優先的に排除しようと動き出す。
「そっちを見ている暇は無い、ってね。」
 【Grau Engel】隊長のミナ・アッシェンフェルト(la1578)は、自身の駆るMS-01J『デスペラード』を僚機と着かず離れずの距離を保ちながら、前進させている。
 弾雨のごとく飛来するレーザー群をかき分け、『デスペラード』は蟲達へと肉薄していく。
 蟲の砲口を強引に押し上げると、『デスぺラード』の煉獄鎌が真横に振り抜かれ、蟲の胴を裂き血をしぶかせる。
『……いや、何カッコ付けてんのよ……?』
 僚機のライセンサーの発した『仰ぐ空はない』といった言葉にツッコミを入れながらも、ミナはなおも斬り込みを続行する。
 その間にも、小隊【黄道十二宮】は、敵の動向や味方の動きに関する情報を集めながら、蝶達への攻撃を開始する。
『敵個体を発見総員排除せよ』
 【黄道十二宮】の旗艦でもあるS-01『アリエス』艦長兼小隊長のエアリーズ(la1968)は小隊所属の各ACへ号令を下す。
 カタパルト部分に牡羊座のマークが描かれた『アリエス』は、旗艦の役目を果たすため情報を素早く整理する小型電子黒板やタブレットを備え、情報を小隊内で共有できるようレイアウトされている。
 その『アリエス』の中でエアリーズは広域偵察によって敵の位置情報を収集しつつも、強襲指示による戦術リンクシステムで情報を友軍内で共有し、友軍の突入を支援する。
「このコンビネーション、崩せますか?」
 小隊【プラネタリウム】隊長の夕凪 沙良(la0116)は、小隊所属の各ACへ指示を飛ばしながらも、自身もBD-01PT『アークヴィラ』を駆って前に出る。
 この『アークヴィラ』はブースターやスラスターを増設することで、運動性や機動性を向上させ、脚部にも追加装甲を施すことで、ブースターやスラスターを増設できる余地を残したカスタム機となっている。
 SBs-01白鳥を稼働して宙に飛翔する『アークヴィラ』は浮遊砲台「八咫烏」+5を展開し、射程に捉えた鳥の1体に向け射撃を集中させる。
 「八咫烏」の一射を浴びた鳥は血霧を噴いて墜落し、地面に叩きつけられる前に四散した。
 各小隊は連携し、自軍の被害を抑えながらの攻勢が続くが、未だにライセンサー達全てが敵群へと肉薄するには至っていなかった。

●仮陣地
 討伐班が前線を切り開いたところで、陣地確保を目指す各小隊やAC、キャリアー達も進撃を開始する。
『メインディッシュ艦隊、突撃』
 小隊【メインディッシュ】隊長の珠(la2593)は、自身が艦長を務めるFS-10『サンタマリア』のハイパーブーストを起動し、猛然とナイトメア陣地へ殴り込むをかける。
 珠の言葉通り、【メインディッシュ】は複数のキャリアーを擁しており、猟犬さながらに突進していく。
 この中で『サンタマリア』は可動式増加装甲がACの足場となり、アームユニットが発着艦を補助する前線支援用の装甲強化艦として改修が成されている。
『さあ、暴れますよ!』
 珠の号令と共に、『サンタマリア』の星ノ海が起動。
 『サンタマリア』の両舷上部に格納されたミサイルコンテナより、宙を駆けあがった多数の中型ミサイルが目標に達したと見るうちに眩い煌めきが奔り、膨大な爆炎が沸きあがり、直撃を受けたナイトメア群を粉砕していく。
『ワームホール起動ポイント、各機に転送するよ。一斉射撃開始』
 『サンタマリア』甲板上で【メインディッシュ】のACを率いる黒伊睦美(la3861)も、『FF-03X』を駆って攻勢に参戦する。
 睦美自身も[EX]三連装砲「サンシオンPD7」+5の引き金を引き、睦美の指示を受け、狙いを定めていた各ACの銃器が一斉に発砲する。
 三連装砲より噴出した発射焔に押し出された砲弾状エネルギーが、一塊となって宙を飛び、立ちはだかる鎌や蟲、宙を漂う鳥や蝶達を片っ端から薙ぎ倒す。
 【メインディッシュ】の範囲攻撃により、ナイトメア陣地の一部が力づくで食い破られると、それを広げるべく後続の部隊が前進を始める。 
『対空戦闘、用意! 敵を叩き落とします!』
 小隊【クラーク駆逐隊】隊長のクラーク・アシュレイ(la0685)はSJ-03『カノン・フォート』の中より指示を飛ばし、対空戦闘を開始する。
 右肩に所属小隊を表す「C・D」のロゴが描かれた『カノン・フォート』は、頭部ユニットの外見がSJ-01に似たものに、脚部ユニットをより大型の物に換装した上で大型兵装の運用を重点に置き、重心を低めにして安定性を高めた改装が施されている。
 既に自動装填モードが起動された状態で、クラークは敵の密度が高い方面へグランドスラムを起動。
 キャノン「ロウシュヴァウスト」+5が閃光を発し、轟音と共に叩き出されたラフルグレネード付きの砲弾状エネルギーが、敵群のただ中でその威力を炸裂させた。
 弾着の爆発に巻き込まれた蝶達がまとめてその身を粉砕され、血煙と化し飛び散った。
『準備はOKかい? じゃ、行こう」
 小隊【DSP】隊長のロレンツォ・オルジャーニ(la0377)も、『SJ-03』の中から小隊へ進撃を呼びかけると、ロケットランチャー「ウラーガン」を敵群に向ける。
 射程内に鎌や蟲達を捉えたところで、ロレンツォは砲撃:貫通徹甲弾を起動。
 「ウラーガン」より射出された貫通徹甲弾状エネルギーが、射線上の鎌や蟲達を次々と貫き、高速回転しながら飛翔を続け、【DSP】所属のキャリアーや各ACも、前衛と後衛が連携しながらナイトメアを屠っていく。 
 これらの攻勢により、ナイトメア陣地はじりじりと削られ始める。
『さて、ここから押し上げるよ。寄ってくる奴は全部始末する! 全機展開!』
 小隊【ヴァローナ・グニズド】を指揮するアグラーヤ(la0287)が号令を下し、地上と空の両面から小隊所属のAC各機がナイトメア陣地へと突撃する。
 この内88(la0088)は、Catch The Skyを稼働して『SN-01』を宙に駆け上がらせ、各機体の中でやや突出していた。
「私の役割は足止めと、敵の動きを鈍らせての陣地確保の時間稼ぎだが……いけそうか?」
 自身の役割を復唱すると、88は棘を飛ばしながら飛来する蝶や、刃を振り上げて前進する鎌達に向け、エキゾチックノヴァを起動。
 『SN-01』に内蔵された思念誘導式小型ミサイルが一斉に発射され、周囲にいる蝶や鎌達に命中すると、直撃を受けた蝶や鎌達は一撃で粉微塵に砕け、四散した。
 そしてアグラーヤもMS-02S『フライルー』の吹雪を起動することで、機体を飛翔させる。
 この『フライルー』はアグラーヤ自身の肉体のイメージに基づき、背部より出現する光輪は雪の結晶のようなデザインに変え、『髪型』も含めた『体型』をアグラーヤへ最適化させる改修が施されている。
 そして敵群を前方に捕捉したところで、アグラーヤは一迅の嵐を起動。
 そのイマジナリーシールドに大出力のエネルギーを纏わせ、超高速飛行により一気に前方へ駆け抜けた『フライルー』の軌跡を、貫かれて砕かれた敵群の欠片や血霧が彩り、消えていく。
『海賊らしく港を奪ってやろうじゃないか! フルクトゥス海賊団、上陸開始!』
 小隊【海賊「フルクトゥス一家」】隊長兼S-01『アードゥイノ号』艦長のレフニー・フルクトゥス(la0174)が、号令と共にターンドリフトを駆使して突撃を開始する。
 レフニーや「フルクトゥス一家」の戦法は、思うさま距離を詰めての斉射と接舷斬り込みで、本物の海賊を彷彿とさせる。
 オリーブ色のカラーや船首及び船体各所に黒縁の髑髏マークが描かれた『アードゥイノ号』は、海賊「フルクトゥス一家」の移動拠点としての改修が施されている。
 飛来するレーザーや針でシールドに損傷を負いながらも、『アードゥイノ号』は直進を続け、距離を詰めたところで搭載していた小隊所属の各AC機を送り出し、空や地上へと斬り込んでいく。
『作戦も大詰めとなって来ましたね。最後まで駆け抜けるであります!』
 小隊【桜華光舞隊】所属のラムダ・ランバート・ラシュレー(la0557)が、SL-XΛ『極聖機ラムダヴァンガード』を駆って前に出る。
 破軍星によってその機体にオーラを纏い、周囲の敵や攻撃を十分引きつけたところで、ラムダは断罪剣を起動。
 機体の出力を武器へ回し、振り抜かれた[EX]斬艦刀「天翼」+5が真横に一閃した。
 その軌跡を覆うように黄金のオーラが爆発し、爆発に巻き込まれた鎌や蟲達は次々と砕け散り、血煙と化していく。
 ラムダの『極聖機ラムダヴァンガード』が敵群を食い止める間に、同じ【桜華光舞隊】に所属するトーヤ(la0375)もFF-03Q『天御雷』を前進させる。
『派手にいこうか。これより敵群を惹きつける。キャリアーからの砲撃を頼む』
 僚機との通信を開いてそう要請したトーヤは、味方の範囲攻撃が前方に炸裂したのを確認後、エナジーウィング「フォールン・エンジェル」+4を稼働して機体を飛翔させ、敵群へと突っ込んだ。
 トーヤはスターダイバーを起動するとオーラを纏い、敵群の隙間を薙いだ『天御雷』の[EX]斬艦刀「天翼」+5が、右に左に、蟲や柱達の胴を抜き、上下に断たれた敵群は血煙をあげ頽れていく。
 この時点で、ライセンサー達は一時的な陣地の形成に成功していたが、ナイトメア側も新手の蝶や鳥達を前線に投入したことで、戦線は一旦膠着する。

●討伐→突破
 この頃からイマジナリーフレアが起動できたものから順次発射され、戦場にも到達し始めていた。
 援護を受けた討伐班側のライセンサー達は、再度攻勢をかけていく。
『……存分に暴れてやれ。だが、情報収集も怠るなよ』
 小隊【Tinctura】隊長のLUCK(la3613)は標的を蝶に絞って撃破するよう指示を出し、自らも『XN-01』を進撃させる。
 小隊所属の各AC機が地上と空中へと散開し、両側から蝶達を撃破していく中、LUCKも換装した遠隔狙撃ユニット「トリステス」の引き金を引く。
 『XN-01』より「トリステス」が展開し、蝶達の頭上より撃ちおろされた砲弾状エネルギーが蝶を貫き、射抜かれた蝶は砕け飛び、四散する。
 【Tinctura】や他の各AC、キャリアーが奮戦する間にも、小隊【フォーサイシア】による情報収集は進められている。
『敵の居所も搦手も、此方が考えてバラしやるから、皆行けー!』
 【フォーサイシア】を率いる桃武 侑飛(la0525)は、NBs-01スヴァローグ+2を稼働してMS-02『縁斬羅車』を飛ばしながら小隊所属のライセンサー達と協力し、味方の情報伝達を支援していた。
 この『縁斬羅車』、白地に青、差し色に黄色を配した機体や、腕を簡易脱着できるコネクタが特徴で、操縦の難度と負担の軽減を目的とした様々な改修が施されている。
 その中で侑飛は、主に空戦における蝶や鳥達との戦闘データや、蝶や鳥の攻撃によって行動不能に陥った味方機の情報の収集に力を入れ、対応可能な味方へ情報を送り続けている。
 この【フォーサイシア】からの要請に応じたライセンサー達の中に、『FF-03X』を駆る山田 詠歌(la0151)もいた。
「ハハッ! 後数回、精々派手に戦ってあげるわ!」
 詠歌は情報を受け取ると、即座にSBs-01白鳥を稼働し、救助が必要な味方のもとへと『FF-03X』を急行させた。
 そして現場に到着した詠歌は、グラビティキックで救助対象を集めていくと、メディカライズオールを駆使して状態異常の解除やシールドの損傷を修復していく。
 【フォーサイシア】と同様、戦場の各情報を収集して分析し、必要な味方への伝達や情報面での支援を行っているのが小隊【黒子抄】だ。
「敵の布陣の破断はこのあたりだな。そうなると味方の攻勢の進捗状況と損耗の偏りは……」
 【黒子抄】隊長兼『S-01』艦長の只野 白子(la2981)は情報の整理分析を続け、徐々にライセンサーが戦況を優位に進め始めていると分析する。
『遊撃を行う皆様にお知らせします。敵陣地を突破できそうな箇所を発見しました、今から情報を伝達いたします』
 白子主導のもと、【黒子抄】による情報展開が行われ、ライセンサー達の戦力配分が適正化されていく。
 ただナイトメア側も押され続けるばかりではなく、現状に見合った戦力を繰り出してきた。
 浮き足立つナイトメア群を押しのけるようにして、戦域ではおそらく一番の強敵である龍達が轟然と姿を現した。
 数は他種に比べれば少ないものの、これまでの戦場で確認された個体数に比べれば明らかに多い。
 宙を滑るように移動し、進出した龍達より電撃や真空刃といった攻撃が数多く放たれ、ライセンサー達の各ACやキャリアーへの被害が拡大していく。
 これに対し、ライセンサー側も龍達に見合う戦力で応戦を開始する。
『龍翔特攻作戦、開始! 全員、突撃! ガンガンいこうぜ!』
 小隊【Howl Dragon】隊長の五代 真(la2482)は、KZ-00『我武者羅』の中より小隊の各ACへ号令を下した。
 各ACがそれぞれの役割を果たし、ある程度龍の情報も得たところで、真もNBs-01スヴァローグ+3を稼働して『我武者羅』を飛翔させ、龍との距離を詰めていく。
 このとき『FF-03X』を駆る詠代 静流(la2992)も、【Howl Dragon】を援護すべく、龍に随伴した他のナイトメアの撃破に目指していた。
 時折龍から報復の雷撃が放たれるも、静流は動ずることなく味方機の前へと『FF-03X』を割り込ませ、ブラックアウトを起動。
 直後、『FF-03X』を中心として、湾曲した空間の壁が周囲を覆い障壁を形成した。
 障壁は外部からの攻撃を遮断するとともに、障壁の範囲内にいた龍達の動きを阻害していき、その中には真が殴り込みをかけた龍も含まれていた。
「グロリアス・エクスレムか……さすがは最新鋭機ってところか。イイ機体だ」
 味方を守った静流は、自身の駆る『FF-03X』に称賛を送ると、後を【Howl Dragon】に託す。
『機体損傷を惜しまず、倒す気で攻め込め!』
 真が周囲の味方に檄を飛ばしながらも、急速に肉薄した龍に向け、『我武者羅』の[EX]グラビトンハンマー+3が伸びを見せた。
 蛇のごとくうねり奔る鎖付きの巨大な鉄球が龍の頭部を打ち据え、打撃音と共に衝撃を受けた龍の身が揺らぎ、押されていった。

●陣地→再開
 仮ながらライセンサー達が確保できた陣地の外では、投入された龍達の前進に合わせ、地上でもナイトメアは柱に護られた蟲が射撃を、鎌が近接戦を担う壁を構築しつつあった。
「此処は守り抜くとも。元より、仲間が立つ戦場だからな!」
 小隊【狂想曲】隊長のV・V・V(la0555)は、小隊所属のキャリアーに乗って現場に到着すると、小隊の各ACに防戦を命じ、自身もSL-X『シャルラッハ』を押し出して壁役を担う。
 レーザーとエネルギーの応酬が周囲で繰り広げられ、電撃が空間を焦がし、刃とACの白兵兵装が激突する中で、V・V・V(は特殊兵装『ジャミング』を起動。
 換装したシュトライヒェンM061+1より特殊な電磁波に変換された一射が撃ち放たれ、命中したナイトメアの身を引き裂き、血をしぶかせると共に、強力な電磁波がノイズのように干渉し、その手元を狂わせていく。
「では、しばらくこの場所に居座らさせてもらいましょうか」
 『SL-X』を駆る双葉(la3207)も防戦に加わり、味方の支援にあたる。
 双葉は [EX]バラエティー・アームズ+5と天空の騎士を駆使して味方機を庇いつつも、シールドの損傷がひどい味方のもとへ『SL-X』を向かわせ、ブリュンヒルドを起動。
 『SL-X』のイマジナリードライブを音波に変えて味方機へと射出され、状態異常を解除しシールドを修復していく。
『快適なタクシーですよっと』
 FS-10『Fortune girl』艦長の青柳 翼(la4276)は、小隊に所属することなくその枠組みを越えて柔軟に動き、前線への移動を希望する僚機を拾い上げ、搬送を続けている。
 この結果、少なくない数のACがスムーズに移動し、前線への迅速な戦力投入に『Fortune girl』は密かに貢献していた。
 翼は僚機の搬送を続けながらも、時折飛来する敵のうち鳥に対して防衛射撃を展開し、他の僚機が鳥達を撃破しやすくなるよう留意していた。
 それでも敵の攻勢はすさまじく、主に龍の知覚攻撃と飛行ナイトメアの行動不能を導く攻撃が原因となりライセンサー側の被害が一時拡大するが、小隊【NAGASAWA】が味方機の修復にあたる。
『最前線ほど医療の需要があるものです。ここで友軍の回復支援を行いましょう』
 【NAGASAWA】隊長のレーヴェン メディルファム(la3495)は、小隊所属のキャリアー甲板上で『FF-03X』に搭乗し、まず陣地中央に仮の『診療所』を設置するよう指示を下す。
 慌ただしく『診療所』が用意できたところで、レーヴェンも修復作業に加わり、自機の周囲に味方機を集めたところでハイ・コンダクターを起動。
 『FF-03X』周囲にいる味方機のシールドを修復すると同時に、強化を施すことで以後の戦闘を支援していく。
 こうした援護を受けながら、ライセンサー側は再度攻勢に転じる。
『これより敵陣の薄い部分から切り込みます! その後は場の確保を!』
 小隊【久遠翼】所属の火矢野 麒麟(la3142)は、自身が艦長を努める『S-01』の中から通信を開いてそう呼びかけ、艦を前進させる。
 既に広域偵察によって敵位置の捕捉に成功していた麒麟は、小隊所属の各ACへの強襲指示を実行。
 戦術リンクシステムによって、各ACとの間で最適なルートが共有されていき、味方の突入を支援していく。
 今回【久遠翼】は小隊【第二帰宅部】と小隊【帰宅部】とも連携し、それぞれが役割分担をしながら味方の橋頭堡確保を支援する方針を掲げている。
『征きましょう皆さん。来るべき未来のために!』
 【第二帰宅部】隊長の龍 玉蘭(la3798)が、XN-01『ドミニオン』を駆って自ら先頭に立ち、小隊所属の各機を鼓舞する。
 【第二帰宅部】は砲撃班と近接班に分かれて敵と交戦し、敵戦力の排除を実行している。
 玉蘭もまた砲撃を続ける蟲との距離を詰め、コード「666」を起動。
 『ドミニオン』に搭載された攻撃プログラムが玉蘭の感情を刺激し、IMD出力が強化された[EX]グラビトンハンマー+3が蟲へと襲いかかる。
 鎖付き鉄球が唸りをあげて蟲の頭に命中し、頭を叩き潰された蟲が血霧を散らして大地に叩きつけられ、絶命する。
 そして【帰宅部】所属の梨ヶ瀬 紅季(la3898)も『SJ-04』を駆って味方のキャリアーや僚機と共に味方の支援に動く。
『今から支援するから、もう少し踏ん張りなさい』
 紅季は通信を介しそう言いながら、周囲にいる味方機に向け、威風堂々第1番を起動する。
 『SJ-04』に搭載されたシステム「リムネラ」を用いてのIMD強化波動が周囲へと拡散し、味方機の攻撃能力を強化していき、その攻勢を支えていく。
 これらの活動によって効率よく敵戦力の排除が進み、再びライセンサー側の陣地が拡大していく。
 これに対し、龍が他種のナイトメアを伴い、電撃や真空刃を振りかざして強襲をかけてくるが、射撃能力の高い敵を優先排除する小隊【Jokers】が率先してこれを迎え撃つ。
 その中でも七瀬 葵(la0069)は、自身が艦長を務めるS-01『サバトラ改』を龍達のただ中へと突撃させていた。
 この『サバトラ改』は敵中央へ突入する突撃艦としての役割を担うべく、火力と耐久力を増す様々な改修が施され、艦体左右に発着艦用の甲板を追加し、AC運用能力を高めた艦でもある。
「……ん、艦載自動迎撃機構【カッツェンザムルング】起動。一気に、殲滅する」
 葵は艦のシールドを打ち据える龍からの電撃や真空刃に目もくれず、淡々と艦載自動迎撃機構『カッツェンザムルング』を起動。
 多数のデフォルメされた猫の幻影が『サバトラ改』艦上に多数展開され、幻影の猫達が仮想砲身を形成して応射を行い、恐るべき密度の弾幕を展開する。
 周囲にいた龍達は躱しきれずに絡めとられ、蝶や鳥が次々と砕け散り、消えていく。
 龍は全身を深く抉られ、血をしぶきながらも辛うじて宙を漂っていたが、残る敵には小隊【白椿】所属のキャリアーとAC達が追撃をかける。
「引けなくても負けられなくても変わらない、為すべき事を為すだけだ」
 【白椿】を率いるはルシエラ・ル・アヴィシニア(la3427)は『FF-03X』の中でそう呟き、【白椿】所属の各ACが鳥や蝶達の掃討を進める中、自身は満身創痍の龍に向けワームスナイプを起動する。
 『FF-03X』の構えるレヴィアタン砲+4が咆哮した瞬間、小さなワームホールを形成され、噴進弾状エネルギーを龍の背後へと転移させる。
 背後からの攻撃をまともに浴び、既に脆くなっていた龍はその一射で頭部を撃ち砕かれ、頭部を失った龍が血霧の尾を曳いて落ちていった。

●橋頭堡確保
 残った龍や柱はイマジナリーフレアの援護の効果が大きく、大ダメージを与えたところでライセンサー達はこの守りを突破する。
 残る蟲や鎌も今のライセンサー達には苦にもならず、最終的にナイトメアの構築した防衛戦を突破することに成功し、ここに橋頭堡は確保された。
 一方面の戦闘は終わったが、それぞれの尊厳をかけた本格的な戦いは、まだ始まったばかりだった。

リプレイ執筆
岩岡志摩

リプレイ監修
WTRPG・OMC運営チーム

文責
株式会社フロンティアワークス
  1. 北欧防衛戦突破
  2. 強敵対応<危険>
  3. 突破支援